【翻訳】時間旅行/Time Traveling【Daily MTG】
2011年1月9日 翻訳 コメント (2)時間旅行/Time Traveling : Daily MTG
2010年01月07日
Tom LaPille
元記事:http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/ld/124
(訳注:序文および開発チームメンバーの紹介は割愛)
マスターズエディションIVのカードの大半は、マジックの最初の3つのセット(註1)から収録されている。マジックの黎明期に皆の卓上を賑わしていたカードたちとほぼ同じ顔ぶれたちが今再びマスターズエディションIVのドラフトの卓上で活躍することになるだろう。
おそらく君たちは《大地の怒り/Force of Nature》や《シヴ山のドラゴン/Shivan Dragon》や《マハモティ・ジン/Mahamoti Djinn》のようなカードを引くことを期待しているだろうし、同時にそれらに《恐怖/Terror》や《剣を鍬に/Swords to Plowshares》が飛んできませんように、と祈っているに違いない。
アンコモンの枠に期待しているのは《センギアの吸血鬼/Sengir Vampire》や《大気の精霊/Air Elemental》や《巨大戦車/Juggernaut》あたりだろうか。運がよければ《対抗呪文/Counterspell》(打消し呪文じゃない、そう、《対抗呪文/Counterspell》だ)で対戦相手のキーカードを打ち落とすチャンスもあるだろう。
歴代のマスターズエディションたちは過去をさかのぼり、そしてマスターズエディションIVでついに最古へと到達した。もし君がマジックの黎明期からのプレイヤーであれば懐かしさに流す自分の涙におぼれないよう気をつけてくれ。最近始めたばかりなら、今から追いつけばいいだけのことだ。
ドラフトは楽し
セットの大きなテーマは懐古主義ではあるが、必ずしもよみがえって欲しくない過去もある。例えば、初期のセットを用いたリミテッドはどうしようもないバランスだ。ミラージュはリミテッドで用いられることも意識した初めてのセットだったが、マスターズエディションはそれ以前のカードたちで構成されている。そう。その収録されるカードの構成、ここで我々の近代的な開発のノウハウを活かさずしていつ活かすのか、という話だ。
最近のマジックのセットにはテーマ性があり、今回もそれは変わらない。ベータとアラビアンナイトにはメカニック的なテーマは存在しなかったが、アンティキティーには存在した。アーティファクトだ。そしてマスターズエディションIVも同様だ。ただ今回は金属術を達成するために必要な枚数のアーティファクトをひっかき集めるべく奔走する必要はない。当時、そんなメカニックは存在しなかった。そのかわり《黒曜石のゴーレム/Obsianus Golem》や《原初の土/Primal Clay》(註2)や《機械仕掛けの鳥/Clockwork Avian》などが戦闘で活躍することになり、《神への捧げ物/Divine Offering》や《崩壊/Crumble》や《Artifact Blast》などは申し分ない働きを見せてくれるはずだ。
もし君がマスターズエディションIVのテーマが本当にアーティファクトなのかどうかを疑うなら、普段であれば基本土地が鎮座ましましているスロットを見て欲しい。最近のセットならば必ずそこにあるはずの基本土地のかわりは、なんとウルザ地形だ。
アンティキティーが出た当初、ウルザ地形はそれを発見したプレイヤーたちに重い呪文をデッキへたらふくぶち込ませた。第8版と第9版がスタンダードリーガルだった頃にも同じようなデッキが猛威を振るった。そして今、そんな重量級のデッキをドラフトで組めるチャンスが到来したというわけだ。ドラフトで実際にウルザ・デッキを組めるのは卓で1人か2人だろうが、もし君がその1人になれたなら3ターン目に《黒曜石のゴーレム/Obsianus Golem》を呼び出したり、《ドラゴン・エンジン/Dragon Engine》を7/3までパンプしたりできるはずだ。
さらに、最近のセット同様、マスターズエディションIVはリミテッドのためにカードプール内での細かな調整が効いている。ここで全てをばらしてお楽しみを台無しにする気はない。新たな未知なる世界へと飛び込むのはマジックの新セットの楽しみの1つだからだ。
しかし、1つくらいはいいだろう。このセットで強いとみなされるであろうクリーチャーたちの一部は再生能力を持っている。例えば《粘土像/Clay Statue》や《Sedge Troll》や《Living Wall》などだ。それにはちょっと劣るが、他にも再生クリーチャーがいる。《Drowned》や《悪魔の機械/Diabolic Machine》だ。もちろんこれら再生に対抗する手段が用意されてない、などという不手際はない。《Lim-Dul’s Cohort》もそれなりにいい仕事をしてくれるだろうが、この分野での私のお気に入りは《Gravebind》だ。
《Gravebind》はコモンだ。大半のリミテッド環境ではゴミカードだ。しかし、信じて欲しい。このセットでは別だ。使えるかって? そうだな、絶対とはいえないが、黒いデッキに複数枚入れて、最初の1枚を唱えるときは大抵楽しくてしょうがなかった。アタックするなら今のうち、と対戦相手が信じているときに彼の《粘土像/Clay Statue》をこれで待ち伏せするのは至福の極みだ。
もちろん、マスターズエディションIVで近代の開発ノウハウが活かされたのがこの《Gravebind》だけということではない。他にも、普通なら見向きもされないようなカードたちが君たちのドラフトを手助けしてくれることだろう。
古いカードをマジックオンラインへ
マスターズエディションIVには、過去のマジックオンラインには存在しなかった強力でとんでもないカードたちがたくさん収録されている。これらの多くはマジックオンラインのレガシーやクラシックのカードプールを埋めるのに十分なほど強い。《Maze of Ith》や《Sinkhole》や《Library of Alexandria》や《Mishra’s Workshop》や《Fastbond》、他の制限カードたちがそれだ。
我々は多少時間をかけてでもオンラインのマジックが紙のマジックに追いつければと願っており、その目的のためにこれらのカードは構築環境に必要なカードだ。
もっともそれだけがこれらのカードを復活させた理由ではない。ミラージュ以前のカードの中には、構築では使われないだろうがカジュアルでは人気だったものや、替わりとなれるカードがないものがある。例えば《Leeches》は毒カウンターを取り除くことが出来る唯一のカードだ。さらには《In The Eye of Chaos》の替わりとなれるカードもどこにも存在しない。これらはオンラインに収録されるべきだと感じた。
他にマスターズエディションIVによってマジックオンラインにもたらされたのは昔懐かしいテイストのイラストたちだ。マジックの初期のカードをそろえようというときに《エイトグ/Atog》や《ハルマゲドン/Armageddon》や《対抗呪文/Counterspell》を収録しないわけにもいかない。そして、これらを収録せざるを得ないというのを問題点と考えるのではなく、元のイラストで登場させるチャンスじゃないか、と私はとらえることにした。
現実の世界で、私はアンティキティーの《エイトグ/Atog》と日本語第4版の黒枠の《対抗呪文/Counterspell》を使うのは楽しかった。さらに私よりもそういった楽しみに貪欲な人たちは、ポータル版の《ハルマゲドン/Armageddon》やアラビアンナイト版の《真鍮の都/City of Brass》をそろえたりしていた。
マスターズエディションIVによってマジックオンラインのプレイヤーたちに昔懐かしいイラストをプレイする機会をもたらす、ということだけでなく、今回初めて黒枠で印刷されるカードだってあるのだ。
さて、最後におまけとして、よく聞かれる質問に答えておこう。
質問:なんでレアが105枚も?(註3)
回答:
先に述べたとおり、マスターズエディションの目的の1つは古いカードをマジックオンラインへ出来る限りたくさん放り込むことだ。残念なことに最近の開発方針から鑑みるに、ミラージュ以前のカードの中にはコモンにふさわしいカードがそれほど多くない。オンラインに登場させたいとんでもないカードたちは大抵コモンより上のレアリティに属している。
収録元のセットには《Sinkhole》や《Mishra’s Workshop》や《Maze of Ith》、10枚の制限カードたち、そして10枚のデュアルランドたちがあり、それらの入れたいカードを全部ねじ込むだけのスペースはあると我々は考えた。
質問:なんでプレビューに神話レアとして紹介されたカードがあったの?(註4)
回答:
デザインファイルでは、ヴィンテージで制限カードだった10枚は全て神話レアだった。これによって10枚の神話レアと95枚のレアが存在してた。これによって1枚しか必要ない制限カードを引き過ぎず、かつ引くのが楽しみになるようなバランスになると私は考えた。
しかし後になって現実のセットより遥かに低い確率でしか神話レアが登場しなくなってしまうことに誰かが気づいた。このことが問題視されたため、制限カードたちはレアに格下げされた。そして今や105枚のレアがあるというわけだ。
質問:なんでデュアルランド10枚全てがまたセット入りしたの?(註5)
回答:
我々はマジックオンラインのプレイヤーたちに長くレガシー環境に触れていて欲しいと願っている。それを可能にする一助として、レガシーのマナベースを安定させることが出来るカードを長期間使用可能にすることが必要だと考えた。これを念頭に置き、我々はデュアルランド全てを再度セットに収録することとした。
質問:パワー9はなんで収録されなかったの?
それを決断したのは私ではないので、答えることはできない。かわりにMagic Onlineのフォーラムで以下のとおり述べているWorth Wollpertの言葉を借りよう。
マスターズエディションIVの発売は、01月10日だ。手元にパソコンがあって冒険心に富んでいるならば、我々と一緒に過去にさかのぼって黎明期のマジックを探険しようじゃないか。リリースイベントは12日から始まる。そこで皆と会えるのを楽しみにしているよ!
(註1) 最初の3つのセット
アルファ/ベータ、アラビアンナイト、アンティキティーのことと思われる。なお製品ページによると「Antiquities, Arabian Nights, Ice Age, Legends, Limited (Alpha), Portal, Portal Second Age, The Dark, and more」を含む、とある(以下のURL参照)。
http://www.wizards.com/magic/tcg/productarticle.aspx?x=mtg/tcg/mastersed4/productinfo
(註2) 《原初の土/Primal Clay》
マスターズエディションIVのコモン。昔はレアだったんだけど、コモン。ちなみにこれだけじゃなくて他にも《空飛ぶ絨毯/Flying Carpet》やら《ドラゴン・エンジン/Dragon Engine》やら、むしろなんで昔はレアだったんだろう、という元レアカードたちがコモンに並んでいる。第4版をリアルタイムで買ってた身としては、喜怒哀楽のいずれにも属さない微妙な気持ちがわいてくる。
(註3) レアが105枚
セット枚数は全部で269枚。なんとそのうち105枚がレア、という話。
(註4) 神話レア
製品版には神話レアが存在しない。
(註5) デュアルランド
マスターズエディション2とマスターズエディション3にはそれぞれ5枚ずつのデュアルランドが再録されており、今回あらためてそれら10枚全てが再録されている。
(註6) ※ 引用部分について
まさにここに書いてあるとおり非常にデリケートなネタなので、理由について本気で気になる人は原文を読むことを推奨。
2010年01月07日
Tom LaPille
元記事:http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/ld/124
(訳注:序文および開発チームメンバーの紹介は割愛)
マスターズエディションIVのカードの大半は、マジックの最初の3つのセット(註1)から収録されている。マジックの黎明期に皆の卓上を賑わしていたカードたちとほぼ同じ顔ぶれたちが今再びマスターズエディションIVのドラフトの卓上で活躍することになるだろう。
おそらく君たちは《大地の怒り/Force of Nature》や《シヴ山のドラゴン/Shivan Dragon》や《マハモティ・ジン/Mahamoti Djinn》のようなカードを引くことを期待しているだろうし、同時にそれらに《恐怖/Terror》や《剣を鍬に/Swords to Plowshares》が飛んできませんように、と祈っているに違いない。
アンコモンの枠に期待しているのは《センギアの吸血鬼/Sengir Vampire》や《大気の精霊/Air Elemental》や《巨大戦車/Juggernaut》あたりだろうか。運がよければ《対抗呪文/Counterspell》(打消し呪文じゃない、そう、《対抗呪文/Counterspell》だ)で対戦相手のキーカードを打ち落とすチャンスもあるだろう。
歴代のマスターズエディションたちは過去をさかのぼり、そしてマスターズエディションIVでついに最古へと到達した。もし君がマジックの黎明期からのプレイヤーであれば懐かしさに流す自分の涙におぼれないよう気をつけてくれ。最近始めたばかりなら、今から追いつけばいいだけのことだ。
ドラフトは楽し
セットの大きなテーマは懐古主義ではあるが、必ずしもよみがえって欲しくない過去もある。例えば、初期のセットを用いたリミテッドはどうしようもないバランスだ。ミラージュはリミテッドで用いられることも意識した初めてのセットだったが、マスターズエディションはそれ以前のカードたちで構成されている。そう。その収録されるカードの構成、ここで我々の近代的な開発のノウハウを活かさずしていつ活かすのか、という話だ。
最近のマジックのセットにはテーマ性があり、今回もそれは変わらない。ベータとアラビアンナイトにはメカニック的なテーマは存在しなかったが、アンティキティーには存在した。アーティファクトだ。そしてマスターズエディションIVも同様だ。ただ今回は金属術を達成するために必要な枚数のアーティファクトをひっかき集めるべく奔走する必要はない。当時、そんなメカニックは存在しなかった。そのかわり《黒曜石のゴーレム/Obsianus Golem》や《原初の土/Primal Clay》(註2)や《機械仕掛けの鳥/Clockwork Avian》などが戦闘で活躍することになり、《神への捧げ物/Divine Offering》や《崩壊/Crumble》や《Artifact Blast》などは申し分ない働きを見せてくれるはずだ。
もし君がマスターズエディションIVのテーマが本当にアーティファクトなのかどうかを疑うなら、普段であれば基本土地が鎮座ましましているスロットを見て欲しい。最近のセットならば必ずそこにあるはずの基本土地のかわりは、なんとウルザ地形だ。
アンティキティーが出た当初、ウルザ地形はそれを発見したプレイヤーたちに重い呪文をデッキへたらふくぶち込ませた。第8版と第9版がスタンダードリーガルだった頃にも同じようなデッキが猛威を振るった。そして今、そんな重量級のデッキをドラフトで組めるチャンスが到来したというわけだ。ドラフトで実際にウルザ・デッキを組めるのは卓で1人か2人だろうが、もし君がその1人になれたなら3ターン目に《黒曜石のゴーレム/Obsianus Golem》を呼び出したり、《ドラゴン・エンジン/Dragon Engine》を7/3までパンプしたりできるはずだ。
さらに、最近のセット同様、マスターズエディションIVはリミテッドのためにカードプール内での細かな調整が効いている。ここで全てをばらしてお楽しみを台無しにする気はない。新たな未知なる世界へと飛び込むのはマジックの新セットの楽しみの1つだからだ。
しかし、1つくらいはいいだろう。このセットで強いとみなされるであろうクリーチャーたちの一部は再生能力を持っている。例えば《粘土像/Clay Statue》や《Sedge Troll》や《Living Wall》などだ。それにはちょっと劣るが、他にも再生クリーチャーがいる。《Drowned》や《悪魔の機械/Diabolic Machine》だ。もちろんこれら再生に対抗する手段が用意されてない、などという不手際はない。《Lim-Dul’s Cohort》もそれなりにいい仕事をしてくれるだろうが、この分野での私のお気に入りは《Gravebind》だ。
《Gravebind》はコモンだ。大半のリミテッド環境ではゴミカードだ。しかし、信じて欲しい。このセットでは別だ。使えるかって? そうだな、絶対とはいえないが、黒いデッキに複数枚入れて、最初の1枚を唱えるときは大抵楽しくてしょうがなかった。アタックするなら今のうち、と対戦相手が信じているときに彼の《粘土像/Clay Statue》をこれで待ち伏せするのは至福の極みだ。
もちろん、マスターズエディションIVで近代の開発ノウハウが活かされたのがこの《Gravebind》だけということではない。他にも、普通なら見向きもされないようなカードたちが君たちのドラフトを手助けしてくれることだろう。
古いカードをマジックオンラインへ
マスターズエディションIVには、過去のマジックオンラインには存在しなかった強力でとんでもないカードたちがたくさん収録されている。これらの多くはマジックオンラインのレガシーやクラシックのカードプールを埋めるのに十分なほど強い。《Maze of Ith》や《Sinkhole》や《Library of Alexandria》や《Mishra’s Workshop》や《Fastbond》、他の制限カードたちがそれだ。
我々は多少時間をかけてでもオンラインのマジックが紙のマジックに追いつければと願っており、その目的のためにこれらのカードは構築環境に必要なカードだ。
もっともそれだけがこれらのカードを復活させた理由ではない。ミラージュ以前のカードの中には、構築では使われないだろうがカジュアルでは人気だったものや、替わりとなれるカードがないものがある。例えば《Leeches》は毒カウンターを取り除くことが出来る唯一のカードだ。さらには《In The Eye of Chaos》の替わりとなれるカードもどこにも存在しない。これらはオンラインに収録されるべきだと感じた。
他にマスターズエディションIVによってマジックオンラインにもたらされたのは昔懐かしいテイストのイラストたちだ。マジックの初期のカードをそろえようというときに《エイトグ/Atog》や《ハルマゲドン/Armageddon》や《対抗呪文/Counterspell》を収録しないわけにもいかない。そして、これらを収録せざるを得ないというのを問題点と考えるのではなく、元のイラストで登場させるチャンスじゃないか、と私はとらえることにした。
現実の世界で、私はアンティキティーの《エイトグ/Atog》と日本語第4版の黒枠の《対抗呪文/Counterspell》を使うのは楽しかった。さらに私よりもそういった楽しみに貪欲な人たちは、ポータル版の《ハルマゲドン/Armageddon》やアラビアンナイト版の《真鍮の都/City of Brass》をそろえたりしていた。
マスターズエディションIVによってマジックオンラインのプレイヤーたちに昔懐かしいイラストをプレイする機会をもたらす、ということだけでなく、今回初めて黒枠で印刷されるカードだってあるのだ。
さて、最後におまけとして、よく聞かれる質問に答えておこう。
質問:なんでレアが105枚も?(註3)
回答:
先に述べたとおり、マスターズエディションの目的の1つは古いカードをマジックオンラインへ出来る限りたくさん放り込むことだ。残念なことに最近の開発方針から鑑みるに、ミラージュ以前のカードの中にはコモンにふさわしいカードがそれほど多くない。オンラインに登場させたいとんでもないカードたちは大抵コモンより上のレアリティに属している。
収録元のセットには《Sinkhole》や《Mishra’s Workshop》や《Maze of Ith》、10枚の制限カードたち、そして10枚のデュアルランドたちがあり、それらの入れたいカードを全部ねじ込むだけのスペースはあると我々は考えた。
質問:なんでプレビューに神話レアとして紹介されたカードがあったの?(註4)
回答:
デザインファイルでは、ヴィンテージで制限カードだった10枚は全て神話レアだった。これによって10枚の神話レアと95枚のレアが存在してた。これによって1枚しか必要ない制限カードを引き過ぎず、かつ引くのが楽しみになるようなバランスになると私は考えた。
しかし後になって現実のセットより遥かに低い確率でしか神話レアが登場しなくなってしまうことに誰かが気づいた。このことが問題視されたため、制限カードたちはレアに格下げされた。そして今や105枚のレアがあるというわけだ。
質問:なんでデュアルランド10枚全てがまたセット入りしたの?(註5)
回答:
我々はマジックオンラインのプレイヤーたちに長くレガシー環境に触れていて欲しいと願っている。それを可能にする一助として、レガシーのマナベースを安定させることが出来るカードを長期間使用可能にすることが必要だと考えた。これを念頭に置き、我々はデュアルランド全てを再度セットに収録することとした。
質問:パワー9はなんで収録されなかったの?
それを決断したのは私ではないので、答えることはできない。かわりにMagic Onlineのフォーラムで以下のとおり述べているWorth Wollpertの言葉を借りよう。
最後に、今まで触れなかった例の件について。
マスターズエディションIVにパワー9が登場しなかったからと言って今後もマジックオンラインにパワー9が登場しない、と決まったわけではない。パワー9がマスターズエディションIVに収録されなかったのは、これらの取り扱いについて細心の注意を払いたいからだ。
これらは多くの人にとってあまりに大きな意味を持つカードであり、最終的に私はマスターズエディションIVはまだそのときではない、と判断した。多くの賛成派と多くの否定派が見えないところでせめぎあったが、最終判断者は私だ。
これに関しては本当に多くの議論が戦わされた。
明確にしておきたいのは、我々はまだ皆と分かち合えるだけの納得いく結論に今時点で至っていない、ということだ。マスターズエディションIVに収録されなかった、ということをそれ以上の意味にはとらないで欲しい。(註6)
マスターズエディションIVの発売は、01月10日だ。手元にパソコンがあって冒険心に富んでいるならば、我々と一緒に過去にさかのぼって黎明期のマジックを探険しようじゃないか。リリースイベントは12日から始まる。そこで皆と会えるのを楽しみにしているよ!
(註1) 最初の3つのセット
アルファ/ベータ、アラビアンナイト、アンティキティーのことと思われる。なお製品ページによると「Antiquities, Arabian Nights, Ice Age, Legends, Limited (Alpha), Portal, Portal Second Age, The Dark, and more」を含む、とある(以下のURL参照)。
http://www.wizards.com/magic/tcg/productarticle.aspx?x=mtg/tcg/mastersed4/productinfo
(註2) 《原初の土/Primal Clay》
マスターズエディションIVのコモン。昔はレアだったんだけど、コモン。ちなみにこれだけじゃなくて他にも《空飛ぶ絨毯/Flying Carpet》やら《ドラゴン・エンジン/Dragon Engine》やら、むしろなんで昔はレアだったんだろう、という元レアカードたちがコモンに並んでいる。第4版をリアルタイムで買ってた身としては、喜怒哀楽のいずれにも属さない微妙な気持ちがわいてくる。
(註3) レアが105枚
セット枚数は全部で269枚。なんとそのうち105枚がレア、という話。
(註4) 神話レア
製品版には神話レアが存在しない。
(註5) デュアルランド
マスターズエディション2とマスターズエディション3にはそれぞれ5枚ずつのデュアルランドが再録されており、今回あらためてそれら10枚全てが再録されている。
(註6) ※ 引用部分について
まさにここに書いてあるとおり非常にデリケートなネタなので、理由について本気で気になる人は原文を読むことを推奨。
コメント
リミテッド調整されてるMEとか胸熱です。ウルザランドが集めれらることも相まって結構面白い環境になりそう。
元記事の画像見て思ったのですが昔のForce of Natureのイラストって《新緑の魔力 /Verdant Force》と似てるんですね。《新緑の魔力 /Verdant Force》はフォース繋がりのオマージュだったのでしょうか
ウルザ地形の収集合戦が熱そうですよね。いつから回収しだすかのチキンレースが予想されます。