ピスタスの一撃/Pistus Strike - ミラディン包囲戦 コモン
Pistus Strike / ピスタスの一撃 (2)(緑)
インスタント
飛行を持つクリーチャー1体を対象とし、それを破壊する。それのコントローラーは毒(poison)カウンターを1個得る。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Pistus+Strike/

 2007年にDoug Beyerは《ザンティッドの大群/Xantid Swarm》のイラストに何体のクリーチャーがいるか数えてみて、725匹(註1)という結論に達した。
 《ピスタスの一撃/Pistus Strike》にはそれより多い数のクリーチャーがいるようにも見えるが、どちらにせよこのカードではアンヒンジドの例のカード(註2)をブロックすることはできないので、確認する必要は無い。

(註1) 725匹
 リンク先は、2007年05月のAsk Wizards。質問は、《Our Market Research Shows That Players Like Really Long Card Names So We Made this Card to Have the Absolute Longest Card Name Ever Elemental》(註2)が1体のクリーチャーにブロックされたとき最大でいくつになるのか、というもの(註3)。
 http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtgcom/askwizards/0507#052507

(註2) アンヒンジドの例のカード
 《Our Market Research Shows That Players Like Really Long Card Names So We Made this Card to Have the Absolute Longest Card Name Ever Elemental》のこと。略称は《OMRSTPLRLCNSWMTCTHTALCNEE》。以下にカードテキストを引用しておく。
Our Market Research Shows That Players Like Really Long Card Names So We Made this Card to Have the Absolute Longest Card Name Ever Elemental (1)(緑)(緑)
クリーチャー - エレメンタル(Elemental)
イラストランページ2(これがいずれかのクリーチャーによってブロックされるたび、ブロックしているクリーチャーの絵の中の2体目以降のクリーチャー1体につき+2/+2の修整を受ける。)
2/2
引用元:http://mtgwiki.com/wiki/Our_Market_Research_Shows_That_Players_Like_Really_Long_Card_Names_So_We_Made_this_Card_to_Have_the_Absolute_Longest_Card_Name_Ever_Elemental

(註3) ~が1体のクリーチャーにブロックされたとき最大でいくつになるのか
 以下、リンク先の記事(の中で今日のCard of the Dayで話題にされていたQ&A)の和訳。
Ask Wizards - May, 2007
2007年05月01日25日の質問
元記事:http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtgcom/askwizards/0507#052507
質問:
   アンヒンジドの《OMRSTPLRLCNSWMTCTHTALCNEE》は、単体の
  クリーチャーにブロックされたとき最大でどれくらい大きくなるの?
                         ジャスティンより(アメリカ、ミネソタ州)


回答者:Doug Beyer(マジック・クリエイティブチーム)

 とても、とっても、とーっても大きくなるよ。

 うん、これは、あれだね。

 完璧に正しい回答をするには、あいまい検索機能と柔軟なファジー思考回路を持った近未来的マジックイラスト専用人工知能システム(写真記憶付き)が必要となるタイプの質問だね。アンヒンジドのカードだし。

 残念ながらそのマシンは商品として店頭に置いてあって今は使わせてもらえない。そんなわけで、かわりに私が駆り出されてきたわけさ。

(そでをまくりあげる)

 状況をおさらいしよう。

 《OMRSTPLRLCNSWMTCTHTALCNEE》は「イラストランページ2」を持ってる。だから「これがいずれかのクリーチャーによってブロックされるたび、ブロックしているクリーチャーの絵の中の2体目以降のクリーチャー1体につき+2/+2の修整を受ける」。

 つまりこの問題を解くには、そのイラストにもっとも多くクリーチャーが描かれているクリーチャーを見つける必要があるってことだね。

 まずルールを決めようか。このカードの意図するところ(だと私が思っている)がブレないようにね。

 まず1つ目、クリーチャーは実際にイラストに描かれているもののみ数える。示唆しているだけではダメだ。何らかの手段でクリーチャー化した《ボロスの駐屯地/Boros Garrison》(註)に描かれている建物の中には数千の兵士がいるかもしれないけど、そんなんは数えないってこと。

 見えなきゃダメ。
(註) 《ボロスの駐屯地/Boros Garrison》
 イラストは以下のリンク先参照のこと。
 http://magiccards.info/pch/en/131.html

 2つ目としては、個別に数えられるクリーチャーのみだ。

 《ウンヤロ蜂/Unyaro Bees》(註)にはすんごい数の蜂が描かれているけど、背景に描かれている蜂はひとかたまりの雲みたいな感じにモヤモヤッとしてる。

 もしも私が対戦相手の《OMRSTPLRLCNSWMTCTHTALCNEE》を《ウンヤロ蜂/Unyaro Bees》でブロックすることがあったら、蜂の形がよく分からなくなってきたあたりで数えるのをやめるね。そして悟った顔でうなずいて「あ、うん、致死ダメージだね」とか言いながら《ウンヤロ蜂/Unyaro Bees》を墓地に置くと思う。

 私はジャッジではないけど、もし《OMRSTPLRLCNSWMTCTHTALCNEE》がなんらかの手段でトランプルを得た場合でも、単体として判別可能な蜂の数までの+2/+2しか認めないと思うよ。
(註) 《ウンヤロ蜂/Unyaro Bees》
 イラストは以下のリンク先参照のこと。
 http://magiccards.info/ts/en/231.html

 じゃあ、先に進むことにしようか。

 マジックのクリーチャーの大半はイラストに1体しかクリーチャーが描かれていないので、《OMRSTPLRLCNSWMTCTHTALCNEE》は基本的にボーナスを得られない。

 ってことで、質問に答えるために、私は何かのグループが描かれているイラストをまず探すことにした。兵士とか、群集とか、暴徒の群れとかどうかな。

 いやいや、それより昆虫の群れだな。

 《ウンヤロ蜂/Unyaro Bees》は、アイデアとしては悪くなかったんだ。ただ、ぼやけてしまって数えられないのが問題だっただけで。

 《ファイレクシアの戦闘バエ/Phyrexian Battleflies》は良い例だね。これには間違いなく個別に数えられるハエが16匹もイラストにいるから。

 《針蟻/Fire Ants》はもっとすごい。なにせ34匹もの蟻がいるから《OMRSTPLRLCNSWMTCTHTALCNEE》にターン終了時まで+66/+66の修整を与えられるんだ。

 いやいや、ところがどっこい、34匹なんて序の口だってことが判明した。

 もうこれ以上探す必要はなくなったな、って思ったのは、《ザンティッドの大群/Xantid Swarm》を見つけたときだ。0/1でしかないにも関わらず、そのイラストにはとーーーーーーーーーーーんでもない数の虫が数えられる状態で詰め込まれてたんだ。
(註) 《ザンティッドの大群/Xantid Swarm》
 イラストは以下のリンク先参照のこと。
 http://magiccards.info/sc/en/135.html

 いや、本当だって。通常サイズのカードイメージじゃ分からないだけだ。大き目のイラストを見てくれ。
 特大サイズの《ザンティッドの大群/Xantid Swarm》のイラスト
 http://www.wizards.com/magic/images/mtgcom/arcana1000/ask0525_XantidSwarm_uncounted.jpg

 なんだこりゃ!? これまた1枚のイラストにクリーチャーをわんさかと詰め込んだもんだね。一体全体、何匹いるんだろう? え? なんだい? おいおい、まさか勤務時間内にこのイラストの点を数えろって?

 ……本当に?

 マジで?

 まさか、ここに座って、1匹1匹余すところなく印を付けろって? David Martinの絵筆がはじき出した、魔法使いをいらつかせるためだけに生まれた虫どもに?

 ああ、分かったよ。

 725匹だ。多分ね。

 本当に数えたのか、って? 本当に数えたのか、って!?
 特大サイズの《ザンティッドの大群/Xantid Swarm》のイラスト(印付き)
 http://www.wizards.com/magic/images/mtgcom/arcana1000/ask0525_XantidSwarm_counted.jpg

 ああ、そのとおり。本当に印をつけたのさ。

 というわけで、《ザンティッドの大群/Xantid Swarm》にブロックされた《OMRSTPLRLCNSWMTCTHTALCNEE》はターン終了時まで+1448/+1448されるから、1450/1450になるよ! やったね! 

 はてさて、1枚のイラストにこれを超える数のクリーチャーが描かれているカードがあるかどうか。どうだろうね。私はいないと思ってる。

 お便りありがとう、ジャスティン。

 医者からの請求書は君に送っとくよ。725匹のザンティッドどもをクリックしたせいで腱鞘炎になってしまったからね。

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0311

コメント

bun
2011年4月1日11:24

>2007年にDoug Beyerは《ザンティッドの大群/Xantid Swarm》のイラストに何体のクリーチャーがいるか数えてみて、725匹(註1)という結論に達した。

こう言う文章ものすごく好きなんですよ。
朝から(もうすぐお昼だけど)笑わせてもらいました。
センスのある質問とセンスのある回答ですよね。

re-giant
2011年4月1日15:06

ほんと、質問する方も質問する方ですけど、答える方も答える方ですよね。面白い。
個人的には《ボロスの駐屯地/Boros Garrison》のくだりが好きです。

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