先日アップした以下の記事の訳の苦労した点というか、楽しんだ点というか。
フレイバーにテキストを添えて/Add Text to Flavor
https://regiant.diarynote.jp/202001140642309735/
言い訳がましくならないように気を付けつつ。
まずタイトルについて。
原文のタイトルは「Add Text to Flavor」。実はあまり意味を読み解けてない。「Add Text to Flavor ~」で最後に名詞が来ていたら「~に風味をつけるためのテキスト」で分かりやすいんだけど……その名詞が省略されてるのかなあ。
いずれにしても「テキストを味付けに使いました」という意味だろう、と思って上記の訳にした。「テキストを隠し味に」とか「最後に少しテキストを足して」とかもありだったかな。
でも「フレイバー」は必要だろうし(なんの記事がタイトルで分かってもらうために)これでいいか。良しとしよう(自分に言い聞かせるように)。
次は翻訳以外の件。
Star City Gamesにもアップされているというのでダメ元で検索したらまだ残ってた。差分を訳して補足という形で足しこむか、と思ってたらリンク切れになった。コピッておくべきだった。残念。
ただそれほど大きな差異はなくて、あえて1つ挙げるとすれば註釈として足したグラフ(フレイバーテキストのうち何割が古典からの引用で、何割が歴史家的な第3者視点で……を示したパイグラフ)があったことくらい。
公式サイトの掲示板にもアップされた、とあるけどそれは見つけられなかった。さすがに17年前だしなあ。
これは《蠢く骸骨/Drudge Skeletons》のフレイバーテキストで、ここで触れたいのは訳の話ではなくレイアウトの話。
DiaryNoteは記事の編集操作がシンプルで、太字か斜体か赤文字か青文字くらいしかフォントをいじれない。その中で、どうやって「ここは文章じゃなくてフレイバーテキストです」と示すかで迷った。正直、毎回迷ってる。
青文字や赤文字ではあまりに強すぎるし、Blockquoteを使って箱で囲うと注釈文と紛らわしくなる。今回は小文字(フォントサイズを1段階小さくする)で対応してみたけど、正解かどうか分からない。
大人しくそのままフォントをいじらないのが正解かもしれない……アンケートとりたいけど、そんな機能はないし、そもそも回答サンプルが2桁集まるとも思えないので、今後も試行錯誤を続けるしかないか。
ポイントは「Jerry Seinfeld」。前にも著者の記事に登場したのでこれが英国のコメディドラマの主人公(かつタイトル)であることは知ってた。ちなみに日本語のWikipediaでは「となりのサインフェルド」の項目で紹介されてる。
問題は、このドラマと登場人物が日本で知られているとは思えないこと、かつ見たことがないのでそれをネタしたセリフをそれらしく訳せる自信がないこと。
ここでかなり詰まってしまって、最後は固有名詞を使って訳すことを諦めた。勝手に作ったギャグの部分は……うーん……これのせいで筆者であるウィルさんが誤解されてしまったら申し訳ないな、とは感じる。
あらためて見ると「newsgroup」をどうして「ファンニュース」にしたのかよく分からない。「ファンサイト」が一番適切な気がする。そのうち直すかも。
あとマジック全然関係ない話としては、「Message Board」を「掲示板」としたあと「そういえばネットでの掲示板といえば BBS(Bulleton Board System)という略称が一般的だった時代があったな」とふと思い出した。
ここを読んだときは、ジャー・ジャー・ビンクスって本当に嫌われてるんだな、と思った。正直、友人たちと自宅に集まって見たときも不人気だった。
2002年の記事に登場してるということは……そうか、初登場は1999年なのか。20年以上前の前世紀だ。スターウォーズシリーズの新三部作すらそんな昔になってたとは。
ただ昔の映画とはいえスターウォーズの知名度は(「となりのサインフェルド」と比べて)日本でも高いから固有名詞を出してもいいかと思ってそのまま使った。ただ念のためと注釈はつけたけど。
翻訳の補足と言いつつあまり訳に関する話をしていないので、ここらで触れておく。ここで迷ったのは「Impersonal」という単語の訳。
最初、「特定のキャラクターのセリフがダメ」という話をしているのになんで「Impersonalである(非個人的である、個人に関連しない、客観的である)」という論調なのかが不思議だった。
あらためて文章全体をを読むと「プレイヤーという本当の主人公がないがしろにされている」という意味での「主体の喪失」なのね。理解した。
「some 16-year-old pothead’s half-baked D&D campaign」という表現の妙をどうしたらいいのか悩んだ挙句に上記の訳になった。「16歳」の部分を「中学生」「高校生」「ティーネイジャー」「中高生」とか色々試したけど、どうにも文章の中で浮いてしまうので最後はバッサリ切った。
あと「Pothead」という単語。「マリファナ常用者」を指す言葉らしい。なので直訳気味に訳すなら「16歳のマリファナ常用者が最後までちゃんと作り込まなかったD&Dのキャンペーン」だけど、比喩表現だろうから「薬でラリッた16歳が最後までちゃんと作り込まなかったD&Dのキャンペーン」のほうがそれらしいか。
とか色々やってたけど、どうしても「浮いて」しまうので簡略化してしまった。原文の妙に味のある文章が消えてしまうのであまり良くない。もしかしたら直すかもしれない。
各章のタイトルをまとめて並べてみる。訳しづらいものも多かったのでここのサイトに載せてる文章でも和英両方載せてみた。
それぞれ原文の持つ面白み(ネタ)を無視して分かりやすさを優先したり、極力近い形に訳そうとしたり、と訳し方が統一されていない。どちらかに合わせるべきだったかもしれない。
前者(分かりやすさ優先)の例としては、背景ストーリーの是非に触れている「Here’s a Story」がある。これは話を始める前置きとして使われる英語の定型句で、あえて訳すなら「こういうことだ。つまり~」という感じ(たぶん)。さらにここでは同時に言葉の意味をそのまま読んで「ストーリーがここにあって……」と読んでも、背景ストーリーについて語っている内容にフィットする。
そんな両方の意味にとれるような日本語のことわざや慣用句を見つけられれば最高なんだろうけど、労力がすごいかかりそうだったのでパスした。こういうところで悩み始めると一気に作業が停滞することを経験則で知ってるので。
あらためて何か妙案はなかったものかと再考してみると……うーん、カタカナの「ストーリー」が入ってる日本語の慣用句はそうそうない。ストーリーという単語の入ってる作品名をネタにするのもなかなか難しい(ネバーエンディングストーリー? 空からこぼれたストーリー?)。
やっぱり無理しなくて正解だった気がする(逃げ)
対して、原文に近い形に訳そうとした例としては「大鴉曰く/Quoth the Raven」がある。一応説明しておくと読者からの投稿の中にエドガー・アラン・ポーの小説から引用されたフレイバーテキストが紹介されていて、そのエドガー・アラン・ポーの有名な作品の1つに「大鴉(おおがらす)」と呼ばれる作品があって、その中で有名な一節が「Quoth the Raven」。意味は「大鴉曰く(= 大鴉の言葉を引用すると)」。
というわけで「現実の小説からの引用について」という章の内容、および読者が引用の例としてエドガー・アラン・ポーを挙げていたことなどを合わせ考えて、原文ではこの章タイトルになったものと思われる。
余談。この「Quoth the Raven」の中で繰り返し用いられる言い回しに「Nevermore」があり、マジックには同名のカード、《金輪際/Nevermore》がある。このカードが公式サイトの「Card of the day」で取り上げられたときの記事が以下で、かつこの週に紹介されたカードは、すべてエドガー・アラン・ポー作品に関連づけられたカードたちだった。
Card of the Day - 2012/03/09
https://regiant.diarynote.jp/201203092231401932/
今週のCard of the Day (2012年03月 第2週) とか (※関連付けの考察)
https://regiant.diarynote.jp/201203111223131373/
最後にもう1個だけ章のタイトルの訳に触れておく。「Different Strokes」を「十人十色」と訳したのについては、章の内容が好みに関する問題なので「蓼食う虫も好き好き」のほうが適切かもしれない……という思いも浮かんだんだけど、あまりに「和風」だなあ、と避けてしまった。そんだけ。
特に失敗したとは思っていないけど、あらためて読むと訳が固いなあ(いかにも翻訳した文章で、日本語としては若干不自然だなあ)と思う。
意訳を含むなら「ウィザーズで働く私たちは、君たちプレイヤー全員に例外なく楽しんでもらえるゲームを作ろうと日夜努力している。この目標に近づけば近づくほど、より君たちはゲームを楽しめるはずだし、誰もが幸せになれるはずだからだ」かな。
ただこれだと、ざっくり同じような意味をもつ文章を書いてるだけであって、翻訳と呼んでいいのか怪しい気がしてくる。でもあまりに不自然な文章のままにするのもなんだし……という行ったり来たりが楽しくて翻訳してる節はある。
末尾の「just a printout of all the cards」をどう訳せばいいのか。本物の「Godbook」の見た目が分からないこともあってなかなか難しかった。
一番楽しようとすれば「Godbookは、すべてのカードのただのプリントアウトだ」となる。さすがにこれはない。「~が載っている」くらいは欲しい。
次に「Godbookは、すべてのカードのただのプリントアウトが載っているものだ」となる。「ただの」の位置がいまいちなので変える……というような感じでちょいちょい変えていくと最終的には上記のような拙訳になる(変わりすぎでは?)
まず「basic puns seem to be frowned upon(基本的なダジャレは眉をひそめられてしまうようだ)」の部分はかなり変えてる。「Frowned upon」が難しかった。「眉をひそめる」だとちょっと深刻すぎるというか固すぎる。「つまらない」「嫌われる」なども考えたけど、最後は上記の通りで。
あと公式の日本語訳だとどこがダジャレなのか伝わらないので解説を付けた。ただ公式の日本語訳がダメというんじゃなくて……このフレイバーテキストをダジャレ込みの日本語にしようとすると「クマった」とか「熊手」とかを登場させる羽目になりそうで、銀枠ならまだしも通常のマジックじゃ無理(銀枠はそもそも英語版しか存在しないけど)。
引用が長くなってしまった。
ここはホントに色々難しかった。1行目は、シンプルでエレガントな「it is many things to many people」がどうにもシンプルかつエレガントに訳せなかった。悔しい。「人によって全く違った面を持つ」だとまた違うし。
2行目は、冒頭の「Mechanically」をどう訳すかという点が難所だった。あと特筆すべき点としては英語で「Style(スタイル)」となっているのをあえて別のカタカナ語である「タイプ」と訳したこと。
3行目はダジャレの場所で触れた「be frowned」をどう訳すべきか、というのと似た問題で、シンプルに「愛される/嫌われる」の対比でも良かったんだけど、なんか原文をもう少し尊重したい気持ちになってたらしく「bemoaned(渋面)」としてる
原文の「between a rock and a hard place」という言い回しを初めて知った。日本語にすらまだまだ知らない言い回しやら慣用句やらがたくさんあるのに、いわんや英語ときたら。
全ての本を読み終われないと同じで(新しく生まれるものを除いても)全ての言葉を知ることなんて無理なのかもしれないから、あまり深刻にならずにいよう。
大した話ではなくて「Palatable」という英語が難しかった、ということ。ちなみに意味は「口当たり(が良い)、美味しい」というような感じ。「Palate」という単語で「口蓋(口の中の上部)、味覚」などの意味になるらしい。知らない言葉はニュアンスが馴染んでないので訳しづらかった。
余談。ここの主張には「そうかなあ?」と思ってしまった。「あなたがゴブリン大好きなだけですよね」というか(著者のゴブリン好きは有名なので)……ゴブリン出しとけば多少ふざけたノリでも許されるだろう、というのが嫌いなプレイヤーもいるような気がする。
とりあえず訳に関する補足はここまで。
最後に、元記事の末尾に並んでいた「好かれたフレイバーテキスト・嫌われたフレイバーテキスト」の一覧の中でちょっと気になった奴を紹介してみる。
第7版のカードの中で「嫌い」のほうに入ってたフレイバーテキスト。このギャグは不発に終わったらしい。個人的には嫌いじゃない。
日本語版もいい訳だとは思うけど、悩んだ挙句にこれなのか、大して悩まずにこれに決めたのか、がすごい気になる。ところでこれ、読みは「いわお」だよね?(原文が人名なので)
第7版のカードの中で「好き」のほうに入ってたフレイバーテキスト。
最初に英語版を読んだときに「最初の文の末尾にある son がちょっと難しいな。息子でいい気もするけど、英語でこういう言いまわしのときって自分の息子に対してのときだけじゃないし」と思って、日本語版どうしてるんだろうと見たときの驚き。
両方とも「好き」のほうに入ってた。それぞれ《黒の万力/Black Vice》と《拷問台/The Rack》の能力を持つクリーチャー。フレイバーテキストも対になっていたのか。
フレイバーにテキストを添えて/Add Text to Flavor
https://regiant.diarynote.jp/202001140642309735/
言い訳がましくならないように気を付けつつ。
まずタイトルについて。
原文のタイトルは「Add Text to Flavor」。実はあまり意味を読み解けてない。「Add Text to Flavor ~」で最後に名詞が来ていたら「~に風味をつけるためのテキスト」で分かりやすいんだけど……その名詞が省略されてるのかなあ。
いずれにしても「テキストを味付けに使いました」という意味だろう、と思って上記の訳にした。「テキストを隠し味に」とか「最後に少しテキストを足して」とかもありだったかな。
でも「フレイバー」は必要だろうし(なんの記事がタイトルで分かってもらうために)これでいいか。良しとしよう(自分に言い聞かせるように)。
次は翻訳以外の件。
原文:
The sentiment was best summed up in a letter by Will Mistretta that was sent to me personally, posted on our Magic message boards, and appeared as an article on StarCityGames.com:
拙訳:
以下に紹介するのはその中の1つ、ウィル・ミストレッタからのメッセージだ。
多くのプレイヤーが私の記事に対して抱いたであろう激しい感情を上手く要約してくれたこのメッセージは、私個人宛にメールで届けられただけでなく、公式サイトの掲示板にも投稿され、さらに StarCityGamesのサイトに記事としてもアップされた。
Star City Gamesにもアップされているというのでダメ元で検索したらまだ残ってた。差分を訳して補足という形で足しこむか、と思ってたらリンク切れになった。コピッておくべきだった。残念。
ただそれほど大きな差異はなくて、あえて1つ挙げるとすれば註釈として足したグラフ(フレイバーテキストのうち何割が古典からの引用で、何割が歴史家的な第3者視点で……を示したパイグラフ)があったことくらい。
公式サイトの掲示板にもアップされた、とあるけどそれは見つけられなかった。さすがに17年前だしなあ。
原文:
"Bones scattered around us joined to form misshapen bodies, We struck at them repeatedly -- they fell, but soon formed again, with the same mocking look on their faceless skulls."
日本語訳:
我らの周囲に散らばった骨が集い、ちぐはぐな体に組み上がっていく。我らは何度も何度もそれを攻撃し、打ち倒した。しかし、すぐにまた、顔のない髑髏があざ笑うように立ち上がってくるのだった。
これは《蠢く骸骨/Drudge Skeletons》のフレイバーテキストで、ここで触れたいのは訳の話ではなくレイアウトの話。
DiaryNoteは記事の編集操作がシンプルで、太字か斜体か赤文字か青文字くらいしかフォントをいじれない。その中で、どうやって「ここは文章じゃなくてフレイバーテキストです」と示すかで迷った。正直、毎回迷ってる。
青文字や赤文字ではあまりに強すぎるし、Blockquoteを使って箱で囲うと注釈文と紛らわしくなる。今回は小文字(フォントサイズを1段階小さくする)で対応してみたけど、正解かどうか分からない。
大人しくそのままフォントをいじらないのが正解かもしれない……アンケートとりたいけど、そんな機能はないし、そもそも回答サンプルが2桁集まるとも思えないので、今後も試行錯誤を続けるしかないか。
原文:
Funny undead? Did you really think Magic needed an even less funny psuedo-Jerry Seinfeld?
"What is the deal with those Drudge Skeletons? I mean really! What is up with that?"
拙訳:
笑えるアンデッドですか? 本気でマジックにお笑い芸人が必要だと信じていらっしゃるのでしょうか? 「何度壊しても元通りだぞ。これが本当の骨折り損のくたびれ儲けだ!」
ポイントは「Jerry Seinfeld」。前にも著者の記事に登場したのでこれが英国のコメディドラマの主人公(かつタイトル)であることは知ってた。ちなみに日本語のWikipediaでは「となりのサインフェルド」の項目で紹介されてる。
問題は、このドラマと登場人物が日本で知られているとは思えないこと、かつ見たことがないのでそれをネタしたセリフをそれらしく訳せる自信がないこと。
ここでかなり詰まってしまって、最後は固有名詞を使って訳すことを諦めた。勝手に作ったギャグの部分は……うーん……これのせいで筆者であるウィルさんが誤解されてしまったら申し訳ないな、とは感じる。
原文:
We hate the storyline and we hate the jokes.
Check the websites, check the newsgroups and message boards, ask the players face-to-face.
拙訳:
ストーリーなど要りません。ジョークも要りません。それが私たちの総意です。
ネットの意見をチェックしてみてください。ファンニュースでも掲示板でもいいです。プレイヤーに面と向かって確認するのもいいでしょう。
あらためて見ると「newsgroup」をどうして「ファンニュース」にしたのかよく分からない。「ファンサイト」が一番適切な気がする。そのうち直すかも。
あとマジック全然関係ない話としては、「Message Board」を「掲示板」としたあと「そういえばネットでの掲示板といえば BBS(Bulleton Board System)という略称が一般的だった時代があったな」とふと思い出した。
原文:
We’ve hated every storyline since Mirage/Visions with a passion. We’d rather have Jar Jar Binks in Magic than Gerrard or Kamahl.
拙訳:
私たちはミラージュ・ビジョンズ以降のストーリー志向を心から嫌悪しています。ジェラードやカマールが登場するマジックより、ジャー・ジャー・ビンクス(註)が登場するほうがまだマシと私たちは考えます。
ここを読んだときは、ジャー・ジャー・ビンクスって本当に嫌われてるんだな、と思った。正直、友人たちと自宅に集まって見たときも不人気だった。
2002年の記事に登場してるということは……そうか、初登場は1999年なのか。20年以上前の前世紀だ。スターウォーズシリーズの新三部作すらそんな昔になってたとは。
ただ昔の映画とはいえスターウォーズの知名度は(「となりのサインフェルド」と比べて)日本でも高いから固有名詞を出してもいいかと思ってそのまま使った。ただ念のためと注釈はつけたけど。
原文:
These annoying character make the flavor text impersonal and monotonous.
拙訳:
これら不快なキャラクターたちが登場するフレイバーテキストは単調なだけでなくそこにはプレイヤーが介在せず感情移入できません。
翻訳の補足と言いつつあまり訳に関する話をしていないので、ここらで触れておく。ここで迷ったのは「Impersonal」という単語の訳。
最初、「特定のキャラクターのセリフがダメ」という話をしているのになんで「Impersonalである(非個人的である、個人に関連しない、客観的である)」という論調なのかが不思議だった。
あらためて文章全体をを読むと「プレイヤーという本当の主人公がないがしろにされている」という意味での「主体の喪失」なのね。理解した。
原文:
They take the focus off the players and thrust it onto a bunch of unlikable, one-dimensional characters and situations that seem like they were drawn from some 16-year-old pothead’s half-baked D&D campaign.
拙訳:
プレイヤーという存在から目を背けた結果、生まれたのはまるで途中で完成を投げ出したD&Dキャンペーンのような世界観と画一的で好感のもてないキャラクターたちです。
「some 16-year-old pothead’s half-baked D&D campaign」という表現の妙をどうしたらいいのか悩んだ挙句に上記の訳になった。「16歳」の部分を「中学生」「高校生」「ティーネイジャー」「中高生」とか色々試したけど、どうにも文章の中で浮いてしまうので最後はバッサリ切った。
あと「Pothead」という単語。「マリファナ常用者」を指す言葉らしい。なので直訳気味に訳すなら「16歳のマリファナ常用者が最後までちゃんと作り込まなかったD&Dのキャンペーン」だけど、比喩表現だろうから「薬でラリッた16歳が最後までちゃんと作り込まなかったD&Dのキャンペーン」のほうがそれらしいか。
とか色々やってたけど、どうしても「浮いて」しまうので簡略化してしまった。原文の妙に味のある文章が消えてしまうのであまり良くない。もしかしたら直すかもしれない。
・十人十色/Different Strokes
・何が問題なのか/The Rub
・背景ストーリーについて/Here’s a Story
・大鴉曰く/Quoth the Raven
・まとめ/To Sum Up
各章のタイトルをまとめて並べてみる。訳しづらいものも多かったのでここのサイトに載せてる文章でも和英両方載せてみた。
それぞれ原文の持つ面白み(ネタ)を無視して分かりやすさを優先したり、極力近い形に訳そうとしたり、と訳し方が統一されていない。どちらかに合わせるべきだったかもしれない。
前者(分かりやすさ優先)の例としては、背景ストーリーの是非に触れている「Here’s a Story」がある。これは話を始める前置きとして使われる英語の定型句で、あえて訳すなら「こういうことだ。つまり~」という感じ(たぶん)。さらにここでは同時に言葉の意味をそのまま読んで「ストーリーがここにあって……」と読んでも、背景ストーリーについて語っている内容にフィットする。
そんな両方の意味にとれるような日本語のことわざや慣用句を見つけられれば最高なんだろうけど、労力がすごいかかりそうだったのでパスした。こういうところで悩み始めると一気に作業が停滞することを経験則で知ってるので。
あらためて何か妙案はなかったものかと再考してみると……うーん、カタカナの「ストーリー」が入ってる日本語の慣用句はそうそうない。ストーリーという単語の入ってる作品名をネタにするのもなかなか難しい(ネバーエンディングストーリー? 空からこぼれたストーリー?)。
やっぱり無理しなくて正解だった気がする(逃げ)
対して、原文に近い形に訳そうとした例としては「大鴉曰く/Quoth the Raven」がある。一応説明しておくと読者からの投稿の中にエドガー・アラン・ポーの小説から引用されたフレイバーテキストが紹介されていて、そのエドガー・アラン・ポーの有名な作品の1つに「大鴉(おおがらす)」と呼ばれる作品があって、その中で有名な一節が「Quoth the Raven」。意味は「大鴉曰く(= 大鴉の言葉を引用すると)」。
というわけで「現実の小説からの引用について」という章の内容、および読者が引用の例としてエドガー・アラン・ポーを挙げていたことなどを合わせ考えて、原文ではこの章タイトルになったものと思われる。
余談。この「Quoth the Raven」の中で繰り返し用いられる言い回しに「Nevermore」があり、マジックには同名のカード、《金輪際/Nevermore》がある。このカードが公式サイトの「Card of the day」で取り上げられたときの記事が以下で、かつこの週に紹介されたカードは、すべてエドガー・アラン・ポー作品に関連づけられたカードたちだった。
Card of the Day - 2012/03/09
https://regiant.diarynote.jp/201203092231401932/
今週のCard of the Day (2012年03月 第2週) とか (※関連付けの考察)
https://regiant.diarynote.jp/201203111223131373/
最後にもう1個だけ章のタイトルの訳に触れておく。「Different Strokes」を「十人十色」と訳したのについては、章の内容が好みに関する問題なので「蓼食う虫も好き好き」のほうが適切かもしれない……という思いも浮かんだんだけど、あまりに「和風」だなあ、と避けてしまった。そんだけ。
原文:
Our goal here at Wizards is to create the game that all of you want. The better we satisfy this need, the more you enjoy the game and the happier everyone is all around.
拙訳:
ウィザーズで働く私たちの目指すべきゴールは「君たちの誰もが求めているゲームを作ること」だ。この目的の達成に近づけば近づくほど、君たちはよりゲームを楽しめるはずであり、全員が幸せになれるはずだ。
特に失敗したとは思っていないけど、あらためて読むと訳が固いなあ(いかにも翻訳した文章で、日本語としては若干不自然だなあ)と思う。
意訳を含むなら「ウィザーズで働く私たちは、君たちプレイヤー全員に例外なく楽しんでもらえるゲームを作ろうと日夜努力している。この目標に近づけば近づくほど、より君たちはゲームを楽しめるはずだし、誰もが幸せになれるはずだからだ」かな。
ただこれだと、ざっくり同じような意味をもつ文章を書いてるだけであって、翻訳と呼んでいいのか怪しい気がしてくる。でもあまりに不自然な文章のままにするのもなんだし……という行ったり来たりが楽しくて翻訳してる節はある。
原文:
For example, we conduct a particular kind of market research called a "godbook study." A "godbook" is just a printout of all the cards.
拙訳:
例を挙げよう。私たちは「Godbook調査」という市場調査を行っている。「Godbook」というのはマジックのカードをそのまま一覧にして載せている本だ。
末尾の「just a printout of all the cards」をどう訳せばいいのか。本物の「Godbook」の見た目が分からないこともあってなかなか難しかった。
一番楽しようとすれば「Godbookは、すべてのカードのただのプリントアウトだ」となる。さすがにこれはない。「~が載っている」くらいは欲しい。
次に「Godbookは、すべてのカードのただのプリントアウトが載っているものだ」となる。「ただの」の位置がいまいちなので変える……というような感じでちょいちょい変えていくと最終的には上記のような拙訳になる(変わりすぎでは?)
原文:
Werebear, for example, shows that basic puns seem to be frowned upon (for more on puns, see the sidebar at the end of this article).
拙訳:
例えば《熊人間/Werebear》は分かりやすい定番なダジャレだが受けをとれなかった(余談。マジックのダジャレに関して興味や意見がある人はこの記事の最後に付けた追記も読んでくれ)
まず「basic puns seem to be frowned upon(基本的なダジャレは眉をひそめられてしまうようだ)」の部分はかなり変えてる。「Frowned upon」が難しかった。「眉をひそめる」だとちょっと深刻すぎるというか固すぎる。「つまらない」「嫌われる」なども考えたけど、最後は上記の通りで。
あと公式の日本語訳だとどこがダジャレなのか伝わらないので解説を付けた。ただ公式の日本語訳がダメというんじゃなくて……このフレイバーテキストをダジャレ込みの日本語にしようとすると「クマった」とか「熊手」とかを登場させる羽目になりそうで、銀枠ならまだしも通常のマジックじゃ無理(銀枠はそもそも英語版しか存在しないけど)。
原文:
One of Magic’s strengths is that it’s many things to many people.
Mechanically, R&D solves this problem by creating different styles of cards for different styles of players.
The result of this philosophy is that we create cards that are beloved by some and bemoaned by others.
拙訳:
マジックの強みとは何か。その1つは、様々なプレイヤーごとに全く違ったゲームの側面を見せる、ということが挙げられる。
それを踏まえて、開発部が今回の問題をどう解決しているかというと、異なるタイプのプレイヤーに向けて異なるタイプのカードを提供することで対応している。
さて、この哲学に沿ってカードを生み出すことによって何が起きるか? 生み出されるカードたちは、あるプレイヤーには愛されるものの、別のプレイヤーには渋面をもって迎えられることとなるのだ。
引用が長くなってしまった。
ここはホントに色々難しかった。1行目は、シンプルでエレガントな「it is many things to many people」がどうにもシンプルかつエレガントに訳せなかった。悔しい。「人によって全く違った面を持つ」だとまた違うし。
2行目は、冒頭の「Mechanically」をどう訳すかという点が難所だった。あと特筆すべき点としては英語で「Style(スタイル)」となっているのをあえて別のカタカナ語である「タイプ」と訳したこと。
3行目はダジャレの場所で触れた「be frowned」をどう訳すべきか、というのと似た問題で、シンプルに「愛される/嫌われる」の対比でも良かったんだけど、なんか原文をもう少し尊重したい気持ちになってたらしく「bemoaned(渋面)」としてる
原文:
This puts the creative director between a rock and a hard place. Making one group happy upsets another.
拙訳:
この事実がクリエイティブチームのリーダーを板挟みにする。なぜならあるグループを楽しませようとすると別のグループが楽しくなくなってしまうためだ。
原文の「between a rock and a hard place」という言い回しを初めて知った。日本語にすらまだまだ知らない言い回しやら慣用句やらがたくさんあるのに、いわんや英語ときたら。
全ての本を読み終われないと同じで(新しく生まれるものを除いても)全ての言葉を知ることなんて無理なのかもしれないから、あまり深刻にならずにいよう。
原文:
Goblins are a good example of where the two groups merge.
Goblins are by design humorous and thus are a more palatable way to introduce humor in a flavorful way into the game.
拙訳:
両方のグループを満足させ得る良い例としてはゴブリンたちだ。
ゴブリンはそもそもがユーモアを感じさせるデザインなので、フレイバーを重視しつつも無理なくユーモアを導入することができる。
大した話ではなくて「Palatable」という英語が難しかった、ということ。ちなみに意味は「口当たり(が良い)、美味しい」というような感じ。「Palate」という単語で「口蓋(口の中の上部)、味覚」などの意味になるらしい。知らない言葉はニュアンスが馴染んでないので訳しづらかった。
余談。ここの主張には「そうかなあ?」と思ってしまった。「あなたがゴブリン大好きなだけですよね」というか(著者のゴブリン好きは有名なので)……ゴブリン出しとけば多少ふざけたノリでも許されるだろう、というのが嫌いなプレイヤーもいるような気がする。
とりあえず訳に関する補足はここまで。
最後に、元記事の末尾に並んでいた「好かれたフレイバーテキスト・嫌われたフレイバーテキスト」の一覧の中でちょっと気になった奴を紹介してみる。
《花崗岩の装着/Granite Grip》(7th)
英語版:
“Let me introduce you to Rocky.”
日本語版:
君に岩男を紹介しよう。
第7版のカードの中で「嫌い」のほうに入ってたフレイバーテキスト。このギャグは不発に終わったらしい。個人的には嫌いじゃない。
日本語版もいい訳だとは思うけど、悩んだ挙句にこれなのか、大して悩まずにこれに決めたのか、がすごい気になる。ところでこれ、読みは「いわお」だよね?(原文が人名なので)
《針刺ワーム/Spined Wurm》(7th)
英語版:
“I wouldn’t stand in front of that wurm, son. ‘Course, I wouldn’t stand behind it neither. In fact, standing anywhere near that wurm’s not much of a plan. Running, now that’s a plan!”
-Wandering mage
日本語版:
あのワームの前には立たないほうがいい。もちろん後ろにも立たないほうがいい。というより、あのワームのそばに立つこと自体やめたほうがいい。どうしたらいいかっていうと、走って逃げるんだ!
――さまよれる魔道士
第7版のカードの中で「好き」のほうに入ってたフレイバーテキスト。
最初に英語版を読んだときに「最初の文の末尾にある son がちょっと難しいな。息子でいい気もするけど、英語でこういう言いまわしのときって自分の息子に対してのときだけじゃないし」と思って、日本語版どうしてるんだろうと見たときの驚き。
《万力機械人/Viseling》(NE)
英語版:
This may hurt a lot.
日本語版:
こいつはうんと痛いかもしれんぞ。
《拷問機械人/Rackling》(NE)
英語版:
This may hurt a little.
日本語版:
これは少し痛いかもしれんぞ。
両方とも「好き」のほうに入ってた。それぞれ《黒の万力/Black Vice》と《拷問台/The Rack》の能力を持つクリーチャー。フレイバーテキストも対になっていたのか。
先日アップした以下の記事の訳の苦労した点というか、楽しんだ点というか。
開発中のセットに付けられるコードネームの歴史/Codename of the Game
https://regiant.diarynote.jp/201907122033045570/
言い訳がましくならないように気を付けつつ。
まずタイトルについて書いてみる。タイトルの原文は「Codename of the Game」で、英語の慣用句の「Name of the Game」をネタにしている(意味は「最も重要な点」「一番肝心なこと」)。
本当に上手い人だったら日本語の慣用句やことわざの一部を「コードネーム」という単語に置き換えつつ、元の意味が伝わるようなタイトルを思い付けるんだろうな、とか考えつつ、素直に内容を表すタイトルにしてしまった(白旗)
原文では「Big / Small」となっている対比語を「重たい/軽い」と訳してみた。そのまま「大きな話題、小さな話題」という手もあったかもしれないけど「深刻な、真剣な」という意味での「Big」っぽかったので。
気になっているのは後半部分の「isn’t meant as a slight to」のくだり。正直、この文章単体で見ると、よく意味が分からなかった。個々の単語は知ってる言葉なんだけど……。
ただ、前後の内容を見るに「end up with みたいな否定的な書き方をしてるけど that expansion に対する何か意図があって(= meant)言ったわけじゃないよ」という意味にしかとれなかったのでそう訳した次第。
もしかしたら今回の記事で一番苦労した箇所かもしれない。見ての通り、原文だと間に挟まっているツッコミ(?)は全部同じにも関わらず、訳では(勝手に)徐々にトーンダウンしていってる。
色々と思考が行ったり来たりした挙句に上記の訳にしたんだけど、おそらく原文の「Ooooh」は著者自身が入れてる合いの手のようなものではないかと思う。
英語でホラー話や何か恐い話をするとき(もしくはされたとき)に入れる効果音的な言葉があって、それが「Ooooh」。音としては「オォー」ではなく「ウゥー」。
日本語で言うと……なかなか例を挙げづらいんだけど……あえていえば「ひゅ~どろどろ~」みたいな? 「Dark」というホラー的な単語をからかう意味で入れてるのかなあ。
ただそれを日本語して、さらには各文の末尾に放り込んであっても自然な日本語として読めるようにする、という手段がどうしても思いつかず、最終的には原文の「形」だけ借りたうえで、プレイヤーたちの反応として訳している。
うーん。いっそ、カッコ部分だけ全部見なかったことにするという手もあったかもしれない(ダメだよ)
ここの訳がどうこうというより、ここから長々と続くマッキントッシュ(マック)関係のくだり全体に関しては、アップル社の訴訟の話とか実際にあった話が絡むので色々と確認しながらの訳だった。
やっぱり実話が元ネタとなると嘘を書くわけにもいかないので確認は必要だし、このコラムで紹介されてる逸話が実は間違ってたらそれも合わせて確認しておくべきと思われるし……。
ただ、今回のマックの話のようにネットでも話題になったことがあり検索すれば情報が得られるからいいけど、ネットにも情報の無いような話となると限界が生じてくる(以前訳した、すでに亡くなられているマジックプレイヤーの逸話とか)
この箇所については2点ある。1点目としては原文の最後にある「~ has run its course」という言い方。これは「~ が自然消滅する、~ が自然な結果となる」というような意味らしい。知らなかった。
2点目としては、見ての通り、かなり日本語側だけが長くなっている。原文はそのまま訳すと「マッキントッシュの音声ファイルを自然と消滅させることを開発部が決断した」みたいな文章になってしまい、良く意味が分からない。
意味が自然な日本語になるようにしよう、と言い換えたり、付け加えたり、を繰り返していたら上記の文章になった。読みやすい(分かりやすい)と思うんだけど……はてさて。
英語で「インドの」は「Indian」となるけど、このままだといわゆるネイティブアメリカンを指しての「Indian」なのか、インドを指しているのか、が分からなくなるため、原文では注記が入ってる。
……けど、これ、日本語だと不要なんだよね。無理をすれば「インディアンの神話が元ネタだよ」「インディアン? いわゆるネイティブアメリカンか」「いや、そっちじゃない、本当のインディアン(インド人)だよ」という会話で表現できなくもないけど、さすがに原文からかけ離れ過ぎる。
話の流れに関わるようなネタでもないのでバッサリ切った。
見ての通り、カッコ内の補足などは原文とは違った語順で訳している。無理に原文通りに文末に持ってこようとすると補足したい箇所から遠くなって、逆に意味が分かりづらくなる(気がする)から。
ただわざわざこの箇所を紹介しようと思ったのはそれを説明したいからではなくて、ここで言及されている sideboard.com という今は亡きサイトが無ければ、このブログも無かった、という話。
正しく言うと……
1. Sideboard Online というマジックの公式サイトがあった
2. その和訳版である Sideboard Online Japan も作られた
3. でも日本語版のサイトは更新が途切れがちだった
4. 2chのSideboard Online Japanスレで不平不満があふれた
5. しまいにはスレで「自分らで勝手に訳すか」という話が出た
6. いつのまにかスレは英語マジック記事の翻訳スレになった
7. 翻訳された文章をまとめるサイト「Braingeyser」が作られた
……という流れがあったことなど何も知らずにその「Braingeyser」という翻訳記事サイトに偶然流れついて記事を読みふけり、自分でも訳すようになり、さらにそこから Diarynote の存在を知り……という流れで今ここにいる次第。
Card of the Day の翻訳を始めたのにはさらに Abomination.jp というサイトの存在も大きかったけど、ただでさえ逸れている話がさらに話が逸れてしまうので省略。
「Spellfire」が元ネタだったかもしれないことと「そろそろ Cheesy なセットを作らないとな」ということは(訳したほうでは2つの別の話として扱っているけど)原文では1つのことのようにも見える。セミコロンだし。
でも「Spellfire を元ネタにすること」がどのように「Cheesy であること」につながるのかイマイチ分からなかったので、諦めて上記のように訳した。何しろ「Spellfire」がどんなカードゲームなのか全然知らないので。
あらためて思うと「Cheesy」には「チーズっぽい(味がきつい、臭いが強い)」という意味以外に「派手な、くだらない」という意味もあることを考えると、これは銀枠セットの開発を匂わせてたのかもしれない。
最初の銀枠セット(公式大会で使えない銀枠のジョークカードのセット)であるアングル―ドとストロングホールドは両方とも1998年の発売だし。
長々と引用したけど、原文の意味がなかなか取れなくて困ったのは「R&D has since cracked down on this and is now the current keeper of the codenames.」の箇所。
「開発部はそれを厳しく取り締まった」「今ではコードネームの管理者となった」と読めるけど、それだとなんか変な気がする。当時から管理者だったのなら取り締まる理由は分かるけど、当時管理者じゃなかったなら厳しく取り締まる立場じゃないわけで……うーん。前後してしまう。
考え過ぎてる気もする。
疑問符を使わなかったり、カッコを使ったり、色々と原文どおりになっていないけど、元の文章のニュアンス(ノリ)はそこそこ上手く訳せたんでないかと思った(自画自賛)
開発中のセットに付けられるコードネームの歴史/Codename of the Game
https://regiant.diarynote.jp/201907122033045570/
言い訳がましくならないように気を付けつつ。
まずタイトルについて書いてみる。タイトルの原文は「Codename of the Game」で、英語の慣用句の「Name of the Game」をネタにしている(意味は「最も重要な点」「一番肝心なこと」)。
本当に上手い人だったら日本語の慣用句やことわざの一部を「コードネーム」という単語に置き換えつつ、元の意味が伝わるようなタイトルを思い付けるんだろうな、とか考えつつ、素直に内容を表すタイトルにしてしまった(白旗)
原文:
Over last few weeks, I’ve covered mostly "big issues" in my column. This week, I thought it would be fun to examine a small issue
拙訳:
実のところ、ここ数回に渡って非常に「重たい」内容の記事が続いてしまった。そこで今週は少し「軽い」内容を扱ってもいいかと思った次第だ。
原文では「Big / Small」となっている対比語を「重たい/軽い」と訳してみた。そのまま「大きな話題、小さな話題」という手もあったかもしれないけど「深刻な、真剣な」という意味での「Big」っぽかったので。
原文:
But eventually, you end up with a set named The Dark. This isn’t meant as a slight to that expansion.
拙訳:
しかし結局はこの慣習のせいでザ・ダークという名前のセットが生まれてしまった。別にセットに問題があったわけじゃない。
気になっているのは後半部分の「isn’t meant as a slight to」のくだり。正直、この文章単体で見ると、よく意味が分からなかった。個々の単語は知ってる言葉なんだけど……。
ただ、前後の内容を見るに「end up with みたいな否定的な書き方をしてるけど that expansion に対する何か意図があって(= meant)言ったわけじゃないよ」という意味にしかとれなかったのでそう訳した次第。
原文:
Coming this fall to a store near you . . . The Dark. (ooooh) What’s it about? Well, um, it’s in Dominaria and it’s very . . . dark (ooooh). Things are hard to see. Scary things. In the dark (ooooh).
拙訳:
この秋に君たちの元に届くであろう新セット、その名はザ・ダーク!(うおー!)どんなセットかって? えーと、うん、舞台はドミナリアで、とても……ダークな感じだ。(おおー)色々と見えづらくてね。ホラーな感じもあって……ダークな感じで。(おお……)
もしかしたら今回の記事で一番苦労した箇所かもしれない。見ての通り、原文だと間に挟まっているツッコミ(?)は全部同じにも関わらず、訳では(勝手に)徐々にトーンダウンしていってる。
色々と思考が行ったり来たりした挙句に上記の訳にしたんだけど、おそらく原文の「Ooooh」は著者自身が入れてる合いの手のようなものではないかと思う。
英語でホラー話や何か恐い話をするとき(もしくはされたとき)に入れる効果音的な言葉があって、それが「Ooooh」。音としては「オォー」ではなく「ウゥー」。
日本語で言うと……なかなか例を挙げづらいんだけど……あえていえば「ひゅ~どろどろ~」みたいな? 「Dark」というホラー的な単語をからかう意味で入れてるのかなあ。
ただそれを日本語して、さらには各文の末尾に放り込んであっても自然な日本語として読めるようにする、という手段がどうしても思いつかず、最終的には原文の「形」だけ借りたうえで、プレイヤーたちの反応として訳している。
うーん。いっそ、カッコ部分だけ全部見なかったことにするという手もあったかもしれない(ダメだよ)
原文:
As I explained in a previous column, early codenames were named after Macintosh sound files. That way, when an R&D member clicked open the set folder, the computer (back then they were all Macs) would make a sound.
拙訳:
以前、私のコラムで紹介したとおり、初期の開発中セットのコードネームはマッキントッシュのシステム用サウンドファイル名からとられた。開発部のメンバーがコンピュータ(当時は全てマッキントッシュだった)を立ち上げ、開発ファイルの入ったフォルダを開くとその音が鳴るわけだ。
ここの訳がどうこうというより、ここから長々と続くマッキントッシュ(マック)関係のくだり全体に関しては、アップル社の訴訟の話とか実際にあった話が絡むので色々と確認しながらの訳だった。
やっぱり実話が元ネタとなると嘘を書くわけにもいかないので確認は必要だし、このコラムで紹介されてる逸話が実は間違ってたらそれも合わせて確認しておくべきと思われるし……。
ただ、今回のマックの話のようにネットでも話題になったことがあり検索すれば情報が得られるからいいけど、ネットにも情報の無いような話となると限界が生じてくる(以前訳した、すでに亡くなられているマジックプレイヤーの逸話とか)
原文:
This is the set at which time R&D decided that Macintosh sound file names had run their course.
拙訳:
コードネームにマッキントッシュのシステム用サウンドファイル名を使おうというネタの継続を開発部が諦めたのはこのセットからだ。諦めた理由はごく単純で、サウンドファイル名のストックが尽きたからだ。
この箇所については2点ある。1点目としては原文の最後にある「~ has run its course」という言い方。これは「~ が自然消滅する、~ が自然な結果となる」というような意味らしい。知らなかった。
2点目としては、見ての通り、かなり日本語側だけが長くなっている。原文はそのまま訳すと「マッキントッシュの音声ファイルを自然と消滅させることを開発部が決断した」みたいな文章になってしまい、良く意味が分からない。
意味が自然な日本語になるようにしよう、と言い換えたり、付け加えたり、を繰り返していたら上記の文章になった。読みやすい(分かりやすい)と思うんだけど……はてさて。
原文:
When I asked Mike about the name, he told me that it was from Indian (India as opposed to American Indian) mythology.
拙訳:
作成者のマイクにカード名称の由来について尋ねたところ、マイクは「インドの神話が元ネタだ」と教えてくれた。
英語で「インドの」は「Indian」となるけど、このままだといわゆるネイティブアメリカンを指しての「Indian」なのか、インドを指しているのか、が分からなくなるため、原文では注記が入ってる。
……けど、これ、日本語だと不要なんだよね。無理をすれば「インディアンの神話が元ネタだよ」「インディアン? いわゆるネイティブアメリカンか」「いや、そっちじゃない、本当のインディアン(インド人)だよ」という会話で表現できなくもないけど、さすがに原文からかけ離れ過ぎる。
話の流れに関わるようなネタでもないのでバッサリ切った。
原文:
Here’s a trivia question that will someday make its way onto "Question Mark" (a daily trivia column I do on sideboard.com)
拙訳:
私は別サイトでトリビアネタのコラム「Question Mark」を連載しているんだが(ちなみにsideboard.comだ)、そこでいつか使うかもしれないクイズのネタをここで披露しよう。
見ての通り、カッコ内の補足などは原文とは違った語順で訳している。無理に原文通りに文末に持ってこようとすると補足したい箇所から遠くなって、逆に意味が分かりづらくなる(気がする)から。
ただわざわざこの箇所を紹介しようと思ったのはそれを説明したいからではなくて、ここで言及されている sideboard.com という今は亡きサイトが無ければ、このブログも無かった、という話。
正しく言うと……
1. Sideboard Online というマジックの公式サイトがあった
2. その和訳版である Sideboard Online Japan も作られた
3. でも日本語版のサイトは更新が途切れがちだった
4. 2chのSideboard Online Japanスレで不平不満があふれた
5. しまいにはスレで「自分らで勝手に訳すか」という話が出た
6. いつのまにかスレは英語マジック記事の翻訳スレになった
7. 翻訳された文章をまとめるサイト「Braingeyser」が作られた
……という流れがあったことなど何も知らずにその「Braingeyser」という翻訳記事サイトに偶然流れついて記事を読みふけり、自分でも訳すようになり、さらにそこから Diarynote の存在を知り……という流れで今ここにいる次第。
Card of the Day の翻訳を始めたのにはさらに Abomination.jp というサイトの存在も大きかったけど、ただでさえ逸れている話がさらに話が逸れてしまうので省略。
原文:
Also, I think this name might have been yet another poke at Spellfire; we kept joking about how we needed to make a "cheesy" expansion.
拙訳:
これもダンジョンズアンドドラゴンズTCG「Spellfire」が元ネタだったかもしれないし、そうでなければ単に当時「そろそろ『味の濃い』セットを作らないな」と冗談めかして言っていたことが原因かもしれない。
「Spellfire」が元ネタだったかもしれないことと「そろそろ Cheesy なセットを作らないとな」ということは(訳したほうでは2つの別の話として扱っているけど)原文では1つのことのようにも見える。セミコロンだし。
でも「Spellfire を元ネタにすること」がどのように「Cheesy であること」につながるのかイマイチ分からなかったので、諦めて上記のように訳した。何しろ「Spellfire」がどんなカードゲームなのか全然知らないので。
あらためて思うと「Cheesy」には「チーズっぽい(味がきつい、臭いが強い)」という意味以外に「派手な、くだらない」という意味もあることを考えると、これは銀枠セットの開発を匂わせてたのかもしれない。
最初の銀枠セット(公式大会で使えない銀枠のジョークカードのセット)であるアングル―ドとストロングホールドは両方とも1998年の発売だし。
原文:
This was the first codename not created by R&D. The Magic Brand team was talking about some future set and made up a name because it didn’t have one yet.
R&D has since cracked down on this and is now the current keeper of the codenames.
拙訳:
開発部以外がコードネームを決めた最初のセットがこれだ。マジックのブランドチームが未来のセットについて話す必要が生じて際に、そのセットに仮の名前として Armadillo と付けた。
しかし開発部としては、コードネームを決めるのはうちらの分野だという意地があったから、この勝手な行動を厳しく取り締まり、以降そういうことはなくなった
長々と引用したけど、原文の意味がなかなか取れなくて困ったのは「R&D has since cracked down on this and is now the current keeper of the codenames.」の箇所。
「開発部はそれを厳しく取り締まった」「今ではコードネームの管理者となった」と読めるけど、それだとなんか変な気がする。当時から管理者だったのなら取り締まる理由は分かるけど、当時管理者じゃなかったなら厳しく取り締まる立場じゃないわけで……うーん。前後してしまう。
考え過ぎてる気もする。
原文:
Why elements? I have no idea. But, hey, who says science never sees use later in life?
拙訳:
しかしなぜ元素名にしたのか……見当もつかない。いずれにせよ「化学なんて人生で使い道ないだろ」って言う人は考えを改めないといけないね。
疑問符を使わなかったり、カッコを使ったり、色々と原文どおりになっていないけど、元の文章のニュアンス(ノリ)はそこそこ上手く訳せたんでないかと思った(自画自賛)
【翻訳の補足】伝説のセットから生まれたカードたち、の訳のまとめ/Designing the Designing Under the Influence【Diarynote】
2019年3月31日 週のまとめ 先日アップした以下の記事の訳の苦労した点というか、楽しんだ点というか。
【翻訳】伝説のセットから生まれたカードたち/Designing Under the Influence
https://regiant.diarynote.jp/201903310244432225/
言い訳がましくならないように気を付けつつ。
最初に訳そうとしたとき「the many facts」と誤読してそのまま訳しそうになった。危ない。正しくは上にあるとおり「the many facets(多面的に)」だった。
あと細かい点としては「pull out all the stops」の「stops」が意外と面倒だった。各駅停車というか立ち止まるというか……要は全部ってことでしょう、というわけでそう訳した(訳してない)
2文目の真ん中あたりにある「some pretty cool Arcana」とあって、大文字だから固有名詞と考えると公式サイトのコラム名のあれだろう、と思いつつも一応辞書で調べて見たところ「arcana:arcanumの複数形」という検索結果が出てきてビックリした。あれか。「criteria」が「criterion」の複数形みたいなものか。
末尾の「when they were coming in」を訳そうとしたときに、店が売るための品物を購入して受け取ることをなんて言うのかド忘れして困った。
購入、納入、買い入れ……どれも違う。なんかしっくりくる日本語があったはずだ。そうだ、カードショップのブログを読めば見つかるはず、と頼らせてもらったのが以下。
Diarynote:道の上 空の下
https://56849.diarynote.jp/
カードショップはすでに閉店されている(あらためて確認したらちょうど1年前だった)。この方のブログもDiarynoteに入り浸るようになったきっかけの1つだったのでちょっと感慨深いものがある。一度はお店に立ち寄ってみたいと思いつつも果たせずじまいだった。お疲れさまでした。
閑話休題。そんなわけで新しいエキスパンションが出たときの日記などを探しまくったおかげで、ようやっと「入荷する」という適切な言葉に辿り着けた。スッキリした。
いくつかある。1つ目は「pretty entrenched by」という箇所が良く分からなかった点。初見時は「Trenchが塹壕だから……?」と考え込んでしまった。調べたところ「entrenched」は「固定観念を持った、考えが染みついた、定着してしまった、根強い」などの意味があるらしい。
考えてみたら「Trench」の元々の意味は「深い溝」だから、何かを刻み込むという意味から転じての「塹壕」なんだな。「トレンチコート」のせいで「塹壕」以外の意味を忘れてた。まさに「entrenched by」だな。
上記の箇所の2つ目のポイントとしては、なんでいきなり「当時はマジックにハマっていた」ということを説明しだしたのかを分かりやすくするために原文には無い補足(= 迷わず3ボックス買うほどにね)を加えていること。
3ボックスもマジックを買うことの異常性ってどれだけ伝わるんだろう、という不安感があったので足してしまった。そういえばレジェンド当時の「1ボックス」のパック量も良く知らないな。
日本語訳が原文に比して異様に長い、という点は後で触れるとして。
まず「profound effect」でつまずいた。「profound」の意味が分からなかったので調べたところ「深遠な、深みにある、奥深い」というような意味だった。うーん、意味は分かったけど会話で実際に使える自信はないな。
あと「it would have influence on me」の「would have」があるってことは、実際はそうではなかった(デザイナーとして影響を受けたわけではなかった = プレイヤーとして影響を受けた)ってことでいいのかな……とちょっと悩んだ。
さてこの部分の本題、日本語のほうの文章が原文に比して異様に長いという一番の理由は原文にはまったくない「私がなんでいきなりこんな~」という補足を冒頭にガッツリ足しこんでいること。
さて、なぜ足しこんでいるのか?
元々、英語版のコラムは1つ1つの段落(パラグラフ)がこのブログの日本語訳に比べてずっと長い。このブログでそれを(原文のパラグラフの長さを)無視してなぜブツ切りにしているか、というと読みやすさのため。
ブログ系の記事を読むとき、1段落が4行以上あると非常に読みづらく感じてしまう。何行目まで読んだかを画面で追い続けるのはMaxで4行が限界だろう、というのが個人的な見解なので、訳した文章は原文のパラグラフを無視して細かく区切ってしまっている。
ただそのせいで、原文では「ここで一息ついて話が変わったよ」というのをパラグラフの変更で示している場合に、話の切れ目が分かりづらくなってしまう。その分かりづらさを補うために大幅な意訳(というか補足)を入れているのがこのブログの訳。
……という話をずっと前からしたかったけど、なかなか触れる機会がなかった。やっと説明できた(もっとも、だからどうしたと言われると返す言葉もないけど)
元となったレジェンドのカードはカードテキストを全て記載するのは当然として、問題はこれらの「レジェンドのカードの影響を受けた結果として生まれたカードたち」のカードテキストを全て載せるかどうか、で迷った。
さすがに全カードのテキストを載せていくと文字数が膨大になってブログの文字数制限を超過しすぎる(ただでさえ1記事に収まらないのに)。
カードテキストの合間にコラムの文章が挟まってるような状態になるのも避けたかったので、結局上記のように複数枚ズラズラと並んでいるときはカード紹介を諦めた。
それ以外では「文章内で括弧でカード内容を簡易的に紹介する」とか「1枚だけなら末尾に置く形で紹介する」など、都度対応を変えてみた。
訳としては間違っていないとは思う。ただ、ホームランどころかヒットですらない、という原文の短く軽快なジョークを再現できたかどうかが気になるところ。
上に乗ったカウンターが尽きるとゲームが引き分けになるという不思議なエンチャントの《Divine Intervention》に関する部分。
訳す際に困ったのは「when the counters finally ran out」の「finally」。何を指して「finally」なんだろう。
素直に訳すなら「カウンターがようやく尽きたとき」なんだろうけど「カウンターがようやく尽きたときにゲームが終わること(が元ネタのカードと異なる点)」という文章がイマイチしっくり来なかった。
結局、上記の訳では「finally」に当たる日本語を挟んでいない。負け。
迷ったのは「I’m responsible for」の箇所。
要は、この著者のせいで再録されたり似たようなカードが作られたりした、という話なんだけど「私が原因で、私のせいで」とかを使うと、イマイチしっくり来る日本語文にできなかった。
それ以外で「~となったのには私が一枚噛んでいる」というのも試してみたけど、これもカチッとハマらず、最終的には「私に責任がある」とかなり原文に寄せた直訳風味で逃げてしまった。うーん。難しい。
マナ踏み倒しの元祖は《Eureka》だった、ということらしい。
あらためて読むと「dark side」の訳は「ダークサイド」で良かったような気もする。おそらく「日本語に訳そう」という気持ちが強いせいでか、カタカナ訳を避けてしまいがち。
次のカッコの「cards for free」の訳は、ベストではないけど、まあ悪くもないかな、と思ってる。もっといい訳がありそう、という気持ちはどうしてもあるけど。
余談だけど、ここで紹介された《ドリーム・ホール/Dream Halls》以外にも、唱えた分の土地がアンタップする「実質的にマナ踏み倒し」なフリースペルたちとか、0マナアーティファクトを生け贄に捧げれば好きなアーティファクトを(マナを踏み倒しつつ)場に出せる《修繕/Tinker》とかも同一犯による犯行。
原文に合わせようとすると読みづらい日本語にしか訳せず、諦めた結果が上記の「ざっくりとは同じ意味」な文章。訳としてはどうかという気もするけど、文章自体はそこそこ気に入ってる。
翻訳と全然関係ない話。
マジックを始めた頃は色んなデッキを80枚くらいで組んでた。あるとき雑誌で青白パーミッションデッキを知ったときから、ほぼずっと青白デッキを使い続けた。
フィニッシャーは《セラの天使/Serra Angel》や《大気の精霊/Air Elemental》に始まり、《またたくスピリット/Blinking Spirit》や《霧のドラゴン/Mist Dragon》や《虹のイフリート/Rainbow Efreet》などローテーションごとに変わっていった。
その変遷の中で、一度だけノンクリーチャーの青白コンボデッキを経た。それがこの《宿命/Kismet》も入ったステーシスロックデッキ(註)。
あらためて思うと本当に相手するにはつまらないデッキだっただろうけど、使う側としては結構楽しかった。あと《宿命/Kismet》と《停滞/Stasis》のイラストも好きだったな。
そんな思い出話。
ここは訳しててとても楽しかった。あと、一応補足しておくと、おそらく原文で紹介しかけて止めたカードはジャッジメントの《陰謀団式療法/Cabal Therapy》と思われたので、上記のように訳した。
ここで元ネタとして紹介されてる《ペトラ・スフィンクス/Petra Sphinx》は個人的に好きなカードで、「敵に使って良し、自分に使って良し」な能力も確かに面白かったし、加えてイラストの淡い色合いも好みだった。
カード画像:ペトラ・スフィンクス/Petra Sphinx
https://scryfall.com/card/me1/23/petra-sphinx
イラストで見事な翼が描かれてるせいで、実は飛行を持っていないと気づくまでちょっとかかった。いや、普通これ見たら飛んでるって思うよね……?
これは緑とは思えない直接ダメージ呪文である《嵐の運び手/Storm Seeker》の箇所で、見てのとおり、後半部分はかなり意訳になっている。
最初は原文に忠実に訳そうと「こういったカードは正しい色で良いカードを再登場させるという素晴らしい機会をデザイナーに提供してくれる」とした。
ただ原文に引きずられ過ぎてあまりにも歪(いびつ)な日本語に感じられてしまい、悩んだ挙句に上記の意訳と相成った。ここも勝ち負けで言うと負けかもしれない。
これは《時の精霊/Time Elemental》の箇所。
すでに書いたとおり、《時の精霊/Time Elemental》は当時のステイシスロックで使ったことがあった。そして使ってみて分かったのは「無駄に能力多くてややこしいな」だった。
パワー0なのにわざわざ「攻撃かブロックしたとき、戦闘終了時にそれを生け贄に捧げ、それはあなたに5点のダメージを与える」とか持ってるし、手札に戻すの能力も、無駄に「エンチャントされていないパーマネント1つを対象」という条件が付いてるし。
しかも余計なテキストはたくさん付いてるのにも関わらず(どっからどう見ても飛んでるイラストに対して)飛行は持っていないというややこしさ。
カード画像:時の精霊/Time Elemental
https://scryfall.com/card/me1/53/time-elemental
でもイラスト自体は好き。
難しかったのは「weak cards that had a cool effect」をどうするか、という点。結果、かなりの意訳となったけど、ここに関しては個人的にいい仕事できたと思ってる。
【翻訳】伝説のセットから生まれたカードたち/Designing Under the Influence
https://regiant.diarynote.jp/201903310244432225/
言い訳がましくならないように気を付けつつ。
原文:
We’ve pulled out all the stops to explore the many facets of Magic’s first large expansion.
拙訳:
マジック初の大型エキスパンションであるレジェンドをありとあらゆる側面から掘り下げて、興味深いネタを根こそぎ引っ張り出そうというわけだ。
最初に訳そうとしたとき「the many facts」と誤読してそのまま訳しそうになった。危ない。正しくは上にあるとおり「the many facets(多面的に)」だった。
あと細かい点としては「pull out all the stops」の「stops」が意外と面倒だった。各駅停車というか立ち止まるというか……要は全部ってことでしょう、というわけでそう訳した(訳してない)
原文:
We have a spoiler to let you peruse all the cards. And we have some pretty cool Arcana and behind the scene goodies.
拙訳:
さらにはレジェンドの全カードリストを君たちに公開して見せた。さらにさらに、君たちにレジェンドにまつわる興味深い裏話をいくつも紹介してきた。
2文目の真ん中あたりにある「some pretty cool Arcana」とあって、大文字だから固有名詞と考えると公式サイトのコラム名のあれだろう、と思いつつも一応辞書で調べて見たところ「arcana:arcanumの複数形」という検索結果が出てきてビックリした。あれか。「criteria」が「criterion」の複数形みたいなものか。
原文:
Back in those days sets sold out within a day, so you had to know when they were coming in.
拙訳:
何しろ当時はマジックのセットが発売日当日に売り切れるなんてざらだったからね。入荷するその日が勝負だったのさ。
末尾の「when they were coming in」を訳そうとしたときに、店が売るための品物を購入して受け取ることをなんて言うのかド忘れして困った。
購入、納入、買い入れ……どれも違う。なんかしっくりくる日本語があったはずだ。そうだ、カードショップのブログを読めば見つかるはず、と頼らせてもらったのが以下。
Diarynote:道の上 空の下
https://56849.diarynote.jp/
カードショップはすでに閉店されている(あらためて確認したらちょうど1年前だった)。この方のブログもDiarynoteに入り浸るようになったきっかけの1つだったのでちょっと感慨深いものがある。一度はお店に立ち寄ってみたいと思いつつも果たせずじまいだった。お疲れさまでした。
閑話休題。そんなわけで新しいエキスパンションが出たときの日記などを探しまくったおかげで、ようやっと「入荷する」という適切な言葉に辿り着けた。スッキリした。
原文:
I bought three boxes. (Remember that I started playing in Alpha so I was pretty entrenched by Legends.)
拙訳:
私はまず3ボックス購入した(知ってるかもしれないが私は初代アルファからマジックを始めていた。レジェンドの頃にはもうずっぽりハマっていたわけだ。迷わず3ボックス買うほどにね)
いくつかある。1つ目は「pretty entrenched by」という箇所が良く分からなかった点。初見時は「Trenchが塹壕だから……?」と考え込んでしまった。調べたところ「entrenched」は「固定観念を持った、考えが染みついた、定着してしまった、根強い」などの意味があるらしい。
考えてみたら「Trench」の元々の意味は「深い溝」だから、何かを刻み込むという意味から転じての「塹壕」なんだな。「トレンチコート」のせいで「塹壕」以外の意味を忘れてた。まさに「entrenched by」だな。
上記の箇所の2つ目のポイントとしては、なんでいきなり「当時はマジックにハマっていた」ということを説明しだしたのかを分かりやすくするために原文には無い補足(= 迷わず3ボックス買うほどにね)を加えていること。
3ボックスもマジックを買うことの異常性ってどれだけ伝わるんだろう、という不安感があったので足してしまった。そういえばレジェンド当時の「1ボックス」のパック量も良く知らないな。
原文:
The reason I bring this story up is that Legends had a profound effect on me as a player. Years later, it would have profound influence on me as a designer.
拙訳:
……と、私がなんでいきなりこんな話を始めたか不思議かもしれないね。何が言いたかったかというと、当時私がレジェンドから受けた影響は「プレイヤーとしてのものだった」ということを強調したかったからだ。この出会いがもし数年後であれば、おそらく私はデザイナーとしての立場で影響を受けていただろう。
日本語訳が原文に比して異様に長い、という点は後で触れるとして。
まず「profound effect」でつまずいた。「profound」の意味が分からなかったので調べたところ「深遠な、深みにある、奥深い」というような意味だった。うーん、意味は分かったけど会話で実際に使える自信はないな。
あと「it would have influence on me」の「would have」があるってことは、実際はそうではなかった(デザイナーとして影響を受けたわけではなかった = プレイヤーとして影響を受けた)ってことでいいのかな……とちょっと悩んだ。
さてこの部分の本題、日本語のほうの文章が原文に比して異様に長いという一番の理由は原文にはまったくない「私がなんでいきなりこんな~」という補足を冒頭にガッツリ足しこんでいること。
さて、なぜ足しこんでいるのか?
元々、英語版のコラムは1つ1つの段落(パラグラフ)がこのブログの日本語訳に比べてずっと長い。このブログでそれを(原文のパラグラフの長さを)無視してなぜブツ切りにしているか、というと読みやすさのため。
ブログ系の記事を読むとき、1段落が4行以上あると非常に読みづらく感じてしまう。何行目まで読んだかを画面で追い続けるのはMaxで4行が限界だろう、というのが個人的な見解なので、訳した文章は原文のパラグラフを無視して細かく区切ってしまっている。
ただそのせいで、原文では「ここで一息ついて話が変わったよ」というのをパラグラフの変更で示している場合に、話の切れ目が分かりづらくなってしまう。その分かりづらさを補うために大幅な意訳(というか補足)を入れているのがこのブログの訳。
……という話をずっと前からしたかったけど、なかなか触れる機会がなかった。やっと説明できた(もっとも、だからどうしたと言われると返す言葉もないけど)
原文:
This card inspired me to design numerous other “cloaks”. Among them: Mystic Veil (Visions), Robe of Mirrors (Exodus), Diplomatic Immunity (Mercadian Masques), and Aboshan’s Desire (Odyssey).
拙訳:
元となったこのレジェンドのカードたちから、私はいくつもの「外套(Cloak)」をデザインした。例えば、ビジョンズの《神秘のヴェール/Mystic Veil》、エクソダスの《鏡のローブ/Robe of Mirrors》、メルカディアン・マスクスの《外交特権/Diplomatic Immunity》、オデッセイの《アボシャンの願望/Aboshan’s Desire》などだ。
元となったレジェンドのカードはカードテキストを全て記載するのは当然として、問題はこれらの「レジェンドのカードの影響を受けた結果として生まれたカードたち」のカードテキストを全て載せるかどうか、で迷った。
さすがに全カードのテキストを載せていくと文字数が膨大になってブログの文字数制限を超過しすぎる(ただでさえ1記事に収まらないのに)。
カードテキストの合間にコラムの文章が挟まってるような状態になるのも避けたかったので、結局上記のように複数枚ズラズラと並んでいるときはカード紹介を諦めた。
それ以外では「文章内で括弧でカード内容を簡易的に紹介する」とか「1枚だけなら末尾に置く形で紹介する」など、都度対応を変えてみた。
原文:
This card ended up being one of the first cards I designed to see print, as Consuming Ferocity in Mirage. As you can see, not every new variation is a home run (or even a single).
拙訳:
のちのこのアイデアは、私が初めてデザインしたカードの中の1枚である《血の狂乱/Consuming Ferocity》となって世に出た(ミラージュのカードだ)。まあ、ご覧のとおり、元ネタがあるからといって全てがホームラン級の大当たりになるとは限らないというわけさ(もっともこの《血の狂乱/Consuming Ferocity》はヒット性の当たりですらないが……)
訳としては間違っていないとは思う。ただ、ホームランどころかヒットですらない、という原文の短く軽快なジョークを再現できたかどうかが気になるところ。
原文:
This card was the direct inspiration for Celestial Convergence in Prophecy. The one tweak was to have the game end when the counters finally ran out.
拙訳:
プロフェシーの《天界の収斂/Celestial Convergence》はまさにこの《Divine Intervention》から着想を得たものだ。大きな変更点として、カウンターが全て取り除かれたときにちゃんとゲームに決着がつくようにした。
上に乗ったカウンターが尽きるとゲームが引き分けになるという不思議なエンチャントの《Divine Intervention》に関する部分。
訳す際に困ったのは「when the counters finally ran out」の「finally」。何を指して「finally」なんだろう。
素直に訳すなら「カウンターがようやく尽きたとき」なんだろうけど「カウンターがようやく尽きたときにゲームが終わること(が元ネタのカードと異なる点)」という文章がイマイチしっくり来なかった。
結局、上記の訳では「finally」に当たる日本語を挟んでいない。負け。
原文:
This tricky little card is one of my favorites. I’m responsible for it being repeated in Urza’s Saga and created its sneaky cousin in Odyssey, Aura Graft.
拙訳:
それは例えばこの《Enchantment Alteration》のように派手さはないがトリッキーなカードだ。そう、これがウルザズ・サーガに再録されたのも、またこれによく似た《オーラの移植/Aura Graft》がオデッセイに収録されたのも、いずれも私に責任がある。
迷ったのは「I’m responsible for」の箇所。
要は、この著者のせいで再録されたり似たようなカードが作られたりした、という話なんだけど「私が原因で、私のせいで」とかを使うと、イマイチしっくり来る日本語文にできなかった。
それ以外で「~となったのには私が一枚噛んでいる」というのも試してみたけど、これもカチッとハマらず、最終的には「私に責任がある」とかなり原文に寄せた直訳風味で逃げてしまった。うーん。難しい。
原文:
Tempted by the “dark side”, I got lured into this spell’s “cards for free” flavor.
拙訳:
おそらく私の中に潜む闇の部分がささやいたのだろうが、私はこのカードの「カードのお代は無料」な効果にすっかり魅了されてしまった。
マナ踏み倒しの元祖は《Eureka》だった、ということらしい。
あらためて読むと「dark side」の訳は「ダークサイド」で良かったような気もする。おそらく「日本語に訳そう」という気持ちが強いせいでか、カタカナ訳を避けてしまいがち。
次のカッコの「cards for free」の訳は、ベストではないけど、まあ悪くもないかな、と思ってる。もっといい訳がありそう、という気持ちはどうしてもあるけど。
余談だけど、ここで紹介された《ドリーム・ホール/Dream Halls》以外にも、唱えた分の土地がアンタップする「実質的にマナ踏み倒し」なフリースペルたちとか、0マナアーティファクトを生け贄に捧げれば好きなアーティファクトを(マナを踏み倒しつつ)場に出せる《修繕/Tinker》とかも同一犯による犯行。
原文:
One of my favorites was a deck revolving around a Martyr’s Cry/Heaven’s Gate/Millstone combo.
(I never said my decks were good, just interesting.)
拙訳:
色々組んだその色変更デッキの中で特にお気に入りだったのは《Martyr’s Cry》と《Heaven’s Gate》によるライブラリ破壊コンボを狙った山札破壊デッキだった。《石臼/Millstone》も入ってたはずだ。
ん? ああ、バレたか。私は強いデッキを作るのが得意だったわけじゃない……面白いデッキを作るのが得意だったんだ。
原文に合わせようとすると読みづらい日本語にしか訳せず、諦めた結果が上記の「ざっくりとは同じ意味」な文章。訳としてはどうかという気もするけど、文章自体はそこそこ気に入ってる。
原文:
Many people think Root Maze (Tempest) was inspired by Kismet. In reality, Root Maze originally gave all permanents summoning sickness.
拙訳:
テンペストに《根の迷路/Root Maze》というカードがある。多くのプレイヤーはこのカードが《宿命/Kismet》が元になったと思っている。違うんだ。そもそもこの《根の迷路/Root Maze》は「全てのパーマネントに召喚酔いを与える」というカードになる予定だった。
翻訳と全然関係ない話。
マジックを始めた頃は色んなデッキを80枚くらいで組んでた。あるとき雑誌で青白パーミッションデッキを知ったときから、ほぼずっと青白デッキを使い続けた。
フィニッシャーは《セラの天使/Serra Angel》や《大気の精霊/Air Elemental》に始まり、《またたくスピリット/Blinking Spirit》や《霧のドラゴン/Mist Dragon》や《虹のイフリート/Rainbow Efreet》などローテーションごとに変わっていった。
その変遷の中で、一度だけノンクリーチャーの青白コンボデッキを経た。それがこの《宿命/Kismet》も入ったステーシスロックデッキ(註)。
(註) ステーシスロック
どんなデッキかは以下のリンク先を参照のこと。リンク先の区分一覧の中で言うと、タイムステイシスとターボステイシスとクロノステイシスは使った記憶がある。
http://mtgwiki.com/wiki/%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A4%E3%82%B7%E3%82%B9
あらためて思うと本当に相手するにはつまらないデッキだっただろうけど、使う側としては結構楽しかった。あと《宿命/Kismet》と《停滞/Stasis》のイラストも好きだったな。
そんな思い出話。
原文:
I put into numerous designs until it was finally accepted in Judgment as the card… wait a minute. Judgment isn’t out yet. Ignore this paragraph. You didn’t read it.
拙訳:
以降、それに改良を加えていき、そしてようやくジャッジメントで収録してもらえたわけさ。そう、そのカードこそが《陰謀だ……ん? んん? ちょっと待ってくれ……ジャッジメントはまだ発売前じゃないか!?
ふう。危ないところだった。この段落はあとで消しておかないとね。
もちろん、君は何も聞いてない。いいね? よし、じゃ次だ。
ここは訳しててとても楽しかった。あと、一応補足しておくと、おそらく原文で紹介しかけて止めたカードはジャッジメントの《陰謀団式療法/Cabal Therapy》と思われたので、上記のように訳した。
原文:
I always enjoyed the guessing game this card creates.
拙訳:
このスフィンクスの謎かけは実に楽しい能力だ。
ここで元ネタとして紹介されてる《ペトラ・スフィンクス/Petra Sphinx》は個人的に好きなカードで、「敵に使って良し、自分に使って良し」な能力も確かに面白かったし、加えてイラストの淡い色合いも好みだった。
カード画像:ペトラ・スフィンクス/Petra Sphinx
https://scryfall.com/card/me1/23/petra-sphinx
イラストで見事な翼が描かれてるせいで、実は飛行を持っていないと気づくまでちょっとかかった。いや、普通これ見たら飛んでるって思うよね……?
原文:
Often times in Magic’s past, there was a cool card that was created in the wrong color. These cards provide a perfect ability for designers to reintroduce the card in the proper color.
拙訳:
マジックの古いカードには、残念なことに、とても良いカードなのに色の設定だけ間違っているというカードが何枚かある。こういったカードを正しい色で再登場させるのもデザイナーの大事な仕事だ。
これは緑とは思えない直接ダメージ呪文である《嵐の運び手/Storm Seeker》の箇所で、見てのとおり、後半部分はかなり意訳になっている。
最初は原文に忠実に訳そうと「こういったカードは正しい色で良いカードを再登場させるという素晴らしい機会をデザイナーに提供してくれる」とした。
ただ原文に引きずられ過ぎてあまりにも歪(いびつ)な日本語に感じられてしまい、悩んだ挙句に上記の意訳と相成った。ここも勝ち負けで言うと負けかもしれない。
原文:
This card was the inspiration for Temporal Adept in Urza’s Destiny.
拙訳:
このカードから着想を得て作られたカードはウルザズ・デスティニーの《時間の名人/Temporal Adept》だ。
これは《時の精霊/Time Elemental》の箇所。
すでに書いたとおり、《時の精霊/Time Elemental》は当時のステイシスロックで使ったことがあった。そして使ってみて分かったのは「無駄に能力多くてややこしいな」だった。
パワー0なのにわざわざ「攻撃かブロックしたとき、戦闘終了時にそれを生け贄に捧げ、それはあなたに5点のダメージを与える」とか持ってるし、手札に戻すの能力も、無駄に「エンチャントされていないパーマネント1つを対象」という条件が付いてるし。
しかも余計なテキストはたくさん付いてるのにも関わらず(どっからどう見ても飛んでるイラストに対して)飛行は持っていないというややこしさ。
カード画像:時の精霊/Time Elemental
https://scryfall.com/card/me1/53/time-elemental
でもイラスト自体は好き。
原文:
When mining past sets for ideas, designers love to find weak cards that had a cool effect.
拙訳:
過去のカードの中に「アイデアは良いのに弱すぎて使われなかったカード」を見つけたとき、デザイナーとしてはお宝を掘り当てた気持ちになるね。
難しかったのは「weak cards that had a cool effect」をどうするか、という点。結果、かなりの意訳となったけど、ここに関しては個人的にいい仕事できたと思ってる。
先日アップした以下の記事の訳の苦労した点というか、楽しんだ点というか。
【翻訳】テンペストの中で輝いて/In a Teapot【DailyMTG】
https://regiant.diarynote.jp/201812040105436564/
言い訳がましくならないように気を付けつつ。
まず最初にタイトルについて書いてみる。元の「In a Teapot」というタイトル、初見時にはとても不思議だった。なんで「Teapot(ティーポット)」なんだろう。テンペストにお茶会的なカードとかあったっけ。そんな風に首をひねりながら調べてみたところ……
Google先生「英語には Tempest in a teapot という慣用句があってな?」
知らんかった。ちなみに意味は「些細なことで大騒ぎをすること」もしくは「狭い世界で互いに争うこと」らしい。日本語で似た言葉を探すなら「大山鳴動して鼠一匹」とかかなあ。
つまりこのタイトルは「テンペストと書かずしてテンペストという言葉を表現している」、かつ「マジックのセット1つのデザインという限られた世界の中での様々な出来事」を示しているものと思われる。すごい。
それにならった和訳を考えようとして色々考えて「嵐の中で輝いて」という好きな歌のタイトルを使うことにした。
これ以外で「嵐(あらし)」を含む題名は「あらしのよる」とか「嵐が丘」とかしか思いつかなくて、なんか上手く行かなかった。いや「嵐が丘」で「テンペスト買おっか」というのも思い付きはしたんだけど……止めた判断に後悔はないな。うん。
大して難しかったというわけでもないけどちょっと触れておくと「needed to have a Legend for Greven」は、より原文に沿う形で訳すなら「伝説を作る必要があった」、もしくは「伝説の~を作る必要があった」となる。
さすがにそれは不自然だよね、ということで「伝説のクリーチャー」と補った形で訳した。そういえば当時は伝説ってクリーチャーしかなかった気がする。非クリーチャーの伝説っていつからだっけ。思い出せない。
語りたいポイントは2つ。1つは「本来は存在しなかったカード名」の和名をどうするか。もう1つは長い一文をどう扱うか。
1つ目の「本来は存在しないカード名」はここでは「Meld」の部分。基本的にこのブログではカード名の表記を《日本語名/English Name》で統一しているので英語のみだとなんか落ち着かない……ということで勝手に和名を付けてる。多分、ホントはダメ。
ちょっと今回の記事と関係ない話。今のマジックには「Meld」というキーワードがあるのね。MTG Wiki によると「合体カードの組を第2面同士で組み合わせて戦場に出すことを表す」らしい。ああ、「合体」の英語名って「Meld」だったのか。知らなかった。閑話休題。
2つ目の長文を2つに分けるという方法。実際のところ、元の原文はそれほど長くない。でも日本語にしようとすると、どうにも長くなる。「このカードはソーサリーとして始まった……そのソーサリーの名前は Meld といった……その Meld はプレイヤーに2体のクリーチャーを融合させてくれるものだった」という文がバケツリレーのように後ろを修飾してく形。どうしても分ける以外に自然な日本語にすることができなかった。
ちょっと全くマジック関係ない話を挟ませてもらう。上の文の「してく形」をタイプしてるとき間違って「くかたち」で変換してしまったら「盟神探湯」になった。ナニコレ。えーと……?
Google先生「古代日本の裁判だよ。神様に正か邪かを裁いてもらうものだ」
へえ。読みは「くがたち、くかたち、くかだち」のいずれもアリらしい。なんで「湯」なんだろう……ああ、熱湯に身を触れさせて火傷したら「邪悪」なのね……魔女裁判かな?
最初に訳そうとしたときは「Text Splicing」を日本語にできないかどうかをチェックしてみた(対応する公式の訳語があるのかどうか)。
なさそうだった。それに原文でもわざわざ意味が付記されてるくらいだからあまり一般的なマジック用語ではないのだろう、ということで、英語を残して原文そのままに括弧で意味を説明してみた。しっくりきた。良し。
意外と難しかったのは「my love of science fiction」。直訳するなら「私のサイエンスフィクションの愛」で、まあ、さすがにそれはないとして「私のSFへの愛」や「私のSFを愛する心」など色々試すも、どれもしっくりこない。あーでもないこーでもない、を続けて、最終的には上記の訳になった。「日本語」にはなってると思う。たぶん。
ここは何度も書き直した。何度か《エンチャント・キッド/Enchanto Lad》と書いたり、原文通り《エンチャント・ラッド/Enchanto Lad》にしたり、または《エンチャント少年》とか《エンチャント坊や》とかも候補に挙がった。
いや、だって「~ラッド」で「~少年」を意味するって日本語にしたとき伝わる気がしなかった。英語だと大人が小さい男の子に「Hi, lad」って呼びかけるのは自然だけども「キッド/Kid、ボーイ/Boy」に比べると知名度の差が段違いすぎる。
なので「ボーイ」か「キッド」に勝手に変えてしまおうか、とも思ったんだけど……問題はこのあとに「コズミック・ボーイ/Cosmic Boy」という形で「ボーイ」が出て来たり、「キッド」という名称も出て来たり。
そんなこんなで迷ったあげくに結論は「原文を尊重しつつ、注釈をつける」ということになった。今回の記事はカードデータを引用形式で表記してるので文章の中に別の引用形式を挟みたくなかったけど、まあ、しょうがない。
訳とは関係ない話。ちょっと今この部分を読み返してて、ふと思ったのは「最近のプレイヤーって《ハルマゲドン/Armageddon》知ってるのかな」ということ。カードの効果を付記すべきだった気がする。
能力の説明は括弧付きにしたほうが分かりやすいかな、ということで原文にはない括弧表現で訳した……というのは余談で、本題は「we were fooling around with」をどう訳すか、という話。
この「Fooling around」は「油を売る、放蕩する、あれこれいじってみる、色々試す、なんとなく時間をつぶす」みたいな……なんというか……結構ふんわりした意味の英語なので、なんでもありな分、難しかった。
ポイントは「heads, something good happens; tails something bad happens」の部分をどう訳すか。最初は普通に「何かいいことが……何か悪いことが……」としたけど、ふと気が変わって上記の訳にした。正しいかどうかはさておき、この訳はかなり気に入っている。
テンペストの《ミリーの悪知恵/Mirri’s Guile》は調整版《森の知恵/Sylvan Library》として使われる想定だったがそうはならなかった……という話以外にとりようがないのでそう訳したけど、そもそも原文の「it never really caught on though」って本当にそういう意味なのか自信がない、という話。「catch on」って意外と難しい。
「Play by my rule」は、単語の意味としては「私が制定したルールに従って行動せよ」であって、原文に忠実に訳すのであれば「私のルールで遊べ」になる……ところをちょっとひねってみた。個人的には上手くいったと思ってる。
多分これ、原文を訳してない。原文の「need to be careful」とか「let it take us to the point」とかに当たる部分がどこか言えない。なんとなくこういう意味だろう、というタイプの訳。ヘタすると普通に間違ってる可能性のある奴(おいおい)
このネタはなんか見覚えあるぞ、と思ったら、前に訳してた以下のコラムでも触れられてたネタだった(スピリットという種族についての特集記事)
【翻訳】これぞマジック・スピリット!/That’s the Spirit【DailyMTG】
https://regiant.diarynote.jp/201808191336405844/
確かに今回のテンペストに関する記事の冒頭で「過去にすでに語ってしまったネタを繰り返してしまうかもしれないけど許して欲しい」と書かれていたが、実はこのスピリットに関する記事のほうがあとに書かれたものだったりする(テンペストの記事が2002年、スピリットの記事は2004年)。
他にも色々と訳してて気になった点とか、訳が難しかった点とか、懐かしいカードとかあるけど、とりあえず今回のまとめはこれで終わり。
また何か訳す(はず)なので、そのときも気になったこととかあとで思い返してみようと思う。
【翻訳】テンペストの中で輝いて/In a Teapot【DailyMTG】
https://regiant.diarynote.jp/201812040105436564/
言い訳がましくならないように気を付けつつ。
まず最初にタイトルについて書いてみる。元の「In a Teapot」というタイトル、初見時にはとても不思議だった。なんで「Teapot(ティーポット)」なんだろう。テンペストにお茶会的なカードとかあったっけ。そんな風に首をひねりながら調べてみたところ……
Google先生「英語には Tempest in a teapot という慣用句があってな?」
知らんかった。ちなみに意味は「些細なことで大騒ぎをすること」もしくは「狭い世界で互いに争うこと」らしい。日本語で似た言葉を探すなら「大山鳴動して鼠一匹」とかかなあ。
つまりこのタイトルは「テンペストと書かずしてテンペストという言葉を表現している」、かつ「マジックのセット1つのデザインという限られた世界の中での様々な出来事」を示しているものと思われる。すごい。
それにならった和訳を考えようとして色々考えて「嵐の中で輝いて」という好きな歌のタイトルを使うことにした。
これ以外で「嵐(あらし)」を含む題名は「あらしのよる」とか「嵐が丘」とかしか思いつかなくて、なんか上手く行かなかった。いや「嵐が丘」で「テンペスト買おっか」というのも思い付きはしたんだけど……止めた判断に後悔はないな。うん。
原文:
This was another top-down design. We knew we needed to have a Legend for Greven.
拙訳:
これも「トップダウン」タイプのデザインだね。司令官グレヴェンのために私たちは伝説のクリーチャーを作る必要があった。
大して難しかったというわけでもないけどちょっと触れておくと「needed to have a Legend for Greven」は、より原文に沿う形で訳すなら「伝説を作る必要があった」、もしくは「伝説の~を作る必要があった」となる。
さすがにそれは不自然だよね、ということで「伝説のクリーチャー」と補った形で訳した。そういえば当時は伝説ってクリーチャーしかなかった気がする。非クリーチャーの伝説っていつからだっけ。思い出せない。
原文:
This card started as a sorcery called Meld that allowed you to meld two creatures into one.
拙訳:
このカードは元々ソーサリーとして作られる予定だった。そのときのカード名は《融合/Meld》で、効果は2体のクリーチャーを融合させることができるというものだった。
語りたいポイントは2つ。1つは「本来は存在しなかったカード名」の和名をどうするか。もう1つは長い一文をどう扱うか。
1つ目の「本来は存在しないカード名」はここでは「Meld」の部分。基本的にこのブログではカード名の表記を《日本語名/English Name》で統一しているので英語のみだとなんか落ち着かない……ということで勝手に和名を付けてる。多分、ホントはダメ。
ちょっと今回の記事と関係ない話。今のマジックには「Meld」というキーワードがあるのね。MTG Wiki によると「合体カードの組を第2面同士で組み合わせて戦場に出すことを表す」らしい。ああ、「合体」の英語名って「Meld」だったのか。知らなかった。閑話休題。
2つ目の長文を2つに分けるという方法。実際のところ、元の原文はそれほど長くない。でも日本語にしようとすると、どうにも長くなる。「このカードはソーサリーとして始まった……そのソーサリーの名前は Meld といった……その Meld はプレイヤーに2体のクリーチャーを融合させてくれるものだった」という文がバケツリレーのように後ろを修飾してく形。どうしても分ける以外に自然な日本語にすることができなかった。
ちょっと全くマジック関係ない話を挟ませてもらう。上の文の「してく形」をタイプしてるとき間違って「くかたち」で変換してしまったら「盟神探湯」になった。ナニコレ。えーと……?
Google先生「古代日本の裁判だよ。神様に正か邪かを裁いてもらうものだ」
へえ。読みは「くがたち、くかたち、くかだち」のいずれもアリらしい。なんで「湯」なんだろう……ああ、熱湯に身を触れさせて火傷したら「邪悪」なのね……魔女裁判かな?
原文:
In development, the card was changed from text splicing (meaning the ability was given to the creatures) to simply using tapping as a cost of the activation.
拙訳:
その後、デベロップメントへと移った際に、Text Splicing(クリーチャーのテキスト欄に能力を継ぎ足す形)という能力から、単にエンチャントの起動コストとしてクリーチャーのタップを要求する形に変更になった。
最初に訳そうとしたときは「Text Splicing」を日本語にできないかどうかをチェックしてみた(対応する公式の訳語があるのかどうか)。
なさそうだった。それに原文でもわざわざ意味が付記されてるくらいだからあまり一般的なマジック用語ではないのだろう、ということで、英語を残して原文そのままに括弧で意味を説明してみた。しっくりきた。良し。
原文:
This card was influenced by my love of science fiction. A common sci-fi archetype is the alien that gains the abilities of creatures near it.
拙訳:
私のSF愛が生み出したカードがこれだ。SFによく見られるネタの1つに、傍にいる生き物の能力をコピーするエイリアンというネタがある。
意外と難しかったのは「my love of science fiction」。直訳するなら「私のサイエンスフィクションの愛」で、まあ、さすがにそれはないとして「私のSFへの愛」や「私のSFを愛する心」など色々試すも、どれもしっくりこない。あーでもないこーでもない、を続けて、最終的には上記の訳になった。「日本語」にはなってると思う。たぶん。
原文:
It has to do with its playtest name, Enchanto Lad.
拙訳:
このカードのプレイテスト中の仮の名前は《エンチャント・ラッド/Enchanto Lad》だったんだ。能力そのままだね。
ここは何度も書き直した。何度か《エンチャント・キッド/Enchanto Lad》と書いたり、原文通り《エンチャント・ラッド/Enchanto Lad》にしたり、または《エンチャント少年》とか《エンチャント坊や》とかも候補に挙がった。
いや、だって「~ラッド」で「~少年」を意味するって日本語にしたとき伝わる気がしなかった。英語だと大人が小さい男の子に「Hi, lad」って呼びかけるのは自然だけども「キッド/Kid、ボーイ/Boy」に比べると知名度の差が段違いすぎる。
なので「ボーイ」か「キッド」に勝手に変えてしまおうか、とも思ったんだけど……問題はこのあとに「コズミック・ボーイ/Cosmic Boy」という形で「ボーイ」が出て来たり、「キッド」という名称も出て来たり。
そんなこんなで迷ったあげくに結論は「原文を尊重しつつ、注釈をつける」ということになった。今回の記事はカードデータを引用形式で表記してるので文章の中に別の引用形式を挟みたくなかったけど、まあ、しょうがない。
原文:
During development, the team got scared of its interaction with Armageddon
拙訳:
しかしデベロップメントチームはこのカードが《ハルマゲドン/Armageddon》と同時に使われることを心配して、この一文を追加したんだ。
訳とは関係ない話。ちょっと今この部分を読み返してて、ふと思ったのは「最近のプレイヤーって《ハルマゲドン/Armageddon》知ってるのかな」ということ。カードの効果を付記すべきだった気がする。
原文:
During earlyTempest design, we were fooling around with cards that had a triggered ability when they were drawn.
拙訳:
テンペストの開発が始まった頃、私たちは「引かれたときに能力を誘発させるカード」というアイデアを試していた。
能力の説明は括弧付きにしたほうが分かりやすいかな、ということで原文にはない括弧表現で訳した……というのは余談で、本題は「we were fooling around with」をどう訳すか、という話。
この「Fooling around」は「油を売る、放蕩する、あれこれいじってみる、色々試す、なんとなく時間をつぶす」みたいな……なんというか……結構ふんわりした意味の英語なので、なんでもありな分、難しかった。
原文:
Too many of the previous random elements had been too stark: heads, something good happens; tails something bad happens.
拙訳:
私は以前からランダムな効果について考えていた。既存のカードのランダムな効果はどれもこれもあまりに極端すぎた。コインの表が出たら大吉、裏が出たら大凶という感じだ。
ポイントは「heads, something good happens; tails something bad happens」の部分をどう訳すか。最初は普通に「何かいいことが……何か悪いことが……」としたけど、ふと気が変わって上記の訳にした。正しいかどうかはさておき、この訳はかなり気に入っている。
原文:
This card was supposed to be a new Sylvan Library-it never really caught on though.
拙訳:
こうしてこのカードがポスト《森の知恵/Sylvan Library》として作られたわけだが……残念ながらそうは上手くはいかなかった。
テンペストの《ミリーの悪知恵/Mirri’s Guile》は調整版《森の知恵/Sylvan Library》として使われる想定だったがそうはならなかった……という話以外にとりようがないのでそう訳したけど、そもそも原文の「it never really caught on though」って本当にそういう意味なのか自信がない、という話。「catch on」って意外と難しい。
原文:
Taxing, by the way, has been shifted to white in the current color pie shuffle-it made more sense because white is the “play by my rules” color.
拙訳:
ちなみに「税」について付け加えておくと、今ではこの効果はカラーパイの役割上では白に属している。そのほうが筋が通っているからだ。何しろ白こそ「ルールは私が決める」の色だからね。
「Play by my rule」は、単語の意味としては「私が制定したルールに従って行動せよ」であって、原文に忠実に訳すのであれば「私のルールで遊べ」になる……ところをちょっとひねってみた。個人的には上手くいったと思ってる。
原文:
While simplicity is important, I think we need to be careful when we let it take us to the point that a card is stripped of its original flavor.
拙訳:
分かりやすさは重要だ。しかしそれによって元の大事なフレイバーを失ってしまうのであれば、引き返す勇気もまた大事なのではないか、と私は思う。
多分これ、原文を訳してない。原文の「need to be careful」とか「let it take us to the point」とかに当たる部分がどこか言えない。なんとなくこういう意味だろう、というタイプの訳。ヘタすると普通に間違ってる可能性のある奴(おいおい)
原文:
I always felt thatThunder Spirit was an excellent card. But before I arrived at Wizards, it was stuck on a reserved list, meaning it could never be reprinted.
拙訳:
私はずっと《Thunder Spirit》は素晴らしいカードだと思っていた。しかし残念ながら私がウィザーズに入社したとき、すでにそのカードは再版禁止リスト(訳注:主にコレクター的な理由から同型再版の作成が禁じられているカードのリスト)入りしていた。
このネタはなんか見覚えあるぞ、と思ったら、前に訳してた以下のコラムでも触れられてたネタだった(スピリットという種族についての特集記事)
【翻訳】これぞマジック・スピリット!/That’s the Spirit【DailyMTG】
https://regiant.diarynote.jp/201808191336405844/
確かに今回のテンペストに関する記事の冒頭で「過去にすでに語ってしまったネタを繰り返してしまうかもしれないけど許して欲しい」と書かれていたが、実はこのスピリットに関する記事のほうがあとに書かれたものだったりする(テンペストの記事が2002年、スピリットの記事は2004年)。
他にも色々と訳してて気になった点とか、訳が難しかった点とか、懐かしいカードとかあるけど、とりあえず今回のまとめはこれで終わり。
また何か訳す(はず)なので、そのときも気になったこととかあとで思い返してみようと思う。
先日訳した以下の記事の裏話というか、苦労した点というか、楽しんだ点というか。
【翻訳】アクローマ誕生秘話/Angels Among Us【DailyMTG】
http://regiant.diarynote.jp/201805222338289406/
言い訳がましくならないように気を付けつつ、それでは始まり始まり。
ダブルクオテーションで括られている「God of Wrath」は映画名の候補であり、《怒りの天使アクローマ/Akroma, Angel of Wrath》のことを指している。そこまではほぼ確定。
それに追加して、さらに「この頃はまだ《神の怒り/Wrath of God》というカードが誰にでも知られている頃だったから、それもかかっているのかもしれない」と考えた……ことを反映しているのが上記の拙訳。
あらためて見ると、ちょっと考え過ぎだった可能性がある。さらには、そもそも最近のプレイヤーは《神の怒り/Wrath of God》というカードを(下環境でも使われていないし)まず知らないだろうから、分かりやすさを考えて(仮に原文にこのカードと絡める意図あったとしても)除くのが正解だったかもしれない。
最初の文章の「Role」は、訳すなら「役割」しかないんだけど、なんかしっくりこない。物語において特定の立ち位置についた登場人物が果たすべき行動や言動や態度……うーん、やっぱり「役割」しかないか。なんで日本語がしっくりこないんだろう。
後半の文章は難しかった。簡単に訳すなら「分かるだろう、私はアクローマを殺そうとしたR&Dのメンバーだった」になる。ただ、彼が実際に行おうとしてたのは、今現在の形(能力)で世に出るのを阻止しようとしたことなので、ここで言う「Kill」は「殺す、命を絶つ」はイマイチふさわしくない気がした。
それをどう言い換えようか悩んでいるうちに気が付いたらかなり修飾された意訳になってしまった。うーん。今だったらもっとシンプルに直すかもしれない。
ところでちょうどいいのでここで書いてしまうと「R&D」をどう訳すかというのも悩ましくて、そもそも原文にある「R&D」「Development」「Design」をどう訳し分けるかという問題でもある。
基本的に今回のコラムでは「R&D、Development、Design」をそれぞれ「開発部、デベロップメント、デザイン」としている。ただ「デベロップメント、デザイン」という部門がそれぞれ何をしている場所なのかについてどれだけ理解しているのか、かつ読む人も知っているのか、という問題がある。
前半の悩みポイントはやはり「Dev Comments」。前述のとおり「Development」をどう訳すか、という問題に通じるものがある。原文ママに「Dev Comments」とするか、原文に近づけた訳として「デベロッパーコメント」とするか、文章全体で統一感を出すために「デベロップメントコメント」とするか……色々ためした挙句に分かりやすさ優先にしてみた。
後半はカッコ内の補足文をどうしようか迷った。原文に極力合わせようと、「項目名にデザイナーとは入っていないけど」というネタを残し、かつカッコを使って訳したのが以下。
没案:
ここ書かれているのは新たなカードたちについてデベロッパーたちと
(項目名には含まれていないが)デザイナーたちとが会話したメモだ。
最終的には分かりやすさと読みやすさを優先した。
前半の「historical purpose」を「履歴管理のため」としたのはなかなか上手い訳かもしれないと思った(自画自賛)。後半は……うーん、どうだろう。「nice glimpse」をどうするか、がポイントな気がする。「覗き見る」という選択肢もあったんだけど、個人的に「覗く」という言葉にはネガティブなものを感じてしまうので避けてしまった。
もっと短く、さらっと軽口っぽく訳したかったけどこれが限界だった、ということと、文末の顔文字をどうしようか迷って結局無視したこと、の2つがポイント。文末のこれは……うーん?
まずは、ダブルクォーテーションをどうとるか。たぶん強調の意味だろう、と思ったのでそう訳した。そして内容。意味はよく分かる。うん。でもそのまま淡々と訳す文章じゃなくて明らかに「冗談めかしてる」内容だから……どうするかな。
「このカードには非常識さが足りない」
「このカードにはまだトンデモなさが足りない」
「壊れすぎというにはまだ足りない」
「まだ行けるだろ」
色々考えてるうちに分からなくなってきて最後は、えいやっ、と。
序盤の「get some notice when it is first seen」は、訳しづらいというより、分かりやすすぎてむしろ訳す選択肢が多すぎて困る。素直に訳すなら「最初に見たときに多少の注意は引くだろう」という感じ?
それは、まあ、なんとかなるとして、問題はカッコ内の「no one will be able to tell you exactly what it does」。そのまま訳すなら「ハッキリとこれが何をするかを説明できる人はいない」かな。でもそれじゃ、なんか違う気がして、色々ああでもないこうでもないといじくっているうちに上記の拙訳になった。
あとこのカッコ内が特に強調したいところなのかな、と思ったので、この部分が文末に来るようにあえて原文と異なる語順に訳している。
原文の「a pile of ~」は、よくある言い回しである「a pile of shit(クソのかたまり)」を言いたかったのではないかと思われるけど、まあ、あまり原文に縛られなくてもいいかな、と思って、伏字部分を2つにしてみた。個人的には気に入ってる。そして確かにカローナのデザインはどうかと思う。
うーん、「finesse」をどうしたら良かったのだろう、とあらためて考えるに、原文の単語をカッコで併記すればよかったかもしれない。実際、今回の記事の訳でその手段を取っている箇所はある。
あと後半のカッコ内の文章も難しかった。直前の言葉を打ち消す言葉は入っていないのに、直前の言葉は間違いだと自分でも分かっていてその訂正はあとでやるよ、という意味になっている。直訳しても伝わるだろうとは思ったけど、補足を入れるのを止められなかった(「おっと、念のため」と付け加えたこと)。
原文の「言葉」ではなく「意味」を訳した箇所。「funniest thing to me」とか「I’m not sure」とか「how many cards」とかに対応する言葉は日本語側には存在しない。それでも筆者が伝えたかった全体的な「意味」は……ある程度は……再現されてるはずかもしれない(弱気)
長々と引用してしまったけど、ポイントは最後の「if you don’t like high-profile cards setting incorrect precedents」をどうするか。原文を極力尊重して「君が~」とか「好きでなければ~」とか入れようとすると、どうしても日本語的に不自然な文章になるんだよなあ……というわけで諦めた。
「局地的なBattleという意味では一方が勝利を収めた。しかしより大局的なWarという意味ではまだ戦いは終わっていない(アクローマが Haste と Trample を最終的に得たことを君たちは知っているわけだし)」という意味なのは分かるんだけど、日本語訳するとなると、これがなかなか。
すべては、Battle と War をどう訳すか。「戦闘 と 戦争」とかも考えたけど、最終的には上記の通りと相成った。もうちょい上手い訳がありそうな気はする。
原文の「Head Designer/ Head Developer」という単語をバッサリ捨てた。どう訳しても、なんか見覚えのないカタカナ語が出来てしまうし、そもそもどの役職かは重要ではないと判断した。正直、あまり良くない。
あともっと本質的な話として、そもそも上記の訳が正しいのかどうか。原文にある「speaks up on their behalf」が「~に代わって代弁する」なのは分かるんだけど、じゃあこの「their behalf」ってそもそも誰のことか、というのでちょっと悩んだ。部下でいいのかなあ……それ以外ないよなあ……
悩み始めたら止まらなくなって、最後はもう大量に並べた候補の中から勢いで選んだ。ただやっぱり「キャントダイウーマン」だけはないと思ったんだ。
最初は「明らかに別方向に楽しみ始めている」としたんだけど、気が変わって、上記の訳にした。内容的にもっと冗談めかした軽い口調のほうがふさわしく感じられた。
英語を使わずに、わざと間違えた日本語を使う(例:「相談した」が「装弾した」になってしまっている)のは違う気がして、最終的には英単語を併記して実際にどう間違っていたのかを明示した。
「Kitchen Sink」は、洗い物をまとめて放り込まれているところからなのか……は不明だけど、とにかく「なんもかんも全部入ってる」を表す言葉らしい。この記事では「全部盛り」と訳してる。
それはさておき上記の文章で訳しづらかったのは後半部分の「we’ve made them pretty special and not done too many」。なんとなくは分かる。なんとなくしか分からない。
まず「We have made them pretty special」は「私たち開発部は それら全部盛りなクリーチャーを それなりに素晴らしいものに出来た と思っている」というような意味だと思う。
特別なものにできた、というそうした大量の能力持ちは「(We have) not done too many」、つまり「あまり多く作らなかった」らしい。
ここで迷ったのは「素晴らしいものに出来たのは、あまり多く作らなかったから」という意味なのか「それらは素晴らしいものに出来た。そしてまたそれらはあまり多く作られなかった」という特に因果関係はない並列な事象なのか。
上記の拙訳では因果関係があったものとして訳してる。
まずは一文目の「a design snob」をどう訳すか。「あまりにデザイン至上主義者になっていた」「あまりに自分のデザインに酔っていた」「デザインが得意なことを鼻にかけていた」などなど。
前後の文とのつながりを考えて、最終的には上記の訳になった。
後半については「a technical design-sense」と1つの単語になっている箇所をあえてバラした。「技術的なデザインセンス」とか「テクニカルデザインセンス」とか「技術的な面に偏ったデザイン」とか、無理に一語にすると、どうにも原語に引きずられてる感が否めなかったので。
難しかった。
英語がシンプルで美しい分、そのまま訳したいけど、なかなかそうもいかず。
まず「Aesthetics like simplicity and brevity」は「Aesthetic、Simplicity、Brevity」をそれぞれどう訳すか。単に訳すだけなら「美しさ/美的、シンプルさ/明快さ/単純さ、簡約さ/簡潔さ」となるけど、並べる以上、ある程度の統一感が必要になるし、どうしたものか、と悩んだ結果が上記。
次の文章からさらに「Visceral」とか「gut」とか「indulgence」とか見慣れない単語が乱舞し始めて……いや「gut」が「内臓」とか「Indulgence」が「贅沢を楽しむ」とかなんとなくは分かるんだけど、どう訳せばいいのやら。
色々悩んだ挙句に「こう書けば前後の文章ともつながるし、日本語としての意味は通る気がする」という整合性を合わせることを目指したかなり後ろ向きな訳になった。正直、自信がない。
上記は、最初のがタイトル、あとはサブタイトルというか、チャプタータイトル。
タイトルの訳は、まずは記事の内容が伝わるタイトルでないと読んでもらえないからしょうがない、と原題のネタ的な部分をばっさり諦めた。要は「訳していない」。
2つ目と4つ目は、おそらく「Angels」という野球チームがあることから野球ネタとかけてるのだろう、と決め打ちしてネタ重視で訳した。3つ目は何かネタになってるのかどうかが分からず、そのまま。
どっとはらい。
【翻訳】アクローマ誕生秘話/Angels Among Us【DailyMTG】
http://regiant.diarynote.jp/201805222338289406/
言い訳がましくならないように気を付けつつ、それでは始まり始まり。
原文:
When the story of Akroma’s creation gets turned into a movie of the week (“God of Wrath”), central casting is going to have to go out and find someone to play me.
拙訳:
映画化するなら私の役を担当する俳優が必要になるだろうね。映画のタイトルはさしずめ「神の怒り」ならぬ「怒りの神」といったところか。
ダブルクオテーションで括られている「God of Wrath」は映画名の候補であり、《怒りの天使アクローマ/Akroma, Angel of Wrath》のことを指している。そこまではほぼ確定。
それに追加して、さらに「この頃はまだ《神の怒り/Wrath of God》というカードが誰にでも知られている頃だったから、それもかかっているのかもしれない」と考えた……ことを反映しているのが上記の拙訳。
あらためて見ると、ちょっと考え過ぎだった可能性がある。さらには、そもそも最近のプレイヤーは《神の怒り/Wrath of God》というカードを(下環境でも使われていないし)まず知らないだろうから、分かりやすさを考えて(仮に原文にこのカードと絡める意図あったとしても)除くのが正解だったかもしれない。
原文:
Because I played a vital role. You see, I’m the R&D member that tried to kill Akroma.
拙訳:
なにしろアクローマ誕生に際して私はかなり重要な役割を担っていた。そう、アクローマの誕生を阻止するべく開発部に昂然と立ち向かったんだからね。
最初の文章の「Role」は、訳すなら「役割」しかないんだけど、なんかしっくりこない。物語において特定の立ち位置についた登場人物が果たすべき行動や言動や態度……うーん、やっぱり「役割」しかないか。なんで日本語がしっくりこないんだろう。
後半の文章は難しかった。簡単に訳すなら「分かるだろう、私はアクローマを殺そうとしたR&Dのメンバーだった」になる。ただ、彼が実際に行おうとしてたのは、今現在の形(能力)で世に出るのを阻止しようとしたことなので、ここで言う「Kill」は「殺す、命を絶つ」はイマイチふさわしくない気がした。
それをどう言い換えようか悩んでいるうちに気が付いたらかなり修飾された意訳になってしまった。うーん。今だったらもっとシンプルに直すかもしれない。
ところでちょうどいいのでここで書いてしまうと「R&D」をどう訳すかというのも悩ましくて、そもそも原文にある「R&D」「Development」「Design」をどう訳し分けるかという問題でもある。
基本的に今回のコラムでは「R&D、Development、Design」をそれぞれ「開発部、デベロップメント、デザイン」としている。ただ「デベロップメント、デザイン」という部門がそれぞれ何をしている場所なのかについてどれだけ理解しているのか、かつ読む人も知っているのか、という問題がある。
原文:
One of them is labeled “dev comments”. This is short for developer comments and is the place where R&D (designers too, despite the name of the field) talks to one another about upcoming cards.
拙訳:
そしてその項目の中の1つに「デベロッパーのコメント(原文:dev comments)」がある。ここには新たなカードたちについてデベロッパーやデザイナーが開発中に残したコメントやメモが保存されている。
前半の悩みポイントはやはり「Dev Comments」。前述のとおり「Development」をどう訳すか、という問題に通じるものがある。原文ママに「Dev Comments」とするか、原文に近づけた訳として「デベロッパーコメント」とするか、文章全体で統一感を出すために「デベロップメントコメント」とするか……色々ためした挙句に分かりやすさ優先にしてみた。
後半はカッコ内の補足文をどうしようか迷った。原文に極力合わせようと、「項目名にデザイナーとは入っていないけど」というネタを残し、かつカッコを使って訳したのが以下。
没案:
ここ書かれているのは新たなカードたちについてデベロッパーたちと
(項目名には含まれていないが)デザイナーたちとが会話したメモだ。
最終的には分かりやすさと読みやすさを優先した。
原文:
For historical purposes this allows us a nice glimpse back in time.
拙訳:
履歴管理のためだったが、おかげで当時をより生き生きと垣間見ることが出来るというわけだ。
前半の「historical purpose」を「履歴管理のため」としたのはなかなか上手い訳かもしれないと思った(自画自賛)。後半は……うーん、どうだろう。「nice glimpse」をどうするか、がポイントな気がする。「覗き見る」という選択肢もあったんだけど、個人的に「覗く」という言葉にはネガティブなものを感じてしまうので避けてしまった。
原文:
At what point did you realize that we were pulling your leg? :)
拙訳:
いつから俺らが足を引っ張る側に回ってるって気づいた?
もっと短く、さらっと軽口っぽく訳したかったけどこれが限界だった、ということと、文末の顔文字をどうしようか迷って結局無視したこと、の2つがポイント。文末のこれは……うーん?
原文:
“The card is not ridiculous enough.”
拙訳:
まだ「常識の範囲内」
まずは、ダブルクォーテーションをどうとるか。たぶん強調の意味だろう、と思ったのでそう訳した。そして内容。意味はよく分かる。うん。でもそのまま淡々と訳す文章じゃなくて明らかに「冗談めかしてる」内容だから……どうするかな。
「このカードには非常識さが足りない」
「このカードにはまだトンデモなさが足りない」
「壊れすぎというにはまだ足りない」
「まだ行けるだろ」
色々考えてるうちに分からなくなってきて最後は、えいやっ、と。
原文:
I think a card like this will get some notice when it is first seen, but I don’t think it will be memorable (no one will be able to tell you exactly what it does) or particularly flavorful.
拙訳:
個人的にこの手のカードは初見時のインパクトしかない。何が言いたいかというと、本当の意味で印象的なカードにはならないと思うし、フレイバーにも欠けてる気がする。具体的に「よしこのカードがあればアレが出来る、コレが出来る」という形では話題にならないだろうね。
序盤の「get some notice when it is first seen」は、訳しづらいというより、分かりやすすぎてむしろ訳す選択肢が多すぎて困る。素直に訳すなら「最初に見たときに多少の注意は引くだろう」という感じ?
それは、まあ、なんとかなるとして、問題はカッコ内の「no one will be able to tell you exactly what it does」。そのまま訳すなら「ハッキリとこれが何をするかを説明できる人はいない」かな。でもそれじゃ、なんか違う気がして、色々ああでもないこうでもないといじくっているうちに上記の拙訳になった。
あとこのカッコ内が特に強調したいところなのかな、と思ったので、この部分が文末に来るようにあえて原文と異なる語順に訳している。
原文:
We took two iconic beloved cool legends and combined them into a pile of, well a word I’m not allowed to use on this site.
拙訳:
ウィザーズは2つの素晴らしい伝説のクリーチャーを混ぜ合わせて、〇〇の役にも立たない△△(公式サイトでは使えない言葉)を生み出したわけだ。
原文の「a pile of ~」は、よくある言い回しである「a pile of shit(クソのかたまり)」を言いたかったのではないかと思われるけど、まあ、あまり原文に縛られなくてもいいかな、と思って、伏字部分を2つにしてみた。個人的には気に入ってる。そして確かにカローナのデザインはどうかと思う。
原文:
There’s not much finesse to it.
As a designer, it seemed kind of uninspired to me. (Before the column is over, I’ll walk through some of the important design lessons of Akroma.)
拙訳:
このデザインには技がない。
デザイナーとして、このカードには何一つインスピレーションを感じなかったんだ(おっと、念のため。今日のこのコラムの最後では私がこの件(アクローマのデザイン)から学んだ重要な教訓をまとめている)
うーん、「finesse」をどうしたら良かったのだろう、とあらためて考えるに、原文の単語をカッコで併記すればよかったかもしれない。実際、今回の記事の訳でその手段を取っている箇所はある。
あと後半のカッコ内の文章も難しかった。直前の言葉を打ち消す言葉は入っていないのに、直前の言葉は間違いだと自分でも分かっていてその訂正はあとでやるよ、という意味になっている。直訳しても伝わるだろうとは思ったけど、補足を入れるのを止められなかった(「おっと、念のため」と付け加えたこと)。
原文:
The funniest thing to me is that I’m not sure how many cards have dev comments with Mike and Randy agreeing on anything.
拙訳:
個人的にランディのこのコメントは非常に興味深い。なぜならこのコメント欄に残された会話の中で、マイクとランディの意見が一致していたのはほぼこれだけだったからだ。
原文の「言葉」ではなく「意味」を訳した箇所。「funniest thing to me」とか「I’m not sure」とか「how many cards」とかに対応する言葉は日本語側には存在しない。それでも筆者が伝えたかった全体的な「意味」は……ある程度は……再現されてるはずかもしれない(弱気)
原文:
The fight was over whether this was a special enough occasion.
I think time has shown that yes it was.
(Or possibly no it wasn’t, if you don’t like high-profile cards setting incorrect precedents.)
拙訳:
つまり論点は「例外が認められるほどにアクローマが特別なカードかどうか」ということになる。
そしてこの判断が正しかったことは時間が証明してくれたと考えて良いだろう
(まあ人によっては「正しくなかった」と言うかもしれない。注目を集めるタイプのカードほど誤った先例を持つべきではない、と考える人もいるかもしれないからね)
長々と引用してしまったけど、ポイントは最後の「if you don’t like high-profile cards setting incorrect precedents」をどうするか。原文を極力尊重して「君が~」とか「好きでなければ~」とか入れようとすると、どうしても日本語的に不自然な文章になるんだよなあ……というわけで諦めた。
原文:
Yes, haste and trample were removed. That side won the battle. But, as we all know, not the war.
拙訳:
お気づきのとおり、上記のコメントの時点では速攻とトランプルを取り除きたい派が戦術的勝利を収めている。しかし結果を知ってる君たちには分かるだろうが、これは戦略的勝利ではない。
「局地的なBattleという意味では一方が勝利を収めた。しかしより大局的なWarという意味ではまだ戦いは終わっていない(アクローマが Haste と Trample を最終的に得たことを君たちは知っているわけだし)」という意味なのは分かるんだけど、日本語訳するとなると、これがなかなか。
すべては、Battle と War をどう訳すか。「戦闘 と 戦争」とかも考えたけど、最終的には上記の通りと相成った。もうちょい上手い訳がありそうな気はする。
原文:
So how exactly did Akroma get back her out-of-flavor keywords? Well it helps when the Head Designer/ Head Developer speaks up on their behalf.
拙訳:
はてさて、結局のところ色のフレイバー的に外れてしまうキーワードはどうなったのか? ありがたいことに上に立つ者が皆を代表して発言してくれている。
原文の「Head Designer/ Head Developer」という単語をバッサリ捨てた。どう訳しても、なんか見覚えのないカタカナ語が出来てしまうし、そもそもどの役職かは重要ではないと判断した。正直、あまり良くない。
あともっと本質的な話として、そもそも上記の訳が正しいのかどうか。原文にある「speaks up on their behalf」が「~に代わって代弁する」なのは分かるんだけど、じゃあこの「their behalf」ってそもそも誰のことか、というのでちょっと悩んだ。部下でいいのかなあ……それ以外ないよなあ……
原文:
Death Touch Woman versus Can’t Die Woman seemed awesome to me.
拙訳:
「デスタッチウーマン VS イモータルウーマン」の対戦カードは間違いなく「イケる」と思ったんだ。
悩み始めたら止まらなくなって、最後はもう大量に並べた候補の中から勢いで選んだ。ただやっぱり「キャントダイウーマン」だけはないと思ったんだ。
原文:
At this point, the development team starts having some fun.
拙訳:
見ての通り、明らかにネタに走り始めている。
最初は「明らかに別方向に楽しみ始めている」としたんだけど、気が変わって、上記の訳にした。内容的にもっと冗談めかした軽い口調のほうがふさわしく感じられた。
原文:
(And yes, “discussed” is misspelled - see I told you I didn’t change anything.)
拙訳:
(そうそう、このコメントにはスペルミスがある。「discussed(相談をした)」が「dicussed」になってしまっている。ほら、約束しただろう? データベースに残された会話を「無編集かつ無修正のままお見せする」ってね)
英語を使わずに、わざと間違えた日本語を使う(例:「相談した」が「装弾した」になってしまっている)のは違う気がして、最終的には英単語を併記して実際にどう間違っていたのかを明示した。
原文:
For some reason I assumed over the years that we’d do a lot of kitchen sink creatures and they would blur.
As it turns out, we’ve made them pretty special and not done too many.
拙訳:
このアクローマのせいで将来的に生まれるそれらがかすんでしまうのではないか、と恐れていたのだ。
その後どうなったかというと、新たに作られたカードたちもかすむことなく好評を博した。そもそも、それほど多くは作られなかった、ということもあるが。
「Kitchen Sink」は、洗い物をまとめて放り込まれているところからなのか……は不明だけど、とにかく「なんもかんも全部入ってる」を表す言葉らしい。この記事では「全部盛り」と訳してる。
それはさておき上記の文章で訳しづらかったのは後半部分の「we’ve made them pretty special and not done too many」。なんとなくは分かる。なんとなくしか分からない。
まず「We have made them pretty special」は「私たち開発部は それら全部盛りなクリーチャーを それなりに素晴らしいものに出来た と思っている」というような意味だと思う。
特別なものにできた、というそうした大量の能力持ちは「(We have) not done too many」、つまり「あまり多く作らなかった」らしい。
ここで迷ったのは「素晴らしいものに出来たのは、あまり多く作らなかったから」という意味なのか「それらは素晴らしいものに出来た。そしてまたそれらはあまり多く作られなかった」という特に因果関係はない並列な事象なのか。
上記の拙訳では因果関係があったものとして訳してる。
原文:
When I look back at the comments, I realize that I was being a bit of a design snob.
Just because the design was boring from a technical design-sense doesn’t mean the card is boring to players.
拙訳:
コメントをあらためて読んで、自分があまりにデザイン第一主義者に陥っていたかに気づいた。
カードのデザインが単純すぎてテクニカルな観点からはつまらなく思えたとしても、プレイヤーたちがそれをつまらないと思うかは全くの別問題だ。
まずは一文目の「a design snob」をどう訳すか。「あまりにデザイン至上主義者になっていた」「あまりに自分のデザインに酔っていた」「デザインが得意なことを鼻にかけていた」などなど。
前後の文とのつながりを考えて、最終的には上記の訳になった。
後半については「a technical design-sense」と1つの単語になっている箇所をあえてバラした。「技術的なデザインセンス」とか「テクニカルデザインセンス」とか「技術的な面に偏ったデザイン」とか、無理に一語にすると、どうにも原語に引きずられてる感が否めなかったので。
原文:
Aesthetics like simplicity and brevity.
Visceral gut response, on the other hand, often enjoys indulgence for the sake of indulgence.
Cards aren’t just things that are examined and processed. Cards are emotionally taken in. Hitting an emotional nerve can be just as potent as calming one.
拙訳:
美は単純さと簡潔さから生まれる。
その一方で人の欲は贅沢さだって楽しめる。
カードとは理性的に分析したりプレイしたりするだけのものではない。カードは感情を介して受け取るものだ。理性に訴える強さと同じくらい、感情に訴える強さもまた重要なのだ。
難しかった。
英語がシンプルで美しい分、そのまま訳したいけど、なかなかそうもいかず。
まず「Aesthetics like simplicity and brevity」は「Aesthetic、Simplicity、Brevity」をそれぞれどう訳すか。単に訳すだけなら「美しさ/美的、シンプルさ/明快さ/単純さ、簡約さ/簡潔さ」となるけど、並べる以上、ある程度の統一感が必要になるし、どうしたものか、と悩んだ結果が上記。
次の文章からさらに「Visceral」とか「gut」とか「indulgence」とか見慣れない単語が乱舞し始めて……いや「gut」が「内臓」とか「Indulgence」が「贅沢を楽しむ」とかなんとなくは分かるんだけど、どう訳せばいいのやら。
色々悩んだ挙句に「こう書けば前後の文章ともつながるし、日本語としての意味は通る気がする」という整合性を合わせることを目指したかなり後ろ向きな訳になった。正直、自信がない。
原文:
Angels Among Us
Angel in the Centerfold
ACTION FIGURE
Angels in the Outfield
拙訳:
アクローマ誕生秘話
エンゼルス、不動のセンター
アクション・フィギュア
エンゼルス、延長戦
上記は、最初のがタイトル、あとはサブタイトルというか、チャプタータイトル。
タイトルの訳は、まずは記事の内容が伝わるタイトルでないと読んでもらえないからしょうがない、と原題のネタ的な部分をばっさり諦めた。要は「訳していない」。
2つ目と4つ目は、おそらく「Angels」という野球チームがあることから野球ネタとかけてるのだろう、と決め打ちしてネタ重視で訳した。3つ目は何かネタになってるのかどうかが分からず、そのまま。
どっとはらい。
余談1:今週のCard of the Dayのテーマ
再録専門のブースタードラフト用セットであるマスターズシリーズ、その最新セット「アイコニックマスターズ」のカード紹介の週。なお平日5日間のうち、2日しか更新が無かった。なんだったんだろう。ワールドマジックカップで忙しいのかな。サンクスギビングの休みは先週だったはずだし。
余談2:月曜日 《チャネル/Channel》
チャネル・ファイアボールってもう「カード名の組み合わせ」や「コンボ名」という意味合いよりも団体名としての知名度のほうが圧倒的に上なんだろうな(世代にもよるだろうけど)。
とか言いつつ、この2枚の組み合わせがスタンダードリーガルだった時代はさすがに知らない。普通にこの即死コンボが《Black Lotus》経由で2ターン目に飛び交う世界は想像もつかない……いや、想像は出来るか。MoMaコンボの時代も負けず劣らずだった。
余談3:火曜日 《セファリッドの仲介人/Cephalid Broker》
こんなカードあったっけ。元の収録セットは……オデッセイか。そりゃセファリッドだし、オデッセイブロックに決まってるんだけど、まったく記憶にないな。
……なるの? 何か読み間違えてるのかな。
<原文>
but when it’s offered by the fanciest octopus in the world?
(Then it will become) best deal ever.
原文はやっぱり括弧の部分による補足を想定しての文章だと思うので、そのまま日本語に訳すとすれば以下のようになるんじゃないかなあ。
<拙訳>
しかし それが 世界で 最も 着飾った タコに 持ちかけられた だったら?
(もしそうだったら)いまだかつて 最高の 取引である。
要はイラストのセファリッド(=タコ)がめっちゃオシャレに着飾って見える、ということをネタにしたかった、ということでよろしいでしょうか(いいよ)
イラスト:Cephalid Broker
http://gatherer.wizards.com/Pages/Card/Details.aspx?multiverseid=438610
余談4:水曜日 なし
更新無し。
余談5:木曜日 なし
更新無し。
余談6:金曜日 なし
更新無し。
余談7:カクヨム
更新したので宣伝しとく。ネスレの話の続き。
カクヨム:ことのは万華鏡
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884341690/episodes/1177354054884538221
再録専門のブースタードラフト用セットであるマスターズシリーズ、その最新セット「アイコニックマスターズ」のカード紹介の週。なお平日5日間のうち、2日しか更新が無かった。なんだったんだろう。ワールドマジックカップで忙しいのかな。サンクスギビングの休みは先週だったはずだし。
余談2:月曜日 《チャネル/Channel》
チャネル・ファイアボールってもう「カード名の組み合わせ」や「コンボ名」という意味合いよりも団体名としての知名度のほうが圧倒的に上なんだろうな(世代にもよるだろうけど)。
とか言いつつ、この2枚の組み合わせがスタンダードリーガルだった時代はさすがに知らない。普通にこの即死コンボが《Black Lotus》経由で2ターン目に飛び交う世界は想像もつかない……いや、想像は出来るか。MoMaコンボの時代も負けず劣らずだった。
余談3:火曜日 《セファリッドの仲介人/Cephalid Broker》
こんなカードあったっけ。元の収録セットは……オデッセイか。そりゃセファリッドだし、オデッセイブロックに決まってるんだけど、まったく記憶にないな。
原文:
Getting two cards for the price of two cards might seem like a just-okay deal . . . but when it’s offered by the fanciest octopus in the world? Best deal ever.
拙訳:
カード2枚を支払ったらカード2枚をくれた。まあ、可もなく不可もなくな取引だよね。だけどその取引を世界でもトップクラスにオシャレなタコが提案してくれてたとしたら? 生涯で最高の取引になるよね!
……なるの? 何か読み間違えてるのかな。
<原文>
but when it’s offered by the fanciest octopus in the world?
(Then it will become) best deal ever.
原文はやっぱり括弧の部分による補足を想定しての文章だと思うので、そのまま日本語に訳すとすれば以下のようになるんじゃないかなあ。
<拙訳>
しかし それが 世界で 最も 着飾った タコに 持ちかけられた だったら?
(もしそうだったら)いまだかつて 最高の 取引である。
要はイラストのセファリッド(=タコ)がめっちゃオシャレに着飾って見える、ということをネタにしたかった、ということでよろしいでしょうか(いいよ)
イラスト:Cephalid Broker
http://gatherer.wizards.com/Pages/Card/Details.aspx?multiverseid=438610
余談4:水曜日 なし
更新無し。
余談5:木曜日 なし
更新無し。
余談6:金曜日 なし
更新無し。
余談7:カクヨム
更新したので宣伝しとく。ネスレの話の続き。
カクヨム:ことのは万華鏡
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884341690/episodes/1177354054884538221
今週のCard of the Day (2017年11月 第4週) とか
2017年11月26日 週のまとめ コメント (2)余談1:今週のCard of the Dayのテーマ
引き続き、銀枠セット第三弾「アンスタブル」のカード紹介。ちなみに今週はアメリカの休暇シーズン(サンクスギビング休暇)に当たるため、木曜と金曜はお休み。
余談2:月曜日 《Chivalrous Chevalier》
クリーチャータイプがサイボーグ(Cyborg)だ。すごいな。今後はクリーチャータイプを書き換える呪文があればサイボーグ・ソルジャーとかサイボーグ・プリーストとか作れるのか……あれ? いや、作れないか。銀枠専用のクリーチャータイプってルール上でも切り分けられてるんだっけ。
ちなみに今現在のルール内でも「ミュータント・ニンジャ・タートル」は作れる。ティーネージャーの出現が待たれる。
一文目と二分目の温度差をどうやって埋めようか最初は迷ってたけど、最終的には原文がためらいなくつないでるんだからそれでいいでしょ、ということになった。
あとどうしようかなと思ったのは「You look less hideous than usual today!」。どう訳しても、なんかもっと面白いセリフに出来るんじゃなかろうか、という気がする。
ああ、そうそう。冒頭の「Judge!」は「ジャッジ―ッ!」以外ないな、と。
余談3:火曜日 《Really Epic Punch》
カード名はあえて日本語訳するなら《マジで伝説的なゲンコツ》。
スーラクが熊を殴っているのは有名だよね、と言わんばかりの元記事の勢いだったので、そんなに印象的な何かがあるのかなあ、と不思議で、調べてみた。
そしたらイラストが見事に「おっさんが熊を殴りつけてる」イラストだった。
カードイラスト:《凶暴な殴打/Savage Punch》
https://magiccards.info/ktk/jp/147.html
こういう状況で人間側が「凶暴」って評されるの珍しいよね。ちなみに「✕:狂暴、〇:凶暴」なので注意(凶暴は「凶悪で乱暴」を指すらしい。怖い)
これ、最初にアップした訳は違ってて……
文章がとにかく硬い。ギャグになってない。一晩置いてから見たら耐えられなくなって、書き直した。
余談4:水曜日 《Gift Horse》
カード名の「Gift Horse」をネタにした記事。
記事の原文は「Somewhat ironically, looking into its mouth would not actually help you realize the nature of this ”gift.”」とある。
そのまま訳すと「なんとも皮肉なことに、実のところこの馬の口の中を覗いても「贈り物」の真の価値を知る手助けにはならない」という感じ。いかにも何か元となる言い回し(ことわざ)がありそうな雰囲気。
というわけで調べたらやっぱりあった。
・Don’t look a gift horse in the mouth.
(贈り物の値段をチェックないこと)
なんでも馬は歯を見ればその年齢が分かるらしい。そのことから「馬を贈り物にもらったとき、その口の中を覗いて『なんだ年寄りの馬じゃないか』とか『まあまあ若い馬なんだな』とかチェックするのはマナーに反するのでやめましょう」みたいな意味らしい。
そんな英語特有の言い回しのネタなので「口の中をチェックする」と訳すのは無理だな、と速攻で諦めて「同じような意味に出来ないかな」という方向性で努力してみた……のが以下の結果。
ちょっと気に入ってる。
余談5:木曜日 なし
サンクスギビングのためお休み。
余談6:金曜日 なし
サンクスギビングのためお休み。
引き続き、銀枠セット第三弾「アンスタブル」のカード紹介。ちなみに今週はアメリカの休暇シーズン(サンクスギビング休暇)に当たるため、木曜と金曜はお休み。
余談2:月曜日 《Chivalrous Chevalier》
クリーチャータイプがサイボーグ(Cyborg)だ。すごいな。今後はクリーチャータイプを書き換える呪文があればサイボーグ・ソルジャーとかサイボーグ・プリーストとか作れるのか……あれ? いや、作れないか。銀枠専用のクリーチャータイプってルール上でも切り分けられてるんだっけ。
ちなみに今現在のルール内でも「ミュータント・ニンジャ・タートル」は作れる。ティーネージャーの出現が待たれる。
原文:
Get ready for some fascinating rules questions. ”Judge! My opponent said, ’You look less hideous than usual today!’ Is that really a compliment? Shouldn’t she have to return a creature to her hand?”
拙訳:
こりゃまたルール論争の種になりそうなカードだね。「ジャッジーッ! 僕の対戦相手が『あんた、相変わらずブサイクだけどいつもよりかはマシね!』って言うんですよ! これ、褒めてませんよね!? 彼女はクリーチャーを手札に戻す必要があると思いますよね!?」
一文目と二分目の温度差をどうやって埋めようか最初は迷ってたけど、最終的には原文がためらいなくつないでるんだからそれでいいでしょ、ということになった。
あとどうしようかなと思ったのは「You look less hideous than usual today!」。どう訳しても、なんかもっと面白いセリフに出来るんじゃなかろうか、という気がする。
ああ、そうそう。冒頭の「Judge!」は「ジャッジ―ッ!」以外ないな、と。
余談3:火曜日 《Really Epic Punch》
カード名はあえて日本語訳するなら《マジで伝説的なゲンコツ》。
スーラクが熊を殴っているのは有名だよね、と言わんばかりの元記事の勢いだったので、そんなに印象的な何かがあるのかなあ、と不思議で、調べてみた。
そしたらイラストが見事に「おっさんが熊を殴りつけてる」イラストだった。
カードイラスト:《凶暴な殴打/Savage Punch》
https://magiccards.info/ktk/jp/147.html
こういう状況で人間側が「凶暴」って評されるの珍しいよね。ちなみに「✕:狂暴、〇:凶暴」なので注意(凶暴は「凶悪で乱暴」を指すらしい。怖い)
原文:
In a shocking update, we have recently learned that Surrak did not actually kill that bear-it was just very unconscious. And now it is very upset.
拙訳:
え? マジかよ!? いや、今知ったんだけど、スーラクに殴られたあのクマってまだ生きてるんだってさ。あのあと気を失ってたみたい。んで、かわりに今は気が立ってるみたい。かなり。
これ、最初にアップした訳は違ってて……
拙訳(没):
驚くべき事実が判明した。つい最近分かったことだが、なんとスーラクはあの熊の息の根を止めていなかったのだ。あの熊は気を失ってるだけだったらしい。そしてかわりに今は気が立ってるらしい。非常に。
文章がとにかく硬い。ギャグになってない。一晩置いてから見たら耐えられなくなって、書き直した。
余談4:水曜日 《Gift Horse》
カード名の「Gift Horse」をネタにした記事。
記事の原文は「Somewhat ironically, looking into its mouth would not actually help you realize the nature of this ”gift.”」とある。
そのまま訳すと「なんとも皮肉なことに、実のところこの馬の口の中を覗いても「贈り物」の真の価値を知る手助けにはならない」という感じ。いかにも何か元となる言い回し(ことわざ)がありそうな雰囲気。
というわけで調べたらやっぱりあった。
・Don’t look a gift horse in the mouth.
(贈り物の値段をチェックないこと)
なんでも馬は歯を見ればその年齢が分かるらしい。そのことから「馬を贈り物にもらったとき、その口の中を覗いて『なんだ年寄りの馬じゃないか』とか『まあまあ若い馬なんだな』とかチェックするのはマナーに反するのでやめましょう」みたいな意味らしい。
そんな英語特有の言い回しのネタなので「口の中をチェックする」と訳すのは無理だな、と速攻で諦めて「同じような意味に出来ないかな」という方向性で努力してみた……のが以下の結果。
原文:
Somewhat ironically, looking into its mouth would not actually help you realize the nature of this ”gift.”
Looking at literally any other part of it would probably help, though.
拙訳:
ギフトと銘打たれているにも関わらず、皮肉なことにこの贈り物自体のどこをどうひっくり返してもその値打ちは分からない。
別なものをひっくり返すことでようやく値打ちが確定するのだ。
ちょっと気に入ってる。
余談5:木曜日 なし
サンクスギビングのためお休み。
余談6:金曜日 なし
サンクスギビングのためお休み。
今週のCard of the Day (2017年11月 第3週) とか
2017年11月19日 週のまとめ コメント (2)余談1:今週のCard of the Dayのテーマ
ついに新たな銀枠セット「アンスタブル」の紹介が始まった(実際のアンスタブルのカードが紹介されてるのは火曜日から)。
そこかしこで言われてるけど、今回の銀枠は未来予知で没になったメカニズムが元になってるらしくて「これ、黒枠でもいけるのでは」というカードが多い。ちょっと残念……とか油断してるとまたえらいハッチャけたのが来るんだろうな。気をつけよっと。
余談2:月曜日 《蒸気打ちの親分/Steamflogger Boss》
先週もちょっと書いたように、この「からくり」は「本当に何一つ具体的なことを考えずに作った」というのが……うーん。銀枠なら分かるんだけど、個人的には無しかなあ……まあ、そういうネタを面白いと思う人もいるし、思わない人もいる、というだけの話ではある。
訳の話。
末尾の「Hope you’ve figured out what you’re building!」は、そのまま訳すと「君が何を組み立てようとしてるのか、理解してくれてるといいんだけど」という感じ。
この「figure out(理解する)」をどう訳そうかなあ、というのが一番迷ったところだった気がする。
余談3:火曜日 《Earl of Squirrel》
紹介されてる中のリスはこれくらいかな……今回の銀枠のリス推しは控えめなのかな。それとも他にもいっぱいあるのかな。ロード出してるんだから、これだけってことはないだろうけど。
訳の話。
最初は訳を間違えた。このカードの効果を「いかなる種族であってもリスだけに上書きする」のかと思ったら、あくまで追加するだけと気づいて直した。
ところでこの日の記事って、1行目は普通にカード紹介しているのに2行目からいきなり「目の前に色んなトークンを使ってる対戦相手がいるシチュエーション」になってる。上記の引用は改行してるけど、実際の記事は改行無しなのでさらに唐突感がある。
あとから気づいたけど、これ「アンスタブルでは色んなトークンカードが出るよ!」という紹介的な意味もあったのかなあ、と。
イゼ速。:『Unstable』収録の特殊トークンカード公開
http://www.izzetmtgnews.com/archives/54158
余談4:水曜日 《Spike, Tournament Grinder》
Timmy(ティミー)/Johnny(ジョニー)/Spike(スパイク) のカードゲーマー分類ってどれくらいメジャーなのか分からなかったので、注釈として説明しておいた。一時期知られて、あまり話題に上らなくなって忘れられてる、というイメージ。
ちなみに注釈にも書いたように3つともカード化されてる。
ティミー:Timmy, Power Gamer
https://magiccards.info/ug/en/68.html
ジョニー:Johnny, Combo Player
https://magiccards.info/uh/en/35.html
スパイク:Spike, Tournament Grinder
http://www.izzetmtgnews.com/wp-content/uploads/2017/11/AK_3.png
ついに3人そろったのはさておき訳の話。
冒頭の「Oh,」に引きずられる形で仰々しい文章になってしまい、そのまま押し通して、ラストでオチ。まあそれはいいとして(いいのか)、難しかったのは「wouldn’t be above pulling a trick like this」。
「would be above A」で「Aより上である、Aではない、Aをするようなことはない」という意味になるらしい。そこに「would not be above A」になってるので「Aをする人に違いない」という意味に……なる?
えーと、まず肯定文で作ってみた。
原文:
He is above pulling trick like this
日本語:
彼はこのようなズルをする人ではない
否定文にしてみる。
原文:
He would not be above pulling trick like this
日本語:
彼はこのようなズルをする人に違いない。
肯定文が「~ない」だから分かりづらいんだ。そういうことか(今更)
余談5:木曜日 《Mary O’Kill》
このカード名が気になってる。なんかよく知られた単語やモンスター名のもじりなんじゃないかな、と思いつつも突き止められない。ジャック・オー・ランタンは関係ないよなあ……まあいいや。カード名はさておき記事の訳の話(実際の原文は改行なし)。
迷ったのは2ヵ所。片方は「but a little boring」、もう片方が「Murderous robots」
前者で気になったのが「Boring」。いや、ほら「忍術」という単語を「つまらない、退屈、イマイチ」と表現することに抵抗があった。
後者は、そのまま訳すと「殺人ロボット」になるし実際にそう訳したんだけど、日本語カードテキスト内に「殺人ボット」ってあるのに、あえて「殺人ロボット」という言葉にするのかどうか(誤訳と思われそう)。
でも記事の英語は「Murderous robot」で、元のカードテキストは「Killbot」だから、むしろ違ってしかるべきなんだよね。
余談6:金曜日 《Adorable | Kitten》
銀枠なので公式日本語訳はないんだけどあえて訳すと「可愛い子猫」。ちなみにこの「可愛い子猫」と相打ちを取るには「幼女」が2人必要となる。
ちなみの上記の (白/2) というのは、通常の白いマナシンボルを2つに割ったもの。
カード画像:Little Girl
https://magiccards.info/uh/en/16.html
4人がかりならクマも倒せるのはさておき訳の話(実際の原文は改行なし)。
そのまま訳したけど、これだけだとネタにならないよなあ。多分だけど「ただの子猫のままだよ(合体するまではね!)」というメカニズム的なネタなのかなあ、と思ったので「ペットにふさわしいよね。安全(大人しい)ままだよね」というのを若干強調気味にしてみた。
余談7:宣伝
別シリーズをコツコツ続けてるので宣伝しとく。
カクヨム:ことのは万華鏡
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884341690
ついに新たな銀枠セット「アンスタブル」の紹介が始まった(実際のアンスタブルのカードが紹介されてるのは火曜日から)。
そこかしこで言われてるけど、今回の銀枠は未来予知で没になったメカニズムが元になってるらしくて「これ、黒枠でもいけるのでは」というカードが多い。ちょっと残念……とか油断してるとまたえらいハッチャけたのが来るんだろうな。気をつけよっと。
余談2:月曜日 《蒸気打ちの親分/Steamflogger Boss》
先週もちょっと書いたように、この「からくり」は「本当に何一つ具体的なことを考えずに作った」というのが……うーん。銀枠なら分かるんだけど、個人的には無しかなあ……まあ、そういうネタを面白いと思う人もいるし、思わない人もいる、というだけの話ではある。
訳の話。
原文:
Future Sight came out in May of 2007, which means that this poor lonely Goblin has been the boss of exactly no one for more than ten years. Well, buddy, your time has come. Hope you’ve figured out what you’re building!
拙訳:
未来予知の発売は2007年の5月のことだ。つまりこのゴブリンは誰一人として手下を持たない親分として孤独に10年もの月日を過ごしてきたわけだ。だけど、安心してくれ親分、ついに君の時代が来たんだ。何を組み立てるべきか、忘れちゃいないよな?
末尾の「Hope you’ve figured out what you’re building!」は、そのまま訳すと「君が何を組み立てようとしてるのか、理解してくれてるといいんだけど」という感じ。
この「figure out(理解する)」をどう訳そうかなあ、というのが一番迷ったところだった気がする。
余談3:火曜日 《Earl of Squirrel》
紹介されてる中のリスはこれくらいかな……今回の銀枠のリス推しは控えめなのかな。それとも他にもいっぱいあるのかな。ロード出してるんだから、これだけってことはないだろうけど。
訳の話。
原文:
Un-set denizen or no, this is legitimately one of the most powerful tribal lords ever printed.
Oh, you think that’s just a Vampire token? A Pentavite? A Cat Dragon?
No. All are Squirrels now.
拙訳:
銀枠ファンのみんなもそうじゃないみんなも認めざるを得ないんじゃないかな? このカードが歴代ロードの中でも最強クラスの1枚だってことをね。
……え、それをただの吸血鬼トークンだと思ってるのかい? そっちはただのペンタバイトトークン? おやおや、猫・ドラゴントークン?
いやいや、それも全部リスだからね!
最初は訳を間違えた。このカードの効果を「いかなる種族であってもリスだけに上書きする」のかと思ったら、あくまで追加するだけと気づいて直した。
ところでこの日の記事って、1行目は普通にカード紹介しているのに2行目からいきなり「目の前に色んなトークンを使ってる対戦相手がいるシチュエーション」になってる。上記の引用は改行してるけど、実際の記事は改行無しなのでさらに唐突感がある。
あとから気づいたけど、これ「アンスタブルでは色んなトークンカードが出るよ!」という紹介的な意味もあったのかなあ、と。
イゼ速。:『Unstable』収録の特殊トークンカード公開
http://www.izzetmtgnews.com/archives/54158
余談4:水曜日 《Spike, Tournament Grinder》
Timmy(ティミー)/Johnny(ジョニー)/Spike(スパイク) のカードゲーマー分類ってどれくらいメジャーなのか分からなかったので、注釈として説明しておいた。一時期知られて、あまり話題に上らなくなって忘れられてる、というイメージ。
ちなみに注釈にも書いたように3つともカード化されてる。
ティミー:Timmy, Power Gamer
https://magiccards.info/ug/en/68.html
ジョニー:Johnny, Combo Player
https://magiccards.info/uh/en/35.html
スパイク:Spike, Tournament Grinder
http://www.izzetmtgnews.com/wp-content/uploads/2017/11/AK_3.png
ついに3人そろったのはさておき訳の話。
原文:
Oh, Spikes.
Every playgroup has one, and they probably wouldn’t be above pulling a trick like this.
Can you even imagine the horror of someone paying the cost, rooting around in their bag, and gleefully revealing . . . Shahrazad?!
拙訳:
ああ、汝、スパイク。
いかなるゲームサークルにも存在し、このカードのような反則まがいの所業など児戯に等しいと笑う者よ。
君にはその恐ろしさを想像できるだろうか。このカードを戦場に出した対戦相手がコストを支払い、手元の鞄の中をまさぐり、笑みと共に取り出したるは……って、《Shahrazad》かよ!?
冒頭の「Oh,」に引きずられる形で仰々しい文章になってしまい、そのまま押し通して、ラストでオチ。まあそれはいいとして(いいのか)、難しかったのは「wouldn’t be above pulling a trick like this」。
「would be above A」で「Aより上である、Aではない、Aをするようなことはない」という意味になるらしい。そこに「would not be above A」になってるので「Aをする人に違いない」という意味に……なる?
えーと、まず肯定文で作ってみた。
原文:
He is above pulling trick like this
日本語:
彼はこのようなズルをする人ではない
否定文にしてみる。
原文:
He would not be above pulling trick like this
日本語:
彼はこのようなズルをする人に違いない。
肯定文が「~ない」だから分かりづらいんだ。そういうことか(今更)
余談5:木曜日 《Mary O’Kill》
このカード名が気になってる。なんかよく知られた単語やモンスター名のもじりなんじゃないかな、と思いつつも突き止められない。ジャック・オー・ランタンは関係ないよなあ……まあいいや。カード名はさておき記事の訳の話(実際の原文は改行なし)。
原文:
Ninjutsu was a fine ability, but a little boring.
You know what it needed to really spice it up?
Murderous robots!
Murderous robots make everything more interesting.
拙訳:
忍術って覚えてるかい? 悪くはないけど、あれ、もうちょっと面白くできたよね。
え? 本当に面白くするにはどうすれば良かったか、って?
殺人ロボットだよ!
殺人ロボットを出して面白くならないわけないだろ?
迷ったのは2ヵ所。片方は「but a little boring」、もう片方が「Murderous robots」
前者で気になったのが「Boring」。いや、ほら「忍術」という単語を「つまらない、退屈、イマイチ」と表現することに抵抗があった。
後者は、そのまま訳すと「殺人ロボット」になるし実際にそう訳したんだけど、日本語カードテキスト内に「殺人ボット」ってあるのに、あえて「殺人ロボット」という言葉にするのかどうか(誤訳と思われそう)。
でも記事の英語は「Murderous robot」で、元のカードテキストは「Killbot」だから、むしろ違ってしかるべきなんだよね。
余談6:金曜日 《Adorable | Kitten》
銀枠なので公式日本語訳はないんだけどあえて訳すと「可愛い子猫」。ちなみにこの「可愛い子猫」と相打ちを取るには「幼女」が2人必要となる。
Little Girl (白/2)
クリーチャー - 人間(Human) 子供(Child)
(1/2)/(1/2)
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Little+Girl/
ちなみの上記の (白/2) というのは、通常の白いマナシンボルを2つに割ったもの。
カード画像:Little Girl
https://magiccards.info/uh/en/16.html
4人がかりならクマも倒せるのはさておき訳の話(実際の原文は改行なし)。
原文:
This is the most normal creature in the world.
It’s simply an Adorable Kitten, exploring and frolicking like Kittens do.
And it will probably stay that way forever.
Just a Kitten.
Safe to keep as a pet.
拙訳:
これは世界で最も平凡な動物だろう。
何しろただの可愛い子猫だ。あちこちを嗅ぎまわり、目についたものと戯れる。まるで子猫のようにね。
おそらくずっと変わらないままだ。
そう、子猫であり続けるだろう。
ペットにふさわしい大人しさで。
そのまま訳したけど、これだけだとネタにならないよなあ。多分だけど「ただの子猫のままだよ(合体するまではね!)」というメカニズム的なネタなのかなあ、と思ったので「ペットにふさわしいよね。安全(大人しい)ままだよね」というのを若干強調気味にしてみた。
余談7:宣伝
別シリーズをコツコツ続けてるので宣伝しとく。
カクヨム:ことのは万華鏡
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884341690
今週のCard of the Day (2017年11月 第2週) とか
2017年11月12日 週のまとめ余談1:今週のCard of the Dayのテーマ
どうやら次の銀枠シリーズ、アンスタブル(Unstable)が12月に出るらしい。それを意識してか Card of the Day も銀枠カードの紹介を始めている。多分、来週も銀枠カードだろうな。銀枠カードはダジャレやアメリカ文化に根差したフレイバーが多いので、銀枠カードを取り上げる Card of the Day も面白くなりそう。
余談2:月曜日 《Frazzled Editor》
このカードが Card of the Day に取り上げられるのは7年ぶり2度目。前回は2010年の11月05日で、今回が2017年の11月06日なので、本当にちょうど7年ぶりだ。ちなみにその日の Card of the Day がこのブログの最初の記事でもある。
Card of the Day - 2010/11/05
http://regiant.diarynote.jp/201012040801498960/
というわけで当ブログも7周年。それはさておき、とても難しかった訳の話。
原文のネタは理解したんだけど「this actual image of an R&D editor」をそのまま訳そうとすると「実際の開発部のメンバーのイメージ」となってしまってあまりに冗長になる、とか、「the pen was a little overworked」を「ペンが働き過ぎた」では意味が伝わらない気がするとか……
ああ、そうそう、冒頭の「The pen is mightier」というのが「The pen is mightier than the sword(ペンは剣よりも強し)」という格言が元になってるんだけど、その元の格言が知られているのを前提として訳していいのか、補足したほうがいいのか、とかもある。
さらに「,(コンマ)」が複数回使われていることで文章が前後したり、日英の文の構成に違いがあるのでさらにその前後が逆になったり。
一言でいうと「難しかった」となる。
余談3:火曜日 《森/Forest》
アングル―ドやアンヒンジドの「カードサイズを目いっぱい使ったフルアートの土地」は素晴らしいし、ついでに語るならポータルの「テキスト欄がマナシンボルのみ」の大胆デザインも素晴らしい。
アングル―ドの土地:《森/Forest》
https://magiccards.info/ug/en/88.html
アンヒンジドの土地:《森/Forest》
https://magiccards.info/uh/en/140.html
ポータルの土地:《森/Forest》
https://magiccards.info/po/en/203.html
個人的なうがった見方だけど、これら「商業的な成功がかなり怪しいセット群」に、公式大会ガチプレイヤーたちにも訴求力のある土地というカードに皆が欲しくなるデザインを持ってきたのはやっぱり……
まあいいや。
余談4:水曜日 《Richard Garfield, Ph.D.》
メンタルマジックって聞いたことあるけど遊んだことはないんだよね。学生時代に先輩方がやってるのを見たことはある。ただ、デッキ構築でもプレイングでもない完全に盤外の知識で勝負が決まる、というのが腑に落ちなくて参加はしなかった(単にその頃はまだ遊び始めた頃だったので古いカードに関して先輩方に知識がまったく追いつかなかったから、というのもあるけど)。
訳の話。
原文では「Transmute」という単語が《Transmute Artifact》のカードデータにリンクされていたけど「それだったら《Transmute Artifact》と書かなかった理由が分からない」「デメリットであるアーティファクトの生け贄を差っ引いてもアーティファクトしか対象に取れないという点で全く異なる」という2つの理由から「これ、もしかして変成(Transmute)を指しているのでは?」と思ってそう訳した。
ただあらためて考えると「対象がアーティファクトのみというのもデメリットととらえれば意味が通る」のと「実質的にマナに差額がないという点では同一」と考えると《Transmute Artifact》でいいのかな、と思わないでもない(その場合、リンクする単語が Transmute のみなのに深い意味はない、ということ)。
うーん。
とりあえず Transmute の一語だった「原文を尊重」の現状維持で。
余談5:木曜日 《Farewell to Arms》
こういうカード名を見るとホントに銀枠シリーズは多言語版を出せないな、と思う。蛇足ながら付け加えておくと、英語で「Arm」は「銃器、兵器、武装」という意味がある(例えばPSソフトの「ワイルドアームズ」シリーズの「アーム」も腕ではなくて作中の兵器を指している)。
ホントに訳はこれでいいのかな。いや、翻訳という意味ではおそらく間違ってないとは思う。ただ正直なところ、どこがネタなのか(笑いどころなのか)自分でも理解してない。
付けられた相手が「手を失っても構わないが手札は捨てたくない!」と動きやすいように自分の手を切り落として(その上にカードを乗せたまま)プレイを続けたのかもしれないね、ということを示唆してるのかなあ……腕を後ろに回したままなのと片手を切り落としたあとと、どっちもプレイの難易度は変わらないと思うんだけど(って考えが無粋なだけなのかもしれない)
もしくは(拙訳ではあえて括弧から除いたけど)「対戦相手の」の部分がポイントだったのかな。自分につけることができると簡単に手札を全部捨てることができるようになる……いや、それだと「horrifying scenario」の意味が通らない。
まあ、訳としては多分あってるはず。次いこう、次。
余談6:金曜日 《Toy Boat》
ただの「無色 3マナ 3/3」というスタッツ(= 能力値)は強すぎるとみなされた時代らしく、デメリット持ち。今だったら 4/4 くらいのスタッツはもらえるのかな。
ところでこれ、非公式ながら日本語があるんだけど「早口で言いづらい」というネタだとさすがに原語の「トーイボート」のほうがいいかなあ、と思ったので訳でもそうした。
語頭と語尾の両方に「T音」が入るせいかな。確かに若干難しい気がする。ついでというかなんというかだけど、累加アップキープの注釈文の日英比較も載せておく。
余談7:終わりなき銀枠物語 その1
公式サイトで Unstable に先駆けて銀枠に関する記事が11月07日にアップされてた
終わりなき銀枠物語 その1|マジック:ザ・ギャザリング
http://mtg-jp.com/reading/translated/mm/0019954/
色々と興味深かった部分を引用&紹介してみる。
あ、やっぱり売り上げ的には失敗だったのね。そうじゃないかなあ、とは思ってたし、そういう噂は流れまくってたけど。
そ う だ っ た の ! ? いや、コアなマジックファンには常識だったのかもしれないけど、正直なところ全然知らなかった。そっか。なんとなくでも「こういう能力になるかも」的なアイデアすら一切なかったのか……へー。
さらに「私は黒枠セットでからくりを扱おうとしたが、「からくり」と呼ぶにふさわしいものはできなかった(中略)黒枠のルールによる制限がなければ、この問題を解決できるかもしれない」とある。
そっかぁ……うん、そっかぁ (´・ω・`)
余談8:宣伝
別シリーズをコツコツ続けてるので宣伝しとく。
カクヨム:ことのは万華鏡
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884341690
どうやら次の銀枠シリーズ、アンスタブル(Unstable)が12月に出るらしい。それを意識してか Card of the Day も銀枠カードの紹介を始めている。多分、来週も銀枠カードだろうな。銀枠カードはダジャレやアメリカ文化に根差したフレイバーが多いので、銀枠カードを取り上げる Card of the Day も面白くなりそう。
余談2:月曜日 《Frazzled Editor》
このカードが Card of the Day に取り上げられるのは7年ぶり2度目。前回は2010年の11月05日で、今回が2017年の11月06日なので、本当にちょうど7年ぶりだ。ちなみにその日の Card of the Day がこのブログの最初の記事でもある。
Card of the Day - 2010/11/05
http://regiant.diarynote.jp/201012040801498960/
というわけで当ブログも7周年。それはさておき、とても難しかった訳の話。
原文:
The pen is mightier, but this actual image of an R&D editor was captured at a moment when the pen was a little overworked.
All R&D members have since been issued swords, just in case.
拙訳:
ペンの方が強し。そう言うね。でもここで描かれているのは実際の場面さ。開発部の編集者はペンで戦うことに疲れ果ててしまっていたんだ。
このとき以来、開発部のメンバーはインクをさす代わりに剣をさすようになった。いつか必要になるかもしれないからね。
原文のネタは理解したんだけど「this actual image of an R&D editor」をそのまま訳そうとすると「実際の開発部のメンバーのイメージ」となってしまってあまりに冗長になる、とか、「the pen was a little overworked」を「ペンが働き過ぎた」では意味が伝わらない気がするとか……
ああ、そうそう、冒頭の「The pen is mightier」というのが「The pen is mightier than the sword(ペンは剣よりも強し)」という格言が元になってるんだけど、その元の格言が知られているのを前提として訳していいのか、補足したほうがいいのか、とかもある。
さらに「,(コンマ)」が複数回使われていることで文章が前後したり、日英の文の構成に違いがあるのでさらにその前後が逆になったり。
一言でいうと「難しかった」となる。
余談3:火曜日 《森/Forest》
アングル―ドやアンヒンジドの「カードサイズを目いっぱい使ったフルアートの土地」は素晴らしいし、ついでに語るならポータルの「テキスト欄がマナシンボルのみ」の大胆デザインも素晴らしい。
アングル―ドの土地:《森/Forest》
https://magiccards.info/ug/en/88.html
アンヒンジドの土地:《森/Forest》
https://magiccards.info/uh/en/140.html
ポータルの土地:《森/Forest》
https://magiccards.info/po/en/203.html
個人的なうがった見方だけど、これら「商業的な成功がかなり怪しいセット群」に、公式大会ガチプレイヤーたちにも訴求力のある土地というカードに皆が欲しくなるデザインを持ってきたのはやっぱり……
まあいいや。
余談4:水曜日 《Richard Garfield, Ph.D.》
メンタルマジックって聞いたことあるけど遊んだことはないんだよね。学生時代に先輩方がやってるのを見たことはある。ただ、デッキ構築でもプレイングでもない完全に盤外の知識で勝負が決まる、というのが腑に落ちなくて参加はしなかった(単にその頃はまだ遊び始めた頃だったので古いカードに関して先輩方に知識がまったく追いつかなかったから、というのもあるけど)。
訳の話。
原文:
Why did this have to be in an Un-set, anyway? That ability might seem overpowered, but come on, it’s really just Transmute without the downside of having to put all those cards in your actual deck.
拙訳:
いや、考えてみたらこれ銀枠である必要なくないか? 能力はぶっ壊れに見えるかもしれないけど、ちょっと待ってくれ、要は単なる変成(Transmute)じゃないか。マナを再度払う必要がないってのと君のデッキにあらゆる想定されるカードをあらかじめぶち込んでおく必要がない、ってメリットは確かにあるけどさ。
原文では「Transmute」という単語が《Transmute Artifact》のカードデータにリンクされていたけど「それだったら《Transmute Artifact》と書かなかった理由が分からない」「デメリットであるアーティファクトの生け贄を差っ引いてもアーティファクトしか対象に取れないという点で全く異なる」という2つの理由から「これ、もしかして変成(Transmute)を指しているのでは?」と思ってそう訳した。
ただあらためて考えると「対象がアーティファクトのみというのもデメリットととらえれば意味が通る」のと「実質的にマナに差額がないという点では同一」と考えると《Transmute Artifact》でいいのかな、と思わないでもない(その場合、リンクする単語が Transmute のみなのに深い意味はない、ということ)。
うーん。
とりあえず Transmute の一語だった「原文を尊重」の現状維持で。
余談5:木曜日 《Farewell to Arms》
こういうカード名を見るとホントに銀枠シリーズは多言語版を出せないな、と思う。蛇足ながら付け加えておくと、英語で「Arm」は「銃器、兵器、武装」という意味がある(例えばPSソフトの「ワイルドアームズ」シリーズの「アーム」も腕ではなくて作中の兵器を指している)。
原文:
The simple fact that this specifically requires you to choose ”a hand attached to an opponent’s arm” really makes you wonder what horrifying scenarios came up in playtesting, doesn’t it?
拙訳:
対象にとれるのが対戦相手1人の「腕についている」手のみである、とわざわざ明記されているのは、つまりテストプレイ時に何か恐ろしいことを試みたプレイヤーがいた、ということを示唆しているのではないだろうか……。
ホントに訳はこれでいいのかな。いや、翻訳という意味ではおそらく間違ってないとは思う。ただ正直なところ、どこがネタなのか(笑いどころなのか)自分でも理解してない。
付けられた相手が「手を失っても構わないが手札は捨てたくない!」と動きやすいように自分の手を切り落として(その上にカードを乗せたまま)プレイを続けたのかもしれないね、ということを示唆してるのかなあ……腕を後ろに回したままなのと片手を切り落としたあとと、どっちもプレイの難易度は変わらないと思うんだけど(って考えが無粋なだけなのかもしれない)
もしくは(拙訳ではあえて括弧から除いたけど)「対戦相手の」の部分がポイントだったのかな。自分につけることができると簡単に手札を全部捨てることができるようになる……いや、それだと「horrifying scenario」の意味が通らない。
まあ、訳としては多分あってるはず。次いこう、次。
余談6:金曜日 《Toy Boat》
ただの「無色 3マナ 3/3」というスタッツ(= 能力値)は強すぎるとみなされた時代らしく、デメリット持ち。今だったら 4/4 くらいのスタッツはもらえるのかな。
ところでこれ、非公式ながら日本語があるんだけど「早口で言いづらい」というネタだとさすがに原語の「トーイボート」のほうがいいかなあ、と思ったので訳でもそうした。
原文:
Have you ever tried to say ”toy boat” quickly even three times? (Please try right now.) This legitimately might be the toughest cumulative upkeep cost ever printed.
拙訳:
早口に何度も「トーイボート」って言ったことある? 3回でも結構キツいよ(ちょっと今ためしてみて)。もしかしたら歴代の累加アップキープの中で一番厳しい条件かもしれないね。
語頭と語尾の両方に「T音」が入るせいかな。確かに若干難しい気がする。ついでというかなんというかだけど、累加アップキープの注釈文の日英比較も載せておく。
原文:
At the beginning of your upkeep, put an age counter on Toy Boat, then sacrifice it unless you say "Toy Boat" once for each age counter on it --- without pausing between or fumbling it.
非公式訳:
あなたのアップキープの開始時に、Toy Boatの上に経年(age)カウンターを1個置き、その後あなたが失敗せずに経年カウンターと同じ回数だけ間をおかずに「おもちゃの船」と言えないかぎり、それを生け贄に捧げる。
余談7:終わりなき銀枠物語 その1
公式サイトで Unstable に先駆けて銀枠に関する記事が11月07日にアップされてた
終わりなき銀枠物語 その1|マジック:ザ・ギャザリング
http://mtg-jp.com/reading/translated/mm/0019954/
色々と興味深かった部分を引用&紹介してみる。
6年後、『Unhinged』が発売された。これも同じような流れになった。発売直後は人気だったが、印刷した商品すべてを売り切ることはできず、最終的にはまた商品を破棄することになったのだ。社内では、これらのセットは失敗だった、二度と作ることはない、というのが共通の理解になっていた
あ、やっぱり売り上げ的には失敗だったのね。そうじゃないかなあ、とは思ってたし、そういう噂は流れまくってたけど。
それらのカードの中に、《蒸気打ちの親分》があった。これはデザイン・チームが冗談として作ったものだ。現時点でマジックに存在しないものを、でっち上げの用語で参照していた。我々は、これがユーモラスだと考えただけで、継続する計画はなかった。しかし、アーロン・フォーサイス/Aaron Forsytheが戦略的な大失敗を犯したのだ。記事の中で(当時アーロンはデベロップの記事を書いていた)、アーロンはそれがただの冗談であり、「からくりを組み立てる」ことは全く計画していないと認めてしまったのだ
そ う だ っ た の ! ? いや、コアなマジックファンには常識だったのかもしれないけど、正直なところ全然知らなかった。そっか。なんとなくでも「こういう能力になるかも」的なアイデアすら一切なかったのか……へー。
さらに「私は黒枠セットでからくりを扱おうとしたが、「からくり」と呼ぶにふさわしいものはできなかった(中略)黒枠のルールによる制限がなければ、この問題を解決できるかもしれない」とある。
そっかぁ……うん、そっかぁ (´・ω・`)
余談8:宣伝
別シリーズをコツコツ続けてるので宣伝しとく。
カクヨム:ことのは万華鏡
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884341690
余談1:今週のCard of the Dayのテーマ
引き続きイクサランのカード。新セットの紹介だけでこんなに引っ張るのは初めてじゃなかろうか。全カードを紹介するまで続けるんだろうか。
余談2:月曜日 《アゾカンの射手/Atzocan Archer》
射手(Archer)がもつ「弓による有利」というフレイバーは最初の頃は「先制攻撃」で表されていた。それが「飛行する敵にも対処できる」というフレイバーを表すための到達(Reach)を持つようになったのはミラージュブロックの《長弓兵/Longbow Archer》から。
ちなみに《長弓兵》というカード名の読みは「ながゆみへい」らしい。へえ。出た当時はずっと「ちょうきゅうへい」って呼んでたし、それで通じないこともなかったけど間違ってたのか。
余談3:火曜日 《突進するモンストロサウルス/Charging Monstrosaur》
訳の話。
どれだけ前半を大げさに仰々しく真面目に訳せるか、そして後半との落差を出せるか。とりあえず前半はこれが全力なんだけど、ちょっと日本語としての読みづらさが生じている気がして反省。
余談4:水曜日 《剣呑な交渉/Sword-Point Diplomacy》
カードを3枚引いて、1枚ごとに対戦相手に「引いても良いか、追放するか」を選択してもらう呪文。追放されてしまった場合はかわりに対戦相手がライフを3点失う。
こういうカードってホント実際に使ってみないとなんとも言えないよな。「こうなるんじゃないかな」って想定と実際が食い違うことが多い。ちなみに今時点は「弱い」と思ってる。デッキの上3枚のうち、一番強いカードを追放されてしまう呪文、というイメージ。
訳の話。
なんだろうね、この「granted」は。
直訳すると「与える、授ける、賜る」という意味を持つこの言葉が、ここで意味するところは「このカードが君に与えてくれる情報から分かるとおり」だと思った。
というわけで拙訳では「ここで分かるように」とした。たぶんセーフ。たぶん。
余談5:木曜日 《結集する咆哮/Rallying Roar》
訳の話。
訳に関する話としては2つあって、ステップ2のカッコ内をどうするか、ステップ3の「Profit」をどう訳すか。まずは前者について。
4コマ漫画のように短くトントントンッと素早くオチまで持っていきたいタイプのネタと思っているので、長い括弧の注釈で足止めさせたくないなあ、と思った。あと出来れば改行したくないというのも含めて、いかに短く訳せるか、を目指した。
ステップ3の「Profit」は、利益を回収するということだから「成果を出す」とか「収穫を得る」とかのほうがより訳としては近いんだろうけど、まあシンプルに「勝った」ということでいいかな、と。
ラストはの「オチ」部分は……こんなもんかな。他に思いつかないというか。あえていえば、ステップ1~3では「クリーチャー」なのにラストだけ「恐竜」なのが気になって、どっちかに統一しようか迷ったくらいか(最終的には原文尊重)。
余談6:金曜日 《帆綱走り/Rigging Runner》
最近のカードでは珍しいくらい能力とフレイバーに関連性が見られない。イラストとフレイバーテキストから「甲板のマストをその鉤竿で自由自在に飛び回る海賊」ということは分かる。ただそれと「味方が攻撃を成功していると強化される」ことの関係が良く分からない。
まあ、そもそも全ての能力がフレイバーと関連づけて説明がつくなんてことはないわけで、それに「長い鉤竿による有利」が先制攻撃で表現されていることは忘れちゃいけない。
訳の話。
「だってフレイバーテキストにFancyって書いてあるからこのカードは常にFantasticなんだ」というネタだと解釈して、そう訳した。合ってるのかなあ……正直、訳してて自分でも「これ意味が通ってるんだろうか」と不安だ。
合ってると仮定して、訳の際に迷った点を書いてみると、やっぱり「still be objectively fantastic」と末尾に紹介されている部分的なフレイバーテキストをどう関連付けるか。
考えてみたら関連づけずにそのまま訳すという選択肢もあったんだな。
<別案>
仮にマナコストが10マナで能力値が0/1で全ての能力を失っていたとしても、
このカードは客観的に見て素晴らしいと言える。
フレイバーテキストに「帽子はオシャレな感じがする」って書いてあるからね。
……ないな。
余談7:修正
いまだによくツイッターなどで紹介されて読みに来てくれる人がいるシャッフルに関する以下の記事。
僕のシャッフルはデッキを十分に無作為化できてるんだろうか?
http://regiant.diarynote.jp/201201202104281778/
つい最近この記事を読んだ友人(数学専攻)から「誤訳があるぞ」と指摘をもらったので修正した。具体的には(ブログでは図1と図2として画像にした)数式に関する以下の箇所。
確かに2つ目の数式はそれ単体で意味を成すものではなくて、1つ目の数式を補完するものでしかなかった。数式を自力で読み解こうと思うような人間でなければ気づかないぞ、こんなミス。さすが数学専攻。
余談8:宣伝
別シリーズ始めたので宣伝しとく。
カクヨム:ことのは万華鏡
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884341690
引き続きイクサランのカード。新セットの紹介だけでこんなに引っ張るのは初めてじゃなかろうか。全カードを紹介するまで続けるんだろうか。
余談2:月曜日 《アゾカンの射手/Atzocan Archer》
射手(Archer)がもつ「弓による有利」というフレイバーは最初の頃は「先制攻撃」で表されていた。それが「飛行する敵にも対処できる」というフレイバーを表すための到達(Reach)を持つようになったのはミラージュブロックの《長弓兵/Longbow Archer》から。
ちなみに《長弓兵》というカード名の読みは「ながゆみへい」らしい。へえ。出た当時はずっと「ちょうきゅうへい」って呼んでたし、それで通じないこともなかったけど間違ってたのか。
余談3:火曜日 《突進するモンストロサウルス/Charging Monstrosaur》
訳の話。
原文:
Sometimes a card’s name is a lovely mystery, alluding to a fascinating storyline and making you wonder about the subtle narrative implications.
Then there are the other times.
拙訳:
ときに謎めいたカード名はなぜその名がついたのかという甘い問いかけをプレイヤーに投げかける。その短くわずかな手がかりから、一体どのような物語が裏に潜んでいるのかと読み解く者を魅了し楽しませる。
もちろんそうでないカード名もある。
どれだけ前半を大げさに仰々しく真面目に訳せるか、そして後半との落差を出せるか。とりあえず前半はこれが全力なんだけど、ちょっと日本語としての読みづらさが生じている気がして反省。
余談4:水曜日 《剣呑な交渉/Sword-Point Diplomacy》
カードを3枚引いて、1枚ごとに対戦相手に「引いても良いか、追放するか」を選択してもらう呪文。追放されてしまった場合はかわりに対戦相手がライフを3点失う。
こういうカードってホント実際に使ってみないとなんとも言えないよな。「こうなるんじゃないかな」って想定と実際が食い違うことが多い。ちなみに今時点は「弱い」と思ってる。デッキの上3枚のうち、一番強いカードを追放されてしまう呪文、というイメージ。
訳の話。
原文:
Now, granted, Pirates are pretty clearly not great at diplomacy. But come on-at least they’re trying!
拙訳:
ふむ、ここで分かるようにどうやら海賊は交渉が大の得意というわけではないようだね。でも責めないでやってくれよ。少なくとも努力はしてるんだから!
なんだろうね、この「granted」は。
直訳すると「与える、授ける、賜る」という意味を持つこの言葉が、ここで意味するところは「このカードが君に与えてくれる情報から分かるとおり」だと思った。
というわけで拙訳では「ここで分かるように」とした。たぶんセーフ。たぶん。
余談5:木曜日 《結集する咆哮/Rallying Roar》
訳の話。
原文:
Step one: exert all your creatures for powerful effects. Step two: roar at them (they find this very motivational). Step three: profit. Optional step four: pet your Dinosaur and thank it for helping.
拙訳:
・ステップ1:
強化呪文をかけた味方のクリーチャーを結集する
・ステップ2:
そのクリーチャーたちに咆哮してみる(やる気を起こさせる効果がある)
・ステップ3:
勝利する
・ステップ4(任意):
よくやったと恐竜たちを撫でたり褒めたりしてあげる
訳に関する話としては2つあって、ステップ2のカッコ内をどうするか、ステップ3の「Profit」をどう訳すか。まずは前者について。
4コマ漫画のように短くトントントンッと素早くオチまで持っていきたいタイプのネタと思っているので、長い括弧の注釈で足止めさせたくないなあ、と思った。あと出来れば改行したくないというのも含めて、いかに短く訳せるか、を目指した。
ステップ3の「Profit」は、利益を回収するということだから「成果を出す」とか「収穫を得る」とかのほうがより訳としては近いんだろうけど、まあシンプルに「勝った」ということでいいかな、と。
ラストはの「オチ」部分は……こんなもんかな。他に思いつかないというか。あえていえば、ステップ1~3では「クリーチャー」なのにラストだけ「恐竜」なのが気になって、どっちかに統一しようか迷ったくらいか(最終的には原文尊重)。
余談6:金曜日 《帆綱走り/Rigging Runner》
最近のカードでは珍しいくらい能力とフレイバーに関連性が見られない。イラストとフレイバーテキストから「甲板のマストをその鉤竿で自由自在に飛び回る海賊」ということは分かる。ただそれと「味方が攻撃を成功していると強化される」ことの関係が良く分からない。
まあ、そもそも全ての能力がフレイバーと関連づけて説明がつくなんてことはないわけで、それに「長い鉤竿による有利」が先制攻撃で表現されていることは忘れちゃいけない。
訳の話。
原文:
This card could cost ten mana and be a 0/1 with no abilities, and it would still be objectively fantastic because the flavor text contains the line “ . . . the hat makes him feel fancy.”
拙訳:
仮にマナコストが10マナ以上で能力値が0/1しかなくて、しかも全ての能力を失っていたとしても、このカードは客観的に見てオシャレと言える。だってフレイバーテキストに書いてあるからね。イラストの彼は帽子があるから「オシャレな感じがする」って。
「だってフレイバーテキストにFancyって書いてあるからこのカードは常にFantasticなんだ」というネタだと解釈して、そう訳した。合ってるのかなあ……正直、訳してて自分でも「これ意味が通ってるんだろうか」と不安だ。
合ってると仮定して、訳の際に迷った点を書いてみると、やっぱり「still be objectively fantastic」と末尾に紹介されている部分的なフレイバーテキストをどう関連付けるか。
考えてみたら関連づけずにそのまま訳すという選択肢もあったんだな。
<別案>
仮にマナコストが10マナで能力値が0/1で全ての能力を失っていたとしても、
このカードは客観的に見て素晴らしいと言える。
フレイバーテキストに「帽子はオシャレな感じがする」って書いてあるからね。
……ないな。
余談7:修正
いまだによくツイッターなどで紹介されて読みに来てくれる人がいるシャッフルに関する以下の記事。
僕のシャッフルはデッキを十分に無作為化できてるんだろうか?
http://regiant.diarynote.jp/201201202104281778/
つい最近この記事を読んだ友人(数学専攻)から「誤訳があるぞ」と指摘をもらったので修正した。具体的には(ブログでは図1と図2として画像にした)数式に関する以下の箇所。
原文:
Since we are taking cards from the deck without returning them, we use the notation
拙訳(修正前):
カードを引いたあとにそれをデッキに戻したりはしないので、この場合の公式は以下のようになる。
拙訳(修正後):
カードを引いたあとにそれをデッキに戻したりはしないので、この場合、上記の公式には以下の注釈を付け加える必要がある。
確かに2つ目の数式はそれ単体で意味を成すものではなくて、1つ目の数式を補完するものでしかなかった。数式を自力で読み解こうと思うような人間でなければ気づかないぞ、こんなミス。さすが数学専攻。
余談8:宣伝
別シリーズ始めたので宣伝しとく。
カクヨム:ことのは万華鏡
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884341690
今週のCard of the Day (2017年10月 第4週) とか
2017年10月29日 週のまとめ コメント (4)余談1:今週のCard of the Dayのテーマ
イクサランの新カードをフレイバー面から紹介。どちらかというとカード名とイラスト面を取り扱ったネタが多かったかな。こういうのも好き……あ、《大気の精霊/Air Elemental》は新カードじゃないや。再録だ。
余談2:月曜日 《焼熱の太陽の化身/Burning Sun’s Avatar》
訳の話と補足の話。
最後の一文を盛大に意訳したというのはさておくとして(いいのか?)、気になるのは原文であげている「《サイクロンの裂け目/Cyclonic Rift》つきのリバイアサン」とか「《稲妻のらせん/Lightning Helix》つきの神様」が何を指しているのか……
もっとも前者はほぼ調べがついている。おそらくは《ケデレクトのリバイアサン/Kederekt Leviathan》で間違いないと思う。問題はそのつぎの「《稲妻のらせん/Lightning Helix》つきの神様」。
ちなみに《稲妻のらせん/Lightning Helix》は「対象に3点。あなたは3点回復する」という赤白呪文。個々の効果は赤と白の代表的なものなのに、結果として黒の生命吸収っぽい効果になってるのが面白い。
まあ、フレイバーはさておきこの《稲妻のらせん/Lightning Helix》を内蔵した神様がマジック界にいるらしい。ホントか? 調べたけど結局分からなかった。悔しい。
余談3:火曜日 《大気の精霊/Air Elemental》
可愛いとか綺麗とか強そうとか、そういう理屈を完全に抜きして、もうホント完全に思い出補正でしかないんだけど、一番好きな《大気の精霊/Air Elemental》は第4版。
第4版:《大気の精霊/Air Elemental》
https://magiccards.info/4e/en/59.html
上記のイラストはアルファ版、ベータ版、リバイズド、第4版まで全て同じで、第5版から以下のイラストになっている。多分、歴代で一番美人だと思う。
第5版:《大気の精霊/Air Elemental》
https://magiccards.info/5e/en/71.html
ただこの美人さんなイラストは第5版限りでお役御免で、第6版でまた変わっている。歴代の中で一番「鳥っぽい」気がする。飛行という能力を伝える上では間違いない。
第6版:《大気の精霊/Air Elemental》
https://magiccards.info/6e/en/56.html
でもこの「鳥バージョン」もまた一代限りで、続く第7版と第8版は以下のイラスト。これは歴代の中で一番「食い殺されそう」な怖さはあるけど、あまり「大気っぽさ」はないかなあ……なんか「鬼」とか「怨霊」っぽい気がする。
第7版:《大気の精霊/Air Elemental》
https://magiccards.info/7e/en/58.html
第9版では以下のリンク先のイラストになった。うーん。なんというか……大気というより海の軟体生物っぽいというか、海からグヌヌッと盛り上がってるみたいに見える。ホントに飛んでるのかな。いや、よく見ると風の流れを感じられるんだけどね。
第9版:《大気の精霊/Air Elemental》
https://magiccards.info/9e/en/58.html
9版のイラストもまたまた一代限りで終わり、第10版からは以下のイラスト。間違いなく飛んでるし、空の雲っぽさもある……と同時に煙っぽくもある。ところでジョジョの奇妙な冒険にこういうスタンドいなかったっけ。
第10版:《大気の精霊/Air Elemental》
https://magiccards.info/10e/en/64.html
上記のイラストが基本セット2010まで使われたところで、ついに基本セットの皆勤賞から脱落。その後、デュエルデッキやらマジックオンラインのマスターズエディションといった特殊セットに(既存のイラストで)顔を出していたが、ついにイクサランで復活。
イクサラン:《大気の精霊/Air Elemental》
https://magiccards.info/xln/en/45.html
……めっちゃデカい気がする。本当に4/4なのか? 5/6くらいありそう。
余談4:水曜日 《卑怯な行為/Skulduggery》
カード名の日本語訳、英語だと1単語だから「卑怯」とか「卑劣」とか名詞1つじゃダメなのかな。あれ、そういえばすでにそういうカード名があったような気もするな……(ネット検索中)……やっぱりあった。《卑怯/Cowardice》だ。でもこれMTG Wikiでもツッコミ入ってるけど、効果は「臆病」だよね(呪文や効果の対象になるだけでクリーチャーが手札に戻るようになってしまうエンチャントなので)。
ちなみに「卑劣」はすでに「Wretched」という英単語に割り当てられているみたい。《卑劣なアヌーリッド/Wretched Anurid》とか《卑劣なる者/The Wretched》とか。
訳の話。
原文だと単にカード名を叫ぶだけなんだけど、そのまま訳すと「卑怯な行為!」って叫ぶことになっちゃう。日本語のセリフじゃないよなあ……ああ、でも能力バトルものだったら吹き出しに「卑怯な行為!」と書かれながらもルビで「《スクルダグリィ》!」とか……まあいいや。
そんなわけで「極力は原文に近づけながら」「ネタとして面白くなる方向で」「自然な日本語を」と訳してみた次第で、上記の拙訳が完成。
余談5:木曜日 《弱者成敗/Vanquish the Weak》
パワー3以下しか除去できない呪文って「強気にへつらい、弱気をくじく」という感じでいかにも黒っぽいな。相対する白が「パワー4以上を問答無用と除去できる」呪文である《復仇/Reprisal》を持っているというのはなかなか対比が利いてる。
ついつい原文にない表現を足しこんでしまった……単にカード名を並べるだけで本当に「弱者成敗って名前怪しいよねえ」が伝わるのかという……うーん。
もっとも原文は各カードにカーソルを合わせるだけで自動的に「イラストとカードデータ」が見える仕様になっており、カードの持つ雰囲気が伝わるようになっている。それに比べて、このブログはそういった機能がないので……ほら……それを補うためにね。仕方なくね(誰に言い訳している)
余談6:金曜日 《猛竜の相棒/Raptor Companion》
どうにも平均マナコストが重くなってしまいがちな恐竜デッキにこの2マナというサイズが「シナジーを生むための相棒(Companion)」としてちょうどいい、というのも名前の由来なのかな、と思ったり思わなかったり。そんな憶測の話はさておき訳の話。
ネタとして綺麗にオトすためにラストをシンプルに訳してしまったけど、やっぱりちゃんと gruesomely(陰惨に)を入れるべきだったかなあ、と今更ながら葛藤している。
あとは、なんだろ。「Constantly」を「いつも」としたのは意訳だよなあ、とか、「smiley face」を「笑顔に見える表情」は間違ってないしむしろ正しいけど日本語でホントにそんな言い方するのかな、とか……まあ最初に挙げた点に比べると小さい小さい。
イクサランの新カードをフレイバー面から紹介。どちらかというとカード名とイラスト面を取り扱ったネタが多かったかな。こういうのも好き……あ、《大気の精霊/Air Elemental》は新カードじゃないや。再録だ。
余談2:月曜日 《焼熱の太陽の化身/Burning Sun’s Avatar》
訳の話と補足の話。
原文:
Someone stapled an unconditional Searing Blaze onto a big angry Dinosaur?
What’s next, Cyclonic Rift on a Leviathan? Lightning Helix on a God?
Where will this madness end?
拙訳:
おいおい、怒り狂う馬鹿でかい恐竜におまけで無条件の《焼尽の猛火/Searing Blaze》をつけてくれたのは誰だ?
次はなんだい、《サイクロンの裂け目/Cyclonic Rift》つきのリバイアサンか? それとも《稲妻のらせん/Lightning Helix》つきの神様か?
まったく大盤振る舞い過ぎるぜ!
最後の一文を盛大に意訳したというのはさておくとして(いいのか?)、気になるのは原文であげている「《サイクロンの裂け目/Cyclonic Rift》つきのリバイアサン」とか「《稲妻のらせん/Lightning Helix》つきの神様」が何を指しているのか……
もっとも前者はほぼ調べがついている。おそらくは《ケデレクトのリバイアサン/Kederekt Leviathan》で間違いないと思う。問題はそのつぎの「《稲妻のらせん/Lightning Helix》つきの神様」。
ちなみに《稲妻のらせん/Lightning Helix》は「対象に3点。あなたは3点回復する」という赤白呪文。個々の効果は赤と白の代表的なものなのに、結果として黒の生命吸収っぽい効果になってるのが面白い。
まあ、フレイバーはさておきこの《稲妻のらせん/Lightning Helix》を内蔵した神様がマジック界にいるらしい。ホントか? 調べたけど結局分からなかった。悔しい。
余談3:火曜日 《大気の精霊/Air Elemental》
可愛いとか綺麗とか強そうとか、そういう理屈を完全に抜きして、もうホント完全に思い出補正でしかないんだけど、一番好きな《大気の精霊/Air Elemental》は第4版。
第4版:《大気の精霊/Air Elemental》
https://magiccards.info/4e/en/59.html
上記のイラストはアルファ版、ベータ版、リバイズド、第4版まで全て同じで、第5版から以下のイラストになっている。多分、歴代で一番美人だと思う。
第5版:《大気の精霊/Air Elemental》
https://magiccards.info/5e/en/71.html
ただこの美人さんなイラストは第5版限りでお役御免で、第6版でまた変わっている。歴代の中で一番「鳥っぽい」気がする。飛行という能力を伝える上では間違いない。
第6版:《大気の精霊/Air Elemental》
https://magiccards.info/6e/en/56.html
でもこの「鳥バージョン」もまた一代限りで、続く第7版と第8版は以下のイラスト。これは歴代の中で一番「食い殺されそう」な怖さはあるけど、あまり「大気っぽさ」はないかなあ……なんか「鬼」とか「怨霊」っぽい気がする。
第7版:《大気の精霊/Air Elemental》
https://magiccards.info/7e/en/58.html
第9版では以下のリンク先のイラストになった。うーん。なんというか……大気というより海の軟体生物っぽいというか、海からグヌヌッと盛り上がってるみたいに見える。ホントに飛んでるのかな。いや、よく見ると風の流れを感じられるんだけどね。
第9版:《大気の精霊/Air Elemental》
https://magiccards.info/9e/en/58.html
9版のイラストもまたまた一代限りで終わり、第10版からは以下のイラスト。間違いなく飛んでるし、空の雲っぽさもある……と同時に煙っぽくもある。ところでジョジョの奇妙な冒険にこういうスタンドいなかったっけ。
第10版:《大気の精霊/Air Elemental》
https://magiccards.info/10e/en/64.html
上記のイラストが基本セット2010まで使われたところで、ついに基本セットの皆勤賞から脱落。その後、デュエルデッキやらマジックオンラインのマスターズエディションといった特殊セットに(既存のイラストで)顔を出していたが、ついにイクサランで復活。
イクサラン:《大気の精霊/Air Elemental》
https://magiccards.info/xln/en/45.html
……めっちゃデカい気がする。本当に4/4なのか? 5/6くらいありそう。
余談4:水曜日 《卑怯な行為/Skulduggery》
カード名の日本語訳、英語だと1単語だから「卑怯」とか「卑劣」とか名詞1つじゃダメなのかな。あれ、そういえばすでにそういうカード名があったような気もするな……(ネット検索中)……やっぱりあった。《卑怯/Cowardice》だ。でもこれMTG Wikiでもツッコミ入ってるけど、効果は「臆病」だよね(呪文や効果の対象になるだけでクリーチャーが手札に戻るようになってしまうエンチャントなので)。
ちなみに「卑劣」はすでに「Wretched」という英単語に割り当てられているみたい。《卑劣なアヌーリッド/Wretched Anurid》とか《卑劣なる者/The Wretched》とか。
訳の話。
原文:
It helps that this is a great one-mana trick that can swing a thorny combat in your favor, but honestly, we’d play it no matter what for the chance to yell “SKULDUGGERY!” in our best Pirate voice.
拙訳:
きわどい戦闘をものに出来る1マナのコンバットトリック、というだけでも十分に使う理由にはなるんだけど、そんなことよりも海賊っぽく「卑怯ぅ? 最高の褒め言葉だな!」って叫ぶために使うってのが一番の理由だよね。
原文だと単にカード名を叫ぶだけなんだけど、そのまま訳すと「卑怯な行為!」って叫ぶことになっちゃう。日本語のセリフじゃないよなあ……ああ、でも能力バトルものだったら吹き出しに「卑怯な行為!」と書かれながらもルビで「《スクルダグリィ》!」とか……まあいいや。
そんなわけで「極力は原文に近づけながら」「ネタとして面白くなる方向で」「自然な日本語を」と訳してみた次第で、上記の拙訳が完成。
余談5:木曜日 《弱者成敗/Vanquish the Weak》
パワー3以下しか除去できない呪文って「強気にへつらい、弱気をくじく」という感じでいかにも黒っぽいな。相対する白が「パワー4以上を問答無用と除去できる」呪文である《復仇/Reprisal》を持っているというのはなかなか対比が利いてる。
原文:
Given that this card can vanquish, among others, Admiral Beckett Brass, Goring Ceratops, and Sanctum Seeker, the ”Weak” part of the name is beginning to feel . . . inaccurate.
拙訳:
この呪文で成敗できるのは……えーと、全ての海賊を統率する《鉄面提督ベケット/Admiral Beckett Brass》、全ての恐竜を奮い立たせる《突き刺すケラトプス/Goring Ceratops》、全ての吸血鬼を束ねる《聖域探究者/Sanctum Seeker》……って、ねえ、これホントに「弱者」成敗なの? なーんか怪しいよね。
ついつい原文にない表現を足しこんでしまった……単にカード名を並べるだけで本当に「弱者成敗って名前怪しいよねえ」が伝わるのかという……うーん。
もっとも原文は各カードにカーソルを合わせるだけで自動的に「イラストとカードデータ」が見える仕様になっており、カードの持つ雰囲気が伝わるようになっている。それに比べて、このブログはそういった機能がないので……ほら……それを補うためにね。仕方なくね(誰に言い訳している)
余談6:金曜日 《猛竜の相棒/Raptor Companion》
どうにも平均マナコストが重くなってしまいがちな恐竜デッキにこの2マナというサイズが「シナジーを生むための相棒(Companion)」としてちょうどいい、というのも名前の由来なのかな、と思ったり思わなかったり。そんな憶測の話はさておき訳の話。
原文:
Reasons raptors are the best pets:
(1) Constantly dancing.
(2) Adorable smiley faces.
(3) You can use their feathers for both fashion and fletching.
(4) Will gruesomely murder your enemies.
拙訳:
猛竜がペットにふさわしい理由
(1) いつも踊ってるので見てて楽しい
(2) 笑顔にみえる表情が可愛い
(3) 羽根を服の飾りや矢羽に使える
(4) 嫌いな相手をすみやかに殺してくれる
ネタとして綺麗にオトすためにラストをシンプルに訳してしまったけど、やっぱりちゃんと gruesomely(陰惨に)を入れるべきだったかなあ、と今更ながら葛藤している。
あとは、なんだろ。「Constantly」を「いつも」としたのは意訳だよなあ、とか、「smiley face」を「笑顔に見える表情」は間違ってないしむしろ正しいけど日本語でホントにそんな言い方するのかな、とか……まあ最初に挙げた点に比べると小さい小さい。
今週のCard of the Day (2017年10月 第3週) とか
2017年10月22日 週のまとめ余談1:今週のCard of the Dayのテーマ
イクサランの新カードをフレイバー面から紹介。どちらかというとルールテキスト面を取り扱ったネタが多かったかな。こういうの好き。
余談2:月曜日 《秘儀での順応/Arcane Adaptation》
訳の話。
意外と難しかったのが冒頭の「This truly is a magical world.」だった。「Magical world」に当たる日本語がない気がする。なんだろ。「ファンタジー世界」かな。原文準拠で「魔法」という単語入れたかったからやめたけど。
あとオチがよく分からない。なんで「Turtle」で落としたんだろ。不思議。
余談3:火曜日 《再誕の司教/Bishop of Rebirth》
訳の話。
最初に読み始めたときは、出だしの訳は「太陽のタイタン! 太陽のタイタンじゃないか!」になるかなあ、と思ったけど、ちょっと読み進めたら違うことが分かった。
あとよく英語には「姉、兄」と「妹、弟」を区別する単語がなくてうんぬんって話があるけど「姉弟」を指す言葉はあるんだよね。あまり使わないけど。
上記の訳に関する余談としては……ああ、そうそう「we had a good run」という表現は、調べてもなんか上手く意味を見つけられなかったけど、なんとなくこういう意味だろうなあというのが伝わってきた。
余談4:水曜日 《小綺麗なスクーナー船/Sleek Schooner》
なんか昔、「クリーチャーとして船(Ship)というのはなんかおかしいから今後もう船(Ship)は出さないよ」という時期があった気がする。
アーティファクトの機体(Vehicle)という概念が生まれたことでまたフレイバーの幅が広がったんだな、とあらためて思った。いや、まあクリーチャー化した機体(Vehicle)を《生命吸収/Drain Life》できるという現象は起きてしまうわけなんだけども。
さらに余談だけど、フレイバーの幅を広げるという意味では個人的に一番の成功は装備品(Equip)だと思ってる。過去の《空飛ぶ絨毯/Flying Carpet》とか《水銀の短剣/Quicksilver Dagger》という積み重ねからの終着点。
余談5:木曜日 《轟く棘背びれ/Thundering Spineback》
訳の話。
冒頭の「Have you ever thought to yourself」は深いこと考えずに「自問自答したことあるかい?」で良かったかなあ、いやイマイチ日本語っぽくないよな、とか迷ってるうちに上記の訳になった。
それより迷ったのは「an army of Dinosaurs」。実質的に1枚なのに軍隊を組んでいるに等しい、という意味と判断した。そのうえでどう訳すか……という話。意外と難しかった。
余談6:金曜日 《板歩きの刑/Walk the Plank》
後ろ手に縛られたまま海に落とされてもマーフォークだったら困らないよね、というフレイバーにあふれたカード……とはいえ、まあ、ツッコミ待ちと言うか、むしろ「お題」だよな、これ。はい、というわけで始まりました。
お題:なんで( )が水に落とされて死ぬんだよ!
① 魚
マーフォークが平気となればこいつをあげないわけにはいかない。だって魚だよ? 《島魚ジャスコニアス/Island Fish Jasconius》が水に放り込まれたからって死ぬか?
海賊「でも《島魚ジャスコニアス》も板歩きの刑で死んでたよ」
俺「いやいや、おかしいだろ。エラ呼吸だぞ?」
海賊「板歩かせてる最中にエラをパクパクさせて、そのあと動かなくなった」
俺「……ああ、エラ呼吸だからか」
② スピリット
あいつらって要は幽霊だろ? 水中に落ちたからってそもそも呼吸してないんだから死ぬわけないし、大体からして板の先まで行ったあと、下に落ちるのか? 飛べよ。
海賊「でも死んだよ」
俺「そもそもが死んでるだろうが!」
海賊「すまん。正しく言うと浄化された。海の塩気で」
俺「塩気で?」
海賊「ほら、清めの塩って言うし」
俺「その理屈でいったら《海の精/Sea Spirit》で死んでね?」
海賊「だからどの大会で姿を見せなかったでしょ?」
俺「え、見かけなかった理由って死んでたからなの?」
海賊「そうだよ」
③ 神
そもそも神が板歩きの刑に処せられてる状況が意味不明だよな。素直に従ってないで一喝してやればいいのに……海賊ごとき相手に大人しく死んであげる理由が分からない。
海賊「いや、死なないよ」
俺「え?」
海賊「だからさすがに神様は死なないよ」
俺「そうなの?」
海賊「だって大体が破壊不能でしょ」
俺「言われてみれば確かにそうだな……」
結論:問題なし
余談7:宣伝
完結したので一応書いとく。
カクヨム:女騎士と四畳半と行方知れずの大賢者・前日譚
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884212302
イクサランの新カードをフレイバー面から紹介。どちらかというとルールテキスト面を取り扱ったネタが多かったかな。こういうの好き。
余談2:月曜日 《秘儀での順応/Arcane Adaptation》
訳の話。
原文:
This truly is a magical world.
Dinosaurs can be Nephilim, Vampires can be Badgers, and?most importantly and magnificently-every single creature can be a Turtle.
拙訳:
魔法に満ち溢れた世界ってことがよく分かるね。
恐竜をネフィリムにだって変えられる。吸血鬼をアナグマにだって変えられる。でもなんと言っても一番重要かつ素晴らしいのは、どんなクリーチャーだろうと海亀に変えることができることさ!
意外と難しかったのが冒頭の「This truly is a magical world.」だった。「Magical world」に当たる日本語がない気がする。なんだろ。「ファンタジー世界」かな。原文準拠で「魔法」という単語入れたかったからやめたけど。
あとオチがよく分からない。なんで「Turtle」で落としたんだろ。不思議。
余談3:火曜日 《再誕の司教/Bishop of Rebirth》
訳の話。
原文:
Oh hey, Sun Titan! I didn’t know you had a younger sibling! And a Vampire, too? No wonder you guys don’t talk much.
Anyway, we had a good run, but I’m looking for someone Standard-legal to help me resurrect my Longtusk Cubs.
拙訳:
おいおい、太陽のタイタンさん、あんたに弟がいたとは知らなかったぜ。しかもあんたと違って吸血鬼なんだって? そりゃ兄弟仲もいいってわけにはいかないか。
まあ、あんたともなかなか楽しくやらせてはもらってたけど、ちょっと今は《牙長獣の仔/Longtusk Cub》を復活させてくれるスタンダードリーガルな面子を探してるところでね。
最初に読み始めたときは、出だしの訳は「太陽のタイタン! 太陽のタイタンじゃないか!」になるかなあ、と思ったけど、ちょっと読み進めたら違うことが分かった。
あとよく英語には「姉、兄」と「妹、弟」を区別する単語がなくてうんぬんって話があるけど「姉弟」を指す言葉はあるんだよね。あまり使わないけど。
上記の訳に関する余談としては……ああ、そうそう「we had a good run」という表現は、調べてもなんか上手く意味を見つけられなかったけど、なんとなくこういう意味だろうなあというのが伝わってきた。
余談4:水曜日 《小綺麗なスクーナー船/Sleek Schooner》
なんか昔、「クリーチャーとして船(Ship)というのはなんかおかしいから今後もう船(Ship)は出さないよ」という時期があった気がする。
アーティファクトの機体(Vehicle)という概念が生まれたことでまたフレイバーの幅が広がったんだな、とあらためて思った。いや、まあクリーチャー化した機体(Vehicle)を《生命吸収/Drain Life》できるという現象は起きてしまうわけなんだけども。
さらに余談だけど、フレイバーの幅を広げるという意味では個人的に一番の成功は装備品(Equip)だと思ってる。過去の《空飛ぶ絨毯/Flying Carpet》とか《水銀の短剣/Quicksilver Dagger》という積み重ねからの終着点。
Flying Carpet / 空飛ぶ絨毯 (4)
アーティファクト
(2),(T):クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで飛行を得る。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Flying+Carpet/
Quicksilver Dagger / 水銀の短剣 (1)(青)(赤)
エンチャント - オーラ(Aura)
エンチャント(クリーチャー)
エンチャントされているクリーチャーは「(T):プレイヤー1人を対象とする。このクリーチャーは、そのプレイヤーに1点のダメージを与える。あなたはカードを1枚引く。」を持つ。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Quicksilver+Dagger/
余談5:木曜日 《轟く棘背びれ/Thundering Spineback》
訳の話。
原文:
Have you ever thought to yourself, ”I wish there were one card that’s actually somehow an army of Dinosaurs”?
Of course you have.
拙訳:
「1枚なのにほとんど恐竜の軍隊そのものみたいなカードがあればなあ」と思ったことはないかい?
もちろんちゃんとあるよ!
冒頭の「Have you ever thought to yourself」は深いこと考えずに「自問自答したことあるかい?」で良かったかなあ、いやイマイチ日本語っぽくないよな、とか迷ってるうちに上記の訳になった。
それより迷ったのは「an army of Dinosaurs」。実質的に1枚なのに軍隊を組んでいるに等しい、という意味と判断した。そのうえでどう訳すか……という話。意外と難しかった。
余談6:金曜日 《板歩きの刑/Walk the Plank》
後ろ手に縛られたまま海に落とされてもマーフォークだったら困らないよね、というフレイバーにあふれたカード……とはいえ、まあ、ツッコミ待ちと言うか、むしろ「お題」だよな、これ。はい、というわけで始まりました。
お題:なんで( )が水に落とされて死ぬんだよ!
① 魚
マーフォークが平気となればこいつをあげないわけにはいかない。だって魚だよ? 《島魚ジャスコニアス/Island Fish Jasconius》が水に放り込まれたからって死ぬか?
海賊「でも《島魚ジャスコニアス》も板歩きの刑で死んでたよ」
俺「いやいや、おかしいだろ。エラ呼吸だぞ?」
海賊「板歩かせてる最中にエラをパクパクさせて、そのあと動かなくなった」
俺「……ああ、エラ呼吸だからか」
② スピリット
あいつらって要は幽霊だろ? 水中に落ちたからってそもそも呼吸してないんだから死ぬわけないし、大体からして板の先まで行ったあと、下に落ちるのか? 飛べよ。
海賊「でも死んだよ」
俺「そもそもが死んでるだろうが!」
海賊「すまん。正しく言うと浄化された。海の塩気で」
俺「塩気で?」
海賊「ほら、清めの塩って言うし」
俺「その理屈でいったら《海の精/Sea Spirit》で死んでね?」
海賊「だからどの大会で姿を見せなかったでしょ?」
俺「え、見かけなかった理由って死んでたからなの?」
海賊「そうだよ」
③ 神
そもそも神が板歩きの刑に処せられてる状況が意味不明だよな。素直に従ってないで一喝してやればいいのに……海賊ごとき相手に大人しく死んであげる理由が分からない。
海賊「いや、死なないよ」
俺「え?」
海賊「だからさすがに神様は死なないよ」
俺「そうなの?」
海賊「だって大体が破壊不能でしょ」
俺「言われてみれば確かにそうだな……」
結論:問題なし
余談7:宣伝
完結したので一応書いとく。
カクヨム:女騎士と四畳半と行方知れずの大賢者・前日譚
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884212302
今週のCard of the Day (2017年10月 第2週) とか
2017年10月15日 週のまとめ コメント (2)余談1:今週のCard of the Dayのテーマ
イクサランの新カードをフレイバー面から紹介。能力的なフレイバーもあれば、カード名やイラストも取り扱うバラエティ豊かな週だった。
余談2:月曜日 《人質取り/Hostage Taker》
《人質取り》には、それ自身を対象とすることを防ぐためにリリースノート(エラッタ)が出ていて、対象にとれるのは「他のクリーチャー1体かアーティファクト1つ」となっている。
素直に読むなら、自身が「クリーチャーでないアーティファクト」として場に出る場合も、その自身を対象にとることはできないんだろうけど……どうなんだろう。その場合は「他のクリーチャー1体か他のアーティファクト1つ」なのかな。
あとリリースノート紹介ついでに余談。
……らしい。
最初、これを読んだとき「えーと、つまり《人質取り》のオーナーがいなくなると効果がなぜか解除されて《人質取り》はまだ場に残ってるのに人質は無事解放されて家族の元に返されるってこと? 依頼主が死んだら人質を取り続ける義務はないってこと?」と思ったんだけど、よくよく考えたらオーナーが死んだら《人質取り》自体もゲームから除外されるのか。
……じゃあ人質に取られてたクリーチャー(もしくはアーティファクト)が持ち主の元に帰るのは当たり前じゃないのか……なんでわざわざリリースノートに載ってるんだ……うーん。きっとルールに詳しくないほうが直観的に正解を選べるタイプの「注釈が必要となる挙動」なんだろうな。
余談3:火曜日 《縄張り持ちの槌頭/Territorial Hammerskull》
訳の話。
後半の「But don’t you really just want to know」はどう訳そうか迷った。「ただ~を知りたいだけじゃないのか?」という意味として……だからなんなのか。
知りたいのかい、と聞いているだけなのか? 手堅いからではなくて、それを知りたいからデッキに入れるんだよね、と聞いているのか? この疑問文の意図を読み解くのがちょっと難しかった。
まあ、さすがに一文目を完全に無視した二文目だとは思えないし「このカードは手堅い3マナクリーチャーだよね。でもそれだからピックしたんじゃないだろ?」という意味なんじゃないかなあ、と。
ああ、それともう1つ。
一文目の「can tap down a key blocker」の「Key」が意外とめんどかった。「相手の最もキーとなるブロッククリーチャー」でも良かったんだけど、それだとちょっと焦点が強すぎるというか。
余談4:水曜日 《絶滅の星/Star of Extinction》
カード名が海外SF小説の邦訳っぽい。たぶん正に寿命を迎えようとしている星が舞台。あと英語名より日本語名のほうがカッコいいというレアなカードでもある(※ 個人の感想です)
ところでこれ、隕石が落下した地点の土地だけでなく全ての生物をも巻き込む大惨事を引き起こすけど、無生物は無傷なのね。エンチャントは分かるとして、アーティファクトが壊れないのはなんか不思議だ。隕石落下後の気候激変とか気温低下とか疫病とか、そういう副次効果も含まれてるのかもしれない。
余談5:木曜日 《幻惑の旋律/Entrancing Melody》
マジックのセイレーンは寝返らせるだけで命を奪わないから良心的だよね、というネタ。
うん? いやちょっと待って。
確かにイクサランのセイレーンはそうかもしれないけど、過去のマジックに登場していたセイレーンは、死ぬと分かってる戦場へと強制的にクリーチャーを呼び寄せるような死神的存在だったぞ。
ところで上記のセイレーンがマジックでは初出らしい。第4版にセイレーンがいたような気がしてたんだけど……と思ったら以下のカードをちょっと勘違いして覚えてたみたい。クリーチャーじゃなかった。
余談6:金曜日 《巨大な戦慄大口/Colossal Dreadmaw》
カード名の壮絶な「テンプレに沿ってる」感が嫌いじゃない。
かなりサクサク訳せた中で1点だけ迷ったのは「the splashiest saurian on Ixalan」の箇所。マジックのデッキ構築で「Splash」というと「色を散らす」ことを指す。今だとタッチと呼ぶのが主流かな。
ここでの「Splash」はその意味じゃなくて単に「派手な、きらめく、飛び散る」みたいな意味のほうだと思う。その上で、ただ「派手な」の訳でいいのかな、という迷い。
いや、イクサランって文字通り本当に色とか模様とか形状が「派手」な恐竜がいっぱいいるから、ただ「凄い、目立つ、デカい」という恐竜を「派手」でいいのかどうか、という……まあ、結論は「それでいいか」だったんだけど。
イクサランの新カードをフレイバー面から紹介。能力的なフレイバーもあれば、カード名やイラストも取り扱うバラエティ豊かな週だった。
余談2:月曜日 《人質取り/Hostage Taker》
《人質取り》には、それ自身を対象とすることを防ぐためにリリースノート(エラッタ)が出ていて、対象にとれるのは「他のクリーチャー1体かアーティファクト1つ」となっている。
素直に読むなら、自身が「クリーチャーでないアーティファクト」として場に出る場合も、その自身を対象にとることはできないんだろうけど……どうなんだろう。その場合は「他のクリーチャー1体か他のアーティファクト1つ」なのかな。
あとリリースノート紹介ついでに余談。
多人数戦で、カードが依然として追放されている間に《人質取り》のオーナーがゲームから除外されて、そのカードのオーナーが他のプレイヤーであったなら、追放されたカードはオーナーのコントロール下で戦場に戻る。
引用元:http://media.wizards.com/2017/downloads/XLN_Release_Notes/JP_MTGXLN_ReleaseNotes.docx
……らしい。
最初、これを読んだとき「えーと、つまり《人質取り》のオーナーがいなくなると効果がなぜか解除されて《人質取り》はまだ場に残ってるのに人質は無事解放されて家族の元に返されるってこと? 依頼主が死んだら人質を取り続ける義務はないってこと?」と思ったんだけど、よくよく考えたらオーナーが死んだら《人質取り》自体もゲームから除外されるのか。
……じゃあ人質に取られてたクリーチャー(もしくはアーティファクト)が持ち主の元に帰るのは当たり前じゃないのか……なんでわざわざリリースノートに載ってるんだ……うーん。きっとルールに詳しくないほうが直観的に正解を選べるタイプの「注釈が必要となる挙動」なんだろうな。
余談3:火曜日 《縄張り持ちの槌頭/Territorial Hammerskull》
訳の話。
原文:
Solid three-drop, can tap down a key blocker, yeah, sure.
But don’t you really just want to know what noise that other Dinosaur makes when it gets headbutted right in the gut?
拙訳:
対戦相手の一番大事なブロッカーを狙ってタップできる。間違いなく手堅い3マナクリーチャーだね。うん。
でもこいつを使いたいのはみぞおちにきっつい頭突きを食らった恐竜がどんな鳴き声を上げるのか気になるからだろ? な?
後半の「But don’t you really just want to know」はどう訳そうか迷った。「ただ~を知りたいだけじゃないのか?」という意味として……だからなんなのか。
知りたいのかい、と聞いているだけなのか? 手堅いからではなくて、それを知りたいからデッキに入れるんだよね、と聞いているのか? この疑問文の意図を読み解くのがちょっと難しかった。
まあ、さすがに一文目を完全に無視した二文目だとは思えないし「このカードは手堅い3マナクリーチャーだよね。でもそれだからピックしたんじゃないだろ?」という意味なんじゃないかなあ、と。
ああ、それともう1つ。
一文目の「can tap down a key blocker」の「Key」が意外とめんどかった。「相手の最もキーとなるブロッククリーチャー」でも良かったんだけど、それだとちょっと焦点が強すぎるというか。
余談4:水曜日 《絶滅の星/Star of Extinction》
カード名が海外SF小説の邦訳っぽい。たぶん正に寿命を迎えようとしている星が舞台。あと英語名より日本語名のほうがカッコいいというレアなカードでもある(※ 個人の感想です)
ところでこれ、隕石が落下した地点の土地だけでなく全ての生物をも巻き込む大惨事を引き起こすけど、無生物は無傷なのね。エンチャントは分かるとして、アーティファクトが壊れないのはなんか不思議だ。隕石落下後の気候激変とか気温低下とか疫病とか、そういう副次効果も含まれてるのかもしれない。
余談5:木曜日 《幻惑の旋律/Entrancing Melody》
マジックのセイレーンは寝返らせるだけで命を奪わないから良心的だよね、というネタ。
うん? いやちょっと待って。
確かにイクサランのセイレーンはそうかもしれないけど、過去のマジックに登場していたセイレーンは、死ぬと分かってる戦場へと強制的にクリーチャーを呼び寄せるような死神的存在だったぞ。
Alluring Siren / 魅惑するセイレーン (1)(青)
クリーチャー - セイレーン(Siren)
(T):対戦相手1人がコントロールするクリーチャー1体を対象とする。このターン、それは可能ならばあなたを攻撃する。
1/1
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Alluring+Siren/
ところで上記のセイレーンがマジックでは初出らしい。第4版にセイレーンがいたような気がしてたんだけど……と思ったら以下のカードをちょっと勘違いして覚えてたみたい。クリーチャーじゃなかった。
Siren’s Call / セイレーンの呼び声 (青)
インスタント
セイレーンの呼び声は、対戦相手1人のターンの間で、攻撃クリーチャーが指定される前にのみ唱えられる。
アクティブ・プレイヤーがコントロールするクリーチャーは、このターン可能ならば攻撃する。
次の終了ステップの開始時に、そのプレイヤーがコントロールする壁(Wall)でない、このターン攻撃しなかったすべてのクリーチャーを破壊する。この効果は、そのプレイヤーがこのターンの開始時から継続してコントロールしていないクリーチャーについては無視する。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Siren%27s+Call/
余談6:金曜日 《巨大な戦慄大口/Colossal Dreadmaw》
カード名の壮絶な「テンプレに沿ってる」感が嫌いじゃない。
原文:
In case the word ”colossal” wasn’t definitive enough for you, the full-size double-masted ship in the foreground confirms it-this Dinosaur is massive.
It may not be the splashiest saurian on Ixalan, but it’s big enough to eat that boat.
拙訳:
え? 「巨大な~」の定義がよく分からないって? そんな君のためにダブルマストの帆船を丸ごと背景に描いといたよ。これで分かったろ、この恐竜が「巨大な~」ってことがね。
イクサランで最も派手な恐竜ってわけじゃないけど、帆船を飲み込めるほどには大きいのさ。
かなりサクサク訳せた中で1点だけ迷ったのは「the splashiest saurian on Ixalan」の箇所。マジックのデッキ構築で「Splash」というと「色を散らす」ことを指す。今だとタッチと呼ぶのが主流かな。
ここでの「Splash」はその意味じゃなくて単に「派手な、きらめく、飛び散る」みたいな意味のほうだと思う。その上で、ただ「派手な」の訳でいいのかな、という迷い。
いや、イクサランって文字通り本当に色とか模様とか形状が「派手」な恐竜がいっぱいいるから、ただ「凄い、目立つ、デカい」という恐竜を「派手」でいいのかどうか、という……まあ、結論は「それでいいか」だったんだけど。
余談1:今週のCard of the Dayのテーマ
イクサランの新カードという以上の共通点やテーマは見られなかったもよう。恐竜関連ばかりというわけでもなく、期待されてるパワーカードばかりというわけでもなく。
余談2:月曜日 《吠えるイージサウルス/Bellowing Aegisaur》
女神アテナの武具「イージス(Aegis)」と「恐竜(-saur)」を組み合わせた命名なのかな、と推測して、ネットで調べてみたところ、どうやら実在しない恐竜の名前らしい。なんか残念……という名前の訳はさておき記事の訳の話。
色々難しかったけど一番のポイントは「traditionally」。「伝統」もおかしいし「歴史的に」もなんかしっくりこない……日本語に訳そうとすると途端に不自然になる英単語。不思議。
とりあえず没案を並べてみる。
・恐竜が武器防具の扱いに長けているなんて聞いたこともないけれど
・恐竜は伝統的に武器防具の扱いに
・今も昔も恐竜が武器や防具の扱いに長けていたことはないけれど、
この恐竜はなぜかバリスタとの相性がすこぶる良いんだ。
まあおそらく本人はそれを使ってるって意識はないんだろうけど。
ああ、そうそう。《歩行バリスタ》というカード名を一般名詞っぽく訳さないとネタとして成立しないなあ、というのもポイントかも。
余談3:火曜日 《焦熱の連続砲撃/Fiery Cannonade》
訳の話。
色々と語るポイントはあるんだけど、一番のポイントは「英語では one misplayed Fiery Cannonade となっているから『たった1発の』というネタなのに、よりにもよってカードの日本語名が『連続砲撃』という点」。いや、だって、ほら「たった1発の連続砲撃」って矛盾してるでしょ?
そこをどう整合させるかを延々といじくっているうちに上記の訳に相成った。
余談4:水曜日 《殺戮の暴君/Carnage Tyrant》
フレイバーテキストだけじゃなくて英語名のカルネージ・タイラントってなんかシンプルにカッコいい。こう、なんていうか……カッコいい(語彙が足りない)。そういえば昔、カルネージハートってゲームがあったなあ(関係ない)。
すっごい迷ったのは「フレイバーテキストに手を加えるかどうか」。原文を尊重するならそのままにすべきだし、そもそも原文はカッコで括っているのだから「引用」であり、それに手を加えるのはおかしい……んだけど、最終的には手を加えた。
だって「巨大でしつこい死を呼ぶトカゲを投入すること」だけだとちっとも the greatest phrases that has ever appeared in Magic flavor text に思えないよ。無理だよ。せめて「!」くらいは付け加えないと無理だよ。
そんなわけで後悔はしてない。
余談5:木曜日 《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass》
無意識のうちにカード名を「魔術望遠鏡(まじゅつぼうえんきょう)」と読んでた。違うじゃないか。「魔術遠眼鏡(まじゅつえんがんきょう)」だ。危ない危ない。大会で存在しないカード名を指定して恥をかくところだった。
ネタを正しく理解できているなら、そこそこ上手く訳せたほうだと思う。原文のネタを正しく理解できているかどうかが問題。
気になってるのは「infinitely」と「endure」の2つの英単語。なんか変わった言い回しな気がして、何かコンボとか既存のカードとかに絡めたネタなんじゃないか、という不安がある。
Google先生に簡単に聞いたら「いや、考え過ぎだよ」との回答だったので素直に思ったとおり訳した。でもまだ一抹の不安が拭えない。
余談6:金曜日 《キンジャーリの陽光翼/Kinjalli’s Sunwing》
訳の話。
サリアがローテーション落ちしたせいで空いた穴を埋めてくれようとしてるんだよ、というネタなのは間違いないとして、その「穴」としてさしているのがカードテキスト的な意味だけなのか、イラストも含んでいるのかどうか。
原文のカッコ内にわざわざ「彼女の素晴らしい髪の毛」とあるので両方ととったんだけど、うーん……合ってるのかな。《キンジャーリの陽光翼/Kinjalli’s Sunwing》のイラストを見ると「光る翼がブワアアア!」なので、それを含めてのネタなのかなあ、と解釈したわけで。
ところで英語でも「~が抜けた穴」という表現には「Hole」を使うのね。面白い。
余談7:宣伝(引き続き)
先日、ここで宣伝した短編の続きが現在進行中。前回からまた少し追加。
カクヨム:女騎士と四畳半と行方知れずの大賢者・前日譚
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884212302
前日譚というより別視点からの同じ話と言ったほうが正しい。元となってる短編を先に読まないと意味が分からない(はず)なのであらためてリンクを張っておく。
カクヨム:女騎士と四畳半と行方知れずの大賢者
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884139680
イクサランの新カードという以上の共通点やテーマは見られなかったもよう。恐竜関連ばかりというわけでもなく、期待されてるパワーカードばかりというわけでもなく。
余談2:月曜日 《吠えるイージサウルス/Bellowing Aegisaur》
女神アテナの武具「イージス(Aegis)」と「恐竜(-saur)」を組み合わせた命名なのかな、と推測して、ネットで調べてみたところ、どうやら実在しない恐竜の名前らしい。なんか残念……という名前の訳はさておき記事の訳の話。
原文:
While Dinosaurs are not traditionally known for their expert use of weaponry, this one works a little too well with Walking Ballista to assume it doesn’t know what it’s doing.
拙訳:
昔から恐竜って奴らは武器や防具の扱いが苦手だったけど、この恐竜はなぜかその辺を歩行してるバリスタの性能を最大限に引き出すことができる。もっとも本人にそれを扱ってるって意識はないだろうけどね。
色々難しかったけど一番のポイントは「traditionally」。「伝統」もおかしいし「歴史的に」もなんかしっくりこない……日本語に訳そうとすると途端に不自然になる英単語。不思議。
とりあえず没案を並べてみる。
・恐竜が武器防具の扱いに長けているなんて聞いたこともないけれど
・恐竜は伝統的に武器防具の扱いに
・今も昔も恐竜が武器や防具の扱いに長けていたことはないけれど、
この恐竜はなぜかバリスタとの相性がすこぶる良いんだ。
まあおそらく本人はそれを使ってるって意識はないんだろうけど。
ああ、そうそう。《歩行バリスタ》というカード名を一般名詞っぽく訳さないとネタとして成立しないなあ、というのもポイントかも。
余談3:火曜日 《焦熱の連続砲撃/Fiery Cannonade》
訳の話。
原文:
It only takes one misplayed Fiery Cannonade to realize how dangerous a large group of enraged Dinosaurs on the other side of the battlefield can be.
拙訳:
このあいだ、テーブルの向こう側に並んだ大量の恐竜たちを一斉に激昂させたらマジでヤバいってことを痛感したよ。え? どうしてそんなことになったんだって? いや、ちょっと砲撃を暴発させちゃってね……。
色々と語るポイントはあるんだけど、一番のポイントは「英語では one misplayed Fiery Cannonade となっているから『たった1発の』というネタなのに、よりにもよってカードの日本語名が『連続砲撃』という点」。いや、だって、ほら「たった1発の連続砲撃」って矛盾してるでしょ?
そこをどう整合させるかを延々といじくっているうちに上記の訳に相成った。
余談4:水曜日 《殺戮の暴君/Carnage Tyrant》
フレイバーテキストだけじゃなくて英語名のカルネージ・タイラントってなんかシンプルにカッコいい。こう、なんていうか……カッコいい(語彙が足りない)。そういえば昔、カルネージハートってゲームがあったなあ(関係ない)。
原文:
”. . . deploy the giant, implacable death lizard” is easily among the greatest phrases that has ever appeared in Magic flavor text. Here’s hoping we get to hear someone yell that out at the World Championship this weekend!
拙訳:
「巨大でしつこい死を呼ぶトカゲを投入することが適切な戦術となる!」はマジックのフレイバーテキスト界でもトップクラスのフレーズだね。ぜひ今週末の世界選手権で誰かにこれを叫んで欲しいところだ!
すっごい迷ったのは「フレイバーテキストに手を加えるかどうか」。原文を尊重するならそのままにすべきだし、そもそも原文はカッコで括っているのだから「引用」であり、それに手を加えるのはおかしい……んだけど、最終的には手を加えた。
だって「巨大でしつこい死を呼ぶトカゲを投入すること」だけだとちっとも the greatest phrases that has ever appeared in Magic flavor text に思えないよ。無理だよ。せめて「!」くらいは付け加えないと無理だよ。
そんなわけで後悔はしてない。
余談5:木曜日 《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass》
無意識のうちにカード名を「魔術望遠鏡(まじゅつぼうえんきょう)」と読んでた。違うじゃないか。「魔術遠眼鏡(まじゅつえんがんきょう)」だ。危ない危ない。大会で存在しないカード名を指定して恥をかくところだった。
原文:
The flavor concept behind this seems infinitely more pleasant to endure than that behind Pithing Needle,
though neither is particularly pleasant on the battlefield.
拙訳:
このカードのフレイバー的な表現は《真髄の針/Pithing Needle》に比べると遥かに受け入れやすいだろうけど、
まあ、どっちも戦場に出てしまったあとの受け入れがたさは大して変わらないよね。
ネタを正しく理解できているなら、そこそこ上手く訳せたほうだと思う。原文のネタを正しく理解できているかどうかが問題。
気になってるのは「infinitely」と「endure」の2つの英単語。なんか変わった言い回しな気がして、何かコンボとか既存のカードとかに絡めたネタなんじゃないか、という不安がある。
Google先生に簡単に聞いたら「いや、考え過ぎだよ」との回答だったので素直に思ったとおり訳した。でもまだ一抹の不安が拭えない。
余談6:金曜日 《キンジャーリの陽光翼/Kinjalli’s Sunwing》
訳の話。
原文:
It may not be perfect, but this Dinosaur is doing its best to help fill the hole left in our hearts by Thalia, Heretic Cathar (and her amazing hair) after rotation.
拙訳:
ローテーションによって《異端聖戦士、サリア/Thalia, Heretic Cathar》が失われた喪失感はあまりに大きい。でもこの恐竜も彼女の抜けた穴を精一杯の努力で埋めようとしてくれてるんだ。能力という意味でも、美しく広がる体毛という意味でもね。
サリアがローテーション落ちしたせいで空いた穴を埋めてくれようとしてるんだよ、というネタなのは間違いないとして、その「穴」としてさしているのがカードテキスト的な意味だけなのか、イラストも含んでいるのかどうか。
原文のカッコ内にわざわざ「彼女の素晴らしい髪の毛」とあるので両方ととったんだけど、うーん……合ってるのかな。《キンジャーリの陽光翼/Kinjalli’s Sunwing》のイラストを見ると「光る翼がブワアアア!」なので、それを含めてのネタなのかなあ、と解釈したわけで。
ところで英語でも「~が抜けた穴」という表現には「Hole」を使うのね。面白い。
余談7:宣伝(引き続き)
先日、ここで宣伝した短編の続きが現在進行中。前回からまた少し追加。
カクヨム:女騎士と四畳半と行方知れずの大賢者・前日譚
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884212302
前日譚というより別視点からの同じ話と言ったほうが正しい。元となってる短編を先に読まないと意味が分からない(はず)なのであらためてリンクを張っておく。
カクヨム:女騎士と四畳半と行方知れずの大賢者
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884139680
今週のCard of the Day (2017年09月 第5週) とか
2017年10月1日 週のまとめ余談1:今週のCard of the Dayのテーマ
ジェイスとか三葉虫とか恐竜とか海賊とか、イクサランの背景世界に触れたネタが満載だった週。全然関係ないけど三葉虫と恐竜って同じ時代の生物なのね。なんとなく三葉虫のほうがずっと古いイメージがあった。
余談2:月曜日 《島/Island》
青マナなしでは場に出れないジェイスが「役立たずの島め!」と叫ぶのはなかなか皮肉が効いててよろしい。ちなみに原文は "Useless island!" 。
余談3:火曜日 《巣荒らし/Nest Robber》
訳の話。
原文の英文法が気になってしょうがない。何か勘違いしてるかな。
【原文】
If (A) could be as happy as (B) is when (A) has an egg.
(A)が(B)と同じくらい幸せになるためには(A)にも卵が必要だ、っていう文章なのかなあ、と思ったんだけど、実際は最初の(A)は複数形(We)で、2つ目の(A)は単数形(it)なのであり得ない。そもそも(B)の直後に来ているのが「is」の時点で、なんかもう良く分からない。
ここで切れてるなら話は簡単なんだよなあ。
【原文】
If only we could all be as happy as this little dino ...
僕らもこの小さな恐竜と同じくらい幸せだったらなあ、と訳しておしまい。でも実際はこのあとに「is」が来る。なんか特別な言い回しなのかなあ……「He wouldn’t be here if it wasn’t for you.」みたいに直観的にスッと入ってこないタイプの。
余談4:水曜日 《岸の守り手/Shore Keeper》
記事を読んで「へえ、珍しいクリーチャータイプなんだ。どれどれ……」とWhisperの日本語訳をチェックしたらクリーチャータイプの日本語名が載ってなくて「???」となった。なんというか……タイムリーな(?)誤記だなあ。
しかし、岸に流れ着いた腐った死骸にしか見えないコイツ(参考:https://magiccards.info/xln/en/77.html)がどうして3枚ものカードに変わるんだろう、と不思議に思ってたら、フレイバーテキストにその答えが用意されてた。
以下、フレイバーテキスト。
【原文】
Over their long life spans, the larger trilobites
accumulate vast treasure troves in their guts.
【日本語訳】
その長い寿命の間、大型の三葉虫は
大量の宝物を体内に溜め込む。
生物を捕食する際に海底に沈んだ宝物も取り込んでしまって、その中でも体内で腐食しない貴金属の類がずっと残ったまま長い寿命を終えて岸に流れ着き……みたいな話なのかな。
全然関係ないけどコイツ(参考:https://magiccards.info/xln/en/77.html)が《巨大化/Giant Growth》して殴ってきたら肝をつぶすこと間違いなし。
余談5:木曜日 《風雲船長ラネリー/Captain Lannery Storm》
船長の名前が「ラナリー・ストーム」というわけではないらしい。あえて文章にすると「Lannery the Storm is a captain」みたいな感じなのかな。うん。ついでに訳の話。
持ち上げて落とすタイプのオチなので、まずはまっすぐな冒険小説っぽく訳して、そこからギャグっぽく締める。言うのは簡単、さて上手くいったかどうかは……うーん?
特にオチに当たる部分の「maybe she’s just thinking about Treasure」については「単に宝のことを考えているのかもしれない」がより原文に沿った訳なのは分かってるんだけど、なーんか日本語にすると唐突感が否めなくて、色々付け加えてしまった。
余談6:金曜日 《怒り狂う長剣歯/Raging Swordtooth》
サーベルトゥース(Sabertooth)かと思ったらソードトゥース(Swordtooth)だった。
ちなみにマジックだと前者の訳には《剣歯虎/Sabretooth Tiger》や《野良剣歯猫/Sabertooth Alley Cat》などがある……つまりマジック世界では「サーベル = 剣」であり「ソード = 長剣」である(短絡的)。
さらに余談として、ソートゥース(Sawtooth)なんてのもいる。日本語訳は「鋸歯」。聞き覚えがないから最近のカード名かと思ったらウェザーライト(1997年)やプレーンシフト(2001年)のカードだった。それぞれ《鋸歯のオーガ/Sawtooth Ogre》と《鋸歯のアビ/Sawtooth Loon》。
余談7:宣伝
先日、ここで宣伝した短編の続きが現在進行中。
カクヨム:女騎士と四畳半と行方知れずの大賢者・前日譚
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884212302
前日譚というより別視点からの同じ話と言ったほうが正しい。元となってる短編を先に読まないと意味が分からない(はず)なのであらためてリンクを張っておく。
カクヨム:女騎士と四畳半と行方知れずの大賢者
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884139680
ジェイスとか三葉虫とか恐竜とか海賊とか、イクサランの背景世界に触れたネタが満載だった週。全然関係ないけど三葉虫と恐竜って同じ時代の生物なのね。なんとなく三葉虫のほうがずっと古いイメージがあった。
余談2:月曜日 《島/Island》
青マナなしでは場に出れないジェイスが「役立たずの島め!」と叫ぶのはなかなか皮肉が効いててよろしい。ちなみに原文は "Useless island!" 。
余談3:火曜日 《巣荒らし/Nest Robber》
訳の話。
原文:
If only we could all be as happy as this little dino is when it has an egg.
拙訳:
この恐竜と同じくらい幸せそうになるのに必要なもの? 卵だね。
原文の英文法が気になってしょうがない。何か勘違いしてるかな。
【原文】
If (A) could be as happy as (B) is when (A) has an egg.
(A)が(B)と同じくらい幸せになるためには(A)にも卵が必要だ、っていう文章なのかなあ、と思ったんだけど、実際は最初の(A)は複数形(We)で、2つ目の(A)は単数形(it)なのであり得ない。そもそも(B)の直後に来ているのが「is」の時点で、なんかもう良く分からない。
ここで切れてるなら話は簡単なんだよなあ。
【原文】
If only we could all be as happy as this little dino ...
僕らもこの小さな恐竜と同じくらい幸せだったらなあ、と訳しておしまい。でも実際はこのあとに「is」が来る。なんか特別な言い回しなのかなあ……「He wouldn’t be here if it wasn’t for you.」みたいに直観的にスッと入ってこないタイプの。
余談4:水曜日 《岸の守り手/Shore Keeper》
記事を読んで「へえ、珍しいクリーチャータイプなんだ。どれどれ……」とWhisperの日本語訳をチェックしたらクリーチャータイプの日本語名が載ってなくて「???」となった。なんというか……タイムリーな(?)誤記だなあ。
しかし、岸に流れ着いた腐った死骸にしか見えないコイツ(参考:https://magiccards.info/xln/en/77.html)がどうして3枚ものカードに変わるんだろう、と不思議に思ってたら、フレイバーテキストにその答えが用意されてた。
以下、フレイバーテキスト。
【原文】
Over their long life spans, the larger trilobites
accumulate vast treasure troves in their guts.
【日本語訳】
その長い寿命の間、大型の三葉虫は
大量の宝物を体内に溜め込む。
生物を捕食する際に海底に沈んだ宝物も取り込んでしまって、その中でも体内で腐食しない貴金属の類がずっと残ったまま長い寿命を終えて岸に流れ着き……みたいな話なのかな。
全然関係ないけどコイツ(参考:https://magiccards.info/xln/en/77.html)が《巨大化/Giant Growth》して殴ってきたら肝をつぶすこと間違いなし。
余談5:木曜日 《風雲船長ラネリー/Captain Lannery Storm》
船長の名前が「ラナリー・ストーム」というわけではないらしい。あえて文章にすると「Lannery the Storm is a captain」みたいな感じなのかな。うん。ついでに訳の話。
原文:
Here is a Pirate with a true, unbridled love of sailing.
The freedom and adventure of the open seas, new frontiers waiting beyond every horizon. Or maybe she’s just thinking about Treasure.
拙訳:
これぞ何者にも縛られることなく海と航海を愛する真の海賊だ。
その心を占めるのは、どこまでも自由に広がる海とそこで繰り広げられる冒険の数々、水平線の先に広がる未開拓の世界、……いや、もしくは単にまだ見ぬ宝物で頭がいっぱいなだけの可能性もあるけどね。
持ち上げて落とすタイプのオチなので、まずはまっすぐな冒険小説っぽく訳して、そこからギャグっぽく締める。言うのは簡単、さて上手くいったかどうかは……うーん?
特にオチに当たる部分の「maybe she’s just thinking about Treasure」については「単に宝のことを考えているのかもしれない」がより原文に沿った訳なのは分かってるんだけど、なーんか日本語にすると唐突感が否めなくて、色々付け加えてしまった。
余談6:金曜日 《怒り狂う長剣歯/Raging Swordtooth》
サーベルトゥース(Sabertooth)かと思ったらソードトゥース(Swordtooth)だった。
ちなみにマジックだと前者の訳には《剣歯虎/Sabretooth Tiger》や《野良剣歯猫/Sabertooth Alley Cat》などがある……つまりマジック世界では「サーベル = 剣」であり「ソード = 長剣」である(短絡的)。
さらに余談として、ソートゥース(Sawtooth)なんてのもいる。日本語訳は「鋸歯」。聞き覚えがないから最近のカード名かと思ったらウェザーライト(1997年)やプレーンシフト(2001年)のカードだった。それぞれ《鋸歯のオーガ/Sawtooth Ogre》と《鋸歯のアビ/Sawtooth Loon》。
余談7:宣伝
先日、ここで宣伝した短編の続きが現在進行中。
カクヨム:女騎士と四畳半と行方知れずの大賢者・前日譚
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884212302
前日譚というより別視点からの同じ話と言ったほうが正しい。元となってる短編を先に読まないと意味が分からない(はず)なのであらためてリンクを張っておく。
カクヨム:女騎士と四畳半と行方知れずの大賢者
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884139680
余談1:今週のCard of the Dayのテーマ
イクサランの新カードたちが紹介されたもよう。それ以上でも以下でもないと思う。あえて言えば固有名詞のない神話レアよりレアリティが低い「庶民的な」カードと言えるかも……いや、そんなことないか。
余談2:月曜日 《原初の呪物/Primal Amulet》
「Amulet(アミュレット)」と書いて「呪物(じゅぶつ)」と読む。うーん……新しい。ちなみに過去の「Amulet(アミュレット)」たちの訳はというと……
・《クルーグの護符/Amulet of Kroog》
・《強欲の護符/Avarice Amulet》
・《旅行者の護符/Traveler’s Amulet》
・《消滅の護符/Amulet of Unmaking》
・《精力の護符/Amulet of Vigor》
・《覆い石の護符/Veilstone Amulet》
護符と訳さなかったのはイラストが理由かしら。
カードイラスト:《原初の呪物/Primal Amulet》
https://magiccards.info/xln/en/243a.html
個人的に「護符」というとお札みたいなものを想像するので、このあからさまに石っぽいお守りだと名称がそぐわないと思われたのかな……と思いきや。
カードイラスト:《クルーグの護符/Amulet of Kroog》
https://magiccards.info/5e/en/347.html
カードイラスト:《強欲の護符/Avarice Amulet》
https://magiccards.info/m15/en/212.html
全部、石だった。なんで今回だけ変えたんだろ。不思議。
余談3:火曜日 《凶暴な踏みつけ/Savage Stomp》
訳の話。
カッコ内の追記も訳しづらかったけど、どちらかというと悩んだのは終盤にある「Dinosaury」と「Double win」の2つ。いや、なんとなく意味は分かるんだ。ただどう訳すかというのが。
「Dinosaury」は、造語かな。多分「Dinosaurish」でも良かったんだと思う。「恐竜を対象にしているとマナが軽くなること」を指しての「a lot more Dinosaury」らしい。「恐竜というクリーチャータイプを優遇しているシナジーとなるカード」というルール的な話より、もっとシンプルに「恐竜っぽいね」でいいんじゃないかな……と思ったのでそう訳した。
「Double win」は「一石二鳥」とか「一粒で二度おいしい」とか浮かんだけど、文章を読む限り、そういう「1枚のカードで2つの効果を生み出す」という話ではなく「2つの点で過去の似たカードより優れている」という話のようだったので「上位互換」という単語を使いながら訳してみた。
余談4:水曜日 《船団呑み/Fleet Swallower》
イラストもカード名も実に豪快なカード。
カードイラスト:《船団呑み/Fleet Swallower》
https://magiccards.info/xln/en/57.html
マジックのフレイバー上では山札は精神を表し、山札破壊は精神的なダメージを与えることを意味する。確かに「船団を丸のみする巨大な魚」を目の当たりにしたら、トラウマになるくらいの精神的ダメージだろうなあ……。
参考:トラウマになるくらいの精神的ダメージ
https://magiccards.info/m14/jp/77.html
余談5:木曜日 《隠れ潜むチュパカブラ/Lurking Chupacabra》
記事でもネタにされてるけど、ホントになんでチュパカブラをマジック世界に登場させようと思ったんだ……と思ったけど、よく考えたらエルフもドワーフもゾンビも吸血鬼も同じか。どれも「リアルワールドで噂されるモンスターの一種」か。あえて言えば存在が囁かれるようになった時期が非常に最近であるということくらい。
関係ないけどチュパカブラの名前はスペイン語で「チュパ = 吸う、カブラ = ヤギ」であり、ヤギの体液を吸うものを意味するらしい。スペイン語でも「チュパ」で「吸う」なのか。もしかしてチュッパチャプスってスペイン語なのか。
Wikipedia:チュパカブラ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%A5%E3%83%91%E3%82%AB%E3%83%96%E3%83%A9
余談6:金曜日 《略奪者の痕跡/Raiders’ Wake》
「Wake」というとどうしても「目覚め」が先に来てしまうけど「航跡、痕跡」という意味もあるのか……あれ? 違うな。名詞だと「航跡、痕跡」で、動詞だと「目覚める、覚醒する」なのかな。なんか難しい。
この日の記事のネタは、昔懐かしい「メグリムジャーコンボ」に絡めたもの。「タップしてサクるとお互い7枚カードを引いて、ターン終了時に手札を全部切る」という豪快なドローアーティファクトの横に「対戦相手は手札を1枚捨てるごとに2ダメージ」というエンチャントを置いておくと相手が死ぬ。
MTG Wikiにも書かれているけど、このコンボの強みは「7枚カード引いたあとにコンボが完成すればオッケー」というもの。そりゃそんだけ引けば、何かしらドロー呪文などを引くから、結果なんとかなる。
あと「お互い7枚引く」って公平に見えるけど、敵のターンにいきなり7枚カード引かされても使えるわけないだろ……大抵の場合、引かされた7枚をそのまま切るし、運が良くて1枚使えるかどうか。ひどい話だ。
ちなみにこの「メグリムジャーコンボ」は超速攻でキーカードの《記憶の壺/Memory Jar》が禁止されたので、被害者は意外と少ない。良かった良かった(ホントか?)
イクサランの新カードたちが紹介されたもよう。それ以上でも以下でもないと思う。あえて言えば固有名詞のない神話レアよりレアリティが低い「庶民的な」カードと言えるかも……いや、そんなことないか。
余談2:月曜日 《原初の呪物/Primal Amulet》
「Amulet(アミュレット)」と書いて「呪物(じゅぶつ)」と読む。うーん……新しい。ちなみに過去の「Amulet(アミュレット)」たちの訳はというと……
・《クルーグの護符/Amulet of Kroog》
・《強欲の護符/Avarice Amulet》
・《旅行者の護符/Traveler’s Amulet》
・《消滅の護符/Amulet of Unmaking》
・《精力の護符/Amulet of Vigor》
・《覆い石の護符/Veilstone Amulet》
護符と訳さなかったのはイラストが理由かしら。
カードイラスト:《原初の呪物/Primal Amulet》
https://magiccards.info/xln/en/243a.html
個人的に「護符」というとお札みたいなものを想像するので、このあからさまに石っぽいお守りだと名称がそぐわないと思われたのかな……と思いきや。
カードイラスト:《クルーグの護符/Amulet of Kroog》
https://magiccards.info/5e/en/347.html
カードイラスト:《強欲の護符/Avarice Amulet》
https://magiccards.info/m15/en/212.html
全部、石だった。なんで今回だけ変えたんだろ。不思議。
余談3:火曜日 《凶暴な踏みつけ/Savage Stomp》
訳の話。
原文:
Not only did Hunt the Weak get a little (sometimes a lot) cheaper, but it also got a lot more Dinosaury. That’s a double win.
拙訳:
《弱者狩り/Hunt the Weak》が少し(時には大きく)マナコストを下げただけでなく、さらに恐竜っぽさまで得たというわけで、二重の意味で上位互換だね。
カッコ内の追記も訳しづらかったけど、どちらかというと悩んだのは終盤にある「Dinosaury」と「Double win」の2つ。いや、なんとなく意味は分かるんだ。ただどう訳すかというのが。
「Dinosaury」は、造語かな。多分「Dinosaurish」でも良かったんだと思う。「恐竜を対象にしているとマナが軽くなること」を指しての「a lot more Dinosaury」らしい。「恐竜というクリーチャータイプを優遇しているシナジーとなるカード」というルール的な話より、もっとシンプルに「恐竜っぽいね」でいいんじゃないかな……と思ったのでそう訳した。
「Double win」は「一石二鳥」とか「一粒で二度おいしい」とか浮かんだけど、文章を読む限り、そういう「1枚のカードで2つの効果を生み出す」という話ではなく「2つの点で過去の似たカードより優れている」という話のようだったので「上位互換」という単語を使いながら訳してみた。
余談4:水曜日 《船団呑み/Fleet Swallower》
イラストもカード名も実に豪快なカード。
カードイラスト:《船団呑み/Fleet Swallower》
https://magiccards.info/xln/en/57.html
マジックのフレイバー上では山札は精神を表し、山札破壊は精神的なダメージを与えることを意味する。確かに「船団を丸のみする巨大な魚」を目の当たりにしたら、トラウマになるくらいの精神的ダメージだろうなあ……。
参考:トラウマになるくらいの精神的ダメージ
https://magiccards.info/m14/jp/77.html
余談5:木曜日 《隠れ潜むチュパカブラ/Lurking Chupacabra》
記事でもネタにされてるけど、ホントになんでチュパカブラをマジック世界に登場させようと思ったんだ……と思ったけど、よく考えたらエルフもドワーフもゾンビも吸血鬼も同じか。どれも「リアルワールドで噂されるモンスターの一種」か。あえて言えば存在が囁かれるようになった時期が非常に最近であるということくらい。
関係ないけどチュパカブラの名前はスペイン語で「チュパ = 吸う、カブラ = ヤギ」であり、ヤギの体液を吸うものを意味するらしい。スペイン語でも「チュパ」で「吸う」なのか。もしかしてチュッパチャプスってスペイン語なのか。
Wikipedia:チュパカブラ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%A5%E3%83%91%E3%82%AB%E3%83%96%E3%83%A9
余談6:金曜日 《略奪者の痕跡/Raiders’ Wake》
「Wake」というとどうしても「目覚め」が先に来てしまうけど「航跡、痕跡」という意味もあるのか……あれ? 違うな。名詞だと「航跡、痕跡」で、動詞だと「目覚める、覚醒する」なのかな。なんか難しい。
この日の記事のネタは、昔懐かしい「メグリムジャーコンボ」に絡めたもの。「タップしてサクるとお互い7枚カードを引いて、ターン終了時に手札を全部切る」という豪快なドローアーティファクトの横に「対戦相手は手札を1枚捨てるごとに2ダメージ」というエンチャントを置いておくと相手が死ぬ。
MTG Wikiにも書かれているけど、このコンボの強みは「7枚カード引いたあとにコンボが完成すればオッケー」というもの。そりゃそんだけ引けば、何かしらドロー呪文などを引くから、結果なんとかなる。
あと「お互い7枚引く」って公平に見えるけど、敵のターンにいきなり7枚カード引かされても使えるわけないだろ……大抵の場合、引かされた7枚をそのまま切るし、運が良くて1枚使えるかどうか。ひどい話だ。
ちなみにこの「メグリムジャーコンボ」は超速攻でキーカードの《記憶の壺/Memory Jar》が禁止されたので、被害者は意外と少ない。良かった良かった(ホントか?)
今週のCard of the Day (2017年09月 第3週) とか
2017年9月17日 週のまとめ余談1:今週のCard of the Dayのテーマ
イクサランの新カードたち。月曜から、恐竜、海賊、海賊と新たにフィーチャーされた種族が紹介されてた……と言い切れるほど明確にテーマ性があったわけでもないか。3日分しかないし。
そうそう。なぜか14日と15日が休みだった。特にアメリカの祝祭日があったわけでもなく、2015年や2016年は普通にこれらの日は更新されてるのでウィザーズ社の固有の休みでもなさそう。
もしかしたら新作のリリースイベントとか、そういう今年特有の何かかもしれない。
余談2:月曜日 《猛竜の幼生/Raptor Hatchling》
名前を見てるとハースストーンの「1マナ 2/1 で墓地に落ちたときに山札に『1マナ 4/3』を加える」という恐竜を思い出す。
《ラプターの幼生/Small Raptor》(リンク先は英語)
https://hearthstone.gamepedia.com/Raptor_Hatchling
ところでこの幼生は赤クリーチャーなのにダメージを食らった際に駆けつけて来るのは緑の恐竜なのね。なんか不思議。同じ種族じゃないのかな……複雑な生態を感じる。
余談3:火曜日 《秘宝探究者、ヴラスカ/Vraska, Relic Seeker》
名前を見て「Sa・Ga2 秘宝伝説」を思い出した人が他にもいると信じてる。
1文目は簡単で悩むこともなかった。2文目でいきなり難易度が跳ね上がった。
てっきり最初は「1文目:すごい海賊っぽくなったよね」を受けての「2文目:後追いで当時も海賊だったってことに今からなるかもね」というクリーチャータイプ的な話かと思ったけど、そもそもこの最新のカードでも海賊のタイプは獲得してない。
「~ be attribute to A」で「Aが原因で~になった」というような意味なのに「A = 彼女が当時海賊になった」となっているように読めたので「彼女が当時海賊になった理由が今の能力が海賊寄りになったから???」と混乱した。
最終的には「こう訳せば日本語の意味が通る」という逆算的な逃げの訳でとりあえず終わらせておいた。この次の水曜日の記事といい、3日分しかないのに悩んだ時間は並みの5日分の倍近い気がする。
余談4:水曜日 《蠱惑的な船員/Captivating Crew》
訳が難しかった。いや、むしろいまだに訳せてるかどうかよく分からない。
色々あるんだけど一言でいえば「when this Pirate min-maxed toward charisma」に凝縮される。なんだよ「min-max」って……なんか調べるとゲームでの定石とかTRPGでのキャラメイクとかいろいろ出てきたよ。
調べた限りで分かったことをまとめると「自分の弱みを最小に、強みを最大に見せること」らしい。うーん。つまり「虚勢を張る」とか「ハッタリで乗り切る」とかそういう感じ?
この最大の難所だけでも乗り切れるか分からないのに、どういう位置関係にあるのか分からない登場人物たち(his party, charisma, ogres)がわんさか周りを固めていて、もうしっちゃかめっちゃか。
イラストにオーガっぽい生物がいること、船員ということは当然仲間のクルーがいるはずということ、能力を使う相手は敵対する勢力のはずということ、などを推測して、勝手に脳内ストーリーを作り上げた結果が上記の拙訳で、原文にない単語を追加した、とかそんな生易しいレベルではない意訳となってる。
ああ、そうそう。他に比べたらどうでもいいレベルの悩みだけど「love-struck schoolboys」も面倒だった。「学生」という単語を入れられないか試みたのはほんの一瞬で、すぐ諦めた。
イクサランの新カードたち。月曜から、恐竜、海賊、海賊と新たにフィーチャーされた種族が紹介されてた……と言い切れるほど明確にテーマ性があったわけでもないか。3日分しかないし。
そうそう。なぜか14日と15日が休みだった。特にアメリカの祝祭日があったわけでもなく、2015年や2016年は普通にこれらの日は更新されてるのでウィザーズ社の固有の休みでもなさそう。
もしかしたら新作のリリースイベントとか、そういう今年特有の何かかもしれない。
余談2:月曜日 《猛竜の幼生/Raptor Hatchling》
名前を見てるとハースストーンの「1マナ 2/1 で墓地に落ちたときに山札に『1マナ 4/3』を加える」という恐竜を思い出す。
《ラプターの幼生/Small Raptor》(リンク先は英語)
https://hearthstone.gamepedia.com/Raptor_Hatchling
ところでこの幼生は赤クリーチャーなのにダメージを食らった際に駆けつけて来るのは緑の恐竜なのね。なんか不思議。同じ種族じゃないのかな……複雑な生態を感じる。
余談3:火曜日 《秘宝探究者、ヴラスカ/Vraska, Relic Seeker》
名前を見て「Sa・Ga2 秘宝伝説」を思い出した人が他にもいると信じてる。
原文:
Vraska’s abilities have become distinctly more Pirate-y since we last saw her on Ravnica. This can likely be attributed to her becoming a Pirate during that time.
拙訳:
ヴラスカの能力ときたら最後にラヴニカで見た頃に比べると随分とまあ海賊っぽくなったものだ。まさに当時が海賊になりかけだったってことになるのかもしれないね。
1文目は簡単で悩むこともなかった。2文目でいきなり難易度が跳ね上がった。
てっきり最初は「1文目:すごい海賊っぽくなったよね」を受けての「2文目:後追いで当時も海賊だったってことに今からなるかもね」というクリーチャータイプ的な話かと思ったけど、そもそもこの最新のカードでも海賊のタイプは獲得してない。
「~ be attribute to A」で「Aが原因で~になった」というような意味なのに「A = 彼女が当時海賊になった」となっているように読めたので「彼女が当時海賊になった理由が今の能力が海賊寄りになったから???」と混乱した。
最終的には「こう訳せば日本語の意味が通る」という逆算的な逃げの訳でとりあえず終わらせておいた。この次の水曜日の記事といい、3日分しかないのに悩んだ時間は並みの5日分の倍近い気がする。
余談4:水曜日 《蠱惑的な船員/Captivating Crew》
訳が難しかった。いや、むしろいまだに訳せてるかどうかよく分からない。
原文:
His party may have laughed at him when this Pirate min-maxed toward charisma, but now he even has Ogres fawning over him like love-struck schoolboys.
拙訳:
この船員の仲間たちは大笑いしたもんだ。何しろオーガたちのボスに向かって、逆に威張り散らすなんて無茶を始めたんだからね。ところが敵の子分のオーガたちさえまるで恋に落ちたかのようにいきなり彼のご機嫌を取り始めたのを見たら、その笑いも引っ込んだってなもんさ。
色々あるんだけど一言でいえば「when this Pirate min-maxed toward charisma」に凝縮される。なんだよ「min-max」って……なんか調べるとゲームでの定石とかTRPGでのキャラメイクとかいろいろ出てきたよ。
調べた限りで分かったことをまとめると「自分の弱みを最小に、強みを最大に見せること」らしい。うーん。つまり「虚勢を張る」とか「ハッタリで乗り切る」とかそういう感じ?
この最大の難所だけでも乗り切れるか分からないのに、どういう位置関係にあるのか分からない登場人物たち(his party, charisma, ogres)がわんさか周りを固めていて、もうしっちゃかめっちゃか。
イラストにオーガっぽい生物がいること、船員ということは当然仲間のクルーがいるはずということ、能力を使う相手は敵対する勢力のはずということ、などを推測して、勝手に脳内ストーリーを作り上げた結果が上記の拙訳で、原文にない単語を追加した、とかそんな生易しいレベルではない意訳となってる。
ああ、そうそう。他に比べたらどうでもいいレベルの悩みだけど「love-struck schoolboys」も面倒だった。「学生」という単語を入れられないか試みたのはほんの一瞬で、すぐ諦めた。
今週のCard of the Day (2017年09月 第2週) とか
2017年9月10日 週のまとめ余談1:今週のCard of the Dayのテーマ
イクサランの新カードたちの紹介。月曜日と水曜日が恐竜、火曜日が宝物トークン、木曜日がマーフォーク、金曜日が吸血鬼。どれもイクサランを代表する存在。
余談2:月曜日 《太陽の化身、ギシャス/Gishath, Sun’s Avatar》
アバターと言うといまだに《現し身/Personal Incarnation》が浮かんでしまう古参、という昔話はさておき訳の話。
「Jolly」ってあまり仕事では使わない英語だなあ、とか思いながら訳してた。まあ、それより難しかったのは「it’s time to」だけど。
<没案1>
心躍る恐竜シナジーを求めているって?
じゃあ、今こそ太陽の化身を崇めよう!
<没案2>
心躍る恐竜シナジーを求め始めたなら、
それすなわち太陽の化身を崇め始めるべきときさ!
なんとでも訳せる……そしてどれもしっくりこない気がしてしまう。そんな袋小路にはまりかけた。英語で「Timing」を使ってないのに「タイミング」という訳を使うのはちょっと抵抗あったけど、まあいいか。
余談3:火曜日 《富の享楽/Revel in Riches》
このカードの公式リリースノート(旧名 FAQ)が面白かったので紹介。なお実際は4つくらい箇条書きで紹介されてる中の4つ目の部分。こういう「遊び」が公式FAQに混ざってしまうの個人的にはすごい好き。
余談4:水曜日 《突き刺すケラトプス/Goring Ceratops》
7マナ 3/3 と聞くと、いくら能力が強くてもそりゃないよ、と思ってしまう。でもよく考えてみたら攻撃時は二段攻撃だから実質的に 7マナ 6/3 か。それなら……うーん?
どうでもいいけど「ケラトプス」という名を見て、本当にいまさらながら「トリケラトプスの名前は3本角だから Tri- のケラトプスなのか」と気づいた。
この訳を読んだら「なるほど、原文ではチェックメイトって言葉が使われてるのか」って思われそう。大人しく「ゲームオーバー」って訳すべきだったかなあ。
でも自分が両方の恐竜をそろえる側(勝つ側)なのに「ゲームオーバー」はちょっと違うかなあ、と思った。日本語の「ゲームオーバー」は「全滅、失敗、負け」の意味合いが強いと思う……たぶん。
余談5:木曜日 《轟く声、ティシャーナ/Tishana, Voice of Thunder》
カード名の「Thunder」は「かみなり」とは訳さないんだな、と思った。「雷鳴」とか使っちゃいそう。
ところでこのころはまだMTG Wikiにカードデータがなくて手打ちで書いてたんだけど「轟く声、ティシャーナのパワーとタフネスは、それぞれあなたの手札にあるカードの枚数に人惜しい。」ってなってた(修正済み)。
訳の話。
後半の「safe to」の部分をバッサリ切った。「~と考えても間違いじゃないよね」とか「~と考えても問題ないはずだ」とか訳せばいいかな、と試してはみたんだけど、しっくりこなくて……無いほうがシンプルにまとまる気がした。
余談6:金曜日 《薄暮の使徒、マーブレン・フェイン/Mavren Fein, Dusk Apostle》
これ、攻撃するだけで仲間が増えてくのか。なんか……違和感あるな。相手にダメージを与えたら、とか、ブロックしたりされたりしたら、というと「戦闘があってその最中に眷属を増やす機会があったのかな」と思うんだけど。
出陣するとどこからともなく志を同じくする仲間が現れて「俺も参戦するぜ」とそのまま戦闘に合流する……というのは、義勇軍っぽい気がする。個人的にはあまり吸血鬼の増え方っぽくないというか。
まあいいや。そのほうが強いし。訳の話。
自然な日本語に訳せなかった。でも意味は合ってると思う。
とにかく「the legendary face of mono-white Vampires」が難しかった。かつこれに「初めての」をくっつけないといけない。結局はほぼそのまま訳して、語順を整えて……でもイマイチ自然な日本語じゃないような。
あと「顔となる伝説のクリーチャー」であり「白単色の吸血鬼たちの顔となる存在」なんだけど、これ「初めて」がどこにかかってるのかよく分からない。多分「白単色 かつ 伝説 かつ 吸血鬼 のクリーチャー」が初ということでいいんだよね……「顔となる」は関係ないよね……
余談7:宣伝
カクヨムの「日帰りファンタジー」短編コンテストの作品を宣伝する。
女騎士と四畳半と行方知れずの大賢者
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884139680
イクサランの新カードたちの紹介。月曜日と水曜日が恐竜、火曜日が宝物トークン、木曜日がマーフォーク、金曜日が吸血鬼。どれもイクサランを代表する存在。
余談2:月曜日 《太陽の化身、ギシャス/Gishath, Sun’s Avatar》
アバターと言うといまだに《現し身/Personal Incarnation》が浮かんでしまう古参、という昔話はさておき訳の話。
原文:
When you’re looking for some jolly Dinosaur cooperation, it’s time to praise the Sun’s Avatar.
拙訳:
心躍る恐竜シナジーを求めているって? どうやら太陽の化身を崇めるタイミングが来たようだね!
「Jolly」ってあまり仕事では使わない英語だなあ、とか思いながら訳してた。まあ、それより難しかったのは「it’s time to」だけど。
<没案1>
心躍る恐竜シナジーを求めているって?
じゃあ、今こそ太陽の化身を崇めよう!
<没案2>
心躍る恐竜シナジーを求め始めたなら、
それすなわち太陽の化身を崇め始めるべきときさ!
なんとでも訳せる……そしてどれもしっくりこない気がしてしまう。そんな袋小路にはまりかけた。英語で「Timing」を使ってないのに「タイミング」という訳を使うのはちょっと抵抗あったけど、まあいいか。
余談3:火曜日 《富の享楽/Revel in Riches》
このカードの公式リリースノート(旧名 FAQ)が面白かったので紹介。なお実際は4つくらい箇条書きで紹介されてる中の4つ目の部分。こういう「遊び」が公式FAQに混ざってしまうの個人的にはすごい好き。
原文:
If the second ability of Revel in Riches causes you to win the game, please refrain from throwing your Treasure tokens into the air as this may distract or injure other players.
日本語訳:
《富の享楽》の2つ目の能力によってあなたがゲームに勝利したとしても、宝物・トークンを撒き散らさないこと。他のプレイヤーの迷惑であり、怪我につながる恐れもある。
引用元:http://mtg-jp.com/rules/docs/faq_xln_j.html
余談4:水曜日 《突き刺すケラトプス/Goring Ceratops》
7マナ 3/3 と聞くと、いくら能力が強くてもそりゃないよ、と思ってしまう。でもよく考えてみたら攻撃時は二段攻撃だから実質的に 7マナ 6/3 か。それなら……うーん?
どうでもいいけど「ケラトプス」という名を見て、本当にいまさらながら「トリケラトプスの名前は3本角だから Tri- のケラトプスなのか」と気づいた。
原文:
If you’ve got Regisaur Alpha on the board before this comes goring into battle, it’s probably safe to call it ”game over.”
拙訳:
コイツが相手を突き刺そうと登場したとき《レギサウルスの頭目/Regisaur Alpha》がすでに場に出てたなら、そりゃもう「詰み」って言っていいと思うよ。
この訳を読んだら「なるほど、原文ではチェックメイトって言葉が使われてるのか」って思われそう。大人しく「ゲームオーバー」って訳すべきだったかなあ。
でも自分が両方の恐竜をそろえる側(勝つ側)なのに「ゲームオーバー」はちょっと違うかなあ、と思った。日本語の「ゲームオーバー」は「全滅、失敗、負け」の意味合いが強いと思う……たぶん。
余談5:木曜日 《轟く声、ティシャーナ/Tishana, Voice of Thunder》
カード名の「Thunder」は「かみなり」とは訳さないんだな、と思った。「雷鳴」とか使っちゃいそう。
ところでこのころはまだMTG Wikiにカードデータがなくて手打ちで書いてたんだけど「轟く声、ティシャーナのパワーとタフネスは、それぞれあなたの手札にあるカードの枚数に人惜しい。」ってなってた(修正済み)。
訳の話。
原文:
While Kruphix and Tishana definitely don’t know each other, it’s safe to assume they would get along well if they ever met.
拙訳:
クルフィックスとティシャーナは間違いなく互いに面識ないだろうけど、会わせたらきっと意気投合するだろうなあ。
後半の「safe to」の部分をバッサリ切った。「~と考えても間違いじゃないよね」とか「~と考えても問題ないはずだ」とか訳せばいいかな、と試してはみたんだけど、しっくりこなくて……無いほうがシンプルにまとまる気がした。
余談6:金曜日 《薄暮の使徒、マーブレン・フェイン/Mavren Fein, Dusk Apostle》
これ、攻撃するだけで仲間が増えてくのか。なんか……違和感あるな。相手にダメージを与えたら、とか、ブロックしたりされたりしたら、というと「戦闘があってその最中に眷属を増やす機会があったのかな」と思うんだけど。
出陣するとどこからともなく志を同じくする仲間が現れて「俺も参戦するぜ」とそのまま戦闘に合流する……というのは、義勇軍っぽい気がする。個人的にはあまり吸血鬼の増え方っぽくないというか。
まあいいや。そのほうが強いし。訳の話。
原文:
Here he is: the legendary face of mono-white Vampires, a first for Magic after almost 25 years.
拙訳:
こいつが、そう、25年近くに及ぶマジックの歴史で初の、白単色の吸血鬼の顔となる伝説のクリーチャーだ!
自然な日本語に訳せなかった。でも意味は合ってると思う。
とにかく「the legendary face of mono-white Vampires」が難しかった。かつこれに「初めての」をくっつけないといけない。結局はほぼそのまま訳して、語順を整えて……でもイマイチ自然な日本語じゃないような。
あと「顔となる伝説のクリーチャー」であり「白単色の吸血鬼たちの顔となる存在」なんだけど、これ「初めて」がどこにかかってるのかよく分からない。多分「白単色 かつ 伝説 かつ 吸血鬼 のクリーチャー」が初ということでいいんだよね……「顔となる」は関係ないよね……
余談7:宣伝
カクヨムの「日帰りファンタジー」短編コンテストの作品を宣伝する。
女騎士と四畳半と行方知れずの大賢者
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884139680
余談1:今週のCard of the Dayのテーマ
どうやら「次のローテーションで落ちるカード」がテーマだったもよう。今年の10月にイクサランが発売されることで「戦乱のゼンディカー、ゲートウォッチの誓い、イニストラードを覆う影、異界月」が落ちるらしい。その注意喚起の意味もあったのかな。いや、さすがに考えすぎか。
余談2:月曜日 《難題の予見者/Thought-Knot Seer》
訳の話。
難しかった。まずは前半部分。
「the eternities they spawn」というのが何なのか分からなかったので調べてみたら、どうやらエルドラージたちの生まれ故郷が「久遠の闇」という場所らしいと分かった。
えーと、つまりエルドラージの目は(他人の精神すら見通せるけど)生まれ故郷の闇は見通せない……いやいや、待て待て、この解釈はなんかおかしい気がする。そんなわけあるか。
じゃあどう訳そう。うーん……「can pierce straight into」ってあるから「貫き通せる」んだよな。ところが生まれ故郷は「久遠の」闇なんだから貫き通しきれない、ってことなんじゃないかと勝手に解釈してみた。
よし、次。(よくない)
後半部分の「このカードは遠からずスタンダード落ちしてしまう。だからその恐ろしい視線も恐れる必要はなくなる」という内容を「ローテーションという力が視線を遮る」みたいな文章で言い表している。それは分かる。どう訳すか。
あらためて自分の訳を見ると「その視線は近いうちにブロックされてしまうようだ」より、もっと日本語に寄せて「その視線は近いうちに遮られてしまうようだ」の方が良かったかなー、と思わないでもない。
余談3:火曜日 《大天使アヴァシン/Archangel Avacyn》
これを訳すためにアヴァシンの背景ストーリー(のダイジェスト版)をあらためて MTG Wiki で読み返してみたけど、ホント可哀想だな……登場人物全員が可哀想だ。なんでこんな話にしようと思ったんだろ。なんかこの……まあいいや。訳の話。
ポイントは「Avacyn herself has been unmade の unmade」、「she survives figuratively through a collar の figuratively」の2つ。まずは「unmade」について。
作られた(= made)存在であるアヴァシンが unmade される。なんと訳すか。「解体される」は変だよね(これがハースストーンだったら「ダスト化する」で済むんだけど)。さて、どうするか。色々考えたり背景ストーリーをチェックしたりして出した結論が「作った人が破壊する」という訳。
次の「figuratively」は、名詞でもなく、動詞でもない。つまり「象徴」でもなく「象徴する」でもなく「象徴的な、象徴的に」という感じにすべきなのかな。ふむふむ……(試行錯誤中)……それは無理です。諦めた結果が上記の訳。「survives figuratively」を「象徴的に生き残る」ではなくて「象徴としてこれからも生き続ける」という形。
原文の持つどこか空虚な切なさが伝わるといいんだけど。
余談4:水曜日 《絶え間ない飢餓、ウラモグ/Ulamog, the Ceaseless Hunger》
訳の話。
いわゆるジョーク的な記事で「ライブラリーを破壊するような奴は、当然だけどライブラリーがある土地からは出入禁止の扱いを受けるよね」というネタ。
ちょっとだけ迷ったのは後半部分の初めにある「but it’s possible ~」の「possible」の扱い。これは何が可能なのか。「彼がゼンディカーにいる理由を推測するが可能」なのか「彼が他の地にいることが出来ず唯一ゼンディカーにいることだけが可能」なのか。
上記の拙訳は(文章の流れからの推測で)前者の解釈で訳してるけど、素直に読むと後者なんじゃないかなあ、と思わないでもない。訳しづらいから前者にしたけど。
余談5:木曜日 《完成態の講師/Docent of Perfection》
訳の話。
訳というかなんというか……要は斜線で否定されている部分を「斜線を使って訳すか」「使わずに訳すか」というだけの話。しかし Card of the Day で斜線が使われてるの珍しいな。知ってる限りだと初めてな気がする。
余談6:金曜日 《スレイベンの検査官/Thraben Inspector》
スタンダードの構築で活躍したコモンの1マナクリーチャーか。昔使ってた赤単スライだと《モグの狂信者/Mogg Fanatic》がいたな。コストは(赤)で、サクると1点ダメージを好きな場所に飛ばせる1/1クリーチャー。
出た当初は2/2と相打ちとれなかったけど、それでも強かった。第6版のルール改定(スタックの導入)で2/2と相打ちとれるようになりさらに強くなった。えーと……今は無理なのか。もう最新のルールよく分かってないな。
こいつ以外で、スタンダードで第一線を張ることのできた1マナでコモンのクリーチャーというと……誰かいるかな……あああ、なんで忘れてたんだ、《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》だ。緑の1ターン目といえばまずこいつだった。
あと緑で1マナでコモンといえば《クウィリーオン・レインジャー/Quirion Ranger》か。あいつは本当にヤバかった。マナ使わずにクリーチャーをアンタップできる上に、起動コストの「森を手札に戻す」自体がマナ加速になり、回り始めると実にサギ臭い動きを見せてた。
昔話はそれくらいにして訳の話。
ポイントは「a Standard staple」と「managed to pull it off」の2つ。
「a Standard staple」は要はスタンダードデッキによく入っているということ。「Staple」の日本語訳で一番有名なのは多分「ホッチキス」なんだけど、もっと一般的な意味として「固定、定番」。分かりやすくて詳しいサイトがあったので紹介してみる。
REVULB:ホッチキスではない staple はどういう意味?
http://blog.livedoor.jp/yamajun1985/archives/50679916.html
次の「managed to pull it off」は直訳すると「それを引っ張って取るために尽力した」となる(かもしれない)。でも、まあ、文脈的にそんなわけない。じゃあどういう訳になるか……というわけで Google 先生に聞いてみた。
「He managed to pull it off でどんな意味になります?」
「彼はそれを取り除くことができた、かな」
「へえ、それだと意味とおりますね。ありがとうございました」
※ 参考:Google翻訳:He managed to pull it off
https://translate.google.co.jp/?hl=ja#en/ja/He%20managed%20to%20pull%20it%20off
最近、Google翻訳の精度がどんどん高まってて逆に不安になる。そういえばAI発達で不要になる職業に翻訳家と通訳があるって噂を聞いたなあ……
どうやら「次のローテーションで落ちるカード」がテーマだったもよう。今年の10月にイクサランが発売されることで「戦乱のゼンディカー、ゲートウォッチの誓い、イニストラードを覆う影、異界月」が落ちるらしい。その注意喚起の意味もあったのかな。いや、さすがに考えすぎか。
余談2:月曜日 《難題の予見者/Thought-Knot Seer》
訳の話。
原文:
While the eternities they spawn from may be blind, the Eldrazi themselves have eyes that can pierce straight into a player’s mind.
Fortunately, a mystical force known as ”Standard rotation” will soon block this invasive ability.
拙訳:
その生まれ故郷である久遠の闇はその果てしなさから見通すことができないかもしれないが、それ以外であればエルドラージたちは大抵のものを見透かしてしまう。そう、例えば人の精神までもね。
ありがたいことに「スタンダード・ローテーション」と呼ばれる摩訶不思議な力によってその視線は近いうちにブロックされてしまうようだ。
難しかった。まずは前半部分。
「the eternities they spawn」というのが何なのか分からなかったので調べてみたら、どうやらエルドラージたちの生まれ故郷が「久遠の闇」という場所らしいと分かった。
えーと、つまりエルドラージの目は(他人の精神すら見通せるけど)生まれ故郷の闇は見通せない……いやいや、待て待て、この解釈はなんかおかしい気がする。そんなわけあるか。
じゃあどう訳そう。うーん……「can pierce straight into」ってあるから「貫き通せる」んだよな。ところが生まれ故郷は「久遠の」闇なんだから貫き通しきれない、ってことなんじゃないかと勝手に解釈してみた。
よし、次。(よくない)
後半部分の「このカードは遠からずスタンダード落ちしてしまう。だからその恐ろしい視線も恐れる必要はなくなる」という内容を「ローテーションという力が視線を遮る」みたいな文章で言い表している。それは分かる。どう訳すか。
あらためて自分の訳を見ると「その視線は近いうちにブロックされてしまうようだ」より、もっと日本語に寄せて「その視線は近いうちに遮られてしまうようだ」の方が良かったかなー、と思わないでもない。
余談3:火曜日 《大天使アヴァシン/Archangel Avacyn》
これを訳すためにアヴァシンの背景ストーリー(のダイジェスト版)をあらためて MTG Wiki で読み返してみたけど、ホント可哀想だな……登場人物全員が可哀想だ。なんでこんな話にしようと思ったんだろ。なんかこの……まあいいや。訳の話。
原文:
Though Avacyn herself has been unmade and will soon depart from Standard, she survives figuratively through a collar-Avacyn’s Collar, the symbol of her church.
拙訳:
アヴァシン自身は創造主の手によって破壊され、カードもまた遠からずスタンダードを去る。しかし象徴としての彼女はこれからも生き続けるだろう。そう、首飾りが……彼女の教会の象徴であるアヴァシンの首飾りがある限り。
ポイントは「Avacyn herself has been unmade の unmade」、「she survives figuratively through a collar の figuratively」の2つ。まずは「unmade」について。
作られた(= made)存在であるアヴァシンが unmade される。なんと訳すか。「解体される」は変だよね(これがハースストーンだったら「ダスト化する」で済むんだけど)。さて、どうするか。色々考えたり背景ストーリーをチェックしたりして出した結論が「作った人が破壊する」という訳。
次の「figuratively」は、名詞でもなく、動詞でもない。つまり「象徴」でもなく「象徴する」でもなく「象徴的な、象徴的に」という感じにすべきなのかな。ふむふむ……(試行錯誤中)……それは無理です。諦めた結果が上記の訳。「survives figuratively」を「象徴的に生き残る」ではなくて「象徴としてこれからも生き続ける」という形。
原文の持つどこか空虚な切なさが伝わるといいんだけど。
余談4:水曜日 《絶え間ない飢餓、ウラモグ/Ulamog, the Ceaseless Hunger》
訳の話。
原文:
No one is sure what happened to Ulamog to make him hate libraries so much, but it’s possible he was only on Zendikar because he was banned from Leng, Lat-Nam, and Alexandria.
拙訳:
何がウラモグをここまでライブラリー破壊に駆り立てたのか、それは誰にも分からない。でも、なぜライブラリーを憎む彼がゼンディカーの地にとどまっていたのかは想像がつくよ。多分だけど、アレクサンドリアやレンやラト・ナムといった他の地から出入り禁止をくらったからだろうね。
いわゆるジョーク的な記事で「ライブラリーを破壊するような奴は、当然だけどライブラリーがある土地からは出入禁止の扱いを受けるよね」というネタ。
ちょっとだけ迷ったのは後半部分の初めにある「but it’s possible ~」の「possible」の扱い。これは何が可能なのか。「彼がゼンディカーにいる理由を推測するが可能」なのか「彼が他の地にいることが出来ず唯一ゼンディカーにいることだけが可能」なのか。
上記の拙訳は(文章の流れからの推測で)前者の解釈で訳してるけど、素直に読むと後者なんじゃないかなあ、と思わないでもない。訳しづらいから前者にしたけど。
余談5:木曜日 《完成態の講師/Docent of Perfection》
訳の話。
原文:
Even though thisDelverDocent is leaving Standard soon, it can still find a home in a certain Commander deck that may have just been released.
拙訳:
このデルバー……じゃなくてこの《完成態の講師/Docent of Perfection》も遠からずスタンダードを退場することになるけど、これから盛り上がる予定の統率者の環境で新たな居場所を見つけることができるはずさ。
訳というかなんというか……要は斜線で否定されている部分を「斜線を使って訳すか」「使わずに訳すか」というだけの話。しかし Card of the Day で斜線が使われてるの珍しいな。知ってる限りだと初めてな気がする。
余談6:金曜日 《スレイベンの検査官/Thraben Inspector》
スタンダードの構築で活躍したコモンの1マナクリーチャーか。昔使ってた赤単スライだと《モグの狂信者/Mogg Fanatic》がいたな。コストは(赤)で、サクると1点ダメージを好きな場所に飛ばせる1/1クリーチャー。
出た当初は2/2と相打ちとれなかったけど、それでも強かった。第6版のルール改定(スタックの導入)で2/2と相打ちとれるようになりさらに強くなった。えーと……今は無理なのか。もう最新のルールよく分かってないな。
こいつ以外で、スタンダードで第一線を張ることのできた1マナでコモンのクリーチャーというと……誰かいるかな……あああ、なんで忘れてたんだ、《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》だ。緑の1ターン目といえばまずこいつだった。
あと緑で1マナでコモンといえば《クウィリーオン・レインジャー/Quirion Ranger》か。あいつは本当にヤバかった。マナ使わずにクリーチャーをアンタップできる上に、起動コストの「森を手札に戻す」自体がマナ加速になり、回り始めると実にサギ臭い動きを見せてた。
昔話はそれくらいにして訳の話。
原文:
It’s not often that a one-mana common creature becomes a Standard staple, but this discerning Inspector managed to pull it off.
拙訳:
1マナのコモンクリーチャーがスタンダードの構築デッキの常連になるなんてことはそうそうないんだけど、この分別ある捜査官殿はそんな常識を軽く打ち破ってくれたようだ。
ポイントは「a Standard staple」と「managed to pull it off」の2つ。
「a Standard staple」は要はスタンダードデッキによく入っているということ。「Staple」の日本語訳で一番有名なのは多分「ホッチキス」なんだけど、もっと一般的な意味として「固定、定番」。分かりやすくて詳しいサイトがあったので紹介してみる。
REVULB:ホッチキスではない staple はどういう意味?
http://blog.livedoor.jp/yamajun1985/archives/50679916.html
次の「managed to pull it off」は直訳すると「それを引っ張って取るために尽力した」となる(かもしれない)。でも、まあ、文脈的にそんなわけない。じゃあどういう訳になるか……というわけで Google 先生に聞いてみた。
「He managed to pull it off でどんな意味になります?」
「彼はそれを取り除くことができた、かな」
「へえ、それだと意味とおりますね。ありがとうございました」
※ 参考:Google翻訳:He managed to pull it off
https://translate.google.co.jp/?hl=ja#en/ja/He%20managed%20to%20pull%20it%20off
最近、Google翻訳の精度がどんどん高まってて逆に不安になる。そういえばAI発達で不要になる職業に翻訳家と通訳があるって噂を聞いたなあ……
今週のCard of the Day (2017年08月 第4週) とか
2017年8月27日 週のまとめ余談1:今週のCard of the Dayのテーマ
先週に引き続き、統率者2017のカードの紹介。月曜日だけ先週からの猫ネタを引き継いだあとは全て伝説のクリーチャーたちが取り上げられてた。なんかこの「月曜日だけ毛色が違う」ってことがちょいちょいあるような……ちゃんと統計とってみるかな。
余談2:月曜日 《飢えたオオヤマネコ/Hungry Lynx》
淡々と訳の話。
内包された大量の猫ネタを順番に拾ってみる、パート2
・paw-some
「awesome(素晴らしい)」と「paw(猫の手)」がかかってる
・litter-ally
「literally(実際のところ)」と「litter(トイレの砂)」がかかってる
・kitten around
「kidding around(ふざける)」と「kitten(子猫)」がかかってる
・tabby
「tubby(太り過ぎ、やり過ぎ)」と「tabby(トラ猫)」がかかってる
・send us lynx
「send us link(リンク(情報)を下さい)」と「lynx(山猫)」がかかってる
・cheetahs
「cheater(卑怯者、ズルい奴)」と「cheetah(チーター)」がかかってる
原文通りに訳すことより、文章を全体的に同じ意味にしつつ、同じような位置に「猫ネタ」を放り込む、を試みたのが以下の拙訳。
上記について特に説明することはないけど、ご参考までに猫ネタのためにひっかき集めた単語群だけ紹介しておく。括弧でくくっているのは使用した奴。
キャット、とら、ライオン、【チーター】、ベンガル、メインクーン、ミケ、
ひっかき、しっぽ、【けがわ】、【リンクス】、リュンクス、ねこまた、
スフィンクス、【サーバル】、ツメ、獅子、バケネコ、けだま、【ヒゲ】、
タイガー、パンサー、【ライガー】、鳴き声、ニャー、みゃー、ニャン、キバ
余談3:火曜日 《オジュタイの達人、テイガム/Taigam, Ojutai Master》
最初、原文の「Brightest-timeline」の意味が分からなくて、ネットを色々検索してたらもう1人のテイガム、《シディシの手、テイガム/Taigam, Sidisi’s Hand》について「Darkest-timeline うんぬん」と言及している記事を発見し、そこから芋づる式に関連情報が引き出せて「歴史改変前と後」という情報にたどり着けた。
関係ないけど「Taigam」と言われると「タイガム」って読みたくなる。「Taygam」だったら初見でも「テイガム」って読むところ。まあ、日本語も英語も初見で読めない名前なんて大量にあるか。「麻美さん」を「あさみさん」と読むか「まみさん」と読むかは運試し。それでも「麻美子さん」は「まみこさん」一択になる……って分かるのがネイティブチェックになるんだろうな。
余談4:水曜日 《ドラゴン・エンジン、レイモス/Ramos, Dragon Engine》
見覚えのある名前だと思ったら本当に「あの」レイモスだった。古参としては感慨深いというか、なんか嬉しい。しかしアーティファクト・クリーチャーだったのか……そうか。まあ、昔話はさておき訳の話。
訳しがいがあるのは最初の文章の「to send into maximum gear」と、ラストの「before you try to upshift」だと思う。「こう訳さないといけない」というよりも「どう訳したらカッコいいかな」と思わせてくれる表現というか。
余談5:木曜日 《血滾りの司令官、リシア/Licia, Sanguine Tribune》
ヴァンパイアも「絆魂」という能力でフレイバーを表現できるようになって強くなったなー。黎明期の「ダメージを与えたクリーチャーが同ターンに死亡したら強化される」は、フレイバー的には分かりやすいんだけどカードパワー的にはとにかく弱くなりがちだった。
そこらへんを往年の伝説の吸血鬼たちが語り合ってる座談会ネタが以下。
【翻訳】ヴァンパイアに聞いてみよう!/Interview With Some Vampires【Daily MTG】
原文:http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtgcom/daily/mr215
拙訳:http://regiant.diarynote.jp/201103050019455223/
余談6:金曜日 《シディシの手、テイガム/Taigam, Sidisi’s Hand》
訳の話。
初っ端の「Darkest-timeline」については火曜日の記事で触れているので良いとして、それ以外のポイントとしては「is kind of a jerk」と「as if it needed help」かな。
「Jerk」は、もう「クズ野郎」以外にない。ではその前の「a kind of」はどうしようか。「ある意味」「言ってみれば」「ある種の」「どちらかというと」などの候補がある。どれも同じだろ、という思いをいかにねじ伏せて1つ選ぶか。
「as if it needed help」は、英語の意味はよく分かるしスッと入ってくる……んだけど、さてどう日本語にするか。上記の拙訳は「日本語の訳としては間違ってないけど原文のシンプルさが失われている」という感じで、正直あまり上手い訳だとは思ってない。
先週に引き続き、統率者2017のカードの紹介。月曜日だけ先週からの猫ネタを引き継いだあとは全て伝説のクリーチャーたちが取り上げられてた。なんかこの「月曜日だけ毛色が違う」ってことがちょいちょいあるような……ちゃんと統計とってみるかな。
余談2:月曜日 《飢えたオオヤマネコ/Hungry Lynx》
淡々と訳の話。
原文:
While Cat puns are paw-some, too many could litter-ally kill someone, so it might be time to stop kitten around.
Luckily, this is all we have (though six puns is not too tabby). And please don’t send us lynx to any more; we don’t want to be cheetahs.
内包された大量の猫ネタを順番に拾ってみる、パート2
・paw-some
「awesome(素晴らしい)」と「paw(猫の手)」がかかってる
・litter-ally
「literally(実際のところ)」と「litter(トイレの砂)」がかかってる
・kitten around
「kidding around(ふざける)」と「kitten(子猫)」がかかってる
・tabby
「tubby(太り過ぎ、やり過ぎ)」と「tabby(トラ猫)」がかかってる
・send us lynx
「send us link(リンク(情報)を下さい)」と「lynx(山猫)」がかかってる
・cheetahs
「cheater(卑怯者、ズルい奴)」と「cheetah(チーター)」がかかってる
原文通りに訳すことより、文章を全体的に同じ意味にしつつ、同じような位置に「猫ネタ」を放り込む、を試みたのが以下の拙訳。
拙訳:
猫のダジャレネタは決してヒゲしたものでもないけど、やりすぎると鼻につくきライガある。ここらでこのネタとはおサーバルしたいと思う。
幸か不幸か、ちょうどネタは使い果たしたところだ(ツメ混み過ぎたというほどでもないけどね)。だからもうこれ以上こっそり各種猫ネタへのリンクスを送って来なくていいよ。人のネタをこっそり自分の手柄にするようなケガワらしいことはしたくないからね。
上記について特に説明することはないけど、ご参考までに猫ネタのためにひっかき集めた単語群だけ紹介しておく。括弧でくくっているのは使用した奴。
キャット、とら、ライオン、【チーター】、ベンガル、メインクーン、ミケ、
ひっかき、しっぽ、【けがわ】、【リンクス】、リュンクス、ねこまた、
スフィンクス、【サーバル】、ツメ、獅子、バケネコ、けだま、【ヒゲ】、
タイガー、パンサー、【ライガー】、鳴き声、ニャー、みゃー、ニャン、キバ
余談3:火曜日 《オジュタイの達人、テイガム/Taigam, Ojutai Master》
最初、原文の「Brightest-timeline」の意味が分からなくて、ネットを色々検索してたらもう1人のテイガム、《シディシの手、テイガム/Taigam, Sidisi’s Hand》について「Darkest-timeline うんぬん」と言及している記事を発見し、そこから芋づる式に関連情報が引き出せて「歴史改変前と後」という情報にたどり着けた。
関係ないけど「Taigam」と言われると「タイガム」って読みたくなる。「Taygam」だったら初見でも「テイガム」って読むところ。まあ、日本語も英語も初見で読めない名前なんて大量にあるか。「麻美さん」を「あさみさん」と読むか「まみさん」と読むかは運試し。それでも「麻美子さん」は「まみこさん」一択になる……って分かるのがネイティブチェックになるんだろうな。
余談4:水曜日 《ドラゴン・エンジン、レイモス/Ramos, Dragon Engine》
見覚えのある名前だと思ったら本当に「あの」レイモスだった。古参としては感慨深いというか、なんか嬉しい。しかしアーティファクト・クリーチャーだったのか……そうか。まあ、昔話はさておき訳の話。
原文:
It only takes two other cards to send this Engine into maximum gear: Amulet of Vigor and Door to Nothingness. Just make sure you’ve got five counters on Ramos before you try to upshift.
拙訳:
このカードを最高に生かそうと思うなら他に必要なのはたった2枚のカード、《精力の護符/Amulet of Vigor》と《空虚への扉/Door to Nothingness》だけだ。ただしコンボ開始前にちゃんとカウンターが5個以上のってるかどうかの確認を怠らないようにね。
訳しがいがあるのは最初の文章の「to send into maximum gear」と、ラストの「before you try to upshift」だと思う。「こう訳さないといけない」というよりも「どう訳したらカッコいいかな」と思わせてくれる表現というか。
余談5:木曜日 《血滾りの司令官、リシア/Licia, Sanguine Tribune》
ヴァンパイアも「絆魂」という能力でフレイバーを表現できるようになって強くなったなー。黎明期の「ダメージを与えたクリーチャーが同ターンに死亡したら強化される」は、フレイバー的には分かりやすいんだけどカードパワー的にはとにかく弱くなりがちだった。
そこらへんを往年の伝説の吸血鬼たちが語り合ってる座談会ネタが以下。
【翻訳】ヴァンパイアに聞いてみよう!/Interview With Some Vampires【Daily MTG】
原文:http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtgcom/daily/mr215
拙訳:http://regiant.diarynote.jp/201103050019455223/
余談6:金曜日 《シディシの手、テイガム/Taigam, Sidisi’s Hand》
訳の話。
原文:
Darkest-timeline Taigam is kind of a jerk, but he makes Necropotence even better (as if it needed help).
拙訳:
改変前の歴史のこのテイガムは言ってみればクズ野郎だ。ただ彼がいれば《ネクロポーテンス/Necropotence》の強さをより実感できるはずだ(そもそも強さを実感するのに助けを必要とするカードでもないが)。
初っ端の「Darkest-timeline」については火曜日の記事で触れているので良いとして、それ以外のポイントとしては「is kind of a jerk」と「as if it needed help」かな。
「Jerk」は、もう「クズ野郎」以外にない。ではその前の「a kind of」はどうしようか。「ある意味」「言ってみれば」「ある種の」「どちらかというと」などの候補がある。どれも同じだろ、という思いをいかにねじ伏せて1つ選ぶか。
「as if it needed help」は、英語の意味はよく分かるしスッと入ってくる……んだけど、さてどう日本語にするか。上記の拙訳は「日本語の訳としては間違ってないけど原文のシンプルさが失われている」という感じで、正直あまり上手い訳だとは思ってない。