【翻訳】ミラディン軍、おせっかいを焼かれるの巻/Mirran Meddling【Daily MTG】
Tom LaPille
2011年02月25日
元記事:http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/daily/ld/131
ここ数ヶ月というもの、ミラディン軍とファイレクシア軍のいずれかの陣営を選ぶかということについて語ってきた。
ミラディン包囲戦のプレリリースで選び、Game Day(註)やWar Leagues(註)でまた選ぶ機会があり、そして今それに関するテーマ週間の最終地点にたどり着いたというわけだ。
これらの催しが行われていることを聞いたとき、私はちょっとした自己満足に浸っていた。いや、何しろ私はすでにセットが発売される何ヶ月も前から選択を終えていたんだからね。
しかし君たちとは違う理由から選択を迫られていたと考えるとこれを自慢するのはちょっとずるいことかもしれない。まず、ミラディン包囲戦の開発が4分の3ほど過ぎたあたりでどのようなことが起きていたのか、そこから話を始めようと思う。
この頃、リード・デベロッパーであるErik Lauerは、戦争で対立している2つの陣営がいまいち統一感を欠いているように感じていた。
そこで彼は自身のチームにいる2人のコア・デベロッパーである2人、私とMike Turianに、まずはそれぞれ陣営を選ぶよう指示した。
さらに、全体としてのまとまりをより感じられるよう、1週間のあいだ、それぞれ少数のチームを指揮しつつ選んだ側のコモンとアンコモンに対して取り組むように、とのことだった。
前にも述べたと思うが、私は他のメンバーに比べてリミテッドで感染デッキを組むのがひどく下手だった。これはミラディンの傷跡の開発が始まった頃から、すでにそうだった。
そのようなわけで私にファイレクシア陣営を任されるはずもなく、かつMike自身もファイレクシア陣営を担当したがっていたため、私はミラディン軍を受け持つことになった。
私は陣営だけでなく、何人かの優秀なウィザーズの社員も選ぶことができた。ここに彼らを紹介したいと思う。
この記事の中で、君はプレーンテキストのフォント(註)で書かれた箇所を見かけることになると思う。この箇所にある全ての文はMagic R&D Wikiから直接引っ張ってきたものだ。Magic R&D Wikiというのは今回のミニチームに関する全てを私が納めておいた場所だ。
このWikiはMultiverse(註)ではない。今回のチームが残してきたMultiverse的な資料はセットが印刷の準備へと回される前にフォルダが整理されたことで、ほとんど失われてしまった。
私はチームを始動させるに当たって、まずはCamera(当時、このセットはそう呼ばれていた)の世界では一体何が起きているのかについて、手早く概略をつかんでもらうことにした。
KellyとMarkはR&Dの外部から参加しているので、私はまずは彼らにも私たちと同じだけの情報を共有してもらう必要があったのだ。
実に上手いことやっているだろう。私もそう思う。
Erikは私に3つの目標を与えた。私はそれをそのままチームへと引き渡した。
Erikの目指す目的はもう1つあったが、それはチームへと引き渡されず、秘密のままにされた。
それは、ミラディン軍とファイレクシア軍のカードたちが互いに対立している2つの異なる集団であるということを感じとれるようにしろ、というものだった。
Erikはファイレクシアを担当しているMikeにも、最初に述べた3つの目的を伝えた。そしてMikeと私の仕事の結果によってErikの秘密の目的はこれ以上ないほど達成されたのではないか、と私は考えている。
そうそう。追加の制約が用意されていた。もちろんだ。そうでなければ簡単すぎるだろう。
なお、上記の情報には含まれていないが、追加の制約がもう1つあり、これはミーティングでも皆へ伝えられた。
各色の各レアリティに用意されているスロットの数は固定されている。ミラディン軍に新たな白いカードを追加するためにはファイレクシア軍のカードを1枚取り除く必要があり、それは両派閥のバランスを崩す行為となる。
そのため、もし本当に新規のカードを追加したいのであれば、その代価としてすでに存在している全く同じ色の全く同じレアリティから1枚カードを取り除く必要があるということだ。
この時点ですでにセットの半分はコンセプトデザインが完了していた。これが何を意味するかというと、イラストの指示はすでに作成済みでありイラストは今この時点ですでに承認を得るべく描かれている最中だということだ。
既存のカードに対して望むいかなる変更も、すでに成し遂げられた仕事に対して敬意を払う必要がある。そう、括弧が付けられているということ、それはつまりクリエイティブチームがそのカードのコンセプトを固めた際に残した確かなサインなのだ。
◇◇◇◇ ◇◇◇◇ ◇◇◇◇
私は通常あまり生産的ではないとみなされる方法で最初のミーティングを費やした。
不平不満だ!
私は、まず全ての気に入らない点を一箇所に集めることで、何に取り組まなくていけないかのリストが作れるのではないか、それによってこのあと行う予定の2つのミーティングで必要となる労力を随分と軽減できるのではないか、と判断した。
そのようなわけで、私たちを苛立たせる要素をリスト化したわけだ。これはのちに実に有益な材料となってくれた。私はこの方法で作業を行ったことに安堵している。
集められた苦言の中から目立ったものを以下に並べてみた。プレイテスト時のカード名からもしかしたら実際のどのカードなのか、推測できるかもしれない。
2回目のミーティングで私たちは最後に少しだけ残されていた苦言を集め終えた。それから大量のマイアをテーマとしたカードを作成した。それらの大半は既存のカードを真似ただけの劣化品にすぎなかったが、わずかに含まれていた傑作たちはそのままセットへと収録されることとなった。
3回目となる最後のミーティングでは、変更が必要と思われた一部のカードを私はリストにしてまとめ、Erikへ提出した。
私たちがどのような提案をしたのか、そしてその提案がどのような結果を生み出したかについては、以下に全て語られている。
これを読んでもらえば、私たちのこの1週間に渡る集中的な作業がセットに対して実に劇的な変化をもたらしたことを君たちにも分かってもらえると思う。
最初、チームを担当させてもらったときは、まさかErikが私たちの提案をこれほどまでにセットへ反映してくれるとは思いもよらなかった。
また、このウィザーズという場所で働けることがいかに光栄なことかを、チームメンバーの達成してくれた仕事の質の高さから再確認することができた。
ブランド・マネージャーとウェブサイト担当者さえもがセットの価値を最大限に高めるために現場へ身を投じ自らの手を汚してくれる、そしてそんなときでも最終的に上がってきた製品はただただ素晴らしいものにならざるをえない。
ありがたいことに、プロジェクトを手助けしてくれたこの3人の素晴らしい紳士たちの活躍を君が見られるのはこれが最後ではないらしい。
この3人は今現在まだ公式には発表できないとある製品に携わっている。彼らが今何をしているのかを君たちに伝える日が楽しみでしょうがない。
出来る限り早くお伝えできるよう頑張るよ。
Tom LaPille
2011年02月25日
元記事:http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/daily/ld/131
ここ数ヶ月というもの、ミラディン軍とファイレクシア軍のいずれかの陣営を選ぶかということについて語ってきた。
ミラディン包囲戦のプレリリースで選び、Game Day(註)やWar Leagues(註)でまた選ぶ機会があり、そして今それに関するテーマ週間の最終地点にたどり着いたというわけだ。
(註) Game Day
新しいセットが出た直後にそれを用いて行われるスタンダードの公式大会らしい。
(註) War League
各店舗ごとに開催される、陣営を選んでおこなわれるシールド戦のようなもの。敵対陣営に属するプレイヤーを倒すとステッカーがもらえたり、週1でブースターを買い足してデッキを強化したりできる。
詳細は以下のリンクを参照のこと。(リンク先は英語)
http://www.wizards.com/magic/tcg/events.aspx?x=mtgcom/events/warleague-mbs
これらの催しが行われていることを聞いたとき、私はちょっとした自己満足に浸っていた。いや、何しろ私はすでにセットが発売される何ヶ月も前から選択を終えていたんだからね。
しかし君たちとは違う理由から選択を迫られていたと考えるとこれを自慢するのはちょっとずるいことかもしれない。まず、ミラディン包囲戦の開発が4分の3ほど過ぎたあたりでどのようなことが起きていたのか、そこから話を始めようと思う。
この頃、リード・デベロッパーであるErik Lauerは、戦争で対立している2つの陣営がいまいち統一感を欠いているように感じていた。
そこで彼は自身のチームにいる2人のコア・デベロッパーである2人、私とMike Turianに、まずはそれぞれ陣営を選ぶよう指示した。
さらに、全体としてのまとまりをより感じられるよう、1週間のあいだ、それぞれ少数のチームを指揮しつつ選んだ側のコモンとアンコモンに対して取り組むように、とのことだった。
前にも述べたと思うが、私は他のメンバーに比べてリミテッドで感染デッキを組むのがひどく下手だった。これはミラディンの傷跡の開発が始まった頃から、すでにそうだった。
そのようなわけで私にファイレクシア陣営を任されるはずもなく、かつMike自身もファイレクシア陣営を担当したがっていたため、私はミラディン軍を受け持つことになった。
私は陣営だけでなく、何人かの優秀なウィザーズの社員も選ぶことができた。ここに彼らを紹介したいと思う。
Kelly Digges
Kellyは今まさに君が閲覧しているウェブサイトの編集者の1人だ。しかし彼はときおり副業がてらR&Dの製品チームの仕事に時間を費やしてくれる。
彼はワールドウェイクとアーチエネミーのデザインチームに参加してくれた。最近では彼は私が率いたMagic 2012のデベロップメントチームに参加しており、そこで彼は、群を抜いて私好みとなったアンコモンの再録作業に貢献してくれた。
今回の作業におけるKellyのもっとも大きな功績は彼のデザイナー的視点による美的センスだ。これによって私たちは自分たちの作る各カードがきちんと整理され実用にかなったものとなるよう配慮することとなった。それこそが今回の記事につながる物語だ。
Mark Purvis
Markはマジックのブランド・マネージャーの1人だ。
忙しい身でありながらも、ときおり製品チームのためにスケジュールを調整してくれるほどに彼もマジックを愛しており、それだけでなく大量のアイデアとエネルギーの両方を開発の場に持ち込める人物でもある。
このミニチーム編成の直前に彼はすでにミラディンの傷跡の開発に参加していた。つまりしばらくの間は体が空かないだろうということを示唆していた。
しかし、私とそして君にとっても幸運なことに、私とミラディン軍を援護してもらうための多少の時間を割かせてもらえるよう交渉出来るだけの余地が彼にはあったのだ。
Matt Tabak
Matt Tabakは編集者であり、またMark Gottliebがフルタイムのデベロッパーへと転身したことで代わりに新たなマジック・ルール・マネージャーへ任命されたメンバーでもある。Mattは意固地なところもあるが、それこそまさに今回のチームに私が欲しかった資質でもある。
私たちには時間がなかった。そして私たちの最終目標は最後に残されたわずかな不満要素をフォルダから搾り出すことだった。Mattはそれらを探し出すことに並外れて長けており、そのことは私たちの助けとなった。
この記事の中で、君はプレーンテキストのフォント(註)で書かれた箇所を見かけることになると思う。この箇所にある全ての文はMagic R&D Wikiから直接引っ張ってきたものだ。Magic R&D Wikiというのは今回のミニチームに関する全てを私が納めておいた場所だ。
(註) プレーンテキストのフォント
このブログの記事では斜体で表記してみた。
このWikiはMultiverse(註)ではない。今回のチームが残してきたMultiverse的な資料はセットが印刷の準備へと回される前にフォルダが整理されたことで、ほとんど失われてしまった。
(註) Multiverse
マジックのセットを制作するのに用いられている意見交換用のデータベース。
実際にどんなコメントのやりとりがそこで行われているのかの例は以下を参照のこと。
【翻訳】戦乱の舞台裏へ/The Multiverse at War【Daily MTG】
http://regiant.diarynote.jp/201104100753293540/
私はチームを始動させるに当たって、まずはCamera(当時、このセットはそう呼ばれていた)の世界では一体何が起きているのかについて、手早く概略をつかんでもらうことにした。
KellyとMarkはR&Dの外部から参加しているので、私はまずは彼らにも私たちと同じだけの情報を共有してもらう必要があったのだ。
Cameraの概要
# ミラディンは戦場である。
# ファイレクシア軍がミラディンを侵略している。君がミラディン生まれであれば、
# 侵略者から君と仲間の存在を守るために戦う毎日を過ごしていることになる。
# もし戦いに関係ないことであればそれはカメラには映らない。
# つまりCameraにも登場しない。
実に上手いことやっているだろう。私もそう思う。
Erikは私に3つの目標を与えた。私はそれをそのままチームへと引き渡した。
目的
# ミラディン軍に関するコモンとアンコモンをもっといい感じに仕上げろ。
# ミラディン軍に関するカードたちがもっと「共に戦っている」ように仕上げろ。
# ミラディン軍に関するカードをもっと「ミラディン」っぽくしろ。
Erikの目指す目的はもう1つあったが、それはチームへと引き渡されず、秘密のままにされた。
それは、ミラディン軍とファイレクシア軍のカードたちが互いに対立している2つの異なる集団であるということを感じとれるようにしろ、というものだった。
Erikはファイレクシアを担当しているMikeにも、最初に述べた3つの目的を伝えた。そしてMikeと私の仕事の結果によってErikの秘密の目的はこれ以上ないほど達成されたのではないか、と私は考えている。
そうそう。追加の制約が用意されていた。もちろんだ。そうでなければ簡単すぎるだろう。
ルール
# カード名に括弧書きが付与されていないものについては好きに変更してよい。
# カード名に括弧書きが付与されているものはすでにコンセプトが固められている。
# 変更する際には必ずそのコンセプトに敬意を払うこと。
なお、上記の情報には含まれていないが、追加の制約がもう1つあり、これはミーティングでも皆へ伝えられた。
各色の各レアリティに用意されているスロットの数は固定されている。ミラディン軍に新たな白いカードを追加するためにはファイレクシア軍のカードを1枚取り除く必要があり、それは両派閥のバランスを崩す行為となる。
そのため、もし本当に新規のカードを追加したいのであれば、その代価としてすでに存在している全く同じ色の全く同じレアリティから1枚カードを取り除く必要があるということだ。
この時点ですでにセットの半分はコンセプトデザインが完了していた。これが何を意味するかというと、イラストの指示はすでに作成済みでありイラストは今この時点ですでに承認を得るべく描かれている最中だということだ。
既存のカードに対して望むいかなる変更も、すでに成し遂げられた仕事に対して敬意を払う必要がある。そう、括弧が付けられているということ、それはつまりクリエイティブチームがそのカードのコンセプトを固めた際に残した確かなサインなのだ。
◇◇◇◇ ◇◇◇◇ ◇◇◇◇
私は通常あまり生産的ではないとみなされる方法で最初のミーティングを費やした。
不平不満だ!
私は、まず全ての気に入らない点を一箇所に集めることで、何に取り組まなくていけないかのリストが作れるのではないか、それによってこのあと行う予定の2つのミーティングで必要となる労力を随分と軽減できるのではないか、と判断した。
そのようなわけで、私たちを苛立たせる要素をリスト化したわけだ。これはのちに実に有益な材料となってくれた。私はこの方法で作業を行ったことに安堵している。
集められた苦言の中から目立ったものを以下に並べてみた。プレイテスト時のカード名からもしかしたら実際のどのカードなのか、推測できるかもしれない。
# 《Brave Conscript》はMattにとってひどく不恰好なものに見えた。
# 《Dayhawk》と《Kemba’s Army》のいずれかは装備品に関するカードになるべきだ。
# 《Kemba’s Army》は装備しているときに絆魂と警戒を持つことにしたらどうだろう?
# 《Silver Wall》 - 3青 2/4 防衛、Presence- +2/+2 と防衛を失う
# 《Oxidda Megasaur》 - 金属術を持っていてもいいかもしれない
# 《Cauterize》、《Conduction Bolt》、《Goblin Grenadier》、《Slagstorm》と3点が多すぎ
# 《Conduction Bolt》は超つまらない
# 《Goblin Grenadier》の金属術の能力はおかしい
# 《Signal Monkey》は飛行持ちのように《Treetop Bracers》能力を持っててもいい
2回目のミーティングで私たちは最後に少しだけ残されていた苦言を集め終えた。それから大量のマイアをテーマとしたカードを作成した。それらの大半は既存のカードを真似ただけの劣化品にすぎなかったが、わずかに含まれていた傑作たちはそのままセットへと収録されることとなった。
3回目となる最後のミーティングでは、変更が必要と思われた一部のカードを私はリストにしてまとめ、Erikへ提出した。
私たちがどのような提案をしたのか、そしてその提案がどのような結果を生み出したかについては、以下に全て語られている。
これを読んでもらえば、私たちのこの1週間に渡る集中的な作業がセットに対して実に劇的な変化をもたらしたことを君たちにも分かってもらえると思う。
チームからの提案
CU03:
3青 1/4 防衛
金属術- ~ あなたがアーティファクトを3つ以上コントロールしている限り、
~ は+2/+2の修整を受けるとともにそれが防衛を持たないかのように
攻撃できる。
* 彼は戦場にあるべきだ。戦場とはアタックを意味する。
変更前のバージョンではこのカードは防衛を失わなかった。私たちはそれは間違っていると感じた。
私たちが即興で決めた能力値はイマイチ不恰好なもので、かつそれは青のクリーチャーの全体的なカーブにも沿わないものだった。そこでErikは私たちの決めた値のかわりとなる能力値を用意してくれた。
最終形Spire Serpent / 尖塔の海蛇 (4)(青)
クリーチャー - 海蛇(Serpent)
防衛
金属術 ― あなたがアーティファクトを3つ以上コントロールしている限り、尖塔の海蛇は+2/+2の修整を受けるとともにそれが防衛を持たないかのように攻撃できる。
3/5
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Spire+Serpent/
チームからの提案
UG03:
4緑 4/4 ~ の上にはカウンターを配置できない。
* これは間違いなく感染と戦う力になってくれる。
大成功!
最終形Melira’s Keepers / メリーラの守り手 (4)(緑)
クリーチャー - 人間(Human) 戦士(Warrior)
メリーラの守り手の上にはカウンターを配置できない。
4/4
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Melira%27s+Keepers/
チームからの提案
CW01:
白 1/1 金属術 ― +2/+2
* 0/1のままでは《ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx》や
* 《ハーダの自由刃/Hada Freeblade》などに対してあまりに見劣りがする。
* では1/1にすると? 素晴らしい!
* そうしたとしても印刷可能な強さだと思う。
私たちが手を加える前も、このカードは今とまったく同じだった。
0/1であったことを除いて。
さて、結果を見ると印刷してもよいかどうかなどという心配は杞憂に過ぎなかったようだ。
《献身的な補充兵/Ardent Recruit》は、水曜日にJacob Van Lunenが紹介してくれた(註)ように《鍛えられた鋼/Tempered Steel》デッキでスタンダードにおいてプレイされているし、マジック・オンラインのPauperでは親和デッキでプレイされている。水曜日にJacob Van Lunenが紹介してくれた
リンク先は以下のURL。Jacob Van Lunenによるデッキ紹介コラム。
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/boab/131
しかしそれ以外の場所ではそれほど活躍していない。
これは申し分ない結果だ。
最終形Ardent Recruit / 献身的な補充兵 (白)
クリーチャー - 人間(Human) 兵士(Soldier)
金属術 ― 献身的な補充兵は、あなたが3つ以上のアーティファクトをコントロールしている限り+2/+2の修整を受ける。
1/1
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Ardent+Recruit/
チームからの提案
UW03:
警戒
~ は、それにつけられている装備品1つにつき、
追加のクリーチャー1体をブロックできる。
* ミラディン軍には装備品に関連したカードがあるべきだ。
* 警戒を持ち、デカくて、複数をブロックできるのを
* 全部一緒にしてしまえばいい感じになるだろう!
たくさんのレオニンの戦士たちを描くように、というこのカードに関するイラストの指示はすでに承認済みだった。彼らに持つことになっている武器の数々は、装備品に紐づくこの能力をより飲み込みやすくしてくれる。
このカードによって《岩投げの小隊/Rockcaster Platoon》、《ルーアム・ジン/Ruham Djinn》、そして《歩哨の樫/Sentry Oak》のような、どこか間の抜けたデカい白のアンコモンという伝統は途切れることなく継承されることとなった。
最終形Kemba’s Legion / ケンバの軍勢 (5)(白)(白)
クリーチャー - 猫(Cat) 兵士(Soldier)
警戒
ケンバの軍勢は、ケンバの軍勢につけられている装備品(Equipment)1つにつき、追加のクリーチャー1体をブロックできる。
4/6
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Kemba%27s+Legion/
チームからの提案
UW02:
1白白 2/2 飛行、先制攻撃、Warring
* きっと飛行持ちのWarringクリーチャーが欲しくなるよ。
なんてこった! こいつはセットに収録されなかった。しかし、かといって完全に姿を消してしまったわけでもない。
Erikは回避能力つきの喚声持ち(この能力の開発時の名前は「Warring」だった)が複数作られることに少々不安を持っていた。これのかわりに用意された、回避能力持ちの喚声カードが何なのかはすぐに分かるよ。
最終形Accorder Paladin / 調和者隊の聖騎士 (1)(白)
クリーチャー - 人間(Human) 騎士(Knight)
喊声(このクリーチャーが攻撃するたび、他の各攻撃クリーチャーはターン終了時まで+1/+0の修整を受ける。)
3/1
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Accorder+Paladin/
チームからの提案
UW01:
1白 2/1 対アーティファクト専用の《忘却の輪/Oblivion Ring》
* みんな、こいつが気に入ったよ!
Erikも気に入ったようだよ!
彼はさらにパワーとタフネスの値を変更し、対象に出来るカードタイプも追加した。
最終形Leonin Relic-Warder / レオニンの遺物囲い (白)(白)
クリーチャー - 猫(Cat) クレリック(Cleric)
レオニンの遺物囲いが戦場に出たとき、アーティファクト1つかエンチャント1つを対象とする。あなたはそれを追放してもよい。
レオニンの遺物囲いが戦場を離れたとき、その追放されたカードをオーナーのコントロール下で戦場に戻す。
2/2
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Leonin+Relic-Warder/
チームからの提案
CR09 3赤赤 ソーサリー
~ はそのプレイヤーに4点のダメージを与える。
金属術 ― あなたがアーティファクトを3つ以上コントロールしている場合、
このターン、そのプレイヤーがコントロールするクリーチャーでは
ブロックできない。
* ダメージを増やすのはつまらないし、すでに赤の呪文には3点ダメージが
* たくさんある。
この変更が適用される前は、通常時のダメージが3点で、金属術達成時のダメージが6点だった。新しいバージョンはより触れ幅が大きくなっているが、このほうがより戦争における対立を示すのに合っている。
3点のダメージに関する意見がどのカードから来ているかというと、《金屑の嵐/Slagstorm》や《不純の焼き払い/Burn the Impure》、そしてこの次に紹介するカードなどからだ。
最終形Concussive Bolt / 震盪の稲妻 (3)(赤)(赤)
ソーサリー
プレイヤー1人を対象とする。震盪の稲妻はそのプレイヤーに4点のダメージを与える。
金属術 ― あなたがアーティファクトを3つ以上コントロールしている場合、このターン、そのプレイヤーがコントロールするクリーチャーではブロックできない。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Concussive+Bolt/
チームからの提案
UR03
3赤赤 3/3
~ が戦場に出たとき、あなたはアーティファクトを1つ生け贄に捧げてもよい。
そうした場合《弧状の稲妻/Arc Lightning》の効果。
* 前のバージョンは結びつきが足りないように感じられた。
* こうすればアーティファクトを投げつけているように見えるだろ。
これに関してはカードデザインを改良した例だ。私たちはダメージを3点から4点に上げようとは思わなかったが、その場にErikがいたおかげで助かった。
以前のバージョンでは上で触れられているとおり、似たような能力ではあったが、金属術を達成していればコストを支払う必要なく使うことができるというものだった。今のバージョンのほうがずっと結びつきを感じられる。
最終形Kuldotha Flamefiend / カルドーサの炎魔 (4)(赤)(赤)
クリーチャー - エレメンタル(Elemental)
カルドーサの炎魔が戦場に出たとき、望む数のクリーチャーやプレイヤーを対象とする。あなたはアーティファクトを1つ生け贄に捧げてもよい。そうした場合、カルドーサの炎魔はそれらに4点のダメージを望むように割り振って与える。
4/4
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Kuldotha+Flamefiend/
チームからの提案
UR02
2赤赤 3/1
Presence- ~ は二段攻撃を持つ。
* 既存のバージョンは本当にひどかった。
前のバージョンだどのようなものだったか思い出せない。
きっと本当にひどかったんだろう。
最終形Spiraling Duelist / らせんの決闘者 (2)(赤)(赤)
クリーチャー - 人間(Human) 狂戦士(Berserker)
金属術 ― らせんの決闘者は、あなたがアーティファクトを3つ以上コントロールしている限り、二段攻撃を持つ。
3/1
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Spiraling+Duelist/
チームからの提案
UA05とUA13 これらを抜くべきだ。
* スペースが足りないため。
* 《Myr Joiner》は他のマイアとの関連性が感じられない。
* また《Biomantic Armor》はフレイバー的なセンスに乏しいように思われる。
これらは、私たちが少々出過ぎた意見を述べてしまった例だ。最終的には、Erikはこれらのカードに肯定的で、かつリーダーは彼だった。こうしてこれらのカードは抜かれずに済んだ。
最終形Brass Squire / 真鍮の従者 (3)
アーティファクト クリーチャー - マイア(Myr)
(T):あなたがコントロールしている装備品(Equipment)1つと、あなたがコントロールしているクリーチャー1体を対象とし、前者を後者につける。
1/3
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Brass+Squire/
Silverskin Armor / 銀皮の鎧 (2)
アーティファクト - 装備品(Equipment)
装備しているクリーチャーは+1/+1の修整を受けるとともに、他のタイプに加えてアーティファクトでもある。
装備(2)
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Silverskin+Armor/
チームからの提案
CA13
3 アーティファクト
~ は蓄積(charge)カウンターが3個置かれた状態で戦場に出る。
(T), 蓄積カウンターを1個取り除く:クリーチャー1体を対象とする。
このターン、それでは攻撃もブロックもできない。
* アンコモンへ移動
* コンセプトに沿うよう努力しているところ。
* 石臼効果では少々不恰好だし結びつきも感じられない。
* 加えて、それでは戦争にも戦闘にも関連性が見出せない。
《叫び角笛/Shriekhorn》と《雷楽のラッパ吹き/Thundersong Trumpeter》を結びつけたのは確かKellyだったと思う。
ともあれErikはこの変更を即座に却下した。
変更後の効果はあまりに《転倒の磁石/Tumble Magnet》とかぶっていたし、蓄積カウンターを用いるシンプルなカードはコモンにこそふさわしいと考えたためだ。
(しばらくのち、セットの他のカードと大した関連性を持つことのない単独で働くコモンがあるのが良いことなのかを明らかにしたのもまたKellyだった。それは彼がセット発売直後に行われたドラフトで《叫び角笛/Shriekhorn》デッキを作った際に発見された。)
最終形Shriekhorn / 叫び角笛 (1)
アーティファクト
叫び角笛は蓄積(charge)カウンターが3個置かれた状態で戦場に出る。
(T),叫び角笛から蓄積カウンターを1個取り除く:プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは、自分のライブラリーの一番上から2枚のカードを自分の墓地に置く。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Shriekhorn/
チームからの提案
《Signal Monkey》に以下の2つを加える。
マナコストにさらに1マナを追加
「~ は飛行か到達を持つクリーチャーによってしかブロックされない」の能力
* あまりに脆すぎる。回避能力が必要。
* また木々の間を駆け抜ける生き物だから《樹上の篭手/Treetop Bracers》の
* 能力はフレイバー的にしっくりくる。
これがこのコラムの最初の方で私が存在をほのめかしていた、回避能力を持つ喚声持ちクリーチャーだ。
イラストのコンセプトで私が示唆した木々の絵は製品版のイラスト(註)には描かれなかった。しかしゲートウェイのプロモーション・カード(註)のバージョンではきちんと描かれている。(註) 製品版のイラスト
イラストには、木の枝ではなくミラディンの金属製の草が描かれている。
製品版の《信号の邪魔者/Signal Pest》のイラストは以下を参照。
参照:http://magiccards.info/mbs/en/131.html
(註) プロモーション・カード
イラストには、木の枝っぽいものが描かれている。
プロモーション・カードの《信号の邪魔者/Signal Pest》のイラストは以下を参照。
参照:http://magiccards.info/grc/en/51.html
最終形Signal Pest / 信号の邪魔者 (1)
アーティファクト クリーチャー - 邪魔者(Pest)
喊声(このクリーチャーが攻撃するたび、他の各攻撃クリーチャーはターン終了時まで+1/+0の修整を受ける。)
信号の邪魔者は飛行か到達を持つクリーチャーによってしかブロックされない。
0/1
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Signal+Pest/
チームからの提案
新しいコモンカード:
《Resilient Myr》 2
アーティファクト・クリーチャー - マイア
~ が戦場からいずれかの墓地に置かれたとき、無色の1/1のマイア・
アーティファクト・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。
1/1
* こいつはかわいいしマイアっぽいと私たちは思っている。
Erikもそう思ってくれたよ!
しかし「墓地に落ちたとき」をトリガーとする能力はそのカードをファイレクシア陣営に属させることになっていた。愛すべきこのマイアに「墓地に落ちたとき」の能力を持たせたことで、私たちは相手陣営にコモンを贈呈する羽目になってしまったのさ!
最終形Myr Sire / マイアの種父 (2)
アーティファクト クリーチャー - マイア(Myr)
マイアの種父が戦場からいずれかの墓地に置かれたとき、無色の1/1のマイア(Myr)・アーティファクト・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。
1/1
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Myr+Sire/
チームからの提案
新しいアンコモンカード:
《Myr Overtron》 3
アーティファクト・クリーチャー - マイア
~ のパワーとタフネスはそれぞれ、
あなたがコントロールするマイアの数に等しい。
*/*
* 新しいマイアのロードが欲しい。このシンプルな奴が気に入った。
Erikは新たなマイアに関連するカードを加えるのはいいアイデアだと同意してくれたが、これをアンコモンに入れることには反対した。
彼はカードを差し戻し、代わりのレアを作れるかどうか検討するようにと私に指示した。そして私は依頼にぴったり沿うこの逸品をMark Purvisから手に入れることが出来たんだ。
最終形Myr Turbine / マイアのタービン (5)
アーティファクト
(T):無色の1/1のマイア(Myr)・アーティファクト・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。
(T),あなたがコントロールするアンタップ状態のマイア5体をタップする:あなたのライブラリーからマイア・クリーチャー・カードを1枚探し、それを戦場に出し、その後あなたのライブラリーを切り直す。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Myr+Turbine/
最初、チームを担当させてもらったときは、まさかErikが私たちの提案をこれほどまでにセットへ反映してくれるとは思いもよらなかった。
また、このウィザーズという場所で働けることがいかに光栄なことかを、チームメンバーの達成してくれた仕事の質の高さから再確認することができた。
ブランド・マネージャーとウェブサイト担当者さえもがセットの価値を最大限に高めるために現場へ身を投じ自らの手を汚してくれる、そしてそんなときでも最終的に上がってきた製品はただただ素晴らしいものにならざるをえない。
ありがたいことに、プロジェクトを手助けしてくれたこの3人の素晴らしい紳士たちの活躍を君が見られるのはこれが最後ではないらしい。
この3人は今現在まだ公式には発表できないとある製品に携わっている。彼らが今何をしているのかを君たちに伝える日が楽しみでしょうがない。
出来る限り早くお伝えできるよう頑張るよ。
コメント