【翻訳】Caw-Bladeとそのお仲間、そして新しいスタンダードについて/PV’s Playhouse - Caw and Friends in the New Standard【Channel Fireball】
Paulo Vitor Damo da Rosa
元記事:http://www.channelfireball.com/articles/pvs-playhouse-caw-and-friends-in-the-new-standard

 やあ。この記事はCawbladeと現在のスタンダードについてだ(うわああああ)。あとGrixis Twinに関する新しい情報もいくつか。俺が試した失敗作も含めてだ(いやっほぅ)。それからレーティング関する話を最後にちょっとする。

CawBlade

 まずはCawBladeからだ。

 多分、みんなもうCawBaldeには飽き飽きしてる頃だろう。俺もだ。

 とはいえ問題は、CawBladeはいまだにスタンダードのメタゲームの重要な一部を占めていて、無視したかといって消えうせてくれるわけじゃないということだ。

 新しいセットがリリースされると、俺たちはまず新しいカードを試してみたいと考える(そうじゃないとすれば、血道をあげて新しいコンボを探そうとするMagic-Leagueみたいなトーナメントは開かれないだろうし、Mindcrankみたいなカードをデッキに入れようと四苦八苦するプレイヤーがいる理由が説明できない)。

 しかし、どこかで俺たちは既存のデッキに新セットが与える影響についても考え始めないといけなくなる。少なくとも新しいデッキをプレイテストする際に仮想敵となる既存デッキだって改良しないといけないからね。

 最初に話したいのはギデオンについてだ。

 SCG 5Kのカバレージを読んで思わず口にしてたドリンクを吹き出しそうになったのは、みんながデッキからギデオンを抜いたのを知ったときだ(ああ、吹き出しそうになった、は嘘。いかに驚いたかを知って欲しくて付け加えてみた)。

 さらにひどいのは、ギデオンがデッキから抜かれた理由がミラーマッチで弱いからだそうで、俺にはまったく理解できない。

 俺が青白デッキのミラーマッチをプレイするとき、もしくは観戦しているとき、ギデオンはいつだって場に影響力を持たらすカードだ。

 ジェイスと五分に渡り合う可能性のある剣持ちのクリーチャーを上手いこと挑発してくれる。

 ギデオンのコストが5点と高いこと、そのせいでSpell Pierceに弱いことは認める。だけど利点がそんな欠点を補って余りあるから、俺は最終的にデッキに入れることにしているし、2枚以上入れないなんて気が狂ってるとしか思えない。

 さらにアグロなデッキに対して狂気じみた強さを発揮するという事実を忘れちゃいけない。そういったデッキに対するベストなカードだ。そうでないとしても、ほぼベストなカードだ。

 同じ状況でギデオン以外のカードだったら負けてた試合なんていくらでもある。

 ボロスデッキをプレイしているときに一番みたくないカードはなんといってもこいつだった。あまりにキツすぎるので、ついにはこっちもギデオンを入れざるをえなかったほどだ。

 要するにギデオンは2つのデッキタイプに対して最優先と言える選択肢であり、その他のデッキに対しては優良なカードであり……それをデッキから抜くだって?

 最悪なことに、彼のかわりにデッキに入れられているのはCondemnだったりする。ミラーマッチでギデオンに劣ること限りなしなカードだ。

 そしてミラーマッチこそもっとも対策しないといけないデッキタイプだってのに!

 今現在、ギデオンを入れないといけない理由がまた1つ増えている。彼はSplinter Twinデッキに対しても有効だ。少なくとも何もしないよりはましだ。


 新しいセットで絶対に加えたいカードがあるとすれば、Batterskull、Sword of War and Peaceがあげられる。

 Sword of War and Peaceを入れるのは簡単だ。Sword of Feast and Famineを抜けばいい。世間の評価とは逆に、俺はSword of Feast and Famineがミラーで役に立つと思えたことが一度もない。

 もしデッキにSword of Body and Mindが入ってるならそっちから優先して出してたね。

 Sword of Feast and Famineのメリットがフルに生かされない理由を説明すると、もし君が戦闘前にフルタップしてからアタックに行くとすれば、対戦相手は単にそのアタッカーをブロック(もしくは除去するかバウンス)して、次ターンにその行動をとった報いを君に与えるだろう。

 攻撃によって得られたのは相手の手札が1枚減ったことくらいだ。

 さらにこの剣の価値が落ちてきたのは、みんなが徐々に気づき始めたからだ。Sword of Feast and Famineを持ったクリーチャーの攻撃をあえて受けるという選択肢もあるということにね。

 プロツアーパリでのことだ。俺はミラーマッチの対戦中で、対戦相手には剣持ちのStoneforge Mysticがいて、俺の元にはSquadron Hawkがいた。

 俺はStoneforge Mysticのアタックを3回受けて、カードを3枚捨てた。その後、Squadron Hawkをなんとか4枚とも戦場に出し終えて、Stoneforge Mysticを4体でブロックし、そしてその試合に勝った。

 もしこれがSword of Body and Mindだったら俺は負けてただろう。

 要するに、ミラーマッチに置いては、Sword of Feast and Famineの1発よりSword of Body and Mindの1発のほうがずっとキツいって話だ。

 このデッキに入っている2種類のプレインズウォーカーに対しても、Sword of Body and Mindのほうが効果的だ。

 というわけで、正直、Sword of Body and Mindのほうがずっと強いと思っている。この剣を入れるスペースなんてない、という大方の意見には懐疑的だ。


 ミラーマッチで用いる際、Sword of War and Peaceはいかなる場合においてもSword of Feast and Famineの上位互換だ。

 デッキに考えなしに剣を放り込む前にすべきことがある。それは、デッキにいれるその剣が他のカードに与える影響についてだ。

 まず1つ目として、白の除去、特にCondemnに対して強いということ。

 俺はもともとミラーにおけるこのカードがあまり好きじゃなかった。厄介払いするいい機会だ。それでも赤単色やボロスといったアグロなデッキに対してはCondemnを入れておくべきだ。

 なぜなら君がCondemnを唱えたいのは大体1ターン目から3ターン目にかけてであり、そうすると剣を持ってくる暇なんてありはしない。例えStoneforge Mysticがいたとしてもね。

 しかしミラーマッチで君がCondemnを撃ちこみたいのは剣を手にしたクリーチャー相手であり、そして今やそれを対象にとることが出来なくなるというわけだ。

 2つ目として、白のクリーチャーが相対的に弱くなるということ。

 Squadron Hawkに関しては残念ながら代替案がない。他のカードに代えることも考えたが(Spellskitesとか)、鷹はこのデッキにあまりに重要すぎるように思われる。

 ブロッカーとしてもそうだし、装備できる飛行持ちとしてもそうだし、なんといってもジェイスにプレッシャーをかけられる。

 じゃあ何が抜けるかというと、Emeria Angelだね。はっきり言って、前からこの天使のことは好きじゃなかった。タフネスが3点しかないこととデッキに入っているフェッチランドの枚数がそれほどでもないことが理由だ。

 そして天使は剣に対して実に相性が悪い。その理由の1つ目は、剣持ちに対してこの天使のトークンがブロッカーに使えないこと。2つ目の理由は、ライフを回復できるという能力がライフレースを不可能にすること。

 以前であれば、剣を持ったクリーチャーが相手にいてもEmeria Angelと何体のトークンがいればライフレースをしかけることができた。

 しかし今では相手は単に君をSword fo War and Peaceで殴りつけ、君がいくつトークンを繰り出そうがヒットポイントを25点程度に維持したままゲームに勝つだろう。


 Batterskullは明らかに強い。デッキに加えるべきだ。しかし代わりに何を抜くかというと、少々難しい。

 ギデオンに対する賞賛の言葉を並べてはきたけど、ここで代わりに抜けるべきは彼だろうね(これによって君のデッキにはギデオンが2枚しか残らないはずだ。それより少なくなることはない)。

 それは、デッキ内での役割が似ているからだ。

 両方とも5マナ域のカードであり、戦場にあれば敵のいかなる攻撃をも止めつつ同時に対戦相手のプレインズウォーカーとライフを攻めることができる。

 ただこっちのほうが少し対処しやすいカードかもしれない。


 次に考えないといけないのは、新しいカードの参加によってどんなデッキやコンボが生み出されるかだ。

 最初に注目すべきは明らかにSplinter Twinだ。ただ、これに対処するためにデッキを多少いじくることに反対するわけじゃないが、流行るかどうか分からないデッキのために自分のデッキを必要以上に歪めてしまうことには慎重にならざるをえない。

 とりあえず今の時点では、それに対処できるカードは入れるにしても、他にも使える汎用性の高いカードを入れたいと思う。

 幸いなことに、Splinter Twinに対処できるカードの大半は、他にも使い道があるものだ。

 メインデッキに入れるカード(というと、もちろんInto the RoilとDismemberのことだが)これらはどちらも相手がSplinter Twinでない場合でも役に立ってくれるだろう。

 サイドボードに入れる第一候補として思い浮かぶのはCelestial Purgeだ。コンボ対策にもなり、かつSpellskiteにも邪魔されない。

 問題はSplinter Twin対策になるカードは往々にしてDeceiver Exarchに対処できるカードに比べて3つの点で劣る。

 1つ目。1マナ余計にかかる。なぜなら奴らは君のエンド時に土地を1枚タップしてくる。
 2つ目。Splinter TwinをどうにかできたとしてもDeceiver Exarchは場に残る。
 3つ目。ブロッカーを取り除くために単にDeceiver Exarchを除去したいときもある。

 いずれの場合も、Celestial Purge(もしくは優先順位は下がるがFlashfreeze)はよい選択肢だと思う。

 なぜなら相手の二の矢三の矢(Koth of the Hammer、Pyromancer、Inferno Titan、Moltensteel Dragon)をつぶすことができるし同時に赤単色に対してもよく効く(俺は今後ボロスよりこっちが流行ることになると思っている)。

 Celestial Purgeの問題点を挙げるとすればImmolating Souleaterを除去できないことくらいか。こいつがデッキに入るだけのクリーチャーになるかどうかは分からないが。

 大半のデッキには効かない用途の狭いカードだが、こいつで対処できるカードたちは要注意人物だらけだ。

 Divine Offeringで対処可能なもの、それはSpellskite、Sword of War and Peace、Batterskull、Immolating Souleater、Shrine of Burning Rage、Moltensteel Dragon、Precursor Golem、Birthing Pod ……

 4枚いれようとは思わないが、試しに2枚入れてみてもいいかもしれないし、1枚は間違いなく投入する価値がある。Disenchantを入れてよいならそれが最高なんだけどね。

 もし本当にSplinter Twinが心配ならSpellkitesを自分でデッキに入れてみてもいいかもしれないが、用途が狭すぎてあまりオススメはしない(Splinter Twin以外では赤系のデッキにしか役に立たないだろうし、それらに対してもそこまで効果的というわけでもない)。


 次に挙がる候補はおそらくDismemberだろう。これはずっと広い汎用性を持っている。

 あと、これを書くのは少々心が痛むんだが(君がもしシンガポールに行くつもりならここから先は読まないこと!)君のデッキに鷹が入っていないとすればSplinter Twinに対する最も効果的な装備品はBatterskullだろうね。

 世間一般の常識として、こいつがコンボデッキに対してそれほどよいとは思えないであろうことは分かっている。

 しかし剣を装備させたStoneforge MysticではSpellskiteもDeceiver Exarchも突破できない。Batterskullなら少なくともプレッシャーをかけることはできる。


 他に必要と思われるカードがあるとすればDay of Judgmentだ。

 正直、俺はこれが入っていないデッキを使うとどうにも落ち着かない(よって、俺はこいつが入ってないデッキは絶対にプレイしない)。

 しかしここでは緑の復権に目を向けないといけないだろう。

 非常に多くの人たちが「デッキにDay of Judgmentを入れる必要はないよ、ほら、Fauna Shamanだろ、Vengevineだろ、Lotus Cobraだろ、Joraga TreespeakerとMyr Superionのコンビだろ、あとほらあの6マナ5/5トランプルのあれだろ、他にも……」と俺に教えてくれるわけだ。

 分かったよ、じゃあ2枚にしておこう。

 もしそういった意見が正しいと分かれば、Baneslayer Angelがサイドボードに加わる第一候補となるだろう。


 最後に挙げるのはGitaxian Probeだ。

 衝撃的というには程遠いが、それでも加える候補に入れても良いように思われる。

 手札に入れる装備品を判断する助けになるし、カウンターされるカードを選べるし、いつタップアウトしてもよいのかが分かるし、そして何より重要なのはいつならSword of Feast and Famineでアタックしても大丈夫かを知ることが出来る。

 4枚デッキに入れることは絶対にないが、俺が考えるに「26枚の土地 + 1枚のPeek」は「27枚の土地」よりもいいものだ。

 俺が今すぐトーナメントに出ろと言われた際に使うであろうデッキは以下の通りだ。
3 Glacial Fortress
4 Tectonic Edge
4 Island
4 Plains
1 Scalding Tarn
2 Inkmoth Nexus
4 Seachrome Coast
4 Celestial Colonnade

1 Sun Titan
4 Stoneforge Mystic
4 Squadron Hawk

2 Day of Judgment
3 Mana Leak
1 Sword of Feast and Famine
1 Sword of War and Peace
1 Batterskull
2 Gideon Jura
4 Jace、the Mind Sculptor
3 Spell Pierce
2 Dismember
4 Preordain
1 Into the Roil
1 Gitaxian Probe

Sideboard

2 Baneslayer Angel
3 Celestial Purge
2 Divine Offering
3 Flashfreeze
1 Jace Beleren
1 Sun Titan
3 Condemn

 OustとCondemnは入れ替え可能だ。Oustは緑に有効で、Condemnは赤と白に有効だ。

 もしかしたらCelestial Purgeを1枚抜いて、それぞれ2枚ずつにするかもしれない。

 DismemberはLotus CobraデッキにもFauna Shamanデッキにも有効なカードだが、非常にアグレッシブなデッキには相性が悪い。

 Into the Roilは2枚にしてもいいかもしれない。その場合、抜くのはGitaxian ProbeかDismemberだろう。俺と違う意見を持ってるならDay of Judgmentでもいい。

 最後に言っておく。
 いかなるマッチであろうと、どんな状況だろうと、絶対に後攻はとるな。

Splintertwin

 次は、Grixis Twinデッキのリストの最新情報についてだ。

 さらにテストプレイを繰り返し、1人で考えてみたりPatrick Chapinに相談してみたりした結果、以前よりももっとSpellskiteが好きになった。

 これは非常に多くのものを君にもたらしてくれる。ブロッカーになってくれたり、ジェイスとDeceiver Exarchの両方を除去から守ってくれたり、対戦相手の使うSplinter Twinデッキの邪魔をしてくれたり……

 これは軽くてエレガントな解答であり、どのデッキに対しても役に立たずで終わるようなことはない。4枚入れたいね。おそらく抜けるのは土地とJace Belerenだろう。

 またプレイしてみた結果、何らかの打ち消し呪文も加えたいと考えるようになった。少なくとも相手に警戒させるためだけにも。

 例えば2枚のMana Leakを対戦相手に好き勝手させないためだけに入れたい、と言われても反対はしない。ただ問題はそのかわりに抜くカードが思いつかない。

 Mana LeakよりNegateのほうがいい、という可能性もある。しかし今この瞬間に選ぶとしたら俺はMana Leakを選ぶ。

 俺がNegateがDispelよりも優れていると思う理由はプレインズウォーカーを打ち消せるからだ。

 そして、念のためにもう一度言っておくと、そもそも打ち消し呪文を入れたい理由は、対戦相手の目の前にいるのが決して相手の邪魔をしないサンドバックではないと知らしめるためだ。

 Dispelは君のコンボを守ってくれるだろう。しかし俺が打ち消し呪文を入れたい理由はそれじゃない。


 Grixis Twinデッキで遊んでる最中、違う色の組み合わせでExarch/Splinter Twinデッキを作ってみた。

 あまり気に入ってはいないが、もし興味のある人がいたときのためにリストを挙げておく。さっきも言ったが、これは非常に荒削りな試作品だ。ここに出す前に十分にプレイしたとは言えない。
4 Arid Mesa
4 Scalding Tarn
4 Seachrome Coast
1 Plains
3 Mountain
3 Island
2 Terramorphic Expanse
4 Glacial Fortress
4 Deceiver Exarch

4 Stoneforge Mystic
4 Spellskite
4 Splinter Twin

1 Sword of Feast and Famine
1 Batterskull
4 Jace、the Mind Sculptor
4 Preordain
4 Gitaxian Probe
2 Into the Roil
3 Mana Leak

 このデッキの問題点を挙げるとすれば、焦点がぶれているという点だ。

 Stoneforge Mysticでゲームを支配するのに必要な防御力に欠けている。最後には、相手に止められる前にコンボを完成させるのを目指すことになるだろうが、それだったらもっと手札補充と妨害手段を入れたほうがよいということになってしまう。

 ところで俺はSpellskiteはWall of Omensに勝っていると思う。

 Splinter Twinとの相性という点では劣っているかもしれないが、コンボを完成させる際の防壁になるし、さらに重要なこととして、こいつは装備品を持って攻撃に出ることができる。

 またこいつは君のBatterskullや剣に飛んでくる除去呪文をそらすこともできる。目立たないかもしれないがこれも重要なことだ。

3 Raging Ravine
4 Forest
4 Island
4 Scalding Tarn
4 Misty Rainforest
2 Mountain
4 Copperline Gorge

4 Vengevine
1 Inferno Titan
4 Lotus Cobra
1 Acidic Slime
1 Spellskite
4 Deceiver Exarch
4 Fauna Shaman
4 Birds of Paradise

4 Preordain
4 Jace、the Mind Sculptor
4 Splinter Twin

 Inferno TitanをFrost Titanに入れ替えるのは難しくない(もしくは他の何かをFrost Titanに替えてもいい)。

 このタイプの問題点はコンボが対して役に立っていないように見えることだ。

 もちろんいくつかの試合には勝てるだろう。君のFauna ShamanをDeceiver Exarchでアンタップするのだってそれなりに役に立つだろう。

 しかしそれでもこのタイプを選ぶくらいなら普通にもっといいカードでデッキを埋めたほうがいいように思われる。

 例えば赤青緑か青緑タッチ赤のVengevineデッキを組んで、2枚組み合わさらないと働いてくれない8枚のカードを抜くとかだ。ただでさえこのデッキは、デッキ操作の手段に欠けている上にコンボを妨害から守る手段にも欠けているのだから。

 覚書がてら書いておくと、今ならどんなFauna ShamanデッキにもSpellskiteは入ると思う。

 何にせよ、とりあえず今は上記に挙げたグリクシスタイプのデッキで行こうと思っている。もし君がこのバージョンを好きになれないようなら、おそらく上記に挙げた2つの派生バージョンよりは普通の青赤を試すのをオススメするよ。


レーティングについて

 最近、ツイッターでレーティングシステムに関する議論が起きてた。この議論が巻き起こることとなった原因は、俺の知っている限りではNationalsでレーティングによる足切りを行うという発表があったためだ。

 俺がこれに関してどう考えているか聞いてみたいという声があったので、ここに書いてみる。

 見たところ、現在のレーティングシステムには2つの問題点がある。

 1.「プレイしたくない」を助長させる

 もちろんこういう人がいるだろう「プレイする/しないを決めるのはプレイヤーだ」と。俺自身、レーティングを理由にプレイしなかったことは一度もない。俺にとってのレーティングとはトーナメントでプレイしたことによる「結果」であって、トーナメントでプレイする「理由」じゃない。

 しかし考慮にいれないといけないのは、俺は今まで一度も、Qualifiedしつつ、かつ15ptを失うのは絶対に避けないといけないという事態に陥ったことがない。ここに理由があるのかもしれない。2勝2敗の成績以下をとったらNationalsへの招待権を失うとあれば、俺は絶対にGPTには参加しないだろう。

 この問題を解決する簡単な方法は……ないと思う。

 一部の人が提案したのは、一定ラインを決めていずれかの月末に一度でもそのラインを超えていれば、予選突破もしくは3BYEを獲得する、というものだ。

 俺はこれが悪い案だとしか思えない。1つ目に、このシステムの対象になるプレイヤーが何人くらいになるのか予想がつかないということ、

 2つ目にこの方法はプレイヤーたちにイカサマを推奨するようなものだからだ。一度でも閾値を超えたなら、友人たち相手に投了し放題ということだ。

 また皆は他のゲームのレーティングシステムを提案してきた。

 しかし俺はそれらについてあまりよく知らない。

 間違っているかもしれないが、確かブリッジのレーティングシステムは時間で管理されているシステムだったはずだ。君のポイントは時間の経過とともに減っていく(例えば、今日100pt持っている。6ヵ月後、君はそのうち75pt持っている。1年後には50pt、3年後には0だ)。

 俺は、これをマジックに持ち込むのに絶対反対、というわけではない。

 なぜならこうすれば君はただ黙って座ってレーティングを保持することができなくなるからだ(実際にプレイしなければならなくなる)。

 しかしレーティングが下がる可能性のあるシステムでこれを行うのは不可能に近いだろう。総ポイントのうち、明日にでも50ptを失ったとしたら、年度の終わりには何ポイント残ってるんだ? 110pt失ったとしたら?

 大体からして特定のイベントでどのポイントを失ったかを把握することなんて出来やしないだろう。失ったのは今得た100ptなのか、それとも先週得た100ptなのか?

 どちらにせよ、この方法では特定のイベントの直前に「あえてプレイしない」をやめさせることはできない。

 他に見受けられた提案の中には、いくつかのトーナメント(例えばフライデーナイトマジック)をレーティング非対象とする、というものもあったが、個人的にこれは馬鹿げた案だと思う。

 もちろんレーティングを下げたくないという理由でこれらのトーナメントに参加しないプレイヤーもいるだろう。

 だが、賭けてもいいが、レーティングが変化するから参加しているというプレイヤーの人数はそれを上回っているはずだ。

 だからフライデーナイトマジックや他の小さなトーナメントからレーティングを取り除くことによってプレイ意欲が増す人よりも、プレイ意欲を失う人のほうが多いと俺は考えている。

 2.レーティングが何も反映していない

 俺個人にとって一番大きな問題なのはレーティングというものに全く意味がないということだ(俺は予選突破にレーティングを必要としない)。

 俺はそのことに気づいているし、高いレベルでプレイする多くの人々もそのことに気づいている。だけどそれ以外の人々はそのことを知らないんだ。

 例えば、先週、俺が昔の同級生に会ったときの話だ。

 彼は俺にこう尋ねてきた。まだ遊んでるのか、と。俺が、遊んでるよ、と答えたら、世界ランキングで言うとどのあたりにいるんだい、と聞いてきた。

 俺が、大体30位くらいかな、と言うとそれに対する彼の返答は「そりゃひどいな、前に聞いたときは2位だったじゃないか」だ。まるでその順位自体に何か意味があるみたいだ!

 マジックのランキングは、単に直近の1つか2つの大規模な大会の結果を反映しているに過ぎない。それ以上の何もでもない。プロツアーに勝てば1位に「なってしまう」だろうし、その次のトーナメントが 6-6 の成績なら50位程度まで下がるだろう。

 これは世界で一番強かったプレイヤーが50番目の強さに落ちたことを意味しているのか? 49人のプレイヤーが突然彼よりも上手くなったのか? もちろん違う。このランキングが測っているのはそういうものじゃない。

 さて、何も測れないランキングに何の意味があるんだろう?

 意味があればいいのに、と俺は思う。「俺はランキングで×位にいるんだぜ」と言えれば、と。

 単に前回のプロツアーの成績がどうだったかが分かるだけではなく、俺がいくつの試合で勝利を収めてきたのかを実際に反映してくれるランキングならばそれができる。



 まあ、そんなわけで最初の方にも言ったけど、俺に解決案はない。

 俺の知っている限り、チェスではハイレベルなイベントではより少ないK値が設定されており、それによってレーティングの乱高下を防いでいる。だけどそれをどうマジックに適用させればよいのか、俺にはわからない。

 基本的に、俺は今のレーティングの方法に内包された問題点については認識しているし、誰かがこれを改善してくれるなら大喜びだ。

 だけど俺自身にはどうすればいいのか何ら妙案はない。

 そんなわけで、とりあえず今時点は現状維持でいいんじゃないかなと思っている。どの代替案も現状よりマシとは思えない。



 さて、楽しんでくれたかな。また来週!

追伸:
 俺は記事に対する提案や意見に飢えてるので、もし何か言いたいことがあれば教えてくれ。ここでも、フェイスブックでも、ツイッターでもいい(ツイッターのIDは@PVDDRだ)。

コメント

みそ@生きてる
みそ@生きてる
2011年5月13日9:10

うおー! 超読みたかったやつ!!
意外な発見がたくさんあってすごく参考になりました!

ありがとうございます!!

re-giant
2011年5月13日13:03

意外と訳しやすくて驚きました。Channel Fireballの記事は、口語的で砕けた訳しづらい文体というイメージがあったんですが、偏見よくないですね。

ラック(larryniven)。
2011年5月13日16:51

>要するに、ミラーマッチに置いては、Sword of Body and Mindの1発よりSword of Body and Mindの1発のほうがずっとキツいって話だ。

前者の剣はきっと《Sword of Feast and Famine》ですよね。

re-giant
2011年5月13日19:39

あ、本当だ。これじゃ意味が分からんですね。
さっそく直しました。ありがとうございます。

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