【翻訳】プレビューカード:偉大となるべく運命づけられた《Angelic Destiny》について/Destined for Greatness【Daily MTG】
2011年7月2日 翻訳 コメント (4)そのイラストの素晴らしさのあまりにプレビュー記事を翻訳。記事を読む前でも読んだ後でもいいけど、とりあえずそのイラストは見ておくことをおススメする。なお、このカードの壁紙が以下のリンク先で拾える。
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/arcana/745
追記:
カードギャラリーに日本語版があがったのでカードテキストを公式訳にて更新。
【翻訳】プレビューカード:偉大となるべく運命づけられた《Angelic Destiny》について/Destined for Greatness【Daily MTG】
Brian David-Marshall
2011年07月01日
元記事:http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/twtw/149
初めて新しいカードを見た時、君は最初に何を考えるだろうか?
君はそのカードを最大限に活用する方法を模索するタイプのプレイヤーだろうか? 全ての《相応の敬意/Due Respect》は《中断/Abeyance》の再来と成り得る、と見た瞬間に感じるプレイヤーの1人だろうか? もしくは《知識槽/Knowledge Pool》の「そのカードのマナ・コストを支払うことなく唱えてもよい」の文言を見るや否や《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn》を呼びだす《知識槽/Knowledge Pool》デッキを心に思い描くタイプのプレイヤーの1人だろうか?
それとも君は自身の感性に自信を持てないプレイヤーだろうか? 《純鋼の聖騎士/Puresteel Paladin》や《聖別されたスフィンクス/Consecrated Sphinx》に対する判断を保留しているのだろうか? 「禁止カード」のハッシュタグをツイッター上に生じさせ、メタゲームを歪めてしまうような、その強さが明らかになる瞬間を待っているのだろうか?
私の場合、新しいカードを見た瞬間、最初に投げかける問いかけは「ドラフトで初手に値するか?」だ。他のいかなるフォーマットよりも私はこの3つのブースターパックを一度に使うフォーマットにのめりこんでおり、このフォーマットを埋めるに値するピースとなるかどうかがカードに対する印象を左右する。「こいつはドラフトで3-0させてくれるのか?」「このカードのためなら、その色の取り合いに参加するだけの価値があるのか?」「このカードをプレイするだけで対戦相手が椅子から転げ落ちてくれるようなことになるのか?」
これら3つの問いかけに対し、今日の基本セット2012のプレビューカードは「もちろん!」と答えた。この初手に値するカードを見てくれ。
Angelic Destiny / 天使の運命 - 基本セット2012 神話レア
エンチャント - オーラ(Aura)
エンチャント(クリーチャー)
エンチャントされているクリーチャーは
+4/+4の修整を受けるとともに飛行と先制
攻撃を持ち、それの他のタイプに加えて天使
でもある。
エンチャントされているクリーチャーが死亡
したとき、天使の運命をオーナーの手札に戻す。
参照:http://www.wizards.com/magic/tcg/article.aspx?x=mtg/tcg/magic2012/cig
こいつは俗に言う初手確定の爆弾カードというものだ。基本セット2012のカードギャラリーのそこかしこに紹介されてしている 呪禁/Hexproof (註)持ちのクリーチャーたちと一緒なら、君たちがドラフトで緑白を選択から除外するタイプのプレイヤーでない限りは3-0しないほうが難しいだろう。
(註) 呪禁/Hexproofマジック2012では、新たな常設キーワードが登場します。それが呪禁です!
呪禁を持つクリーチャーは、あなたの対戦相手がコントロールする呪文や能力の対象になりませんが、あなたはそれを通常通りに呪文や能力の対象にすることができます。
引用元:http://www.wizards.com/magic/tcg/article.aspx?x=mtg/tcg/magic2012/mechanics#1
私はしばしば《鎧をまとった上昇/Armored Ascension》を《聖なる狼/Sacred Wolf》で有効活用するデッキを基本セット2011のドラフトで組んでいた。もっとも《聖なる狼/Sacred Wolf》と組み合わせれば大抵のオーラは「強いカード」ではあるが、《Angelic Destiny》は単体でも十分に強いカードだ。もし君がこれを着せてボタンをかけてあげたクリーチャーを対戦相手が除去できなければ、ゲームは数ターンとかからずに終わることだろう。
4/4で先制攻撃持ちの飛行クリーチャーである天使はリミテッドで大活躍するだろうし、当然ドラフトで初手に値するカードであり、それ単体でゲームを簡単に支配できる。すでにコントロールしているクリーチャーの性能にそれを上乗せできるとあれば、君が生み出すそれは怪物そのものだ。それに加えて、もしエンチャントされているクリーチャーを除去できたとしても、そのエンチャントは次のクリーチャーにつけられることで再度目の前に立ちふさがるのだ。
私がこの大砲のようなカードを見た瞬間に考えた2つ目の点について話すのにちょうどいいタイミングのようだ。それは「リミテッドで対戦相手にこいつを出されたときにどう対処したらいいんだ?」ということだ。
このカードは実に相手どるのが難しく、かつ対戦相手の手札にあると知っているとタップアウトするのがためらわれるようなカードでもある。エンチャントされたクリーチャーが死亡するとこのオーラは持ち主の手に帰る(ところでこの「死亡する」というのはシニア・スーパー・シリーズ(註)のメンバーでもある私にさえ驚くほどよく馴染む新用語だ)。
(註) シニア・スーパー・シリーズ
若い世代のみを対象にした「ジュニア・スーパー・シリーズ/Junior Super Series」があるなら、仕事や家庭を持っているせいで自由に時間がとれない30代以上のみを対象にした「シニア・スーパー・シリーズ/Senior Super Series」があってもいいじゃないか、という提案から生まれたものらしい。
元記事では「古参プレイヤー」という意味で使われているっぽい。ずっと昔からこの新用語のない環境で遊んで来たプレイヤーである筆者でもすんなり受け入れられた、ということ。
参照:http://www.starcitygames.com/magic/misc/654_The_Magic_Senior_Tour.html
このカードの働きから最初に思い浮かべたのは《怨恨/Rancor》(註)だ。これは一度戦場に出てしまうと除去することがほぼ不可能な代物だった。今回の新カードはこれよりかは小回りが利かないものだが、それでも一癖あることに変わりはない。
(註) Rancor / 怨恨 (緑)
エンチャント - オーラ(Aura)
エンチャント(クリーチャー)
エンチャントされているクリーチャーは、+2/+0の修整を受けるとともにトランプルを持つ。
怨恨が戦場から墓地に置かれたとき、怨恨をオーナーの手札に戻す。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Rancor/
もっともよい方法は打ち消してしまうことだろう。古典的な手段だが《マナ漏出/Mana Leak》を用いたり、もう少し玄人好みな手段としては対象となったクリーチャーを除去したり対象不適正にしてしまうことだ。そのとおり、私は君の話をしているんだ、《歯止め/Stave Off》(註)! 経験豊かなプレイヤーであれば除去のマナを残したプレイヤー相手にみすみすと初手で取ったカードを明け渡したりはしないだろうが、ただ1点の白マナがアンタップしていたからといって何が出来るというんだ?
(註) Stave Off / 歯止め (白)
インスタント
クリーチャー1体を対象とする。あなたは色を1色選ぶ。それはターン終了時までプロテクション(その選ばれた色)を得る。(それは選ばれた色によって、ブロックされず、対象にならず、ダメージを与えられず、エンチャントされない。)
参照:http://www.wizards.com/magic/tcg/article.aspx?x=mtg/tcg/magic2012/cig
《歯止め/Stave Off》は、かつて私とMike Floresが使い道を模索したカードであり、最近のポッドキャストで発見した使い道として、似たような効果を持つ多くのカードと異なり、自分のクリーチャーを危険から守ってくれるだけでなく、対戦相手のクリーチャーをその援護から「守ってくれる」カードとしても使えるのだ。構築では《欠片の双子/Splinter Twin》対策として十分な働きをしてくれるし、この基本セットのリミテッドでは自分のクリーチャーを守るのはもちろん、対戦相手の《Angelic Destiny》に対抗するためにこっそり手の平に隠しておくことになるカードだと思っている(比喩的な意味でだよ、もちろん!)。
ところで、90年代半ばに勃発していた《浄火の鎧/Empyrial Armor》(註)の戦いを経験している古参兵として、バウンスもこのカードに対抗する有効な手段であることは承知している。《送還/Unsummon》(註)は長い事マジックの歴史におり、その中で幾度となくエンチャントのついたクリーチャーを手札に戻してきた。クリーチャーにつけられるのに対応してバウンスしてもよいし、ついたあとでも望むときに戻してしまうことが出来る。
(註) Empyrial Armor / 浄火の鎧 (1)(白)(白)
エンチャント - オーラ(Aura)
エンチャント(クリーチャー)
エンチャントされているクリーチャーは、あなたの手札にあるカード1枚につき+1/+1の修整を受ける。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Empyrial+Armor/
(註) Unsummon / 送還 (青)
インスタント
クリーチャー1体を対象とし、それをオーナーの手札に戻す。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Unsummon/
ソーサリーのタイミングでもよいのであれば《霊気の達人/AEther Adept》(註)はこの仕事にうってつけだろう。《Angelic Destiny》が解決してしまったあとでもクリーチャーをバウンスすることでそれを墓地に落とすことが出来る。その場合、エンチャントされたクリーチャーからの手痛い一撃を受ける覚悟が必要だが、バウンスしてしまえばそのゲームの最中はもうこの厄介なオーラに悩まされずに済むわけだ。そうだろう?
(註) AEther Adept / 霊気の達人 (1)(青)(青)
クリーチャー - 人間(Human) ウィザード(Wizard)
霊気の達人が戦場に出たとき、クリーチャー1体を対象とし、それをオーナーの手札に戻す。
2/2
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/AEther+Adept/
さて、さらにカードイメージギャラリーを眺めていて興味をそそられたのは《貪る大群/Devouring Swarm》だ。この大群が対戦相手の場にいると対戦相手の戦略は柔軟性を増し、《霊気の達人/AEther Adept》とともにいる君は居心地の悪い思いをすることになる。この大群はエンチャントされたクリーチャーを生け贄に捧げることができる。エンチャントされているのが《貪る大群/Devouring Swarm》自身であったとしてもだ。バウンスに対して、手札に戻すのをクリーチャーにするかエンチャントにするか選択できるようになるわけだ。
またインスタントのタイミングで生け贄に捧げる能力はエンチャント破壊からこのオーラを守るのに使うこともできる。君の対戦相手が《Angelic Destiny》を《酸のスライム/Acidic Slime》しようとしても、対応してクリーチャーを生け贄に捧げることで《酸のスライム/Acidic Slime》の能力が解決される前にオーラを手札に戻すことができる。
(註) Devouring Swarm / 貪る大群 (1)(黒)(黒)
クリーチャー - 昆虫(Insect)
飛行
クリーチャーを1体生け贄に捧げる:貪る大群は、ターン終了時まで+1/+1の修整を受ける。
2/1
参照:http://www.wizards.com/magic/tcg/article.aspx?x=mtg/tcg/magic2012/cig
(註) Acidic Slime / 酸のスライム (3)(緑)(緑)
クリーチャー - ウーズ(Ooze)
接死(これが何らかのダメージをクリーチャーに与えた場合、それだけで破壊される。)
酸のスライムが戦場に出たとき、アーティファクト1つかエンチャント1つか土地1つを対象とし、それを破壊する。
2/2
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Acidic+Slime/
基本セットの話をすると、もし対戦相手が君のエンチャントをなんとか破壊することに成功してしまったとしても、君は《オーラ術師/Auramancer》を使えばいつでも彼らの労力を無に帰すことができる。私は基本セット2012のリミテッドで「6/6 飛行、先制攻撃」となった《オーラ術師/Auramancer》を何度も見ることになるだろうと予想している。もし開けたパックから《Angelic Destiny》を引けたなら、再利用を可能にしてくれる《オーラ術師/Auramancer》の点数は少し上がることになるだろう。言うまでもないことだが、このオーラはそのためだけにデッキを歪めるほどの価値のあるカードだ。自身が使う場合にも、対戦相手に使われる場合にもね。
Auramancer / オーラ術師 (2)(白)
クリーチャー - 人間(Human) ウィザード(Wizard)
オーラ術師が戦場に出たとき、あなたの墓地にあるエンチャント・カード1枚を対象とする。あなたは、それをあなたの手札に戻してもよい。
2/2
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Auramancer/
どんな天使にとっても追放されるということは耐えられないことであり、このカードもその原則の例外ではない。つい最近、基本セットに帰って来てくれた《忘却の輪/Oblivion Ring》はこのオーラによって翼を与えられたクリーチャーに対抗するのにふさわしいカードだ。もちろんエンチャントされたクリーチャーを対象にできればそれにこしたことはないが、もし 呪禁/Hexproof 持ちのクリーチャーにつけられてしまった場合でも大丈夫だ。そのときは単にエンチャントそれ自体を追放してしまえばよいのだ。
Oblivion Ring / 忘却の輪 (2)(白)
エンチャント
忘却の輪が戦場に出たとき、他の土地ではないパーマネント1つを対象とし、それを追放する。
忘却の輪が戦場を離れたとき、その追放されたカードをオーナーのコントロール下で戦場に戻す。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Oblivion+Ring/
新しいカードを見たときに私が考えることの3つ目は、それが構築での使用に耐えうるものだろうか、ということだ。60枚でデッキが組まれる環境にこのカードは値するのだろうか? これに対する私の解答は「イエス」だ。この1年間、私たちは装備をまとったクリーチャーたちが環境を席巻するのを見てきた。確かに装備品には高いアドバンテージがある。しかしこのカードにも装備品の持つアドバンテージがいくつか備わっているし、ここのところ多くのデッキのサイドボードに鎮座ましましているアーティファクト対策をかいくぐれるという利点がある。
このカードを活かせるデッキの詳細と、このカードを身にまとうにふさわしいクリーチャーについてはここでは語らない。それは世界中のFloresたちと君に任せることにする。このカードを60枚デッキに入れることに関する君の考えをフォーラム(もしくはその他どこでも)で聞かせて欲しい。さて、このカードはスタンダードに参入することが出来るだろうか?
君たちがそうしてくれている間、私はカードリストを漁る仕事に戻るとしよう。今、私の頭の中で芽吹こうとしている統率者用エンチャトレスデッキのためにバントカラーの統率者を探さないといけないからだ。新しいカードを見たときに統率者に使えるかどうか考えるのは最後の最後だが、あれやこれやと一番長く試すのも統率者に関してだね!
コメント
これは誤りです。
原文は
When enchanted creature dies, return Angelic Destiny to its owner’s hand.
ですので、和文は(おそらく)
エンチャントされているクリーチャーが死亡したとき、Angelic Destinyをそのオーナーの手札に戻す。
です。
いずれにしても公式訳が出たらすぐに差し替える予定なのでとりあえずこのままにしときます。遠からず出るでしょう。出て欲しい。
と思えば、誤訳でしたか。
しかし神話レアなら誤訳バージョンぐらい強力でも良かっただろうに・・・
考えてみたら元記事と齟齬が起きるわけで、それはコラム書いた方に失礼だ。
というわけで直しました。また公式訳があがったら差し替えます。