【翻訳】素晴らしき狂喜と過ぎ去りし狂喜/The Beauty and Bygone Times of Bloodthirst【DailyMTG】
Mike Flores
2011年8月4日
元記事:http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/daily/td/154
公式のカード検索ページであるGathererで「狂喜/Bloodthirstを含むカード」という条件で検索をかけると23件のカードがヒットするが、そのうちの1枚は《血に飢えた大峨/Bloodthirsty Ogre 》なので、これはちょっと脇に置いておくことにする。
実際に狂喜/Bloodthirstを持っている残りの22枚のカードのうち、11枚はギルドパクトのセットに収録されているもの、1枚は未来予知の「他セットからメカニズムを拝借してきたコモン」、残りの10枚のカードが基本セット2012のスタンダードリーガルなカードたちだ。
そう、今日の記事は狂喜/Bloodthirstについてだ。まずはギルドパクトに収録されていた狂喜/Bloodthirst持ちのカードを見てみようと思う。それからあらためて基本セット2012におけるこれからの狂喜/Bloodthirstについて話したいと考えている。
ギルドパクトの狂喜/Bloodthirst持ちのカードについて
- 1マナ
《スカルガンの穴潜み/Skarrgan Pit-Skulk》
- 2マナ
《瘡蓋族のやっかい者/Scab-Clan Mauler》
- 3マナ
《軟骨背獣/Gristleback》
- 4マナ
《炎樹族の血鱗/Burning-Tree Bloodscale》
《野次馬煽り/Rabble-Rouser》
- 5マナ
《ゴーア族の野人/Ghor-Clan Savage》
- 6マナ
《スカルガンの火の鳥/Skarrgan Firebird》
- 7マナ
《乱打するワーム/Battering Wurm》
《石化した樹の血族/Petrified Wood-Kin》
《スカルガンの空砕き/Skarrgan Skybreaker》
マナコストに対して費用対効果の高い脅威を生み出せたときこそ、狂喜/Bloodthirstは最高の輝きを放つ。
まず《乱打するワーム/Battering Wurm》と《スカルガンの空砕き/Skarrgan Skybreaker》を見てみよう。これらの7マナクリーチャーは対戦相手がすでにダメージを受けていればそれぞれ5/4と6/6となってくれる。
トーナメントの構築フォーマットで7マナクリーチャーが使われるために越えなければいけないハードルはただでさえ非常に高い。さらに、よほどの使える能力を持っていなければ7マナで6/6というサイズさえもスタンダードでは十分とは言えない。
逆のケースを考えてみよう。
ギルドパクトに収録されている狂喜/Bloodthirst持ちのクリーチャーの中で、広く実戦に用いられ、かつ実際に活躍したと呼べるものは《瘡蓋族のやっかい者/Scab-Clan Mauler》しかいなかった。
それが最も活躍したのはなんと言ってもそのプロツアーでのデビュー戦だろう。
---------------------------------------------------------
デッキ名:Heezy Street
(Mark Herberholz、プロツアーホノルル06優勝)(註)
メインデッキ 60枚
土地 23枚
6 《森/Forest》
4 《カープルーザンの森/Karplusan Forest》
7 《山/Mountain》
2 《怒りの穴蔵、スカルグ/Skarrg, the Rage Pits》
4 《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》
クリーチャー 27枚
4 《炎樹族のシャーマン/Burning-Tree Shaman》
4 《世慣れたドライアド/Dryad Sophisticate》
3 《激情のゴブリン/Frenzied Goblin》
4 《巨大ヒヨケムシ/Giant Solifuge》
4 《密林の猿人/Kird Ape》
4 《瘡蓋族のやっかい者/Scab-Clan Mauler》
4 《焼け焦げたルサルカ/Scorched Rusalka》
その他 10枚
4 《黒焦げ/Char》
3 《血の手の炎/Flames of the Blood Hand》
3 《腐れ蔦の外套/Moldervine Cloak》
サイドボード 15枚
4 《血染めの月/Blood Moon》
1 《血の手の炎/Flames of the Blood Hand》
2 《帰化/Naturalize》
2 《喧騒の貧霊/Rumbling Slum》
2 《ブリキ通りの悪党/Tin Street Hooligan》
4 《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》
---------------------------------------------------------
狂喜/Bloodthirstの栄冠をいただくにふさわしいクリーチャーを挙げろと言われれば、それは間違いなく《瘡蓋族のやっかい者/Scab-Clan Mauler》だ。
Mark Herberholzは、マナを安定させつつも非常に前のめりなグルール・ビートダウンデッキで戦うべくZooデッキの定番である白のカードたち(《番狼/Watchwolf》や《稲妻のらせん/Lightning Helix》など)を切り捨てた。
コントロールデッキもビートダウンデッキも、どっちもデザイン出来るという稀有な才能を持つデッキデザイナーである彼は、非常に低いマナカーブを描くために1マナ域に《密林の猿人/Kird Ape》のみならず《激情のゴブリン/Frenzied Goblin》や《焼け焦げたルサルカ/Scorched Rusalka》までも投入した。
大量の1マナクリーチャーを投入したことで2ターン目から対戦相手へ攻撃できるチャンスは非常に高くなり、それによって《瘡蓋族のやっかい者/Scab-Clan Mauler》を最大サイズで呼び出す確率を大幅に引き上げている。
見るところのない1/1を2マナで呼び出したいと思うプレイヤーはいないだろうが、さてこれが2マナで3/3のトランプル持ちとくれば? そうこなくっちゃ!
当時、このサイズに相対することのできる2マナ・クリーチャーを持ったデッキは少なかった(《番狼/Watchwolf》、《名誉の手/Hand of Honor》、《残虐の手/Hand of Cruelty》、あとは1ターン後に現れる《炎樹族のシャーマン/Burning-Tree Shaman》くらいだ)。
加えて多くの対戦相手の2ターン目の行動が、戦闘に加われない1/2(訳註)や《吠えたける鉱山/Howling Mine》(禁止されてしまえ!)であったことを考えるに、まさにそこは狂喜/Bloodthirstyのための舞台だったと言えよう!
素早く戦場に登場し、同じマナ域よりも大きなサイズを持ち、費用対効果が高い。これぞまさに狂喜/Bloodthirstの強みだ。その違いこそがベンツ(《瘡蓋族のやっかい者/Scab-Clan Mauler》)と構築に顔を出さない乗用車(例えば《ゴーア族の野人/Ghor-Clan Savage》)とを分けるものだ。
もしR&Dの創造主たちがデメリットなしの5マナで5/6を提供したとしてとしても、それを構築デッキに入れるプレイヤーはおそらくいないだろう(それより遥かに優れたスペックを持つ《悪斬の天使/Baneslayer Angel》でようやくプレイに使われる程度だ)。4マナで5/5の《喧騒の貧霊/Rumbling Slum》も赤緑における回答にはなりえなかった。
もし君が、単なる2/3ではなく、5/6を得るために狂喜/Bloodthirstを達成しようとしたとしよう。ゲームのその段階では対戦相手がすでに何かしらの防御体制を整え終えてしまっているはずだから、君はそのためにマナか呪文を消費する必要があり、結果として損をしている可能性が高い。
5マナの狂喜/Bloodthirst持ちを用意するためだけに《ショック/Shock》を唱えなくてはいけないというのは大損だ。《ショック/Shock》のマナも含めるとすでに6マナ出せる状況にあるというだけでなく、君はさらにカードを1枚余分に消費しているのだ!
さらに、成功者である2マナの《瘡蓋族のやっかい者/Scab-Clan Mauler》と、理論上はプレイ可能だが実際には一生プレイされることのない1マナの《スカルガンの穴潜み/Skarrgan Pit-Skulk》とを比較してみると色々と面白いことが分かる。
この場合、1マナであることが2マナであることよりも損なのだ。
《瘡蓋族のやっかい者/Scab-Clan Mauler》の立ち位置は絶妙だ。1ターン目に攻撃的な1マナクリーチャー(理想的なのは《密林の猿人/Kird Ape》だろう。スタンダードでは2ターン目に呼び出されることも多い)を呼び出し、2ターン目に《瘡蓋族のやっかい者/Scab-Clan Mauler》を3/3で呼び出す。 素晴らしい!
かわいそうな《スカルガンの穴潜み/Skarrgan Pit-Skulk》。一体全体、いつコイツを呼び出せばいいんだ? 1マナで2/2と言えば聞こえはいい。特にそれに回避能力がついているとすればなおさらだが、問題は、実際に呼び出される機会がないということだ。
Heezy Streetみたいなデッキにはすでに1マナのアタッカーがひしめいている。彼らの仕事は2ターン目に狂喜/Bloodthirstを達成することだ。さて《スカルガンの穴潜み/Skarrgan Pit-Skulk》の出番は何ターン目だろう? 唱えられるべきタイミングは? これはマナコストが軽いことによって不利益をこうむった非常に珍しいカードだ。もしかしたら唯一のカードかもしれない。
さて私たちが《瘡蓋族のやっかい者/Scab-Clan Mauler》から学んだ教訓はなんだったのか。狂喜/Bloodthirstが構築デッキで最高の(そして唯一)良い働きを見せることが出来るのはマナコストに比して高い費用対効果を得られるときだ。
もちろん必要な代価を支払わなければいけないが、それに見合うだけのリターンが見込めればいいのだ。
《ボガーダンの槍騎兵/Bogardan Lancer》を追悼する
私たちが《ボガーダンの槍騎兵/Bogardan Lancer》についてあまり語りたがらない理由は想像がつくだろう。
狂喜/Bloodthirst1と側面攻撃/Flankingを持っている《ボガーダンの槍騎兵/Bogardan Lancer》を比べる相手として適当なのはおそらく《墜ちたるアスカーリ/Fallen Askari》と思われる。このカードは構築デッキの常連だった。
しかし《ボガーダンの槍騎兵/Bogardan Lancer》が登場した当時は同じ2マナ域に強力なライバルがいた。《血騎士/Blood Knight》と《ケルドの匪賊/Keldon Marauders》は疑いようも無く歴代の赤い2マナクリーチャーの中でもトップクラスの強さだ。
本当に《ボガーダンの槍騎兵/Bogardan Lancer》にはすまないことをした。
基本セット2012:狂喜/Bloodthirst持ちのカードについて(4段階評価)(註)
【2マナの狂喜/Bloodthirst持ち】
ドラフトで戦線を切り開いてくれる《放浪のエルフ/Nomadic Elf》だったり、前述のとおりプロツアーで狂喜/Bloodthirstを達成させた《瘡蓋族のやっかい者/Scab-Clan Mauler》が活躍したり、とにかく2マナのクリーチャーというのは競技マジックにおいて重要な位置を占める。
2マナの狂喜持ちアタッカーの話をするに当たって、狂喜/Bloodthirstとは「サイズに対して安いマナで呼べる可能性がある能力」という点を念頭に置く必要がある。アグレッシブなデッキで用いようとするならなおさらで、何においても先に相手を殴りつける必要があるということだ!
【3マナの狂喜/Bloodthirst持ち】
【4マナの狂喜/Bloodthirst持ち】
昔から4マナというマナコストはある種の境界線を引いている。スタンダードでここ数年の間に暴れまわっていた4マナを思い出してみてくれ。《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》、《審判の日/Day of Judgment》、そして《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》という具合だ。
つまり4マナのカードへの問いかけは「同じフォーマットで最強のカードたちと張り合えるのか?」になる。これが4マナ域に課せられる試練だ。
【5マナの狂喜/Bloodthirst持ち】
【7マナの狂喜/Bloodthirst持ち】
7マナとくれば、よほどの何かを持っていない限り、実戦でお目にかかる機会はない。実際に使われたことのある《シミックの空呑み/Simic Sky Swallower》ときたら、これでもかとばかりに能力を詰め込まれている。このカードが7マナの越えるべきハードルの基準となるだろう。
さて、狂喜/Bloodthirstについて私が語れることは以上だ。
今週末は、このDailyMTGのサイトで私の一番好きな大会であるアメリカ選手権の推移を追うつもりでいる。残念なことに今年は参加できないからだ。ありがたいことに、素晴らしいカバレージを書いてくれる素晴らしい執筆者がDailyMTGにはたくさんいるから大丈夫だけどね!
Mike Flores
2011年8月4日
元記事:http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/daily/td/154
公式のカード検索ページであるGathererで「狂喜/Bloodthirstを含むカード」という条件で検索をかけると23件のカードがヒットするが、そのうちの1枚は《血に飢えた大峨/Bloodthirsty Ogre 》なので、これはちょっと脇に置いておくことにする。
実際に狂喜/Bloodthirstを持っている残りの22枚のカードのうち、11枚はギルドパクトのセットに収録されているもの、1枚は未来予知の「他セットからメカニズムを拝借してきたコモン」、残りの10枚のカードが基本セット2012のスタンダードリーガルなカードたちだ。
そう、今日の記事は狂喜/Bloodthirstについてだ。まずはギルドパクトに収録されていた狂喜/Bloodthirst持ちのカードを見てみようと思う。それからあらためて基本セット2012におけるこれからの狂喜/Bloodthirstについて話したいと考えている。
ギルドパクトの狂喜/Bloodthirst持ちのカードについて
- 1マナ
《スカルガンの穴潜み/Skarrgan Pit-Skulk》
- 2マナ
《瘡蓋族のやっかい者/Scab-Clan Mauler》
- 3マナ
《軟骨背獣/Gristleback》
- 4マナ
《炎樹族の血鱗/Burning-Tree Bloodscale》
《野次馬煽り/Rabble-Rouser》
- 5マナ
《ゴーア族の野人/Ghor-Clan Savage》
- 6マナ
《スカルガンの火の鳥/Skarrgan Firebird》
- 7マナ
《乱打するワーム/Battering Wurm》
《石化した樹の血族/Petrified Wood-Kin》
《スカルガンの空砕き/Skarrgan Skybreaker》
マナコストに対して費用対効果の高い脅威を生み出せたときこそ、狂喜/Bloodthirstは最高の輝きを放つ。
まず《乱打するワーム/Battering Wurm》と《スカルガンの空砕き/Skarrgan Skybreaker》を見てみよう。これらの7マナクリーチャーは対戦相手がすでにダメージを受けていればそれぞれ5/4と6/6となってくれる。
Battering Wurm / 乱打するワーム (6)(緑)
クリーチャー - ワーム(Wurm)
狂喜1(このターン、いずれかの対戦相手にダメージが与えられている場合、このクリーチャーはその上に+1/+1カウンターが1個置かれた状態で戦場に出る。)
乱打するワームよりパワーが小さいクリーチャーは、これをブロックできない。
4/3
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Battering+Wurm/
Skarrgan Skybreaker / スカルガンの空砕き (4)(赤)(赤)(緑)
クリーチャー - 巨人(Giant) シャーマン(Shaman)
狂喜3(このターン、いずれかの対戦相手にダメージが与えられている場合、このクリーチャーはその上に+1/+1カウンターが3個置かれた状態で戦場に出る。)
(1),スカルガンの空砕きを生け贄に捧げる:クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。スカルガンの空砕きはそれに、これ自身のパワーに等しい点数のダメージを与える。
3/3
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Skarrgan+Skybreaker/
トーナメントの構築フォーマットで7マナクリーチャーが使われるために越えなければいけないハードルはただでさえ非常に高い。さらに、よほどの使える能力を持っていなければ7マナで6/6というサイズさえもスタンダードでは十分とは言えない。
逆のケースを考えてみよう。
Scab-Clan Mauler / 瘡蓋族のやっかい者 (赤)(緑)
クリーチャー - 人間(Human) 狂戦士(Berserker)
狂喜2(このターン、いずれかの対戦相手にダメージが与えられている場合、このクリーチャーはその上に+1/+1カウンターが2個置かれた状態で戦場に出る。)
トランプル
1/1
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Scab-Clan+Mauler/
ギルドパクトに収録されている狂喜/Bloodthirst持ちのクリーチャーの中で、広く実戦に用いられ、かつ実際に活躍したと呼べるものは《瘡蓋族のやっかい者/Scab-Clan Mauler》しかいなかった。
それが最も活躍したのはなんと言ってもそのプロツアーでのデビュー戦だろう。
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デッキ名:Heezy Street
(Mark Herberholz、プロツアーホノルル06優勝)(註)
メインデッキ 60枚
土地 23枚
6 《森/Forest》
4 《カープルーザンの森/Karplusan Forest》
7 《山/Mountain》
2 《怒りの穴蔵、スカルグ/Skarrg, the Rage Pits》
4 《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》
クリーチャー 27枚
4 《炎樹族のシャーマン/Burning-Tree Shaman》
4 《世慣れたドライアド/Dryad Sophisticate》
3 《激情のゴブリン/Frenzied Goblin》
4 《巨大ヒヨケムシ/Giant Solifuge》
4 《密林の猿人/Kird Ape》
4 《瘡蓋族のやっかい者/Scab-Clan Mauler》
4 《焼け焦げたルサルカ/Scorched Rusalka》
その他 10枚
4 《黒焦げ/Char》
3 《血の手の炎/Flames of the Blood Hand》
3 《腐れ蔦の外套/Moldervine Cloak》
サイドボード 15枚
4 《血染めの月/Blood Moon》
1 《血の手の炎/Flames of the Blood Hand》
2 《帰化/Naturalize》
2 《喧騒の貧霊/Rumbling Slum》
2 《ブリキ通りの悪党/Tin Street Hooligan》
4 《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》
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(註) プロツアーホノルル06
プロツアーホノルル06の日本語版カバレージは以下のリンク先。
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Events.aspx?x=mtgevent/pthon06ja/welcome
狂喜/Bloodthirstの栄冠をいただくにふさわしいクリーチャーを挙げろと言われれば、それは間違いなく《瘡蓋族のやっかい者/Scab-Clan Mauler》だ。
Mark Herberholzは、マナを安定させつつも非常に前のめりなグルール・ビートダウンデッキで戦うべくZooデッキの定番である白のカードたち(《番狼/Watchwolf》や《稲妻のらせん/Lightning Helix》など)を切り捨てた。
コントロールデッキもビートダウンデッキも、どっちもデザイン出来るという稀有な才能を持つデッキデザイナーである彼は、非常に低いマナカーブを描くために1マナ域に《密林の猿人/Kird Ape》のみならず《激情のゴブリン/Frenzied Goblin》や《焼け焦げたルサルカ/Scorched Rusalka》までも投入した。
大量の1マナクリーチャーを投入したことで2ターン目から対戦相手へ攻撃できるチャンスは非常に高くなり、それによって《瘡蓋族のやっかい者/Scab-Clan Mauler》を最大サイズで呼び出す確率を大幅に引き上げている。
見るところのない1/1を2マナで呼び出したいと思うプレイヤーはいないだろうが、さてこれが2マナで3/3のトランプル持ちとくれば? そうこなくっちゃ!
当時、このサイズに相対することのできる2マナ・クリーチャーを持ったデッキは少なかった(《番狼/Watchwolf》、《名誉の手/Hand of Honor》、《残虐の手/Hand of Cruelty》、あとは1ターン後に現れる《炎樹族のシャーマン/Burning-Tree Shaman》くらいだ)。
加えて多くの対戦相手の2ターン目の行動が、戦闘に加われない1/2(訳註)や《吠えたける鉱山/Howling Mine》(禁止されてしまえ!)であったことを考えるに、まさにそこは狂喜/Bloodthirstyのための舞台だったと言えよう!
(訳註) 戦闘に加われない1/2
どのカードを指しているのか不明。当時の主要なスタンダードのデッキに非戦闘員の1/2が見当たらない。ハウリングオウルにいる《三日月の神/Kami of the Crescent Moon》は、1/3だし……。
素早く戦場に登場し、同じマナ域よりも大きなサイズを持ち、費用対効果が高い。これぞまさに狂喜/Bloodthirstの強みだ。その違いこそがベンツ(《瘡蓋族のやっかい者/Scab-Clan Mauler》)と構築に顔を出さない乗用車(例えば《ゴーア族の野人/Ghor-Clan Savage》)とを分けるものだ。
もしR&Dの創造主たちがデメリットなしの5マナで5/6を提供したとしてとしても、それを構築デッキに入れるプレイヤーはおそらくいないだろう(それより遥かに優れたスペックを持つ《悪斬の天使/Baneslayer Angel》でようやくプレイに使われる程度だ)。4マナで5/5の《喧騒の貧霊/Rumbling Slum》も赤緑における回答にはなりえなかった。
もし君が、単なる2/3ではなく、5/6を得るために狂喜/Bloodthirstを達成しようとしたとしよう。ゲームのその段階では対戦相手がすでに何かしらの防御体制を整え終えてしまっているはずだから、君はそのためにマナか呪文を消費する必要があり、結果として損をしている可能性が高い。
5マナの狂喜/Bloodthirst持ちを用意するためだけに《ショック/Shock》を唱えなくてはいけないというのは大損だ。《ショック/Shock》のマナも含めるとすでに6マナ出せる状況にあるというだけでなく、君はさらにカードを1枚余分に消費しているのだ!
さらに、成功者である2マナの《瘡蓋族のやっかい者/Scab-Clan Mauler》と、理論上はプレイ可能だが実際には一生プレイされることのない1マナの《スカルガンの穴潜み/Skarrgan Pit-Skulk》とを比較してみると色々と面白いことが分かる。
この場合、1マナであることが2マナであることよりも損なのだ。
《瘡蓋族のやっかい者/Scab-Clan Mauler》の立ち位置は絶妙だ。1ターン目に攻撃的な1マナクリーチャー(理想的なのは《密林の猿人/Kird Ape》だろう。スタンダードでは2ターン目に呼び出されることも多い)を呼び出し、2ターン目に《瘡蓋族のやっかい者/Scab-Clan Mauler》を3/3で呼び出す。 素晴らしい!
かわいそうな《スカルガンの穴潜み/Skarrgan Pit-Skulk》。一体全体、いつコイツを呼び出せばいいんだ? 1マナで2/2と言えば聞こえはいい。特にそれに回避能力がついているとすればなおさらだが、問題は、実際に呼び出される機会がないということだ。
Heezy Streetみたいなデッキにはすでに1マナのアタッカーがひしめいている。彼らの仕事は2ターン目に狂喜/Bloodthirstを達成することだ。さて《スカルガンの穴潜み/Skarrgan Pit-Skulk》の出番は何ターン目だろう? 唱えられるべきタイミングは? これはマナコストが軽いことによって不利益をこうむった非常に珍しいカードだ。もしかしたら唯一のカードかもしれない。
さて私たちが《瘡蓋族のやっかい者/Scab-Clan Mauler》から学んだ教訓はなんだったのか。狂喜/Bloodthirstが構築デッキで最高の(そして唯一)良い働きを見せることが出来るのはマナコストに比して高い費用対効果を得られるときだ。
もちろん必要な代価を支払わなければいけないが、それに見合うだけのリターンが見込めればいいのだ。
《ボガーダンの槍騎兵/Bogardan Lancer》を追悼する
私たちが《ボガーダンの槍騎兵/Bogardan Lancer》についてあまり語りたがらない理由は想像がつくだろう。
狂喜/Bloodthirst1と側面攻撃/Flankingを持っている《ボガーダンの槍騎兵/Bogardan Lancer》を比べる相手として適当なのはおそらく《墜ちたるアスカーリ/Fallen Askari》と思われる。このカードは構築デッキの常連だった。
しかし《ボガーダンの槍騎兵/Bogardan Lancer》が登場した当時は同じ2マナ域に強力なライバルがいた。《血騎士/Blood Knight》と《ケルドの匪賊/Keldon Marauders》は疑いようも無く歴代の赤い2マナクリーチャーの中でもトップクラスの強さだ。
本当に《ボガーダンの槍騎兵/Bogardan Lancer》にはすまないことをした。
基本セット2012:狂喜/Bloodthirst持ちのカードについて(4段階評価)(註)
(註) 4段階評価
この記事の筆者であるMike Floresが様々な記事で用いている4段階評価については以下のリンク先にまとめておいた。ただ今回の記事の4段階はこれとはまたちょっと違うっぽいけど。
【翻訳】マイク・フローレスのカード4段階評価
http://regiant.diarynote.jp/201105301242053537/
【2マナの狂喜/Bloodthirst持ち】
ドラフトで戦線を切り開いてくれる《放浪のエルフ/Nomadic Elf》だったり、前述のとおりプロツアーで狂喜/Bloodthirstを達成させた《瘡蓋族のやっかい者/Scab-Clan Mauler》が活躍したり、とにかく2マナのクリーチャーというのは競技マジックにおいて重要な位置を占める。
2マナの狂喜持ちアタッカーの話をするに当たって、狂喜/Bloodthirstとは「サイズに対して安いマナで呼べる可能性がある能力」という点を念頭に置く必要がある。アグレッシブなデッキで用いようとするならなおさらで、何においても先に相手を殴りつける必要があるということだ!
Duskhunter Bat / 薄暮狩りのコウモリ (1)(黒)
クリーチャー - コウモリ(Bat)
狂喜1(このターン、いずれかの対戦相手にダメージが与えられている場合、このクリーチャーはその上に+1/+1カウンターが1個置かれた状態で戦場に出る。)
飛行
1/1
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Duskhunter+Bat/
実のところ、これはなかなか興味深いクリーチャーだ。いつか構築環境に顔を出すことがあったとしても正直それほどは驚かないだろう。黒だけでなくその定番の相方である赤も、攻撃的でかつブロックしづらい1マナクリーチャーには事欠かない(例えば《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator》や《ゴブリンの先達/Goblin Guide》などだ)。
《薄暮狩りのコウモリ/Duskhunter Bat》は、ここが素晴らしい
狂喜を達成しさせすれば、《薄暮狩りのコウモリ/Duskhunter Bat》は基本的に色違いの《レオニンの空狩人/Leonin Skyhunter》だ。《レオニンの空狩人/Leonin Skyhunter》は悪くないカードだった……が、白単ウィニーのようなこのカード向きのデッキであっても100%採用されるわけではないカードでもある。
そしてここに挙げているのは、努力次第でようやっと《レオニンの空狩人/Leonin Skyhunter》並みになれるカードの話だ。空狩人より「悪くはない」が、より優れていると言うほどでもない。
《薄暮狩りのコウモリ/Duskhunter Bat》は、ここがイマイチだ
過去の伝説級な強さを誇る2マナクリーチャーで評価が「悪くはない」程度だった奴はいない。1/1で飛行の《薄暮狩りのコウモリ/Duskhunter Bat》は「悪くはない」が、ここで忘れてはいけないのは、私たちが戦っている相手が誰なのかということだ。
そこには《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle》を見つけてくる《原始のタイタン/Primeval Titan》だけでなく、《極楽鳥/Birds of Paradise》の助けを借りて3ターン目に即死コンボを狙ってくる《詐欺師の総督/Deceiver Exarch》と《欠片の双子/Splinter Twin》がいるのだ。
評価:出番あり(ぎりぎり)/Constructed Playable (fringe)
(※ これは「構築での出番なし」の1つ上に当たる新しい評価だ)
Stormblood Berserker / 嵐血の狂戦士 (1)(赤)
クリーチャー - 人間(Human) 狂戦士(Berserker)
狂喜2(このターン、いずれかの対戦相手にダメージが与えられている場合、このクリーチャーはその上に+1/+1カウンターが2個置かれた状態で戦場に出る。)
嵐血の狂戦士は、2体以上のクリーチャーによってしかブロックされない。
1/1
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Stormblood+Berserker/
基本的に《嵐血の狂戦士/Stormblood Berserker》の存在は Heezy Street(訳注:この記事で紹介されていたMark Herberholzのデッキ名)の再来を意味している。
最近のMark Herberholzはまたしても大会で優勝を狙えるデッキをデザインし始めており(プロツアー名古屋でDavid SharfmanとPat Coxが使っていた《純鋼の聖騎士/Puresteel Paladin》デッキは彼の手によるものだ)、もしかしたら私たちは過去に活躍したあのデッキが、この偉大なデッキデザイナーの手によって復活するのを目の当たりにできるかもしれない。
私が言いたいのは、《嵐血の狂戦士/Stormblood Berserker》は実質的によりプレイしやすい《瘡蓋族のやっかい者/Scab-Clan Mauler》だと言うことだ。
《嵐血の狂戦士/Stormblood Berserker》は、ここが素晴らしい
《嵐血の狂戦士/Stormblood Berserker》は単色だ。赤にはすでに狂喜/Bloodthirstを達成するための1マナたちがいっぱい用意されている(《ゴブリンの先達/Goblin Guide》、《渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer》、《トゲ撃ちの古老/Spikeshot Elder》などだ)。
もう安くアグレッシブに攻めるために緑を足しこむ必要などないのだ。もっとも君が古きよきステロイドを組みたいなら、それはそれで何の問題もない。
《嵐血の狂戦士/Stormblood Berserker》は、ここがイマイチだ
ライバルが多すぎることだ! スタンダードで採用したい候補にあふれかえっているのが今の赤という色だ。それは《燃え上がる憤怒の祭殿/Shrine of Burning Rage》に始まり、バーンデッキの雄である《稲妻/Lightning Bolt》や、他にも《焼尽の猛火/Searing Blaze》や《ゴブリンの手投げ弾/Goblin Grenade》などがある。
《嵐血の狂戦士/Stormblood Berserker》がイマイチかどうかという問題ではなく、この充実した色の中で他の選択肢を上回るほどに良いカードかどうかが問題なのだ。
評価:出番あり - ときどき(高)/Role Player (high)
【3マナの狂喜/Bloodthirst持ち】
Blood Ogre / 血のオーガ (2)(赤)
クリーチャー - オーガ(Ogre) 戦士(Warrior)
狂喜1(このターン、いずれかの対戦相手にダメージが与えられている場合、このクリーチャーはその上に+1/+1カウンターが1個置かれた状態で戦場に出る。)
先制攻撃(このクリーチャーは、先制攻撃を持たないクリーチャーより先に戦闘ダメージを与える。)
2/2
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Blood+Ogre/
素出しすると「《灰色オーガ/Gray Ogre》よりはマシ」であり、条件を達成できれば「3マナ 3/3 先制攻撃」だ。
《血のオーガ/Blood Ogre》は、ここが素晴らしい
その昔、何のおまけもつかない3マナ3/3のクリーチャーがZvi Mowshowitzによって《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》と同等の評価をされたことがあった(しかも同じセット内での話だ)。《血のオーガ/Blood Ogre》は先制攻撃を持っていることにより、それを上回る性能だとも言えるが……
《血のオーガ/Blood Ogre》は、ここがイマイチだ
……3マナで2/2は到底構築に顔を出せるレベルじゃない。
評価:構築での出番なし/Constructed Unplayable
Bloodrage Vampire / 血怒りの吸血鬼 (2)(黒)
クリーチャー - 吸血鬼(Vampire)
狂喜1(このターン、いずれかの対戦相手にダメージが与えられている場合、このクリーチャーはその上に+1/+1カウンターが1個置かれた状態で戦場に出る。)
3/1
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Bloodrage+Vampire/
ギルドパクトでは狂喜/Bloodthirstという能力は非常に「赤と緑な」能力だったが、基本セット2012でそれは黒にも与えられた。このセットの黒のメイン種族である吸血鬼との相性が抜群によろしかったからだ。狂喜/Bloodthirstと吸血鬼の牙は実によく似合うだろ?
《血怒りの吸血鬼/Bloodrage Vampire》は、ここが素晴らしい
狂喜/Bloodthirstによって得られる追加のパワーは、3マナでパワー4を実現できる。その他の点に目を向けないなら、結構いい感じに思えないか? えーと、ほら、《皮背のベイロス/Leatherback Baloth》みたいな。
《血怒りの吸血鬼/Bloodrage Vampire》は、ここがイマイチだ
狂喜/Bloodthirstを達成したとしても、こいつのタフネスは2点どまりだ。これは欠点以外の何ものでもない。何しろ対戦相手がこれを1点でも上回ることが非常に簡単だからだ。
少なくとも《血のオーガ/Blood Ogre》は 3/3の先制攻撃として場に出ることがあり得る(そしてそれでもなお構築デッキに出番なしという評価だった)。対して、全力を出し切った《血怒りの吸血鬼/Bloodrage Vampire》は、素のままの1マナ・クリーチャーと戦闘で相打ちすることがあり得る。
そいつはちょっと頂けないな。
評価:構築での出番なし/Constructed Unplayable
Lurking Crocodile / 隠れ潜む鰐 (2)(緑)
クリーチャー - クロコダイル(Crocodile)
狂喜1(このターン、いずれかの対戦相手にダメージが与えられている場合、このクリーチャーはその上に+1/+1カウンターが1個置かれた状態で戦場に出る。)
島渡り(このクリーチャーは、防御プレイヤーが島(Island)をコントロールしている限りブロックされない。)
2/2
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Lurking+Crocodile/
《隠れ潜む鰐/Lurking Crocodile》は、ここが素晴らしい
このカードのデザインは美しい。これは隠れているんだ。水の中にね。隠れているけど、水に血の臭いが漂ってきたとき(つまり狂喜/Bloodthirstが達成されたとき)、こいつは獰猛な姿を露わにするのさ。
《隠れ潜む鰐/Lurking Crocodile》は、ここがイマイチだ
トーナメントで用いられる強さというのは大体決まっている。緑という色において3マナで3/3というのは構築フォーマットに用いられるかどうかのギリギリのラインだ。こいつはそのラインに達するのにさえ手間をかけてやる必要がある。
評価:構築での出番なし/Constructed Unplayable
【4マナの狂喜/Bloodthirst持ち】
昔から4マナというマナコストはある種の境界線を引いている。スタンダードでここ数年の間に暴れまわっていた4マナを思い出してみてくれ。《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》、《審判の日/Day of Judgment》、そして《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》という具合だ。
つまり4マナのカードへの問いかけは「同じフォーマットで最強のカードたちと張り合えるのか?」になる。これが4マナ域に課せられる試練だ。
Gorehorn Minotaurs / 血まみれ角のミノタウルス (2)(赤)(赤)
クリーチャー - ミノタウルス(Minotaur) 戦士(Warrior)
狂喜2(このターン、いずれかの対戦相手にダメージが与えられている場合、このクリーチャーはその上に+1/+1カウンターが2個置かれた状態で戦場に出る。)
3/3
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Gorehorn+Minotaurs/
狂喜/Bloodthirstを達成すればこいつは4マナで5/5だ。これはMark Herberholzの例のデッキのサイドボードに入れるだけの強さかもしれない。《稲妻のらせん/Lightning Helix》が現役だった時代なら、ってことだ。
《血まみれ角のミノタウルス/Gorehorn Minotaurs》は、ここが素晴らしい
昔々、プレイヤーが4マナで5/5の赤いクリーチャーを得るためなら手札を1枚犠牲にすることすらためらわなかった時代があった。4マナでそのサイズは、特にクリーチャーに乏しかった赤においては非常に有用なものだった。
《血まみれ角のミノタウルス/Gorehorn Minotaurs》は、ここがイマイチだ
狂喜/Bloodthirstを達成できなかった場合のこいつは単なる《丘巨人/Hill Giant》だ(そう、とても構築に出番があるとは思えないクリーチャーだ)。
5/5になるためには、対戦相手の防御をかいくぐる必要がある。そうした場合、君は本来の狂喜/Bloodthirstのメリットを犠牲せざるを得ないことが多い。
もし君が条件達成のために対戦相手へ《稲妻/Lightning Bolt》を撃ち込んだりしたら、手札を切っているの同じじゃないか? しかもさらに言うなら、それってもう「5マナで5/5」だよな?
評価:出番あり(ぎりぎり。サイドボードなら)/Constructed Playable (fringe, possibly sideboard)
Vampire Outcasts / 吸血鬼ののけ者 (2)(黒)(黒)
クリーチャー - 吸血鬼(Vampire)
狂喜2(このターン、いずれかの対戦相手にダメージが与えられている場合、このクリーチャーはその上に+1/+1カウンターが2個置かれた状態で戦場に出る。)
絆魂(このクリーチャーがダメージを与える場合、さらにあなたは同じ点数のライフを得る。)
2/2
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Vampire+Outcasts/
狂喜/Bloodthirstと吸血鬼のフレイバー的な相性の良さは、その牙に絆魂を宿らせることによってさらに高まる。
《吸血鬼ののけ者/Vampire Outcasts》は、ここが素晴らしい
黒において、4/4の絆魂持ちは到底無視できるクリーチャーじゃない。《ロクソドンの教主/Loxodon Hierarch》のよりも活躍できる状況だっていくらでもあるだろう。
《吸血鬼ののけ者/Vampire Outcasts》は、ここがイマイチだ
問題は一貫性なんだ。本当にね。カードの一貫性という話だけじゃない。すでの述べたとおり4マナのライバルたちはトップクラスのカードたちだというのに、狂喜/Bloodthirst抜きだとこいつは単なる2/2の絆魂でしかない。
また一貫性というのはデッキの戦略のことでもある。
この《吸血鬼ののけ者/Vampire Outcasts》が主に活躍することになるであろう戦場であるリミテッドでは、アタックとブロックに工夫をこらす余地がある。ところが構築では条件を整えるためには攻撃を通せるだけのアタッカーがすでにいる必要があり、そういう状況だとすれば4/4の絆魂に頼る必要なんてない。
評価:構築での出番なし/Constructed Unplayable
【5マナの狂喜/Bloodthirst持ち】
Bloodlord of Vaasgoth / ヴァーズゴスの血王 (3)(黒)(黒)
クリーチャー - 吸血鬼(Vampire) 戦士(Warrior)
狂喜3(このターン、いずれかの対戦相手にダメージが与えられている場合、このクリーチャーはその上に+1/+1カウンターが3個置かれた状態で戦場に出る。)
飛行
あなたが吸血鬼(Vampire)クリーチャー呪文を唱えるたび、それは狂喜3を得る。
3/3
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Bloodlord+of+Vaasgoth/
親和レアの吸血鬼! 大物の登場だ!
《ヴァーズゴスの血王/Bloodlord of Vaasgoth》は、ここが素晴らしい
狂喜/Bloodthirstを達成し、行く手を阻むもののないときの《ヴァーズゴスの血王/Bloodlord of Vaasgoth》は驚異的だ。5マナで6/6で飛行つきというタイタンたちすら上回るこのサイズに加えて、配下の吸血鬼たちをパワーアップさせる能力まで持っている。
6/6で飛行もちをブロックすることは難しい。よって後続の吸血鬼たちがデカくなれないということはそうそうないだろう。
非常に素晴らしい。
《ヴァーズゴスの血王/Bloodlord of Vaasgoth》は、ここがイマイチだ
このカードと似たようなクリーチャーが過去にいた。先代の吸血鬼のロードである《吸血鬼の夜侯/Vampire Nocturnus》だ。
《吸血鬼の夜侯/Vampire Nocturnus》は言ってみれば、黒い《踏み荒らし/Overrun》だった。これを4マナで叩き付けてやれば、一撃必殺のダメージを見込めた。
《ヴァーズゴスの血王/Bloodlord of Vaasgoth》はこの先代と比べると(確かに狂喜/Bloodthirstを達成すればサイズで上回れるとはいえ)1マナ重いという小さくはない差を持っている。
評価:出番あり - ときどき/Constructed Playable (Role Player)
【7マナの狂喜/Bloodthirst持ち】
7マナとくれば、よほどの何かを持っていない限り、実戦でお目にかかる機会はない。実際に使われたことのある《シミックの空呑み/Simic Sky Swallower》ときたら、これでもかとばかりに能力を詰め込まれている。このカードが7マナの越えるべきハードルの基準となるだろう。
Carnage Wurm / 殺戮のワーム (6)(緑)
クリーチャー - ワーム(Wurm)
狂喜3(このターン、いずれかの対戦相手にダメージが与えられている場合、このクリーチャーはその上に+1/+1カウンターが3個置かれた状態で戦場に出る。)
トランプル(このクリーチャーが、自身をブロックしているすべてのクリーチャーを破壊するのに十分な戦闘ダメージを割り振る場合、あなたはその残りのダメージを防御プレイヤーかプレインズウォーカーに割り振ってもよい。)
6/6
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Carnage+Wurm/
《殺戮のワーム/Carnage Wurm》は、ここが素晴らしい
9/9でトランプルだ。デカいね。
《殺戮のワーム/Carnage Wurm》は、ここがイマイチだ
9/9でトランプルだったとしても、こいつは同じ緑で7マナの《ゼンディカーの報復者/Avenger of Zendikar》以上に役立つことはないだろう。
評価:構築での出番なし/Constructed Unplayable
Furyborn Hellkite / 憤怒生まれのヘルカイト (4)(赤)(赤)(赤)
クリーチャー - ドラゴン(Dragon)
狂喜6(このターン、いずれかの対戦相手にダメージが与えられている場合、このクリーチャーはその上に+1/+1カウンターが6個置かれた状態で戦場に出る。)
飛行
6/6
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Furyborn+Hellkite/
ガオーッ!
《憤怒生まれのヘルカイト/Furyborn Hellkite》は、ここが素晴らしい
12/12で飛行持ちは本当にとんでもなくデカい。もし狂喜/Bloodthirstを達成できるなら、対戦相手を一撃で倒せるだろうね。
《憤怒生まれのヘルカイト/Furyborn Hellkite》は、ここがイマイチだ
7マナは非常に高い壁だ。特に赤にとっては。
評価:出番あり/Constructed Playable
《シヴ山のドラゴン/Shivan Dragon》に出番があったことを考えると、それより圧倒的に大きい攻撃力を持ちつつも1マナしか大きくない《憤怒生まれのヘルカイト/Furyborn Hellkite》が、問題外というほどにひどいスペックだとは思えない。
現在、環境で起きていることを考えると(例えば、ヴァラクートデッキの《隠れしウラブラスク/Urabrask the Hidden》)、こいつがいつかどこかで何かを起こしてくれるかもしれないという期待を捨てきれずにいる。
さて、狂喜/Bloodthirstについて私が語れることは以上だ。
今週末は、このDailyMTGのサイトで私の一番好きな大会であるアメリカ選手権の推移を追うつもりでいる。残念なことに今年は参加できないからだ。ありがたいことに、素晴らしいカバレージを書いてくれる素晴らしい執筆者がDailyMTGにはたくさんいるから大丈夫だけどね!
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