右の画像は、金曜日の Card of the Day からリンクの張られていた「ガムは食べ物か?」という議題でR&Dが行った会議のホワイトボードに書かれていた文字を訳してみたもの。
ネタなのか本気なのか分からないあたりが恐ろしい。
日本語の書かれていない元画像は以下のリンク先を参照のこと。
http://www.wizards.com/magic/images/mtgcom/fcpics/features/mr147_gum.jpg
余談1:今週のCard of the Dayのテーマ
コメント欄で情報提供があったように、おそらくハロウィンが隠されたテーマだったのではないか、という話。確かに月曜から順に「仮装」「マスク」「トリック」「トリート」「お菓子」なのでそれっぽい気がする。
ただこういう「一見分からないだろうけど実はこうだったんだよ」というネタに関しては、多くの場合、金曜日にネタばれと解説を行ってくれるものなんだけど……。真相は闇の中か。誰か開発部に聞いてみる気ない?
余談2:月曜日 《騙り者、逆嶋/Sakashima the Impostor》
元記事からリンクの張られていた背景ストーリー「仮面の陰の顔/The Face Behind the Mask」を読んだ。逆嶋って、怖いな。特に幼少期の握り飯の話が怖い。無邪気に描かれているだけに怖い。
なおリンク先の短編は日本語訳もちゃんと用意されているので英語が苦手な人も安心。かくいう自分も日本語版を読んでいる。訳者名が書いていないのが気になる。奥ゆかしいな。
余談3:火曜日 《アヴァシンの仮面/Mask of Avacyn》
この記事に書かれているとおりの勘違いをしていたので興味深い内容だった……とか言いつつ、実はちょっと訳に自信がない。
原文にある「Avacyn」をまさに「大天使であるアヴァシンその人」として訳したけれど「アヴァシンその人しか身につけない仮面」っておかしいような気もした。もしそうだったらどう考えても「伝説の」装備品だよなあ。
もしかしてこの「Avacyn」は「アヴァシン教徒」を指すのかもしれない、とも考えたけど、それらしき描写も背景世界情報も見つけられなかったので、あきらめて素直にそのまま訳してみた。
余談4:水曜日 《罠探しの計略/Trapfinder’s Trick》
新しいカード・サブタイプを出す以上、それに関連したカードも当然作るよ、という話。ここでは「罠/Trap」カードに関連したカードとして、これと対になる《罠師の引き込み/Trapmaker’s Snare》も紹介されている。
ただ《罠師の引き込み/Trapmaker’s Snare》は自分で組んだデッキから罠カードを探すわけだから使い道もあるけど、《罠探しの計略/Trapfinder’s Trick》は罠を使ってくれているかどうかも分からない対戦相手にしか使えず、しかもソーサリー。
いくらなんでも弱すぎる気がした。もうひと押し、何かおまけがつけられなかったんだろうか。場に伏せられたトラップカードも墓地に送れるとか(ゲームが違うぞ)。
余談5:木曜日 《断崖の避難所/Clifftop Retreat》
まずはMTG Wikiの編者に感謝。何をかと言うと、記事内でも取り上げられているカードのイラストについて公式記事でも登場していることについて教えてもらったから。
さて内容はと言うと、Card of the Day にたまにある英語特有のネタで、日本語のカード名だけだと意味が分からなくなるタイプのもの。
ためしに日本語だけにすると「《断崖の避難所》の『避難所』には『撤退する』という意味もあるけどここでは『避難所』という意味で用いられている」となる。
余談6:金曜日 《Fat Ass》
ご丁寧に会議のときのホワイトボードの写真まで残されている……と素直にとっていいんだろうか。どうにもコールドスナップ誕生秘話で騙されて、「R&Dのネタを用意するときの本気度」を知っている身としては、このホワイトボードも仕込みなんじゃなかろうかと疑ってしまう。
コールドスナップ誕生秘話のネタについては以下のURLのリンク先を参照のこと(しかし2005年の記事がまだ残ってるとは思わなかった)。
Coldsnap Q&A
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtgcom/feature/291
コールドスナップのQ&A
http://mtg.takaratomy.co.jp/others/column/product/20051105/index.html
余談7:Card of the Day の翻訳に関して
今週の金曜日でちょうど丸1年分の Card of the Day を訳したことになる。
Diarynoteを始めたのは去年の12月初めだけど、1ヵ月前の日記までは更新可能だったので、2010年11月05日から Card of the Day の訳をアップしている。今週の金曜が11月04日なので、ちょうど1年経過。
余談8:素晴らしき狂喜と過ぎ去りし狂喜/The Beauty and Bygone Times of Bloodthirst
ゆっくりと訳していたものがようやっと完了した。ゆっくりしすぎたせいで旬は遠く過ぎ去り、時期をすっかり外してしまった。基本セット2012のドラフトが流行っていた頃なら需要もあったかも。
今週の土曜の枠は最新記事に使いたかったので過去日記にあげた。そのせいでアップされたことが気づかれてなさそう。誰にも読まれないとさみしいので、ここにリンクを張っておく。
素晴らしき狂喜と過ぎ去りし狂喜/The Beauty and Bygone Times of Bloodthirst
http://regiant.diarynote.jp/201111041043035573/
結構、訳に窮した箇所の多い記事だった。
原文を見てもらえば分かるとおり、括弧内の「trump in」をガン無視して訳してる。すいません。しかし、この「trump in」の意味してるところはなんなんだろう。
見ての通りの意訳っぷり。Cadillacって、単に高級車ってことでいいのかな。「強い、偉い」を表しているってことかと思って、日本人が高級車で典型的に思い浮かべる車種にしてみたんだけど。
これまた原文に従ってない訳。特に「Gloss over(言い繕う、都合の悪いことを隠す、など)」の訳に手間取った。最後は諦め気味に「全体的な意味はこんな感じなんでなかろうか」と自分に言い聞かせつつ書きあげた。
長々と引用したけど、ポイントは最初の部分にある「cracking」。何か知らない意味でもあるのかと思って辞書を引いたけど、知っている以上の意味がなかった。どうしようかなあ、と悩んだ挙句に、結論としては「要するにドラフトで役に立ってくれる、という話かな」と。
セミコロン以下に自信がない。要するに「弱い」という話だというのは分かるんだけど。
余談8:モダンというフォーマットとその未来について/The Modern Future
モダンという環境はまだ成長段階にある途中なので暖かい目で見守ってあげてください、という話。もちろん言い訳だけではなくて、盛り上げていくために今後どのような施策がとられるのかもきちんと書かれている。
単語単位では分からない箇所もあったし、どうやって訳したら上手く伝わるだろうと苦労した箇所もあるけど、文脈がとれなくて困った箇所はほぼなかった。やっぱりTom Lapilleの記事は読みやすい。
ネタなのか本気なのか分からないあたりが恐ろしい。
日本語の書かれていない元画像は以下のリンク先を参照のこと。
http://www.wizards.com/magic/images/mtgcom/fcpics/features/mr147_gum.jpg
余談1:今週のCard of the Dayのテーマ
コメント欄で情報提供があったように、おそらくハロウィンが隠されたテーマだったのではないか、という話。確かに月曜から順に「仮装」「マスク」「トリック」「トリート」「お菓子」なのでそれっぽい気がする。
ただこういう「一見分からないだろうけど実はこうだったんだよ」というネタに関しては、多くの場合、金曜日にネタばれと解説を行ってくれるものなんだけど……。真相は闇の中か。誰か開発部に聞いてみる気ない?
余談2:月曜日 《騙り者、逆嶋/Sakashima the Impostor》
元記事からリンクの張られていた背景ストーリー「仮面の陰の顔/The Face Behind the Mask」を読んだ。逆嶋って、怖いな。特に幼少期の握り飯の話が怖い。無邪気に描かれているだけに怖い。
なおリンク先の短編は日本語訳もちゃんと用意されているので英語が苦手な人も安心。かくいう自分も日本語版を読んでいる。訳者名が書いていないのが気になる。奥ゆかしいな。
余談3:火曜日 《アヴァシンの仮面/Mask of Avacyn》
この記事に書かれているとおりの勘違いをしていたので興味深い内容だった……とか言いつつ、実はちょっと訳に自信がない。
原文:
It’s something you’d wear if you were Avacyn and wanted to keep your face safe while you flew into battle.
拙訳:
これは、あなたが「アヴァシンである」ときに身につけるものであり、また戦闘の中で自身の顔を守りたいときに身につけるものなのだ。
原文にある「Avacyn」をまさに「大天使であるアヴァシンその人」として訳したけれど「アヴァシンその人しか身につけない仮面」っておかしいような気もした。もしそうだったらどう考えても「伝説の」装備品だよなあ。
もしかしてこの「Avacyn」は「アヴァシン教徒」を指すのかもしれない、とも考えたけど、それらしき描写も背景世界情報も見つけられなかったので、あきらめて素直にそのまま訳してみた。
余談4:水曜日 《罠探しの計略/Trapfinder’s Trick》
新しいカード・サブタイプを出す以上、それに関連したカードも当然作るよ、という話。ここでは「罠/Trap」カードに関連したカードとして、これと対になる《罠師の引き込み/Trapmaker’s Snare》も紹介されている。
ただ《罠師の引き込み/Trapmaker’s Snare》は自分で組んだデッキから罠カードを探すわけだから使い道もあるけど、《罠探しの計略/Trapfinder’s Trick》は罠を使ってくれているかどうかも分からない対戦相手にしか使えず、しかもソーサリー。
いくらなんでも弱すぎる気がした。もうひと押し、何かおまけがつけられなかったんだろうか。場に伏せられたトラップカードも墓地に送れるとか(ゲームが違うぞ)。
余談5:木曜日 《断崖の避難所/Clifftop Retreat》
まずはMTG Wikiの編者に感謝。何をかと言うと、記事内でも取り上げられているカードのイラストについて公式記事でも登場していることについて教えてもらったから。
さて内容はと言うと、Card of the Day にたまにある英語特有のネタで、日本語のカード名だけだと意味が分からなくなるタイプのもの。
ためしに日本語だけにすると「《断崖の避難所》の『避難所』には『撤退する』という意味もあるけどここでは『避難所』という意味で用いられている」となる。
余談6:金曜日 《Fat Ass》
ご丁寧に会議のときのホワイトボードの写真まで残されている……と素直にとっていいんだろうか。どうにもコールドスナップ誕生秘話で騙されて、「R&Dのネタを用意するときの本気度」を知っている身としては、このホワイトボードも仕込みなんじゃなかろうかと疑ってしまう。
コールドスナップ誕生秘話のネタについては以下のURLのリンク先を参照のこと(しかし2005年の記事がまだ残ってるとは思わなかった)。
Coldsnap Q&A
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtgcom/feature/291
コールドスナップのQ&A
http://mtg.takaratomy.co.jp/others/column/product/20051105/index.html
余談7:Card of the Day の翻訳に関して
今週の金曜日でちょうど丸1年分の Card of the Day を訳したことになる。
Diarynoteを始めたのは去年の12月初めだけど、1ヵ月前の日記までは更新可能だったので、2010年11月05日から Card of the Day の訳をアップしている。今週の金曜が11月04日なので、ちょうど1年経過。
余談8:素晴らしき狂喜と過ぎ去りし狂喜/The Beauty and Bygone Times of Bloodthirst
ゆっくりと訳していたものがようやっと完了した。ゆっくりしすぎたせいで旬は遠く過ぎ去り、時期をすっかり外してしまった。基本セット2012のドラフトが流行っていた頃なら需要もあったかも。
今週の土曜の枠は最新記事に使いたかったので過去日記にあげた。そのせいでアップされたことが気づかれてなさそう。誰にも読まれないとさみしいので、ここにリンクを張っておく。
素晴らしき狂喜と過ぎ去りし狂喜/The Beauty and Bygone Times of Bloodthirst
http://regiant.diarynote.jp/201111041043035573/
結構、訳に窮した箇所の多い記事だった。
原文:
At the time there were relatively few decks that could play a comparable creature (Watchwolf, Hand of Honor, Hand of Cruelty, or the trump in Burning-Tree Shaman a turn later).
拙訳:
当時、このサイズに相対することのできる2マナ・クリーチャーを持ったデッキは少なかった(《番狼/Watchwolf》、《名誉の手/Hand of Honor》、《残虐の手/Hand of Cruelty》、あとは1ターン後に現れる《炎樹族のシャーマン/Burning-Tree Shaman》くらいだ)。
原文を見てもらえば分かるとおり、括弧内の「trump in」をガン無視して訳してる。すいません。しかし、この「trump in」の意味してるところはなんなんだろう。
原文:
That is the difference between the Cadillac (Scab-Clan Mauler) and cards that don’t make the bloodthirst Constructed lineup, like Ghor-Clan Savage.
拙訳:
その違いこそがベンツ(《瘡蓋族のやっかい者/Scab-Clan Mauler》)と構築に顔を出さない乗用車(例えば《ゴーア族の野人/Ghor-Clan Savage》)とを分けるものだ。
見ての通りの意訳っぷり。Cadillacって、単に高級車ってことでいいのかな。「強い、偉い」を表しているってことかと思って、日本人が高級車で典型的に思い浮かべる車種にしてみたんだけど。
原文:
I hope you don’t mind if we mostly gloss over Bogardan Lancer.
拙訳:
私たちが《ボガーダンの槍騎兵/Bogardan Lancer》についてあまり語りたがらない理由は想像がつくだろう。
これまた原文に従ってない訳。特に「Gloss over(言い繕う、都合の悪いことを隠す、など)」の訳に手間取った。最後は諦め気味に「全体的な意味はこんな感じなんでなかろうか」と自分に言い聞かせつつ書きあげた。
原文:
Whether it is cracking with a Nomadic Elf in draft or setting up a Scab-Clan Mauler to win a Standard Pro Tour (as we discussed above), two-mana creatures are more or less the backbone of competitive Magic play.
拙訳:
ドラフトで戦線を切り開いてくれる《放浪のエルフ/Nomadic Elf》だったり、前述のとおりプロツアーで狂喜/Bloodthirstを達成させた《瘡蓋族のやっかい者/Scab-Clan Mauler》が活躍したり、とにかく2マナのクリーチャーというのは競技マジックにおいて重要な位置を占める。
長々と引用したけど、ポイントは最初の部分にある「cracking」。何か知らない意味でもあるのかと思って辞書を引いたけど、知っている以上の意味がなかった。どうしようかなあ、と悩んだ挙句に、結論としては「要するにドラフトで役に立ってくれる、という話かな」と。
原文:
Even fully powered by bloodthirst, Bloodrage Vampire only has 2 toughness; that is a liability primarily because it gives the opponent increasing opportunities to put one over on us.
拙訳:
狂喜/Bloodthirstを達成したとしても、こいつのタフネスは2点どまりだ。これは欠点以外の何ものでもない。何しろ対戦相手がこれを1点でも上回ることが非常に簡単だからだ。
セミコロン以下に自信がない。要するに「弱い」という話だというのは分かるんだけど。
余談8:モダンというフォーマットとその未来について/The Modern Future
モダンという環境はまだ成長段階にある途中なので暖かい目で見守ってあげてください、という話。もちろん言い訳だけではなくて、盛り上げていくために今後どのような施策がとられるのかもきちんと書かれている。
単語単位では分からない箇所もあったし、どうやって訳したら上手く伝わるだろうと苦労した箇所もあるけど、文脈がとれなくて困った箇所はほぼなかった。やっぱりTom Lapilleの記事は読みやすい。
コメント
放浪のエルフはドラフトでは色マナを安定させる役割(=クリーチャーにカウントできる上に多色にわたりをつけられる)のほうが大きかったのではないでしょうか。戦線を切り開いてくれるというのにはやや違和感があります。ドラフトやったことないのでなんとも言えませんが。
《放浪のエルフ/Nomadic Elf》の件は、どうなんでしょうね。色マナを安定させる役割は言われてみるとなるほどと思うんですが、それを「cracking」って表現するかどうか。「cracking」というと激しくて威勢の良い響きを感じるんですよ。
「大天使アヴァシンその人」でしょう。
「one would ~ if one were ...」は、「...」が現実に即していないことがほぼ確実であることを含意します。
加えて、ほとんどのアヴァシン教徒は飛べないので、「flew into battle」することはできません。
ユーモア溢れるコラムですね。
>trump in
これ自体は形容詞句です。(trump-inでもいい。)
「trump」は本来は動詞でして、まるで(ブリッジの)切り札で切るように、寡勢でその場を圧倒的に制圧することを言います。
当時の《炎樹族のシャーマン/Burning-Tree Shaman》の活躍ぶりを思い出させてくれる表現ですね。
>I hope you don’t mind if we mostly gloss over Bogardan Lancer.
拙訳
基本《ボガーダンの槍騎兵/Bogardan Lancer》なんて無かったことになっててもスルーして下さると助かります。
>cracking
なるほど、日本語にしろって言われるとかなり困りますねこれは。
語の意味をちゃんと汲めば、crackするわけですから、地割れと共に登場するような感じっていうことなんでしょうけど、実際crackingって言うときにそこまでの意味を込めていることはほとんどないです。
つまり、別にアスファルトが捲れ上がってたりガラスにヒビが入ってたりしてなくてもcrackingって言って全然構わないです。
「Hey, you cracking!」=「びっくりさせんなよ!」
>put one over on
最近あんまり聞かない表現ですが、これで「かつぐ」とか「からかう」とかいう意味の成句です。
対戦相手に一枚上手を行かれる機会をわざわざ作ってやってるようなもんだ、と言ってるようですね。
>アヴァシン
>「one would ~ if one were ...」は、「...」が現実に即していないことがほぼ確実である
ほほう。なるほど。そういう特徴的でない単語だけで成る言い回しというか成句というかは調べたり覚えたりするのが難しいです。諦めるつもりはありませんけど。
>本来は動詞でして、まるで(ブリッジの)切り札で切るように、寡勢でその場を圧倒的に制圧
そうか、日本語で言う「トランプ」ですね。余談ですが、過去のカバレージの中で、単騎で場を圧倒する《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》に対してもにらみをきかせることが出来る、というシーンを見て、偉いな、と思いました。
>これで「かつぐ」とか「からかう」とかいう意味の成句です
調べたらちゃんと成句が見つかりました……絵に描いたような誤訳をぶっぱなしてますね。まあ、結局こいつが弱いってことは伝わってるからいいか(よくない、よくない)。