【翻訳】《動く死体/Animate Dead》のありがたいお言葉/ What Animate Dead Says【Daily MTG】
Monty Ashley
2011年11月8日
元記事:http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/arcana/837
マジックの最初のセットであるアルファ版が初めて世に出たのは1993年のことだ。
その中にはこのカードも含まれていた。
これは《動く死体/Animate Dead》だ。この文面は実際は上手く働かない。なぜなら、これには「Enchant Dead Creature(エンチャント 墓地にあるクリーチャー)」となっているが、これが唱えられて解決された瞬間から、そのクリーチャーはもう「Dead(墓地にある)」ではないからだ。
しかしマジックの黎明期には変な文面を持つカードはいくらでもあった。第3版、つまりリバイスドが出たときには《動く死体/Animate Dead》も上手く版を重ねて改良されていた。
これもそれほど分かりやすいとは言えない。単に中ほどにあった文章を書き直しただけだ。そうそう、ゲーム終了時には元の所有者へ返すことと書かれた但し書きがあることに気づいたかな。これは《嵐のイフリート/Tempest Efreet》のような奇妙な効果との混同を避けるためのものだ。
さて第5版ではまた新たな文面が用意された。
このバージョンの《動く死体/Animate Dead》はすでにオーラではなくなっている。ああ、つまり「エンチャント クリーチャー」ではなくなっているということだ(当時はまだオーラという単語はなかったからね)。この文面も満足いく出来ではなかったと言える。
このあとから段々文章が怪しくなってくる。なぜなら《動く死体/Animate Dead》は実際に印刷されるカードではなくなり、ルールチームは好きに色んな文面を試すことが出来るようになったからだ。以下が2005年の公式ルールテキストだ。
そして次にあるのが2007年に更新されたバージョンだ。「オーラ」が生まれたことにより、テキストボックス内にこのオーラが何をエンチャントするのかを具体的に記す必要が生じ、結果として複雑怪奇な説明が誕生した。
2009年にまたこれは更新された。理由は「in play(場)」という単語が「battlefield(戦場)」という単語に置き換わることになったためだ。
ほいきたー! いやー、こりゃまた、込み入った文面になったね。しかしルールチームはこれなら正常にプレイできると保証してくれた。
それに文面がヘンテコに見えるからってそれが問題になるだろうか? 別にこの《動く死体/Animate Dead》を再版しようなんてわけでもないだろう?
……本当に?
なんだ、もし君が新しい製品である Graveborn のパッケージを注意深く見ていたら分かることだけど、実は私たちは近々この《動く死体/Animate Dead》を実際の紙のカードとして再版するんだ。11月18日が発売日だね。
実際のカードはこんな感じになるはずさ!
素晴らしい!
Monty Ashley
2011年11月8日
元記事:http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/arcana/837
マジックの最初のセットであるアルファ版が初めて世に出たのは1993年のことだ。
その中にはこのカードも含まれていた。
原文:
Enchant Dead Creature
Any creature in either player’s graveyard comes into play on your side with -1 to its original power. If this enchantment is removed, or at end of game, target creature is returned to its owner’s graveyard. Target creature may be killed as normal.
私訳:
エンチャント 墓地にあるクリーチャー
いずれかのプレイヤーの墓地にあるいずれかのクリーチャーは元のパワーから-1された状態であなたの側の場に出る。もしこのエンチャントメントが取り除かれた場合か、もしくはゲーム終了時に、対象のクリーチャーは元の所有者の墓地に戻される。対象のクリーチャーは通常どおり殺すことが出来る。
これは《動く死体/Animate Dead》だ。この文面は実際は上手く働かない。なぜなら、これには「Enchant Dead Creature(エンチャント 墓地にあるクリーチャー)」となっているが、これが唱えられて解決された瞬間から、そのクリーチャーはもう「Dead(墓地にある)」ではないからだ。
しかしマジックの黎明期には変な文面を持つカードはいくらでもあった。第3版、つまりリバイスドが出たときには《動く死体/Animate Dead》も上手く版を重ねて改良されていた。
原文:
Enchant Dead Creature
Any creature in any graveyard comes into play on your side with -1 to its original power. At end of game, or if this enchantment is discarded without removing target creature from play, target creature is returned to its owner’s graveyard. Target creature may be killed as normal.
私訳:
エンチャント 墓地にあるクリーチャー
いずれかの墓地にあるいずれかのクリーチャーは元のパワーから-1された状態であなたの側の場に出る。ゲーム終了時か、対象のクリーチャーがゲームから取り除かれることなくこのエンチャントメントが破棄されたとき、対象のクリーチャーは元の所有者の墓地に戻される。対象のクリーチャーは通常どおり殺すことが出来る。
これもそれほど分かりやすいとは言えない。単に中ほどにあった文章を書き直しただけだ。そうそう、ゲーム終了時には元の所有者へ返すことと書かれた但し書きがあることに気づいたかな。これは《嵐のイフリート/Tempest Efreet》のような奇妙な効果との混同を避けるためのものだ。
さて第5版ではまた新たな文面が用意された。
原文:
Enchantment
When you play Animate Dead, choose target creature card in any graveyard. When Animate Dead comes into play, put that creature into play and Animate Dead becomes a creature enchantment that targets the creature. Enchanted creature gets -1/-0. If Animate Dead leaves play, bury the creature.
日本語訳:
エンチャント (場)
動く死体をプレイするとき、対象の、いずれかの墓地にあるクリーチャー・カード1枚を選ぶ。動く死体が場に出たとき、そのクリーチャーを場に出し、動く死体はそのクリーチャーを対象とするエンチャント(クリーチャー)になる。エンチャントされているクリーチャーは、-1/-0の修正を受ける。動く死体が場を離れた場合、このクリーチャーを埋葬する。
このバージョンの《動く死体/Animate Dead》はすでにオーラではなくなっている。ああ、つまり「エンチャント クリーチャー」ではなくなっているということだ(当時はまだオーラという単語はなかったからね)。この文面も満足いく出来ではなかったと言える。
このあとから段々文章が怪しくなってくる。なぜなら《動く死体/Animate Dead》は実際に印刷されるカードではなくなり、ルールチームは好きに色んな文面を試すことが出来るようになったからだ。以下が2005年の公式ルールテキストだ。
原文:
Enchantment
When Animate Dead comes into play, if it’s in play, it becomes an Aura with enchant creature. Put target creature card from a graveyard into play under your control and attach Animate Dead to it.
Enchanted creature gets -1/-0.
When Animate Dead leaves play, destroy enchanted creature. It can’t be regenerated.
日本語訳:
エンチャント
動く死体が場に出たとき、墓地にあるクリーチャー・カード1枚を対象とする。動く死体が場にある場合、動く死体はエンチャント(クリーチャー)を持つオーラになる。そのクリーチャー・カードをあなたのコントロール下で場に出し、動く死体をそれにつける。
エンチャントされているクリーチャーは-1/-0の修整を受ける。
動く死体が場を離れたとき、エンチャントされているクリーチャーを破壊する。それは再生できない。
そして次にあるのが2007年に更新されたバージョンだ。「オーラ」が生まれたことにより、テキストボックス内にこのオーラが何をエンチャントするのかを具体的に記す必要が生じ、結果として複雑怪奇な説明が誕生した。
原文:
Enchantment - Aura
Enchant creature card in a graveyard
When Animate Dead comes into play, if it’s in play, it loses "enchant creature card in a graveyard" and gains "enchant creature put into play with Animate Dead." Return enchanted creature card to play under your control and attach Animate Dead to it. When Animate Dead leaves play, that creature’s controller sacrifices it.
Enchanted creature gets -1/-0.
日本語訳:
エンチャント - オーラ(Aura)
エンチャント(墓地にあるクリーチャー・カード)
動く死体が場に出たとき、それが場に出ている場合、それは「エンチャント(墓地にあるクリーチャー・カード)」を失い、「エンチャント(動く死体により場に出たクリーチャー)」を得る。エンチャントされているクリーチャー・カードをあなたのコントロール下で場に戻し、動く死体をそれにつける。動く死体が場を離れたとき、そのクリーチャーのコントローラーはそれを生け贄に捧げる。
エンチャントされているクリーチャーは-1/-0の修整を受ける。
2009年にまたこれは更新された。理由は「in play(場)」という単語が「battlefield(戦場)」という単語に置き換わることになったためだ。
原文:
Enchantment - Aura
Enchant creature card in a graveyard
When Animate Dead enters the battlefield, if it’s on the battlefield, it loses “enchant creature card in a graveyard” and gains “enchant creature put onto the battlefield with Animate Dead.” Return enchanted creature card to the battlefield under your control and attach Animate Dead to it. When Animate Dead leaves the battlefield, that creature’s controller sacrifices it.
Enchanted creature gets -1/-0.
日本語訳:
エンチャント - オーラ(Aura)
エンチャント(墓地にあるクリーチャー・カード)
動く死体が戦場に出たとき、それが戦場に出ている場合、それは「エンチャント(墓地にあるクリーチャー・カード)」を失い、「エンチャント(動く死体により戦場に出たクリーチャー)」を得る。エンチャントされているクリーチャー・カードをあなたのコントロール下で戦場に戻し、動く死体をそれにつける。動く死体が戦場を離れたとき、そのクリーチャーのコントローラーはそれを生け贄に捧げる。
エンチャントされているクリーチャーは-1/-0の修整を受ける。
ほいきたー! いやー、こりゃまた、込み入った文面になったね。しかしルールチームはこれなら正常にプレイできると保証してくれた。
それに文面がヘンテコに見えるからってそれが問題になるだろうか? 別にこの《動く死体/Animate Dead》を再版しようなんてわけでもないだろう?
……本当に?
なんだ、もし君が新しい製品である Graveborn のパッケージを注意深く見ていたら分かることだけど、実は私たちは近々この《動く死体/Animate Dead》を実際の紙のカードとして再版するんだ。11月18日が発売日だね。
実際のカードはこんな感じになるはずさ!
原文ではここにGraveborn版カード画像が表示されてる。文章欄がすごいことに…
http://media.wizards.com/images/magic/daily/arcana/837_animatedeadwording.jpg
素晴らしい!
コメント
確か4th日本語版では、『エンチャント(死んだクリーチャー)』ってなってたはず。
これはこれでルール上問題ありますが、この訳なら墓地から戦場に戻って来ても問題ない。だって『死んだ』状態で戻ってきたんだからね〜。
そうか、第4版を参照すべきだったのか。リバイスドは日本語版が出てないから自由に訳せるな、と油断してました。日本語第4版の文面探さないと……どっかで見たはず。
あとコメントの「4th日本語版」という表記を見て思い出したんですが、そういえば遊んでた当時は「第4版」なんて呼んでなかったな。「4th」「5th」って呼んでました。なんか懐かしい。