余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 引き続きラヴニカへの回帰のカード紹介。FAQが公開されたらしいので、来週あたりからFAQの紹介に入るのかも。願わくば、FAQの紹介にもカードごとの小ネタがつくといいな(ここ数週間のカード紹介のように)。

余談2:月曜日 《気紛れな薬術師/Mercurial Chemister》

 気まぐれという割には堅実な効果を持つイゼットのクリーチャー。

 2枚引いたあとランダムで1枚切ったり、ランダムで捨てた手札のマナコストを参照するわけでもない。でも本当にそんな気紛れ全開なクリーチャーだったらListenerさんが狂喜乱舞できないので、これで良かったんだと思う。

 ところで記事からリンクが張られていた動画が面白かったので訳してみたけど、はっきりいって文字に書き起こすと面白さの半分も伝わらない。短い動画なので、軽い気持ちで見に行くよろし。おススメ。

余談3:火曜日 《心理のらせん /Psychic Spiral》

 絵が面白い。攻撃しているのか、されているのか。

 それはさておき、ちょっと訳の話、というか誤訳の話。……いや、原文にあった「unusual」を訳しそびれてた。単に「カード」と訳すんじゃなくて「一風変わったカード」とか「尋常でないカード」とかすべきだった。反省。

余談4:水曜日 《火想者の予見/Firemind’s Foresight》

 原文だと「plans at least one turn ahead」とあるけど、それだとカードのフレイバーとイマイチ一致しない気がして、訳すときに迷った。《火想者の予見/Firemind’s Foresight》はライブラリを操作するのではなく直接手札に入れるタイプのドローカードだから。

 これが「ライブラリの上に置く」とか「上から2枚目に置く」とかなら、つながる気がする。

余談5:木曜日 《幽霊の将軍/Phantom General》

 訳の話。
原文:
 Players with token decks will be pleased to see Phantom General.

拙訳:
 トークンデッキを使ってるプレイヤーは《幽霊の将軍/Phantom General》を大歓迎するだろうね!

 正しく訳すなら「トークンデッキを持っているプレイヤーは《幽霊の将軍/Phantom General》を見たとき大喜びするだろうね」となる。なんでちょっとひねった訳にしたのか、自分でも思い出せない。

 ところでこのカードのフレイバーテキストがなかなか興味深い。悲しい話なのか、嬉しい話なのか……不思議な感じ。なんというか、スピリット(Spirit)も大変だなあ、と思った。

余談6:金曜日 《矢来の巨人/Palisade Giant》

 矢来ってなんだろうと思ったら、よくファンタジー世界の砦の周囲に組まれている丸太の柵のことらしい。そうか。《最下層民/Pariah》と少しだけ響きが似ているけど意味はまったく関係ないのか。

 それはさておき訳の話。
原文:
 Palisade Giant is about half of a great combo deck waiting to be built.

 これが難しかった。何度読んでも意味が分からない。今もよく分かっていない。

 最初読んだときは「今後(ラヴニカへの回帰の発売後に)生まれるであろう超スゴいコンボデッキのうち、半分はこの《矢来の巨人/Palisade Giant》を使ったものだろう」ってことかと思ったんだけど……そんなわけないよなあ。

 うーんうーん、と悩みつつ色々試してみた訳の候補たちは以下の通り。
<候補1>
    新たに生み出されるであろう凄いコンボデッキの
    半分は《矢来の巨人/Palisade Giant》で出来ています。

<候補2>
    《矢来の巨人/Palisade Giant》は新たに作られようと
    している凄いコンボデッキの半分くらいの大きさだ。

<候補3>
    《矢来の巨人/Palisade Giant》の大きさは新たに
    作られようとしている凄いコンボデッキの半分くらいだ。

 ここ最近で一番難しかった。

余談7:ヴォーパルス

 月1回のペースで何か書きたいと思っているので来週までに1本書き上げる予定。ありがたいことに大学の後輩の協力が得られて4人プレイの記録を残せたので、1人プレイではない実戦の結果を書き起こせればと思っている。

余談8:【翻訳】グランプリ・コスタリカの決勝戦カバレージ【Daily MTG】

 なかしゅーさんご本人のブログが久しぶりに更新されていたので見に行ったら「勝ってしまった」とあった。何事だろう、と気になって調べたらグランプリ・コスタリカで優勝されていたことを知る。

   8月ー9月の出稼ぎツアー終了。
   http://63002.diarynote.jp/201209190346137849/

 そのコスタリカのカバレージを発見して読みふけっていたところ、決勝戦における《公開処刑/Public Execution》と《移し変え/Redirect》のくだりが面白かったので訳してみた。探した限りで公式訳はないと思うけど、もしあったら教えてください。

 そうそう。誤訳というか勘違いがあったけどコメントで指摘をもらえたおかげで修正完了。1/3をブロックできる2/2がいてノーダメージに抑えられるなら、アタックに参加していないドレイクを狙ったほうが確かにお得だ。自分のターンを迎えたときのブロッカーが減る。

 このカバレージは色々と勉強になる点があった。英語という意味で。
原文:
 "Five minutes, tops."

拙訳:
 「5分以内に終わらせろよ」

 知らなかったんだけど「Tops」には口語で「最大でも~まで」という意味があるらしい。要するに「~以内におさめろ」とか「~までに終わらせろ」みたいな意味。知らなかった。
原文:
 things looked up for Sharfman early

拙訳:
 開始早々、David Sharfmanに運が向いて来たようだった

 これまた知らなかったんだけど「look up」で「好転する、運が向いてくる」という意味があるらしい。文字通り「上向く」ってことなのかな。多分。

余談9:【翻訳】最強のレガシーウェポン、それはコマ【CFB】

 rainさんがレガシーの面白い記事を発掘されていて、読んでみたらレガシーという環境に明るくなくても興味深い記事だったので訳してみた。

   Caleb DurwardのLegacy Weapon – Top Dog
   http://77832.diarynote.jp/201209202158235578/

 表現という意味で面白かったのは、原文ではライブラリの上の3枚を見ることを「Spin(回す)」と表現していたこと。何しろコマだから回っている間はずっと回っていられる(何度でも起動できる)けど、タップしてしまう(倒してしまう)と止まってしまう(回せなくなる)。実に理にかなった、納得のフレイバー。

 文章と例も分かりやすく、かつ英語自体も読みやすかったのであまり訳には困らなかった。もっとも、それでも訳すのが困難だった箇所がいくつかあった。もしかしたら本当に誤訳かもしれないので、さらしておく。
原文:
 Currently, this interaction is only relevant to Vintage, though some Legacy MUD lists run Key, and a miser’s Top might go a long way in those builds.

拙訳:
 今ではこのコンボはヴィンテージでしか使えない。だけどレガシーのMUDの中には《通電式キー/Voltaic Key》の入ったリストもあるので、もしかしたら《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》の入る余地もあるかもしれない。

 一番分からないのは「a miser’s Top」の「miser」。お金のない人や持たざる人を指す英単語だけど、それがここでどう関係してくるのか。マジックのカードに《持てる者の檻/Misers’ Cage》ってあるけど……関係ないよね、まさか。

原文:
 When piloting Nic Fit, I usually find that one sweet spot in the late mid-game where cashing in the Top lets me put the opponent away a full turn earlier.

拙訳:
 Nic Fit(=低速の緑黒デッキ)を使っているとき、《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》を諦めれば1ターン丸々勝利を早められる、という抜群の効果を得られる瞬間というのはゲームの中盤から終盤にかけてよく訪れた。

 日本語が読みづらいという点は、力不足で本当にすいません。困ったのは「Nic Fit」。

 これがデッキ名らしいこと、緑黒デッキであること、昔は通称「ロック」と呼ばれていたデッキを指すらしいこと……までは分かったんだけど、デッキ名の由来がどうしても分からない。

 「Fit」の部分は「Survival of the Fittest」っぽいんだけど、確証はない。さらに「Nic」がいまだに分からない。もしかして、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas?(んなわけない)

原文:
 The flipside of this strategy is that you can sometimes force an opponent to shuffle when he otherwise wouldn’t want to (as with Surgical Extraction or Extirpate).

拙訳:
 一方、この戦法を適切に使うことで、対戦相手に「シャッフルしたくないときにシャッフルさせる」こともできる(《外科的摘出/Surgical Extraction》や《根絶/Extirpate》のように)。

 相手のフェッチの起動に合わせて《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》に向かって除去を唱えるという「飛車角取り」的な技の説明のあとにつづいていた文章。

 ここで紹介されているテクニック自体は理解できたんだけど、それが《外科的摘出/Surgical Extraction》や《根絶/Extirpate》とどうつながるのかがよく分からなかった。

 これらってライブラリのシャッフル関係あるのかな……。レガシーに詳しい人ならすぐに分かることなのかもしれない、と思いつつも、諦め気味に直訳で済ませた。すいません。

原文:
 For one of the most versatile filtering elements in Legacy, the card is underused.

拙訳:
 レガシーという環境におけるもっとも万能なライブラリ操作カードであるにも関わらず、このカードは十分に利用されているとは言えない状況だ。

 合ってるかなあ、と不安になった箇所。翻訳という意味では合ってる気がするんだけど、実際のレガシー環境を知らないので利用頻度についての肌感覚がまったくない。

 訳について、特に自信がない点はこんな感じ。

 あと《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》がエクステンデッドの禁止カードになったときの公式による解説記事の日本語訳が見つからない。

 色々と手を尽くして探してみたけれど、結局英語版しか見つからなかったので自力で訳した。ある意味、ルールに関わる部分なので、出来れば公式訳に従いたいんだけど。

コメント

高潮の
2012年9月27日0:43

《矢来の巨人》の「about half of great combo deck」は「すごいコンボデッキのコンボパーツ」ぐらいの意味じゃないかという気がします。half はもちろん半分ですが、つまりコンボの「片割れ」ということなのかな、と。(あまり自信はありません。)要するにあんまり褒める材料がないから適当な煽りをつけてるんだと思うのですけど。

nophoto
名無し
2012年9月27日1:26

>Palisade Giant is about half of a great combo deck waiting to be built.

直訳は「Palisade Giantは、制作が待たれているある偉大なコンボ・デッキの約半分である」ですね。
このカードを見れば誰でも何か(残り半分を探して)コンボ・デッキを考えたくなるということで、深遠な意味があるセンテンスというよりも、ちょっとした冗談の類でしょう。

>miser
吝嗇家ですね。
miserはたいていお金はいっぱい持っています。
(miseryとは違います。)

バド・ホワイト
2012年9月27日1:26

MTGsalvationのLegacy Forumに”Origins of the deck names? ”というスレッドがありました
forums.mtgsalvation.com/showthread.php?t=445440
この#7の方によるとNic FitはNice Fitのtypoのようですが、これだけだと何故Nice Fitなのかはまだ謎ですね

re-giant
2012年9月27日16:04

>高潮のさん
>《矢来の巨人》の「about half of great combo deck」は「すごいコンボデッキのコンボパーツ」ぐらい

やっぱりそうですかね……「どうみてもコンボパーツだよね」というのを違う言い回しにしてみたような。

>名無しさん
>このカードを見れば誰でも何か(残り半分を探して)コンボ・デッキを考えたくなるということで

やっぱりそうですかね……難しく考えすぎてしまったのかもしれません。ありがとうございます。

>吝嗇家ですね。miserはたいていお金はいっぱい持っています。

おおお……完全に間違ってますね……《持てる者の檻/Misers’ Cage》まで例に出しておいて……
なんか前にも同じようなミスをした気がします(気のせいだと思いたいですけど)。もう間違えない。

>バドさん
>Nic FitはNice Fitのtypoのようですが、これだけだと何故Nice Fitなのかはまだ謎ですね

デッキ名の由来を調べるのって結構大変ですよね。下手したら正解がない(諸説ある)世界ですし。
海外の人も日本発祥のデッキ名調べるの大変だろうなあ、と思うことがあります。
「太陽拳」や「真空波動拳」はまだしも「みのむしぶらりんしゃん」とか(笑)

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