Card of the Day - 2014/02/13
2014年2月13日 Card of the Day王者の塔/Tower of Champions - ミラディンTower of Champions / 王者の塔 (4)
アーティファクト
(8),(T):クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで+6/+6の修整を受ける。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Tower+of+Champions/
このカードはサイクルのようでいて実際にはサイクルではないサイクルの1枚だったが、そのサイクルはのちにミラディンの傷跡で実際にサイクルになった。これだけで1つの話になりそうなネタだろう? 幸いなことに Mark Rosewater がこの話を始まりから終わりまで Making Magic の記事の中で紹介してくれている。「That’s Going to Leave Scars, Part 3」(註1)がそれだ。
(註1) That’s Going to Leave Scars, Part 3
原文では以下のURLへリンクが張られている。ミラディンの傷跡のカード開発秘話(英語)。
http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/daily/mm/124
以下、上記記事の中で塔サイクルの完成について述べた箇所の拙訳。
《災難の塔/Tower of Calamities》
開発部が一部欠けたままのサイクルをそのまま収録することは滅多にないが、サイクルにするつもりではなかったものがサイクルになってしまうということもたまにある。何の話かというと、ミラディンの「塔」のサイクルだ。
原文ではここで4枚のカード、《王者の塔/Tower of Champions》、《永劫の塔/Tower of Eons》、《運命の塔/Tower of Fortunes》、《つぶやきの塔/Tower of Murmurs》が紹介されている。
これらのカードは単に大きな効果を持つ4枚のカードとしてデザインされた。まさかプレイヤーたちがそれらの効果を5色と紐づけて考えるなんて思ってもみなかったのだ。
クリーチャー強化は緑で、ライフ回復は白だが、カードを引く効果とライブラリー破壊は両方とも青に属すると私たちは考えていた。しかしサイクルを見出そうとするプレイヤーたちは、マジックの歴史の中で黒もライブラリー破壊をしてきたことに目をつけた(多くの場合、ライブラリのカードを追い求める結果としてそうなっているだけだが、まあ細かいことだ)。さて赤い塔はどこにいった?
プレイヤーたちはそれをダークスティールまで辛抱強く待ち続けた。そしてダークスティールにそれは登場しなかった。そこでプレイヤーたちはフィフスドーンまで待ち続け、そこでもまた登場しなかった。
開発部がサイクルとするつもりのなかったサイクルを自分たちから完成させるようなことはありえない。しかしプレイヤーたちからの苦情やら何やらのメールを受けとる立場の私の耳には前述の話が当然聞こえていた。そこでミラディンの傷跡の企画が立ちあがったとき、デザインチームは今こそミラディンブロックの過ちを正すときがきたと感じた。
赤の効果、それも直接ダメージでなければいけない、ということは決まっていた。次に私たちが考えたのは「2の倍数」というテーマについてだった。《運命の塔/Tower of Fortunes》は、4枚のカードを引く。《王者の塔/Tower of Champions》は、対象のクリーチャーに+6/+6を与える。《つぶやきの塔/Tower of Murmurs》は、8枚のカードをライブラリーから削る。《永劫の塔/Tower of Eons》は、10点のライフを回復する。
つまり赤の効果は「2」もしくは「12」である必要があった。「2」は常日頃から使っていることを考えると、選ぶべきは「12」であることは明白だった。また同様にカードのマナコストは(4)、起動コストが(8)でなければならないことも分かりきっていた。
これら全てを合わせて考えると作るべきものははっきりしていた。それが「クリーチャーに12点のダメージを与えるカード」だった(さすがにプレイヤーにも撃てたら強すぎるからね)。
元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0214
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