余談1:今週のCard of the Dayのテーマ
週の最初の3日間がキーワード能力込みのカード名だったので、それがテーマかな、と考えていたら、木曜日と金曜日のカード名はキーワード能力となんの関係もないものだった。
これはまたギブアップかな、と思いながら、なんとなく自分で翻訳した Card of the Day の記事を読み返していたとき、月曜日の翻訳時に自分でつけた注釈が目に入る。
……あっ、もしかしてそういうことか!?
月曜日:《Unearth》
= アラーラの断片の Unearth(蘇生)
火曜日:《Devouring Light》
= アラーラの断片の Devour(貪食)
水曜日:《Exalted Angel》
= アラーラの断片の Exalted(賛美)
木曜日:《Sarcomite》
= アラーラの断片の Cycling(サイクリング)
金曜日:《Pentavus》
= アラーラの断片 それ自体
ポイントは木曜日と金曜日。木曜日の《Sacromite》は確かに Cycling という単語は書かれていないが、2マナ支払って捨てることでカードを1枚引くことができる。つまり「場にあるカードをサイクリングする」カードと言える。
これはこじつけじゃない。Mark Rosewater が書いた サイクリング週間をテーマにした記事の中で「私はウルザズ・デスティニーで、一風変わったサイクリングを生み出した。それはすでに戦場にあるカードをサイクリングする、というものだ」と言及している。
これに対して、金曜日の《Pentavus》はちょっと自信がない。言いたいのは「アラーラの断片」と「Pentavus」は、どちらも「5つの断片から成っている」ということ。月曜日の記事の内容とそこで示唆しているキーワード能力、火曜日から木曜日のカードの選択。それらを組み合わせることで導き出される結論は……
ということだと思うんだけど、どうかなあ。
余談2:月曜日 《発掘/Unearth》
3マナ以下のクリーチャーしか入っていない黒単色のウィニーコモンデッキに入れてた記憶がある。《カーノファージ/Carnophage》や《悪臭のインプ/Foul Imp》といったデメリット持ち高性能小型クリーチャー、《ダウスィーの殺害者/Dauthi Slayer》や《ダウスィーの匪賊/Dauthi Marauder》といったシャドークリーチャー、あと《暗黒の儀式/Dark Ritual》とか土地とかを詰め込んだデッキ。
意外と楽しかったデッキはさておき訳の話。
ごらんのとおり、ちょっとニュアンスが変わっている。いや、まあ、ちょっとじゃないかもしれないけど、とにかく変わっている。そのまま訳すなら「いつか、誰かが君に『(中略』と尋ねるだろう。これが彼らの考えているカードになる」という感じか。
……問題ないように見えるな。なんで変えたんだっけ。
この原文を一読しただけで内容を理解できるのは頭がいい人だと思う。
語順そのままにすると「なんでしょう / 唯一のカードは / 入っていない / アラーラの断片に / 2つ / そのセットのキーワードが / それに記載がある」という感じ。論理パズルみたいになってる。
余談3:火曜日 《貪る光/Devouring Light》
この記事に出てくるような「公式に和訳されていないキーワード能力」を訳すのは不可能に近いので、直訳ですらないベタ訳(という言葉があるかどうかは知らないけど)。
速攻で諦めた「Crittercast」に比べるともう少し選択の余地があった(そして迷った)のは「less flavorful name」かな。「フレイバーに欠けている、趣がない、無味乾燥的な、味のない」などの候補から「無味乾燥な」を選択した。
もっとも原文に近いのは「フレイバーに欠けている」だと思うけど、もっとも「日本語」だなと思ったものを選択してみた。
余談4:水曜日 《賛美されし天使/Exalted Angel》
2003年01月23日以来、5年ぶり2度目の登場。つまり《賛美されし天使/Exalted Angel》が世に出てからもう10年以上経つということ。ひええ。光陰矢のごとしだ……なんと恐ろしい!
口語で考えるなら「こわっ!」と最後につけるのがもっともそれっぽいんだけど、文章として訳すことを考えると、うん、もうちょっと固くてもいいかな、と考えた次第。でもこの日の前後の記事も「もっと口語寄りのジョークっぽい文章」だったら、最後は「こわっ!」としてた気がする。不思議な話だけどね。
そう考えると、記事というのは1つ1つの記事がそれ単体で完結することなく、複数の記事が互いに影響しあっていると言えるのかもしれない。まるでメタゲームだ。
余談5:木曜日 《サルコマイトのマイア/Sarcomite》
このまとめを書いているときに気付いたんだけど、接頭辞は「Sarco-」だ。間違えて「Sacro-」にしてた(修正済み)。おそらく「Sacrifice」が頭にあったんだと思う。よくよく考えてみたら《肉占い/Sarcomancy》なんだから「肉 = Sarco-」だよ。
もう1つ訳の話。
何点かあるので順番に。
1つ目は文頭の「so you’ve got」。直訳するなら「君が持っているのは、君が手に入れたのは」になるところを、もう少しゲーム寄りにしつつも、カードではなく生き物っぽく扱って「手元にいる」にしてみた次第。
2つ目は原文にはない(もしくは原文側では省略されている)部分。具体的には「そのクリーチャーは」の箇所で、これは無くても意味が通じる。あったほうが読みやすいかなあ、というのが追加した理由。
現在:君の手元にいるそのクリーチャーは、金属ではなく肉で作られた ~
修正:君の手元にいるのは、金属ではなく肉で作られた ~
3つ目は末尾の「Creepy!」。色々と訳し甲斐のある箇所だと思う。「怖いね!」でも「キモいね!」でも「おどろおどろしいね!」でもなんでもいい。なんでもいいが一番困るのよ!、ってことかもしれない。
余談6:金曜日 《ペンタバス/Pentavus》
《テトラバス/Tetravus》は飛んでるし、それの生み出すトークンも飛んでる。《ペンタバス/Pentavus》の場合、生み出すトークンは飛んでるけど《ペンタバス/Pentavus》は飛んでない。ちょっと不思議。《ペンタバス/Pentavus》の基部だけなんか違う種族っぽい。
言語の話。
テトラは「4」を意味するギリシャ語で、ペンタは「5」を意味するギリシャ語。これらを使った言葉としてよく引き合いに出されるのは「テトラポッド」と「ペンタゴン」。さらに上の「6」を意味するヘクサは、ボードゲーマーには「ヘックス(6角形)」で知られている。
「じゃあ「7」と「8」は何なの?」
「セプタとオクタ」
「ああ、セプタ―ってマジックのカードにあるね」
「それ関係ない」
ちなみに英語を知ってる人にこの話をすると大体「9月」と「10月」の英語名称との不整合の話になる。もしくはギリシャ語の数字から覚えた人が「9月」と「10月」の名称で混乱するパターンもある。
週の最初の3日間がキーワード能力込みのカード名だったので、それがテーマかな、と考えていたら、木曜日と金曜日のカード名はキーワード能力となんの関係もないものだった。
これはまたギブアップかな、と思いながら、なんとなく自分で翻訳した Card of the Day の記事を読み返していたとき、月曜日の翻訳時に自分でつけた注釈が目に入る。
アラーラの断片に登場するキーワード能力は以下の通り。
・Devour(貪食)
・Unearth(蘇生)
・Exalted(賛美)
・Cycling(サイクリング)
……あっ、もしかしてそういうことか!?
月曜日:《Unearth》
= アラーラの断片の Unearth(蘇生)
火曜日:《Devouring Light》
= アラーラの断片の Devour(貪食)
水曜日:《Exalted Angel》
= アラーラの断片の Exalted(賛美)
木曜日:《Sarcomite》
= アラーラの断片の Cycling(サイクリング)
金曜日:《Pentavus》
= アラーラの断片 それ自体
ポイントは木曜日と金曜日。木曜日の《Sacromite》は確かに Cycling という単語は書かれていないが、2マナ支払って捨てることでカードを1枚引くことができる。つまり「場にあるカードをサイクリングする」カードと言える。
これはこじつけじゃない。Mark Rosewater が書いた サイクリング週間をテーマにした記事の中で「私はウルザズ・デスティニーで、一風変わったサイクリングを生み出した。それはすでに戦場にあるカードをサイクリングする、というものだ」と言及している。
これに対して、金曜日の《Pentavus》はちょっと自信がない。言いたいのは「アラーラの断片」と「Pentavus」は、どちらも「5つの断片から成っている」ということ。月曜日の記事の内容とそこで示唆しているキーワード能力、火曜日から木曜日のカードの選択。それらを組み合わせることで導き出される結論は……
ということだと思うんだけど、どうかなあ。
余談2:月曜日 《発掘/Unearth》
3マナ以下のクリーチャーしか入っていない黒単色のウィニーコモンデッキに入れてた記憶がある。《カーノファージ/Carnophage》や《悪臭のインプ/Foul Imp》といったデメリット持ち高性能小型クリーチャー、《ダウスィーの殺害者/Dauthi Slayer》や《ダウスィーの匪賊/Dauthi Marauder》といったシャドークリーチャー、あと《暗黒の儀式/Dark Ritual》とか土地とかを詰め込んだデッキ。
意外と楽しかったデッキはさておき訳の話。
原文:
Someday, someone will ask you "(中略)." This is going to be the card they’re thinking of.
拙訳:
もしいつか誰かに「(中略)」と聞かれたとしよう。その質問者の想定している解答が今日のカードだ。
ごらんのとおり、ちょっとニュアンスが変わっている。いや、まあ、ちょっとじゃないかもしれないけど、とにかく変わっている。そのまま訳すなら「いつか、誰かが君に『(中略』と尋ねるだろう。これが彼らの考えているカードになる」という感じか。
……問題ないように見えるな。なんで変えたんだっけ。
原文:
"What is the only card not in Shards of Alara with two of that set’s keywords on it?"
拙訳:
「アラーラの断片に登場するキーワード能力が2つ含まれているにも関わらず、アラーラの断片に収録されていない唯一のカードは何か」
この原文を一読しただけで内容を理解できるのは頭がいい人だと思う。
語順そのままにすると「なんでしょう / 唯一のカードは / 入っていない / アラーラの断片に / 2つ / そのセットのキーワードが / それに記載がある」という感じ。論理パズルみたいになってる。
余談3:火曜日 《貪る光/Devouring Light》
この記事に出てくるような「公式に和訳されていないキーワード能力」を訳すのは不可能に近いので、直訳ですらないベタ訳(という言葉があるかどうかは知らないけど)。
速攻で諦めた「Crittercast」に比べるともう少し選択の余地があった(そして迷った)のは「less flavorful name」かな。「フレイバーに欠けている、趣がない、無味乾燥的な、味のない」などの候補から「無味乾燥な」を選択した。
もっとも原文に近いのは「フレイバーに欠けている」だと思うけど、もっとも「日本語」だなと思ったものを選択してみた。
余談4:水曜日 《賛美されし天使/Exalted Angel》
2003年01月23日以来、5年ぶり2度目の登場。つまり《賛美されし天使/Exalted Angel》が世に出てからもう10年以上経つということ。ひええ。光陰矢のごとしだ……なんと恐ろしい!
原文:
Every face-down morph creature could potentially be a lifelinked 4/5 flier attacking on the fourth turn. Scary!
拙訳:
あらゆる裏向きの変異クリーチャーが、4ターン目に絆魂つきの 4/5 飛行クリーチャーとなって襲い掛かってくる可能性があった……なんと恐ろしい!
口語で考えるなら「こわっ!」と最後につけるのがもっともそれっぽいんだけど、文章として訳すことを考えると、うん、もうちょっと固くてもいいかな、と考えた次第。でもこの日の前後の記事も「もっと口語寄りのジョークっぽい文章」だったら、最後は「こわっ!」としてた気がする。不思議な話だけどね。
そう考えると、記事というのは1つ1つの記事がそれ単体で完結することなく、複数の記事が互いに影響しあっていると言えるのかもしれない。まるでメタゲームだ。
余談5:木曜日 《サルコマイトのマイア/Sarcomite》
このまとめを書いているときに気付いたんだけど、接頭辞は「Sarco-」だ。間違えて「Sacro-」にしてた(修正済み)。おそらく「Sacrifice」が頭にあったんだと思う。よくよく考えてみたら《肉占い/Sarcomancy》なんだから「肉 = Sarco-」だよ。
もう1つ訳の話。
原文:
so you’ve got a Myr (magic artificial creature) that’s been made from meat, not metal. Creepy!
拙訳:
つまり君の手元にいるそのクリーチャーは、金属ではなく肉で作られたマイア(魔法の人工的なクリーチャー)だということだ。ゾッとするね!
何点かあるので順番に。
1つ目は文頭の「so you’ve got」。直訳するなら「君が持っているのは、君が手に入れたのは」になるところを、もう少しゲーム寄りにしつつも、カードではなく生き物っぽく扱って「手元にいる」にしてみた次第。
2つ目は原文にはない(もしくは原文側では省略されている)部分。具体的には「そのクリーチャーは」の箇所で、これは無くても意味が通じる。あったほうが読みやすいかなあ、というのが追加した理由。
現在:君の手元にいるそのクリーチャーは、金属ではなく肉で作られた ~
修正:君の手元にいるのは、金属ではなく肉で作られた ~
3つ目は末尾の「Creepy!」。色々と訳し甲斐のある箇所だと思う。「怖いね!」でも「キモいね!」でも「おどろおどろしいね!」でもなんでもいい。なんでもいいが一番困るのよ!、ってことかもしれない。
余談6:金曜日 《ペンタバス/Pentavus》
《テトラバス/Tetravus》は飛んでるし、それの生み出すトークンも飛んでる。《ペンタバス/Pentavus》の場合、生み出すトークンは飛んでるけど《ペンタバス/Pentavus》は飛んでない。ちょっと不思議。《ペンタバス/Pentavus》の基部だけなんか違う種族っぽい。
言語の話。
テトラは「4」を意味するギリシャ語で、ペンタは「5」を意味するギリシャ語。これらを使った言葉としてよく引き合いに出されるのは「テトラポッド」と「ペンタゴン」。さらに上の「6」を意味するヘクサは、ボードゲーマーには「ヘックス(6角形)」で知られている。
「じゃあ「7」と「8」は何なの?」
「セプタとオクタ」
「ああ、セプタ―ってマジックのカードにあるね」
「それ関係ない」
ちなみに英語を知ってる人にこの話をすると大体「9月」と「10月」の英語名称との不整合の話になる。もしくはギリシャ語の数字から覚えた人が「9月」と「10月」の名称で混乱するパターンもある。
コメント
……え!? 違うんでしたっけ!? でも確かに「時の権力者による横暴のせい」という説明は「ネタとして面白い」ので、あとから俗説として広まったと言われると納得してしまいます。そうか。違うのか。
>月曜日のクイズは日本語で聞くとこんがらがりますね
大抵の英語のクイズは、かけ言葉を使っている場合などが多く、日本語に直すのが難しいのですが、この月曜日のネタは、かけ言葉とはまた違った難しさがあります。
金曜日 数字の5がテーマ=ナヤ
ということではないかと。
しかし考えてみると暦の名称を上書きするって相当な権力がないと無理ですよね。なんかもっと他に使い道あるだろう、と思わないでもないです。
>とおりがかりさん
なるほど、各曜日が断片のそれぞれに対応している、という考え方ですね。面白い。あとどうでもいい話ですが、なんかお名前を見ていきものがかりを思い出しました。