今週のCard of the Day (2008年12月 第1週) とか
2014年12月7日 週のまとめ余談1:今週のCard of the Dayのテーマ
あらためてアラーラの断片のカードたち。それ以外はレアリティも様々、内容も様々……と思いきや、全てが(赤)(緑)(黒)のいずれかに属するジャンド週間だったもよう、と先週の「週のまとめ」を使い回してみる。
余談2:月曜日 《サングライトのうねり/Sangrite Surge》
この「Sangrite(サングライト)」はマジック世界に存在しない鉱石。よく似た単語に「Sangrita(サングリータ)」があるが、これは中南米のノンアルコールカクテルの名前である。「Sangria(サングリア)」と似ているがこっちはアルコールの入ったカクテルなので注意。なお冬場に外で飲む温めたサングリアはとても美味しい。
それはさておき訳の話。
よくある「英語で読む分には簡単に意味がとれるけど日本語にしづらい英語」の文章。とりあえず「be unquestioned」は「疑問の余地はない」でいいよね。問題は「effectiveness」かな。
日本語の「一語」に訳そうとするとかなり厳しい。「効用」とか「効能」だと鉱石に秘められたパワーというよりお薬みたいになってしまう。大体からして具体的にどんな効果を発揮してくれる鉱物なのかもよく分からない。
とりあえずそれっぽく訳した。
ああ、そうそう。原文の冒頭は「Sangrite is a red crystal fround on Jund」となっていたけど、これは「found」の誤字とみなして訳した。そうすると意味が通るし。
余談3:火曜日 《血編み髪のクレシュ/Kresh the Bloodbraided》
弱い方の血編み髪さんとか言うと怒られそうなので、訳の話。
日本語がなんかカッコ悪い。なんというか「生きている人間の戦士の中で最も偉大な戦士」が本当にカッコ悪い。もっと上手くやれそうな気もする。ただどうしても英語の「alive」を残そうとすると難しい。
Mortalなら定命というカッコいい漢語があるんだけどなあ。
余談4:水曜日 《捕食者のドラゴン/Predator Dragon》
プレステの誕生日だ、という余談はさておき訳の話。
ちょっと考え込んだのは「happy to feast on ~」という箇所。「elf as a feast」ではなくて「to feast」なので動詞か。「feast on」ってあまり聞かない。
いや、まあ、そもそも仕事で「feast」って使わないけど。
余談5:木曜日 《ジャンドの戦闘魔道士/Jund Battlemage》
訳の話。
このほうが読みやすかろう、と考えた上で、いくつか意訳した箇所がある。原文で「Since(よって、~のため)」となっているところを「つまり」と訳していたり、単なるコンマで接続された文を「……」としたり。
分からなかった単語があった。「Poised」がそれ。「兼ね合い、バランスをとる、落ち着いている、上手いこと収まっている」という感じの言葉っぽい。訳すことは出来たけど、使うのは難しそう。つかみきれてない感がある。「魂で理解」してない。
余談6:金曜日 《ゴブリンの山岳民/Goblin Mountaineer》
訳の話。
訳としては間違っていない気がするんだけど、世界設定を考えると間違ってるかもしれない。ジャンドの世界のゴブリンはドラゴンを崇拝し、生贄としてゴブリンを捧げるということなので「自ら死を選ぶ(they die on purpose)」は、ちょっと違うような気がする。
とりあえず原文準拠で。
余談7:既訳
某所で「2009年11月から2010年07月のCard of the Dayの既訳」を見つけてしまった。既訳に対しては一方的に退く方針でやってきたし、もう丸4年も訳したし潮時か、とも思ったけど、なんか逆に「もういいか」と思って続けることにした(よく分からない文章になってる。まあいいか)。
余談8:銀河ヒッチハイク・ガイド
その昔、2011年01月頃に訳したカード命名に関する記事「カード名が殺されるとき/Name Killers」の中で出てきた《Zaphod the Dragon Hunter》の元ネタとおぼしき小説をようやく読むことができた(正しくは今現在、シリーズ全5巻の5巻目を読み進めているところ。新訳版)。
小説自体が素晴らしく面白いことは間違いないとして、それをさらに際立たせているのは間違いなく訳者さんの腕だと思う。そもそもジョークを訳すこと自体が高難易度だというのに、それを「面白く訳す」のは神業としかいいようがない。
あとがきの軽妙さも含めて、今まで読んだ訳者さんの中でトップクラスだ。とりあえず安原和見さんの名前は覚えた。他に「この人の訳なら大丈夫だろう」と思ってる方は、小尾芙佐さん、宇野利泰さん、田中明子さんなどがいらっしゃる(瀬田貞二さんは色んな意味で別枠)。
逆に異様に読みづらいと感じた訳がつい最近あった。それはまた別の機会に。
あらためてアラーラの断片のカードたち。それ以外はレアリティも様々、内容も様々……と思いきや、全てが(赤)(緑)(黒)のいずれかに属するジャンド週間だったもよう、と先週の「週のまとめ」を使い回してみる。
余談2:月曜日 《サングライトのうねり/Sangrite Surge》
この「Sangrite(サングライト)」はマジック世界に存在しない鉱石。よく似た単語に「Sangrita(サングリータ)」があるが、これは中南米のノンアルコールカクテルの名前である。「Sangria(サングリア)」と似ているがこっちはアルコールの入ったカクテルなので注意。なお冬場に外で飲む温めたサングリアはとても美味しい。
それはさておき訳の話。
原文:
Its precise origin is not known, but its effectiveness is unquestioned.
拙訳:
この鉱石がどのようにして生まれたのかについてはっきりとは分かっていないが、その力に疑問の余地はない。
よくある「英語で読む分には簡単に意味がとれるけど日本語にしづらい英語」の文章。とりあえず「be unquestioned」は「疑問の余地はない」でいいよね。問題は「effectiveness」かな。
日本語の「一語」に訳そうとするとかなり厳しい。「効用」とか「効能」だと鉱石に秘められたパワーというよりお薬みたいになってしまう。大体からして具体的にどんな効果を発揮してくれる鉱物なのかもよく分からない。
とりあえずそれっぽく訳した。
ああ、そうそう。原文の冒頭は「Sangrite is a red crystal fround on Jund」となっていたけど、これは「found」の誤字とみなして訳した。そうすると意味が通るし。
余談3:火曜日 《血編み髪のクレシュ/Kresh the Bloodbraided》
弱い方の血編み髪さんとか言うと怒られそうなので、訳の話。
原文:
he is universally recognized as the greatest human warrior alive.
拙訳:
生きている人間の戦士の中で最も偉大な戦士であることは誰もが認めている。
日本語がなんかカッコ悪い。なんというか「生きている人間の戦士の中で最も偉大な戦士」が本当にカッコ悪い。もっと上手くやれそうな気もする。ただどうしても英語の「alive」を残そうとすると難しい。
Mortalなら定命というカッコいい漢語があるんだけどなあ。
余談4:水曜日 《捕食者のドラゴン/Predator Dragon》
プレステの誕生日だ、という余談はさておき訳の話。
原文:
Pro Tour-Berlin showed that it’s equally happy to feast on Elves.
拙訳:
どうやらエルフも喜んで喰らうことがプルツアーベルリン08で明らかになった。
ちょっと考え込んだのは「happy to feast on ~」という箇所。「elf as a feast」ではなくて「to feast」なので動詞か。「feast on」ってあまり聞かない。
いや、まあ、そもそも仕事で「feast」って使わないけど。
余談5:木曜日 《ジャンドの戦闘魔道士/Jund Battlemage》
訳の話。
原文:
And since the battlemage stands poised between life and death, he can cause either one, reducing a player’s life total or bringing forth Saprolings.
拙訳:
つまりこの戦闘魔道士は生と死の狭間に立っているわけで、そのいずれも生じさせることができる……プレイヤーの総ライフを減少させることも、苗木を発生させることもだ。
このほうが読みやすかろう、と考えた上で、いくつか意訳した箇所がある。原文で「Since(よって、~のため)」となっているところを「つまり」と訳していたり、単なるコンマで接続された文を「……」としたり。
分からなかった単語があった。「Poised」がそれ。「兼ね合い、バランスをとる、落ち着いている、上手いこと収まっている」という感じの言葉っぽい。訳すことは出来たけど、使うのは難しそう。つかみきれてない感がある。「魂で理解」してない。
余談6:金曜日 《ゴブリンの山岳民/Goblin Mountaineer》
訳の話。
原文:
The difference is that on Jund, they die on purpose, aspiring to nothing more than to be eaten by a dragon.
拙訳:
違いがあるとすれば、ジャンドのゴブリンたちはドラゴンに食われるためだけに自ら進んで死を選ぶという点があげられる。
訳としては間違っていない気がするんだけど、世界設定を考えると間違ってるかもしれない。ジャンドの世界のゴブリンはドラゴンを崇拝し、生贄としてゴブリンを捧げるということなので「自ら死を選ぶ(they die on purpose)」は、ちょっと違うような気がする。
とりあえず原文準拠で。
余談7:既訳
某所で「2009年11月から2010年07月のCard of the Dayの既訳」を見つけてしまった。既訳に対しては一方的に退く方針でやってきたし、もう丸4年も訳したし潮時か、とも思ったけど、なんか逆に「もういいか」と思って続けることにした(よく分からない文章になってる。まあいいか)。
余談8:銀河ヒッチハイク・ガイド
その昔、2011年01月頃に訳したカード命名に関する記事「カード名が殺されるとき/Name Killers」の中で出てきた《Zaphod the Dragon Hunter》の元ネタとおぼしき小説をようやく読むことができた(正しくは今現在、シリーズ全5巻の5巻目を読み進めているところ。新訳版)。
小説自体が素晴らしく面白いことは間違いないとして、それをさらに際立たせているのは間違いなく訳者さんの腕だと思う。そもそもジョークを訳すこと自体が高難易度だというのに、それを「面白く訳す」のは神業としかいいようがない。
あとがきの軽妙さも含めて、今まで読んだ訳者さんの中でトップクラスだ。とりあえず安原和見さんの名前は覚えた。他に「この人の訳なら大丈夫だろう」と思ってる方は、小尾芙佐さん、宇野利泰さん、田中明子さんなどがいらっしゃる(瀬田貞二さんは色んな意味で別枠)。
逆に異様に読みづらいと感じた訳がつい最近あった。それはまた別の機会に。
コメント