余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 月曜日から順に高度を下げている気がする。どういうことかというと……

   ・月曜日:Celestial(天界)
   ・火曜日:Cloudscraper(空、雲海)
   ・水曜日:Canopy(木の梢)
   ・木曜日:Groundling(地面、大地)
   ・金曜日:Subterranean(地底)

 ……という感じ。全然関係ない話だけど最後の「Subterranean」を見て「地中海の英語名と似てる気がする。地中だからなのかな」と思って調べてみたら、地中海の英語は「Mediterranean」だった。

 あ、でも「Terra」が「大地」で、「~の中」を意味する「Mid-」という接頭辞がついているのか! 今更気づいた。なるほど、そういう作りの言葉だったのか。

 あと「今更気づいた」で思い出した。さらに関係ない話をすると、つい最近になって「スト2の主役2人のリュウとケンって何か由来があるのかな……あ、代名詞たる必殺技の昇竜拳に2人の名前があるのか!」と気づいた。いまさら。

余談2:月曜日 《天界の古霊/Celestial Ancient》

 過去に似た効果の《忘れられた古霊/Forgotten Ancient》というカードがあったのでイラストを似せてみました、とイラストレーターが絵を出してきたので、じゃあカード名も似せてみるか、と相成ったらしい。しかし Mark Tedin とはまた懐かしい名前を聞いた。

 ちなみにそれぞれのイラストはこんな感じ。似てると言われれば似てるけど、言われなければ気づかないかもしれない。

  《忘れられた古霊/Forgotten Ancient》のイラスト
   http://magiccards.info/arc/en/57.html

  《天界の古霊/Celestial Ancient》
   http://magiccards.info/pc2/en/5.html

 あらためて大きめのイラストでみると《天界の古霊/Celestial Ancient》って松本零士作品に出てきそうな顔してるな、という同意を得られなさそうな話はさておき訳の話。
原文:
 he drew in some facial similarities to an earlier elemental with a similar effect: Forgotten Ancient.

拙訳:
 これと似た効果をもつ過去のあるエレメンタルを想い起こさせる見た目を描いた。

 過去のカード名はオチっぽく最後に配置されている原文に合わせようと色々考えてみたけど、日本語だとなかなかそういう語順は難しかったので諦めた。

 結局、《忘れられた古霊/Forgotten Ancient》の名前は次の文に用いることにした。日本語としてはそのほうが自然な気がしたので。

余談3:火曜日 《クローサの雲掻き獣/Krosan Cloudscraper》

 維持コストにそんなフレイバー的な背景があったとは気づかなかった、と目から鱗が落ちた記事だった。ただ、あれだけ森を破壊してたらマナどころか森を生け贄に捧げるくらいしないと足りなさそうだけど、それじゃさすがに実用性が低すぎる。しょうがないね。

 そういえば昔《リバイアサン/Leviathan》というクリーチャーがいて、アンタップコストに島2つを生け贄、攻撃するのに島2つを生け贄というとんでもないデメリットを持っていた。

 英語版を読んだとき「これ、自分の島を破壊するってこと? まさか、そんな、いくらなんでも弱すぎる。相手の島を壊すって言う意味だろうな」と勝手な解釈したことを思い出した。

 何がすごいって、当時の環境を考えると、仮にその圧倒的上位互換な能力であったとしても使われなかっただろう、ということ。クリーチャー偏重に押し戻そうとする近年のマジックの流れはやっぱりこのゲームのあるべき姿なんだろうな、と思う。

 まあ、そんな個人的感傷はさておき訳の話。
原文:
 it’s ripping up chunks of the Krosan forest that surrounds it

拙訳:
 イラストの中で周囲にあるクローサの森の木々をめちゃくちゃになぎ倒している

 たぶん「ripping up chunks」で「めちゃくちゃになぎ倒している」は正しい訳ではないんだろうな、と思う。でも文章全体の意味合いというか目指すところからは外れていないとも思う。

 長々と書いたけど端的に言えば「意訳」。

余談4:水曜日 《梢を這うもの/Canopy Crawler》

 日本語でキャノピーというと戦闘機とかのコックピットを覆う部分を指す言葉として覚えていたけど、なるほど、天蓋を意味する単語だったのか、ということをこの日の訳をしているときに気づいた。

 それとは別に訳の話を2つほど。
原文:
 Combined with Contested Cliffs, things could go very well for the wise Canopy Crawler drafter.

(1) 草稿:
 《争乱の崖地/Contested Cliffs》と組み合わせることで《梢を這うもの/Canopy Crawler》をドラフトした賢いプレイヤーにとって物事は非常に上手いこと進むことになった。

(2) 完成稿:
 賢いプレイヤーは《梢を這うもの/Canopy Crawler》と《争乱の崖地/Contested Cliffs》とを組み合わせることで戦況を実に有利に運ぶことが出来たというわけさ。

 いや、things could go very well ってどうすりゃええんよ、という話。なんかもうどうしようもなくなって上記の通りと相成った。

原文:
 In the days of Onslaught-Legions limited, Canopy Crawler was a very popular pick in the "Beasts deck".

(1) 没案:
 オンスロート・レギオンの限定構築フォーマットではこの《梢を這うもの/Canopy Crawler》は「ビーストデッキ」を組もうとするプレイヤーにとって非常に点数の高いカードだった。

(2) 採用案:
 オンスロート・レギオンの限定構築フォーマットで「ビーストデッキ」を組もうとするプレイヤーにとって、この《梢を這うもの/Canopy Crawler》は非常に点数の高いカードだった。

 語順を変えると読みやすさアップ(そうでもない?)。

余談5:木曜日 《地面歩きの襲撃者/Groundling Pouncer》

 《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》の1人が抱えている部隊は飛べないフェアリーたちを集めたものらしい。マジックの世界では「フェアリー = 飛行を持っている」なので、飛べないフェアリーたちというのに違和感を覚えた。

 彼らは「昔は飛べたのに何らかの理由で飛行能力を失ったフェアリーたち」なのか、単に「ローウィンには一部に空を飛べないフェアリーたちがいる」だけなのか。小説読めば分かるんだろうけど、そこまでする気力はないなあ。

 上記がなぜ問題になるかというと……
原文:
 In the Eventide novel, Endry’s army is composed of non-flying faeries called "groundlings."

拙訳:
 イーブンタイドの小説では、エンドリの兵隊たちは空を飛ばないフェアリーたちで構成されており、彼らは「Groundlings(地面歩き)」と呼ばれている。

 この「non-flying」が「飛ばない」のか「飛べない」のか分からなかった。意外と小さくない差だと思う。

余談6:金曜日 《地の底のシャンブラー/Subterranean Shambler》

 難しかった。
原文:
 But while Subterranean Spirit damages nonflying creatures by tapping, the Shambler does it only when it first appears (toppling the poor creatures unlucky enough to be standing in the wrong spot) or vanishes (presumably creating a sinkhole).

拙訳:
 しかしその元ネタである《地の底の精霊/Subterranean Spirit》がタップするだけで何度でも飛んでいないクリーチャーにダメージを与えるのに対し、《地の底のシャンブラー/Subterranean Shambler》は、まず(不運にもその「いてはいけない地点」に立っていたクリーチャーの上に)登場したときと、最後に(おそらく地面を陥没させつつ)退場したときのそれぞれしかダメージを与えない。

 とにかく括弧内の補足部分が難しかった。補足と言いつつもここがネタの肝だから手が抜けない。

 特に最初の括弧内の難易度が高い。「poor creatures unlucky enough to be standing in the wrong spot」は「間違った地点に立っていてしまうほどに運のないかわいそうなクリーチャー」が直訳として、それをどうコネコネと手直しするか。

 ん? 元のままでもそこそこ自然な日本語か? いや、そんなことないような……ないと思うんだけど……こういうの1人で考えてるとどんどん分からなくなってくる。

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