余談1:今週のCard of the Dayのテーマ
ニッサの物語に絡めてのマジック・オリジンのカード紹介。ニッサってカード的な強さと言う意味で不遇の扱いを受けているイメージが強いんだけどそろそろ強いバージョンも存在しているのかな。
余談2:月曜日 《野性の本能/Wild Instincts》
訳の話。
「Commune」をどう訳すか、またコンマ以降の追記部分をどう日本語文に挿入するか、の2点が考えどころ。どう対応したかは拙訳を見て頂ければ、一目瞭然なので説明は省く。
カードにほぼ関係ない余談。
コミューンという響きに思い出されるのはコリューンという名前。これは中華風ファンタジー小説「後宮小説」(酒見賢一)に出てくる登場人物で、この作品はアニメ版も存在する。
確か深夜にテレビつけたら見たことないアニメがやってて、それが妙に面白そうな話で、登場人物の名前から原作小説の存在を知って読んでみたら期待に違わぬ面白さだった、という流れ。
酒見賢一さんの小説は他に「墨攻」も面白かった。これも中華風ファンタジー小説と言っていいような作品で、こっちは漫画版が存在する。どちらの媒体も面白い。
余談3:火曜日 《精霊の絆/Elemental Bond》
訳の話。
ちょっとファンタジーっぽいカッコいい訳し方を目指してみた(成功したかは知らない)。そのまま簡素に訳すなら「アシャヤは自身の世界に関する闇の秘密へニッサを導いた」でいいかと。
関係ないけど「アシャヤ」ってなんか読みづらい。声に出して読みづらい、というのではなくて、字面がパッと理解できないというか……小さい「ャ」と大きい「ヤ」が続いてて見づらいというか……そんだけなんだけど。
余談4:水曜日 《ニッサの天啓/Nissa’s Revelation》
天啓と言いつつも、どこか未来を自分で選択している感のあるカード。それだけ的中率の高い占いととることもできる。
ただ、5枚もめくれば何かあるでしょ?、というどこか投げやりな数字に博打的要素を感じざるを得ない。当然土地もあるだろうし、プレインズウォーカーは数えないし、3/3程度のクリーチャーじゃ7マナの元をとったとは思えないし……とか考えると、ときどき大惨事を引き起こしてくれそう。
それはそれで「頼りきって油断していると、とんでもない落とし穴が待っている」という意味で、占い師や予言者のたぐいっぽいフレイバーを表現できている気がする。
訳の話。
色々補っているという点はさておき、原文の「nearly tore her mind asunder」という表現が好き。精神を破壊されんばかりの衝撃をどう表現するかということなんだけど、そこに「Tore」とか「Asunder」とか、いちいち振るってるなあ、と思った(感じ方には個人差があります)。
なので本当は和訳も「散り散りに引き裂かれ」とか「幾千もの欠片に」とか凝った言い回しを使ったほうがそれっぽいんだけど、そこらへんは力量が足りなかった。でもこういう豊かな表現は少しずつでも自分の中に溜め込んでいきたいと思ってる。
余談5:木曜日 《光り葉の将帥、ドゥイネン/Dwynen, Gilt-Leaf Daen》
またエルフのロード(+1/+1)か。今、何体いるんだろうな。全員そろったらどんなエルフだろうと《サルディアの巨像/Colossus of Sardia》より巨大になりそう。
ところで、タフネス偏重かつライフ回復という能力持ちから、なんとなく防御的で優しいキャラかと思ってたんだけど、背景ストーリーを読んだら全然違った。虐殺大好きっぽい感じらしい。そうなるとライフ回復という能力もまた違って聞こえてくる。怖い。
そんな憶測(妄想?)はさておき訳の話。
これ、「~ことを知り、恐れおののいた」は、単純に「~ことに恐れおののいた」で良かったような気もしてきた。いかにも「翻訳しました」な文章になってる。
それはさておき(この記事に限らず)迷うのが「creature」の訳。マジック語ではいわずもがなの「クリーチャー」なんだけど、日本語のカタカナ語で「クリーチャー」というと「化け物」を指す。
英語ではより広い範囲の「生き物、生物」を指すし、今回の原文もそっちの意味で使われている。今回のネタでは明らかに「生き物」だから良かったんだけど、カード紹介と絡めている文章のときなどは「マジック的な使われ方」と「英単語的な使われ方」の境界線が曖昧になることがあって迷う。
まあ今回は違ったんだからここで言うことでもないかもしれないけど。
余談6:金曜日 《大オーロラ/The Great Aurora》
この《大オーロラ/The Great Aurora》は「有形の存在が全て姿形を変えてしまう天変地異」というストーリー上の出来事を見事に表現している。そのうえで、ちゃんとゲームで使える(使ってみたくなる)効果になっている。素晴らしいな。
ところでこの日の記事は妙に「カード名が含まれてるなあ」と感じた。
どういうことかと言うと……
……というわけでそれぞれ、《妨害/Thwart》、《虐殺/Massacre》、《暗黒/Darkness》というカード名が見える。なお、冒頭の4つ目の英単語「Sweep」というカード名もあったような気がしてたけど、これは能力語(掃引/Sweep)だった。残念。
上記に関連してちょっと思いだしたのが「あるカード名に別のカード名が含まれている」というネタ。分かりやすいところだと《闇の旋動/Spinning Darkness》に《暗黒/Darkness》が含まれている、というようなもの。
このネタでもっとも秀逸だと思われたのは《精神嵐の冠/Mindstorm Crown》に《嵐雲のカラス/Storm Crow》が含まれている、というもの。この話が出たのって、いつだったかな……うわ、もう4年半以上前か!?
2011年02月08日の Card of the Day
http://regiant.diarynote.jp/201102090515066956/
ニッサの物語に絡めてのマジック・オリジンのカード紹介。ニッサってカード的な強さと言う意味で不遇の扱いを受けているイメージが強いんだけどそろそろ強いバージョンも存在しているのかな。
余談2:月曜日 《野性の本能/Wild Instincts》
訳の話。
原文:
She was also last of the animists-shamans who could commune with the land.
拙訳:
ニッサ・レヴェインはゼンディカーに生きるジョラーガ族のエルフだった。また彼女は精霊信者(大地と交感することができるシャーマン)の最後の生き残りでもある。
「Commune」をどう訳すか、またコンマ以降の追記部分をどう日本語文に挿入するか、の2点が考えどころ。どう対応したかは拙訳を見て頂ければ、一目瞭然なので説明は省く。
カードにほぼ関係ない余談。
コミューンという響きに思い出されるのはコリューンという名前。これは中華風ファンタジー小説「後宮小説」(酒見賢一)に出てくる登場人物で、この作品はアニメ版も存在する。
確か深夜にテレビつけたら見たことないアニメがやってて、それが妙に面白そうな話で、登場人物の名前から原作小説の存在を知って読んでみたら期待に違わぬ面白さだった、という流れ。
酒見賢一さんの小説は他に「墨攻」も面白かった。これも中華風ファンタジー小説と言っていいような作品で、こっちは漫画版が存在する。どちらの媒体も面白い。
余談3:火曜日 《精霊の絆/Elemental Bond》
訳の話。
原文:
Ashaya led Nissa to a dark secret about her world.
拙訳:
アシャヤは彼女の世界、ゼンディカーに眠る暗き秘密へとニッサをいざなった。
ちょっとファンタジーっぽいカッコいい訳し方を目指してみた(成功したかは知らない)。そのまま簡素に訳すなら「アシャヤは自身の世界に関する闇の秘密へニッサを導いた」でいいかと。
関係ないけど「アシャヤ」ってなんか読みづらい。声に出して読みづらい、というのではなくて、字面がパッと理解できないというか……小さい「ャ」と大きい「ヤ」が続いてて見づらいというか……そんだけなんだけど。
余談4:水曜日 《ニッサの天啓/Nissa’s Revelation》
天啓と言いつつも、どこか未来を自分で選択している感のあるカード。それだけ的中率の高い占いととることもできる。
ただ、5枚もめくれば何かあるでしょ?、というどこか投げやりな数字に博打的要素を感じざるを得ない。当然土地もあるだろうし、プレインズウォーカーは数えないし、3/3程度のクリーチャーじゃ7マナの元をとったとは思えないし……とか考えると、ときどき大惨事を引き起こしてくれそう。
それはそれで「頼りきって油断していると、とんでもない落とし穴が待っている」という意味で、占い師や予言者のたぐいっぽいフレイバーを表現できている気がする。
訳の話。
原文:
Her encounter with Emrakul nearly tore her mind asunder, igniting her spark and sending her to the plane of Lorwyn.
拙訳:
エルドラージとの邂逅は彼女の精神を粉々に打ち砕きかねないほどの衝撃だった。その衝撃は彼女のプレインズウォーカーの灯を点しただけでなく、彼女をローウィンの次元へと送り込んだ。
色々補っているという点はさておき、原文の「nearly tore her mind asunder」という表現が好き。精神を破壊されんばかりの衝撃をどう表現するかということなんだけど、そこに「Tore」とか「Asunder」とか、いちいち振るってるなあ、と思った(感じ方には個人差があります)。
なので本当は和訳も「散り散りに引き裂かれ」とか「幾千もの欠片に」とか凝った言い回しを使ったほうがそれっぽいんだけど、そこらへんは力量が足りなかった。でもこういう豊かな表現は少しずつでも自分の中に溜め込んでいきたいと思ってる。
余談5:木曜日 《光り葉の将帥、ドゥイネン/Dwynen, Gilt-Leaf Daen》
またエルフのロード(+1/+1)か。今、何体いるんだろうな。全員そろったらどんなエルフだろうと《サルディアの巨像/Colossus of Sardia》より巨大になりそう。
ところで、タフネス偏重かつライフ回復という能力持ちから、なんとなく防御的で優しいキャラかと思ってたんだけど、背景ストーリーを読んだら全然違った。虐殺大好きっぽい感じらしい。そうなるとライフ回復という能力もまた違って聞こえてくる。怖い。
そんな憶測(妄想?)はさておき訳の話。
原文:
On Lorwyn, Nissa encountered Dwynen and was horrified by the Lorwyn elves’ massacring of innocent creatures.
拙訳:
そしてローウィンのエルフたちが敵意無き生物たちを虐殺していることを知り、恐れおののいた。
これ、「~ことを知り、恐れおののいた」は、単純に「~ことに恐れおののいた」で良かったような気もしてきた。いかにも「翻訳しました」な文章になってる。
それはさておき(この記事に限らず)迷うのが「creature」の訳。マジック語ではいわずもがなの「クリーチャー」なんだけど、日本語のカタカナ語で「クリーチャー」というと「化け物」を指す。
英語ではより広い範囲の「生き物、生物」を指すし、今回の原文もそっちの意味で使われている。今回のネタでは明らかに「生き物」だから良かったんだけど、カード紹介と絡めている文章のときなどは「マジック的な使われ方」と「英単語的な使われ方」の境界線が曖昧になることがあって迷う。
まあ今回は違ったんだからここで言うことでもないかもしれないけど。
余談6:金曜日 《大オーロラ/The Great Aurora》
この《大オーロラ/The Great Aurora》は「有形の存在が全て姿形を変えてしまう天変地異」というストーリー上の出来事を見事に表現している。そのうえで、ちゃんとゲームで使える(使ってみたくなる)効果になっている。素晴らしいな。
ところでこの日の記事は妙に「カード名が含まれてるなあ」と感じた。
どういうことかと言うと……
原文:
The Great Aurora swept over Lorwyn just as Nissa thwarted Dwynen’s massacre. Horrified by witnessing that world falling to darkness, ~
……というわけでそれぞれ、《妨害/Thwart》、《虐殺/Massacre》、《暗黒/Darkness》というカード名が見える。なお、冒頭の4つ目の英単語「Sweep」というカード名もあったような気がしてたけど、これは能力語(掃引/Sweep)だった。残念。
上記に関連してちょっと思いだしたのが「あるカード名に別のカード名が含まれている」というネタ。分かりやすいところだと《闇の旋動/Spinning Darkness》に《暗黒/Darkness》が含まれている、というようなもの。
このネタでもっとも秀逸だと思われたのは《精神嵐の冠/Mindstorm Crown》に《嵐雲のカラス/Storm Crow》が含まれている、というもの。この話が出たのって、いつだったかな……うわ、もう4年半以上前か!?
2011年02月08日の Card of the Day
http://regiant.diarynote.jp/201102090515066956/
コメント
墨攻も面白いですか。こちらは未読なので、読んでみようかな。