余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 戦乱のゼンディカーの呪文たちを通じてゼンディカーの世界観が説明された週。とてつもない劣勢は大戦ものの基本とはいえそればかりだと気が滅入ってくるな。そういえば次は平和を取り戻したはずのイニストラードにまたカメラが戻るんだっけ。嫌な予感しかしない。かわいそうに。

余談2:月曜日 《陰惨な殺戮/Gruesome Slaughter》

 エルドラージたちが強大な力をふるってゼンディカー人たちを一方的になぎ倒していく、というフレイバーが痛いほど伝わってくるカードだ。ただ使える状況が狭すぎるような気がする。

  ・こっちに2体以上の無色のクリーチャーがいる
  ・相手に2体以上のクリーチャーがいる
  ・味方クリーチャーの攻撃力がそれぞれ相手のタフネスを上回っている

 という状況を作らないといけない。かつタップするから攻撃したあとだとダメだし、除去に使った味方クリーチャーは攻撃にいけないし……難しい。ただハマったら確かに一方的な殺戮現場と化しそうではある。

 訳の話。
原文:
 The conflict between the Eldrazi and Zendikari raged across continents. Entire populations were wiped out and ingested.

拙訳:
 エルドラージとゼンディカー人たちとの対立は大陸全土へと燃え広がった。そこに住まう全ての人々が押し流され巻き込まれた。

 短い割には色々と困らされた文章。単語で言うと「Zendikari」「raged across」「populations」「wiped out」「ingested」……ってほぼ全部じゃないか。

 「Zendikari」は「ゼンディカー人」でいいのかしら。ゼンディカーに住まう人々、でもいいような気がしたけど原語で1語だし、無理せずそのまま。

 「raged across」は「荒々しい様子で 範囲が広がっていく」ということだと判断して意訳してみた。なんかもっと良い訳があったような気がしないでもない。

 「populations」は一番一般的な訳として使われる「人口」はちょっと使えないので「住民、人々」のほうで、そこになんとか「Entire」を追加する作業。

 「wiped out」は 初代プレステの黎明期に発売された名作レースゲーム 「洗い流す、一掃する」という意味以外に「全滅する、死に絶える」という意味もあるらしい。でも後者はさすがにやり過ぎだろう、ということで前者。

 「ingested」は「摂取する」という意味らしい。本当に食われたのか、分からなかったので「飲み込まれる」からの連想で「巻き込まれる」としてみた。誤訳かも。

余談3:火曜日 《大物潰し/Smite the Monstrous》

 イニストラードからタルキール覇王譚を経ての再録カード。2マナにすると、ソーサリーとなったかわりに再生を許さなくなるのがアライアンスの《復仇/Reprisal》……って、あれ、これインスタントだっけ。最後に使ってから随分経つのですっかり忘れてた。すごい上位互換だな。

 訳の話。
原文:
 The many races of Zendikar have rallied together to fight back and ensure their survival against the Eldrazi hordes.

拙訳:
 ゼンディカーの多くの種族たちはエルドラージの軍勢を食い止め自らの生存圏を守るために結集した。

 訳の選択肢が多い箇所が複数あって、それらの組み合わせを考えるのが大変だった。「rallied together」とか「fight back」とか「ensure their survival」とか色々。なお「survival」を「生存権」ではなくて「生存圏」としたのは意図的。

余談4:水曜日 《巻き締め付け/Tightening Coils》

 6/6のクラーケンの触手で海中に引きずり込まれたら攻撃力失うだけじゃなくて死ぬだろ、と思うんだけど、それはさておき訳の話。
原文:
 Even Planeswalkers native to Zendikar have returned home to battle the Eldrazi.

拙訳:
 さらにはゼンディカーに生まれたプレインズウォーカーたちもエルドラージと戦うために故郷へと舞い戻ってきた。

 文頭の「Even」は「さらには」よりも「~さえも」としたほうが自然だったかな、と若干の後悔がある。それ以外では「native」と「home」のどっちにも「故郷」という訳が使いたいけど冗長になるから片方違う訳にしないといけないのがつらかったとか。

余談5:木曜日 《荒廃の一掴み/Grip of Desolation》

 訳の話。
原文:
 The Eldrazi seem neigh unstoppable in their number and power, defeating even Angels with ease.

拙訳:
 エルドラージの圧倒的な数と力はとても食い止めることなどできないように思われた。彼らの力は天使たちすら歯牙にもかけないほどだったからだ。

 まず最初に断っておきたいのは「neigh」の訳。見慣れない単語なので調べてみたら「馬のいななき」を意味する単語とのこと。そのままだと明らかに意味が通らないのでタイプミスと判断して「おそらく nearly かなあ」と推測。

 あとはあまり語ることないかもしれない。ラストの「with ease」を「簡単に」とするかわりにちょっと文学的に「歯牙にもかけない」としてみたくらいか。

余談6:金曜日 《多勢/Outnumber》

 昔、似たような効果のカードがあった気がする。Wiki先生に聞いてみよう。

 「《暴徒の正義/Mob Justice》じゃね?」

 ああ、それそれ。

コメント

おんたい
2015年11月7日20:37

ま、英語はさっぱりですがw

「ingest」は今回の能力語で日本語「嚥下」があてられているので、「飲み込まれた」ですかね?

re-giant
2015年11月7日21:12

情報サンクスです。「押し流され、飲み込まれた」だと激しい流れに巻き込まれている感じがでますし、そのほうが良かったかもですね。なお「嚥下」をそのまま使うと「全人口が嚥下された」と絶滅確定なので不可のもよう。

nophoto
ROR
2015年11月8日7:36

いつも邦訳を読ませていただいています。
「raged across continents」は「大陸を越えて猛威を振るった」とも取れますね。ゼンディカーには七つの大陸があるそうなので。

re-giant
2015年11月9日1:09

あー、確かに複数形ですね。見落としました。やっぱり背景設定を押さえていないとこういうときダメですね……ありがとうございました。

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