余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 サンクスギビング週間ということで、それにちなんだカードたち。

余談2:月曜日 《アヴァシンの巡礼者/Avacyn’s Pilgrim》

 この日の記事で「多次元の全ての巡礼者たちを振り返るよ」というからてっきり今週は全部「巡礼者(Pilgrim)」なカードが並ぶのかなと思いきや月曜日だけだった。なんやそれ。

 訳すときに「All」をどうしようかなと思って、結局月曜日しか振り返ってないことを鑑みて「あまねく」にしてみた。気を遣いすぎたかもしれない。

 以下、サンクスギビングにちなんだ余談。

 イギリスの宗教改革に見切りをつけて新大陸へと旅立った巡礼者たちは「Pilgrim Fathers」と呼ばれた。彼らは「Mayflower」と名付けられた船に乗って、現在のメリーランド州に辿り着いて開拓を始めたらしい。

 そんな歴史があるのでアメリカの小学校では「Pilgrim Fathers、Mayflower、Maryland」は歴史の時間に必ず言っていいほど習う。だから日本ではどマイナーなメリーランド州だけど、アメリカではそこそこ知られている。ちなみにメリーランド州の一番大きい川であるポトマック川の河岸には日本から贈られた桜の木が並んでいる。

余談3:火曜日 《豊潤な収穫/Bountiful Harvest》

 カード名を変換しているときに「ほうじゅん」が「芳醇」って出てそのままタイプを続けようとして「待てよ」と危ないところで誤変換に気付いた。でも気づいたあともどっちでもいい気がした(良くない)
原文:
 a holiday commemorating a bountiful harvest and giving thanks for what we have

拙訳:
 これは豊潤な収穫とそれを得られた喜びに感謝を捧げる祭日だ。

 原文を準拠していない訳になっている。素直に訳すなら「豊潤な収穫と私たちが手にしているものに対する感謝を記念した祭日」かな。もっと意味が通る日本語にできなくはないんだろうけど、諦めてしまったよ。難しかった。

余談4:水曜日 《食餌の時間/Time to Feed》

 読み方が分からない。「しょくえ」? 「じきえ」? さて正解は……「しょくじ」だった。恥ずかしいな。でも自戒の念を込めて書き記しておく。
原文:
 a time for feasting and spending time with loved ones

拙訳:
 これは祝宴を催し、愛する者と共に過ごす時間でもある。

 火曜日とほぼ同じ。ただこちらのほうがより原文準拠に成功している(気がする)。

 細かいことを言えば「a time for A and B」で「B = spending time with loved ones」なので、忠実に訳すなら「愛する者と共に時間を過ごす時間」となるけど、まあ、ないわな。

余談5:木曜日 《青銅嘴の恐鳥/Bronzebeak Moa》

 2010年11月23日と2013年11月27日に続いて、2年ぶり3回目の登場。3回とも11月の登場だけど意外なことにサンクスギビングネタは今回が初めて。過去は鳥ネタとしての登場だったもよう。
原文:
 a day many people celebrate by eating a turkey. Or, if you’re on Ravnica, perhaps a Bronzebeak Moa.

拙訳:
 多くの人が七面鳥を食べて祝う日だ。これがラヴニカだったら《青銅嘴の恐鳥/Bronzebeak Moa》を食べるのかもしれないね。

 後半部分は原文が「if you’re on Ravnica」となっている。「You」が入っているからといって二人称が必ずしも必要とは限らない、という訳の例。

 それはさておき「be on Ravnica」の訳をどうするか、というのが若干迷った点だった。最終的には上記のとおりだけど、他にどんな選択肢があり得たかを考えてみるのは無駄じゃないかもしれない。

余談6:金曜日 《闇取引/Dark Deal》

 アメリカにはブラックフライデーと俗に呼ばれる日があるらしい。ブラックマンデーと呼ばれる大恐慌の日が念頭にあったので「悪い意味なんだろうな」と思ったら「クリスマスショッピングシーズン直前の金曜日、黒字で大盛況」という意味と知って驚いた。

 でもさらに調べると「ショッピングで大賑わい、黒山の人だかりで事件が多発、仕事が増えるのはマジ勘弁だぜ」という警察の隠語が元だったという説もあるらしい。やっぱり悪い意味だったのかな。とりあえず英語版Wikipediaの対象項目から一部引用してみる。
原文:
 The earliest evidence of the phrase Black Friday applied to the day after Thanksgiving in a shopping context suggests that the term originated in Philadelphia, where it was used to describe the heavy and disruptive pedestrian and vehicle traffic that would occur on the day after Thanksgiving. This usage dates to at least 1961. More than twenty years later, as the phrase became more widespread, a popular explanation became that this day represented the point in the year when retailers begin to turn a profit, thus going from being "in the red" to being "in the black".

拙訳:
 ブラックフライデーというフレーズが「サンクスギビング直後の金曜日」かつ「ショッピング」の両方に関連して用いられた例はフィラデルフィアが発祥と見られており、少なくとも1961年には「サンクスギビング直後の金曜日に見られる大量の歩行者と車両の渋滞」を指して用いられていた例が確認されている。それから20年後にはより広義の意味で用いられるようになっており、その中でも「小売店が利益を大きく生み始める日、すなわち「赤字(Red)」から「黒字(Black)」へと転じる日」として用いられることが主流となっていった。

 ここで「サンクスギビング直後の金曜日」かつ「ショッピング」の両方に関連して用いられた例、とわざわざ但し書きがあるだけあって、欧米には他にも多くの「Black Friday」があるらしい。曖昧さ回避のための「Wikipedia:Black Friday」のページには10以上の「暗黒の金曜日」が並んでいる。

   Wikipedia:Black Friday(英語)
   https://en.wikipedia.org/wiki/Black_Friday

余談7:ハースストーン

 某所で「ハースストーンの挙動がたまに分かりづらい」という話が上がっていたので、同じくハースストーンで知って驚いたり悩んだりしたことを書き残してみる。

その1:場に出た順序で解決

 これは知らないとき本当に混乱した。例えば「墓地に落ちたとき、2/1のミニオンを場に出す」という能力と「墓地に落ちたとき、相手のミニオン1体をランダムで奪う」という能力を持った敵と味方のミニオン同士が(他にミニオンがいない状態で)相打ちになった場合どうなるのか? 2/1を奪えるのか? 奪えないのか?

 答えは「場に出たのが先のミニオンの能力が先に解決される」。どっちのターンかは関係ない。よって「奪う能力」を持ったミニオンが先に出ていたら2/1が出る前に奪取能力が発動するため「奪えない」。

 他にも「墓地に落ちたとき、ランダムで敵のミニオンの1体に1点ダメージ」という能力もあるし、墓地に落ちる以外にも「場に新たなミニオンが出たとき」をトリガーにする能力も多いため、この考え方は非常に大事。

その2:ランダムと非ランダム

 このゲームには「挑発(Taunt、この能力を持ったミニオン以外を攻撃できない。優先的に攻撃しないといけない)」や「隠れ身(Stealth、この能力を持ったミニオンは敵からの攻撃対象とならない。マジックで言う「被覆」みたいな能力)」がある。

 さて「50%の確率でランダムで攻撃対象を決定してしまう」という能力を持った《オーガの暴れん坊/Ogre Brute》がいる。相手の場に「挑発」持ちと「隠れ身」持ちが1体ずついるとき、ランダム能力が発動したらどこを殴る可能性があるか? 対象は「敵本体」「挑発持ち」「隠れ身持ち」の3つ。

 答えは「3つとも、誰もが殴られる可能性がある」。言い換えると、残りライフが1点しかない敵が「挑発」持ちを盾にしても、オーガがその(本来はデメリット能力のはずの)ランダム能力で敵本体を直接殴って勝ってしまうこともある。

その3:解決時に再チェックしない

 デフォルトで 3/5 のパワーとタフネスを持つ《バーリー・ロックジョー・トログ/Burly Rockjaw Trogg》の能力は「スペルの対象になると攻撃力が(永続的に)+2される」というもの。さてこいつを対象に《密言・痛/Shadow Word: Pain》(パワーが3点以下のミニオンを破壊する)を唱えた場合どうなるのか?

 答えは「破壊できる」。これは実際のゲームで、相手の能力のことを忘れて唱えてしまって「しまった、パワーが5に上がってしまうからダメか……あれ?」ということがあって知った。マジックを知っていると惑わされてしまう、という良い例。

その4:《フロストボルト/Frostbolt》

 このゲームには、1回だけ受けたダメージを0にするバリアこと「聖なる盾(Divine Shield)」という能力がある。これがついているミニオンに(攻撃や呪文で)ダメージを与えるとそのダメージを0にしたあとバリアがはがれる。

 そしてメイジの基本呪文である《フロストボルト/Frostbolt》の効果は「キャラクター1体に3ダメージを与え、凍結(Freeze)させる」という効果を持つ。なお「凍結(Freeze)」は簡単に言うと1ターン動けなくさせるというもの。

 さて、聖なる盾がついたミニオンに《フロストボルト/Frostbolt》を撃った場合、どうなるかというと、「そのミニオンにダメージは入らないが凍結はする」。ダメージを与えた場合とは書いていないから。

 当然といえば当然なんだけど、なんか直感的に「氷結ダメージが入って相手が凍り付く」というイメージが先にあったせいで「あのミニオンを倒せずとも1ターン足止めしたい……でも聖なる盾がついてるから効かないな」と思い込んでしまったことがある。

その5:複雑怪奇

 実際に目にした人も多いと思う、複雑な相互作用の例。

 相手(メイジ)の場には《マッドサイエンティスト/Mad Scientist》がおり、相手のデッキ内には《鏡の住人/Mirror Entity》が入っている。ここで《ファイア・エレメンタル/Fire Elemental》を出して3点ダメージを《マッドサイエンティスト/Mad Scientist》に与えたらどうなるか?

 各カードの効果は以下の通り。先に説明しておくと「断末魔(Deathrattle)」は「~ が墓地に落ちたとき発動する」という能力で、「雄叫び(Battlecry)」は「~ が手札から場に出たとき発動する」という能力。また「秘策(Secret)」は自分のターンに唱えると場に残り、相手のターンに条件が満たされると自動的に発動するカード。
《マッドサイエンティスト/Mad Scientist》
 断末魔(Deathrattle):あなたのデッキから秘策(Secret)カードを1枚を設置する
 引用元:http://hearthstonemaniac.com/index.php?%E3%83%9E%E3%83%83%E3%83%89%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%83%88%2FMad%20Scientist

《鏡の住人/Mirror Entity》(Secret:秘策)
 対戦相手がミニオンを召喚した時、そのコピーを自分の場にも召喚する。
 引用元:http://hearthstonemaniac.com/index.php?Mirror%20Entity

《ファイア・エレメンタル/Fire Elemental》
 雄叫び(Battlecry):ヒーローかミニオンを対象とする。それに3点のダメージ与える
 引用元:http://hearthstonemaniac.com/index.php?Fire%20Elemental

 結論から言ってしまうと、全部が処理し終わったあとには敵と味方の場にそれぞれ1体ずつ《ファイア・エレメンタル/Fire Elemental》が出た状態となる。マジックに慣れていると「なんでやねん」という気持ちになること請け合いである。

 正直なところ、いまだにこれをルール的にきちんと説明できないでいる。

コメント

ふね
2015年12月27日0:42

Mad Scientistの秘技
雄叫び(Battlecry)は場に出る前に発動する能力。従って、バトルクライの能力で《マッドサイエンティスト/Mad Scientist》を破壊した場合、ミニオンが場に出る前にMad Scientistの断末魔(Deathrattle)が発動する。よって、「ミニオンが場に出た時に発動する秘技」であるところのMirror Entity,Snipe,Repentanceが引っ張られてきた場合、そのままバトルクライを行ったミニオンに適応される。具体的にはCruel Taskmaster,SI:7 Agent,Keeper of the Groove等がトリガーにしやすい。

引用元: ハースストーンマニアックの「脱初心者:読み物」→「トリビア」より
(DNはコメントにURLが記載できないので、これで・・・)

上記の通り、雄叫びの発動タイミングがミソになっています。言われないとわからないですよねー(´・ω・)

re-giant
2015年12月27日2:01

>雄叫び(Battlecry)は場に出る前に発動する能力

おお、なるほど、これで一気に分かりやすくなりました。マジックでいうと「戦場に出た際」ではなくて「戦場に出るに際し」の能力なわけですね。ハースストーンの演出上、場に出たあとに発動してるように見えてたので、勘違いというか混乱してたようです。

ありがとうございました ( ´ω` )b

お気に入り日記の更新

この日記について

日記内を検索