余談1:今週のCard of the Dayのテーマ
引き続き、イニストラードを覆う影 の新カード紹介。世界観やカード名に絡めたカジュアルなネタが多かったもよう。砕けた口調が似合う、そんなネタばかりで、訳すのが楽しかった。
余談2:月曜日 《血統の呼び出し/Call the Bloodline》
MTG Wikiによるとフレイバーテキストが誤訳ではないかという疑いがあるとのこと。読んでみて、確かにそうかもしれない、と思った。公式ストーリーに関わる部分だから訳には気を付けないと……ですよね、セレニアさん。
それはさておき Card of the Day のほうの訳の話。
まず1文目。短いフレーズがこんなにも長い日本語になってしまった、と最初思ったけど、よく見たらオリヴィアさんの名前が長いのが一因だった。
ところでこの最初の文が映画「フィールド・オブ・ドリームス」の名台詞「If you build it, he will come」に似ている気がする(だからどうした)。
次の2文目。後半の二重引用符で囲まれた「land flooded」と「Vampire army」のフレーズをどう訳すか。「土地事故」だと土地が少なすぎる場合も含んでしまうので却下。でもこれ以外に1つの単語で言い表す言葉も思いつかない。しょうがないので文章にした。そのかわり括弧は使わず。
加えて、締めの言葉をカジュアルな口語体に合わせて意訳してみた。なかなか親しみがいのある文章になったと思わないかい?
余談3:火曜日 《溺墓の寺院/Drownyard Temple》
マジック関係ない余談なんだけど、上限の月がどんな見た目を指すのか、いまだに良く分かっていない。お茶碗みたいに下側が丸いのか、帽子みたいに上が丸いのか。三日月のように細いのか、半月なのか。昔、説明してもらったはずなんだけど……。
なんだこの「T-shirt cannon」という謎の武器名は……と思って調べてみたら、スポーツ観戦時のハーフタイムなどにマスコットやチアガールが客席にグッズを撃ちこむアレだった。海外だとTシャツ撃ちだすのが基本なのかな。
画像検索:T-shirt cannon
http://sports.cbsimg.net/images/collegefootball/auburngatlinggun434.jpg
http://ww3.hdnux.com/photos/30/40/11/6423134/3/920x1240.jpg
考えてみたら日本で実際に撃ってるところは見たことあっても、「撃ち出されている何か」を入手したことないから日本でもTシャツなのかな。なぜか勝手にタオルだと思ってた。
ところで、原文を素直に訳すなら「これらの怪しげな森の人々は基本的に狼をTシャツ砲から撃ち出す」となる。わけが分からないよ。
おそらく「Tシャツ」かどうかは重要じゃなくて、「連射する、たくさん撃ち出す」ということを言いたいんじゃないかな、と思ったので「マシンガン」と訳した。どっとはらい。
余談4:水曜日 《悪意ある動機/Spiteful Motives》
訳の話。
本当に難しかった。「to be a spiteful」を日本語にするのも難しいし、さらにそこにくっついた「little」とか「sometimes」を合わせて自然な日本語にするのも難しかった。いや、正直できてない気がする。
<案1>
悪意をもって事に及ぶのも、
ときにはちょっと楽しいものだと認めようじゃないか
原文の「to be spiteful」だと「悪意となる、悪意になる」だから変だよなあ、「悪意を持って何かすること」が「楽しい」んだよなあ、と思いながら言葉を補ったパターン。でも「事に及ぶ」は言葉が固いし、補い過ぎかなあ、と思って……
<案2>
悪いことをしちゃいけないのは分かってても
ときどき無性にしたくなる、ってのはあるよな
砕けた口調にあった言葉を選んでみた。あと「fun」を「したくなる」としてみた。日本語としては自然なんだけど「悪意」という単語を除いてしまったのでカードとのつながりが弱いかな、と思って……
<案3>
悪意ある動機は避けるべきだよね。
だけど、ときにちょっとやってみたくもあることは認めざるを得ないだろう?
あえてカード名をそのままぶっ込んでみた。日本語としての不自然さは「カード名そのままだから」という認識で補正されるはず、という考え方。あとは「fun」はやっぱり「楽しい」だろうなあ、というわけで……
<最終案>
悪意ある動機は避けるべきだよね。
だけど、ついそれを楽しんでしまうときがあるのは認めざるを得ないだろう?
という段階を経て完成。
余談5:木曜日 《驚恐の目覚め/Startled Awake》
フレイバーという面ではすごい好き。防ぎようのない絶え間ない悪夢が襲ってきて、恐怖にかられた目覚めとともに精神的ダメージを受ける。細かいこと言うと、このサイクルがほぼ必ず「目覚め」から始まるのは残念なところだな、と(細かい)
訳の話。
原文の「add insult to injury」は、すでに傷を負っているところをさらに攻撃して怪我を悪化させることを指す言い回し。もちろん日本語にも色々ある。
その色々の中にしっくりくるものが見つからなくて困った。喉元まで「こう訳すべき」な言い回しが出てきかけてるんだけど、どうしても出てこない。
探して見つかったのは「傷口に塩を塗り込む/すりこむ」「死人/死体に鞭打つ」「死体蹴り」「ダメ押し」などなど。うーん、どれもなんか違うんだよなあ……なんかどれも「攻撃のあとに攻撃」というよりも……なんだろう。「無抵抗の怪我人を相手に優位な立場から拷問している」ような……上手く言い表せない。
なんやかんや試してみて、もうこれでいいか、と選んだのが上記の「踏んだり蹴ったり」で、続く文章を含め、正直それほど上手くいったという気はしてない。
余談6:金曜日 《殺人者の斧/Murderer’s Axe》
非常に重たい斧だけど装備するのは簡単で、人の心(精神力 = 手札のカード)を捨てるだけでいい。フレイバーとしても面白いし、マッドネス環境とも噛みあってるし、こういうの好きだな。カードとして強いかどうかは知らん。
あらためて見るとなんか色々気になってくる。なんで「怖い」という言葉を持ち出したんだろう、とか、原文の語順そのまま(以下参照)でも良かったんじゃないか、とか。
<代案>
何しろ舞台はイニストラード。今や誰しもが殺人者だからね。
この体言止めのほうが原文の語調を表せてる気がする。
引き続き、イニストラードを覆う影 の新カード紹介。世界観やカード名に絡めたカジュアルなネタが多かったもよう。砕けた口調が似合う、そんなネタばかりで、訳すのが楽しかった。
余談2:月曜日 《血統の呼び出し/Call the Bloodline》
MTG Wikiによるとフレイバーテキストが誤訳ではないかという疑いがあるとのこと。読んでみて、確かにそうかもしれない、と思った。公式ストーリーに関わる部分だから訳には気を付けないと……ですよね、セレニアさん。
それはさておき Card of the Day のほうの訳の話。
原文:
When Olivia Voldaren calls, you answer.
As fuel for your madness cards, this enchantment is obviously fantastic, but turning "land flooded" into "Vampire army" is also pretty great.
拙訳:
オリヴィア・ヴォルダーレンに呼ばれたとあっては駆けつけないわけにはいくまい。
このエンチャントはマッドネスを誘発させる手段としても実に素晴らしいが、土地であふれかえってしまった手札をヴァンパイアの軍勢に変えてしまうという点もまたそれはそれで素晴らしいと思わないかい?
まず1文目。短いフレーズがこんなにも長い日本語になってしまった、と最初思ったけど、よく見たらオリヴィアさんの名前が長いのが一因だった。
ところでこの最初の文が映画「フィールド・オブ・ドリームス」の名台詞「If you build it, he will come」に似ている気がする(だからどうした)。
次の2文目。後半の二重引用符で囲まれた「land flooded」と「Vampire army」のフレーズをどう訳すか。「土地事故」だと土地が少なすぎる場合も含んでしまうので却下。でもこれ以外に1つの単語で言い表す言葉も思いつかない。しょうがないので文章にした。そのかわり括弧は使わず。
加えて、締めの言葉をカジュアルな口語体に合わせて意訳してみた。なかなか親しみがいのある文章になったと思わないかい?
余談3:火曜日 《溺墓の寺院/Drownyard Temple》
マジック関係ない余談なんだけど、上限の月がどんな見た目を指すのか、いまだに良く分かっていない。お茶碗みたいに下側が丸いのか、帽子みたいに上が丸いのか。三日月のように細いのか、半月なのか。昔、説明してもらったはずなんだけど……。
原文:
With all the Werewolves running around, these sinister forest-people will basically be shooting Wolves out of a T-shirt cannon
拙訳:
これだけ巷に狼男があふれてる環境なら、森に暗躍するこの怪しげな教団だってマシンガンみたいに狼を解き放てるはずさ。
なんだこの「T-shirt cannon」という謎の武器名は……と思って調べてみたら、スポーツ観戦時のハーフタイムなどにマスコットやチアガールが客席にグッズを撃ちこむアレだった。海外だとTシャツ撃ちだすのが基本なのかな。
画像検索:T-shirt cannon
http://sports.cbsimg.net/images/collegefootball/auburngatlinggun434.jpg
http://ww3.hdnux.com/photos/30/40/11/6423134/3/920x1240.jpg
考えてみたら日本で実際に撃ってるところは見たことあっても、「撃ち出されている何か」を入手したことないから日本でもTシャツなのかな。なぜか勝手にタオルだと思ってた。
ところで、原文を素直に訳すなら「これらの怪しげな森の人々は基本的に狼をTシャツ砲から撃ち出す」となる。わけが分からないよ。
おそらく「Tシャツ」かどうかは重要じゃなくて、「連射する、たくさん撃ち出す」ということを言いたいんじゃないかな、と思ったので「マシンガン」と訳した。どっとはらい。
余談4:水曜日 《悪意ある動機/Spiteful Motives》
訳の話。
原文:
Let’s just admit it can be fun to be a little spiteful sometimes.
拙訳:
悪意ある動機は避けるべきだよね。だけど、ついそれを楽しんでしまうときがあるのは認めざるを得ないだろう?
本当に難しかった。「to be a spiteful」を日本語にするのも難しいし、さらにそこにくっついた「little」とか「sometimes」を合わせて自然な日本語にするのも難しかった。いや、正直できてない気がする。
<案1>
悪意をもって事に及ぶのも、
ときにはちょっと楽しいものだと認めようじゃないか
原文の「to be spiteful」だと「悪意となる、悪意になる」だから変だよなあ、「悪意を持って何かすること」が「楽しい」んだよなあ、と思いながら言葉を補ったパターン。でも「事に及ぶ」は言葉が固いし、補い過ぎかなあ、と思って……
<案2>
悪いことをしちゃいけないのは分かってても
ときどき無性にしたくなる、ってのはあるよな
砕けた口調にあった言葉を選んでみた。あと「fun」を「したくなる」としてみた。日本語としては自然なんだけど「悪意」という単語を除いてしまったのでカードとのつながりが弱いかな、と思って……
<案3>
悪意ある動機は避けるべきだよね。
だけど、ときにちょっとやってみたくもあることは認めざるを得ないだろう?
あえてカード名をそのままぶっ込んでみた。日本語としての不自然さは「カード名そのままだから」という認識で補正されるはず、という考え方。あとは「fun」はやっぱり「楽しい」だろうなあ、というわけで……
<最終案>
悪意ある動機は避けるべきだよね。
だけど、ついそれを楽しんでしまうときがあるのは認めざるを得ないだろう?
という段階を経て完成。
余談5:木曜日 《驚恐の目覚め/Startled Awake》
フレイバーという面ではすごい好き。防ぎようのない絶え間ない悪夢が襲ってきて、恐怖にかられた目覚めとともに精神的ダメージを受ける。細かいこと言うと、このサイクルがほぼ必ず「目覚め」から始まるのは残念なところだな、と(細かい)
訳の話。
原文:
The ability to recur it multiple times just adds insult to injury. And then more injury.
拙訳:
さらにそれが繰り返し戻ってくるとなると相手からすれば踏んだり蹴ったりだ。もちろんさらなる追い打ちが待ってるけどね。
原文の「add insult to injury」は、すでに傷を負っているところをさらに攻撃して怪我を悪化させることを指す言い回し。もちろん日本語にも色々ある。
その色々の中にしっくりくるものが見つからなくて困った。喉元まで「こう訳すべき」な言い回しが出てきかけてるんだけど、どうしても出てこない。
探して見つかったのは「傷口に塩を塗り込む/すりこむ」「死人/死体に鞭打つ」「死体蹴り」「ダメ押し」などなど。うーん、どれもなんか違うんだよなあ……なんかどれも「攻撃のあとに攻撃」というよりも……なんだろう。「無抵抗の怪我人を相手に優位な立場から拷問している」ような……上手く言い表せない。
なんやかんや試してみて、もうこれでいいか、と選んだのが上記の「踏んだり蹴ったり」で、続く文章を含め、正直それほど上手くいったという気はしてない。
余談6:金曜日 《殺人者の斧/Murderer’s Axe》
非常に重たい斧だけど装備するのは簡単で、人の心(精神力 = 手札のカード)を捨てるだけでいい。フレイバーとしても面白いし、マッドネス環境とも噛みあってるし、こういうの好きだな。カードとして強いかどうかは知らん。
原文:
And don’t worry about the name.
It’s Innistrad; everyone’s a murderer now.
拙訳:
何? カード名が怖いって? 気にする必要はないよ。
何しろ舞台は今や誰しもが殺人者のイニストラードだからね。
あらためて見るとなんか色々気になってくる。なんで「怖い」という言葉を持ち出したんだろう、とか、原文の語順そのまま(以下参照)でも良かったんじゃないか、とか。
<代案>
何しろ舞台はイニストラード。今や誰しもが殺人者だからね。
この体言止めのほうが原文の語調を表せてる気がする。
コメント
>この地球上での話ですが
そういえばイニストラードって「丸い」んですかね……考えたこともなかった