今週のCard of the Day (2016年05月 第3週) とか
2016年5月22日 週のまとめ余談1:今週のCard of the Dayのテーマ
月曜日からいきなり解答が出ていて、レガシーで禁止カードに指定されたことがあるカードたち、ということらしい。どうでもいいけど思い出深い禁止カードを語ると年代が一気に特定されそう。そもそも最近は禁止出ないように細心の注意を払ってるらしいから、禁止カードの思い出とか言い出すこと自体、一定以上の年齢層なのかもしれない。
余談2:月曜日 《Berserk》
《Berserk》というカード自体はそこそこ有名だとしても、その最後に書かれている「使われたクリーチャーは死ぬ」という効果は意外と知られてない気がする。
あと元々は「パワーを倍にする(power doubles)」というテキストだったけど「倍にする(Double)」というテキストは開発部(特にルールマネージャー)に嫌われてるらしく、今は使われていない……ただし日本語では使われている(《倍増の季節/Doubling Season》を参照)。
最後の「for only one mana」がちょっと気になった。「今でも同じ効果の呪文はあるよ。でも当時禁止されたこのパワーカードはわずか1マナだぜ!?」というネタなんだろうけど……その現在でもあるカードも2マナなんだよね。
同じ効果(トランプル付与)を得るためには「獰猛」を達成する必要があることを考えるとやっぱりすごいんだけど、それって「わずか1マナで!」というのとは違う気がして、なんか訳すときに違和感があった。
ほぼ同じ効果なのにマナだけ違うというとやっぱり《Ancestral Recall》(1マナ)と《ジェイスの創意/Jace’s Ingenuity》(5マナ)が最強かなあ。
余談3:火曜日 《納墓/Entomb》
ハースストーンにも同名のカードがある。効果は「対戦相手のミニオンをあなたの山札に埋めてしまう」というもので、対戦相手の強力ミニオンを除去しつつデッキの質を上げることができる強力カード。
でもプリーストのカードほとんど持ってないからほぼ使われる側なんだよね、というマジック関係ない話はさておき訳の話。
英文の部分部分をどうやって並べ替えるか、そして自然な日本語の文章にするか、が難しかった。そのままの順番だとイマイチで……
Undoubtedly, some players saw this card,
(間違いなく 一部のプレイヤーはこのカードを見て)
thought ”Well, that’s useless,”
(こう考えた。「ふむ、このカードはゴミだな」
and were confused by its six-year ban in Legacy.
(そして混乱しただろう。なぜレガシーで6年間も禁止されたんだろうと)
これの何が問題かというと、冒頭の「Undoubtedly(間違いなく)」が、後半の「were confused(混乱した)」にかかっていないこと。一番簡単なのは「間違いなく」を2回登場させてしまう方法で、こんな感じ。
Undoubtedly, some players saw this card,
(間違いなく 一部のプレイヤーはこのカードを見て)
thought ”Well, that’s useless,”
(こう考えた。「ふむ、このカードはゴミだな」
and were confused by its six-year ban in Legacy.
(そして間違いなく混乱しただろう。なぜレガシーで6年間も禁止されたんだろうと)
語順も含めて一番原文に近い形はおそらくこれだろうなあ、と思いつつも、同じ単語を2回使うことに抵抗感があったのでやめた。ただ日本語は英語ほど「同じ言葉を2回使うこと」に禁忌がないから、選択肢としてありだったかも……と思わないでもない。うん。
余談4:水曜日 《イス卿の迷路/Maze of Ith》
なんか同じようなことを何度も書いてる気がするけどやっぱり書くと、《Maze of Ith》の日本語版が出るなんてなあ、という思いがある。ホント、そのうち日本語名がないカードがなくなるんじゃないかな……という妄想はさておき訳の話。
こういうネタを見るたびに「有名どころや古典と呼ばれる映画や小説は押さえておかないとなあ」と思う。いつ引き合いに出されるか分からないからなあ。
あとは、うん、見てのとおり結構意訳している。特にラスト。原文の語順に忠実に訳すとすると、本当は以下のような日本語にしないといけない。
おそらくこの迷路は相手のデカブツを「シャイニング」の
ジャック・ニコルソンみたいに気が狂って最後には凍り付いてしまうまで
延々と迷わせ続けることができてしまうから(禁止カードになったの)だろうね
ただこれだと主語と述語が離れすぎていて「デカブツを 迷わせ続けてしまうから 禁止カード」という主旨が伝わる前にシャイニングうんぬんという脇道の「一文」に意識がそれてしまう危険性がある。
そこでまず主旨を明確にしてそこで文を一度終わらせてから、ネタとなる部分を別のお皿で提供する、という形にしてみた。最後におまけのトッピングを乗せたのは……まあ……趣味です。
余談5:木曜日 《精神力/Mind Over Matter》
ホント、MoMaはすごかった。普通のデッキ(2ターン目にクリーチャー出して、3ターン目から殴る)を使おうとしたら、手札を1枚使ったかどうかのあいだにもう殺されてるからね。それより多少マシだったのはメグリムジャーだけど、こっちは結局日の目を浴びる前に本人が葬られてたからなあ。
最後の「It knows what it did」って何? なんかの慣用句なのかな。すごい深い意味がありそうな感じはあるんだけど、どう訳せばいいのか皆目見当もつかなかった。適当に「まさに精神力のなせる技だった」とかそれっぽく訳そうかと思ったけど、さすがにそれはまずいと何かが止めた。
その前の「for abuse earned」とかもあまり上手く訳せていない。正しくいうとほぼ訳すのを放棄している。ダメですね。まったく、これだから禁止カードは(逆恨み)
余談6:金曜日 《世界喰らいのドラゴン/Worldgorger Dragon》
基本的にデメリット能力として設定されているわけで、つまりはトリプルシンボルとはいえ6マナで7/7の飛行・トランプルは強すぎる、ということなはずなんだけど、最近のクリーチャーの強さを見てるとそのうちこれすら標準になるんじゃなかろうか、と思ってしまう。
ところで記事では「去年(2015年)に禁止を解除された」とあって、じゃあいつ禁止されたんだろう、と調べてみたら「2004年にレガシーで禁止カードに指定」されたらしい。ほぼ干支が一回りか。マジックの歴史は本当に長いな……。
月曜日からいきなり解答が出ていて、レガシーで禁止カードに指定されたことがあるカードたち、ということらしい。どうでもいいけど思い出深い禁止カードを語ると年代が一気に特定されそう。そもそも最近は禁止出ないように細心の注意を払ってるらしいから、禁止カードの思い出とか言い出すこと自体、一定以上の年齢層なのかもしれない。
余談2:月曜日 《Berserk》
《Berserk》というカード自体はそこそこ有名だとしても、その最後に書かれている「使われたクリーチャーは死ぬ」という効果は意外と知られてない気がする。
あと元々は「パワーを倍にする(power doubles)」というテキストだったけど「倍にする(Double)」というテキストは開発部(特にルールマネージャー)に嫌われてるらしく、今は使われていない……ただし日本語では使われている(《倍増の季節/Doubling Season》を参照)。
原文:
card that basically does the same thing as Temur Battle Rage-for only one mana.
拙訳:
これはほぼ《ティムールの激闘/Temur Battle Rage》と同じ効果をもつ……ただし1マナで
最後の「for only one mana」がちょっと気になった。「今でも同じ効果の呪文はあるよ。でも当時禁止されたこのパワーカードはわずか1マナだぜ!?」というネタなんだろうけど……その現在でもあるカードも2マナなんだよね。
同じ効果(トランプル付与)を得るためには「獰猛」を達成する必要があることを考えるとやっぱりすごいんだけど、それって「わずか1マナで!」というのとは違う気がして、なんか訳すときに違和感があった。
ほぼ同じ効果なのにマナだけ違うというとやっぱり《Ancestral Recall》(1マナ)と《ジェイスの創意/Jace’s Ingenuity》(5マナ)が最強かなあ。
余談3:火曜日 《納墓/Entomb》
ハースストーンにも同名のカードがある。効果は「対戦相手のミニオンをあなたの山札に埋めてしまう」というもので、対戦相手の強力ミニオンを除去しつつデッキの質を上げることができる強力カード。
でもプリーストのカードほとんど持ってないからほぼ使われる側なんだよね、というマジック関係ない話はさておき訳の話。
原文:
Undoubtedly, some players saw this card, thought ”Well, that’s useless,” and were confused by its six-year ban in Legacy.
拙訳:
賭けてもいい。このカードを見て「何に使うんだよ、これ」と思ったプレイヤーは、このカードがレガシーで6年のあいだ禁止カードに指定されてたことが不思議でしょうがなかっただろうね。
英文の部分部分をどうやって並べ替えるか、そして自然な日本語の文章にするか、が難しかった。そのままの順番だとイマイチで……
Undoubtedly, some players saw this card,
(間違いなく 一部のプレイヤーはこのカードを見て)
thought ”Well, that’s useless,”
(こう考えた。「ふむ、このカードはゴミだな」
and were confused by its six-year ban in Legacy.
(そして混乱しただろう。なぜレガシーで6年間も禁止されたんだろうと)
これの何が問題かというと、冒頭の「Undoubtedly(間違いなく)」が、後半の「were confused(混乱した)」にかかっていないこと。一番簡単なのは「間違いなく」を2回登場させてしまう方法で、こんな感じ。
Undoubtedly, some players saw this card,
(間違いなく 一部のプレイヤーはこのカードを見て)
thought ”Well, that’s useless,”
(こう考えた。「ふむ、このカードはゴミだな」
and were confused by its six-year ban in Legacy.
(そして間違いなく混乱しただろう。なぜレガシーで6年間も禁止されたんだろうと)
語順も含めて一番原文に近い形はおそらくこれだろうなあ、と思いつつも、同じ単語を2回使うことに抵抗感があったのでやめた。ただ日本語は英語ほど「同じ言葉を2回使うこと」に禁忌がないから、選択肢としてありだったかも……と思わないでもない。うん。
余談4:水曜日 《イス卿の迷路/Maze of Ith》
なんか同じようなことを何度も書いてる気がするけどやっぱり書くと、《Maze of Ith》の日本語版が出るなんてなあ、という思いがある。ホント、そのうち日本語名がないカードがなくなるんじゃないかな……という妄想はさておき訳の話。
原文:
probably because the Maze can make a single giant creature wander aimlessly
until it goes crazy and freezes like Jack Nicholson in The Shining.
拙訳:
おそらくこの迷路は相手のデカブツを延々と迷わせ続けることができたからだろうね。
脱出することができないデカブツはきっとそのまま「シャイニング」のジャック・ニコルソンみたいに気が狂って、最後には凍り付いてしまうんだ……恐ろしい……
こういうネタを見るたびに「有名どころや古典と呼ばれる映画や小説は押さえておかないとなあ」と思う。いつ引き合いに出されるか分からないからなあ。
あとは、うん、見てのとおり結構意訳している。特にラスト。原文の語順に忠実に訳すとすると、本当は以下のような日本語にしないといけない。
おそらくこの迷路は相手のデカブツを「シャイニング」の
ジャック・ニコルソンみたいに気が狂って最後には凍り付いてしまうまで
延々と迷わせ続けることができてしまうから(禁止カードになったの)だろうね
ただこれだと主語と述語が離れすぎていて「デカブツを 迷わせ続けてしまうから 禁止カード」という主旨が伝わる前にシャイニングうんぬんという脇道の「一文」に意識がそれてしまう危険性がある。
そこでまず主旨を明確にしてそこで文を一度終わらせてから、ネタとなる部分を別のお皿で提供する、という形にしてみた。最後におまけのトッピングを乗せたのは……まあ……趣味です。
余談5:木曜日 《精神力/Mind Over Matter》
ホント、MoMaはすごかった。普通のデッキ(2ターン目にクリーチャー出して、3ターン目から殴る)を使おうとしたら、手札を1枚使ったかどうかのあいだにもう殺されてるからね。それより多少マシだったのはメグリムジャーだけど、こっちは結局日の目を浴びる前に本人が葬られてたからなあ。
原文:
its potential for abuse earned this enchantment a time-out on the banned list. It knows what it did.
拙訳:
そのあまりに高すぎる潜在能力はついに自身を一時的とはいえ禁止カードに指定させた。それは自身の強さをよく知っていたのだ。
最後の「It knows what it did」って何? なんかの慣用句なのかな。すごい深い意味がありそうな感じはあるんだけど、どう訳せばいいのか皆目見当もつかなかった。適当に「まさに精神力のなせる技だった」とかそれっぽく訳そうかと思ったけど、さすがにそれはまずいと何かが止めた。
その前の「for abuse earned」とかもあまり上手く訳せていない。正しくいうとほぼ訳すのを放棄している。ダメですね。まったく、これだから禁止カードは(逆恨み)
余談6:金曜日 《世界喰らいのドラゴン/Worldgorger Dragon》
基本的にデメリット能力として設定されているわけで、つまりはトリプルシンボルとはいえ6マナで7/7の飛行・トランプルは強すぎる、ということなはずなんだけど、最近のクリーチャーの強さを見てるとそのうちこれすら標準になるんじゃなかろうか、と思ってしまう。
ところで記事では「去年(2015年)に禁止を解除された」とあって、じゃあいつ禁止されたんだろう、と調べてみたら「2004年にレガシーで禁止カードに指定」されたらしい。ほぼ干支が一回りか。マジックの歴史は本当に長いな……。
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