余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 デカブツたちオンパレード。月曜日から順に「15/15、8/8、11/11、10/10、7/11」のパワーとタフネスの持ち主たち。言い換えると、それ以上の共通点は特に見受けられない。

余談2:月曜日 《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn》

 訳の話。
原文:
 She thinks it’s cute that you’re afraid of her little brothers, Kozilek and Ulamog.

拙訳:
 彼女からすれば、コジレックやウラモグみたいなカワイイ弟たちに恐れをなす人間が滑稽でしょうがないらしい。

 そういえば彼女なんだな。長女ってことか。訳に関しては、文章を軽くするために「cute」を「滑稽」としたり「little brother」を「カワイイ弟」とした以外はあまりいじってない。

余談3:火曜日 《黴墓の大怪物/Moldgraf Monstrosity》

  MTG Wiki曰く、カード名の黴墓(ばいぼ)は……

   「mold=黴(かび)」+「graf=(オランダ語で)墓」を直訳した造語

 ……とのこと。ファンタジーの造語をカタカナでなく日本語に訳しているのを見ると、なんというか、昔懐かしいものを感じる。「指輪物語」や「ナルニア国ものがたり」の空気。

 でもこれ初見じゃ読めないよね。カード名を指定する必要があるゲームで読めない言葉を使うのは、それはそれでちょっとどうかと思う。

 マジックの開発部でも、カード名を決めるときのルールの1つに「読めること」があるらしい。そりゃそうだ、と思ってしまうけど、実際にこういう例があるわけで、世に出る前に修正くらった「読めないカード名」っていっぱいあったんだろうなあ。

 ところで個人的には「Mold」というと真っ先に思い浮かぶのは高い汎用性を誇る《忍び寄るカビ/Creeping Mold》。あらためて見ると、ちょっとクリーチャー名っぽいカード名かも。

余談4:水曜日 《背くもの/It That Betrays》

 訳の話。
原文:
 You have to appreciate an otherworldly horror that is up-front about its proclivity for betrayal.

拙訳:
 どこの世界から来たか分からんような恐ろしい化け物とはいえ、あらかじめ「裏切るかもよー」って教えてくれるのはありがたい話だよね。

 原文だとすんなりネタとして入ってくるのに、素直に日本語訳するとどうしてもぎごちなくなってしまう。原文が(冗談めいた内容を)あえて真面目っぽい語調で表現してるからかもしれない。

   You have to appreciate
   (あなたはありがたく思うべきだ)
   an otherworldly horror
   (異世界の怪物が)
   that is up-front about its proclivity for betrayal.
   (その裏切りの傾向を隠そうともしないことを)

 色々考えた挙句に結局は砕けた口調に訳してしまった(逃げ)

 あと知らない単語がいくつか出てきた。「up-front(前もって)」とか「proclivity(傾向)」とかがそれ。後者は特にネガティブな響きを含む場合に用いるらしい(虚言症や盗癖など)。

 ところで原文だと「up-front」って名詞扱いなんだけど、日本語の辞書を調べると名詞以外の訳が多いんだよね。こういうのも訳の難しさの1つかも。

余談5:木曜日 《天を支える者/Bearer of the Heavens》

 訳の話。
原文:
 In this case though, killing it triggers The Actual Apocalypse-watch your opponent’s face as they process the situation.

拙訳:
 場に出たこいつを見てからそれに気づくまでの対戦相手の顔色の変化を楽しもうじゃないか。

 なんとなく訳してしまったけど大意は合ってると思う。いや、ネタとしての方向性は正しい、といったほうが近いかもしれない。

 細かいことを言うと色々気になるポイントはある。拙訳では「実際にはまだ能力は誘発してない状況」だけど、おそらく原文のネタは「能力が次々と誘発していく最中」を描写してる(末尾の「対戦相手の顔色うんぬん」)

 ただ「次々と誘発する(as they process the situation)」というには効果は1つだけだし、そもそもこの文章の「they」が何を指すのかよく分からないし……結局、なんとなく訳した。

 ホント、この「they」ってなんなんだろう。直前に出てくる名詞(巨人、アポカリプス、対戦相手)がどれもこれも単数なのよね。

余談6:金曜日 《ウラモグの種父/Spawnsire of Ulamog》

 訳の話。
原文:
 Okay sure, 20 mana to activate an ability is ridiculous. It’s comically over the top. (中略)And the cherry on top?

拙訳:
 オーケイ、君の言う通りだ。起動コスト20マナはハッキリ言って正気じゃない。馬鹿げてるの更に上をいくコストだ。(中略)さらにそのうえにイチゴまで乗ってくるんだぜ!

 ジョークめいた砕けた口調のオンパレードなので、自由気ままに訳すのが吉と考えた。特に「comically over the top」や「cherry on top」のあたり。

 ただあらためて見ると「馬鹿げてるの更に上をいくコスト」は日本語としてイマイチなので「馬鹿げてるなんてレベルを突き抜けてしまったコストだ」とか、もしくはいっそ「銀枠かよ」くらいやっても良かったかな。

 以下、マジック関係ない余談。

 いまだに英語の冠詞がよく分からない。基本は理解してるつもり。不特定の一般的なものを指す場合は「a」で、特定の(もしくはすでに文章に登場した)ものは「the」みたいな(多分)

 ただ今回の文章に出てきた「And the cherry on top?」という文章だと「cherry」には「the」がかぶさって、さらに末尾の「top」には冠詞がつかないのね。

 単に、口語体だから厳密な文法に沿った文ではないというだけなのか、こういう決まった言い回しがあるのか……英語むずかしい。

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