余談1:今週のCard of the Dayのテーマ
アモンケットの新カードたち。すでに過去に再録済み(?)のものもある。それについては金曜日の記事と今日の記事の「余談6」を参照のこと。
余談2:月曜日 《栄光をもたらすもの/Glorybringer》
訳の話。
普通だったら「nickname」は「あだ名」と訳すところだけど、これは動詞。じゃあ「あだ名をつける」にするかというと……ドラゴンだぞ? 何か他の言い方のほうがいいよね……というわけで「名づける、称する、呼ばわりする」などの候補の中から選出。
余談3:火曜日 《熱烈の神ハゾレト/Hazoret the Fervent》
訳の話。
前半も後半も難しかった。まず前半から。
前半部分の意味は「アモンケットの神様をこれから紹介していくよ。その1枚目だよ」ということ。元の英語だけを使い、かつ語順もそろえると「最初の アモンケットの 神様が ここに!」という感じ。
これを、意味が同じになるように、かつ極力言葉を足さないように、と訳そうとしてみた結果が「アモンケットの神、1枚目を紹介しよう!」になった。ダメだろ。やっぱり直そう。
えーと……「アモンケットの神々を紹介していくぞ! さっそくその1枚目がこれだ!」のほうが分かりやすいし、より日本語として自然か。これにしよう(記事も修正済み)
さて後半。
こっちは英語のまま訳すのを最初から諦めてた。獣人とか犬の顔とかを「ジャッカル頭」とは日本語じゃ言わないだろうから。
後半で訳を諦めた箇所はもう1つあって、それは「fan」。「ファンのみんな」で良かったのかなあ。ファンがいたのか? 発売前に? 確認するすべがなかったので止めた。
余談4:水曜日 《先手必勝/Onward to Victory》
過去の分割カードは、カード名を「and」でつなぐと慣用句になってて、今回の余波カードは「to」でつなぐと慣用句になるらしい。日本語は多色カードでは「続けて読むと熟語」を狙おうとした向きがあるけど、単色カードはシンプルに「対義語・類義語」などになっているみたい。
・《黄昏+払暁》(※ 対義語)
・《暗記+記憶》(※ 類義語)
・《不帰+回帰》(※ 対義語)
・《嘲笑+負傷》(※ 脚韻)
・《食餌+給餌》(※ 脚韻)
なお「黄昏」の読みは「たそがれ」ではなくて「こうこん」。そんな読みあったんか。知らなかった。というわけで上記の5枚が単色カード、以下が多色カード。
・《徹頭+徹尾》
・《粉骨+砕身》
・《天導+先導》(※ 脚韻)
・《先手+必勝》
・《開拓+精神》
・《枕戈+待旦》
・《服背+面従》(※ 実際の熟語の語順では「面従腹背」)
・《貧窮+裕福》(※ 対義語)
・《木端+微塵》
・《驚天+動地》
枕戈待旦は聞いたことないなあ。読み方すら分からないや。
調べてみたところ「読み:ちんかたいたん」らしい。うちのPCのワープロソフトだと変換できないぞ。恐ろしい。ちなみに意味は「武器を枕にし、明日を待つ」ということで「いつ戦いが始まってもよいように備えている様子」らしい。つらそう。
こうやって新しい言葉覚えられるのもカードゲームの魅力だと思う。「Oath」なんてマジックやってなかったら知らなかったし(年がバレる)
余談5:木曜日 《周到の神ケフネト/Kefnet the Mindful》
「Mindful」を訳せと言われたら困るなあ、ということはさておき記事の方の訳の話。
一番大変だったのは様々なアモンケット特有の固有名詞……ではなくて「charged with maintenance of the Hekma」の箇所。
意味としては「in charge of」と同じと思われるので「管理者」か「担当者」当たりが適当だと思うんだけど「維持管理の管理者」は言いたくないし、じゃあ「担当者」でいいかというと……なんか神様が司ってる役割を指すのに「担当者」はあまりに軽すぎるような気がして使いたくなかった。
そもそも「維持管理」というのもあまりに下界の作業っぽくて、もう少しなんか言い方がないものか、と悩んだけど、結局思いつかなかった。うーん。もっと神々しく厳かな「神の御業」な感じが出したかった。
とはいえアモンケットの神様たちって人との距離が結構近いんだよね。
ああ、そうそう。それと「external security」もなかなか難しかった。おそらくもっとも適切な訳は「セキュリティ」とカタカナにすることなんだけど、それは敗北を認めることになる(誰と戦ってるんだ)。最終的には「外部の脅威から守る」としてみた。正直、最良の訳ではないと思ってる。
余談6:金曜日 《エイヴンの思考検閲者/Aven Mindcensor》
思考検閲者が瞬速で来るってやだな。まさに調べ物をしようとした瞬間に現れて「はい、ここまでしか調べちゃダメです」って口を……というかクチバシを挟んでくるわけだよね。
ところでフューシャ―シフトカードはカードのレイアウトが違ったわけだけど(参考:http://magiccards.info/fut/en/18.html)、それは「未来ではこのレイアウトなんだよ!」って理由だとばかり思ってたのに、実際にその「未来」になったらカードデザインが大して今と変わらないのは……なんか寂しいな。
それはさておき訳の話。
難しかった。原文に忠実に訳すことより、分かりやすさとネタの伝わりやすさを優先して、色々と言葉を補ったり(例:アモンケットが~、10年先の未来を予見~)、原文の言葉を削ったり(例:glimpse)した。
原文通りではないけど、原文が伝えたかった「このカードの奇妙さ」を伝えることはできたんじゃないかな、と思ってる。たぶん。おそらく。もしかしたら。
アモンケットの新カードたち。すでに過去に再録済み(?)のものもある。それについては金曜日の記事と今日の記事の「余談6」を参照のこと。
余談2:月曜日 《栄光をもたらすもの/Glorybringer》
訳の話。
原文:
Only on Amonkhet would people see a colossal croco-Dragon incinerating Warriors with volleys of fire and nickname it ”Glorybringer.”
拙訳:
炎を斉射しながら戦士たちを焼き払うワニみたいな巨大ドラゴンを指して「栄光をもたらすもの」と名づけたりする世界はアモンケットくらいだろうね。
普通だったら「nickname」は「あだ名」と訳すところだけど、これは動詞。じゃあ「あだ名をつける」にするかというと……ドラゴンだぞ? 何か他の言い方のほうがいいよね……というわけで「名づける、称する、呼ばわりする」などの候補の中から選出。
余談3:火曜日 《熱烈の神ハゾレト/Hazoret the Fervent》
訳の話。
原文:
The first of the Amonkhet Gods is here! After weeks, fans finally have a name to use other than ”the jackal God.”
拙訳:
アモンケットの神、1枚目を紹介しよう! 何週間もみんなに「あの犬の神様」と呼ばれてきたけど、やっと正しい名前で呼んでもらえるね。
前半も後半も難しかった。まず前半から。
前半部分の意味は「アモンケットの神様をこれから紹介していくよ。その1枚目だよ」ということ。元の英語だけを使い、かつ語順もそろえると「最初の アモンケットの 神様が ここに!」という感じ。
これを、意味が同じになるように、かつ極力言葉を足さないように、と訳そうとしてみた結果が「アモンケットの神、1枚目を紹介しよう!」になった。ダメだろ。やっぱり直そう。
えーと……「アモンケットの神々を紹介していくぞ! さっそくその1枚目がこれだ!」のほうが分かりやすいし、より日本語として自然か。これにしよう(記事も修正済み)
さて後半。
こっちは英語のまま訳すのを最初から諦めてた。獣人とか犬の顔とかを「ジャッカル頭」とは日本語じゃ言わないだろうから。
後半で訳を諦めた箇所はもう1つあって、それは「fan」。「ファンのみんな」で良かったのかなあ。ファンがいたのか? 発売前に? 確認するすべがなかったので止めた。
余談4:水曜日 《先手必勝/Onward to Victory》
過去の分割カードは、カード名を「and」でつなぐと慣用句になってて、今回の余波カードは「to」でつなぐと慣用句になるらしい。日本語は多色カードでは「続けて読むと熟語」を狙おうとした向きがあるけど、単色カードはシンプルに「対義語・類義語」などになっているみたい。
・《黄昏+払暁》(※ 対義語)
・《暗記+記憶》(※ 類義語)
・《不帰+回帰》(※ 対義語)
・《嘲笑+負傷》(※ 脚韻)
・《食餌+給餌》(※ 脚韻)
なお「黄昏」の読みは「たそがれ」ではなくて「こうこん」。そんな読みあったんか。知らなかった。というわけで上記の5枚が単色カード、以下が多色カード。
・《徹頭+徹尾》
・《粉骨+砕身》
・《天導+先導》(※ 脚韻)
・《先手+必勝》
・《開拓+精神》
・《枕戈+待旦》
・《服背+面従》(※ 実際の熟語の語順では「面従腹背」)
・《貧窮+裕福》(※ 対義語)
・《木端+微塵》
・《驚天+動地》
枕戈待旦は聞いたことないなあ。読み方すら分からないや。
調べてみたところ「読み:ちんかたいたん」らしい。うちのPCのワープロソフトだと変換できないぞ。恐ろしい。ちなみに意味は「武器を枕にし、明日を待つ」ということで「いつ戦いが始まってもよいように備えている様子」らしい。つらそう。
こうやって新しい言葉覚えられるのもカードゲームの魅力だと思う。「Oath」なんてマジックやってなかったら知らなかったし(年がバレる)
余談5:木曜日 《周到の神ケフネト/Kefnet the Mindful》
「Mindful」を訳せと言われたら困るなあ、ということはさておき記事の方の訳の話。
原文:
Beyond being one of the wisest beings on Amonkhet, Kefnet is also charged with maintenance of the Hekma and therefore the external security for Naktamun.
拙訳:
ケフネトはアモンケットにおけるもっとも知性ある存在というだけでなく、ヘクマの維持管理も担当している。つまりナクタムンの都市を外部の脅威から守る警備担当者でもあるのだ。
一番大変だったのは様々なアモンケット特有の固有名詞……ではなくて「charged with maintenance of the Hekma」の箇所。
意味としては「in charge of」と同じと思われるので「管理者」か「担当者」当たりが適当だと思うんだけど「維持管理の管理者」は言いたくないし、じゃあ「担当者」でいいかというと……なんか神様が司ってる役割を指すのに「担当者」はあまりに軽すぎるような気がして使いたくなかった。
そもそも「維持管理」というのもあまりに下界の作業っぽくて、もう少しなんか言い方がないものか、と悩んだけど、結局思いつかなかった。うーん。もっと神々しく厳かな「神の御業」な感じが出したかった。
とはいえアモンケットの神様たちって人との距離が結構近いんだよね。
ああ、そうそう。それと「external security」もなかなか難しかった。おそらくもっとも適切な訳は「セキュリティ」とカタカナにすることなんだけど、それは敗北を認めることになる(誰と戦ってるんだ)。最終的には「外部の脅威から守る」としてみた。正直、最良の訳ではないと思ってる。
余談6:金曜日 《エイヴンの思考検閲者/Aven Mindcensor》
思考検閲者が瞬速で来るってやだな。まさに調べ物をしようとした瞬間に現れて「はい、ここまでしか調べちゃダメです」って口を……というかクチバシを挟んでくるわけだよね。
ところでフューシャ―シフトカードはカードのレイアウトが違ったわけだけど(参考:http://magiccards.info/fut/en/18.html)、それは「未来ではこのレイアウトなんだよ!」って理由だとばかり思ってたのに、実際にその「未来」になったらカードデザインが大して今と変わらないのは……なんか寂しいな。
それはさておき訳の話。
原文:
Ironically, this card was first seen ten years ago as part of a glimpse into the future,
yet it will only let your opponents look as far as four cards into their future.
拙訳:
このカードはアモンケットが初出でありつつも10年前にすでに未来予知されて収録済みだ。
しかしそんな10年先の未来を予見したカードにも関わらず、皮肉なことにこれによって対戦相手はカード4枚分の未来しか見られなくなるのだ。
難しかった。原文に忠実に訳すことより、分かりやすさとネタの伝わりやすさを優先して、色々と言葉を補ったり(例:アモンケットが~、10年先の未来を予見~)、原文の言葉を削ったり(例:glimpse)した。
原文通りではないけど、原文が伝えたかった「このカードの奇妙さ」を伝えることはできたんじゃないかな、と思ってる。たぶん。おそらく。もしかしたら。
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