余談1:今週のCard of the Dayのテーマ
どうやら「次のローテーションで落ちるカード」がテーマだったもよう。今年の10月にイクサランが発売されることで「戦乱のゼンディカー、ゲートウォッチの誓い、イニストラードを覆う影、異界月」が落ちるらしい。その注意喚起の意味もあったのかな。いや、さすがに考えすぎか。
余談2:月曜日 《難題の予見者/Thought-Knot Seer》
訳の話。
難しかった。まずは前半部分。
「the eternities they spawn」というのが何なのか分からなかったので調べてみたら、どうやらエルドラージたちの生まれ故郷が「久遠の闇」という場所らしいと分かった。
えーと、つまりエルドラージの目は(他人の精神すら見通せるけど)生まれ故郷の闇は見通せない……いやいや、待て待て、この解釈はなんかおかしい気がする。そんなわけあるか。
じゃあどう訳そう。うーん……「can pierce straight into」ってあるから「貫き通せる」んだよな。ところが生まれ故郷は「久遠の」闇なんだから貫き通しきれない、ってことなんじゃないかと勝手に解釈してみた。
よし、次。(よくない)
後半部分の「このカードは遠からずスタンダード落ちしてしまう。だからその恐ろしい視線も恐れる必要はなくなる」という内容を「ローテーションという力が視線を遮る」みたいな文章で言い表している。それは分かる。どう訳すか。
あらためて自分の訳を見ると「その視線は近いうちにブロックされてしまうようだ」より、もっと日本語に寄せて「その視線は近いうちに遮られてしまうようだ」の方が良かったかなー、と思わないでもない。
余談3:火曜日 《大天使アヴァシン/Archangel Avacyn》
これを訳すためにアヴァシンの背景ストーリー(のダイジェスト版)をあらためて MTG Wiki で読み返してみたけど、ホント可哀想だな……登場人物全員が可哀想だ。なんでこんな話にしようと思ったんだろ。なんかこの……まあいいや。訳の話。
ポイントは「Avacyn herself has been unmade の unmade」、「she survives figuratively through a collar の figuratively」の2つ。まずは「unmade」について。
作られた(= made)存在であるアヴァシンが unmade される。なんと訳すか。「解体される」は変だよね(これがハースストーンだったら「ダスト化する」で済むんだけど)。さて、どうするか。色々考えたり背景ストーリーをチェックしたりして出した結論が「作った人が破壊する」という訳。
次の「figuratively」は、名詞でもなく、動詞でもない。つまり「象徴」でもなく「象徴する」でもなく「象徴的な、象徴的に」という感じにすべきなのかな。ふむふむ……(試行錯誤中)……それは無理です。諦めた結果が上記の訳。「survives figuratively」を「象徴的に生き残る」ではなくて「象徴としてこれからも生き続ける」という形。
原文の持つどこか空虚な切なさが伝わるといいんだけど。
余談4:水曜日 《絶え間ない飢餓、ウラモグ/Ulamog, the Ceaseless Hunger》
訳の話。
いわゆるジョーク的な記事で「ライブラリーを破壊するような奴は、当然だけどライブラリーがある土地からは出入禁止の扱いを受けるよね」というネタ。
ちょっとだけ迷ったのは後半部分の初めにある「but it’s possible ~」の「possible」の扱い。これは何が可能なのか。「彼がゼンディカーにいる理由を推測するが可能」なのか「彼が他の地にいることが出来ず唯一ゼンディカーにいることだけが可能」なのか。
上記の拙訳は(文章の流れからの推測で)前者の解釈で訳してるけど、素直に読むと後者なんじゃないかなあ、と思わないでもない。訳しづらいから前者にしたけど。
余談5:木曜日 《完成態の講師/Docent of Perfection》
訳の話。
訳というかなんというか……要は斜線で否定されている部分を「斜線を使って訳すか」「使わずに訳すか」というだけの話。しかし Card of the Day で斜線が使われてるの珍しいな。知ってる限りだと初めてな気がする。
余談6:金曜日 《スレイベンの検査官/Thraben Inspector》
スタンダードの構築で活躍したコモンの1マナクリーチャーか。昔使ってた赤単スライだと《モグの狂信者/Mogg Fanatic》がいたな。コストは(赤)で、サクると1点ダメージを好きな場所に飛ばせる1/1クリーチャー。
出た当初は2/2と相打ちとれなかったけど、それでも強かった。第6版のルール改定(スタックの導入)で2/2と相打ちとれるようになりさらに強くなった。えーと……今は無理なのか。もう最新のルールよく分かってないな。
こいつ以外で、スタンダードで第一線を張ることのできた1マナでコモンのクリーチャーというと……誰かいるかな……あああ、なんで忘れてたんだ、《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》だ。緑の1ターン目といえばまずこいつだった。
あと緑で1マナでコモンといえば《クウィリーオン・レインジャー/Quirion Ranger》か。あいつは本当にヤバかった。マナ使わずにクリーチャーをアンタップできる上に、起動コストの「森を手札に戻す」自体がマナ加速になり、回り始めると実にサギ臭い動きを見せてた。
昔話はそれくらいにして訳の話。
ポイントは「a Standard staple」と「managed to pull it off」の2つ。
「a Standard staple」は要はスタンダードデッキによく入っているということ。「Staple」の日本語訳で一番有名なのは多分「ホッチキス」なんだけど、もっと一般的な意味として「固定、定番」。分かりやすくて詳しいサイトがあったので紹介してみる。
REVULB:ホッチキスではない staple はどういう意味?
http://blog.livedoor.jp/yamajun1985/archives/50679916.html
次の「managed to pull it off」は直訳すると「それを引っ張って取るために尽力した」となる(かもしれない)。でも、まあ、文脈的にそんなわけない。じゃあどういう訳になるか……というわけで Google 先生に聞いてみた。
「He managed to pull it off でどんな意味になります?」
「彼はそれを取り除くことができた、かな」
「へえ、それだと意味とおりますね。ありがとうございました」
※ 参考:Google翻訳:He managed to pull it off
https://translate.google.co.jp/?hl=ja#en/ja/He%20managed%20to%20pull%20it%20off
最近、Google翻訳の精度がどんどん高まってて逆に不安になる。そういえばAI発達で不要になる職業に翻訳家と通訳があるって噂を聞いたなあ……
どうやら「次のローテーションで落ちるカード」がテーマだったもよう。今年の10月にイクサランが発売されることで「戦乱のゼンディカー、ゲートウォッチの誓い、イニストラードを覆う影、異界月」が落ちるらしい。その注意喚起の意味もあったのかな。いや、さすがに考えすぎか。
余談2:月曜日 《難題の予見者/Thought-Knot Seer》
訳の話。
原文:
While the eternities they spawn from may be blind, the Eldrazi themselves have eyes that can pierce straight into a player’s mind.
Fortunately, a mystical force known as ”Standard rotation” will soon block this invasive ability.
拙訳:
その生まれ故郷である久遠の闇はその果てしなさから見通すことができないかもしれないが、それ以外であればエルドラージたちは大抵のものを見透かしてしまう。そう、例えば人の精神までもね。
ありがたいことに「スタンダード・ローテーション」と呼ばれる摩訶不思議な力によってその視線は近いうちにブロックされてしまうようだ。
難しかった。まずは前半部分。
「the eternities they spawn」というのが何なのか分からなかったので調べてみたら、どうやらエルドラージたちの生まれ故郷が「久遠の闇」という場所らしいと分かった。
えーと、つまりエルドラージの目は(他人の精神すら見通せるけど)生まれ故郷の闇は見通せない……いやいや、待て待て、この解釈はなんかおかしい気がする。そんなわけあるか。
じゃあどう訳そう。うーん……「can pierce straight into」ってあるから「貫き通せる」んだよな。ところが生まれ故郷は「久遠の」闇なんだから貫き通しきれない、ってことなんじゃないかと勝手に解釈してみた。
よし、次。(よくない)
後半部分の「このカードは遠からずスタンダード落ちしてしまう。だからその恐ろしい視線も恐れる必要はなくなる」という内容を「ローテーションという力が視線を遮る」みたいな文章で言い表している。それは分かる。どう訳すか。
あらためて自分の訳を見ると「その視線は近いうちにブロックされてしまうようだ」より、もっと日本語に寄せて「その視線は近いうちに遮られてしまうようだ」の方が良かったかなー、と思わないでもない。
余談3:火曜日 《大天使アヴァシン/Archangel Avacyn》
これを訳すためにアヴァシンの背景ストーリー(のダイジェスト版)をあらためて MTG Wiki で読み返してみたけど、ホント可哀想だな……登場人物全員が可哀想だ。なんでこんな話にしようと思ったんだろ。なんかこの……まあいいや。訳の話。
原文:
Though Avacyn herself has been unmade and will soon depart from Standard, she survives figuratively through a collar-Avacyn’s Collar, the symbol of her church.
拙訳:
アヴァシン自身は創造主の手によって破壊され、カードもまた遠からずスタンダードを去る。しかし象徴としての彼女はこれからも生き続けるだろう。そう、首飾りが……彼女の教会の象徴であるアヴァシンの首飾りがある限り。
ポイントは「Avacyn herself has been unmade の unmade」、「she survives figuratively through a collar の figuratively」の2つ。まずは「unmade」について。
作られた(= made)存在であるアヴァシンが unmade される。なんと訳すか。「解体される」は変だよね(これがハースストーンだったら「ダスト化する」で済むんだけど)。さて、どうするか。色々考えたり背景ストーリーをチェックしたりして出した結論が「作った人が破壊する」という訳。
次の「figuratively」は、名詞でもなく、動詞でもない。つまり「象徴」でもなく「象徴する」でもなく「象徴的な、象徴的に」という感じにすべきなのかな。ふむふむ……(試行錯誤中)……それは無理です。諦めた結果が上記の訳。「survives figuratively」を「象徴的に生き残る」ではなくて「象徴としてこれからも生き続ける」という形。
原文の持つどこか空虚な切なさが伝わるといいんだけど。
余談4:水曜日 《絶え間ない飢餓、ウラモグ/Ulamog, the Ceaseless Hunger》
訳の話。
原文:
No one is sure what happened to Ulamog to make him hate libraries so much, but it’s possible he was only on Zendikar because he was banned from Leng, Lat-Nam, and Alexandria.
拙訳:
何がウラモグをここまでライブラリー破壊に駆り立てたのか、それは誰にも分からない。でも、なぜライブラリーを憎む彼がゼンディカーの地にとどまっていたのかは想像がつくよ。多分だけど、アレクサンドリアやレンやラト・ナムといった他の地から出入り禁止をくらったからだろうね。
いわゆるジョーク的な記事で「ライブラリーを破壊するような奴は、当然だけどライブラリーがある土地からは出入禁止の扱いを受けるよね」というネタ。
ちょっとだけ迷ったのは後半部分の初めにある「but it’s possible ~」の「possible」の扱い。これは何が可能なのか。「彼がゼンディカーにいる理由を推測するが可能」なのか「彼が他の地にいることが出来ず唯一ゼンディカーにいることだけが可能」なのか。
上記の拙訳は(文章の流れからの推測で)前者の解釈で訳してるけど、素直に読むと後者なんじゃないかなあ、と思わないでもない。訳しづらいから前者にしたけど。
余談5:木曜日 《完成態の講師/Docent of Perfection》
訳の話。
原文:
Even though thisDelverDocent is leaving Standard soon, it can still find a home in a certain Commander deck that may have just been released.
拙訳:
このデルバー……じゃなくてこの《完成態の講師/Docent of Perfection》も遠からずスタンダードを退場することになるけど、これから盛り上がる予定の統率者の環境で新たな居場所を見つけることができるはずさ。
訳というかなんというか……要は斜線で否定されている部分を「斜線を使って訳すか」「使わずに訳すか」というだけの話。しかし Card of the Day で斜線が使われてるの珍しいな。知ってる限りだと初めてな気がする。
余談6:金曜日 《スレイベンの検査官/Thraben Inspector》
スタンダードの構築で活躍したコモンの1マナクリーチャーか。昔使ってた赤単スライだと《モグの狂信者/Mogg Fanatic》がいたな。コストは(赤)で、サクると1点ダメージを好きな場所に飛ばせる1/1クリーチャー。
出た当初は2/2と相打ちとれなかったけど、それでも強かった。第6版のルール改定(スタックの導入)で2/2と相打ちとれるようになりさらに強くなった。えーと……今は無理なのか。もう最新のルールよく分かってないな。
こいつ以外で、スタンダードで第一線を張ることのできた1マナでコモンのクリーチャーというと……誰かいるかな……あああ、なんで忘れてたんだ、《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》だ。緑の1ターン目といえばまずこいつだった。
あと緑で1マナでコモンといえば《クウィリーオン・レインジャー/Quirion Ranger》か。あいつは本当にヤバかった。マナ使わずにクリーチャーをアンタップできる上に、起動コストの「森を手札に戻す」自体がマナ加速になり、回り始めると実にサギ臭い動きを見せてた。
昔話はそれくらいにして訳の話。
原文:
It’s not often that a one-mana common creature becomes a Standard staple, but this discerning Inspector managed to pull it off.
拙訳:
1マナのコモンクリーチャーがスタンダードの構築デッキの常連になるなんてことはそうそうないんだけど、この分別ある捜査官殿はそんな常識を軽く打ち破ってくれたようだ。
ポイントは「a Standard staple」と「managed to pull it off」の2つ。
「a Standard staple」は要はスタンダードデッキによく入っているということ。「Staple」の日本語訳で一番有名なのは多分「ホッチキス」なんだけど、もっと一般的な意味として「固定、定番」。分かりやすくて詳しいサイトがあったので紹介してみる。
REVULB:ホッチキスではない staple はどういう意味?
http://blog.livedoor.jp/yamajun1985/archives/50679916.html
次の「managed to pull it off」は直訳すると「それを引っ張って取るために尽力した」となる(かもしれない)。でも、まあ、文脈的にそんなわけない。じゃあどういう訳になるか……というわけで Google 先生に聞いてみた。
「He managed to pull it off でどんな意味になります?」
「彼はそれを取り除くことができた、かな」
「へえ、それだと意味とおりますね。ありがとうございました」
※ 参考:Google翻訳:He managed to pull it off
https://translate.google.co.jp/?hl=ja#en/ja/He%20managed%20to%20pull%20it%20off
最近、Google翻訳の精度がどんどん高まってて逆に不安になる。そういえばAI発達で不要になる職業に翻訳家と通訳があるって噂を聞いたなあ……
コメント
イニ影にまさにアヴァシンが死ぬシーンのカード”苦渋の破棄/Anguished ”Unmaking”があるので「破棄」がよさげですね。