余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 イクサランの新カードをフレイバー面から紹介。能力的なフレイバーもあれば、カード名やイラストも取り扱うバラエティ豊かな週だった。

余談2:月曜日 《人質取り/Hostage Taker》

 《人質取り》には、それ自身を対象とすることを防ぐためにリリースノート(エラッタ)が出ていて、対象にとれるのは「他のクリーチャー1体かアーティファクト1つ」となっている。

 素直に読むなら、自身が「クリーチャーでないアーティファクト」として場に出る場合も、その自身を対象にとることはできないんだろうけど……どうなんだろう。その場合は「他のクリーチャー1体か他のアーティファクト1つ」なのかな。

 あとリリースノート紹介ついでに余談。
多人数戦で、カードが依然として追放されている間に《人質取り》のオーナーがゲームから除外されて、そのカードのオーナーが他のプレイヤーであったなら、追放されたカードはオーナーのコントロール下で戦場に戻る。
引用元:http://media.wizards.com/2017/downloads/XLN_Release_Notes/JP_MTGXLN_ReleaseNotes.docx

 ……らしい。

 最初、これを読んだとき「えーと、つまり《人質取り》のオーナーがいなくなると効果がなぜか解除されて《人質取り》はまだ場に残ってるのに人質は無事解放されて家族の元に返されるってこと? 依頼主が死んだら人質を取り続ける義務はないってこと?」と思ったんだけど、よくよく考えたらオーナーが死んだら《人質取り》自体もゲームから除外されるのか。

 ……じゃあ人質に取られてたクリーチャー(もしくはアーティファクト)が持ち主の元に帰るのは当たり前じゃないのか……なんでわざわざリリースノートに載ってるんだ……うーん。きっとルールに詳しくないほうが直観的に正解を選べるタイプの「注釈が必要となる挙動」なんだろうな。

余談3:火曜日 《縄張り持ちの槌頭/Territorial Hammerskull》

 訳の話。
原文:
 Solid three-drop, can tap down a key blocker, yeah, sure.
 But don’t you really just want to know what noise that other Dinosaur makes when it gets headbutted right in the gut?

拙訳:
 対戦相手の一番大事なブロッカーを狙ってタップできる。間違いなく手堅い3マナクリーチャーだね。うん。
 でもこいつを使いたいのはみぞおちにきっつい頭突きを食らった恐竜がどんな鳴き声を上げるのか気になるからだろ? な?

 後半の「But don’t you really just want to know」はどう訳そうか迷った。「ただ~を知りたいだけじゃないのか?」という意味として……だからなんなのか。

 知りたいのかい、と聞いているだけなのか? 手堅いからではなくて、それを知りたいからデッキに入れるんだよね、と聞いているのか? この疑問文の意図を読み解くのがちょっと難しかった。

 まあ、さすがに一文目を完全に無視した二文目だとは思えないし「このカードは手堅い3マナクリーチャーだよね。でもそれだからピックしたんじゃないだろ?」という意味なんじゃないかなあ、と。

 ああ、それともう1つ。

 一文目の「can tap down a key blocker」の「Key」が意外とめんどかった。「相手の最もキーとなるブロッククリーチャー」でも良かったんだけど、それだとちょっと焦点が強すぎるというか。

余談4:水曜日 《絶滅の星/Star of Extinction》

 カード名が海外SF小説の邦訳っぽい。たぶん正に寿命を迎えようとしている星が舞台。あと英語名より日本語名のほうがカッコいいというレアなカードでもある(※ 個人の感想です)

 ところでこれ、隕石が落下した地点の土地だけでなく全ての生物をも巻き込む大惨事を引き起こすけど、無生物は無傷なのね。エンチャントは分かるとして、アーティファクトが壊れないのはなんか不思議だ。隕石落下後の気候激変とか気温低下とか疫病とか、そういう副次効果も含まれてるのかもしれない。

余談5:木曜日 《幻惑の旋律/Entrancing Melody》

 マジックのセイレーンは寝返らせるだけで命を奪わないから良心的だよね、というネタ。

 うん? いやちょっと待って。

 確かにイクサランのセイレーンはそうかもしれないけど、過去のマジックに登場していたセイレーンは、死ぬと分かってる戦場へと強制的にクリーチャーを呼び寄せるような死神的存在だったぞ。
Alluring Siren / 魅惑するセイレーン (1)(青)
クリーチャー - セイレーン(Siren)
(T):対戦相手1人がコントロールするクリーチャー1体を対象とする。このターン、それは可能ならばあなたを攻撃する。
1/1
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Alluring+Siren/

 ところで上記のセイレーンがマジックでは初出らしい。第4版にセイレーンがいたような気がしてたんだけど……と思ったら以下のカードをちょっと勘違いして覚えてたみたい。クリーチャーじゃなかった。
Siren’s Call / セイレーンの呼び声 (青)
インスタント
セイレーンの呼び声は、対戦相手1人のターンの間で、攻撃クリーチャーが指定される前にのみ唱えられる。
アクティブ・プレイヤーがコントロールするクリーチャーは、このターン可能ならば攻撃する。
次の終了ステップの開始時に、そのプレイヤーがコントロールする壁(Wall)でない、このターン攻撃しなかったすべてのクリーチャーを破壊する。この効果は、そのプレイヤーがこのターンの開始時から継続してコントロールしていないクリーチャーについては無視する。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Siren%27s+Call/

余談6:金曜日 《巨大な戦慄大口/Colossal Dreadmaw》

 カード名の壮絶な「テンプレに沿ってる」感が嫌いじゃない。
原文:
 In case the word ”colossal” wasn’t definitive enough for you, the full-size double-masted ship in the foreground confirms it-this Dinosaur is massive.
 It may not be the splashiest saurian on Ixalan, but it’s big enough to eat that boat.

拙訳:
 え? 「巨大な~」の定義がよく分からないって? そんな君のためにダブルマストの帆船を丸ごと背景に描いといたよ。これで分かったろ、この恐竜が「巨大な~」ってことがね。
 イクサランで最も派手な恐竜ってわけじゃないけど、帆船を飲み込めるほどには大きいのさ。

 かなりサクサク訳せた中で1点だけ迷ったのは「the splashiest saurian on Ixalan」の箇所。マジックのデッキ構築で「Splash」というと「色を散らす」ことを指す。今だとタッチと呼ぶのが主流かな。

 ここでの「Splash」はその意味じゃなくて単に「派手な、きらめく、飛び散る」みたいな意味のほうだと思う。その上で、ただ「派手な」の訳でいいのかな、という迷い。

 いや、イクサランって文字通り本当に色とか模様とか形状が「派手」な恐竜がいっぱいいるから、ただ「凄い、目立つ、デカい」という恐竜を「派手」でいいのかどうか、という……まあ、結論は「それでいいか」だったんだけど。

コメント

BluE
2017年10月18日13:51

>《人質取り》のリリースノート

おそらく、《忘却の輪》のような、追放する能力と戻す能力を別々に持っているカードとの違いを示すための注釈かと思われます。《忘却の輪》だと、オーナーの敗北時に能力ともどもゲームから取り除かれてしまうので、追放したカードが戻って来ないんですね。

re-giant
2017年10月18日18:01

おー。すごい納得しました。
能力に対応して除去すると一度も追放されない、とか、昔のナイトメア系とは色々挙動が異なる点をちゃんと理解してるとそういうことにすぐ気づけるんでしょうね。ありがとうございました。

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