【翻訳】分割カードによって分割されかけた開発部の話/Split Decisions【DailyMTG】
Mark Rosewater
2002年02月11日
元記事:https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/split-decisions-2002-02-11
メリットかデメリットなのかの判断はなかなか難しいところだが、とにもかくにも私はマジック界の有名人であり、それによってインタビューを受ける機会もかなり多い。
おそらく君たちが想像しているとおりだろうが、私は人と会話するのが大好きだ。だからインタビューを受けることそれ自体を苦痛に感じたことはほぼない。ただそれでも数多くのインタビューを受けることによる頭痛のタネが1つある。
それは、何度も何度も同じ質問を聞かれる、ということだ。そこで今日のコラムでは、私がいまだかつて最も多く聞かれたことのある質問と、それに対するハッキリとした答えを今ここで書かせて頂こうと思っている。
その質問とは「あなたが今までに生み出したメカニズムの中で一番のお気に入りは?」というものだ。
それではお答えしよう。私がこれまでに生み出したメカニズムの中で、一番のお気に入りはインベイジョンブロックの「分割カード(Split Cards)」だ。私がデザイナーとして重視するあらゆる事柄がこのメカニズムには詰まっている。
カッコよく、美しく、オリジナリティにあふれ、実際にプレイされている。
さらに付け加えるなら、このメカニズムの誕生には興味深い裏話までついている。いつかその裏話を紹介するためにコラムを書く日も来るかもしれない。何しろ本当に面白い話だからね。
……え? 今聞きたいって? そうか。じゃあもし君に時間があるなら話してもいいかもしれないね。そう、あれはいつだったか……(ここで画面にゆらゆらと波線が漂い始めたと思ってくれ)
<事の発端/Let’s Start at the Very Beginning>
物語はうちの会社の会議室の1つであり「War Room(司令室)」と呼ばれている部屋から始まる。
そこには多くのイラストレーターと生産部門のメンバーたちがそろっていた。呼んだのは私であり、その目的は、アングルード(註)というセットにおいて、どれだけカードのビジュアル面で無茶ができるかを知りたかったからだ。
この新たなセットの目指すところは「既存のルールをぶち壊すこと」だったので、カードの見た目やレイアウトも当然ぶち壊すべき対象だと考えていた。その会議の中で、ウィザーズ社のグラフィックデザイナーでありアングルードのカードの(実際に見た目の)デザイン責任者でもあるDan Gelonがこういった。
「複数枚のカードにまたがるイラストも可能だよ。それらをシート状で隣同士にすることによってね」
いくつもの可能性の扉がこの言葉によって開かれた。そのとき私の頭を駆け巡ったアイデアの中でも一番エキサイティングな奴は、巨大なカードというアイデアだ。
この巨大カードは本当の意味で巨大であり、実際にはカードを物理的に2枚以上も必要とするのだ。そして会議が終わる頃には私の中で、その巨大カードはクリーチャーに違いないぞ、ってことに決まってた。
そんなわけで生まれたのが《B.F.M. (Big Furry Monster)》の左と右だった、というわけさ。パワーとタフネスは 99/99 であり、マジック史上最大のクリーチャーだ(とはいえ常識的なサイズに収めたほうだと自分では思うけどね)
驚くには当たらないだろうが、この B.F.M. はアングルードでも特に人気の1枚(というか2枚)だった。そのことを覚えていたので、私がアングルード第2弾(Unglued II: The Obligatory Sequel)をデザインすることになった際に、この B.F.M. から何らかのインスピレーションを得られないだろうかと考えてみたわけさ。
そして思いついたんだ。プレイヤーが2枚のカードを使って1枚のカードを作ることを楽しんでくれたのなら、もしかしたら1枚のカードを使って2枚のカードを作ることもまた楽しんでくれるのではないか?、ってね。
このアイデアをためつすがめつしてみた結果、たどり着いた結論は、小さくするならデザインをそのままに90度横に回転させた形がベストじゃなんじゃないか、ということだった。そうすればレイアウトをそのままに2枚のミニサイズのカードを1枚に収めることができるからだ。
こうして私はサイクルとして5枚の分割カードを作成した(各友好色ごとの組み合わせで5枚だ)。そしてイラストも上がってきて、まさにお披露目しようとしたそのとき、私は呼び出しをくらった。呼び出し先は、ただ「ミーティング」という名の会議だった。
部屋に入ると、私を呼び出したメンバーが中にいたが一切私と目を合わそうとしなかった。嫌な予感しかしないだろう? まあ、そんな「ミーティング」の結果、アングルード第2弾は「無期限の休止」ということになったわけさ。
特にアングルードのファンにだが、良く聞かれる質問に「無期限の休止ってどういうこと?」というのがある。明確な回答を返したいのはやまやまだが、実際のところ、上手い言葉が見つからない。
私自身、この疑問に対する答えが欲しかったので手元の8ボール(註)に尋ねてみた。すると回答は「混線しております。のちほどあらためてお問合せください」とのことだ。
私は底抜けに楽観的なことで有名だ。よって「アングルード2はいつか日の目を見るのか、見ないのか?」と聞かれたら当然「いつか日の目を見るに違いない」と答える。え? それはいつだって? それは……おや……混線してるようだね。またあらためて問い合わせてくれ。
<しぶといヤツら/It’s Not Dead Yet>
私が個人的に尊敬している先生が映画脚本の授業でいらっしゃったが、その方曰く、全ての映画のプロットは以下にまとめられるとのことだった。
メインキャラクターを紹介せよ
そのキャラを井戸に投げ込め
さらに上から石を投げよ
それからあらためてキャラを井戸から救い上げよ
これに習って言うならば、我らが分割カードは今や井戸の底に投げ込まれ、事態が急変するのをただ待つ状態に入ったわけだ。
はっきり言って、この分割カードというメカニズムは奇妙キテレツきわまりなく、唯一、収録してもらえそうだった新たな銀枠セットはと言えば、今やエキスパンションセットの墓場の下の煉獄で身を焼かれている最中だ。状況は大変厳しいと言わざるを得ない。
さて、そこへやってきたのがインベイジョンだ。このインベイジョンブロックの中心的なテーマが多色になることは数年前から予定されていた。
これはチャンスだ。そう私は思ったんだ。
さらに運がいいことに、私自身がインベイジョンのデザインチームの一員だった。しかもチームメンバーには Bill Rose と Mike Elliott までいた。
デザインチームはこの新セットに関する話し合いのために、一旦オフィスを離れて私の父の家があるタホ湖(註)のほとりへ向かい、真冬の1週間を過ごした。
そうそう、開発部はデザインの作業を好んでオフィス外で行う。雑音が少ないし、風通しも良い。創造的な仕事に向いた環境だ。それに気が向いたときにスキーにも行ける。まあ、雪の上を滑るのは楽な仕事じゃないが、誰かがやらなきゃいけないことだからね。
その1週間の中で、私は Bill Rose に「とある狂ったアイデア」を相談してみた。
私たちはインベイジョンのために多色に関するメカニズムを必要としている。その一方で、分割カードは安住の地を探してさまよっている。じゃあインベイジョンに招いてみてはどうだろうか、とね。
これを聞いた Bill Rose の目がいたずらっぽく輝いたのを見て、井戸にロープが投げ込まれたのを確信したよ。
<と、思いきや/Not So Fast>
そこへ最初の石が投げ込まれた。
投げ込んだのは Mike Elliott だ。どうやらこのメカニズムがお気に召さないらしい。あまりに「違い過ぎる」というのだ。アングルードなら問題ない。しかし、非銀枠のセットにはあまりにも過激すぎる、と彼は感じたらしい。
Mike Elliott を擁護する意味で付け加えるなら、君たちはすでに分割カードが世に出たあとしか知らないということだ。事後的に物事を評価するのはとても簡単だからね。それに私には分割カード以前にも大量の前科があった。
例えば、テンペストのデザインの頃に私は「Triggering」というメカニズムを提案した。そのカードが引かれた際に効果を誘発するカードだ。このメカニズムのためだけに、私は裏面のデザインが異なるカードを作ろうとした。そうすれば「Triggeringカード」が引かれたのかどうかが全てのプレイヤーにとって一目瞭然だと考えたからだ。
過激なアイデアは大抵の場合はよろしくないアイデアだ。なぜか? それが過激だからだ。つまり、当時の Mike Elliott がそういう反応を示したこと自体は私にも分からなくもなかった。
ただ当時のデザインチームの人数は3人(私、Bill Rose、Mike Elliott)であり、そのうち私を含む2人が賛成派だった。つまり Mike Elliot の反対票は意味をなさなかった。
ここで時計の針を数ヶ月進めてみよう。ふむ、どうやら我々デザインチームがそれまで取り組んできたカードファイルは全てデベロップメントチームへと引き渡された段階のようだ。
当然のように分割カードのことも各部署にバレた。
さあ、ここからが本番だ。
当時の社内には賛成派と反対派がいた。賛成派は、私、Bill Rose、Richard Garfield の3人だった。反対派は? それ以外の全員さ。
全員と書いたけど、そのままの意味だ。これには開発部の全員が含まれるし、ブランドチームの全員が含まれるし……まあ、要するに前述の通りさ、私と Bill Rose と Richard Garfield を除いた全員だ。とにかく、まあ、本当にすごい人数だったよ。
多くの人が勘違いしているように思われる点の1つとして、開発部がそれ全体で1つのチームとして機能している、という考えだ(余談だが、ウィザーズ社に古くから伝わるジョークの1つに、開発部の正体は実はグリーマックスと呼ばれる巨大な瓶詰めにされた脳みそで、そいつが開発部全体をコントロールしている、というものがある)。
確かに開発部全体としては目指すべきゴールは常に1つだ。しかし当然その実態は多数の個人の集合体であり、個人間での議論はむしろ推奨される。そんなわけで議題がなんであろうが、そこに派閥が生まれ、人々はそれぞれの支持する派閥の意見を代弁する。
もっとも過去に扱われてきた様々な議題と、今回の分割カードには1つだけ大きな違いがあったのは事実だ。そこに派閥は2つしかなく、片方が大多数を占めていたことさ。
しかし私も Bill Rose もそこそこ頑固者で有名だったし、2人とも戦わずして負けを認めるつもりもなかった。
<一歩ずつ/Inch by Inch>
私たちは作戦を立てた。
「各個撃破」だ。
私はデベロップメントチームの一員だったので、当然、デベロップメントチームを我らが派閥に引き入れるべく説得することとなった。Bill Rose の担当は? 当然、それ以外の全員を説得することだった。
おっと、私以外のデベロップメントチームメンバーを紹介しておこうか。Henry Stern、William Jockusch、そして Robert Gutschera だ(ちなみにこの数ヶ月後に入社することになる Randy Buehler もまたこのチームに加わったがそれはまた別の話だ)
さて、このチームの第1回目のミーティングでリーダーである Henry Stern の口を真っ先について出た言葉は「分割カード案は今ここで死んでもらうってことでいいな?」だった。
映画好きな人なら分かってもらえると思うが、もう何もかもが悪い方向に向かってしまってどうしようもない状況の中、主人公がおもむろに立ち上がり、その場にいる全員を相手に情熱的なスピーチをぶちかまし、その圧倒的に不利な状況をそっくりそのままひっくり返してしまう、というシーンがよくある。
その通り。分割カードの物語におけるそのシーンが今だった。……まあ、そうなることを予想して事前に言葉を用意しておいたからね。
マジックの成功とは(と私は始めたわけだ)それすなわち革新だ。Richard Garfield が初めにそのゲームを生み出すとき、数多くの選択を行った。しかしゲームの本質はその選択のいずれかで決まったのではない。このゲームの本質とは、まさにその選択だ。選択をどこまでも続けていくこと、増やしていくことがマジックなんだ。
そしてマジックというゲームは生き物だ。それを殺す方法はただ1つだ。それはなんだ? 開発部が誤った選択をすることか? 違う。選択を止めることだ。同じ解を選び続けることだ。マジックは進化し続ける必要がある。生き延びるためにだ。
マジックは一定期間おきに、誰も予期しない方向へと進む必要がある。プレイヤーが予想もしなかった変化を起こし、プレイヤーにショックを与える必要がある。もしかしたら分割カードがその変化なのかもしれない。違うのかもしれない。だけどチャンスは与えられるべきじゃないか? 分割カードがつまらないから、もしくはゲームをプレイする上での障害となるというのなら、殺すべきだ。だけど、ただ違うからという理由で殺してはいけないんだ。
……という私のスピーチの結果、もうしばらくテストプレイしてみてから決めようか、と満場一致で決まったわけさ。
<だけどそれはあまりに可愛くて/But They’re So Cute>
実際にプレイしてみるにつれて、チームメンバーも少しずつ歩み寄ってくれた。まあ、少なくともメカニズムについてはね。大半のチームメンバーはどうしてもそのレイアウトに抵抗感があるようだった(2枚のミニサイズのカードが隣同士に収まっている現在の形のことだ)。
もっともそれを見越して私は開発の早い段階から、レイアウトの問題とメカニズムの問題を分けて考えて欲しい、と伝えてあった。問題はメカニズムが気に入るかどうかだ、と私は主張した。レイアウトは変えることだってできる、とね(例えば、違うレイアウトの例としては、2種類の異なるマナコスト付きの金枠にするというものもあった)。
さて私のこれと同時進行で、Bill Rose は Bill Rose で必死に仲間を探していた。しかしそんな四面楚歌な状況の中、ブランドチームのマネージャーである Joel Mick を仲間に引き入れるのに成功したのは Bill Rose にとって非常に大きな一歩だった。
少しずつだが、潮目が変わり始めていた。
レイアウトの反対を押し切るために何ができるかを考えてみた結果、私は逆側から問題にアプローチしてみることにした。
すでにメカニズムに関しては十分に理解を示してくれていた開発部のメンバーに、私は逆に「どういったレイアウトならふさわしいと思うか?」を訊ねてみたのだ。「仮にどんなレイアウトでも可能となったら、分割カードに最もふさわしいレイアウトはどんなだろう?」とね。
そしてたくさんの意見が出されたので、それらを1つずつ検討してみた結果どうなったか、というと最初に挙げたミニサイズカードのレイアウトこそが多くの利点を持つことが良く分かったんだ。
まず1つ目として、他のどんな案よりも視覚的に伝えたいことが伝わる(このカードは2つの効果があること、それはこれとこれであること)。次に、2つ目として「2つの効果があること」を表すイラストが難しいのではないか、という問題も解決してくれた(効果ごとに別のイラストを見せられるからだ)。最後の3つ目としては、一目見てこれまでとは違うカードだと分かるという点だ。初めて見たときに目をまん丸くすること間違いなしのデザインという意味でね。
そして、ついにカードファイルがデベロップメントチームの手を離れた。この日のことをたまに思い出すよ。Bill Rose と2人で座っていたときのことだ。そう、分割カードは無事そのカードファイルに収まったまま旅立っていった。見た目も最初に夢見たときから変わることなくだ。
私は Bill Rose に向かい合い、ため息をついてからこう言った。「私たちは成し遂げたんだな」とね。そのとき、Bill Rose の目には、初めてアイデアを伝えたときと同じ輝きが、いたずらっぽく光ってた。彼は微笑んで「まさか成し遂げられないとでも思ってたのかい?」と答えたのさ。
<なんてこった/What the -- ?!!>
開発部にいることのメリットの1つは、新しいセットの噂がプレイヤーたちのあいだを燎原の火のごとく広がっていくのを楽しく眺めていられる点だ。。特にこのときは分割カードを初めて知ったプレイヤーがどんな反応を示すかが気になってしょうがなかった。
さて、そんなある日のこと。私は有名どころの情報サイトの1つを開いてみた。するとそこにはプレリリース数週間前だというのにも関わらず、インベイジョンの切り分けられる前のカードシートがネットオークションにかけられている、というとんでもないニュースが載っていた。
さらに悪いニュースとして、オークションページに記載されている実際のカードシートはなんと分割カードを含むシートだったんだ。
たくさんのプレイヤーたちがこの謎のカードについて議論を戦わせ始め、私たち開発部のメンバーはその様々なご意見にニヤニヤさせてもらったというわけさ。
ある長々と続いたスレッドには180件ものコメントがついていたが、その中で「実際、こういうカードなんじゃないの?」という意見はたった1つしか見当たらなかった。様々な憶測が流れていた中で、私のお気に入りは「これはきっとまだテストプレイの最中のカードシートで、開発部が2枚あるカードのどっちを実際に収録するかを決めかねているとこうなるんじゃないかな?」という意見だ。
<終わり良ければ全て良し/All’s Well That Ends Well>
そんなわけで分割カードは無事に井戸から這い上がっただけでなく、その功績を讃えられてかちょっとしたお祭り騒ぎまで起きたというわけさ。
めでたしめでたし。
さてなぜ私がこの話を紹介したかったか、というとこの話がマジックの開発部のあるべき本質を端的に示してくれていると感じるからだ。
自分が正しいと思っていることを支持するのは簡単なことだ。そういう意味では、私と Bill Rose の仕事が一番簡単だった。何しろ分割カードを生み出したのは私だ。分割カードは私の子供だ。自分の子供のために死力を尽くすのはそう難しい話じゃない。
だけど開発部の残りのメンバーたちにとっては違うものだった。気に入らないメカニズムだった。なんとかしてそれをお払い箱にしたかった。
そのメンバーたちも、分割カードに対する情熱を持っているメンバーが(少ないとはいえ)存在することに気づいて、それらについて検討することを選んでくれた。
分割カードが世に出られたのはなぜか。私と Bill Rose がそれを信じたから、じゃない。開発部の残りのメンバーたちが、私たち2人を信じてくれたから、そして分割カードに懸けてくれたからだ。
・インベイジョンの分割カード
《抵抗と救難/Stand and Deliver》
《悪意と敵意/Spite and Malice》
《苦痛と受難/Pain and Suffering》
《暴行と殴打/Assault and Battery》
《増進と衰退/Wax and Wane》
・アポカリプスの分割カード
《夜と昼/Night and Day》
《生と死/Life and Death》
《空想と現実/Illusion and Reality》
《火と氷/Fire and Ice》
《秩序と混沌/Order and Chaos》
さて、今日のコラムはここまでだ。来週はマジックの敵がどう生まれるかについて説明したいと思っている。それまで、君たちが《巨大化/Giant Growth》を必要なときにそれが手元にあるよう祈ってるよ。
マーク・ローズウォーター
Mark Rosewater
2002年02月11日
元記事:https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/split-decisions-2002-02-11
メリットかデメリットなのかの判断はなかなか難しいところだが、とにもかくにも私はマジック界の有名人であり、それによってインタビューを受ける機会もかなり多い。
おそらく君たちが想像しているとおりだろうが、私は人と会話するのが大好きだ。だからインタビューを受けることそれ自体を苦痛に感じたことはほぼない。ただそれでも数多くのインタビューを受けることによる頭痛のタネが1つある。
それは、何度も何度も同じ質問を聞かれる、ということだ。そこで今日のコラムでは、私がいまだかつて最も多く聞かれたことのある質問と、それに対するハッキリとした答えを今ここで書かせて頂こうと思っている。
その質問とは「あなたが今までに生み出したメカニズムの中で一番のお気に入りは?」というものだ。
それではお答えしよう。私がこれまでに生み出したメカニズムの中で、一番のお気に入りはインベイジョンブロックの「分割カード(Split Cards)」だ。私がデザイナーとして重視するあらゆる事柄がこのメカニズムには詰まっている。
カッコよく、美しく、オリジナリティにあふれ、実際にプレイされている。
さらに付け加えるなら、このメカニズムの誕生には興味深い裏話までついている。いつかその裏話を紹介するためにコラムを書く日も来るかもしれない。何しろ本当に面白い話だからね。
……え? 今聞きたいって? そうか。じゃあもし君に時間があるなら話してもいいかもしれないね。そう、あれはいつだったか……(ここで画面にゆらゆらと波線が漂い始めたと思ってくれ)
<事の発端/Let’s Start at the Very Beginning>
物語はうちの会社の会議室の1つであり「War Room(司令室)」と呼ばれている部屋から始まる。
そこには多くのイラストレーターと生産部門のメンバーたちがそろっていた。呼んだのは私であり、その目的は、アングルード(註)というセットにおいて、どれだけカードのビジュアル面で無茶ができるかを知りたかったからだ。
(註) アングル―ド
1998年に発売された、通常の大会で用いることのできないジョークセット。カードのふちが通常のカードと異なり銀枠であることから「銀枠」とも呼ばれる。ニワトリの物真似をすると飛行を得るクリーチャーや、相手にジュースを買いに行かせるアーティファクト(ただし支払いは自分持ち)、ビリビリに破らないと効果を発揮しないカードなどが収録されている。なおこのコラムが書かれたのは2002年、アングル―ドの続編であるアンヒンジドが発売されたのは2004年、またさらなる続編であるアンスタブルの発売は2017年。
この新たなセットの目指すところは「既存のルールをぶち壊すこと」だったので、カードの見た目やレイアウトも当然ぶち壊すべき対象だと考えていた。その会議の中で、ウィザーズ社のグラフィックデザイナーでありアングルードのカードの(実際に見た目の)デザイン責任者でもあるDan Gelonがこういった。
「複数枚のカードにまたがるイラストも可能だよ。それらをシート状で隣同士にすることによってね」
いくつもの可能性の扉がこの言葉によって開かれた。そのとき私の頭を駆け巡ったアイデアの中でも一番エキサイティングな奴は、巨大なカードというアイデアだ。
この巨大カードは本当の意味で巨大であり、実際にはカードを物理的に2枚以上も必要とするのだ。そして会議が終わる頃には私の中で、その巨大カードはクリーチャーに違いないぞ、ってことに決まってた。
そんなわけで生まれたのが《B.F.M. (Big Furry Monster)》の左と右だった、というわけさ。パワーとタフネスは 99/99 であり、マジック史上最大のクリーチャーだ(とはいえ常識的なサイズに収めたほうだと自分では思うけどね)
(余談)
原文ではここに「A use for Cabal Ritual!(《陰謀団の儀式/Cabal Ritual》の使い道!)と書かれている。おそらく掲載当時はカード画像が表示されていたものと思われる。ちなみに2枚合わせたときの見た目は以下のリンク先のとおり。
カード画像:https://scryfall.com/search?q=BFM
驚くには当たらないだろうが、この B.F.M. はアングルードでも特に人気の1枚(というか2枚)だった。そのことを覚えていたので、私がアングルード第2弾(Unglued II: The Obligatory Sequel)をデザインすることになった際に、この B.F.M. から何らかのインスピレーションを得られないだろうかと考えてみたわけさ。
そして思いついたんだ。プレイヤーが2枚のカードを使って1枚のカードを作ることを楽しんでくれたのなら、もしかしたら1枚のカードを使って2枚のカードを作ることもまた楽しんでくれるのではないか?、ってね。
このアイデアをためつすがめつしてみた結果、たどり着いた結論は、小さくするならデザインをそのままに90度横に回転させた形がベストじゃなんじゃないか、ということだった。そうすればレイアウトをそのままに2枚のミニサイズのカードを1枚に収めることができるからだ。
こうして私はサイクルとして5枚の分割カードを作成した(各友好色ごとの組み合わせで5枚だ)。そしてイラストも上がってきて、まさにお披露目しようとしたそのとき、私は呼び出しをくらった。呼び出し先は、ただ「ミーティング」という名の会議だった。
部屋に入ると、私を呼び出したメンバーが中にいたが一切私と目を合わそうとしなかった。嫌な予感しかしないだろう? まあ、そんな「ミーティング」の結果、アングルード第2弾は「無期限の休止」ということになったわけさ。
特にアングルードのファンにだが、良く聞かれる質問に「無期限の休止ってどういうこと?」というのがある。明確な回答を返したいのはやまやまだが、実際のところ、上手い言葉が見つからない。
私自身、この疑問に対する答えが欲しかったので手元の8ボール(註)に尋ねてみた。すると回答は「混線しております。のちほどあらためてお問合せください」とのことだ。
(註) 8ボール
正式名称は「Magic 8 Ball」。海外版のおみくじのようなもので、どうとでもとれる回答がランダムで返ってくるおもちゃ。上記の回答は原文では「Reply hazy. Ask again later.」。これ以外の回答としては「Outlook good(幸先良さそうですね)」とか「Better not tell you now(今はお伝えすべきときではないようです)」などがある。
私は底抜けに楽観的なことで有名だ。よって「アングルード2はいつか日の目を見るのか、見ないのか?」と聞かれたら当然「いつか日の目を見るに違いない」と答える。え? それはいつだって? それは……おや……混線してるようだね。またあらためて問い合わせてくれ。
<しぶといヤツら/It’s Not Dead Yet>
私が個人的に尊敬している先生が映画脚本の授業でいらっしゃったが、その方曰く、全ての映画のプロットは以下にまとめられるとのことだった。
メインキャラクターを紹介せよ
そのキャラを井戸に投げ込め
さらに上から石を投げよ
それからあらためてキャラを井戸から救い上げよ
これに習って言うならば、我らが分割カードは今や井戸の底に投げ込まれ、事態が急変するのをただ待つ状態に入ったわけだ。
はっきり言って、この分割カードというメカニズムは奇妙キテレツきわまりなく、唯一、収録してもらえそうだった新たな銀枠セットはと言えば、今やエキスパンションセットの墓場の下の煉獄で身を焼かれている最中だ。状況は大変厳しいと言わざるを得ない。
さて、そこへやってきたのがインベイジョンだ。このインベイジョンブロックの中心的なテーマが多色になることは数年前から予定されていた。
これはチャンスだ。そう私は思ったんだ。
さらに運がいいことに、私自身がインベイジョンのデザインチームの一員だった。しかもチームメンバーには Bill Rose と Mike Elliott までいた。
デザインチームはこの新セットに関する話し合いのために、一旦オフィスを離れて私の父の家があるタホ湖(註)のほとりへ向かい、真冬の1週間を過ごした。
そうそう、開発部はデザインの作業を好んでオフィス外で行う。雑音が少ないし、風通しも良い。創造的な仕事に向いた環境だ。それに気が向いたときにスキーにも行ける。まあ、雪の上を滑るのは楽な仕事じゃないが、誰かがやらなきゃいけないことだからね。
(註) タホ湖
カリフォルニア州とネバダ州にまたがる湖。インベイジョンブロックのデザインについて話し合うためにタホ湖を訪れた際の話については、インベイジョンブロック誕生秘話的なコラムでも触れられている。以下がそのコラムの拙訳。
http://regiant.diarynote.jp/201102120926434131/
その1週間の中で、私は Bill Rose に「とある狂ったアイデア」を相談してみた。
私たちはインベイジョンのために多色に関するメカニズムを必要としている。その一方で、分割カードは安住の地を探してさまよっている。じゃあインベイジョンに招いてみてはどうだろうか、とね。
これを聞いた Bill Rose の目がいたずらっぽく輝いたのを見て、井戸にロープが投げ込まれたのを確信したよ。
<と、思いきや/Not So Fast>
そこへ最初の石が投げ込まれた。
投げ込んだのは Mike Elliott だ。どうやらこのメカニズムがお気に召さないらしい。あまりに「違い過ぎる」というのだ。アングルードなら問題ない。しかし、非銀枠のセットにはあまりにも過激すぎる、と彼は感じたらしい。
Mike Elliott を擁護する意味で付け加えるなら、君たちはすでに分割カードが世に出たあとしか知らないということだ。事後的に物事を評価するのはとても簡単だからね。それに私には分割カード以前にも大量の前科があった。
例えば、テンペストのデザインの頃に私は「Triggering」というメカニズムを提案した。そのカードが引かれた際に効果を誘発するカードだ。このメカニズムのためだけに、私は裏面のデザインが異なるカードを作ろうとした。そうすれば「Triggeringカード」が引かれたのかどうかが全てのプレイヤーにとって一目瞭然だと考えたからだ。
過激なアイデアは大抵の場合はよろしくないアイデアだ。なぜか? それが過激だからだ。つまり、当時の Mike Elliott がそういう反応を示したこと自体は私にも分からなくもなかった。
ただ当時のデザインチームの人数は3人(私、Bill Rose、Mike Elliott)であり、そのうち私を含む2人が賛成派だった。つまり Mike Elliot の反対票は意味をなさなかった。
ここで時計の針を数ヶ月進めてみよう。ふむ、どうやら我々デザインチームがそれまで取り組んできたカードファイルは全てデベロップメントチームへと引き渡された段階のようだ。
当然のように分割カードのことも各部署にバレた。
さあ、ここからが本番だ。
当時の社内には賛成派と反対派がいた。賛成派は、私、Bill Rose、Richard Garfield の3人だった。反対派は? それ以外の全員さ。
全員と書いたけど、そのままの意味だ。これには開発部の全員が含まれるし、ブランドチームの全員が含まれるし……まあ、要するに前述の通りさ、私と Bill Rose と Richard Garfield を除いた全員だ。とにかく、まあ、本当にすごい人数だったよ。
多くの人が勘違いしているように思われる点の1つとして、開発部がそれ全体で1つのチームとして機能している、という考えだ(余談だが、ウィザーズ社に古くから伝わるジョークの1つに、開発部の正体は実はグリーマックスと呼ばれる巨大な瓶詰めにされた脳みそで、そいつが開発部全体をコントロールしている、というものがある)。
確かに開発部全体としては目指すべきゴールは常に1つだ。しかし当然その実態は多数の個人の集合体であり、個人間での議論はむしろ推奨される。そんなわけで議題がなんであろうが、そこに派閥が生まれ、人々はそれぞれの支持する派閥の意見を代弁する。
もっとも過去に扱われてきた様々な議題と、今回の分割カードには1つだけ大きな違いがあったのは事実だ。そこに派閥は2つしかなく、片方が大多数を占めていたことさ。
しかし私も Bill Rose もそこそこ頑固者で有名だったし、2人とも戦わずして負けを認めるつもりもなかった。
<一歩ずつ/Inch by Inch>
私たちは作戦を立てた。
「各個撃破」だ。
私はデベロップメントチームの一員だったので、当然、デベロップメントチームを我らが派閥に引き入れるべく説得することとなった。Bill Rose の担当は? 当然、それ以外の全員を説得することだった。
おっと、私以外のデベロップメントチームメンバーを紹介しておこうか。Henry Stern、William Jockusch、そして Robert Gutschera だ(ちなみにこの数ヶ月後に入社することになる Randy Buehler もまたこのチームに加わったがそれはまた別の話だ)
さて、このチームの第1回目のミーティングでリーダーである Henry Stern の口を真っ先について出た言葉は「分割カード案は今ここで死んでもらうってことでいいな?」だった。
映画好きな人なら分かってもらえると思うが、もう何もかもが悪い方向に向かってしまってどうしようもない状況の中、主人公がおもむろに立ち上がり、その場にいる全員を相手に情熱的なスピーチをぶちかまし、その圧倒的に不利な状況をそっくりそのままひっくり返してしまう、というシーンがよくある。
その通り。分割カードの物語におけるそのシーンが今だった。……まあ、そうなることを予想して事前に言葉を用意しておいたからね。
マジックの成功とは(と私は始めたわけだ)それすなわち革新だ。Richard Garfield が初めにそのゲームを生み出すとき、数多くの選択を行った。しかしゲームの本質はその選択のいずれかで決まったのではない。このゲームの本質とは、まさにその選択だ。選択をどこまでも続けていくこと、増やしていくことがマジックなんだ。
そしてマジックというゲームは生き物だ。それを殺す方法はただ1つだ。それはなんだ? 開発部が誤った選択をすることか? 違う。選択を止めることだ。同じ解を選び続けることだ。マジックは進化し続ける必要がある。生き延びるためにだ。
マジックは一定期間おきに、誰も予期しない方向へと進む必要がある。プレイヤーが予想もしなかった変化を起こし、プレイヤーにショックを与える必要がある。もしかしたら分割カードがその変化なのかもしれない。違うのかもしれない。だけどチャンスは与えられるべきじゃないか? 分割カードがつまらないから、もしくはゲームをプレイする上での障害となるというのなら、殺すべきだ。だけど、ただ違うからという理由で殺してはいけないんだ。
……という私のスピーチの結果、もうしばらくテストプレイしてみてから決めようか、と満場一致で決まったわけさ。
<だけどそれはあまりに可愛くて/But They’re So Cute>
実際にプレイしてみるにつれて、チームメンバーも少しずつ歩み寄ってくれた。まあ、少なくともメカニズムについてはね。大半のチームメンバーはどうしてもそのレイアウトに抵抗感があるようだった(2枚のミニサイズのカードが隣同士に収まっている現在の形のことだ)。
もっともそれを見越して私は開発の早い段階から、レイアウトの問題とメカニズムの問題を分けて考えて欲しい、と伝えてあった。問題はメカニズムが気に入るかどうかだ、と私は主張した。レイアウトは変えることだってできる、とね(例えば、違うレイアウトの例としては、2種類の異なるマナコスト付きの金枠にするというものもあった)。
さて私のこれと同時進行で、Bill Rose は Bill Rose で必死に仲間を探していた。しかしそんな四面楚歌な状況の中、ブランドチームのマネージャーである Joel Mick を仲間に引き入れるのに成功したのは Bill Rose にとって非常に大きな一歩だった。
少しずつだが、潮目が変わり始めていた。
レイアウトの反対を押し切るために何ができるかを考えてみた結果、私は逆側から問題にアプローチしてみることにした。
すでにメカニズムに関しては十分に理解を示してくれていた開発部のメンバーに、私は逆に「どういったレイアウトならふさわしいと思うか?」を訊ねてみたのだ。「仮にどんなレイアウトでも可能となったら、分割カードに最もふさわしいレイアウトはどんなだろう?」とね。
そしてたくさんの意見が出されたので、それらを1つずつ検討してみた結果どうなったか、というと最初に挙げたミニサイズカードのレイアウトこそが多くの利点を持つことが良く分かったんだ。
まず1つ目として、他のどんな案よりも視覚的に伝えたいことが伝わる(このカードは2つの効果があること、それはこれとこれであること)。次に、2つ目として「2つの効果があること」を表すイラストが難しいのではないか、という問題も解決してくれた(効果ごとに別のイラストを見せられるからだ)。最後の3つ目としては、一目見てこれまでとは違うカードだと分かるという点だ。初めて見たときに目をまん丸くすること間違いなしのデザインという意味でね。
そして、ついにカードファイルがデベロップメントチームの手を離れた。この日のことをたまに思い出すよ。Bill Rose と2人で座っていたときのことだ。そう、分割カードは無事そのカードファイルに収まったまま旅立っていった。見た目も最初に夢見たときから変わることなくだ。
私は Bill Rose に向かい合い、ため息をついてからこう言った。「私たちは成し遂げたんだな」とね。そのとき、Bill Rose の目には、初めてアイデアを伝えたときと同じ輝きが、いたずらっぽく光ってた。彼は微笑んで「まさか成し遂げられないとでも思ってたのかい?」と答えたのさ。
<なんてこった/What the -- ?!!>
開発部にいることのメリットの1つは、新しいセットの噂がプレイヤーたちのあいだを燎原の火のごとく広がっていくのを楽しく眺めていられる点だ。。特にこのときは分割カードを初めて知ったプレイヤーがどんな反応を示すかが気になってしょうがなかった。
さて、そんなある日のこと。私は有名どころの情報サイトの1つを開いてみた。するとそこにはプレリリース数週間前だというのにも関わらず、インベイジョンの切り分けられる前のカードシートがネットオークションにかけられている、というとんでもないニュースが載っていた。
さらに悪いニュースとして、オークションページに記載されている実際のカードシートはなんと分割カードを含むシートだったんだ。
たくさんのプレイヤーたちがこの謎のカードについて議論を戦わせ始め、私たち開発部のメンバーはその様々なご意見にニヤニヤさせてもらったというわけさ。
ある長々と続いたスレッドには180件ものコメントがついていたが、その中で「実際、こういうカードなんじゃないの?」という意見はたった1つしか見当たらなかった。様々な憶測が流れていた中で、私のお気に入りは「これはきっとまだテストプレイの最中のカードシートで、開発部が2枚あるカードのどっちを実際に収録するかを決めかねているとこうなるんじゃないかな?」という意見だ。
<終わり良ければ全て良し/All’s Well That Ends Well>
そんなわけで分割カードは無事に井戸から這い上がっただけでなく、その功績を讃えられてかちょっとしたお祭り騒ぎまで起きたというわけさ。
めでたしめでたし。
さてなぜ私がこの話を紹介したかったか、というとこの話がマジックの開発部のあるべき本質を端的に示してくれていると感じるからだ。
自分が正しいと思っていることを支持するのは簡単なことだ。そういう意味では、私と Bill Rose の仕事が一番簡単だった。何しろ分割カードを生み出したのは私だ。分割カードは私の子供だ。自分の子供のために死力を尽くすのはそう難しい話じゃない。
だけど開発部の残りのメンバーたちにとっては違うものだった。気に入らないメカニズムだった。なんとかしてそれをお払い箱にしたかった。
そのメンバーたちも、分割カードに対する情熱を持っているメンバーが(少ないとはいえ)存在することに気づいて、それらについて検討することを選んでくれた。
分割カードが世に出られたのはなぜか。私と Bill Rose がそれを信じたから、じゃない。開発部の残りのメンバーたちが、私たち2人を信じてくれたから、そして分割カードに懸けてくれたからだ。
・インベイジョンの分割カード
《抵抗と救難/Stand and Deliver》
《悪意と敵意/Spite and Malice》
《苦痛と受難/Pain and Suffering》
《暴行と殴打/Assault and Battery》
《増進と衰退/Wax and Wane》
・アポカリプスの分割カード
《夜と昼/Night and Day》
《生と死/Life and Death》
《空想と現実/Illusion and Reality》
《火と氷/Fire and Ice》
《秩序と混沌/Order and Chaos》
さて、今日のコラムはここまでだ。来週はマジックの敵がどう生まれるかについて説明したいと思っている。それまで、君たちが《巨大化/Giant Growth》を必要なときにそれが手元にあるよう祈ってるよ。
マーク・ローズウォーター
コメント
初めてインベイジョンのパックを開けたときの驚きが蘇りますね。
当時中高生だったかな。分割カードを引いた友人たちの歓声まで覚えています。
これからもよきコラムとの出会いがあるといいですね。