火山のドラゴン/Volcanic Dragon - ミラージュ レア
Volcanic Dragon / 火山のドラゴン (4)(赤)(赤)
クリーチャー - ドラゴン(Dragon)
飛行、速攻
4/4
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Volcanic+Dragon/

 もう何年も何年も前に出た《火山のドラゴン/Volcanic Dragon》は、シンプルでカッコよく、かつ洗練されたカードだ。
 これは基本セット2012に、新たな目を見張るような素晴らしいカードイラストとともに帰って来た。(なんとアンコモンとして!)
 もし君がまだイラストを見ていないのなら、「マジック2012 カードイメージギャラリー」(註1)で確認することが出来る。

(註1) 「マジック2012 カードイメージギャラリー」
 原文では M12 Card Image Gallery の表記で、以下のURLへのリンクが張ってある。
 http://www.wizards.com/magic/tcg/article.aspx?x=mtg/tcg/magic2012/cig

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0711
 そのイラストの素晴らしさのあまりにプレビュー記事を翻訳。記事を読む前でも読んだ後でもいいけど、とりあえずそのイラストは見ておくことをおススメする。なお、このカードの壁紙が以下のリンク先で拾える。
 http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/arcana/745

追記:
 カードギャラリーに日本語版があがったのでカードテキストを公式訳にて更新。

【翻訳】プレビューカード:偉大となるべく運命づけられた《Angelic Destiny》について/Destined for Greatness【Daily MTG】
Brian David-Marshall
2011年07月01日
元記事:http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/twtw/149

 初めて新しいカードを見た時、君は最初に何を考えるだろうか?

 君はそのカードを最大限に活用する方法を模索するタイプのプレイヤーだろうか? 全ての《相応の敬意/Due Respect》は《中断/Abeyance》の再来と成り得る、と見た瞬間に感じるプレイヤーの1人だろうか? もしくは《知識槽/Knowledge Pool》の「そのカードのマナ・コストを支払うことなく唱えてもよい」の文言を見るや否や《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn》を呼びだす《知識槽/Knowledge Pool》デッキを心に思い描くタイプのプレイヤーの1人だろうか?

 それとも君は自身の感性に自信を持てないプレイヤーだろうか? 《純鋼の聖騎士/Puresteel Paladin》や《聖別されたスフィンクス/Consecrated Sphinx》に対する判断を保留しているのだろうか? 「禁止カード」のハッシュタグをツイッター上に生じさせ、メタゲームを歪めてしまうような、その強さが明らかになる瞬間を待っているのだろうか?

 私の場合、新しいカードを見た瞬間、最初に投げかける問いかけは「ドラフトで初手に値するか?」だ。他のいかなるフォーマットよりも私はこの3つのブースターパックを一度に使うフォーマットにのめりこんでおり、このフォーマットを埋めるに値するピースとなるかどうかがカードに対する印象を左右する。「こいつはドラフトで3-0させてくれるのか?」「このカードのためなら、その色の取り合いに参加するだけの価値があるのか?」「このカードをプレイするだけで対戦相手が椅子から転げ落ちてくれるようなことになるのか?」

 これら3つの問いかけに対し、今日の基本セット2012のプレビューカードは「もちろん!」と答えた。この初手に値するカードを見てくれ。
Angelic Destiny / 天使の運命 - 基本セット2012 神話レア
エンチャント - オーラ(Aura)
エンチャント(クリーチャー)
エンチャントされているクリーチャーは
+4/+4の修整を受けるとともに飛行と先制
攻撃を持ち、それの他のタイプに加えて天使
でもある。
エンチャントされているクリーチャーが死亡
したとき、天使の運命をオーナーの手札に戻す。

参照:http://www.wizards.com/magic/tcg/article.aspx?x=mtg/tcg/magic2012/cig

 こいつは俗に言う初手確定の爆弾カードというものだ。基本セット2012のカードギャラリーのそこかしこに紹介されてしている 呪禁/Hexproof (註)持ちのクリーチャーたちと一緒なら、君たちがドラフトで緑白を選択から除外するタイプのプレイヤーでない限りは3-0しないほうが難しいだろう。
(註) 呪禁/Hexproof
 マジック2012では、新たな常設キーワードが登場します。それが呪禁です!
 呪禁を持つクリーチャーは、あなたの対戦相手がコントロールする呪文や能力の対象になりませんが、あなたはそれを通常通りに呪文や能力の対象にすることができます。
引用元:http://www.wizards.com/magic/tcg/article.aspx?x=mtg/tcg/magic2012/mechanics#1

 私はしばしば《鎧をまとった上昇/Armored Ascension》を《聖なる狼/Sacred Wolf》で有効活用するデッキを基本セット2011のドラフトで組んでいた。もっとも《聖なる狼/Sacred Wolf》と組み合わせれば大抵のオーラは「強いカード」ではあるが、《Angelic Destiny》は単体でも十分に強いカードだ。もし君がこれを着せてボタンをかけてあげたクリーチャーを対戦相手が除去できなければ、ゲームは数ターンとかからずに終わることだろう。

 4/4で先制攻撃持ちの飛行クリーチャーである天使はリミテッドで大活躍するだろうし、当然ドラフトで初手に値するカードであり、それ単体でゲームを簡単に支配できる。すでにコントロールしているクリーチャーの性能にそれを上乗せできるとあれば、君が生み出すそれは怪物そのものだ。それに加えて、もしエンチャントされているクリーチャーを除去できたとしても、そのエンチャントは次のクリーチャーにつけられることで再度目の前に立ちふさがるのだ。

 私がこの大砲のようなカードを見た瞬間に考えた2つ目の点について話すのにちょうどいいタイミングのようだ。それは「リミテッドで対戦相手にこいつを出されたときにどう対処したらいいんだ?」ということだ。

 このカードは実に相手どるのが難しく、かつ対戦相手の手札にあると知っているとタップアウトするのがためらわれるようなカードでもある。エンチャントされたクリーチャーが死亡するとこのオーラは持ち主の手に帰る(ところでこの「死亡する」というのはシニア・スーパー・シリーズ(註)のメンバーでもある私にさえ驚くほどよく馴染む新用語だ)。
(註) シニア・スーパー・シリーズ
 若い世代のみを対象にした「ジュニア・スーパー・シリーズ/Junior Super Series」があるなら、仕事や家庭を持っているせいで自由に時間がとれない30代以上のみを対象にした「シニア・スーパー・シリーズ/Senior Super Series」があってもいいじゃないか、という提案から生まれたものらしい。
 元記事では「古参プレイヤー」という意味で使われているっぽい。ずっと昔からこの新用語のない環境で遊んで来たプレイヤーである筆者でもすんなり受け入れられた、ということ。
 参照:http://www.starcitygames.com/magic/misc/654_The_Magic_Senior_Tour.html

 このカードの働きから最初に思い浮かべたのは《怨恨/Rancor》(註)だ。これは一度戦場に出てしまうと除去することがほぼ不可能な代物だった。今回の新カードはこれよりかは小回りが利かないものだが、それでも一癖あることに変わりはない。
(註) Rancor / 怨恨 (緑)
エンチャント - オーラ(Aura)
エンチャント(クリーチャー)
エンチャントされているクリーチャーは、+2/+0の修整を受けるとともにトランプルを持つ。
怨恨が戦場から墓地に置かれたとき、怨恨をオーナーの手札に戻す。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Rancor/

 もっともよい方法は打ち消してしまうことだろう。古典的な手段だが《マナ漏出/Mana Leak》を用いたり、もう少し玄人好みな手段としては対象となったクリーチャーを除去したり対象不適正にしてしまうことだ。そのとおり、私は君の話をしているんだ、《歯止め/Stave Off》(註)! 経験豊かなプレイヤーであれば除去のマナを残したプレイヤー相手にみすみすと初手で取ったカードを明け渡したりはしないだろうが、ただ1点の白マナがアンタップしていたからといって何が出来るというんだ?
(註) Stave Off / 歯止め (白)
インスタント
クリーチャー1体を対象とする。あなたは色を1色選ぶ。それはターン終了時までプロテクション(その選ばれた色)を得る。(それは選ばれた色によって、ブロックされず、対象にならず、ダメージを与えられず、エンチャントされない。)
参照:http://www.wizards.com/magic/tcg/article.aspx?x=mtg/tcg/magic2012/cig

 《歯止め/Stave Off》は、かつて私とMike Floresが使い道を模索したカードであり、最近のポッドキャストで発見した使い道として、似たような効果を持つ多くのカードと異なり、自分のクリーチャーを危険から守ってくれるだけでなく、対戦相手のクリーチャーをその援護から「守ってくれる」カードとしても使えるのだ。構築では《欠片の双子/Splinter Twin》対策として十分な働きをしてくれるし、この基本セットのリミテッドでは自分のクリーチャーを守るのはもちろん、対戦相手の《Angelic Destiny》に対抗するためにこっそり手の平に隠しておくことになるカードだと思っている(比喩的な意味でだよ、もちろん!)。

 ところで、90年代半ばに勃発していた《浄火の鎧/Empyrial Armor》(註)の戦いを経験している古参兵として、バウンスもこのカードに対抗する有効な手段であることは承知している。《送還/Unsummon》(註)は長い事マジックの歴史におり、その中で幾度となくエンチャントのついたクリーチャーを手札に戻してきた。クリーチャーにつけられるのに対応してバウンスしてもよいし、ついたあとでも望むときに戻してしまうことが出来る。
(註) Empyrial Armor / 浄火の鎧 (1)(白)(白)
エンチャント - オーラ(Aura)
エンチャント(クリーチャー)
エンチャントされているクリーチャーは、あなたの手札にあるカード1枚につき+1/+1の修整を受ける。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Empyrial+Armor/

(註) Unsummon / 送還 (青)
インスタント
クリーチャー1体を対象とし、それをオーナーの手札に戻す。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Unsummon/

 ソーサリーのタイミングでもよいのであれば《霊気の達人/AEther Adept》(註)はこの仕事にうってつけだろう。《Angelic Destiny》が解決してしまったあとでもクリーチャーをバウンスすることでそれを墓地に落とすことが出来る。その場合、エンチャントされたクリーチャーからの手痛い一撃を受ける覚悟が必要だが、バウンスしてしまえばそのゲームの最中はもうこの厄介なオーラに悩まされずに済むわけだ。そうだろう?
(註) AEther Adept / 霊気の達人 (1)(青)(青)
クリーチャー - 人間(Human) ウィザード(Wizard)
霊気の達人が戦場に出たとき、クリーチャー1体を対象とし、それをオーナーの手札に戻す。
2/2
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/AEther+Adept/

 さて、さらにカードイメージギャラリーを眺めていて興味をそそられたのは《貪る大群/Devouring Swarm》だ。この大群が対戦相手の場にいると対戦相手の戦略は柔軟性を増し、《霊気の達人/AEther Adept》とともにいる君は居心地の悪い思いをすることになる。この大群はエンチャントされたクリーチャーを生け贄に捧げることができる。エンチャントされているのが《貪る大群/Devouring Swarm》自身であったとしてもだ。バウンスに対して、手札に戻すのをクリーチャーにするかエンチャントにするか選択できるようになるわけだ。

 またインスタントのタイミングで生け贄に捧げる能力はエンチャント破壊からこのオーラを守るのに使うこともできる。君の対戦相手が《Angelic Destiny》を《酸のスライム/Acidic Slime》しようとしても、対応してクリーチャーを生け贄に捧げることで《酸のスライム/Acidic Slime》の能力が解決される前にオーラを手札に戻すことができる。
(註) Devouring Swarm / 貪る大群 (1)(黒)(黒)
クリーチャー - 昆虫(Insect)
飛行
クリーチャーを1体生け贄に捧げる:貪る大群は、ターン終了時まで+1/+1の修整を受ける。
2/1
参照:http://www.wizards.com/magic/tcg/article.aspx?x=mtg/tcg/magic2012/cig

(註) Acidic Slime / 酸のスライム (3)(緑)(緑)
クリーチャー - ウーズ(Ooze)
接死(これが何らかのダメージをクリーチャーに与えた場合、それだけで破壊される。)
酸のスライムが戦場に出たとき、アーティファクト1つかエンチャント1つか土地1つを対象とし、それを破壊する。
2/2
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Acidic+Slime/

 基本セットの話をすると、もし対戦相手が君のエンチャントをなんとか破壊することに成功してしまったとしても、君は《オーラ術師/Auramancer》を使えばいつでも彼らの労力を無に帰すことができる。私は基本セット2012のリミテッドで「6/6 飛行、先制攻撃」となった《オーラ術師/Auramancer》を何度も見ることになるだろうと予想している。もし開けたパックから《Angelic Destiny》を引けたなら、再利用を可能にしてくれる《オーラ術師/Auramancer》の点数は少し上がることになるだろう。言うまでもないことだが、このオーラはそのためだけにデッキを歪めるほどの価値のあるカードだ。自身が使う場合にも、対戦相手に使われる場合にもね。
Auramancer / オーラ術師 (2)(白)
クリーチャー - 人間(Human) ウィザード(Wizard)
オーラ術師が戦場に出たとき、あなたの墓地にあるエンチャント・カード1枚を対象とする。あなたは、それをあなたの手札に戻してもよい。
2/2
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Auramancer/

 どんな天使にとっても追放されるということは耐えられないことであり、このカードもその原則の例外ではない。つい最近、基本セットに帰って来てくれた《忘却の輪/Oblivion Ring》はこのオーラによって翼を与えられたクリーチャーに対抗するのにふさわしいカードだ。もちろんエンチャントされたクリーチャーを対象にできればそれにこしたことはないが、もし 呪禁/Hexproof 持ちのクリーチャーにつけられてしまった場合でも大丈夫だ。そのときは単にエンチャントそれ自体を追放してしまえばよいのだ。
Oblivion Ring / 忘却の輪 (2)(白)
エンチャント
忘却の輪が戦場に出たとき、他の土地ではないパーマネント1つを対象とし、それを追放する。
忘却の輪が戦場を離れたとき、その追放されたカードをオーナーのコントロール下で戦場に戻す。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Oblivion+Ring/

 新しいカードを見たときに私が考えることの3つ目は、それが構築での使用に耐えうるものだろうか、ということだ。60枚でデッキが組まれる環境にこのカードは値するのだろうか? これに対する私の解答は「イエス」だ。この1年間、私たちは装備をまとったクリーチャーたちが環境を席巻するのを見てきた。確かに装備品には高いアドバンテージがある。しかしこのカードにも装備品の持つアドバンテージがいくつか備わっているし、ここのところ多くのデッキのサイドボードに鎮座ましましているアーティファクト対策をかいくぐれるという利点がある。

 このカードを活かせるデッキの詳細と、このカードを身にまとうにふさわしいクリーチャーについてはここでは語らない。それは世界中のFloresたちと君に任せることにする。このカードを60枚デッキに入れることに関する君の考えをフォーラム(もしくはその他どこでも)で聞かせて欲しい。さて、このカードはスタンダードに参入することが出来るだろうか?

 君たちがそうしてくれている間、私はカードリストを漁る仕事に戻るとしよう。今、私の頭の中で芽吹こうとしている統率者用エンチャトレスデッキのためにバントカラーの統率者を探さないといけないからだ。新しいカードを見たときに統率者に使えるかどうか考えるのは最後の最後だが、あれやこれやと一番長く試すのも統率者に関してだね!
余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 今週のテーマは基本セット2012に再録されるカードたち。

余談2:月曜日 《精神の制御/Mind Control》

 第4版からマジックを始めた身としては、今まで多くの調整版(という名の弱体化)を見てきた。《稲妻/Lightning Bolt》が《ショック/Shock》に変わったのも、《対抗呪文/Counterspell》が《取り消し/Cancel》に変わったのも見てきた。

 そのたびに友人たちと「単に弱くなってないか、これ」と顔を見合わせていた。ただ《支配魔法/Control Magic》が消えてしばらくしてから《不実/Treachery》が出て来たのを見たときは「……これ、強化されてないか?」が皆の共通した感想だったように思う。

 何せ基本セットのコントロール奪取が《捕縛/Binding Grasp》とか《誘拐/Abduction》の時代。そんな中、あっさりクリーチャー奪っておいてマナがフル回復している状態を維持できるのは、着地に隙のない昇竜拳のような強さだった。ひどいときには《不実/Treachery》から《不実/Treachery》というコンボでもなんでもないコンボが発生してたし。

 そんなわけで、昔さんざん《支配魔法/Control Magic》を撃っていたのに《説得/Persuasion》を見たときはむしろほっとした記憶がある。ああ、これくらいがちょうどいいんでないかい、という感じ。

余談3:火曜日 《正義の執政官/Archon of Justice》

 基本セット2012から登場する新しいゲーム用語である「死亡する」の紹介。確かに文字数は短くなるけど、非クリーチャーに関しては今まで同じ表記を使うのであろうことを考えると、同じことをカードによって違う呼び方することになるけどいいのかな。

 とか言いつつ、直感的に分かりやすい用語だとも思う。「埋葬する/Bury」みたいな暗記物とは一味違う(ちなみに「埋葬する/Bury」は「破壊する+再生できない」という意味。確か《神の怒り/Wrath of God》のテキストは一時期「Bury all creatures」だった)。

余談4:水曜日 《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》

 個人的な意見だけど、あのときの《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》の相方が《ユートピアの木/Utopia Tree》という時点で「開発側が落とすつもり満々」だったんじゃないの?、と今も疑ってる。逆抱き合わせ商法と言えばいいのか。

 これまた憶測だけど「《ぶどう棚/Vine Trellis》と《ユートピアの木/Utopia Tree》の2枚はいらないから、その他の2枚残してくれー」と思った人がいっぱいいたんじゃないかなー。

余談5:木曜日 《オーラ術師/Auramancer》

 新枠での再録に、一部の Rebecca Guay ファンがお喜びのもよう。それはさておき、最後の辺りが訳していてちょっと面白かった。英語には「mance」という単語がないので、多分、これで合ってるはず。
原文:
 Even though "Aura" is now an enchantment subtype, this little ’mancer can mance any kind of enchantment

拙訳:
 今では「オーラ」はエンチャントのサブタイプの1つではあるが、このかわいい「何とかマンサー」さんがマンサーできるのはエンチャントであればなんでもよい。

余談6:金曜日 《火山のドラゴン/Volcanic Dragon》

 確かに性能から鑑みるにアンコモンというレアリティが妥当かもしれないけど、ちょっとかわいそうな気もする。むしろ、最近のインフレ具合からすると同じ能力で 5/5 でもいい。ドラゴンなのにアンコモンというと《チビ・ドラゴン/Dragon Whelp》以来かな……ああ、もちろん多相を除いての話。

余談7:カードギャラリー

 特設サイトのカードギャラリーを見て思ったのは(先週もちょっと書いたけど)次に出る基本セットの「日本語の正式名称」が何なのかいまだに良く分からないということ。

 カードギャラリーのHTML上のタイトルは「マジック2012 カードイメージギャラリー」で、ページの画像にあるタイトルは「基本セット2012 カードギャラリー」。さらに文中にある前書きには「マジック2012 基本セット カードギャラリーへようこそ」とある。

 なんか揉めてるのかな……まさかね。

余談8:プレインズウォーカー

 基本セットに収録されるプレインズウォーカーの話。実戦の強さに関しては正直よく分からないので、フレイバー的な印象について気になったところでも書いてみようかと。

 黒のプレインズウォーカーである《ソリン・マルコフ/Sorin Markov》さんなんだけど、この人の2つ目の能力が今回の部下たちとかみあってないのがさみしい。もちろん、お名前を冠している《ソリンの復讐/Sorins Vengeance》との相性(?)は問題ないんだけど、そういう話ではなく。

 前回の登場時は、配下の吸血鬼たちが「対戦相手のライフが10点以下だったら、もっと頑張れるんスけどねえ(チラッ)」とボスに求めていたわけなんだけど、今回の基本セットに収録されている吸血鬼の方々って別段そんなこと求めてないような気が……狂気とのシナジーだったら1つ目の能力で十分すぎるし。

 ソリンさんが新しいこの職場で「そーら、相手のライフを10点にしてやったぞ、嬉しいか、お前ら!」と意気揚々としているのに対して、部下の吸血鬼たちが白けた顔で「うわーい(棒読み)」「やったぜー(棒読み)」みたいなことになっていないかと不安になる。

 トイレで吸血鬼たちが「6マナで出てきてあれかよ」「あと1マナ我慢して復讐だけしてくれてれば十分やっちゅうの」とか話してて、個室でソリンさんがそれ聞いてがっくりしてたらどうしよう。「昔の部下たちは目を血走らせて喜んでくれてたのになあ……」と昔の仲間と一緒に飲み会で撮った集合写真にぽつぽつと涙をこぼしながらジェネレーションギャップに悩むソリンさん頑張れ。超頑張れ。

 でも多分また使われな(以下略)

余談9:偉大となるべく運命づけられた《Angelic Destiny》について

 もう本当に申し訳ない。以後、気をつけます。コメント欄にも書いたけど、カードテキストの誤訳のせいで記事の内容(新用語である「死亡する」について言及があった箇所)と齟齬を起こしている点が特に申し開きできない。

 訳がひどかったり、日本語がおかしかったりする場合は恥をかくのが自分で済むけれど「この記事の内容はカードを正しく読んでない気がする」みたいなことになると、原文の筆者が疑われてしまうわけで……指摘してくれた方にあらためて感謝。

 さて。

 気を取り直して本文の話。
原文:
 If your opponent cannot kill the creature you are suiting up-while you are in the act of buttoning up-the game is unlikely to last many more turns after that.

拙訳:
 もし君がこれを着せてボタンをかけてあげたクリーチャーを対戦相手が除去できなければ、ゲームは数ターンとかからずに終わることだろう。

 力技で訳したことにしたけど、なんか違ってることに自分でも気づいてる。「suit up」に対して「button up」を用いて何か上手いこと言ってるんだろうなあ、と思いつつも、結局そのニュアンスを訳し切れなかった。

余談10:お気に入り日記の更新、について

 前に「お気に入り日記の更新」が一覧に上手く反映されない、というお言葉を頂いた。その原因が分かった。原因はダイアリーノートの仕様。左にある「お気に入り日記の更新」の一覧は「更新した日記の日付順」に並ぶけど、そこに表示される日付は「更新日時」である、ということ。

 書いてる自分でも分かりづらい説明だなと思うので例を挙げてみる。例えば、AさんとBさんをお気に入り登録していたとしてそれぞれの方が以下のような日時に日記を更新したとする。

   Aさん
     07月02日 20:30 に「07月02日」の日記を投稿(タイトル:Aの日記です)
   Bさん
     07月03日 22:30 に「07月01日」の日記を投稿(タイトル:Bの日記だよ)

 この場合、そのBさんの日記自体はAさんより過去のものなので、Bさんのほうが更新日時は新しくてもお気に入り日記の更新順はAさんが上に来る。つまり以下のようになる。

   Aの日記です Aさん (7月2日 20:30)
   Bの日記だよ Bさん (7月3日 22:30)

 さらにCさんが上記の1週間後に、今更ながら「06月20日」の日記を「07月10日 23:30」に投稿したとする。すると日記の日付上は3つの中で一番の過去なので「お気に入り日記の更新」のリスト上は以下の通り下へ回されてしまう(更新日時は一番最近)。

   Aの日記です Aさん (7月3日 20:30)
   Bの日記だよ Bさん (7月3日 22:30)
   Cの日記だす Cさん (7月10日 23:30)

 この「アラビア湾が見えるよ」のブログでは、翻訳記事は基本的に土曜日に突っ込むことにしている。そのためだけに過去の土曜日が「空けられて」いる。翻訳記事をその「空けておいた過去の土曜日」に投稿すると「お気に入り日記の更新」リストの順序は遥か過去に回されてしまう。

 と、そういう話なんだけど……なんか簡単なことを難しく説明しているような。

余談11:より良いエンチャントのために(その2)/Enchantment For Better Things, Part Two

 この前後編の翻訳記事は、日記の日付上は「06月11日」に投稿されている。そのため、上記の「余談10」で説明した理由により、リンクを張って下さっている方々の「お気に入り日記の更新」リスト上ではかなり下の方に位置していたはずで、多分、誰もこれのアップデートに気づいてないと思われる。まあ、気が向いたら読んでみてください。

 さて、これはMark Rosewater氏の記事なわけで、つまり色々と難しい言い回しがいっぱい使われている。いや、難しい、というのは正しくないか。単語をそのままの意味に使わず感覚的に内容が伝わってくる文章というか……難しいというより読む側にも高いレベルを要求してくる文章というべきかも。
原文:
 Good design is about allowing the cards to live and grow and find their own voice.

拙訳:
 良いデザインとは、カードが息づき成長するのを見守り、自らのあるべき姿へ辿り着けるようにしてあげることだ。

 言いたいことはしっかり伝わってくるのにそれを日本語に置き換えるのがとんでもなく難しい。多分「カードにはあるべき姿というものがあり、無理に力を加えず、カードが自然と向かうべき方向に進むのを見守る。それが良いデザインだ」みたいなことだと思うんだけど、これをそのまま書いたら「翻訳」と言うより「説明」とか「解説」な気がする。
原文:
 My lesson of this card is to indulge your passion. If it tickles your design bone, odds are it will do the same for others. Great cards come from reaching for the stars. And if reaction to Doubling Season has been any indication, many other bones have been tickled.

拙訳:
 私がこのカードから得た教訓、それは感情の赴くままに行動せよ、だ。もしそれが君のデザインセンスを刺激するなら、他のメンバーのそれも刺激するはずだ。偉大なるカードは、天高く光る星に手を伸ばすところから生まれる。そして《倍増の季節/Doubling Season》に対して何らかの反応が得られたということは、彼らの何かを刺激したということだ。

 いや、なんとなくは分かる気がするんだ。「tickles your design bone」とか、なんとなく何を言いたいか伝わってくるんだけど、それを日本語にするのが、もう、なんというか……難しい。そもそも解釈が間違ってる可能性もある。
原文:
 Anyway, part of a good supervillain/superhero rapport is to have some issue that the two of you each have a personal stake in that causes constant clashing with a subtle subtext of a will of minds.

拙訳:
 良い「ヒーローと悪党」の対立関係とは特定のトピックに関してその2人が異なる主義主張を持ち、それを理由とした継続的な衝突を通して作品の根底に流れるテーマをかすかに匂わせることにある。

 ここらへんはもうマジックがどうこうと言うより、物語を構築する上で知っておくべきノウハウそのままな気がする。訳すのは大変だったけど、興味深かった部分でもある。正しく理解できてるといいんだけど。
原文:
 Urza’s Saga: The development team thought we should shake things up a bit so they changed the card into Vernal Bloom.

拙訳:
 デベロップメント・チームは、もう少し常識にとらわれない感じにしたい、と感じたためこのカードを《花盛りの春/Vernal Bloom》にしてしまった。

 これは単純に「we should shake things up a bit」の訳に困ったという話。「安易に停滞させず『軽く揺さぶって』変化をつけたい」という意味での「shake」と思われるけど、そのまま訳したら日本語にならないし……と、色々考えた結果、こんな感じ。
07月04日はアメリカの建国記念日の為、Card of the Dayはお休み

暁輝きの発動者/Dawnglare Invoker - エルドラージ覚醒 コモン
Dawnglare Invoker / 暁輝きの発動者 (2)(白)
クリーチャー - コー(Kor) ウィザード(Wizard)
飛行
(8):プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーがコントロールするすべてのクリーチャーをタップする。
2/1
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Dawnglare+Invoker/

 《暁輝きの発動者/Dawnglare Invoker》のフレイバーテキスト(註1)で触れられているように、コーたちが崇拝している神々の名はエメリア、ウーラ、コーシ(註2)と呼ばれていた。
 エルドラージがゼンディカーで解き放たれときに初めてコーたちはそれらが実はエムラクール、ウラモグ、コジレックであることを知ったのだった。

(註1) フレイバーテキスト
原文:
 "What we knew as Emeria, Ula, and Cosi were not divine beings at all, but a cruel trick, and a grave error."-The Invokers’ Tales
 参照:http://magiccards.info/roe/en/16.html

日本語訳:
 「我々がエメリアやウーラやコーシとして知っていたものは、神の如き存在でもなんでもない、残忍な計略で、大きな間違いでしかなかったのだ。」――「発動者伝」(註3)
 参照:http://magiccards.info/roe/jp/16.html

(註2) エメリア、ウーラ、コーシ
 これらは全て、過去に世界を崩壊させかけ、ゼンディカーの世界に封印された強大なエルドラージ3体の遠い記憶がうっすら伝わった結果、神々として崇拝されるようになったものらしい。

 エメリアはまたの名をエムと呼ばれており、マーフォークが風の女神として信仰の対象としていた。その本当の姿は《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn》。ウーラは海の女神としてマーフォークに信仰されており、また疫病などの象徴ともされていた。その本当の姿は《無限に廻るもの、ウラモグ/Ulamog, the Infinite Gyre》。コーシはマーフォークの信仰の対象とされている詐欺師の神であり、その本当の姿は《真実の解体者、コジレック/Kozilek, Butcher of Truth》。

 上記については以下の公式サイトの記事を参照した。各エルドラージの大型イラストもあり、ざっと眺めるだけでもエルドラージの凄さが分かるのでおススメ。
 http://www.wizards.com/Magic/TCG/Article.aspx?x=mtg/tcg/riseoftheeldrazi/flavor3

(註3) 発動者伝
 発動者/Invoker とは、8マナの起動型能力を持つコモン・クリーチャーのサイクル。なお、エルドラージ覚醒だけでなくレギオンにも存在している。

 まさか発動者同士で1つのまとまりある資料(口伝?)を作るような横のつながりがあるとは知らなかった。ちなみにエルドラージ覚醒の発動者たちのクリーチャータイプは以下の通り。この5人が喧嘩せずに話し合ってる図はなかなか面白い。

 ・コー(Kor) ウィザード(Wizard)
 ・マーフォーク(Merfolk) ウィザード(Wizard)
 ・吸血鬼(Vampire) シャーマン(Shaman)
 ・ゴブリン(Goblin) シャーマン(Shaman)
 ・エルフ(Elf) シャーマン(Shaman)

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0711
黄昏の呼び声/Twilight’s Call - インベイジョン レア
Twilight’s Call / 黄昏の呼び声 (4)(黒)(黒)
ソーサリー
あなたが黄昏の呼び声を唱えるためにさらに(2)を支払うならば、あなたは自分がインスタントを唱えられるときならばいつでも黄昏の呼び声を唱えてもよい。
各プレイヤーは、自分の墓地にあるすべてのクリーチャー・カードを戦場に戻す。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Twilight%27s+Call/

 そのフレイバーテキスト(註1)からも分かるとおり、《黄昏の呼び声/Twilight’s Call》の舞台は《ケルドの死滅都市/Keldon Necropolis》である。
 イラストもその事実を後押ししている。イラストレーターであるMark Romanoskiへ与えられた指示は「黒い鎧を身にまとったケルドの将軍たち(註2)が再び戦いに赴かんと自身の霊廟から這い出た(もしくは這い出ている)ところ」を表現するように、というものだったからだ。
 ケルドの将軍たちがその鎧ごと埋葬されていたおかげで助かったよ!

(註1) フレイバーテキスト
 《黄昏の呼び声/Twilight’s Call》のフレイバーテキストは以下の通り。
原文:
 Twilight falls. We rise.
            -Necropolis inscription
 参照:http://magiccards.info/in/en/130.html

日本語訳:
 陽は落ち、我らは立ち上がる。
            --- 死滅都市に刻まれている言葉
 参照:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Twilight%27s+Call/

(註2) ケルドの将軍
 原文では「Keldon Warlord」。マジックにはそのものズバリ《ケルドの大将軍/Keldon Warlord》というカードが存在するが、今回の記事はこいつとは関係ないらしい。

 関係ないとする理由の1つは原文でカードデータにリンクが張られていないこと。もう1つはイラストが似ても似つかないこと(《ケルドの大将軍/Keldon Warlord》は鎧を着ていない(註3))。

(註3) イラスト
 《ケルドの大将軍/Keldon Warlord》のカードイラストについては以下を参照のこと。
 参照:http://magiccards.info/5e/en/247.html

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0711
危険なマイア/Perilous Myr - ミラディンの傷跡 コモン
Perilous Myr / 危険なマイア (2)
アーティファクト クリーチャー - マイア(Myr)
危険なマイアが戦場からいずれかの墓地に置かれたとき、クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。危険なマイアはそれに2点のダメージを与える。
1/1
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Perilous+Myr/

 《危険なマイア/Perilous Myr》は、かわいいかな? もちろんさ! だけどこいつがぬいぐるみだったらもっとかわいいよ! この記事(註1)に紹介されているとおりにね。

(註1) この記事
 原文のリンク先は以下のURL。2011年01月18日のMagic Arcanaの記事(註2)。
 http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/daily/arcana/627

(註2) 2011年01月18日のMagic Arcana
 内容は以下の通り。
【翻訳】もっともかわいいマイア/The Cutest Myr【Daily MTG】

Monty Ashley
2011年1月18日
元記事:http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/daily/arcana/627

 なぞなぞだよ。
 1/1で、13インチで、墓地に落ちたとき2点のダメージを与えるものなーんだ?
 降参かい?
画像:
 http://media.wizards.com/images/magic/daily/arcana/627_largemyr.jpg

 実にかわいらしい! 

 もっと写真が見たかったり制作過程について知りたければ、"I Could Make That"(註3) で見られるよ。この《危険なマイア/Perilous》のぬいぐるみはここで生まれたんだ。

(註3) "I Could Make That"
 原文のリンク先は以下のURL。英語のサイトだけど写真がいっぱいなので大丈夫。
 http://nheilke.com/blog/?p=2001

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0711
戦闘塁壁/Battle Rampart - メルカディアン・マスクス コモン
Battle Rampart / 戦闘塁壁 (2)(赤)
クリーチャー - 壁(Wall)
防衛
(T):クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで速攻を得る。
1/3
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Battle+Rampart/

 《戦闘塁壁/Battle Rampart》がメルカディアン・マスクスで登場したとき、この壁はあからさまに《塁壁を這うもの/Rampart Crawler》によって目の敵にされていた。この蛇が鼻先を突っ込んでいる壁が「塁壁/Rampart」であることからもそれは明らかだった。
 これから数年後、オンスロートで《天然の城塞/Crude Rampart》が2/2クリーチャーに化ける擬態能力を用いてこのトカゲの傭兵を待ち伏せすることになるが、それはまた別の物語である。

(註1) 《塁壁を這うもの/Rampart Crawler》
Rampart Crawler / 塁壁を這うもの (黒)
クリーチャー - トカゲ(Lizard) 傭兵(Mercenary)
塁壁を這うものは壁(Wall)によってはブロックされない。
1/1
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Rampart+Crawler/

(註2) 《天然の城塞/Crude Rampart》
Crude Rampart / 天然の城塞 (3)(白)
クリーチャー - 壁(Wall)
防衛(このクリーチャーは攻撃できない。)
変異(4)(白)(あなたはこのカードを、(3)を支払うことで2/2クリーチャーとして裏向きに唱えてもよい。その変異コストを支払うことで、それをいつでも表向きにしてよい。)
4/5
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Crude+Rampart/

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0711
【翻訳】うーん、12だね!/Mmmmmmmm Twelve!【Daily MTG】
Brian David-Marshall
2011年7月8日
元記事:http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/twtw/150

 何週間ものプレビュー記事や考察記事を経てきた私たちは、ついに基本セット2012プレリリース前夜を迎えることとなった。そう、オーブンから焼きたてほやほやのカードたちを鍋つかみを手にしつつ取り出せる、これが最初の機会だ。スタンダードから統率者戦さらにはレガシーまで、構築デッキに入れたくなること間違いなしなカードがこれでもかと詰め込まれたセットだ。

 今週のコラムでは、新セットの中から特に12枚のカードについて話したいと思う。私が明日という日を待ち望んでいる間、ずっと考えてきたあれやこれやについて君たちと共有できれば幸いだ。

1.《個人的聖域/Personal Sanctuary》
Personal Sanctuary / 個人的聖域 (2)(白)
エンチャント
あなたのターンの間、あなたに与えられるすべてのダメージを軽減する。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Personal+Sanctuary/

 統率者を決めずとも統率者戦で赤白デッキを組みたいと私に思わせてくれるカードがこれだ。そのデッキに入れるカードは例えば《ミシュラのアンク/Ankh of Mishra》や《硫黄の渦/Sulfuric Vortex》や《罰する者、ゾーズー/Zo-Zu the Punisher》などだろう。これらを使って自分以外の皆を罰しつつ、自分自身はありがたく《個人的聖域/Personal Sanctuary》の中でぬくぬくと過ごそうというわけだ。

 さらには同じセットに、このデッキに入れるしかない《個人的聖域/Personal Sanctuary》と2枚で完璧なコンボとなるカードが用意されている。そのカード、《魔力のとげ/Manabarbs》は、そのまま統率者戦で使うにはなかなか難しいカードだ。何しろ他のプレイヤー同様、このフォーマットを全力で楽しむためには君も派手なカードを使うべく大量のマナを生み出さざるを得ない。

 ところがどっこい《個人的聖域/Personal Sanctuary》が戦場にあれば一切ライフの心配することなく心行くまでタップすることが出来るようになる。ああ、もちろん、自分のターンの話だけどね。

 ちなみにこれはスタンダードで赤白のコントロールデッキにも使えるコンボだ。エンチャントの後ろに隠れつつ《審判の日/Day of Judgment》で戦場を一掃し、場の戦力を再構築しようとする対戦相手に《魔力のとげ/Manabarbs》からのダメージを強いることが出来る。さらに次のターン、君はダメージを食らうことなくタップアウトして《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》を呼び出すというわけだ。

 このコンボを中心にスタンダードのデッキを組もうとは思わないかもしれないが、もし《魔力のとげ/Manabarbs》がスタンダードの常連となる日が来ればサイドボードに《個人的聖域/Personal Sanctuary》を入れることになるかもしれない。

 他にも《黒の万力/Black Vise》や《黒曜石の火心/Obsidian Fireheart》、さらに前述した《ミシュラのアンク/Ankh of Mishra》のようなカードからも《個人的聖域/Personal Sanctuary》は君を守ってくれるだろう。

 このカードは《黒死病/Pestilence》とも上手く働くし、法外な利息のために下僕を近くへはべらせておかずとも《奈落の王/Lord of the Pit》をプレイできる。同様に《Juzam Djinn》や《疫病スリヴァー/Plague Sliver》や《クークズ/Kookus》なども、基本セット2012で新たにお目見えしたこのエンチャントと相性が良いカードたちだ。


2.《堂々たる撤廃者/Grand Abolisher》
Grand Abolisher / 堂々たる撤廃者 (白)(白)
クリーチャー - 人間(Human) クレリック(Cleric)
あなたのターンの間、あなたの対戦相手は呪文を唱えられず、アーティファクトやクリーチャーやエンチャントの能力を起動できない。
2/2
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Grand+Abolisher/

 《堂々たる撤廃者/Grand Abolisher》も前述の《個人的聖域/Personal Sanctuary》と同じく、今が誰のターンなのかを気にするカードで、かつ対戦相手を居心地悪くさせることが出来るカードでもある。

 このカードに関して一番気に入っていることは、《欠片の双子/Splinter Twin》や《天使の運命/Angelic Destiny》といったカードをプレイするためにタップアウトする際、前方の安全を確保してくれることだ。

 またこのカードは対戦相手が《呪文滑り/Spellskite》の能力の陰に隠れようとするのを防いでくれる。何しろ相手は君のターンにクリーチャーの能力を起動することができないんだからね。君は邪魔されるおそれなしに、好きな時に相手の《出産の殻/Birthing Pod》を《神への捧げ物/Divine Offering》にしてしまえばいい。

 Daily MTGの記事を以前書いていたBen Bleiweissと新しいカードについて話したとき彼が熱く語ってくれたのは、《速足のブーツ/Swiftfoot Boots》を装備した《堂々たる撤廃者/Grand Abolisher》が対戦相手の希望を踏みにじってくれる様についてだ。

 それだけでなくこの撤廃者は君がどうしても次に唱える呪文を安全に通したいときには《沈黙/Silence》としても働いてくれるし、もし対戦相手が君の《堂々たる撤廃者/Grand Abolisher》との関わり合いを避けようとするなら、当然その対戦相手は君がそのターンに唱えようと思っている他の呪文に対して一切手出しが出来ないことになる。

 他の呪文というのは、そう、例えば私が次に話そうと思っているカードであり、Mike Floresのあの有名な記事「Who’s the Beatdown?」(註)を体現したかのようなカードだ。
(註) Who’s the Beatdown?
 記事では以下のURLへリンクが張られている。
 http://www.starcitygames.com/magic/fundamentals/3692_Whos_The_Beatdown.html

 以下、拙訳。
 http://regiant.diarynote.jp/201107161651198667/


3.《蒼穹の魔道士/Azure Mage》
Azure Mage / 蒼穹の魔道士 (1)(青)
クリーチャー - 人間(Human) ウィザード(Wizard)
(3)(青):カードを1枚引く。
2/1
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Azure+Mage/

 基本セット2012に収録されているのは5人の魔道士のサイクルで、これらはいずれもリミテッドで非常に有用なカードだ。決して無駄にならない能力をもった2マナでかつパワーが2あるという非の打ちどころのないクリーチャーたちだ。

 とは言いつつもこれらの能力の中には他に比べると構造的に柔軟性が欠けているものも確かにある。私は《翡翠の魔道士/Jade Mage》がお気に入りで、基本的にこれは(2)(緑)という相場より安いマナで苗木(Saproling)トークンを吐き出してくれる《セレズニアのギルド魔道士/Selesnya Guildmage》をより先鋭化させたようなクリーチャーだ。

 しかし私がリミテッドでもっともプレイして楽しいと感じるのは《蒼穹の魔道士/Azure Mage》だ。こいつを構築デッキで見ることになっても驚きはしない。構築フォーマットでプレイするほぼ全てのプレイヤーはサイドボーディングしたあとの状態での、コンボデッキとコントロールデッキの対戦を一度は経験したことがあるはずだ。

 コントロールデッキ側は次の試合に向けて《審判の日/Day of Judgment》に代表される全てのクリーチャー除去を抜くためにあれやこれやとデッキを変更する羽目に陥る。それに対して、コンボデッキは《ファイレクシアの抹殺者/Phyrexian Negator》や《クウィリーオンのドライアド/Quirion Dryad》を入れるという寸法だ。

 コンボデッキ側がサイド後に加えるクリーチャーとして《蒼穹の魔道士/Azure Mage》を使うというアイデアが気に入っている。これによってコンボデッキ側は第2の勝ち筋を得ることが出来るし、さらにコントロール側の打ち消し呪文の隙を縫ってカードアドバンテージを得る手段が手に入るわけだ。

 私たちのローカルなサークルで行われるドラフトでは、プロツアー殿堂入りをするようなトップクラスのプレイヤーの誰かさんが、カードアドバンテージを得つつ殴りにも行けるこの小型クリーチャーよりも他のカードを優先するとは到底思われないのだ。彼にとってこれより優先されるものと言ったら《ウスーンのスフィンクス/Sphinx of Uthuun》レベルのカードだろう。


4.《彼方の映像/Visions of Beyond》
Visions of Beyond / 彼方の映像 (青)
インスタント
カードを1枚引く。いずれかの墓地に20枚以上のカードがある場合、代わりにカードを3枚引く。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Visions+of+Beyond/

 《彼方の映像/Visions of Beyond》は非常に楽しそうなカードに見える。私は追加要素持ちの「サイクリング」的なカードが好きで、そういった意味ではまさにこのカードはそれだ。

 このカードは私の持っている全ての青い統率者デッキに間違いなく入るだろう。何しろそれらの間違いなく長引く試合ならこのカードの「超スレッショルド」も簡単にクリアしてくれるだろうからね。それも大半のプレイヤーの手札がほとんど尽き果てて、誰もが軽いインスタント速度のドロー呪文に飢えているまさにそのときにだ。

 ところで、20枚以上のカードが墓地に存在しないといけない閾値を呼ぶのに「スレッショルド」よりも力強くてふさわしい名前はなんだと思う?(誰かがもっといい呼び方を教えてくれるまで、私はこれを「超スレッショルド」と呼ぶことにするよ)

 現在、各種フォーマットに存在する様々なデッキタイプには《彼方の映像/Visions of Beyond》を使いたくなるようなものがいくらでもある。発掘デッキ、一部のスレッショルドデッキ、他にも発掘デッキのように《面晶体のカニ/Hedron Crab》の力を借りて墓地を肥やす《復讐蔦/Vengevine》を用いるタイプのデッキ。発掘を用いてカードを引き戻すときなら1枚のカードを引く効果だけで墓地に7枚のカードを落とせる。これでエンジンに火を入れるんだ。

 もっと最近の墓地利用デッキで《復讐蔦/Vengevine》の大部隊を戦場に展開したいタイプのものであれば、1ターンに2体のクリーチャーをプレイしなくてはならないのだから、ぜひにもデッキを3枚余分に掘り進めたいはずだ。


5.《ソリンの復讐/Sorin’s Vengeance》
Sorin’s Vengeance / ソリンの復讐 (4)(黒)(黒)(黒)
ソーサリー
プレイヤー1人を対象とする。ソリンの復讐はそのプレイヤーに10点のダメージを与え、あなたは10点のライフを得る。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Sorin%27s+Vengeance/

 《ソリンの復讐/Sorin’s Vengeance》は黒単コントロールをメタのトップに押し上げてくれるカードなのか? それとも単なる吸血鬼仕様の残念な《残酷な根本原理/Cruel Ultimatum》に過ぎないのか? 私は、考えれば考えるほど前者なのではないかと思えてくる。

 君のカード箱に並んでいる黒単用の選択肢の数々を見てくれ。クリーチャーとしては《ファイレクシアの抹消者/Phyrexian Obliterator》、《深淵の迫害者/Abyssal Persecutor》、そして《鞭打ち悶え/Lashwrithe》。除去には《ソリンの渇き/Sorin’s Thirst》(インスタント速度で使える《不純な飢え/Vicious Hunger》の上位互換)から、ボードだけでなくありデッキからも除去を行う《生命の終焉/Life’s Finale》まで幅広い選択肢がそろっている。

 さらにこの《ソリンの復讐/Sorin’s Vengeance》と2枚で即死コンボとなる《ソリン・マルコフ/Sorin Markov》までいる。彼なら対戦相手のライフを10点まで減らし、その復讐を用いることで残りを削りとることができる。

 ちなみに私は、5人のプレインズウォーカーと彼らに関連付けられた2枚ずつのカードたちによって形作られているサイクルに込められた奥深いフレイバーが非常に気に入っている。3枚で1セットとなるこのサイクルの多くがそのまま構築の60枚デッキに入ったとしても私は驚かないし、私自身もスタンダードのプレイテストを始めるに当たって25枚前後の《沼/Swamp》を用意しておくのはやぶさかではない。


6.《復讐に燃えたファラオ/Vengeful Pharaoh》
Vengeful Pharaoh / 復讐に燃えたファラオ (2)(黒)(黒)(黒)
クリーチャー - ゾンビ(Zombie)
接死(それが何らかのダメージをクリーチャーに与えた場合、それだけで破壊される。)
あなたかあなたがコントロールするプレインズウォーカーに戦闘ダメージが与えられるたび、復讐に燃えたファラオがあなたの墓地にある場合、攻撃クリーチャー1体を対象とする。それを破壊し、その後、復讐に燃えたファラオをあなたのライブラリーの一番上に置く。
5/4
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Vengeful+Pharaoh/

 もう1つ、プレインズウォーカーと2枚コンボになるカードとして私が期待しているのは《復讐に燃えたファラオ/Vengeful Pharaoh》だ。相方となるプレインズウォーカーとしては……まあ、どれでもいいのだが、特に《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》だろうか。

 《無慈悲/No Mercy》に似た効果は強烈で、この過去のエンチャントとは異なっている点としては1ターンかけて準備する必要もない。さらに手札をこっそりと捨てる手段があれば対戦相手の意表を突くことも可能だ。

 これは墓地に落ちていて欲しいカードの1つだが、そうするためには何かしらの手段を頼る必要がある。

 それではさっそくドローを目詰まりさせることなく墓地に落とす手段を探してみよう。手札にあるより墓地に葬られているほうが色々捗る《復讐に燃えたファラオ/Vengeful Pharaoh》のためだ。

 《面晶体のカニ/Hedron Crab》については前にも少し話したことがある。それ以外ではフェッチランドを手元に用意しておけば、もし《復讐に燃えたファラオ/Vengeful Pharaoh》を引くのが不都合な場面でも山札の中へシャッフルしてしまえる。

 また帰って来たばかりの《ゾンビの横行/Zombie Infestation》があれば手札から墓地へすぐに落とすことが出来る(私はこの《ゾンビの横行/Zombie Infestation》というカードから目を離さずにいるつもりだ。それがスタンダードリーガルな18ヶ月のあいだはね)。

 しかしこれは最高の使い方とは言い難い。毎ターンクリーチャーに攻撃されると毎ターンこれを引いては墓地に落とすだけの作業になるからだ。

 それと違って、まったく最高としか言いようがないのが《獣相のシャーマン/Fauna Shaman》だ。まず対戦相手の攻撃に対応して《復讐に燃えたファラオ/Vengeful Pharaoh》を捨てることが出来、さらに君のその瞬間に最も必要とするクリーチャーを手札に引き入れ、逆に対戦相手のクリーチャーを除去することが出来る。

 次のターンは、あらためて引きいれた《復讐に燃えたファラオ/Vengeful Pharaoh》で次に必要なクリーチャーをデッキから引っ張ってこれるという寸法だ。


7.《嵐血の狂戦士/Stormblood Berserker》と《ゴブリンの投火師/Goblin Fireslinger》
Stormblood Berserker / 嵐血の狂戦士 (1)(赤)
クリーチャー - 人間(Human) 狂戦士(Berserker)
狂喜2(このターン、いずれかの対戦相手にダメージが与えられている場合、このクリーチャーはその上に+1/+1カウンターが2個置かれた状態で戦場に出る。)
嵐血の狂戦士は、2体以上のクリーチャーによってしかブロックされない。
1/1
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Stormblood+Berserker/

Goblin Fireslinger / ゴブリンの投火師 (赤)
クリーチャー - ゴブリン(Goblin) 戦士(Warrior)
(T):プレイヤー1人を対象とする。ゴブリンの投火師はそのプレイヤーに1点のダメージを与える。
1/1
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Goblin+Fireslinger/

 新しいフォーマットにおいて《嵐血の狂戦士/Stormblood Berserker》は多くのプレイヤーの戦力となってくれるカードだ。なんでそう思うかって?

 すでに《瘡蓋族のやっかい者/Scab-Clan Mauler》というカードがMark Herberholzにプロツアーのタイトルをもたらしている。《嵐血の狂戦士/Stormblood Berserker》はそれよりさらにマナ拘束が緩く、それだけではなく現在のメタゲームにおいてはより有用な点がある。

 プレイヤーたちはすでに増殖というメカニズムを《永遠溢れの杯/Everflowing Chalice》や毒カウンター、そしてプレインズウォーカーたちのために活用している。これをさらに狂喜と組み合わせない手はないだろう?

 《嵐血の狂戦士/Stormblood Berserker》は単体でもブロックしづらいことこの上ないが、さらにそこへ《電位の負荷/Volt Charge》を使ってブロッカーを排除しつつ《嵐血の狂戦士/Stormblood Berserker》を2体以上でブロックしなければいけない4/4にすれば、ゲームはすみやかに終了へと導かれるだろう。《伝染病の留め金/Contagion Clasp》もここに放り込んでやれば混乱はさらに加速する。

 もちろん、そもそも狂喜を誘発させるためには対戦相手にダメージを与える手段が必要だ。それがなければ増殖も無駄になる。狂喜を誘発させるための手堅いダメージ発生源として《ゴブリンの投火師/Goblin Fireslinger》が使われることになったとしても驚くほどではない。多くの一目見て使い道がないと分かる他の1マナ1/1ゴブリンたちの明らかな上位互換だ。

 《ゴブリンの付け火屋/Goblin Arsonist》はすでにプロツアー予選レベルの構築で成功を収めているカードであり、戦闘に加わることが出来れば狂喜の達成は約束されたも同然だ。パワー0のブロッカーを持っていない対戦相手は、ブロックしようがしまいが本体に1ダメージをもらうことになる。

 プロツアー名古屋のミラディンの傷跡ブロック構築では《ヴァルショクの難民/Vulshok Refugee》がこれでもかとサイドボードに(そしてときにはメインにも)いるのが見られた。

 しかしありがたいことに《嵐血の狂戦士/Stormblood Berserker》には「2体以上のクリーチャーによってしかブロックされない」の能力がある。《ヴァルショクの難民/Vulshok Refugee》の横にいる奴らを焼き払い横を駆け抜けていけばいい。それも《四肢切断/Dismember》を引くまでの話だが。

 《稲妻/Lightning Bolt》、《ショック/Shock》、《火葬/Incinerate》、そして《噴出の稲妻/Burst Lightning》と、軽い火力呪文には事欠かないのが現在のスタンダードだ。私たちが若い頃は火力呪文で本体を焼くのは対戦相手のエンド時と教えられていたが、狂喜持ちクリーチャーの到来はこちらのメインフェイズに火力を使うという選択肢についても考慮に入れないといけないことを示唆している。

 もし君が忍耐強い人物で2ターン目以降に《嵐血の狂戦士/Stormblood Berserker》を唱えることも意に介さないというのであれば、新たに登場したみんな大好きな赤いプレインズウォーカーとこのあと紹介する彼女のペットと一緒に使うのもいいかもしれないね。


8.《チャンドラのフェニックス/Chandra’s Phoenix》
Chandra’s Phoenix / チャンドラのフェニックス (1)(赤)(赤)
クリーチャー - フェニックス(Phoenix)
飛行
速攻(このクリーチャーは、あなたのコントロール下で戦場に出てすぐに攻撃したり(T)したりできる。)
あなたがコントロールする赤のインスタント呪文1つか赤のソーサリー呪文1つか赤のプレインズウォーカー1人がいずれかの対戦相手にダメージを与えるたび、チャンドラのフェニックスをあなたの墓地からあなたの手札に戻す。
2/2
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Chandra%27s+Phoenix/

 《チャンドラのフェニックス/Chandra’s Phoenix》はこのセットの中でも特に私を興奮させてくれるカードの1枚だ。私は復活系のカードが昔から本当に好きで《復讐蔦/Vengevine》から《ゴブリンの太守スクイー/Squee, Goblin Nabob》、さらには《ボガーダンの鎚/Hammer of Bogardan》から果ては《Whiteout》(註)を使うために雪かぶり土地をデッキに入れる努力までしたものだ。
(註) 《Whiteout》
Whiteout (1)(緑)
インスタント
すべてのクリーチャーは、ターン終了時まで飛行を失う。
氷雪土地を1つ生け贄に捧げる:あなたの墓地にあるWhiteoutをあなたの手札に戻す。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Whiteout/

 それから考えると私たちも随分と長い道のりを来たものだ。何しろこのフェニックスの一撃ときたら《ボガーダンの鎚/Hammer of Bogardan》以来の威力だ。主たるプレインズウォーカーとこの手下のコンボはお手軽そのもので、セットがスタンダードで利用可能となる来週のフライデーナイトマジックでその1回戦から君はこいつらに遭遇することになるだろうね。

 墓地を気にするカードとの組み合わせとして、私はすでに《獣相のシャーマン/Fauna Shaman》と《ゾンビの横行/Zombie Infestation》について触れている。

 そこから考えられるのは《復讐蔦/Vengevine》入りの赤緑デッキだ。これは素晴らしい。好きなだけ《チャンドラのフェニックス/Chandra’s Phoenix》と《復讐蔦/Vengevine》をサーチしてくることができるだけでなく、すぐに戦場に戻して、その速攻で殴りかかることができるのだ。


9.《原初の狩人、ガラク/Garruk, Primal Hunter》
Garruk, Primal Hunter / 原初の狩人、ガラク (2)(緑)(緑)(緑)
プレインズウォーカー - ガラク(Garruk)
[+1]:緑の3/3のビースト(Beast)・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。
[-3]:あなたがコントロールするクリーチャーの中で最大のパワーの値に等しい枚数のカードを引く。
[-6]:あなたがコントロールする土地1つにつき、緑の6/6のワーム(Wurm)・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。
3
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Garruk%2C+Primal+Hunter/

 そう思っているのは私だけかもしれないが、もしかしたら基本セットで最もドローに長けた色は緑じゃないだろうか。

 《狩人の眼識/Hunter’s Insight》も3枚か4枚のカードを引けること考えればなかなかのものだが、さすがに《原初の狩人、ガラク/Garruk, Primal Hunter》とは比べ物にならない。

 さらに緑には《秋の帳/Autumn’s Veil》もある。これのおかげで、島を置かずにドローする無かれ、と邪魔してくる青のデッキどもからガラクを守ることが出来るわけだ。

 私はすでに、この最新の緑カードを統率者戦で使うことを見越して、Foil版の《倍増の季節/Doubling Season》を緑のカード入れの箱から探し始めているところだ。

 このエンチャントがあれば6ターン目に10匹の6/6のクリーチャー・トークンを呼び出すことが出来る。やってやれないことはないはずだよ。


10.《棘投げの蜘蛛/Stingerfling Spider》
Stingerfling Spider / 棘投げの蜘蛛 (4)(緑)
クリーチャー - 蜘蛛(Spider)
到達(このクリーチャーは飛行を持つクリーチャーをブロックできる。)
棘投げの蜘蛛が戦場に出たとき、飛行を持つクリーチャー1体を対象とする。あなたはそれを破壊してもよい。
2/5
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Stingerfling+Spider/

 私自身は何度か使ったことがあるとはいえ、構築デッキにこの《棘投げの蜘蛛/Stingerfling Spider》が入れられることがあるかどうかと聞かれたら、分からないとしか言えない。しかしそれでも私はこのカードが大好きだ。

 こいつは間違いなく私の統率者戦デッキに入るだろうし、私の《出産の殻/Birthing Pod》デッキに入れる5マナ域の候補リストに挙がることも疑う余地なしだ。


11.《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum》
Solemn Simulacrum / 真面目な身代わり (4)
アーティファクト クリーチャー - ゴーレム(Golem)
真面目な身代わりが戦場に出たとき、あなたはあなたのライブラリーから基本土地カードを1枚探し、それをタップ状態で戦場に出し、その後あなたのライブラリーを切り直してもよい。
真面目な身代わりが死亡したとき、あなたはカードを1枚引いてもよい。
2/2
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Solemn+Simulacrum/

 このセットで再録されたカードの中で《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum》を特に取り上げるのはおかしいかもしれない。これは《渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer》や《魔力のとげ/Manabarbs》などのパワーカードを差し置いてまで紹介するほどのものだろうか?

 しかしそうは言いつつも、前述した《出産の殻/Birthing Pod》デッキの4マナ域の第一候補はこの《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum》だし、新しいスタンダードにおいては《ボーラスの工作員、テゼレット/Tezzeret, Agent of Bolas》にとって最高の相棒の1人となるだろう。

 それと、もしかしたら《ゲスの玉座/Throne of Geth》を1軍入りさせてくれるカードになるかもしれない(まあ、ないだろうけど、なって欲しいと思うのは自由だよね?)。


12.《無限の日時計/Sundial of the Infinite》
Sundial of the Infinite / 無限の日時計 (2)
アーティファクト
(1),(T):ターンを終了する。この能力は、あなたのターンの間にのみ起動できる。(スタック上のすべての呪文と能力を追放する。あなたの手札の枚数の最大値になるまで手札を捨てる。ダメージは取り除かれ、「このターン」と「ターン終了時まで」の効果は終了する。)
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Sundial+of+the+Infinite/


 このカードは、ほとんど全てのフォーマットでプレイに値するカードであり、その点で私が最も興奮させられたカードの1つだ。プレビューを見たときから期待が膨らみ続けている。

 《無限の日時計/Sundial of the Infinite》は最初私にとっては興味深い一方的な《孤独の都/City of Solitude》でしかなかったがこのカードで出来る悪さをどんどん見つけるにつれて、今では私の中で非常に大きな位置を占めるに至った。

 レガシーやヴィンテージまでいけば(そしてNoel deCordovaの記事(註)によれば)、《無限の日時計/Sundial of the Infinite》は《ファイレクシアン・ドレッドノート/Phyrexian Dreadnought》や《煙突/Smokestack》を悪用できるだけの潜在能力を秘めている。さらにこれらのカードを悪用する手段は他にも多く発見されている。
(註) Noel deCordovaの記事
 以下のURLへリンクが張られている。内容は《無限の日時計/Sundial of the Infinite》のプレビュー記事。英語。
 http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/ftl/149

 このドレッドノートのような「戦場に出たとき」にデメリットを誘発するカードならどれでも、クリーチャーが戦場に出てその誘発型能力がスタックに乗ったあとに《無限の日時計/Sundial of the Infinite》を起動することで、デメリットを無視したままターンを終えてしまうことが出来る。

 ドレッドノートを例にとれば、君は1マナで12/12を呼び出したあと、さらにもう1マナを費やすだけでパワー12のクリーチャーを生け贄に捧げる前にターンを終えられるということだ。

 このカードはまた「狩り立てられた/Hunted」のサイクルとも上手く働く。たったの3マナで君は相手に何も与えずに7/7でトランプルの《狩り立てられた恐怖/Hunted Horror》を得ることができる。

 何年も前のことだが私は《時エイトグ/Chronatog》(註)と《煙突/Smokestack》(註)の入ったデッキをエクステンデッドで使っていた。それら青のクリーチャーとアーティファクトの背後に隠れ、《煙突/Smokestack》の上にいくつかカウンターを置いたあとは対戦相手だけに残りのターンを過ごしてもらうというデッキだった。

 さらに《抵抗の宝球/Sphere of Resistance》が戦場にあれば(《Contagion》で私のエイトグを殺しでもしない限り)対戦相手は何も出来ないままだ。

 このデッキにおける《無限の日時計/Sundial of the Infinite》は、《時エイトグ/Chronatog》よりもさらに手堅い働きをしてくれる。自分のターンでスタックを用いることも出来るからだ。《煙突/Smokestack》に新たなカウンターを追加したあと、生け贄に捧げるという効果を沈黙させたままでターンを終えられるということだ。
(註) 《時エイトグ/Chronatog》と《煙突/Smokestack》
Chronatog / 時エイトグ (1)(青)
クリーチャー - エイトグ(Atog)
(0):時エイトグはターン終了時まで+3/+3の修整を受ける。あなたの次のターンを飛ばす。この能力は、各ターンに1回のみ起動できる。
1/2
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Chronatog/
Smokestack / 煙突 (4)
アーティファクト
あなたのアップキープの開始時に、あなたは煙突の上にスス(soot)・カウンターを1個置いてもよい。
各プレイヤーのアップキープの開始時に、そのプレイヤーは煙突の上に置かれたスス・カウンター1個につき、パーマネントを1つ生け贄に捧げる。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Smokestack/

 《無限の日時計/Sundial of the Infinite》をさらに楽しむ方法として、《熟考漂い/Mulldrifter》(註)や《叫び大口/Shriekmaw》(註)の能力を誘発させたあとに《無限の日時計/Sundial of the Infinite》を起動することもできる。そうすることで生け贄に捧げる想起の効果をスタック上に留め置けるのだ。
(註) 《熟考漂い/Mulldrifter》や《叫び大口/Shriekmaw》
Mulldrifter / 熟考漂い (4)(青)
クリーチャー - エレメンタル(Elemental)
飛行
熟考漂いが戦場に出たとき、カードを2枚引く。
想起(2)(青)(あなたはこの呪文を、その想起コストを支払うことで唱えてもよい。そうした場合、戦場に出たときにこれを生け贄に捧げる。)2/2
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Mulldrifter/
Shriekmaw / 叫び大口 (4)(黒)
クリーチャー - エレメンタル(Elemental)
畏怖(このクリーチャーは、黒でもアーティファクトでもないクリーチャーによってはブロックされない。)
叫び大口が戦場に出たとき、アーティファクトでも黒でもないクリーチャー1体を対象とし、それを破壊する。
想起(1)(黒)(あなたはこの呪文を、その想起コストを支払うことで唱えてもよい。そうした場合、戦場に出たときにこれを生け贄に捧げる。)3/2
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Shriekmaw/

 現在のスタンダードであれば《ゼクター祭殿の探検/Zektar Shrine Expedition》(註)のトークンについて、その「次の終了ステップの開始時に、それを追放する」をスタック上に残したままターンを終えることでさらに長生きさせることができる。もちろんブロックされなかったと仮定した場合の話だが。
(註) 《ゼクター祭殿の探検/Zektar Shrine Expedition》

Zektar Shrine Expedition / ゼクター祭殿の探検 (1)(赤)
エンチャント
上陸 ― 土地が1つあなたのコントロール下で戦場に出るたび、ゼクター祭殿の探検の上に探索(quest)カウンターを1個置く。
ゼクター祭殿の探検から探索カウンターを3個取り除くとともに、それを生け贄に捧げる:トランプルと速攻を持つ赤の7/1のエレメンタル(Elemental)・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。次の終了ステップの開始時に、それを追放する。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Zektar+Shrine+Expedition/

 同じように《精霊術の熟達/Elemental Mastery》や《精霊の嘆願/Elemental Appeal》のようなカードでも同じことが出来る(が、《地獄の雷/Hell’s Thunder》(註)や《ボール・ライトニング/Ball Lightning》(註)はダメだ。これらは対戦相手のターンに再び生け贄に捧げるよう要求されてしまうからだ)。
(註) 《地獄の雷/Hell’s Thunder》や《ボール・ライトニング/Ball Lightning》
Hell’s Thunder / 地獄の雷 (1)(赤)(赤)
クリーチャー - エレメンタル(Elemental)
飛行、速攻
終了ステップの開始時に、地獄の雷を生け贄に捧げる。
蘇生(4)(赤)((4)(赤):このカードを戦場に戻す。そのクリーチャーは速攻を得る。次のターン終了ステップの開始時か、それが戦場を離れる場合に、それを追放する。蘇生はソーサリーとしてのみ行う。)
4/4
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Hell%27s+Thunder/
Ball Lightning / ボール・ライトニング (赤)(赤)(赤)
クリーチャー - エレメンタル(Elemental)
トランプル(このクリーチャーが、自身をブロックしているすべてのクリーチャーを破壊するのに十分な戦闘ダメージを割り振る場合、あなたはその残りのダメージを防御プレイヤーかプレインズウォーカーに割り振ってもよい。)
速攻(このクリーチャーは、あなたのコントロール下になってすぐに攻撃したり(T)したりできる。)
終了ステップの開始時に、ボール・ライトニングを生け贄に捧げる。
6/1
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Ball+Lightning/

 《微光角の鹿/Glimmerpoint Stag》(註)と用いることで対象のパーマネントを永久的に追放することも出来る。「次の終了ステップの開始時に、そのカードをオーナーのコントロール下で戦場に戻す」の能力がスタック上にある状態で《無限の日時計/Sundial of the Infinite》を起動すればいい。
(註) 《微光角の鹿/Glimmerpoint Stag》
Glimmerpoint Stag / 微光角の鹿 (2)(白)(白)
クリーチャー - 大鹿(Elk)
警戒
微光角の鹿が戦場に出たとき、他のパーマネント1つを対象とし、それを追放する。次の終了ステップの開始時に、そのカードをオーナーのコントロール下で戦場に戻す。
3/3
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Glimmerpoint+Stag/

 より実践的な使い道としては、《無限の日時計/Sundial of the Infinite》があると対戦相手は《詐欺師の総督/Deceiver Exarch》と《欠片の双子/Splinter Twin》のコンボをスタートさせることが非常に難しくなる。通常、対戦相手は君のターンに《詐欺師の総督/Deceiver Exarch》を唱えようとするからだ。

 君に対処するための1ターンを丸々明け渡さないためには《詐欺師の総督/Deceiver Exarch》の召喚酔いを覚ましておく必要がある。しかし《無限の日時計/Sundial of the Infinite》が盤上にあると君のターンに唱えられた《詐欺師の総督/Deceiver Exarch》が解決する見込みはない。


 さて、というわけで、これらが週末から活躍するのではないかと私が期待しているカードたちだ。君たちがお近くのプレリリースで欲しいカードに出会えることを祈ってるよ!
余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 お休みがあったことを差っぴいても特にテーマらしいテーマはなかった模様。収録セットもレアリティもカードタイプもバラバラだし、扱っているネタはフレイバーテキストやファンの作ったぬいぐるみや名前ネタなどこれまたバラバラだった。

余談2:月曜日

 月曜日はアメリカの建国記念日のためお休み。アメリカの祝祭日はあまりよく知らないため、Card of the Day がお休みになるたびに覚えている感じ。建国記念日以外だと、戦没者追悼記念日が先々月の05月30日にあった。

余談3:火曜日 《暁輝きの発動者/Dawnglare Invoker》

 長引いたリミテッドの試合をその8マナの能力で終わらせてくれるコモンのサイクル Invoker/発動者 たち。その発動者が残したと思しき伝承である「発動者伝」の話が火曜日のネタ。

 フレイバーテキストからはこれが書物なのか口伝なのかもはっきりとしないけど、とりあえず白の発動者だけに伝わってる話ではないと思われる。その理由は、この「発動者伝」が「エメリア、ウーラ、コーシ」という3つの神について言及しているから。

 公式サイトの記事によると「エメリア、ウーラ、コーシ」はそれぞれ異なる種族に信仰されていたらしい。そしてこの「発動者伝」には「What we knew as Emeria, Ula, and Cosi(我々がエメリアやウーラやコーシとして知っていたもの)」とあるから、多分、色んな種族が集まって形成された伝承なんでないかと思われる。

 マーフォーク、コー、エルフ、ゴブリン、吸血鬼のそれぞれを代表する発動者たちが焚き火を中心に車座になって、とつとつと互いの部族に伝わる伝承のすり合わせを夜空の下で行っている図を想像すると、なんか和む。

 たぶん集会所は持ち回りで「来週はマーフォーク担当だから海か……流れる水は苦手なんだよなあ」と吸血鬼が気を重くしたりするし、やっぱり気の合わない種族同士でもめることもあって「3点ドレインするぞ、こら」「ああん? ちょっと浮いてみるか?」みたいなどうでもいい争いが起きたりもする。でもきっと仲良し。

余談4:水曜日 《黄昏の呼び声/Twilight’s Call》

 最初訳したときはてっきり文中の「Keldon Warlord」は、既存のカードそのものを指していると考えて、訳の表記も《ケルドの大将軍/Keldon Warlord》としてた。

 だけど《黄昏の呼び声/Twilight’s Call》のイラストを見ていて「こんな兜だったっけなあ」と半信半疑だったので念のため《ケルドの大将軍/Keldon Warlord》のイラストを確認しにいったら似ても似つかない兜をかぶっていた。

 それだけならまだしも、そもそも鎧どころかまともに服も着てない半裸のバーバリアンがそこにいた。

 どういうことだ?、と思って公式サイトの元記事を確認したら、なんと「Keldon Warlord」の単語にリンクが張られていない。公式サイトの記事は(例えカード名そのものでなくても)特定のカードを指しているときは基本的にギャザラーのカードデータへリンクが張られている。

 偶然の一致というのもあるものだなあ、と思った次第。

 あと余談。この日は妙に《甲鱗のワーム/Scaled Wurm》に関する日記が多いな、と不思議に思ってたら、07月06日は「甲鱗のワームの日」らしい。マジックのカードの中で記念日を持っているカードって他にないだろうな。さすがだ。

余談5:木曜日 《危険なマイア/Perilous Myr》

 その原文の短さに反して意外と訳に困った記事。英語で読むと特に分かりづらい表現もない文章なのに、いざ日本語にしてみるとなると不思議にとまどってしまう。まずはその前半。
原文:
 Perilous Myr is pretty cute, right? Sure is!

拙訳:
 《危険なマイア/Perilous Myr》は、かわいいかな? もちろんさ!

 正解がない中で、それなりに上手くいったんじゃないかと思ってる。そして後半もちょっと考え込んでしまった部分があった。日本語で「ぬいぐるみ」とした箇所。
原文:
 But it’s even cuter when it’s a little plush toy,
 as demonstrated in this Arcana.

拙訳:
 だけどこいつがぬいぐるみだったらもっとかわいいよ!
 この記事に紹介されているとおりにね。

 原文では「little plush toy」とされているの箇所。まさか「ビロードの一種でできた小さなおもちゃ」とするわけにもいかないので、実物を確認してから大人しく見た目そのまま「ぬいぐるみ」とした。

 考えてみたら大きなぬいぐるみもあるわけだから、せめて「little」は残して「小さなぬいぐるみ」としても良かったかもしれないけど、まあ、いいか。

余談6:金曜日 《戦闘塁壁/Battle Rampart》

 カード名から勝手にストーリーを思い描くようなこういう記事が好きだ。

 それはさておき、久しぶりにあからさまな意訳を決行してしまった記事でもある。正しくは「多分原文はこういうことを言いたいんだろうな」と推測した内容を日本語で表現するために原文にない単語を勝手に付け加えた訳。
原文:
 It would be a few years until Crude Rampart would be printed in Onslaught with its ability to masquerade as a 2/2 creature lying in wait for the lizard mercenary.

拙訳:
 これから数年後、オンスロートで《天然の城塞/Crude Rampart》が2/2クリーチャーに化ける擬態能力を用いてこのトカゲの傭兵を待ち伏せすることになるが、それはまた別の物語である。

 正しくは「~するまであと数年である」という文章のはず、とか、「printed」がこっそり無視されている、とか、細かい点も色々あるけど、ラストに勝手にくっつけた一言が一番大きい。

 ミヒャエル・エンデの「果てしない物語」を読んでから随分経つ。また読みたい。

余談7:基本セット2012の新カードあれこれ

 色々と面白そうなカードはあるんだけど、個人的に気に入ったのはこのカード。
Arachnus Spinner / アラクナスの紡ぎ手 (5)(緑)
クリーチャー - 蜘蛛(Spider)
到達(このクリーチャーは飛行を持つクリーチャーをブロックできる。)
あなたがコントロールする蜘蛛(Spider)を1体タップする:クリーチャー1体を対象とする。あなたの墓地やライブラリーから《アラクナスの蜘蛛の巣/Arachnus Web》という名前のカードを1枚探し、それを戦場に出してそのクリーチャーにつける。あなたがこれによりあなたのライブラリーからカードを探した場合、それを切り直す。
5/7
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Arachnus+Spinner/

 そして《アラクナスの蜘蛛の巣/Arachnus》がこれ。
Arachnus Web / アラクナスの蜘蛛の巣 (2)(緑)
エンチャント - オーラ(Aura)
エンチャント(クリーチャー)
エンチャントされているクリーチャーは攻撃したりブロックしたりできず、それの起動型能力を起動できない。
終了ステップの開始時に、エンチャントされているクリーチャーのパワーが4以上である場合、アラクナスの蜘蛛の巣を破壊する。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Arachnus+Web/

 フレイバー的に素晴らしい。蜘蛛が糸を吐いて相手が動けなくなる。剣を振るわれることも進軍を邪魔されることも無くなる。身振り手振りの動作もとれないから特殊能力も使えなくなる。ただし意識を失うわけではないから常時発しているオーラ的なものは持続する。

 特に感動したのが「エンチャントされているクリーチャーのパワーが4以上である場合」のくだり。人間サイズの生き物は絡め取られて動けなくなってしまうけど、例えば《甲鱗のワーム/Scaled Wurm》などの巨大なクリーチャーに糸を吐きかけても力任せに引きちぎられてしまう。それでも毎ターン、絶え間なく糸を吐き続けるととりあえず動きを止めておくことは出来る。

 ゲーム的な話をすると墓地から拾えるのがいい。手札から出せないことことを補ってあまりあるメリットだと思う。《アラクナスの蜘蛛の巣/Arachnus》自体が墓地に落ちることを前提とした効果になっているのともかみ合っている。

 あれこれと言いつつ、2枚しか取り上げてない。十分長々と語ったからいいか。

余談8:ゴブリンが私にさせたこと/Mons Made Me Do It

 ダイアリーノートには「文字数」制限があるんだけど、どうやら「改行数」も裏でこの制限にカウントしているらしい。そして今回訳したこの記事はとにかく行数が多い(文字数自体は大したことないので訳すのは楽だった)。

 行数制限に引っかかって記事を2つに分けるには嫌だなあ、と試しに投稿してみたところ、ギリギリなんとかなって一安心した。スクロールするネタなのに途中で記事が分かれていたら台無しだ。
原文:
 These jokes (if you want to call them that) courtesy of my stand-up days.

拙訳:
 このジョーク(そう呼べるのであれば)は小さい頃からの持ちネタだよ。

 どうしても意味が分からなかったので憶測で訳した箇所。「stand-up」が調べても調べても分からなかった。「一人立ちする前」みたいな意味? Stand Upには「立ち向かう」みたいな意味もあるけど、それだと意味をなさない。

 あと、そもそもここで言っている「ジョーク」自体も実は真っ当な訳はしてない。この「ジョーク」の原文と訳については、以下の通り。
原文:
 I’m so optimistic, my blood type is "B(e) Positive."

拙訳:
 あまりにも楽観的だから血液型もB型さ。「レット・イット・ビー」ってね。

 こういうダジャレを訳すのは本当に悩む。悩んだ挙句がこれだよ。でも日本語で「ビー、ボジティブ」って言っても通じないだろうし「ビー」で始まる「楽天的、楽観主義」という意味の英単語も思いつけなかった。

 そういった意味を持つカタカナでも通じる英語で、かつ「ビ」の音で始まる単語をご存知の方がもしいたら、白旗を上げて文章を書き直すこともやぶさかではない。
原文:
 Are you the kind of person that thought someday Charlie Brown was actually going to kick the football when Lucy held it?

拙訳(修整前):
 君はきっと、いつかチャーリー・ブラウンもルーシーの持ってるサッカーボールを蹴ってくれると信じているタイプの人間だろうね。

 コメント欄で指摘を受けたのですでに記事は修正済み。しかし、まさか英語で「football」と来て、本当にフットボールを指しているとは思いもよらなかった。「当然、サッカーボールでしょ、蹴るって言ってるし」と調べもしなかった。完全敗北。

 スヌーピーを読んでたのは小学生の頃だったけど、ルーシーがフットボールを抱えている話ってあったっけなあ……ブランケットくわえてる子がいるのは覚えてるんだけど。

余談9:翻訳

 訳してみたい記事をちらほらと見つけたのでとりかかってる。ただ当たり前だけど仕事が優先されるわけでにんともかんとも。
復讐に燃えたファラオ/Vengeful Pharaoh - 基本セット2012 レア
Vengeful Pharaoh / 復讐に燃えたファラオ (2)(黒)(黒)(黒)
クリーチャー - ゾンビ(Zombie)
接死(それが何らかのダメージをクリーチャーに与えた場合、それだけで破壊される。)
あなたかあなたがコントロールするプレインズウォーカーに戦闘ダメージが与えられるたび、復讐に燃えたファラオがあなたの墓地にある場合、攻撃クリーチャー1体を対象とする。それを破壊し、その後、復讐に燃えたファラオをあなたのライブラリーの一番上に置く。
5/4
参照元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Vengeful+Pharaoh/

マジック2012のFAQから引用(註1):
 複数のクリーチャーが同時にあなたに戦闘ダメージを与える場合、《復讐に燃えたファラオ》は1回しか誘発しない。

(註1) マジック2012のFAQから引用
 原文では以下のURLへリンクが張られている(リンク先は英語)。
 http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/faq/m12

 日本語訳については以下の「マジック2012 よくある質問集」からの引用。
 http://www.wizards.com/dci/downloads/MTGM12_FAQ_JP.rtf

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0711
神盾の天使/Aegis Angel - 基本セット2012 レア
Aegis Angel / 神盾の天使 (4)(白)(白)
クリーチャー - 天使(Angel)
飛行
神盾の天使が戦場に出たとき、他のパーマネント1つを対象とする。それは、あなたが神盾の天使をコントロールしている限り、破壊されない。(”破壊する”と書かれた効果では、そのパーマネントは破壊されない。破壊されないクリーチャーは、ダメージによって破壊されない。)
5/5
参照元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Aegis+Angel/

マジック2012のFAQから引用(註1):
 他のプレイヤーが《神盾の天使》のコントロールを得た場合、後にそれのコントロールを取り戻したとしても、指定されたパーマネントは破壊されない状態ではなくなる。

(註1) マジック2012のFAQから引用
 原文では以下のURLへリンクが張られている(リンク先は英語)。
 http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/faq/m12

 日本語訳については以下の「マジック2012 よくある質問集」からの引用。
 http://www.wizards.com/dci/downloads/MTGM12_FAQ_JP.rtf

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0711
ウスーンのスフィンクス/Sphinx of Uthuun - 基本セット2012 レア
Sphinx of Uthuun / ウスーンのスフィンクス (5)(青)(青)
クリーチャー - スフィンクス(Sphinx)
飛行
ウスーンのスフィンクスが戦場に出たとき、あなたのライブラリーの一番上から5枚のカードを公開する。いずれかの対戦相手は、それらのカードを2つの束に分ける。一方の束をあなたの手札に加え、もう一方をあなたの墓地に置く。
5/6
参照元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Sphinx+of+Uthuun/

マジック2012のFAQから引用(註1):
 多人数戦においては、能力の解決時に束に分ける対戦相手をあなたが選ぶ。その対戦相手を対象にしているわけではない。カードは公開されるため、すべてのプレイヤーはそれを見て意見を言うことができる。

(註1) マジック2012のFAQから引用
 原文では以下のURLへリンクが張られている(リンク先は英語)。
 http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/faq/m12

 日本語訳については以下の「マジック2012 よくある質問集」からの引用。
 http://www.wizards.com/dci/downloads/MTGM12_FAQ_JP.rtf

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0711
堂々たる撤廃者/Grand Abolisher - 基本セット2012 レア
Grand Abolisher / 堂々たる撤廃者 (白)(白)
クリーチャー - 人間(Human) クレリック(Cleric)
あなたのターンの間、あなたの対戦相手は呪文を唱えられず、アーティファクトやクリーチャーやエンチャントの能力を起動できない。
2/2
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Grand+Abolisher/

マジック2012のFAQから引用(註1):
 《堂々たる撤廃者》は、戦場以外にあるアーティファクト・カードやクリーチャー・カードやエンチャント・カードの能力を起動することを妨げない(サイクリング等)。

(註1) マジック2012のFAQから引用
 原文では以下のURLへリンクが張られている(リンク先は英語)。
 http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/faq/m12

 日本語訳については以下の「マジック2012 よくある質問集」からの引用。
 http://www.wizards.com/dci/downloads/MTGM12_FAQ_JP.rtf

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0711
世界混ぜ/Scrambleverse - 基本セット2012 レア
Scrambleverse / 世界混ぜ (6)(赤)(赤)
ソーサリー
土地でないパーマネント1つにつき、プレイヤーを1人無作為に選ぶ。その後、各プレイヤーは自分が選ばれた各パーマネントのコントロールを得る。それらのパーマネントをアンタップする。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Scrambleverse/

マジック2012のFAQから引用(註1):
 《世界混ぜ》の解決が始まったら、その解決が終わるまで、プレイヤーは対応できない。例えば、あるクリーチャーの能力を起動するか否かを、そのクリーチャーのコントロールが誰に移るかを見て決めることはできない。

(註1) マジック2012のFAQから引用
 原文では以下のURLへリンクが張られている(リンク先は英語)。
 http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/faq/m12

 日本語訳については以下の「マジック2012 よくある質問集」からの引用。
 http://www.wizards.com/dci/downloads/MTGM12_FAQ_JP.rtf

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0711
【翻訳】開発部の許容範囲/Engineering Tolerance【Daily MTG】
Tom LaPille
2011年7月15日
元記事:http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/ld/151

 今までに高層ビル群を見たことはあるだろうか?

 高層ビルは常に強い横方向の風にさらされている。そのため高層ビルの最上部は構造的完全性を妨げずに元の位置からいずれの方向へも数フィートの幅を揺れ動けるようになっている。

 もし君が高層ビルの設計者に、あなたの設計した高層ビルが今この世界のどこにあるかを数センチの単位で教えてください、などと尋ねたらおそらく変な顔をされるだけだろう。しかし、その手がけた高層ビルが、どれだけ前後左右に揺れる余地を持っているのかについてなら正確な値を返してくれるはずだ。

 ここ最近、私の記事の中で何度か言及してきたことだが、私はマジックのセットについて全ての面を把握しているわけではない。私がこれについて触れるたび、洪水のような批判を受ける。全てを把握せずにマジックを開発する責任を負っているのか、と人々は私に尋ねるのだ。

 まず初めに言っておきたい。リリース前にフォーマットがどのような変化を迎えるのかをあらかじめ知っているなどと主張したとすれば、思い上がりも甚だしいとしか言いようが無い。

 マジックは複雑だ。少なくとも数十万はいる消費者に対してそれを構築しているのはおよそ20名ほどのメンバーだ。自分たちが作っているものの全体像がどうなるかを把握することなど不可能だ。

 単純な話、絶対数が少なすぎるのだ。

 とはいえ、それでよいと思っている。

 マジックの開発における大きな秘密の1つに、自分たちが作っているフォーマットをその隅から隅まで理解している必要はない、ということが挙げられる。

 私たちの仕事は、そのフォーマットを間違いなく面白いものだと保証することだ。この仕事は幅広い知識を必要とするが、カード同士がどのように相互に影響するかを全て把握していなくても出来る仕事である。正しくは「決して知らずに済ませねばならない」ことなのだ。

 高層ビルの建築家と同じ手法を用いることで私たちはこの問題を解決している。フォーマットを構築する際に揺らぎを許容する余裕を設けておけば、構造的な面白さが固定されてしまうこともなくなる。また細部に至るまで全てを把握しておく必要もなくなる。

 これはありがたいことだ。なぜなら先に説明したとおり、細部まで全てを把握しておくことはそもそも不可能だからだ。

 私たち開発者がフォーマットに許容可能な余裕を持たせる方法の1つは、単体で使っても強くないが環境が大きく乱れたときに強さを発揮するカードを投入することだ。

 最近出たカードから1つ例をあげるとすれば《ヴァルショクの難民/Vulshok Refugee》だ。これは赤単色デッキが「対赤単色デッキ」に対するサイドボードカードとしてプレイされることを想定して開発されたカードだ。
Vulshok Refugee / ヴァルショクの難民 (1)(赤)(赤)
クリーチャー - 人間(Human) 戦士(Warrior)
プロテクション(赤)
3/2
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Vulshok+Refugee/

 構築デッキのミラーマッチでのみ強さを発揮するカードは興味深いバランスを生みだす。そのデッキがあまりに強く、ほとんどのプレイヤーがそれをプレイするようになった場合、多くのプレイヤーは自身のデッキをミラーマッチに備えて偏らせるようになる。

 しかしこの偏りはデッキの尖りを丸めてしまい、結果としてミラーマッチ以外の対戦にデッキが弱くなってしまうことへとつながる。基本セット2012には非常に赤単色デッキ向きな強カードが多く収録されている。

 そこで私たちはスタンダード環境に赤単色デッキを「共食い」させるカードがきちんと存在しているかどうかに気を遣った。

 他にも、環境のバランスが何かおかしくなっているときに他のデッキたちが強いデッキに追いつけるよう手助けしてくれるカードを作ったりもする。

 例えば、私たちは構築環境のデッキにある程度のクリーチャーが含まれている状態が好ましいと考えている。

 これは、私たちが特定のクリーチャーデッキに肩入れしている、というわけではない。ただ、何年もマジックを見続けてきた結果分かったこととして、クリーチャーが5体以下しか入っていないデッキばかりが活躍している環境のマジックを面白くないと感じるプレイヤーがほとんどだということだ。

 クリーチャーが多く入ったデッキに対して《否認/Negate》はイマイチなカードだ。逆にクリーチャーが少なめなデッキに対しては非常に強いカードとなる。

 《翻弄する魔道士/Meddling Mage》はコンボデッキに対して似たような役割を果たす。もし君のデッキが特定のカード1枚に依存しており、それが勝利へとつながるとどめのターンを演出する場合、《翻弄する魔道士/Meddling Mage》はその道筋を断ち切ることができる。これは普通の手段で戦いたいデッキが追いつく助けとなる。

 もちろん私たちはほとんどクリーチャーが入っていないデッキや相手との相互干渉が少ないコンボデッキが全てマジックにとって悪影響だと考えているわけではない。環境を支配するデッキ全てが上記のいずれかに属しているようなマジックは楽しくないだろう、と考えているだけだ。

 これらのカードに関して私がもっとも好きな点は、彼らが実際に狙い通り働いてくれたという点だ。まだ実際に《ヴァルショクの難民/Vulshok Refugee》をスタンダード環境で見かけるようになったわけではないが、私は赤単色デッキが活躍しているプロツアー名古屋でこいつらがたくさん使われているのを見た。

 基本セット2012は赤単色デッキに多くの新兵器を提供した。赤単色デッキはより強くそしてより広く使われるようになるだろうと私は予想している。それによって《ヴァルショクの難民/Vulshok Refugee》にスポットライトが当たることになるかもしれない。

 《否認/Negate》と《翻弄する魔道士/Meddling Mage》はすでに過去の例もあり、上手く働いてくれるであろうことに不安は無い。《否認/Negate》はスタンダードのコントロールデッキ同士のミラーマッチにおける非常に一般的な対策カードであるし、《翻弄する魔道士/Meddling Mage》はもう10年近くエクステンデッド環境を崩壊の運命から救い続けてきた。

 ときには彼らは同時に活躍することもある。

 例えば2009年の世界選手権におけるエクステンデッドはとんでもないコンボデッキの宝庫だった。超起源デッキ、ドレッジ、暗黒の深部デッキ、そして風景の変容デッキといった具合だ。

 クリーチャーデッキたちはこの総攻撃に対してどのような手をとったのか?

 彼らの多くは前述の2枚のカードを用いた。以下にあげる例は、くだんの大会でOsamu Fujitaや他の日本の強豪プレイヤーが成功を収めたデッキだ。

 ---------------------------------------------------------------------
 Saito Zoo Extended - 2009 World Championships

 メインデッキ 60枚

 土地 23枚

  4 《乾燥台地/Arid Mesa》
  1 《森/Forest》
  1 《神聖なる泉/Hallowed Fountain》
  1 《島/Island》
  4 《霧深い雨林/Misty Rainforest》
  1 《平地/Plains》
  1 《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》
  4 《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
  1 《蒸気孔/Steam Vents》
  2 《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》
  2 《寺院の庭/Temple Garden》
  1 《樹上の村/Treetop Village》

 クリーチャー 20枚

  4 《悪斬の天使/Baneslayer Angel》
  4 《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》
  4 《貴族の教主/Noble Hierarch》
  4 《タルモゴイフ/Tarmogoyf》
  4 《野生のナカティル/Wild Nacatl》

 その他 17枚

  4 《バントの魔除け/Bant Charm》
  4 《稲妻/Lightning Bolt》
  3 《稲妻のらせん/Lightning Helix》
  4 《流刑への道/Path to Exile》
  2 《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》

 サイドボード 15枚

  4 《翻弄する魔道士/Meddling Mage》
  4 《否認/Negate》
  4 《貪欲な罠/Ravenous Trap》
  3 《トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt》
 ---------------------------------------------------------------------

 私たちはまたリミテッドでも同様の手段をとる。

 例えば、基本セット2012だ。これには潜在的に大きな力を秘めたオーラが多数収録されている。そしてこのセットには通常よりもオーラをつけて欲しいと自己主張しているクリーチャーもまた多く存在している。

 《歯止め/Stave Off》は元々強力なコンバットトリックではあるが、私たちはプレイテストを通じてこれがオーラをはがせるという点でも強いということを発見した。

 また同じ理由から、基本セット2012における《帰化/Naturalize》は今までのコアセットにおけるそれよりも強力だということに気がついた。

 このことから、デベロップメントリーダーとして、私たちの想定よりもオーラが強すぎたときのためにオーラを除去する手段が通常よりも多く用意されているかどうかをきちんと確かめておく必要がある、と感じた。

 青には《送還/Unsummon》と《霊気の達人/AEther Adept》があった。これらは両方とも元々強く、またオーラに対してもよく働いてくれる。白には《啓蒙/Demystify》が用意されていた。《啓蒙/Demystify》をメインから投入したいかと聞かれると疑問符がつくが、それはそれでいい。誰かがそれを必要とすることがあり得るなら、それだけで十分だ。

 基本セット2012のオーラたちがどれほどの強さを発揮してくれるかはまだよく分からない。しかし私はそれらがいかに強力であったとしても対処する手段が十分に用意されていることに満足している。

 基本セット2012には3人の新たなプレインズウォーカーが収録されている。《炬火のチャンドラ/Chandra, the Firebrand》、《原初の狩人、ガラク/Garruk, Primal Hunter》、そして《記憶の熟達者、ジェイス/Jace, Memory Adept》だ。彼らはすでに多くの注目を集めている。

 記事を書くに当たって、これら3枚の強さを順位付けしたくなるのは当然の欲求だ。先日、基本セット2012のデザインリーダーであるMark Globusが私に教えてくれたところによると、3枚の順位付けは6通りのパターンがあるが、どの組み合わせも一度は誰かの記事に登場しているらしい。

 それぞれの主張する強さの順位がいずれであるかはさておき、これら3人のプレインズウォーカー全員について議論することを誰もが楽しんでいる。そうであることを私は非常に喜ばしく思っている。

 私も自分の中で「正しいと思われる強さの順位付け」を持っているが、同時に、それぞれの強さの上限と弱さの下限についても把握しているつもりだ。3枚のカードの強さが私の想定する許容範囲に収まっていてくれるのであれば、私の順位付けがどう間違っていようと一向に構わない。

 マジックと高層ビルの共通点について話してきたが、実際に揺らいだ際の動きについては、これらは大きく異なってくる。

 高層ビルとマジックのセットは、いずれも許容範囲について頭に入れておく必要がある。高層ビルは風の力に負けて倒れてしまわないように揺らぐ余地が用意されている必要がある。

 しかしそうだとしても、実際にビルの中にいる住居者は、ビルが強い風にさらされているときに足元の床が揺れることを歓迎することはないだろう。

 さてこれがマジックの場合はどうかというと、マジックの楽しさはまさにその揺らぎ、つまりは変化にあるのだ。マジックに変化を与えるために私たちがとるもっともよく知られた手段は新たなカードをリリースすることだ。

 しかし既存のカードに新たな使われ方が発見されることもまた、同じくらいマジックの変化に貢献してくれる。この種の変化についてもっともよい例と思われるのは、スタンダード環境におけるタイタンたちだろう。

 《原始のタイタン/Primeval Titan》はそのリリース当初から《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle》を戦場に引っ張り出しているが、その他のタイタンについてはまだ未知の部分が多くあり、スタンダード環境から姿を消したり現れたりしている状態だ。

 最初の頃、《霜のタイタン/Frost Titan》は多くのプレイヤーにイマイチと思われていたが、その後、青赤緑デッキで広く用いられるようになった。《霜のタイタン/Frost Titan》に出番が来たことを私が喜ばしく思ったそのとき、また別のプレイヤーたちは同じスロットに《業火のタイタン/Inferno Titan》を採用していた。

 数ヶ月の間、《太陽のタイタン/Sun Titan》は居場所を見つけられずにいた。しかし《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》がその強さを明らかにし始め、それに対してプレイヤーたちが追加の対策カードとして《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》を用いることにしたとき、《太陽のタイタン/Sun Titan》はベレレンを復活させるべく出番が訪れた。

 《墓所のタイタン/Grave Titan》はしばらくのあいだ青黒コントロールデッキにおけるフィニッシャーとして用いられていたが、この種の青黒デッキは環境の移り変わりの中で強くなったり弱くなったりしていた。

 こういった不確定性がマジックを新鮮に保つ助けとなってくれている。

 マジックに変化する余地が用意されていなかったら、こういった不確定性は生まれない。マジックの環境をすぐに先が読めるように作ることは可能だ。しかしそれはいいアイデアだとはとても思えない。

 ワシントン州レントンにある事務所の3階にいる20人のメンバーが3ヶ月で読み解けるようなフォーマットを作ったとしよう。世界に散らばる数百や数千のプレイヤーたちの手にかかれば、わずか数週間でフォーマットは解き明かされてしまうだろう。

 絶望的なまでにつまらない環境が予想される。

 さて、それを念頭に置いた上で、基本セット2012のリミテッドにおいて私がいまだ確信が持てていない点をあげてみた。

 ・《松明の壁/Wall of Torches》をサイドからメインへ移すことがどれほどあるのか
 ・《肉体のねじ切り/Wring Flesh》のピック順位の高さはどれほどなのか
 ・このセットにおける最強のコモンがどれなのか

 上記のいずれの場合についてもこうだという確信はない。しかしそう悪いことにはならないだろう、と思っている。

 私自身は《松明の壁/Wall of Torches》をサイドから入れたことはないし、入れるべきだとはあまり思わない。しかし数週間後のアメリカ選手権で、赤青デッキをドラフトしたプレイヤーがサイドから《松明の壁/Wall of Torches》を投入したとしても驚きはしないだろう。

 《肉体のねじ切り/Wring Flesh》が良いカードであることは分かっているが、良いクリーチャーカード(例えば《男爵領の吸血鬼/Barony Vampire》)よりも優先してとるほどのカードであるかどうかについては自信がない。

 今までの経験では、そこそこ使える程度のコンバットトリックよりかはクリーチャーを優先してピックしてきた。しかしタフネス1のクリーチャーを除去できるカードは過去のコアセットよりも基本セット2012において貴重なものだし、黒デッキに関しては戦闘でブロックされる可能性が今までよりも高いということもある。

 昨日まで、リミテッドで使われるコモンのベスト3は私の中で出そろっていた。しかしErik Lauerと話し合った結果、どれだったかは思い出せないが、そのうちの1枚は考慮に値しないという結論に達した。

 マジックのデベロップメントチームの仕事はマジックを遊んで楽しいものにすることだ。確かにこの作業にはマジックに関する高度で技術的なノウハウが必要とされる。

 しかしそれは決して細部に至るまで全てを把握していなければならないということではない。全てのものを揺るぎなく打ちつけてしまうのではなく、全てのものにどれだけの揺らぐ余地があるのかを見つけておくことに労力を注いでいるのだ。

 見定めた余地の限界内にものごとが収まってくれている限り、私たちは満足だ。

 そしてそれで十分だ。
余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 新セット恒例のFAQ週間。分かっているつもりと思っていてもあらためて読むと色々発見があるので、やっぱり一度は目を通しておいたほうが良さそう。わざわざ日本語版を用意してもらってるんだし。

余談2:月曜日 《復讐に燃えたファラオ/Vengeful Pharaoh》

 さすがのファラオ様も一度にプレイヤーとプレインズウォーカーの2人は守れない、という話。

 イメージ的にはどういうことなんだろう。

 プレイヤーの寝込みを襲いに来た敵が「もらったぁ!」とベッドに爪や牙を振り下ろしたら、触れた先から体がボロボロと崩れてしまって「な、なんだこれは」と恐慌状態に陥っているところに、身代わりに寝床に入っていたファラオ様が高笑いしつつ現れるのかな。

余談3:火曜日 《神盾の天使/Aegis Angel》

 名前と能力のかみ合い方よりも「Aegis/イージス を 神盾 と訳すのか……!」という驚きが勝つ感じ。ちなみに読みは「しんじゅん」。何か元ネタというか由来とかあるんだろうか。

余談4:水曜日 《ウスーンのスフィンクス/Sphinx of Uthuun》

 《ウスーンのスフィンクス/Sphinx of Uthuun》は出たときに1回だけ山札の上の5枚から好きなカードを2~3枚くらい引ける7マナで5/6の飛行クリーチャー。《聖別されたスフィンクス/Consecrated Sphinx》は出て2ターン生き残れば山札の上から4枚カードが引ける6マナで4/6の飛行クリーチャー。

 うーん。とりあえず名前は神話レアのスフィンクスの圧勝かな。

余談5:木曜日 《堂々たる撤廃者/Grand Abolisher》

 「Grand」を「堂々」と訳したのかー、というのが印象的だったクリーチャー。「Grand」ってカードの雰囲気に合わせて色々な訳が為されているので、調べてみると面白いかもしれない。ちなみに《堂々たる抵抗》の英語名は《Noble Stand》で、《堂々巡り》の英語名は《Circular Logic》。

余談6:金曜日 《世界混ぜ/Scrambleverse》

 この訳は素直に凄いと思った。

余談7:ビートダウン VS ビートダウンはあり得ない/Who’s The Beatdown?

 うーん……やっぱりいい記事は誰かしらがすでに対応しているものなんだな……。
ギデオン・ジュラ/Gideon Jura - 基本セット2012 神話レア
Gideon Jura / ギデオン・ジュラ (3)(白)(白)
プレインズウォーカー - ギデオン(Gideon)
[+2]:対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーの次のターンの間、そのプレイヤーがコントロールするクリーチャーは可能ならギデオン・ジュラを攻撃する。
[-2]:タップ状態のクリーチャー1体を対象とし、それを破壊する。
[0]:ターン終了時まで、ギデオン・ジュラは6/6の人間(Human)・兵士(Soldier)クリーチャーになる。それはプレインズウォーカーでもある。このターン、彼に与えられるすべてのダメージを軽減する。
6
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Gideon+Jura/

 ほとんどのプレインズウォーカーとは異なり、ギデオンは戦闘に自ら乗り込むことを躊躇しません。ギデオンが手にするのは、三枚の刃を持った鞭のような武器、スーラです。これは彼が呪文を唱える際の集中の道具ともなります。また彼は聖なる正義の魔法である神聖術を操ります。(註1)

(註1) 文章について
 原文は公式サイトにあるプレインズウォーカー紹介記事からの抜粋で、上記の日本語訳はそれに対応している日本語公式訳からの引用。ちなみに、以下がそのプレインズウォーカー紹介ページ(註2)へのリンク。
 http://www.wizards.com/Magic/Multiverse/planeswalkers.aspx

(註2) 言語について
 ページの一番下にある「Select Language/Country」から日本語/英語の切り替えが可能。一応紹介しておくと、以下が言語と地域を選択するページへのリンク。
 http://www.wizards.com/Magic/Languages.aspx

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0711
記憶の熟達者、ジェイス/Jace, Memory Adept - 基本セット2012 神話レア
Jace, Memory Adept / 記憶の熟達者、ジェイス (3)(青)(青)
プレインズウォーカー - ジェイス(Jace)
[+1]:プレイヤー1人を対象とする。あなたはカードを1枚引く。そのプレイヤーは、自分のライブラリーの一番上のカードを自分の墓地に置く。
[0]:プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは、自分のライブラリーの一番上から10枚のカードを自分の墓地に置く。
[-7]:望む数のプレイヤーを対象とする。それらのプレイヤーはそれぞれカードを20枚引く。
4
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Jace%2C+Memory+Adept/

  ジェイス・ベレレンはいつでも好奇心に勝てません。 魔法を操る神童として、彼は魔道士アカデミーの他のどの生徒よりも魔術を深くまで掘り下げ、教師が彼を不審に思うほどの場所にまで到達するに至りました。
 精神魔法の達人として、彼は自らの能力で他人の精神を覗き込み、その中から堅く閉じられた秘密すら見つけるに至りました。(註1)

(註1) 文章について
 原文は公式サイトにあるプレインズウォーカー紹介記事からの抜粋で、上記の日本語訳はそれに対応している日本語公式訳からの引用。ちなみに、以下がそのプレインズウォーカー紹介ページ(註2)へのリンク。
 http://www.wizards.com/Magic/Multiverse/planeswalkers.aspx

(註2) 言語について
 ページの一番下にある「Select Language/Country」から日本語/英語の切り替えが可能。一応紹介しておくと、以下が言語と地域を選択するページへのリンク。
 http://www.wizards.com/Magic/Languages.aspx

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0711
ソリン・マルコフ/Sorin Markov - 基本セット2012 神話レア
Sorin Markov / ソリン・マルコフ (3)(黒)(黒)(黒)
プレインズウォーカー - ソリン(Sorin)
[+2]:クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。ソリン・マルコフはそれに2点のダメージを与え、あなたは2点のライフを得る。
[-3]:対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーのライフの総量は10点になる。
[-7]:プレイヤー1人を対象とする。あなたはそのプレイヤーの次のターンの間、そのプレイヤーをコントロールする。
4
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Sorin+Markov/

 ソリンは見識が広く、知識が豊富です。何千年もの間に何百もの次元を見てきた彼は、やがて目新しさと新たな気晴らしを求める、いわば一種の享楽家になっていきました。
 しかしソリンは、彼の快楽主義的な基盤にもかかわらず、さらに長く続く物事を追うことに惹かれていきます。そして彼の長い生命の中で、それは広範囲の次元同士を交戦し侵略させようとする秘儀的な計画へと結実していきます。(註1)

(註1) 文章について
 原文は公式サイトにあるプレインズウォーカー紹介記事からの抜粋で、上記の日本語訳はそれに対応している日本語公式訳からの引用。ちなみに、以下がそのプレインズウォーカー紹介ページ(註2)へのリンク。
 http://www.wizards.com/Magic/Multiverse/planeswalkers.aspx

(註2) 言語について
 ページの一番下にある「Select Language/Country」から日本語/英語の切り替えが可能。一応紹介しておくと、以下が言語と地域を選択するページへのリンク。
 http://www.wizards.com/Magic/Languages.aspx

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0711

1 2

 

お気に入り日記の更新

この日記について

日記内を検索