ゴブリンの試験操縦士/Goblin Test Pilot - ドラゴンの迷路 アンコモン
Goblin Test Pilot / ゴブリンの試験操縦士 (1)(青)(赤)
クリーチャー — ゴブリン(Goblin) ウィザード(Wizard)
飛行
(T):クリーチャー1体かプレイヤー1人を無作為に選んで対象とする。ゴブリンの試験操縦士はそれに2点のダメージを与える。
0/2
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Goblin+Test+Pilot/

 ドラゴンの迷路 FAQ(註1)より
 《ゴブリンの試験操縦士》は、自分の能力の適正な対象である。

(註1) ドラゴンの迷路 FAQより
原文には以下のURLへのリンクが張られている。
http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/faq/dgm

日本語版は以下で参照できる。
http://media.wizards.com/images/magic/tcg/products/dgm/JP_MTGDGM_FAQ_20130321.doc

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0513
反逆の混成体/Renegade Krasis - ドラゴンの迷路 レア
Renegade Krasis / 反逆の混成体 (1)(緑)(緑)
クリーチャー — ビースト(Beast) ミュータント(Mutant)
進化(いずれかのクリーチャー1体があなたのコントロール下で戦場に出るたび、そのクリーチャーのパワーかタフネスがこのクリーチャーよりも大きい場合、このクリーチャーの上に+1/+1カウンターを1個置く。)
反逆の混成体が進化するたび、あなたがコントロールする+1/+1カウンターが置かれている他の各クリーチャーの上に、それぞれ+1/+1カウンターを1個置く。
3/2
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Renegade+Krasis/

 ドラゴンの迷路 FAQ(註1)より
 《反逆の混成体》の最後の能力は、その進化能力が解決すること以外の理由によって+1/+1カウンターがそれの上に置かれた場合には誘発しない。

(註1) ドラゴンの迷路 FAQより
原文には以下のURLへのリンクが張られている。
http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/faq/dgm

日本語版は以下で参照できる。
http://media.wizards.com/images/magic/tcg/products/dgm/JP_MTGDGM_FAQ_20130321.doc

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0513
腐敗農場の骸骨/Rot Farm Skeleton - ドラゴンの迷路 アンコモン
Rot Farm Skeleton / 腐敗農場の骸骨 (2)(黒)(緑)
クリーチャー — 植物(Plant) スケルトン(Skeleton)
腐敗農場の骸骨ではブロックできない。
(2)(黒)(緑),あなたのライブラリーの一番上から4枚のカードをあなたの墓地に置く:腐敗農場の骸骨をあなたの墓地から戦場に戻す。この能力は、あなたがソーサリーを唱えられるときにのみ起動できる。
4/1
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Rot+Farm+Skeleton/

 ドラゴンの迷路 FAQ(註1)より
 あなたのライブラリーの一番上から4枚のカードをあなたの墓地に置くことは、《腐敗農場の骸骨》の能力の起動コストの一部である。プレイヤーが対応できる前に、その4枚のカードはあなたの墓地に置かれている。

(註1) ドラゴンの迷路 FAQより
原文には以下のURLへのリンクが張られている。
http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/faq/dgm

日本語版は以下で参照できる。
http://media.wizards.com/images/magic/tcg/products/dgm/JP_MTGDGM_FAQ_20130321.doc

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0513
前編
http://regiant.diarynote.jp/201305061531295027/

バルソー誕生秘話

 デザインをする中で好きな作業の1つに、既存のイメージに合わせてデザインするというのがある(制約と創造性。ふむふむ)。これが当てはまるのは特に伝説のクリーチャーをデザインするときだ。

 しばしば背景ストーリーにはレギュラーとなるキャラがいて、クリエイティブ・チームからそのキャラをカード化して欲しいという依頼がくるわけだ。

 バルソーはその2つのバージョン両方ともについて、依頼がきた。

 バルソーが特別だったのは、彼がブロックの背景ストーリー半ばで一度死に、ゾンビと化して蘇ってくるということが分かっていたことだ。同じブロック内で同じ伝説のクリーチャーを2バージョン作るというのはそうそうあることじゃない。

 アーテイ、クロウヴァクス、カマールなどは違うバージョンをまったく違う時期にデザインされたものだ。しかしバルソーは隣り合う2つのセットで登場することになっており、違うバージョンを一気にデザインするという貴重な機会をついに得られたわけだ。

 どういうことかというと、私たちは2枚のカードを使ってキャラクターの対照性を表現する機会が得られたということだ。さらに、クリエイティブな面でリンクさせる以上は、同時にメカニズム的な意味でもリンクさせないと美意識が許さない。

 私たちはまずは「生きている」ときのバルソーから考えてみることにした。

 たしかこんな会話だった気がする(クリエイティブチーム側の面子が誰だったかはっきりと覚えてはいないけど、確かブランドンだったと思う)

 私:バルソーについて教えてくれよ。
 ブランドン(以下、ブ):彼はバーバリアンのリーダーなんだ。
 私:あれ? バルソーってドワーフじゃなかったっけ?
 ブ:そうだよ。
 私:ドワーフのバーバリアンたちを率いてるってこと?
 ブ:いや、バーバリアンたちは人間だよ。
 私:ドワーフは?
 ブ:なんのドワーフだよ?
 私:いや、バルソーはドワーフだろ? じゃあ少しはドワーフの知り合いがいるはずだ。
 ブ:彼はドワーフの仲間から追放されたんだよ。
 私:なんだって? ドワーフが仲間外れにされてるんだって? そりゃキツイな。
 ブ:だろうね。
 私:まあいいや、彼はバーバリアンのリーダーなんだね。……他には?
 ブ:えーと、そうそう、彼はカマールの師匠的な存在なんだ。
 私:……他には?
 ブ:それくらいかな。
 私:バーバリアンのリーダーであり、かつ師匠であるドワーフをデザインするわけか。
 ブ:基本的にはね。
 (沈黙)
 私:うん、助かったよ。

 バーバリアンのリーダーということで私は「他のバーバリアン(Barbarian)・クリーチャーは+1/+1の修整を受ける」に辿り着いた。師匠うんぬんは、バーバリアンのパワーをパンプさせる能力を思い付かせてくれた。

 次に私は黒バージョンにとりかかることにした。

 死んだあとのバージョンは少し「悪い」感じになっている。さらにアンデッドということもあって、こいつは「黒」になった。

 カードに関連性を持たせるため、私は並行性のあるデザインを試みたかった。つまり、ゾンビ版バルソー(当時はそう呼ばれていた)も特定のクリーチャータイプに+1/+1の修整を与えつつ、かつそのクリーチャータイプにだけ何らかの効果のある能力を持たせたかったのだ。

 前半部分について、ミニオンを思い付くのにそう時間はかからなかった。ストーリーとも合致するし、過去にロードが存在しなかった種族でもある(生きている方のバルソーが強化するバーバリアンも、過去にロードが存在しなかった種族だ)。

 起動型能力については色々と試してみたがどうしてもしっくりこなかった。そこで私はブランドンの元へ戻り、背景ストーリーについてさらに聞き込みをしてみた。そうして得られたアイデアが「バルソーが自身の軍勢をまるごと復活させる」というものだ。

 元々は単に黒のクリーチャーだけを復活させるというものだったが、2枚のカードを見比べているうちに、バーバリアンとミニオンの両方を釣りあげられるようにしてはどうだろう、
というアイデアが閃いた。

 《汚らわしき者バルソー/Balthor the Defiled》のテキストに「赤のクリーチャー」が加わっているのはこういうわけだ。そんなこんなで伝説のドワーフは生まれ、そして死に、さらに2度目の生を受けたというわけだ。


ドワーフの狂戦士、「ドワーフの(Dwarven)」について語る

 ちょっと手を止めてこのゲームに出てくるドワーフのカード名を見てくれ。その3分の2が「ドワーフの」で始まるんだ……って、3分の2だと!? カード名で俺たちがドワーフだって念を押すのがそんなに大事か? 俺たちゃ、みんな、3フィートであごひげ生えた連中だってんだよ。そんなんイラストがあれば十分分かるだろうが。

 で、本当の理由を知りたいか? 人間様は俺たちに固有の名前をつけたくないんだよ。俺たちが個別に独立独歩した存在だと思って欲しくねえんだ。だからこれからも《ドワーフの剣職人/Dwarven Swordmaker》とか《ドワーフのチビすけ/Dwarven Pissed Off Little Guy》みたいな面白いカード名が出てくるんだろうよ。

 楽しみにしてな。


注意深くあれ

 ここで語るのは、私がどうやって試合に勝ったかという話だ。

 話を始める前にあらかじめ言っておくと、この話はきっと論争を呼ぶだろうね。上手いプレイングだったと思う人もいるだろうし、私をクズだと思う人もいるだろう。だからこそ掲示板があるんだ。今週のスレで自由に議論して欲しい。私のプレイングが優れたものだったのか、それとも単に初心者を馬鹿にしたものだったのか。

 それはさておき、ここからが本題だ。

 そのときの私はミラージュのシールド戦に参加していた。対戦相手のライフを残り6点まで減らしていたが、地上はこう着状態におちいっていた。さて、私の手札には《卑屈な幽霊/Skulking Ghost》がいた(知らない人のために付け加えておこう。これは2/1の飛行クリーチャーで、何かの対象にされたとき生け贄に捧げなくてはならない)。この幽霊の攻撃が3回ヒットすれば私の勝ちだ。

 問題は対戦相手側に立ちつくしているドワーフだった。

 それは《ドワーフの放浪者/Dwarven Nomad》だった。ミラージュにおける《ドワーフの戦士団/Dwarven Warriors》の同型再販であり、クリーチャーを対象にとるタップ能力を持っている。

 つまり私の《卑屈な幽霊/Skulking Ghost》を殺すことができるクリーチャーだ(なおタップ能力は「パワーが2以下のクリーチャー1体を対象とする。それはこのターン、ブロックされない」だ)。

 私は幽霊を手札に残しておいた。しかし試合を続けるにつれ、彼のプレイングを見る限りとおそらく彼は《ドワーフの放浪者/Dwarven Nomad》の使い道に気づかないのではないかと思えてきた。

 そこで私は《卑屈な幽霊/Skulking Ghost》を戦場に出すことにした。私の予想通り、続く3ターンの攻撃は邪魔されることなく相手にヒットし、相手は自分の目の前に解決策があることに気づくことは最後までなかった。

 試合終了後、いい試合だったねと声をかけてから、彼のミスについて指摘した。

 さて、一番の論点は何かというと、ボード上の展開の予想を対戦相手のプレイスキルの高低で判断したのは、スポーツマンシップの乗っ取った行為だったのか、それとも単に私が人間のクズだったのか?

 ぜひとも論じてみて欲しい。


我がドワーフ的人生(その3)

 ドワーフは怒りをコントロールする能力に乏しいことで有名だ。なぜだろうね。

 私の私見だが、おそらくそれは彼らの身長に関係があるのだと思う(心理学ではこれを「ナポレオン・コンプレックス」と呼んでいる)。どうしてそれが分かるのかって? 私自身もそうだったからだ。

 Randy Newnanが差別的なネタの歌を書いたのは1977年の12月のことだった。大した罪の意識もなく、彼はいかにチビであることが損なことかについて風刺的な歌詞をつづったのだ。

 歌の題名は「Short People(チビな奴ら)」というもので、その歌詞は「小さな手、小さな目、だけどデッカいホラを吹く(They got little hands; little eyes. They walk around telling great big lies)」さらに「チビに生きる資格ナシ(short people got no reason to live)」というようなものだった。

 1977年の当時、私は10歳だった。皮肉というものがまだ理解できる年齢ではなかった(メモ:子供にとって一番理解しがたいジョーク、それは皮肉だ)。

 私にとってRandy Newnanは悪だった。

 背の低い子供をどん底におとしめるにはどうしたらいいと思う?簡単なことさ。チビが最悪だ、という歌を全員で歌って聞かせればいいんだ。大人も一緒さ(傷ましい話だと思ってもらえるかな?)

 皆はさぞかし楽しかっただろうね。私? Randy Newmanを憎悪したよ。当時、他の誰よりも彼を憎んだね。彼は単なる意地悪な上級生か何かじゃなかった。彼は人気歌手だったんだ。

 もし私が短気なドワーフだったら、そして私の手に高品質の剣が握られていたら、間違いなく彼を亡きものにしただろうね(チビに生きる資格なしだって? 違うね! それはお前だよ!)

 関係者全員にとって幸いだったのは、私が短気なドワーフではなかったということだ。


件名:お忙しいところ、失礼します

親愛なるマーク・ローズウォーター様

 私の名前はジョクルールと申します。私はドワーフ組合の組合長を勤めさせていただいております。同胞がゲーム内にて適切かつ正確な描写で描かれるよう提言するのは私の役目と思われます。

 私たちの懸念するところはつまるところ以下の3点に集約されます。ご参照ください。

1.偏見について
 ドワーフのステレオタイプについておふざけが過ぎるように思われます。お気づきと思いますが、怒りっぽくてチビで、高品質の武器を振り回したり火を放ったりして、物を破壊したり爆破したりするというあれです。

2.カードの強さについて
 人気のあるカードになるためにはどうすればよいか? 構築で使われるレベルの強いカードに登場すべし、ということを私と同胞たちはよく理解しております。私自身は、すべてのドワーフカードがすべからくそのレベルにあるべきだとまでは考えておりません。しかしトーナメントシーンに出番がないというのは、ファンタジー世界の古参種族として正しい扱いを受けていないということである、と感じます。

3.頻度について
 繰り返しますが、ドワーフはファンタジーの鍵となる種族です。よってエキスパンションごとに少なくとも3枚もしくはそれ以上のドワーフカードが収録されるのがあるべき姿ではないかと考えています。

 他の組合は絶え間ない督促であなた様を煩わせているものと思われます。しかし私はそのような真似はしたくありません(このことからも「ドワーフは理性のない直情的な存在である」というステレオタイプが実存に基づくものでないことがお分かりになると思います)。

 私たちの抱える問題については理解していただけたものと信じています。そして上記の3点について、ファンタジーの主要種族に対する当然の振る舞いとして、漏れなく対応していただけるであろうことも、信じております。

 心からの感謝とともに、
 ジョクルールより


ドワーフに聞いてみよう

問い:ドワーフの複数形は?

《Dwarven Armorer》
「一塊のドワーフ」

《ドワーフ自警団/Dwarven Vigilantes》
「知らねえよ。一山のドワーフ? そもそも知りたい奴なんていねえだろ」

《ドワーフの兵卒/Dwarven Grunt》
「ドワーフの群れ」

《Dwarven Sea Clan》
「汚らしいドワーフたち」

《パーディック山の刀工/Pardic Swordsmith》
「怒れるドワーフたち」

《ドワーフ徴募兵/Dwarven Recruiter》
「ドワーフの群れ」

《ドワーフの狂戦士/Dwarven Berserker》
「ドワーフのケツだらけ」

《Dwarven Weaponsmith》
「少な目のドワーフ」

《ムチ打ち人/Whipkeeper》
「いっぱいのドワーフ」

《ドワーフ巡視部隊/Dwarven Patrol》
「群なすドワーフ」

《沸血のドワーフ/Bloodfire Dwarf》
「雪崩のようなドワーフ」


一寸法師にも五分の魂

 今現在、32体のドワーフが確認されている(もちろんマジック世界のドワーフの話だ。現実世界には32体以上いる)。さてその中で優れたデザインのドワーフといえば? その質問を待っていたよ。そろそろ「マジックザギャザリング ドワーフ・ベスト10」を決めるべきときだろうからね。

第10位《ドワーフ爆破作業班/Dwarven Demolition Team》
カードデータ:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Dwarven+Demolition+Team/
 ベスト10にこれが滑り込んだ理由は、もっともフレイバー的にもっとも優れたドワーフだからだ。壁が立ちふさがってるって? 誰を呼ぶべきかは明白じゃないか。

第09位《地雷の敷設者/Mine Layer》
カードデータ:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Mine+Layer/
 このカードがベスト10に入った理由もまた優れたフレイバーによるもので、さらにメカニズムによる表現も素晴らしい。プレイに際して、対戦相手に興味深い選択を強いるという点でも面白い。相手は土地をあと1回しか使えない状態になってしまうのだから。

第08位《爆弾兵団/Bomb Squad》
カードデータ:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Bomb+Squad/
 元々はゴブリンのためにデザインされたカードだが、これこそまさにドワーフの冗談的な要素の極地だ。私はこのカードの「導火線に火をつけて、あとは爆発までただ待つだけ」というフレイバーが大好きだ。またこのカードは私がよいデザインに求めるものを持っていて、それはプレイヤーにアクションを要求するという点だ。クリーチャーAとBとCは4ターン後に爆発するらしい。さあ、どうする?

第07位《Dwarven Weaponsmith》
カードデータ:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Dwarven+Weaponsmith/
 ベストテンに取り上げたカードを見直してると、メカニズムそれ自体から素晴らしいフレイバーが伝わってくるカードがいかに多いかに気づかされるね。どんなアーティファクトからでも鎧を作り出してプレイヤーに提供してくれる、というのはとても面白いと思う。《Dwarven Weaponsmith》が《Dwarven Armorer》よりも上位にきた理由は、アーティファクトを材料に鎧を作る、ということのほうが、手札を材料に鎧を作るよりも、より豊かなフレイバーにあふれているからだ。

第06位《ドワーフの秘術師/Dwarven Thaumaturgist》
カードデータ:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Dwarven+Thaumaturgist/
 R&Dの誰でも知っていることだが、私はこの「パワーとタフネスをひっくり返すカード」が大好きだ。この面白い効果の元祖は黒だった(レジェンドの《Transmutation》がそれだ)が、それを赤に導入してくれたのがこのチビ助だ(そういえば今現在ではどこに属している能力なんだろうね。自身のパワーとタフネスを交換する、という能力なら青にあるようだけど)。

第05位《ムチ打ち人/Whipkeeper》
カードデータ:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Whipkeeper/
 私がこのカードを好きな理由は、そのメカニズムが他にプレイしているカードに大きく依存するためだ。もし君が他にダメージソースを多く抱えているなら、このカードの評価は上がる。しかしそうでないならイマイチなカードとなってしまう。他のカードに大きく依存するため、デッキを作る段階でプレイヤーに選択を強いる。そういうカードが私は大好きなのだ。

第04位《ドワーフ巡視部隊/Dwarven Patrol》
カードデータ:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Dwarven+Patrol/
 この《ドワーフ巡視部隊/Dwarven Patrol》が第4位に入った理由は、そのデメリットのデザインが素晴らしいと感じられたからだ。カード自体が使えないというほどひどくはないが、いざ使おうとすると、思っていたほど簡単じゃないことに気づく。

第03位《ドワーフ鉱夫/Dwarven Miner》
カードデータ:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Dwarven+Miner/
 デザインを経験すればするほど、シンプルでエレガントなカードに惹かれるようになる。ルールテキストを4つの単語(Destroy target nonbasic land)に収めるのは簡単な仕事ではない。しかもそれが実にドワーフらしいフレイバーもあわせ持つとなればなおさらだ。

第02位《ドワーフ自警団/Dwarven Vigilantes》
カードデータ:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Dwarven+Vigilantes/
 このカードは実にその名の表すところに忠実な能力を持っている。R&Dが俗に「Vigilante Ability」と呼んでいるもので、相手プレイヤーにダメージを与えるかわりに他のクリーチャーに移し替える能力のことだ。またこのカードは実際のプレイにおいても興味深い働きをみせてくれる。

第01位《ドワーフ戦士団/Dwarven Warriors》&《ドワーフの放浪者/Dwarven Nomad》
カードデータ:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Dwarven+Warriors/
 成功したデザインとは、一見弱く見えるが実際に使ってみると実は強い、というカードだ。それよりも作るのが難しいのは、一見強そうに見えるが実際に使ってみると実は弱い、というカードだ。それよりもさらに作るのが難しいのは、一見強そうに見えて、実は弱くて、それでもなおプレイヤーたちに愛されるカードだ。

 そういった意味で、この《ドワーフ戦士団/Dwarven Warriors》が成し遂げた偉業は、どれほど賛辞してもし過ぎるということはない。マジックを遊び始めた頃、このカードはとても強く見えたはずだ(この記事を読んでくれている初心者の君へ。気をつけたまえ。君が思っているほどにこのカードは強くないぞ。嘘じゃない)。

 マジックに慣れるに従って、このカードの弱さに君は気づくだろう。しかしそれでもなお、君はこのカードを使いたくなる衝動に駆られることがあるはずだ。素晴らしいデザインとはそういうものだ。


分担された役割は小さくなる

 長年に渡り、多くの作品でドワーフこそが小さきものとしてエンターテイメント作品のノベルティであり続けてきたが、唯一にして無二の存在であった、というわけでもない。以下にあげるのはポップカルチャー作品に登場するドワーフ以外の(そしてドワーフと同じ悩みを持つ)存在のリストだ。

 ・ウンパルンパ
 ・マンチキン
 ・イウォーク
 ・Mini-Me
 ・トゥルーズ=ロートレック
 ・ゲリー・コールマン
 ・Santa Elves
 ・ホビット
 ・レプラコーン
 ・ダニー・デヴィート
 ・Webster
 ・ウィロー
 ・Tattoo (Fantasy Islandから。これは外せない)


ハイホー、ハイホー!

 マジックに登場するドワーフカードだけを使って「七人の小人」を召還しなくてはいけなくなったら、どうすればいいと思う? 考えたこともないだろうね(ないよね?)。32個ものネタを書かないといけないとなれば、やるしかない。

その1:ハッピー(幸せもの)
《Dwarven Weaponsmith》(http://magiccards.info/rv/en/144.html
 選んだ理由は、こいつ以外にイラストで笑顔を浮かべているドワーフがいなかったからだ。

その2:グランピー(怒りん坊)
《Dwarven Berserker》(http://magiccards.info/wl/en/97.html
 こいつ以上に腹を立てているドワーフはいない。

その3:ドーピー(お間抜け)
《ドワーフ爆破作業班/Dwarven Demolition Team》(http://magiccards.info/al/en/143.html
 アルファ版のイラストを見てくれ。こいつより間抜けなドワーフはいないだろう。

その4:ドク(博士)
《ドワーフの秘術師/Dwarven Thaumaturgist》(http://magiccards.info/wl/en/98.html
 異論はないだろう。こいつ以外にドク(博士)と呼ぶべきドワーフは思いつきすらしないだろうね。どこからどうみても科学の使徒だ。

その5:スリーピー(ねぼすけ)
《Dwarven Trader》(http://magiccards.info/hl/en/91.html
 こいつは難しかった。このカードを選んだ理由は、イラストに描かれている女性(彼女以外に描かれていないからには彼女がドワーフなんだろう)が全ドワーフのイラストの中でもっとも眠たげに見えたからだ。さらに言えば、これは1/1のバニラだ。寝る以外にすることもないだろう。

その6:スニージー(くしゃみ屋)
《火花魔道士/Spark Mage》(http://magiccards.info/od/en/222.html
 百聞は一見にしかずだ。イラストを見てくれ。お大事に!

その7:バッシュフル(恥ずかしがり屋)
《ドワーフの放浪者/Dwarven Nomad》(http://magiccards.info/mr/en/170.html
 ほら、隠れてるだろ? ……これが精一杯だ。


なぜドワーフはゴブリンを憎むようになったのか

 このコラムはなぜマジックにドワーフが少ないのかについて説明するいい機会だと思う。

 それはゴブリンのせいだ。

 いや、本当の話だ(より詳細な説明を聞きたいなら、私が昔に書いた"Here’s Looking at You Squid"というコラムを読んで欲しい。この記事は、一見、セファリッドについて述べているように見えるかもしれないが(まあ、そもそもセファリッド週間のために書いたものなんだが)実際はドワーフについて語っているコラムだ)。

 マジックの赤という色において、小型のヒューマノイドのためだけに割けるスペースはそう大きくはない。そしてそのスペースの大半はゴブリンによって占められている。オデッセイブロックで試しにゴブリンをドワーフに交換してみたが、上手くいかなかった。プレイヤーの多くはゴブリンのほうがもっと好きなようだった。

 私たちの仕事は究極的にはプレイヤーたちの望む物を提供することにある(ある一定ラインまではね。ときにプレイヤーたちは逆のものを求めることがあるから)。そのため私たちはゴブリンを対照的に強くすることにした(常にではないが、より多くの場合において)。

 だからといって君たちがもう二度とドワーフに出会えないと言っているわけではない(というか、大丈夫、また会えるよ)。ただ会えたときはその出会いを大事にして欲しい。なぜならゴブリンほど頻繁に登場したりはしないだろうからね。


我がドワーフ的人生(その4)

 背の高さについてもっとも差別的な扱いを受ける場所がどこだか知ってるかい? 私が小さい頃、自分の背の低さを嫌というほど思い知らされた場所がどこだったか?

 遊園地だ。

 そう、純粋に背丈だけを基準にした入門ゲートがあるのは遊園地だけなんだ。これが特に問題だったのは、私が小さな子供であり、ジェットコースターが大好きだったことだ(子供用の小さな奴を経験したことによってね)。

 さらに問題だったのは私の身長が4フィート未満であり、かつジェットコースターの入り口には4フィートの高さをしたウサギちゃんのイラストが必ず描かれていたということだ(なお、さらにイカしたジェットコースターの条件は5フィート以上だったが、これが苦難として立ちふさがるのはまだ先の話だ)。

 ところで君たちは別段ピエロを怖がったりはしないだろうね? あれだよ、板に描かれた奴で手を横に突き出しながら「この怖い怖いジェットコースターに乗るには、これだけの身長が必要だよ!」って吹き出しが付いてる奴だ。

 私かい? 怖かったよ(いや、そもそもピエロ自体が怖いものだ。認めたまえ)。

 このピエロは私の用心棒だった。このピエロこそが私を夢のジェットコースターとのあいだに立ちふさがる存在だった。私はピエロが大嫌いだったよ。Randy Newmanほどじゃないが、それでも大嫌いだったことにかわりはない。

 さて、4フィートにわずか1インチ足りないだけの少年に出来る事はなんだったろう?

 答えはウェスタン風衣装だ。

 そう、私がジェットコースターに乗るためのカギはカウボーイブーツ以外になかった。1インチ以上の厚さのカカトを持つブーツこそが私に必要なものだったのだ。

 面白いことにジェットコースターの係員は、どうして私みたいな子供がわざわざ遊園地にカウボーイブーツをはいて来ているのかについて尋ねたりはしなかった。

 さて、ギムリやバッシュフルも同じような悩みを抱えたことがあるんだろうか?

 どうだろうね。


ドワーフに聞いてみよう

問い:特殊地形についてどう思います?

《ドワーフの爆風掘り/Dwarven Blastminer》
「耐えられんね」

《ドワーフ爆破作業班/Dwarven Demolition Team》
「壁が建ってるかどうかによるな」

《ドワーフ鉱夫/Dwarven Miner》
「嫌いだ」

《開放されたドワーフ/Liberated Dwarf》
「申し訳ないな、とは思う」

《Dwarven Sea Clan》
「知らん。そもそも土地から遠いところに住んでるんでな」

《焼き焦がすドワーフ/Dwarven Scorcher》
「俺の邪魔をしないなら許す」

《穿つドワーフ/Dwarven Driller》
「特殊だろうが基本だろうが関係ねえ、大嫌いだ」

《捕らわれのドワーフ/Enslaved Dwarf》
「ぶっちゃけどっちでもいい」

《パーディック山の鉱夫/Pardic Miner》
「土地だと? やっかいごとしか持ってきやがらねぇ」

《地雷の敷設者/Mine Layer》
「爆破するそのときだって、流してやる涙は1滴たりともないね。これでいいか?」

《ドワーフの狂戦士/Dwarven Berserker》
「ははあ、なるほど。
 ドワーフに質問しようってんだから特殊地形の話を持ち出すのは当然だな。
 俺たちの神経を逆撫でしたくてしょうがないんだろう、うん?
 ほーら、ちっこい奴らが腹を立てたぞ、ってな。
 ……失せやがれ、この野郎!!」


時間の問題

 マジックの歴史に名を連ねたことのあるドワーフの名前を以下に列挙してみた。

 ・Dwarven Artillery
 ・Dwarven Artisan
 ・Dwarven Assassin
 ・Dwarven Berserker
 ・Dwarven Blacksmith
 ・Dwarven Brawler
 ・Dwarven Cadet
 ・Dwarven Captain
 ・Dwarven Commando
 ・Dwarven Cutthroat
 ・Dwarven Digger
 ・Dwarven Enforcer
 ・Dwarven Explorer
 ・Dwarven Farmer
 ・Dwarven Hero
 ・Dwarven Marauder
 ・Dwarven Mechanic
 ・Dwarven Mercenary
 ・Dwarven Pickpocket
 ・Dwarven Piker
 ・Dwarven Psychopath
 ・Dwarven Scout
 ・Dwarven Sharpshooter
 ・Dwarven Spy
 ・Dwarven Tactician
 ・Dwarven Thief
 ・Dwarven Tinkerer
 ・Dwarven Trailblazer
 ・Dwarven Tunnler
 ・Dwarven Vandal
 ・Dwarven Warlord
 ・Dwarven Wizard


ドワーフの狂戦士、伝説のドワーフについて語る

 マジックに300体以上の伝説のクリーチャーがいるって知ってたかい? 300体だぞ!

 伝説のゴブリンは? 6体だ。伝説のエルフは? 4体だ。伝説のヘビ人間は? 7体だ・・・・・・7体だと! 伝説のゴーレムは? 2体だ。伝説のセファリッドは? ああ、あの人の形をしたイカの化け物のことだよ。2体だ。

 さて伝説のドワーフが何体か知ってるかい?

 1体だ。しかもドワーフの爪弾き者だ。そのとおり、奴らが伝説のドワーフに祭り上げた唯一のドワーフは同胞に何一つ与えてくれやしなかったのさ。

 それだけならまだしも、すぐ次のエキスパンションで殺しちまいやがった。どっちにしてもそれほど重要な立ち位置をもらってたわけでもないがな。

 おっと、俺の前で「伝説のドワーフなら2体いるじゃないか」なんて抜かそうもんならぶっ飛ばすぞ。生きてるバルソーと死んでるバルソーで2体なんて認めねえからな。

 あんなの合わせて1体だ、1体。


あまり知られていない事実

 私の参加するプロツアーでは「クエスチョンマークのマジックゲームショー」という催し物が開かれることになっている。これは参加者が「賞金と賞品(から賞金を除いたもの)」が得られる、マジックのトリビアに関するクイズショーだ。例えば以下のような感じだね。

0.あいさつ(今日のテーマは、私たちの小さき友人であるドワーフについて)

1.マナコストに最も多くマナシンボルを含むドワーフは?
答え:
赤マナ3点を必要とする《血たぎるドワーフ/Dwarven Bloodboiler》
2.母音で名前が始まる唯一のドワーフは?
答え:
トーメントの《捕らわれのドワーフ/Enslaved Dwarf》
3.もっとも短いルールテキストを持つドワーフは?
答え:
一切のルールテキストを持たない、ホームランドの《Dwarven Trader》
4.《爆弾兵団/Bomb Squad》の用いるカウンターの名前は?
答え:
導火線カウンター
5.現在の32体のうち、テキストボックスに「土地」の単語を含むドワーフは何体?
答え:
たったの5体。
 《ドワーフの爆風掘り/Dwarven Blastminer》
 《穿つドワーフ/Dwarven Driller》
 《ドワーフ鉱夫/Dwarven Miner》
 《地雷の敷設者/Mine Layer》
 《パーディック山の鉱夫/Pardic Miner》

6.ウィザードのクリーチャータイプを持つ、唯一のドワーフの名前は?
答え:
《火花魔道士/Spark Mage》
7.1つの単語を除いてまったく同じルールテキストをもつ2体のドワーフの名前は?
答え:
《捕らわれのドワーフ/Enslaved Dwarf》と《開放されたドワーフ/Liberated Dwarf》
8.初登場のエキスパンションでテキストボックスに注釈文のあった唯一のドワーフは?
答え:
オンスロートの《ドワーフの爆風掘り/Dwarven Blastminer》
9.初出から再版までもっとも長くかかったドワーフは?
答え:
《ドワーフ爆破作業班/Dwarven Demolition Team》
初登場はアルファ版(とベータ版とアンリミテッド)。次に再版されたのは基本セットの第8版。

10.ドワーフのルールテキストに登場したことのあるクリーチャータイプをすべて述べよ。
答え:
バーバリアン:《頑強なるバルソー/Balthor the Stout》
ミニオン:《汚らわしき者バルソー/Balthor the Defiled》
オーク:《ドワーフ兵士/Dwarven Soldier》


採点表:

8~10点:
 もし私が顔を出しているプロツアーに参加する機会があったら、ぜひQuestion Markに出場すること。君なら賞品を手に入れことができるはずだ。

5~7点:
 Question Markに出場すべし。賞品を獲得するチャンスはほとんどないが、練習にはなる。

2~4点:
 マジックのトリビアで身を立てていくのはあきらめた方がいい。
 はっきり言わせてもらうが、ゴミだ。

1点:
 君は2~4点の人をゴミと思うかもしれないが、それよりひどいゴミだね。

0点:
 君は一言の罵詈雑言にすら値しない。吐き気がするね(まあ一言くらいはね)

-1点:
 どうやったんだ? マイナス点はないはずだ。専門機関に診てもらったほうがいい。
 ありえない点数をとっただけじゃなくて、算数からやり直したほうがいいという意味でね。


皮肉と偶然

 このコラムは最初は軽い気持ちで始めたものだったが、なんという化け物に育ってしまったものやら。このコラムにかけた時間は過去のどのコラムにかけた時間よりも長いこと間違いなしだ(いくつかはほとんど同じくらいの時間を使ったかもしれないけどね)。

 小さなドワーフたちのコラムがこれほどまでに大きくなるなんて誰が想像できただろう。君たちがこの記事を楽しんでくれたことを願うよ。ぜひとも感想を聞かせて欲しい。

 このコラムが気に入った? 気に入らなかった? どこが良かった? 悪かった? 私が疑いようもないほどに狂ってるって信じてもらえたかな? ぜひ教えてくれ。

 さて皮肉の次は、偶然についてだ。

 このコラムを終わらせるに当たって、32という数字は単なる思いつきにすぎないわけではないことを語っておこう(私が何を言っているのか分からなくても大丈夫。おそらく掲示板で誰かがネタばらしをしてくれるだろう。ちなみにあらかじめ言っておくと数え間違いではないよ。The Simpsonがそれ自体パロディなようにね)

 恐ろしいことにマジックにいるドワーフの数もちょうど32体だ。なんてこった。

 何にせよ、このイカレたコラムもそろそろ終わりを告げるときがきた。来週はもっとシンプルな記事になる予定だ。楽しみにしていてくれ。あなたの人生にも32のイカしたネタが転がってますように。

 マーク・ローズウォーター
【翻訳】ドワーフに関する32の小コラム/Thirty-Two Short Columns About Dwarves【Daily MTG】
Mark Rosewater
2005年11月21日
元記事:http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtgcom/daily/mr203

適材適所

 J・R・R トールキンやゲリー・ガイギャックスやウォルト・ディズニーといった巨匠たちは、マジックが世に誕生するずっと前に、「ドワーフとはなんぞや」という命題に対する基本原則を制定してくださった。

 背が低い? その通り。

 穴を掘るのが好き? その通り(かも)。

 鎧を作るのが上手い? その通り。

 さて気になるのは(少なくともマジックのコラムで取り扱う上で気になるのは)、マジックザギャザリングが新たに生み出した「ドワーフとはなんぞや」が何かということだ。皆の興味を引けそうなネタでいうと以下のような感じか。

 ・ドワーフは(そして類人猿(Ape)も)基本地形ではない土地が大嫌い
 ・ドワーフは何かを爆破するのが大好き
 ・ドワーフは怒りっぽい
 ・ドワーフの髪型はモヒカン刈り(血気盛んなヤツは)
 ・ドワーフは「ケツ」と言うのが大好き
 ・ドワーフは不思議なことにバーバリアンとミニオンに対して支配力をもっている
 ・ドワーフは子馬をもっている
 ・ドワーフは子供のおもちゃから鎧を作ることができる
 ・ドワーフはどうやら野菜のカブが大好きらしい
 ・ドワーフの社会では戦士(Warrior)と放浪者(Nomad)は同じ働きをするらしい
 ・ドワーフは栄光の猛火の粋を極めたらしい(それが何であるにせよ)
 ・ドワーフには自警団と爆弾部隊と打撃部隊と秘術師と海の一族がいる
 ・ドワーフの男は自分の女に言い寄る奴がいないか気にする必要がない(婉曲的表現)
 ・ドワーフはフラーグのゴブリンのケツを蹴り上げる(そして「ケツ」と言うのが大好き)


それでパカはどうしたのか?

 以下に挙げているのは、私が《ドワーフ鉱夫/Dwarven Miner》のフレイバーテキストについて以前コラムで語った内容だ。なお、コラムが書かれたのは遥か昔、2002年03月18日のこと。あいだに入っている赤文字は今回私が新たに書き足したコメントだ。参照用にカードデータも置いておこうか。
Dwarven Miner / ドワーフ鉱夫 (1)(赤)
クリーチャー - ドワーフ(Dwarf)
(2)(赤),(T):基本でない土地1つを対象とし、それを破壊する。
1/2
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Dwarven+Miner/

フレイバーテキスト(原文):
 "Fetch the pestridder, Paka ─ we’ve got dwarves in the rutabagas!"
 ─ Jamul, Femeref farmer

フレイバーテキスト(日本語訳):
 パカ、虫殺しの薬を持ってきてくれ ─── カブがドワーフにやられとる!
 ─── フェメレフの農夫、ジャムール

 ~~~~~~~~~~~~~~~ ここから引用 ~~~~~~~~~~~~~~~

 私はときについついふざけてしまうという一面がある(驚かせてしまっただろうね。すまない)。アングルードではこの面を遺憾なく発揮する機会をもらったが、競技用マジックでは私のこの悪癖を披露することはほとんど出来ずにいる。

 ……と当時は書いていたが、これは真っ赤な嘘だ。《ラースの猿人/Apes of Rath》、《スクイーのオモチャ/Squee’s Toy》、《このぐらい大きいバナナが欲しい!》、《ズシーン! ズシーン!》、リス関連のカード……よく考えてみたらいつも披露しっぱなしじゃないか。

 ヨーロッパの古い言い伝えとトールキンの生み出した神話において、ドワーフは鉱夫として生み出されている。ドワーフは地面を掘り返すのが好きなのだ。

 そのとき私の頭に閃いたのは、リス(Gophers)も同様に地面を掘り返すということだ。ふむ、ドワーフがリスみたいに扱われてたら面白いんじゃなかろうか?

 ちなみリスはそれ自体が面白さだ。リアルなリスの話をしているわけじゃない。リスにまつわるネタが面白いんだ。
 一度、うちの芝生がリスに荒らされたことがあった。腹立たしかったよ。しかしリスという存在はやっぱりコメディ世界の金メダリストだ。(もし証拠を見せろというなら映画「Caddyshack」をおススメする)
 ドワーフを面白おかしくするためには(いや、ドワーフはもともと面白いんだが、さらに面白くするためには)、彼らをコメディな世界へ連れて行くべきでその乗り物こそがリスというわけだ。


 書き手というものは時が経つにつれて自身が過去に書いたものを不思議とより魅力的に感じられてくるものだ。理由はわからない。しかしこのフレイバーテキストは個人的に大傑作だと思っている。

 あまりにも傑作だと思ったのでセットへ収録されるよう全身全霊を賭けた。知ってるかもしれないが、コメディにはどれくらい面白いかを表すグラフみたいなものがあるんだ。こんな感じだ。

 ほんの少しだと面白い。それより少し多いとつまらない。度が過ぎるとまた面白い。

 これは真実だ。私が過去に書いた「Mons Made Me Do It」というコラムを読んでもらえればよく分かると思う。え? なんでここでゴブリンの話なんだ、って? おいおい、今週はドワーフ週間だ。なんでゴブリンの話をしないわけがあるんだい?(赤くて小さい奴らは面白いってことさ)

 私の計画は実にシンプルなものだった。フレイバーテキストのメンバーが第3段階に届くまでひたすらこのジョークを押し通すこと。そんなわけで私は機会があるごとにこのジョークを繰り返したわけさ。メンバーたちが私に殺意を覚えはじめた数週間ののち、ついにジョークはまた面白さを増す段階に届いた。

 この手法はカードのデザインでも有効だ。

 この引用にいくつか付け加えておきたい。まずなんで私が登場人物にPakaという名前をつけたのかというと、響きがこのフレイバーテキストにふさわしく田舎者っぽかったからだ。

 さらに虫殺しの薬の名前になぜ「Pestridder」というネーミングを用いた理由は、それが私が思いつける限りのファンタジーっぽい害虫駆除剤の名前だったからだ。そして「カブ(Rutabaga)」を選んだ理由はそれが野菜の中でも特に面白みを感じるものだったからだ。

 そうそう。このフレイバーテキストの中で一番面白い単語がどれなのかを書き忘れた。それは「また(Again)」だ。このカードが「面白いフレイバーテキスト」に終わらず「名作」と成り得た(と私は信じている)理由はこれだ。この文章が美しくまとまっているのは「普通でない」からではなく、むしろ「いつもいつも起きている」からなのだ。(訳註:実際のフレイバーテキストには「again」という単語が見つからない。なんかの勘違いかな?)

 ちょっと関係ない話をさせてくれ。私がまだ小さいころ、友達と「面白くない、面白い、とても面白い(Not Funny, Funny, Very Funny)」という遊びをしていた。遊び方は、まず1人がお題を決める(たとえば「野菜」のように)。別の1人がそのお題に当てはまるものを3つあげる。

 1つ目には、面白くないものをあげなくてはいけない。2つ目は面白いもの、ただし面白すぎないものをあげないといけない。そして3つはとても面白いものをあげないといけない。もしお題が「野菜」だったら、以下のような感じだ。

  お題「野菜!」

   1つ目:
      Corn/とうもろこし(面白くない)
   2つ目:
      Eggplant/ナス(面白い)
   3つ目:
      Rutabaga/カブ(とても面白い)

 試しにもう1回やってみようか。

  お題「動物!」

   1つ目:
      Bird/鳥(面白くない)
   2つ目:
      Cow/ウシ(面白い)
   3つ目:
      Platypus/カモノハシ(とても面白い)

 みんなもぜひ遊んでみてくれ。

 この箇所は省いてもよかったかもしれない。フレイバーテキストにはあまり関係ないくだりだからだ。しかし今あらためて読み返してみて、残しておくに値すると思われた。

 ~~~~~~~~~~~~~~~ ここまで引用 ~~~~~~~~~~~~~~~

 放火魔週間を楽しみにしていてくれ。そのときは《補償金/Reparations》のフレイバーテキストについて話そうと思う。(訳註:上記の引用元であるフレイバーテキスト週間のコラムで第1位のカードが《補償金/Reparations》だった)


ドワーフの狂戦士、ドワーフのイメージについて語る

 マジックで幸せそうなドワーフってやつを見たことがないことに気づいてたか? 悲しそうなやつでもいい。そもそも感情ってやつを表に出してるやつをだ。そう怒り以外のだ。

 そりゃどんな人間だってドワーフってやつがムカツくチビだってことは知ってるもんだ。俺たちゃ小さすぎて怒りがあふれんばかりだ。

 おおっと、気をつけろよ! 俺たちを馬鹿にしないほうがいい。煽られりゃ、すぐにでも殴り込みに行くぞ。殴るんでなけれりゃ、爆破しに行くかもしれん。それともお前らを燃やせる何かを持ち出すかもしれん。

 もちろん穴を掘ったり鎧を作ったりで忙しいときゃ別だ。ああ、もちろんお前らから見ればそれをしているときすら怒ってるように見えるんだろうがな。神がそうあれとドワーフに望んだ姿でしか人の目に映らないように神の御手が働いてるんだろうさ。

 俺たちがまったくお前らのイメージどおりの、かんしゃくもちでコミカルなキャラクターでなくなったら世界が崩壊する、ってな寸法だ。それがまた俺をいらだたせるんだ。まあ、でもお前らはそんな俺たちが大好きなんだろう。


ちょっとしたゲーム

 マジックには32体のドワーフがおり、そのうち21体の名前は「ドワーフの(Dwarven)」で始まる。ここでどの「Dwarven」が「どのセットに登場したか」を覚えているかどうか試すクイズを出してみようと思う。以下の「Dwarven ~」がそれぞれ最初に登場した基本セット/エキスパンション名と組み合わせてみて欲しい。

  <Dwarven ~>
                   <セット名>
 1) Armorer
                  a) アライアンス/Alliances
 2) Berserker
                  b) アルファ/Alpha
 3) Blastminer
                  c) アポカリプス/Apocalypse
 4) Driller
                  d) フォールンエンパイア/Fallen Empires
 5) Demolition Team
                  e) ホームランド/Homelands
 6) Patrol
                  f) ジャッジメント/Judgment
 7) Sea Clan
                  g) オデッセイ/Odyssey
 8) Strike Force
                  h) オンスロート/Onslaught
 9) Vigilantes
                  i) ビジョンズ/Visions
 10) Weaponsmith
                  j) ウェザーライト/Weatherlight


 答えは以下の通りだ(反転で表示)。

     <カード名>
                   <セット名>
 1) 《Dwarven Armorer》
                  d) フォールンエンパイア/Fallen Empires
 2) 《Dwarven Berserker》
                  j) ウェザーライト/Weatherlight
 3) 《Dwarven Blastminer》
                  h) オンスロート/Onslaught
 4) 《Dwarven Driller》
                  f) ジャッジメント/Judgment
 5) 《Dwarven Demolition Team》
                  b) アルファ/Alpha
 6) 《Dwarven Patrol》
                  c) アポカリプス/Apocalypse
 7) 《Dwarven Sea Clan》
                  e) ホームランド/Homelands
 8) 《Dwarven Strike Force》
                  g) オデッセイ/Odyssey
 9) 《Dwarven Vigilantes》
                  i) ビジョンズ/Visions
 10)《Dwarven Weaponsmith》
                  a) アライアンス/Alliances



構築環境におけるドワーフの輝かしい戦歴について

 確かプロツアーのフィーチャーマッチで《ドワーフ鉱夫/Dwarven Miner》を見かけたことがあるような、なかったような……分かった分かった、ちゃんと言うよ。

 1998年、Scott Johnsが世界チャンピオンになるチャンスを失ったのは、Ben Rubinとの準々決勝の最終ゲームで《ドワーフの秘術師/Dwarven Thaumaturgist》と《ドワーフ鉱夫/Dwarven Miner》が彼を打ちのめした瞬間だった。

 本当の話さ。


我がドワーフ的人生(その1)

 私の「Making Magic」のコラムに共通するテーマの1つとして、コラムの要点を強調したいときに私のプライベートを用いる、ということがある。そして、今日、私たちはドワーフについて話している。

 さて「ドワーフであるということはどういうことか」を理解する助けとなるような私の過去の経験について、君たちと共有したら面白いんじゃないかと考えたわけだ。

 私は背の高い人間ではない。いや、実のところ、私は開発部でもっとも背の低いメンバーだ(状況は悪化する一方だ。何しろ新たに雇われるメンバーの平均身長は高くなるばかりだ)。

 私は背の低い家系に生まれた。私の両親も背は低いし、私の子供たちも背が低い。しかも私が結婚相手として選んだ人も背が低い女性だった。

 しかし思春期を迎えるまでは、私は単に背が低いというわけではなかった……私は「とても」背が低かったのだ。私はクラスで最も背が低い子だった。そう、もっとも背が低い男の子ではなくね。

 なんてこった。

 私たちのクラスには君たちが見たこともないほど小さい女の子が1人いた。彼女はピーターパンの劇でティンカーベルを演じた。縮尺があまり変わらなかったからだ。彼女は私より背が高かった。

 私はあまりにも背が低かったので、周囲の人々は私を実際よりも2歳か3歳か若いものだと思っていた。私が小さい子供がやるようなことをしていると、周囲の人々は私のことを天才だと思って拍手してくれた。

 ありがたいことに子供というものは(特に男の子は)優しい心を持っていて、身体的特徴などを理由にして仲間外れにするようなことはしなかった。

 ……そういえば聞いた話だが皮肉というものは活字だと伝わりづらいらしいね。

 さっきのは皮肉だよ!

 幼少期の頃、冬の休み時間に私が遊んでいたゲームは「大きい子から逃げろゲーム」というものだった(ここでいう「大きい」というのは「年上の」という意味じゃない。物理的に「私より大きい」という意味だ)。

 念のために言っておくと自分から進んで参加したわけじゃない。気が付いたらそういう遊びになってしまっていたというべきかもしれない。どういうことかというと、でかい子供たちはすぐ私をつかまえて雪の中に転がそうとするので逃げ回っていたのだ。

(ちょっとした余談。現在の私は夢であった仕事につくことが出来た上に素晴らしい家族にも恵まれている。対して雪の中で私を追い回していたやつらはおそらく離婚の慰謝料を支払うためだけに退屈でつまらない仕事をこなしているに違いない。因果は巡る。覚えておくように)

 さて、これから何が分かるか? 私がこのことから学んだのは、なぜドワーフがあんなにもぶっきらぼうな態度をとっているのかだ。

 彼らは「大きい子から逃げろゲーム」なんか遊ぶつもりはないんだ。むしろ「俺に触りたければそうするがいい、その額にツルハシをぶち込んでやるぜゲーム」を開催するだろう。

 私は確かにドワーフのようなぶっきらぼうな態度はもっていない(ツルハシもだ)。しかしそれでも小さいことによって被るあれやこれやについては理解できる気がする。


ドワーフに聞いてみよう

問い:戦闘で何体までのゴブリンなら一度に相手にできますか?

《バルソー》
「生死は? ……ああ、俺のな」

《沸血のドワーフ/Bloodfire Dwarf》
「6体。小さいやつなら7体まで」

《ドワーフ巡視部隊/Dwarven Patrol》
「10体から12体」

《ドワーフの秘術師/Dwarven Thaumaturgist》
「5体」

《パーディック山の鉱夫/Pardic Miner》
「7体」

《火花魔道士/Spark Mage》
「6体」

《爆弾兵団/Bomb Squad》
「15体」

《ドワーフの狂戦士/Dwarven Berserker》
「30から40くらいか」

《ドワーフの兵卒/Dwarven Grunt》
「1匹かな……運が良ければ」

《ドワーフ自警団/Dwarven Vigilantes》
「9体」

《ムチ打ち人/Whipkeeper》
「14体」

《焼き焦がすドワーフ/Dwarven Scorcher》
「8体だ。相手がモグじゃなければな。モグ相手じゃ3体がいいとこだ」


ジョーの考えてることはよく分からん

 私はときどきゲームそれ自体の話ではなく、ゲームをプレイする人に焦点を当てた話をすることがある。R&Dに関するときでもよくそういう話をさせてもらっている。運の良いことに、ドワーフ関連でもネタがあった。

 さて、開発部にいる特権の1つとして、他のメンバーが作ったゲームのプレイテストに参加できる点が挙げられる。これはそういった話の1つだ。

 これはずっと前の話で、当時はまだリチャード(リチャード・ガーフィールドのこと)がオフィスにいた頃だ(今でも彼はときどき顔を出してはいるけれど、これは彼がウィザーズでフルタイムで働いていたときの話だ)。

 リチャードは家族向けのパーティゲームをデザインしようとしていた。ドイツのゲームに着想を得て、とある手ごろなゲームを彼は作り上げた。彼はそれを「Hive Mind」(集団意識)と呼んでいた。

(もしかしたらいつか「What Were You Thinking」(何考えてるの?)という名前で発売されるかもしれない。発売元はウィザーズ社以外かもしれないけど、もしEbayやおもちゃ屋さんで見かけたらぜひ手に取ってみて欲しい)

 ゲームの流れはこんな感じだ。まず君は質問をされる。それに対して「他のプレイヤーと一致するような回答」を書く。つまりポイントはもっとも多数派となれるよう、プレイヤーたちの考えを予想して「もっとも一般的な答え」を思いつくことだ。

 ほとんどの開発部のメンバーはこの「Hive Mind」がなかなか上手かったが、ただ1人、例外がいた。彼の名前はジョー・グレイスといった。

 マジックの仕事にはあまり携わっていなかったが、アングルードの《Timmy, Power Gamer》のイラストのモデルになった人物だ(当時の開発部で「もっともティミーな」プレイヤーが彼だったからだ)。

 理由は不明だが、とにかくジョーは「Hive Mind」が下手だった。

 いや、下手だった、は不正確だね。

 彼は「ド下手」だった。

 何らかの理由で、彼の遺伝子には「他人と同じ考えをする」という能力が欠けていた。それにも関わらず、ジョーはこのゲームに繰り返し参加した。ずっと下手なままではないと証明するためだ。

 しかし遊べば遊ぶほど、皆は彼はこのゲームに向いていないのだと確信せざるを得なかった。そしてジョーと「Hive Mind」を遊ぶのが最後になったゲームでのことだ。

 そのときのお題は「有名な3人のドワーフの名前をあげろ」だった(今日のコラムに関係ある話題だ、って言ったろ?)。皆が答えを書き上げた。

 ジョーは笑みを浮かべていた。彼は確信していたたのだ。ついに運命の女神は微笑んだのだ。これこそが俺の「お題」だ。今回に限って孤立することなどない。ついに有象無象の1人になれるのだ。ジョーは興奮のあまり、答えを最初に公開させてくれと申し出た。

 念のため。今回のお題は「有名な3人のドワーフの名前をあげろ」であり、他のプレイヤーと答えを一致させることがゲームの目的だ。

 ジョーは答えを書いた紙を取り出した。さらに自信のほどを見せつけるためか指まで鳴らした。「よし」と彼は始めた。「まずギムリ!」(余談ながら追記しておくと、他の皆の答えは「白雪姫と七人のドワーフ」に登場するドワーフたち、「ドーピー、グランピー、ドク」だった)


ドワーフの狂戦士、土地破壊とドワーフについて語る

 お前ら、なんで俺らドワーフがやっきになって土地をぶっ壊して回ってるか、知ってるか? ありゃ、好きでやってんじゃねえんだ! そうするように言われてるからやってんだ!

 ……あ? なんでそうするように言われるかって!? あいつら、俺らにトーナメント会場に顔を出して欲しくないのさ!

 みんな知ってることだろ、開発部の奴らは土地破壊カードをこれでもかとクソカードに変えてやがる。そりゃそうさ、誰だって土地を片っ端からぶっ壊されたくはないわな。

 さて、じゃあクソカードを背負わせるのにふさわしいのは誰だ? ちっこい奴らだ!

 それだけならまだしも、あいつら、たまに上質な土地破壊カードを作りはするが、それだけはなぜか絶対にドワーフにしねえんだ!

 俺たちだって、必要とありゃなだれの1つにくらい乗ってみせるぜ! だけど違うんだな、奴らは俺たちにダメなやつらのままでいて欲しいのさ。

 俺たちの居場所を見つけてくれようとしている? 10円レアのボックスの中にだろうよ!


ドワーフに聞いてみよう

問い:自分より背の高い相手とデートしたことありますか?

《ドワーフ徴募兵/Dwarven Recruiter》
「あるよ」

《地雷の敷設者/Mine Layer》
「ある」

《ドワーフの兵卒/Dwarven Grunt》
「ある」

《Dwarven Trader》
「そもそも選択肢がないんだが」

《焼き焦がすドワーフ/Dwarven Scorcher》
「ある」

《ドワーフ鉱夫/Dwarven Miner》
「あるよ」

《ドワーフの狂戦士/Dwarven Berserker》
「自分より背の高い相手とデートはしない」

《Dwarven Armorer》
「ある」

《Dwarven Sea Clan》
「あいよ」

《開放されたドワーフ/Liberated Dwarf》
「もちろん」

《パーディック山の刀工/Pardic Swordsmith》
「ある」

《Dwarven Lieutenant》
「ある」

《ドワーフ爆破作業班/Dwarven Demolition Team》
「ある」
「ある」
「ある」


ドワーフの嫌う言い回し

 "come up short" (足りない)
 "short comings" (短所)
 "short sighted" (短絡的)
 "short tempered" (短気)
 "for short" (短縮系で)
 "in short" (手短に)
 "short for" (短縮系で)
 "short of" (不足している)
 "short end of the stick" (貧乏くじを引く)
 "short films" (短編映画)
 "short people" (小さい人)
 "little people" (一般人)
 "vertically challenged" (縦方向にハンデを負っている = ちび)
 "ground lickers" (地をなめる人 = ちび)
 "low men on the totem pole" (トーテムポールの下段担当 = ちび)
 "small pickings" (重箱の隅をつつく)
 "small time" (取るに足らない)
 "small talk" (世間話)
 "small good that’ll do" (それで足りるだろ)
 "Smallville" (作品名。邦題:ヤング・スーパーマン)
 "feel small" (肩身が狭い)
 "a little" (少々)
 "little by little" (少しずつ)
 "pick it up a little"
 "little importance" (重要性が低い)
 "tiny dancer" (作品名)
 "tom thumb" (作品名。邦訳:親指トム)
 "wee _____ " (小さな ~)
 "little fella" (坊や、お嬢ちゃん)
 "knee high to a grasshopper" (バッタの膝くらいの高さ)
 "below knee level" (ひざ下レベル)
 "dwarf short" (小人症)
 "How’s the weather down there?" (下界の天気はどうだい?)
 "Would you mind shining my shoes?" (ちょうどいいや、靴磨いてくれよ)
 "Oops, I almost stepped on you." (あぶねえ、踏んづけるところだった)


我がドワーフ的人生(その2)

 さっきはその場にいるもっとも小さきものであることによって遭遇しうる物理的な危険性について述べた。次は精神的なものについて語ろうと思う。

 もしかしたら君たちは、あまりにも背が低いと逆にそれをあげつらう人もいないかもしれない、と考えるかもしれない(それによって何かが多少ましになるというわけでもないが、非常に背が高い友人たちによると、彼らもまた私とは正反対の方向において同じような境遇だったそうだ)。

 身長が私にとって大きな問題となったのは、それが周囲の皆にとっても大きな関心事だったからだ。私は同じ子供たちによってからかわれることに対する心の準備は出来ていた。しかし同様に大人たちからもからかわれることは予想していなかったのだ。

 分かるだろう? 私は大人たちは味方だと思っていたんだ。

 しかし私は負け犬だった(余談だが、私がUnderdogの大ファンなのはそれが理由だと思う)

 権威は弱者を守ってくれるんじゃなかったのか?

 大人は大人びた振る舞いをしてくれるんじゃないのか?

 そう考えるのが普通だろう。ところが大人たちも他の人間と同じように私の身長をからかいの種にした。なぜだかは分からないが、身長についてからかうことはひどいことだと思われていないふしがある。

 いや、だって考えてもみてくれ。背丈についてからかう人たちだって、太った子供を同じようにからかったりはしないだろう?(もしかしたらするのかもしれないけどね。もしそうだとしたらそれはとても悲しいことだ。大人たちは大人なんだからちゃんと大人びた対応をしてくれるはずだ、と子供が思ってはいけないということになる)

 しかし大人たちによるもっともひどい嫌がらせはここぞというときまで、そう、とある特別な夜まで大事にとっておかれた。

 それは私の初めての学内ダンスパーティだった。確かあれは私が小学校6年生のときだったと思う(そのとおり。私を成長させてくれるはずの思春期という時期は、逆に出来る限りその仕事を終えるのを先延ばしにしようと粘り続けたのだ)。

 小学生のダンスパーティというものを覚えていない(もしくは意図的に忘れた)みんなのために書いておこう。それはとてもダンスと呼べるような代物じゃなかった(まあ、私も今や老いぼれの身だ。もしかしたら今ではすっかり違うものになっているのかもしれないが、何にせよ、当時はそういうものだったと思ってくれ)。

 当時の子供たちはデートなんてしたことない子が大半で、大人としてはもっと積極的になれと後押ししたくてしょうがなかったらしい。

 大人たちはダンスパーティをたった一組のカップル、その2人っきりでスタートさせたんだ。ふむ。さて誰がふさわしいだろうか?

 いやいや、もっとも面白い取り合わせのカップル以外ありえないだろう? そう、たとえばもっとも背が低い男子ともっとも背が高い女子のカップルさ。

 それ以外ないだろう? せっかくのダンスパーティだ。

 すでに普段から十分に居心地の悪い思いをしている2人をさらにどん底に突き落とさなくてどうする? ……ちなみに私は逃げなかったよ。踊るように言われたし、なんというか先生に反抗するようなタイプでもなかったしね。

 私より頭2つ分は高い女子とダンスを踊りながら、私はひどく腹を立てていたことを覚えている。毎日、嫌な思いをしてきているだけでもたくさんだというのに、公立の小学校みずから率先して辱めを与えてくるとは!

 こんなことは間違ってる。これと同じくらいの辱めなんてありえるのか!? 一番にきびが多い男子と一番胸が小さい女子とか!?

 さてこれがドワーフの話とどう関係してくるのか。この出来事から私はなぜドワーフが単一の種として存続しているのかが分かったからだ。彼らは社交的ではないからだ。

 その理由は?

 自明のことだ。もし社交的だったらサイクロプスの女子とでもダンスさせられてることだろう。


ドワーフの狂戦士、あごひげについて語る

 なんでドワーフが誰も彼もあごひげを伸ばさせられてるのか、不思議に思ったことはねえか? 俺たちの顔を見たくねえからだよ。

 人間どもは狡猾さ。

 どうやって俺たち小せえ奴らを見張ってるか知ってるかい? テレビだろうが映画だろうが、とにかく出てくるドワーフは全部あごひげつきさ。ああ、ただ1人をのぞいてな。

 こうすりゃ、うちらの1人があごひげをそって歩き回ろうなんて考えようもんなら、何十人もの芸人どもにこう呼ばれるのさ。「おう、ドーピー!」ってな!
訳註:
 ドーピーはディズニーアニメの白雪姫に出てくる七人のドワーフの中で、唯一あごひげを生やしていないキャラクター。なおドーピー(Dopey)という名前は「お間抜け」もしくは「ぼんやり」というような意味をもつ。


ドワーフと小人症の違いについて

 君も気になってることだと思う。医学的な話をすると、ドワーフは小柄な体型をしており(4フィート10インチ以上であることはまれだ)、これは生物学的もしくは遺伝的な理由によるものだ。また特徴として全体的に小柄であり、腕と足と胴体がさらに相対的に短めでもある。小人症は医学用語で体型が小さい人の呼称だ。彼らは相対的に腕と足と胴体が短めでこれはホルモンの異常が原因だ。


生まれそうで生まれなかったドワーフたち

 ミラージュには《Dwarven Scouts/ドワーフの斥候》という呪文があった。これは赤の呪文で3体の1/2ドワーフ・トークンを生み出す効果だった。しかしこれは実際に世に出ることはなかった。何が起きたかって? これを見てくれ。
訳註:原文では以下のイラストが表示されている。
 http://www.wizards.com/magic/images/mtgcom/fcpics/making/mr203_scouts.jpg

 まあ、聞いて欲しい。私たちは「3体のドワーフが敵の陣地に潜入しているイラスト」を依頼したところ、この絵が出てきたんだ。これを見るや否や、私は当時のアート・ディレクターであったスー=アンの元へ向かった。

私:やあ、スー・アン。《ドワーフの斥候》のイラストを見たかい?
スー:ええ、見たわよ。気に入った?
私:実はそうでもないんだ。ちょっと問題があってね。
スー:なに?
私:一緒に確認したほうがいいと思ってね、イラストを持ってきたんだ。ほら、これだよ。
スー:Geofの色使いは素晴らしいと思うわ。
私:違うんだ。イラストの質は問題じゃないんだ。
スー:はいはい、じゃあ何が問題なの?
私:このカードの名前は《ドワーフの斥候》だ。
スー:それで?
私:もう1回カード名を言うよ。《ドワーフの斥候》だ。「ドワーフの」ね。
スー:やっと分かったわ。あなたはこれが斥候には見えないって言いたいのね。
私:違うよ! 私が言いたいのはこれがドワーフには見えないって話だ!
スー:見えるわ?
私:絶対に見えないね。
スー:ドワーフに見えないってことはないわ。
    イラストレーターの裁量に多少の幅は持たせてあげないとダメよ。
私:これは今回限りのオリジナルなクリーチャーじゃないんだ。
   ドワーフにはドワーフなりの見た目というものがあるんだ。
スー:ちょっと心が狭いんじゃないかしら。
    自分の見たいものだけを見ようとしてる気がするわ。
私:ドワーフには決まった見た目ってものがあるんだよ。特徴的な体型もしてるし、
   あごひげも生やしてる。イラストのクリーチャーたちはひげが生えてないじゃないか。
スー:ドワーフだからってあごひげが生えてなきゃいけないってことはないわよ。
私:いけないんだよ、マジックの世界だけじゃなくて、
   ここ何十年というポップ・カルチャーの歴史においてもね。
スー:ミラージュのドワーフはこうなのかもしれないわ。
私:これがドワーフに見えないということだけじゃなくて、
   これが別な何かに見えるということも分かってもらえるよね?
スー:何かって?
私:よく見てくれ。
スー:で?
私:チビで、緑で、尖った耳をしてる。
スー:ごめんなさい、何を言いたいのかよく分からないわ。
私:君はファンタジー世界に関わる仕事をしてるんだよね?
スー:まだ分からないわ。
私:ゴブリンだよ! こいつらはゴブリンだ!!
スー:私にはドワーフに見えるけど。
私:君にはそう見えるのかもしれないし、イラストレーターにもそう見えるのかもしれない。
   けど、世界の残りのみんなにはそうは見えないんだ。なんでか分かるかい?
スー:なんで?
私:こいつらがドワーフじゃないからさ! こいつらはゴブリンなんだよ!!
スー:あなたにとってはね。
私:そのとおり、私にはね。そしてファンタジー好きなら誰でもね!
   たとえばマジックのプレイヤーたちとかね!!
スー:そう言われても今更イラストを変更することはできないわよ。
私:え、いや、だけど私たちはドワーフのイラストを発注したんだよ?
スー:Geof Darrowの解釈ではこれがドワーフなの。
私:……分かった。分かったよ。どうやら相談する先を間違えたらしい。
   これはイラストの問題じゃないんだな。デベロップメント・チームのところに行くよ。

 そして《ゴブリン斥候隊/Goblin Scouts》が生まれたというわけさ。


ドワーフに聞いてみよう

問い:白雪姫に出てくるドワーフたちってリアル?

《ドワーフの狂戦士/Dwarven Berserker》
「あんなベッピンさんが7人のチビどもと1つ屋根の下に住んで何もないなんてあり得ねえ」

《ドワーフの放浪者/Dwarven Nomad》
「たったの7人ぽっちで鉱山で働いてて、どことも知れない場所にある小さな小屋に詰め込まれて暮らすのがリアルかどうかだって?」

《血たぎるドワーフ/Dwarven Bloodboiler》
「あんな馬鹿っぽい歌をうたうドワーフはいない」

《Enslaved Dwarf》
「スリーピー(ねぼすけ)とかスニージー(くしゃみ屋)とかドク(博士)みたいにアホな名前したドワーフはいないよ。たぶんね」

《パーディック山の鉱夫/Pardic Miner》
「俺はそこそこリアルだと思ったけどな」

《ドワーフの秘術師/Dwarven Thaumaturgist》
「ドーピー(ぼんやり)だけは無い。30秒以上黙ってられるドワーフなんてあり得ねえ」

《Dwarven Trader》
「グランピー(怒りん坊)は俺のおやじに似てる気がする」

《Dwarven Lieutenant》
「口笛を吹くドワーフなんていないから。ああ、あと一列になって歩くドワーフも」

《開放されたドワーフ/Liberated Dwarf》
「エンディングは泣けたね」

後編へ続く
http://regiant.diarynote.jp/201305061530428933/

余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 新セット恒例のFAQ週間。個々の回答例を紹介することよりも、FAQの文書をどこからダウンロードできるのかの案内としての役割が大きいのではないかと推測してる。

余談2:月曜日 《血の公証人/Blood Scrivener》

 ライフを1点失うかわりに1枚引くところを2枚引ける、ただし手札が0枚のときだけ、というカード。2マナ2/1という及第点のボディつき。

 フレイバー的には相手の弱みにつけこむ、悪徳商人的な感じなのかな。「おやおや、手札が0枚でお困りでしょう、この契約書にサインをして頂ければ……ただしあなたの生命をちょびっと頂きますよ」みたいなノリ。

 ところでフレイバーの訳がちょっと気になった。
原文:
 Make sure you bleed the fine print.

日本語訳:
 契約には血判を押すこと。

 英文はなんか気の利いた言い回しをしようとしてる雰囲気があるんだけど、なんか日本語訳がすごいサッパリした真面目な文章になってる。いや感覚的なものだけど。

余談3:火曜日 《不可侵議員/Council of the Absolute》

 イラストでは、フリーザ様の乗ってたメカみたいな座席に身を沈めている議員たちが3人。効果を鑑みるに3人の役割はそれぞれ「指定する人」「禁止する人」「軽くする人」なのかな。そう考えるとカマイタチみたいだ。

余談4:水曜日 《ゴブリンの試験操縦士/Goblin Test Pilot》

 フレイバーテキストが気になる。「操縦士ならびに試作機は全損。莫大な二次的被害を誘発」とあるんだけど……操縦士と機体が全損したなら、他に被害は一切出てないんじゃないかな。

 そもそもこのカード、どうやって「対象に2点のダメージを与える」のか、その手段がイマイチ伝わってこない。銃器の類でもないし、体当たりだとしたら自分には絶対当たらないし……。

 メカニズム自体はイゼットっぽいデタラメさにあふれてるんだけど。

余談5:木曜日 《反逆の混成体/Renegade Krasis》

 レネゲイド(Renegade)というとTRPGシステム「ダブルクロス」を思い出す。デザイナーである矢野俊作さん直々にゲームマスターをして頂いたことが何度かあるという点で印象深いシステム。

 それはさておき、英語の話。上記の「Renegade」は普通に英単語として辞書に載ってたんだけど、混成体を意味するらしい「Krasis」が見つからない。マジックの背景世界用語かな、と思って調べたら実際そうだった(オチなし)。

  Planeswalker’s Guide to Gatecrash: Part 2
  http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/feature/225

  プレインズウォーカーのための「ギルド門侵犯」案内 その2
  http://mtg-jp.com/reading/translated/004152/

 以下、混成体の解説文を引用。
混成体
 シミックのあらゆる雑種生命はそのような生物全てを指す用語である混成体と呼ばれている。(中略)ギルドは複数の有機体の特色を一つに結合させて扱おうと試み、また今も魔法を用いて現存する生物から新たな形態を生み出そうとしている。

余談6:金曜日 《腐敗農場の骸骨/Rot Farm Skeleton》

 普通のアンデッドたちは墓地の死体その他を「消費」して復活するのに対して、このスケルトンは「墓地を肥やしながら」復活する(蘇ったあとのほうが墓地に死体が増えている)。伊達にその名前に「農場」と入っているわけではないらしい。

 しかし「植物」で「スケルトン」とはまた不思議なクリーチャーだな。「植物」だって腐るわけだから「ゾンビ」だと1体の生物としてイメージしやすいんだけど、このクリーチャーの場合は骨の部分と植物の部分がきっちり分かれてそう。1体の生物というより、共生している複数の生命体みたいな。

余談7:その他のゲーム

 最近、ボードゲームのプレイ動画を見るのが楽しい。滅多に遊べなくてセオリーが分からないゲームを勉強がてら見たり、遊んでみたいとは思っているけどなかなか機会がないゲームを予習がてら見たり。

 アグリコラ(ルール説明、およびプレイ動画)
 http://www.nicovideo.jp/watch/sm13732583

 アグリコラは農場経営ゲーム。コンポーネントがとても多い上にボード自体も大きくて場所を取る。さらにルールも直観的ではない上に、1ゲームが長いので、一緒に遊んでくれる人を探すのが大変、かつ場所を確保するのも大変。

 これでつまらなければ何の問題もない(単に遊ばなければいい)んだけど、コンポーネント並べて自分だけの箱庭を作ったり、狙い通りに農場を発展できたりすることがとても楽しいし、面白いのが困りもの。また遊びたい。

 ダンジョンズアンドドラゴンズ第4版
 http://www.hobbyjapan.co.jp/dd/article/index2.html

 最近のリプレイはとにかくドラマ性やストーリー性を前面に打ち出しまくっているせいで、あまりにも「理想的な」セッションになってしまっている。それに対して「じゃあリアルなセッション、見せてやんよ!」という実況配信動画がこれ。

 リプレイみたいにいかない、と悩むようなことがあればこれを見ればいいんじゃないだろうか。実際のセッションなんてこんなもんだから。楽しんだもの勝ちだから。

 ダンジョンクエスト完全日本語版
 http://www.nicovideo.jp/watch/sm17947612

 ランダムで選んだキャラクターでダンジョンに潜ってお宝を持ち帰るゲーム。ランダムで引いたダンジョンタイルを並べて進み、これまたランダムで起きるイベントを能力値判定で回避していく、TRPG的なボードゲーム。

 動画見ていて思ったのは、とにかく「殺す気満々」過ぎるデスダンジョンだなあ、ということ。

 単なるサソリや毒ガスなどであれば判定に失敗してもダメージを受けたりターンを飛ばされたりするだけで済むけど、下手すると「失敗したら、あなたは死ぬ」というシンプル過ぎるデストラップが出現。動画でも情け容赦のない死が頻発する。必見。

余談8:発掘

 先日、実家に帰った際に親から「押し入れに私物がたくさんあるから整理するように」という指示を受けた。基本的に私物は全部処分したはず、と思ってたけど、出てくる出てくる思い出の品というゴミの山。

 学生時代のノートやプリント、卒業証書、ラジオ番組を録音したカセットテープ、外国を旅行したときに手に入れたパンフレットやチケットを貼りつけたスクラップブック、などなど。

 そんな中にカードのストレージボックスがいくつも発見。これはお宝の予感、と期待しつつ開いて発見したのがコモンカードの山だった、この諦念ときたら(アイスエイジ版の《渦まく知識/Brainstorm》とか一応出て来たけど)。

 そうそう、このイラストが気持ち悪かったな、と懐かしく《大イモムシ/Giant Caterpillar》を眺めていて、ふと気づいたことがあった。英語版と日本語版のカードが両方出て来たのでフレイバーテキストを見比べてたんだけど……
原文:
 "‘I’ve seen hornworms big as a man’s fist,’ the traveler said, and nodded soberly when our jaws went slack at his ignorance."
 —Afari, Tales

日本語訳:
 「おれは、大人の握り拳ほどのイモムシをみたことがあるんだ」旅人はそう言って、真顔でうなずいた。そのときだった。自分の無知に、旅人があんぐりと口を開けたのは。
 -アファーリー 「語り」

 これ、おかしい気がする。

 日本語版だと「真顔でうなずいた」のと「あんぐりと口を開けた」のが両方とも同じ人になってる。だけど英語版を読む限り、「真顔でうなずいた」のは「旅人(the traveler)」で、「あんぐりと口を開けた」のは、旅人の話を聞いていた「our jaws」の持ち主たちのはず。

 あえて訳すならこんな感じになるのかな。
拙訳:
 「おれは、大人の握り拳ほどのイモムシをみたことがあるんだ」旅人はそう言って、真顔でうなずいた。それを聞いた私たちは彼の無知さにあんぐりと口を開けてしまった。

 あと、これとはまったく関係ないけど、同じときに発見した《サイの暴走/Crash of Rhinos》のフレイバーテキストがロマンチックだったので紹介しておく(なおこのカード名の訳も実はちょっと怪しい。「Crash of rhinos」は「Flocks of sheep」と同じように「~の群れ」を指す言い回し)。
日本語訳:
 恋はサイのようなもの。性急で、まわりが見えない。もしも道がないならば、突き破ってでも進んでみせる。
 ── フェメレフの格言

銅の甲殻/Copper Carapace - ミラディン包囲戦 コモン
Copper Carapace / 銅の甲殻 (1)
アーティファクト — 装備品(Equipment)
装備しているクリーチャーは+2/+2の修整を受けるとともに、それではブロックできない。
装備(3)((3):あなたがコントロールするクリーチャー1体を対象とし、それにつける。装備はソーサリーとしてのみ行う。)
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Copper+Carapace/

 フィフスドーンの時代を経て、一部のヴィリジアンのエルフたちは、金属は肉体ほどに自然に近しい存在ではない、と考えるようになった(ミラディンにおいては普通でない考え方だ)。いずれにせよ、彼らは引き続き反テクノロジーの教えに従って破壊を続けていたが、それもファイレクシアが侵攻してくるまでのことだった。

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0513
野生の狩りの達人/Master of the Wild Hunt - 基本セット2010 神話レア
Master of the Wild Hunt / 野生の狩りの達人 (2)(緑)(緑)
クリーチャー — 人間(Human) シャーマン(Shaman)
あなたのアップキープの開始時に、緑の2/2の狼(Wolf)クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。
(T):クリーチャー1体を対象とする。あなたがコントロールするすべてのアンタップ状態の狼をタップする。これによりタップされた各狼は、それぞれそのクリーチャーに、自身のパワーに等しい点数のダメージを与える。そのクリーチャーは、自身のパワーに等しい点数のダメージを、それのコントローラーの望むように、それらの狼に割り振って与える。
3/3
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Master+of+the+Wild+Hunt/

 英語のカード名の元ネタは、古代のガリアとドイツの民話を発祥とする「Wild Hunt」(註1)から来ている。これは、西はウェールズ、北はスカンジナビア、そして中央ヨーロッパのドイツにまで広範囲に渡って言い伝えられている民話だ。

(註1) Wild Hunt
 原文では以下のURLにリンクが張られている。対象の民話に関するWikipediaの記事。
 http://en.wikipedia.org/wiki/Wild_Hunt

 日本語版のWikipediaにも「ワイルドハント」という項目で記事があった。
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%83%88

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0513
ウルヴェンワルドの熊/Ulvenwald Bear - 闇の隆盛 コモン
Ulvenwald Bear / ウルヴェンワルドの熊 (2)(緑)
クリーチャー — 熊(Bear)
陰鬱 ― ウルヴェンワルドの熊が戦場に出たとき、このターンにクリーチャー1体が死亡していた場合、クリーチャー1体を対象とし、それの上に+1/+1カウンターを2個置く。
2/2
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Ulvenwald+Bear/

 遥か昔、あの平穏なアルファ版の日々に《灰色熊/Grizzly Bears》たちは2マナで2/2だった。それ以来、同じパワーとタフネスとコストを持つクリーチャーは俗に「Bear (クマ)」と呼ばれるようになった。なお、2マナの2/2で何らかのメリットとなる能力を持っている場合、そのクリーチャーは「Value Bear (クマの上位互換)」であり、《ウルヴェンワルドの熊/Ulvenwald Bear》はその弱体化版である。

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0513
銀筋毛の狐/Silverchase Fox - イニストラード コモン
Silverchase Fox / 銀筋毛の狐 (1)(白)
クリーチャー — 狐(Fox)
(1)(白),銀筋毛の狐を生け贄に捧げる:エンチャント1つを対象とし、それを追放する。
2/2
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Silverchase+Fox/

 ガツタフの村は狼男が数多く生息するケッシグ州の中に存在している。排他的なガツタフの村の長老であるコルマンはその冷酷さで知られている。彼の言葉で有名なものに「ケッシグ州ではプリーストよりも狼男のほうが多い」がある。

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0513
ボロスの猛犬/Boros Mastiff - ドラゴンの迷路 コモン
Boros Mastiff / ボロスの猛犬 (1)(白)
クリーチャー — 猟犬(Hound)
大隊 ― ボロスの猛犬と少なくとも2体の他のクリーチャーが攻撃するたび、ボロスの猛犬はターン終了時まで絆魂を得る。(絆魂を持つクリーチャーがダメージを与える場合、さらにそのコントローラーは同じ点数のライフを得る。)
2/2
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Boros+Mastiff/

 ボロスのウォジェク連盟には動物部門があり、そこではボロスの法の執行を手助けしてもらうために猟犬を訓練している。動物部門は他のウォジェク連盟のメンバーの様々な仕事をサポートしている。その仕事とは捜索と救出、爆発物や魔法の品の検出、放火の捜査、死体の捜索、また行方不明者の探索などである。

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0513
余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 なんか隠しテーマがありそうな気がするんだけど思い付かない。あるとすればおとぎ話や童話が元になっていそうな気がする。

  《銅の甲殻/Copper Carapace》
  《野生の狩りの達人/Master of the Wild Hunt》
  《ウルヴェンワルドの熊/Ulvenwald Bear》
  《銀筋毛の狐/Silverchase Fox》
  《ボロスの猛犬/Boros Mastiff》

 自力では思い付かなかったのでギブアップ。グーグル先生に聞いてみた。

 「Fox Bear Copperって何か知ってますか?」
 「(0.22秒)知ってるよ。ディズニー映画だね。原作小説もあるけど」

 というわけで正解は「The Fox and the Hound(邦題:きつねと猟犬)」というディズニーアニメ映画(原作は同名の小説)。正直なところ、まったく聞いたことのない作品。

 カードとの絡みは「主人公がキツネと猟犬(Fox、Mastiff)」「ラスボスがクマ(Bear)」「主人公である犬の名前がコッパー(Copper)」「敵役が猟師(Master of the Wild Hunt)」。

 英語版 Wikipedia:The Fox and the Hound
 https://en.wikipedia.org/wiki/The_Fox_and_the_Hound

 日本語版 Wikipedia:きつねと猟犬
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8D%E3%81%A4%E3%81%AD%E3%81%A8%E7%8C%9F%E7%8A%AC

余談2:月曜日 《銅の甲殻/Copper Carapace》

 マナコストが(1)で装備コストが(3)。効果は「+2/+2」だけで「ブロックできない」というデメリットつき。レアや神話レアの剣を思い出してはいけない。マナコストが1点軽いから下位互換ではない、とか無駄な抵抗をしてはいけない。

 言うほど悲しい上下関係のことは忘れて、訳の話。
原文:
 After the events of the Fifth Dawn, some Viridian elves began to believe that metal wasn’t as natural as flesh... on Mirrodin.

拙訳:
 フィフスドーンの時代を経て、一部のヴィリジアンのエルフたちは、金属は肉体ほどに自然に近しい存在ではない、と考えるようになった(ミラディンにおいては普通でない考え方だ)。

 フィフスドーンを経てから初めて「metal wasn’t as natural as flesh」と一部のエルフだけが思い始めるようになった、ということは、言い換えると、それまでは「metal is as natural as flesh」と思われていたという前提があるわけだよな、という考えの元に訳してみた。

余談3:火曜日 《野生の狩りの達人/Master of the Wild Hunt》

 残念ながら寡聞にして「ワイルドハント」という伝説は聞いたことないな。大量の幽霊めいた人(猟師)や動物(馬や猟犬)が大挙してただ通り過ぎていく、というと、どこか日本の「百鬼夜行」を連想させるものがある。見たら死ぬ(もしくは不幸になる)というあたり、たちが悪いな。

 あまり詳しくない伝説について語るのもなんなので、訳の話。
原文:
 The Wild Hunt originated from ancient Gallic and Germanic folklore.

拙訳:
 英語のカード名の元ネタは、古代のガリアとドイツの民話を発祥とする「Wild Hunt」から来ている。

 英語の「originated from」をどうしようかな、と悩んだ。「~に端を発する」とか「~を起源とする」とか色々と選択肢があった。拙訳では「元ネタ」……ではなく、対応する日本語部分は「発祥とする」。

 読むとすぐ分かるかもしれないけど「英語のカード名の元ネタは」に当たる原文はない。原文はそもそも「Wild Huntという現象があり、それは民話からきている」というネタでしかない。

 でもなんで「Wild Hunt」の話をいきなりし始めるかというと当然それがカード名に含まれているからであって、そこから始めないと「今日のカード」からつながらない気がしたので。

余談4:水曜日 《ウルヴェンワルドの熊/Ulvenwald Bear》

 日本でもすっかりメジャーな「クマ」という俗称に関するネタ。本当かどうか知らないけど、どうやら英語では「クマの上位互換」を意味する「Value Bear」という俗称があるらしい。

 日本ではそれを一言で指す俗称はないなあ。「~の能力が役に立たない場合でも、少なくともクマではある」とか「~の能力を持ったクマ」とか、あくまでクマというカテゴリの一種に含めてる気がする。

 コメント欄で提案があったので今後は「雑種犬」と呼んでみようか。

余談5:木曜日 《銀筋毛の狐/Silverchase Fox》

 ガツタフの村に関する固有名詞の訳については以下の公式コラムを参照させてもらった。

  プレインズウォーカーのためのアヴァシンの帰還案内 その2
  http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/feature/191a

  プレインズウォーカーのためのアヴァシンの帰還案内 その2
  http://mtg-jp.com/reading/translated/003184/

 ついでに、上記コラムから、長老コルマンが狼男狩りを行っている部分を引用してみる。こういうことが起きた結果、人間同士も疑心暗鬼にとらわれるようになるんだよな。怖い。
 大勢の群衆の目前で、彼は狼男であると思われた4人を処刑した。それは彼らが人間の姿をとっている間に行われたので、彼らの呪いを確認するのは不可能だったが、証拠は堅固なものに思えた。人々の多くはその罰に喝采を上げたが、処刑されたうちの1人は呪いを受けていなかったと後に判明した。

余談6:金曜日 《ボロスの猛犬/Boros Mastiff》

 辞書で調べる限り、マスチフ(Mastiff)って犬の品種名っぽい。マジックの対訳で「マスチフ」と訳すのを避けたのは、あまり一般的じゃないと判断されたからなのか、実在の犬種を持ち込むのを避けたのか。

余談7:その他のゲーム

 先週から引き続きのマイブームとして、ボードゲームのプレイ動画を見るのが楽しい。先週はアグリコラやダンジョンクエストを見ていたけど、今週は主に「カタンの開拓者」の動画を見ている。

 動画を見ていて以下に間違ったルールで(もしくはローカルルールで)遊んできたのかに初めて気づいた。何しろ初めて遊んだときは、まだ日本語版が発売されていないときで、ドイツ語版の製品を手探り状態で遊んでいた。

 どういったミスやローカルルールがあったかというと……

  ・発展カードは1ターンに何枚でも使える
  ・同じ方向に道を2本以上伸ばしてはいけない
  ・騎士カードを使ったときに手札が8枚以上あるとバーストする

 ……という感じ。

 まあ、そんなことはさておき動画紹介。

 俺達は地球に良く似たカタン島に現れた開拓者だ Part1
 http://www.nicovideo.jp/watch/sm15882695

 トレーディングカードゲーム「ヴァンガード」のアニメ版のキャラクターたちが「カタンの開拓者」を遊ぶ、というプレイ動画。丁寧な解説もついているし、プレイヤーたちもキャラが立っていて楽しい。

 アニメ版の「ヴァンガード」は見たことないけど、小説版はちょっとした縁もあるので全部買ってる(小説は1巻~3巻が好評発売中(宣伝))。そのおかげで主要キャラは知っており、動画も楽しめた。

 catan m@ster~対戦編~
 http://www.nicovideo.jp/watch/sm5478035

 アイドルマスターのキャラクターたちが「カタンの開拓者」を遊ぶ、というプレイ動画。前述のヴァンガードのものと違って、こっちは参加プレイヤー1人の視点に立っているため、他プレイヤーの手札やチャンスカードが見えない。

 正直、前述のヴァンガード版のプレイ動画のほうがずっと見やすい。もっともこっちは2008年の動画だからしょうがないといえばしょうがない(ヴァンガードのほうは2011年の動画)。
遠隔+不在/Far+Away - ドラゴンの迷路 アンコモン
Far / 遠隔 (1)(青)
インスタント
クリーチャー1体を対象とし、それをオーナーの手札に戻す。
融合(あなたはこのカードの片方の半分または両方の半分をあなたの手札から唱えてもよい。)
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Far/

Away / 不在 (2)(黒)
インスタント
プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーはクリーチャーを1体生け贄に捧げる。
融合(あなたはこのカードの片方の半分または両方の半分をあなたの手札から唱えてもよい。)
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Away/

 分割カードに描かれている素晴らしいイラストは、残念ながら少々見づらくもある。ではここでイラストレーターへ出された指示をチェックすることで、イラストに描かれている犠牲者たちが誰なのかを調べてみよう。
 まずは《遠隔/Far》の指示内容だ。「グルールのオーガ。青いエネルギー体によって生み出された渦がオーガを飲み込もうとしているのに対してあがいている」
 次に《不在/Away》の指示内容だ。「セレズニアのエルフ。光沢のある黒い触手たちによってその足元から消化され始めている」
 さあ、これでイラストに何が描いてあるのか分かったね!

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0513
ドワーフ徴募兵/Dwarven Recruiter - オデッセイ コモン
Dwarven Recruiter / ドワーフ徴募兵 (2)(赤)
クリーチャー — ドワーフ(Dwarf)
ドワーフ徴募兵が戦場に出たとき、あなたのライブラリーから好きな数のドワーフ(Dwarf)・カードを探し、それらを公開する。あなたのライブラリーを切り直す。その後それらをあなたのライブラリーの一番上に望む順番で置く。
2/2
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Dwarven+Recruiter/

 マジックには38体のドワーフがいる(註1)。そのうち35体は赤である(さらにそのうちの3体は白でもある)。つまり君は赤いドワーフを1枚ずつ詰め込んだファンデッキを作ることが出来るし、さらに《ドワーフ徴募兵/Dwarven Recruiter》を使ってそれらドワーフを……なんていうか、そう、徴募してくることができる。

(註1) 38体のドワーフがいる
 原文ではサブタイプにドワーフ(Dwarf)を持つカードを検索条件にした、公式サイトの検索エンジンであるGathererの検索結果へのリンクが張られている。

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0513
ドワーフ打撃部隊/Dwarven Strike Force - オデッセイ アンコモン
Dwarven Strike Force / ドワーフ打撃部隊 (4)(赤)
クリーチャー — ドワーフ(Dwarf) 狂戦士(Berserker)
カードを1枚無作為に選んで捨てる:ドワーフ打撃部隊はターン終了時まで先制攻撃と速攻を得る。
4/3
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Dwarven+Strike+Force/

 モダン環境で使用可能なドワーフは5体いる(註1)。そのうちの4体はイーブンタイドで登場した「デュルガー/Duergar」だ。「デュルガー/Duergar」はノルウェー語の「Dvergar」を英語で表記したつづりであり、マジックでの使われ方から単語の意味が「神話上のドワーフ」であることを推測できた人もいるかもしれない。ダンジョンズアンドドラゴンズに慣れ親しんでいるプレイヤーであれば単語自体を見たこともあるかもしれないね(註2)。

(註1) モダン環境で使用可能なドワーフは5体いる
 原文では公式サイトの検索エンジンであるGathererの検索結果へのリンクが張られている。モダンフォーマットで使用可能、かつサブタイプにドワーフ(Dwarf)を持つカードが検索条件になっている。

(註2) ダンジョンズアンドドラゴンズに慣れ親しんでいるプレイヤーであれば
 ダンジョンズアンドドラゴンズには邪悪なドワーフの種族にDuergar(ドゥエルガル)が存在する。第2版であるAD&Dのサプリメントで初登場し、その後も第3版と第3.5版のモンスターマニュアル、そして第4版のモンスターマニュアル2でも登場している。

 (参照) Wikipedia:Duergar (Dungeons & Dragons) の項目
 http://en.wikipedia.org/wiki/Duergar_(Dungeons_%26_Dragons)

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0513
シヴ山のドラゴン/Shivan Dragon - アルファ版 レア
Shivan Dragon / シヴ山のドラゴン (4)(赤)(赤)
クリーチャー — ドラゴン(Dragon)
飛行
(赤):シヴ山のドラゴンはターン終了時まで+1/+0の修整を受ける。
5/5
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Shivan+Dragon/

 シヴはドミナリアの次元に存在する地名である(そしてまたプレインチェイスに登場する次元の1つでもある)。この地からは「シヴの(Shivan)」を含む多くのカードが生まれた(註1)。
 その中でも一番最初に生まれたのが《シヴ山のドラゴン/Shivan Dragon》だ。またこのカードはマジックで一番最初に成熟したドラゴンでもある(アルファ版に存在したドラゴンはこのカード以外にはチビ(註2)しかいなかった)。

(註1) 「シヴの(Shivan)」を含む多くのカードが生まれた
 原文では公式サイトの検索エンジンであるGathererの検索結果へのリンクが張られている。名前に「シヴの(Shivan)」を含むカードが検索条件になっている。

(註2) チビしかいなかった
 《チビ・ドラゴン/Dragon Whelp》のこと。アルファ版は絵がかわいい。

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0513
山/Mountain - リミテッドエディション コモン
Mountain / 山
基本土地 — 山(Mountain)
(赤)
参照:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Mountain/

 その昔、2009年にマーク・ローズウォーター(註1)が明かしたところによれば、5種類ある基本土地のうちで特定の1種類だけ他よりも多く刷られているとのことだ。マーク・ローズウォーターによる詳しい説明はこのコラム(註2)で読むことができる(記事で取り上げられている中で13個目のトピックだ。ラッキーナンバーだね)。

(註1) マーク・ローズウォーター
 原文ではマーク・ローズウォーターの書いたコラムの一覧へのリンクが張られている。なお公式サイトの言語設定を日本語にしておくと、日本語訳されているマーク・ローズウォーターの記事一覧が表示される。便利かもしれない。

(註2) このコラム
 原文では2009年にマーク・ローズウォーターが書いたコラムへのリンクが張られている。マジックに関する雑多な25個のネタについて語られている。

 マジックがその名前を「マジック」以外になるところだった話とか、《大蜘蛛/Giant Spider》のマナコストの表記が(4)(緑)になるかもしれなかった話とか、《島/Island》がレアだった話とか、色々と面白いネタが語られている。

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0513
余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 物語性を感じるカード群だったので、何かしらのテーマが隠されていそうに見える。少し前に上映された「ホビットの冒険」かな。ドワーフもドラゴンも山も出てくる。ただ「Recruiter」や「Strike Force」が絡まないから違うか。

 最後が《シヴ山のドラゴン/Shivan Dragon》と来たあとに《山/Mountain》が締めだったので「山の名前」という可能性も考えてみたけど、上手く見つからなかった。そもそも「Shivan」を「シヴ山」と訳したのは日本側の意訳に過ぎない。

 イラスト、カードタイプ、記事の内容などについては、これといって一貫性があったようには感じられない。迷宮入りかな。これ以上はこじつけでしか思いつかない。なおグーグル先生も特にご存じなかった模様。

余談2:月曜日 《遠隔+不在/Far+Away》

 分割カードの伝統である「2つのカード名を and でつなぐと熟語になる」は今回も健在らしい。日本語版は《遠隔+不在》のように熟語にならないものもあれば、《唯々+諾々》のように熟語になるものもある。

 《Far & Away》       :「far and away ~ 」で「はるかに ~ である」
 《Toil & Trouble》      :「toil and trouble」で「辛苦、労苦」
 《Beck & Call》        :「beck and call」で「言いなりになる」
 《Wear & Tear》       :「wear and tear」で「摩耗、損傷」
 《Armed & Dangerous》  :「armed and dangerous」で「武装しており危険」

余談3:火曜日 《ドワーフ徴募兵/Dwarven Recruiter》

 同じ能力だったらゴブリンの方が強いというのはドワーフからするとかなり腹立たしいことなのではないだろうか。ゴブリンのほうが有能な人材(ゴブリン材?)が多い、ってことに他ならないわけで。

 怒りっぽいドワーフのことはさておき、訳の話。
原文:
 "Duergar" is an alternative spelling of the Norse word "dvergar," which you might have guessed from context to mean the mythological dwarf.

拙訳:
 「デュルガー/Duergar」はノルウェー語の「Dvergar」を英語で表記したつづりであり、マジックでの使われ方から単語の意味が「神話上のドワーフ」であることを推測できた人もいるかもしれない。

 迷ったのは「the mythological dwarf」の部分。「Mythological」は素直に訳せば「神話の」となるのはいいとして、問題の「デュルガー/Duergar」が、ノルウェーの民話から来ているのか、童話から来ているのか、神話から来ているのかによって変えないといけない気がした。

 どうやら神話らしいので結果としてはそのままの訳に。

余談4:水曜日 《ドワーフ打撃部隊/Dwarven Strike Force》

 いや「モダン環境で使用可能なドワーフは5体いる。4体は(今日のカードに関係ない)デュルガーと呼ばれる一族だ」というからには、そのデュルガーではない5体目が今日のカードである《ドワーフ打撃部隊/Dwarven Strike Force》だと思うのが普通じゃないか。

 まさか、その5体目が《ドワーフ爆破作業班/Dwarven Demolition Team》だとは思わないし、Card of the Day(今日のカード)として取り上げられているカードが記事内容で一切触れられないまま終わるとは思わないし。

余談5:木曜日 《シヴ山のドラゴン/Shivan Dragon》

 第4版の時代には人気のあるカードとして有名だったらしいけど、当時、実際に仲間内で使われた記憶がほとんどない。第4版全盛期だったのに。

 仲間内で使われていた第4版のカードというと《セラの天使/Serra Angel》とか《大地の怒り/Force of Nature》とか《夢魔/Nightmare》とかが記憶にある。

 ……なんでこのラインアップが使われてて《シヴ山のドラゴン/Shivan Dragon》は見かけなかったんだろう。不思議だ。多分、誰も引かなかったんだろう。

 シヴ山という響きにいまだに違和感のあるカード名はさておき、訳の話。
原文:
 Shiv is a location on the plane of Dominaria (as well as a Plane from Planechase), whence came numerous cards with "Shivan" in their names.

拙訳:
 シヴはドミナリアの次元に存在する地名である(そしてまたプレインチェイスに登場する次元の1つでもある)。この地からは「シヴの(Shivan)」を含む多くのカードが生まれた。

 訳に困ったとか、1文を2文に分けてみたとか、そういう細かい話ではなく、単に「whence」という単語を知らなかったという話。最初見たときは別の単語のタイプミスだとばかり思って、辞書を引いてびっくり。

 意味としては「from where」のような感じで「そこから ~ 」となる。代名詞。

余談6:金曜日 《山/Mountain》

 アイスエイジ版の絵が一番好き。

余談7:その他のゲーム

 先々週から引き続きのマイブームとして、ボードゲームのプレイ動画を見るのが楽しい。先週は主に「カタンの開拓者たち」関連の動画を見ていたけど、今週は主に「プエルトリコ」の動画を見ている。

 Board Game m@ster ~プエルトリコ~ ルール解説
 http://www.nicovideo.jp/watch/sm9476229

 Board Game m@ster ~プエルトリコ~ 対戦編
 http://www.nicovideo.jp/watch/sm9496588

 遊んだことが一度も無く、前から気になっていたのでちょうどよいとばかりにルール解説から対戦編まで見ているんだけど、やっぱり未プレイだと理解しきれない。残念。

 ボードゲームの歴史の中で「カタン」時代と「ドミニオン」時代をつなぐ存在らしいので、アナログゲーム好きを自認する身としてはいつかは遊んでみたい。ルール把握できたらあらためて見よう。

余談8:検索ワード

 最近の検索ワードの中で一番気に入ったのは「リチャードガーフィールド 最強」。
破滅小径の悪党/Bane Alley Blackguard - ドラゴンの迷路 コモン
Bane Alley Blackguard / 破滅小径の悪党 (1)(黒)
クリーチャー — 人間(Human) ならず者(Rogue)
1/3
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Bane+Alley+Blackguard/

 現実には「ブラックガード」より「ブラッガード」と発声されることが多い「Blackguard」とは、下品で卑劣で信用のおけない人物を指す言葉だ。
 さらに狭義では、上流階級の女性に向かって粗野な言葉を投げつける男性を指す言葉でもある。もっともこの悪党が住んでいる「破滅小径」などという場所でそんな女性に会う可能性はほとんどないだろうが。

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0513
影小道の住人/Shadow Alley Denizen - ギルド門侵犯 コモン
Shadow Alley Denizen / 影小道の住人 (黒)
クリーチャー — 吸血鬼(Vampire) ならず者(Rogue)
他の黒のクリーチャーがあなたのコントロール下で戦場に出るたび、クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで威嚇を得る。(それはアーティファクト・クリーチャーかそれと共通の色を持つクリーチャー以外にはブロックされない。)
1/1
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Shadow+Alley+Denizen/

 ラヴニカの吸血鬼の特徴として空洞化した目がある。彼らの目には瞳孔がないのだ。このささいな外見上の特徴によって他の世界の吸血鬼との差別化が図られている。他の世界の吸血鬼というのはイニストラードの吸血鬼(白目部分が黒い)や、ミラディンの吸血鬼(注射器のような指先)や、ゼンディカーの吸血鬼(肩や肘から生えている角)だ。

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0513

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