縫い師の見習い/Stitcher’s Apprentice - イニストラード コモン
Stitcher’s Apprentice / 縫い師の見習い (1)(青)
クリーチャー - ホムンクルス(Homunculus)
(1)(青),(T):青の2/2のホムンクルス・クリーチャー・トークンを1体戦場に出し、その後クリーチャーを1体生け贄に捧げる。
1/2
参照:http://www.wizards.com/magic/tcg/article.aspx?x=mtg/tcg/innistrad/cig

 公式にプレビューとして発表されたイニストラードのカードを見るにはイニストラードカードギャラリー(註1)を参照してくれ!

(註1) イニストラードカードギャラリー
 原文には以下のURLへのリンクが張ってある。
 http://www.wizards.com/magic/tcg/article.aspx?x=mtg/tcg/innistrad/cig

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0911
カラスの群れ/Murder of Crows - イニストラード アンコモン
Murder of Crows / カラスの群れ (3)(青)(青)
クリーチャー - 鳥(Bird)
飛行
他のクリーチャーが1体死亡するたび、あなたはカードを1枚引いてもよい。そうした場合、カードを1枚捨てる。
4/4
参照:http://www.wizards.com/magic/tcg/article.aspx?x=mtg/tcg/innistrad/cig

 公式にプレビューとして発表されたイニストラードのカードを見るにはイニストラードカードギャラリー(註1)を参照してくれ!

(註1) イニストラードカードギャラリー
 原文には以下のURLへのリンクが張ってある。
 http://www.wizards.com/magic/tcg/article.aspx?x=mtg/tcg/innistrad/cig

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0911
 馴染みのないには分かりづらいかもしれないという理由でプレイヤー名については基本的にフルネームで訳している。例えばPatrick Chapinは原文で「Chapin」と呼ばれたり「Pat」と呼ばれたりしているけど、全て「Patrick Chapin」としている。また、文中の(註)は単なる注釈で、(訳註)は訳が怪しい箇所を指している。

【翻訳】最も偉大なプレイヤーであるカイ・ブッディを偉大なプレイヤーであるPVがインタビューしてみた/From Great to Greatest【Channel Fireball】
Paulo Vitor Damo da Rosa
2011年02月02日
元記事:http://www.channelfireball.com/articles/pvs-playhouse-from-great-to-greatest/

 ハロー!

 僕はインタビュー記事を読むのが大好きだ。だけど1つだけどうにも困っていることがある。新たな発見がないんだ。どうしてかというと、どのインタビューも僕がそれまでに一緒に調整したり対戦したりしたことがあるプレイヤーが相手なんだ。つまりそれなりに僕が知っている人というわけで、考えや実績についてある程度すでに知ってしまっているんだ。

 だからインタビュー記事を見るたびに、僕が過去に話す機会が無かった人物や僕がすでに何かを学んだことのある人物以外、言ってみれば「僕の人生に登場したことのない人物」がインタビューの相手がだったらいいのにと思ってしまう。

 BradとMatignonを相手にしたAntoineのインタビュー記事を読み終えたとき、自分の道は自分で切り開くしかないんだ、と覚悟を決めた。候補として、真っ先にある人物が思いついた。なぜならその相手は僕にとってあまりに謎に包まれた人物だったからだ。

 全てのプレイヤーの中で、もっとも得るところのある人物であり、もっとも学ぶところのある人物であり、かつ僕が今までに一度も話したことのない人物。もっとも彼のインタビュー記事が過去に1つもないってことは、つまり皆にとって何が何でもインタビュー記事を読みたいプレイヤーではないらしいというわけで、ちょっと不安もないではない。

 さて、紳士淑女の皆さま、マジックの歴史上もっとも成功したプレイヤーであるKai Budde氏をここにお招きしております!

 まずはKaiにインタビューを受けてくれたことを感謝したい。このインタビューは非常に長いものだったし、これを受けることの労苦を耐えてくれたことを嬉しく思う。僕がこのインタビューを楽しんだのと同じように、君たちも楽しんでくれるといいな。

 さあ、始めよう。
以下、青文字がインタビューしている側で、答えているのがKai Budde。

質問:
 マジックを遊び始めたのはいつ、どのようにですか? 遊び始めたときからすでにトーナメント志向だったのでしょうか。それとも最初はあくまでホビーの1つとして始めたのでしょうか。


 遊び始めたのは学校でかな。確か1996年だったと思う。僕にマジックを紹介してくれた奴はあまりトーナメントに興味を持ってなかった。僕らは多人数プレイで遊んでたね。同じ学校の別の子は地元のお店に行って、そこのトーナメントに参加してた。僕もそれについてって、そこの常連と友達になったんだ。

質問:
 いつ頃から、単なるホビー以上のものとなったんですか?


 そこの常連の人達は結構強かった。その中にドイツ選手権に第1回から全部参加しているプレイヤーたちが何人かいて、初めてレーティングが導入されたときその中の1人がドイツのトップに立ったんだ。

 その人達はあちらこちらのプロツアーにも顔を出すようになって、そのうちFrank Adlerがアトランタで行われた最初(で最後)のプレリリースシールドデッキによるプロツアーを制した。そこで友人が高いレベルで成功するのを見たのが始まりかもね。

質問:
 あなたはプロツアーの歴史上、最も成功したチームであるPhoenix Foundationの一員でした。このチームはどのようにして結成されたのですか? また、チーム名の由来があれば教えてください。


 Dirk Baberowski(註)が地域の奉仕活動の為にケルンに引っ越してきたんだ。すぐに友達になったよ。

 僕たちは当時ドイツで最も成功していたプレイヤーであるAndre Konstanzerを加えて、最初と次のチームプロツアーに参加した。だけどそのうちMarco Blume(註)もケルンに引っ越してきて、一緒にプレイテストをするようになった。次のチーム戦がいつどんな形式で行われるか分からなかったからチームの構成について議論した記憶はないな(訳註)。

 トーナメントに出るにあたってチーム名を決めないといけなかったんだけど、ぶっちゃけ何も考えてなかったから、なんかネタに走るかって話になって、The MacGyverシリーズのPhoenix Foundation(註)からとることにしたんだ。
(註) Dirk Baberowski
 Dirk Baberowski。ドイツのトッププレイヤーの1人でPhoenix Foundationの一員。
 2008年に殿堂入りしている。

(註) Marco
 Marco Blume。ドイツのトッププレイヤーの1人でPhoenix Foundationの一員。

(訳註) 次のチーム戦がいつどんな形式で行われるか~
 原文「there was no real discussion as to what the line up for the next team event would be」
 訳が怪しい。

(註) Phoenix Foundation
 「The MacGyver」はアメリカのTVドラマ。日本でも放映されており邦訳は「冒険野郎マクガイバー」。「Phoenix Foundation(フェニックス財団)」はこのドラマに出てくる架空の組織。

質問:
 マジックをやめたのはなぜですか? やめたことを後悔していますか?


 単に興味がなくなったんだ。Maroco BlumeもDirk Baberowskiもやめてて、その時点でモチベーションを保つのはとても難しくなってた。マジックのための移動も結構大変だったし、楽しくも感じられなかった。

 精力的にマジックをプレイできた5年間は楽しかったけど、その時点ではもう十分だった。そろそろ違うことを始める時期かなと思ったんだ。今は色んな場所のトーナメントに出かけるのも楽しいけど、それでも全部に出ようとは思えないね。

質問:
 今現在のマジックとの「関係」はどのようなものですか?


 やめてからしばらくのあいだ、マジックにはまったく触れなかった。それまでがやりすぎだったからね。まったく触れなかったのは多分ラヴニカブロックからローウィン・シャドウムーアのブロックまでずっと(訳註)かな。

 新しいカードのチェックもしてなかったし、マジック・オンラインにもつないでなかった。プロツアーのカバレージも読んでない。

 最中に一度だけ世界選手権に参加したかな。そのとき、時のらせんのリミテッドは少し遊んだし事前にカードも読んだけど、結局はトーナメント中もカードをその場で何度も読む羽目になったよ。

 最近はもう少し遊んでるかもしれない。1週間に1回か2回はマジック・オンラインでドラフトしてるし、大体のトーナメントのカバレージは読んでるし、それと一緒にマジックの記事を読んだりもしてるよ。
(訳註) ラヴニカブロックからローウィン・シャドウムーアのブロックまでずっと
 原文では「whole Lorwyn Ravnica、Lorwyn and Shadowmoor blocks」となっており、直訳すると「ローウィン、ラヴニカ、ローウィン・シャドウムーアのブロックまで全部」となってイマイチ意味が通らない。
 よって最初の「Lorwyn」はタイプミスでないかと思われたので削った。

質問:
 あなたの考えを聞かせて下さい。「普通の生活(仕事、学業、その他の趣味)」を送りながらプロとして成功することは可能だと思いますか? もしくは、マジックにかけなければいけない時間とマジックのために必要な移動を考えるとそれは難しいと思いますか?


 学校や大学との両立は可能だと思うよ。ただ優先順位については本当に気をつける必要があるけどね。マジックを遊び過ぎて単位を落とすのは本当に簡単だから。一度でもマジックの大会のために試験をさぼるようになったらもう本当に手遅れだ。

 勤務時間が8時-5時の普通の仕事となると見込みなしだね。移動に時間をとりすぎるんだ。もし本当に他に一切の趣味がなくて、有給を全部マジックのイベントのために消費できて、かつ上司の理解が得られればいけるかもしれない。ただ僕に言わせれば、ストレスの溜まる生活になるだろうね。

質問:
 マジックのプロとして生きていくのは昔より楽になったと思いますか? それとも難しくなったと思いますか?


 個人的な意見だけど、実際問題、マジックの大会だけで生きていくのはかなり厳しいだろうね。当時だってそんな簡単じゃなかったけど、今よりはずっと簡単だったよ。

 マジック・オンラインがある世界とない世界、マジックの平均レベルの差を考えてごらんよ。今とは比べ物にならなかった。10年前よりも平均的プレイヤーのレベルはずっとずっと上手くなってる。

 もちろんプロ・プレイヤーたちのレベルもずっと上がってる。彼らにだってマジック・オンラインは助けになってるからね。だけどマジックはチェスとは違うんだ。テクニックより運の要素が占める割合が大きくなる段階までは結構簡単に辿りつける。

 それに最近の例で言えばLSV(註)とプロ・レベル4のプレイヤーとの差は、昔で言うグレイビートレイン(註)に乗ってるプレイヤーとJohn Finkel(註)の差ほどは開いてない。だから運の占める割合は以前よりずっと大きい。それと今のプロプレイヤーズクラブ(註)の恩恵も以前のマスターズや年度末の支給額に比べると随分見劣りするしね。
(註) LSV
 Luis Scott-Vargasの略。トッププレイヤーの1人であり、Channel Fireballのチームの一員でもある。説明不要な気もする。

(註) グレイビートレインに乗ってるプレイヤー
 原文では「Gravy Trainer」。一定数以上のプロポイントを保持しているプレイヤーは無条件にプロツアーの権利を得られた。権利保持者のことを「自動的にそこまで連れてってもらえる = 直通電車に乗ってる」的なイメージで「グレイビートレインに乗ってる」と呼んでたらしい。本当かどうかは知らない。

(註) John Finkel
 マジック史上最強は誰かという話になると、Kai Buddeとこの人の名前しか出てこないくらいすごい人。当然のように殿堂入り。2003年頃を最後に引退したと思ってたら、2008年のプロツアークアラルンプールでいきなり優勝してた。どんだけだよ。

(註) プロプレイヤーズクラブ
 マジックの規模の大きい大会で入賞すると順位に応じてプロポイントが得られ、年間で一定数以上のプロポイントを得たプレイヤーはその点数に応じて特典を得られる。このことを指してプロプレイヤーズクラブと呼ぶ。

質問:
 グランプリ・パリとプロツアー・パリ(註)には参加しますか? その他のプロツアーは?


 もちろんパリには行くつもりだよ。なんとか仕事の都合をつけられれば、身近なイベントには出来る限り参加したいって考えてる。例えばヨーロッパ開催のプロツアー、あともし出来ればアメリカ東海岸で開催される奴もかな。飛行機に乗ってまで太平洋周辺の地域の大会に出ることはあり得ない。銃で脅されでもしない限りはね。
(註) グランプリ・パリとプロツアー・パリ
 その後、Kai Buddeはこのグランプリ・パリに参加しベスト8に入っている。

質問:
 あなたの現役のピーク時、大会で特に当たりたくないプレイヤーはいましたか?


 Ben Rubin(註)との対戦戦績はあまり良くなかったかも。
(註) Ben Rubin
 Kai Buddeが現役の頃のアメリカのトッププレイヤー。前述のDirk Baberowskiと同じく2008年に殿堂入り。

質問:
 いきなり明日、プロツアーに参加しなければいけない、という状況に陥ったとします。あなた自身は一切のテストプレイをしていませんが、かわりに好きなプレイヤーの完全な75枚コピーデッキを使っていいことになりました。誰のデッキをコピーしますか?


 もしそれが2000年のプロツアーだったら、Dirkのデッキをコピーする。もし彼がちゃんとプレイテストをしてたならね。テストしたかどうかで全然変わってくる。Dirkはよくプレイテストしないで適当なデッキをひっつかんでくることがよくあったから、もしプレイテストしてないならBen Ronaldsonのデッキをコピーするよ。Benはたまにとんでもないデッキを使うけど、少なくとも数百回は回してみたデッキであることが保障されてるからね。

 最近のプレイヤーとなるとちょっと難しいな。

 Gabriel NassifとPatrick Chapin、LSVとBrad Nelsonあたり(註)はコンスタントに良いデッキを持ってる気がする。だけどLSV、Gabriel NassifとPatrick Chapinは追いつめられるととんでもないデッキを作るからなあ。例えば彼らが世界選手権で使った4色か5色のコントロールデッキとかね。あれはひどかった。

 青は僕も好きだけど、ときどきちょっと行きすぎちゃってる人がいる。ウィザーズ社のコントロールデッキをとことん弱体化させようとするのに対して、Patrick Chapinがまだ弱くないって証明するべくプレイし続けてるのはまるでチキンレースだね。

 どちらにせよ選ぶとしたらGabriel Nassifかな。僅差でBrian Kiblerが2位。この2人は必ずテストしたデッキを使うし、いつも環境を十分に把握してる。Brian Kiblerのいいところは特定のアーキタイプに固執しないこと。島をスリーブに入れるのが好きなタイプではあるけど、《野生のナカティル/Wild Nacatl》が旬だと思えば喜んでそれをプレイできるプレイヤーだよね。
(註) Gabriel NassifとPatrick Chapin、LSVとBrad Nelsonあたり
 原文では「Gabriel/Chapin and LSV/Brad」とスラッシュで区切られているんだけど、単なる羅列ではなく何か意味があるんだろうか。まさかカップリングなわけないし。

質問:
 私がよく聞くところでは、マジック史上もっとも才能あるプレイヤーはJohn Finkelであり、あなたが史上最強のトーナメントプレイヤーになれたのはテクニックだけでなく練習も上手かったからだと言われています。これは公平な意見だと思いますか?あなたの成功が主に練習によるとところなのか、テクニックによるところなのか、もしくはそれらの組み合わせが上手くいったからなのか、どれだと思いますか?


 組み合わせだよ。常にね。

 John Finkelのピーク時は彼の周辺にいたプレイヤーたち(Steven O’Mahoney-Schwartz、Bob Maher、Jamie Parke)もほぼピークだった。僕がピークを迎えたときはDirk BaberowskiやMarco Blumeが絶好調で頻繁にプレイもしていた。John Finkelが衰えてったのは彼の周辺のプレイヤーたちがプレイしなくなっていった頃で、実のところ僕もほぼ同じだ。

 彼はある時期プロツアーに君臨していて、それからしばらくは僕が君臨していて、その後は何人かの日本人プレイヤーとGabriel Nassifがその座を引き継いだ。このプレイヤーたちを単純に比較することはできないと思うよ。何しろ彼らが対戦したプレイヤーたちのレベルも全然違うし、対戦したゲーム自体も本質的には全く違うものだしね。

質問:
 当時、トーナメント対策としてどのような練習をしましたか?


 2000年の当時は僕はまだ学生だった。週末の休みを使うのは馬鹿みたいに簡単だったよ(訳註)。ショップでは週に1回ドラフトが行われてた。Dirk Baberowskiとは2人でよく対戦してた。他のプレイヤーともしてたけどね。大半はMarkus Bell、Thomas Esser、やTim Gloecknerとプレイしてた。

 Dirk Baberowskiの家に何度か集まったこともある。そこにはドイツ人プレイヤーが何人かいたり、単にPatrick MelloとMarcoと僕だけだったりで何日か過ごした。だけどプレイテストに占める一番大きい割合はApprentice(註)かな。

 この頃のハイライトは母が、あなたに手紙が届いたわよ、って言ったときだね。開けてみたら、Warren Marsh(註)からの手書きの手紙で内容はメタゲームに関する彼の推論だった。

 あとは少数のプロで構成されたIRCチャンネル(註)があって、参加してたのはJelger Wiegersma、Gary Wise、Raphel Levy、Dirk、Anton Jonson、Mattias Jorstedt……あと今すぐは思い出せないけど他にもいたはず。

 それと当時はNetDraftでよくドラフトしてた。そんなにいいものじゃなかったけどね。何しろドラフトしたデッキは実際にプレイしたとしても多くて1マッチ程度だったし。だけど、それでもないよりはずっとマシだった。
(訳註) 週末の休みを使うのは馬鹿みたいに簡単だったよ。
 原文は「it was annoying enough to get the weekends off」。素直に訳すと「週末を休むのは十分に腹立たしかった」となるけど「まだ学生だった」んだからそんなわけないだろ、と思って意訳。ツッコミ待ち。

(註) Apprentice
 マジックオンライン以前にネットで対戦するためによく用いられていたフリーソフト。日本でも使われていた。

(註) Warren Marsh
 イギリスのプレイヤー。2000年のプロツアーニューヨークで準優勝、2001年のグランプリロンドンで5位に入賞。それ以上はちょっと分からなかった。

(註) IRCチャンネル
 IRCは「Internet Relay Chat」の略で要するにチャットのこと。最近あまりチャットって聞かなくなった気がする。そうでもない?

質問:
 サイド後のテストもたくさんしましたか?


 基本的にはサイドボードのテストはしてなかった。それでも特定のカードがどの対戦で抜群の効果を発揮するかは常に頭に入れてたよ。あとデッキの候補を2つから3つくらいまで絞り込んでからは、最善のプレイを探るためにサイドボード戦もテストしてた。

質問:
 よく議論にあがるトピックの1つにプレイテストにおける「巻き戻し」があります。これに対するあなたのスタンスを教えてください。


 僕たちがプレイテストするときはよく巻き戻してたよ。テストプレイ時は自分も相手も、実際の大会で対戦するときほどに互いのデッキに慣れてないからね。

 マジックオンラインでテストするときに大きな問題となる点でもある。巻き戻せないからね。

 アムステルダムの大会の前にGabriel NassifとJohan(註)とプレイテストしてたときかな、誰かがとんでもないミスをしてしまって残りのゲーム展開は全部想像しながらやるしかなかったことが何度かあった。実際の試合だとそんなミスクリックやミスプレイは起こりようもないから、テストプレイをする上では困りものだね。
(註) Johan
 原文にはフルネームがない。おそらくスウェーデンのJohan Franzenのことと思われる。グランプリ・ストックホルムで入賞してる。まさか伝説のクリーチャー《ヨハン/Johan》じゃなかろう。

質問:
 どれほど事前から大会で使うデッキについて把握していましたか?


 最近のプレイヤーたちと同じじゃないかな。イベントの1週間か2週間前になってからデッキを用意し始めたり、ときには前夜になって泣きながら調整したり。

質問:
 プロツアーに10回参加してそのうちの7つでトップ8に入賞した今までに参加したプロツアーにおいてトップ8に10回入賞し、その中で7回優勝しているあなたは間違いなく史上最高のサンデープレイヤー(註)です。何か秘密はありますか? トップ8入りしたときの土曜日はいかがでしたか?


 前日はいつも十分な睡眠をとることにしてた。あと最低限、準々決勝のプレイテストだけはたくさんやっておいた。大体の場合は予想される準決勝のテストもしてた。何人かとサイドボードについて議論したりもしてた。僕のほうが対戦相手よりも準備万端なことが多かったから、そんなに焦りを感じたこともないな。前にも説明したようにポジティブになれるだけの要素がたくさんあったからね。

 試合数が3マッチに絞られるってことはマッチアップの相性が占める割合がグンと高くなる。僕が優勝した世界選手では、何人かの選手がタイブレーカーのせいでトップ8を逃してた。その中にはJohn Finkelもいた。僕のデッキは彼のデッキとの相性が最悪だったけど、彼が落ちたかわりにトップ8の準々決勝と決勝で対戦できたのが2つのアーティファクト除去なしの土地破壊デッキだった。僕のデッキはマナソース42枚入りのワイルドファイアデッキだったってのにね。

 あとはニューオーリンズ(註)の準々決勝と準決勝で当たった相手が両方とも僕のデッキに対して分の悪いリアニメイトデッキだった。

 ミスプレイしつつも勝っちゃった試合ってのはほとんどなくて、大抵のトップ8の試合でそんなヘマをやらかしたって記憶はないことも大きいかな。初めてのプロツアートップ8で勝ったときがとても簡単なマッチアップばかりだったおかげで、以降はそんな緊張することもなかった。それが対戦相手にも伝わったんじゃないかな。
(註) サンデープレイヤー
 原文では「Sunday player」。プロツアーは土曜と日曜に行われ、初日の足切りに残ったプレイヤーだけが2日目、つまり日曜日にもプレイを続けることができる。そこから、2日目まで残れるプレイヤーを「Sunday Player」と呼ぶ……はず。 ここの説明が間違ってた。プロツアーは基本的に金曜から日曜にかけて行われ、1日目で足切り、2日目でトップ8を決め、3日目にトップ8によるトーナメントが行われる。トップ8に残ったプレイヤーが「Sunday Player」。

(註) ニューオーリンズ
 2001年のプロツアーニューオーリンズ。《寄付/Donate》で《Illusions of Grandeur》を押しつけるドネイトデッキで優勝している。

質問:
 「勝ちを狙える」以外の点でデッキに求めるものはなんですか? どんな点がデッキの好き嫌いを分けますか?


 僕が嫌いなのは例えばフルバーンデッキのようなタイプのデッキだ。

 パワーカードが満載されたアグレッシブなデッキは問題ない。《呪われた巻物/Cursed Scroll》や《火炎破/Fireblast》や最近の吸血鬼デッキみたいなデッキはね。でも例えば「(赤) 対象の対戦相手に3点のダメージを与える」みたいなカードをプレイするようなデッキは絶対に使いたくない。

 何にしても大体の場合は、僕の個人的なプレイスタイルに合う合わないじゃなくてその時点で一番強いと思うデッキを使うことにしてる。

質問:
 あなたの個性(Characteristic)の中でもっともマジックに役立っているものはなんだと思いますか?


 集中力を失わないこと。それがグランプリで一番助けになることじゃないかな。5時間以下の睡眠しかとれなかったあと、2日目に参加してそのままトップ8まで残るってことは、当時のグランプリだと朝の8時から深夜以降までプレイし続けるってことだからね。毎回じゃないけど。それに運営の手際は今よりもずっと悪かったし、当然プレイヤーにも影響は出たよ。

 集中力のおかげで残れたってところは大きいかな。

質問:
 プロツアーに参加するために旅行するとき、街や観光名所を見て回るために時間をとりましたか? それともプロツアーはビジネスだと割り切ってましたか? マジックのために旅行した場所の中で一番良かったところはどこですか?


 大抵の場合、空港とホテルと会場しか行かなかった。3週間ごとに旅行してると、観光もすぐ飽きてくる。それとヨーロッパの大都市にそれほど大きな違いがあるとは思えないよ。今となってはアメリカもそうかな。

 大会の開催地が興味深い場所だったときはたまに長めに滞在したりもしたけどね。余談だけど、僕からのアドバイスとしては、観光旅行の予定は大会の後に持ってきたほうがいい。

 オーストラリアは最高だったな。シドニーでの世界選手権のあと3週間余計に滞在して観光旅行をしたよ。もっとも3週間じゃ全然足りなかったけどね。それでもChristoph LippertやJohn Ormerodみたいな東海岸をドライブしたのは本当に楽しい時間だった。それに対して、コロンブス、フィラデルフィアやマドリッドみたいな場所(註)で過ごした1週間の休暇はそれほどでもなかったかな。
(註) コロンブス、フィラデルフィアやマドリッドみたいな場所
 コロンブスは2004年にプロツアーが開催されている。フィラデルフィアは2005年にプロツアーフィラデルフィアが開催されている。マドリッドは2004年にグランプリが開催されている。

質問:
 大きな大会の際、時差ぼけ対策として何かされていましたか?


 幸いなことにアメリカへ旅行するときは時差ぼけの心配をしなくていいんだ。(註) 問題になるのは4~5回に1回くらいの割合で開催されてた日本での大会のときだけだね。アメリカへ移動するときはいつもより6~7時間余計に起きてないといけないだけだから特に問題はなかったよ。
(註) 時差ぼけの心配をしなくていい
 アメリカ東海岸の平均的な時差はGMT-5時間、ドイツはGMT+1時間。アメリカの午後6時がドイツの深夜0時になる計算なので、ドイツからアメリカへ行くと早寝早起きになる。基本的に逆の移動のほうがきついとされている(夜になっても眠れず、夜明け頃に急激に眠くなる)。

質問:
 間違いなく殿堂入りに値するのに全然注目されていないと考える人物はいますか?


 最初に言いたい事として、殿堂入りプレイヤーは多すぎて困ることはあっても少な過ぎて困ることはないと思ってる、ってこと。1シーズンだけで他のプレイヤー全てを置き去りにするような成績を残すプレイヤーがいきなり3人も4人も毎シーズン現れたりすることはないよ。

 少なくとも「すごいな、あのプレイヤーは間違いなく最高だ!」って思わず言ってしまうようなプレイヤーを毎年新たに4人も見つけたりしないよね? それだけの強さがあってトーナメントに君臨できるだけのプレイヤーってのは、1シーズンだけじゃなくて大抵の場合もっと長い期間にかけて実績を残してるもので、毎シーズンごとにそんな多くの殿堂入りプレイヤーを選出していいものなのかな、ってのが僕の意見だ。

 それを前提として、個人的にはWilliam Jensen(註)はもうちょっと注目を浴びてもいいと思う。
(註) William Jensen
 マスターズ優勝1回、グランプリ優勝1回、トップ8入賞多数のアメリカ人トッププレイヤー。生涯通算プロポイント214点。2011年度の殿堂入り投票では5位に入っている。

質問:
 今年あったようにプレイヤー・オブ・ザ・イヤーが同点首位になった際、もっとも良い決定方法はなんだと思いますか?(註)


 構築済みフォーマットで1試合(A single match)行うだけってのはダメだろうね。相性の影響が大きすぎる。その丸々1シーズンの結果を使ってタイブレーカーをすべきだと思う。具体的にどうすればいいのかは分からないけど、何か方法があると思うな。

 例えば、全てのプロツアーの結果の平均を取るとか、【獲得した総プロポイント数】を【全てのイベントで獲得可能な総プロポイント数】で割るとか、とにかく1回のマッチで決めてしまうよりふさわしいタイブレーカーの指標として使える方法はいくらでもあると思う。

 まあ、結局は称号とトロフィーの話だからあまりこの議論に意味はないかもね。称号のためよりも大きい何かのためにプレイしているというのなら、1試合するだけの価値はあると思うよ。(訳註)

(註) プレイヤー・オブ・ザ・イヤーが同点首位
 プレイヤー・オブ・ザ・イヤー(年間最優秀選手賞)はある1つのシーズン中にもっとも多くのプロポイントを稼いだ選手に与えられるタイトル。去年度はGuillaume MatignonとBrad Nelsonが同点となったため、2011年に首位決定戦を行った。形式については以下のサイトの中段付近にある訳註を参照のこと。
 年間最優秀プレイヤー決定戦(カバレージ)
 http://coverage.mtg-jp.com/ptparis11/article/001226/

(訳註) 称号のためよりも大きい何かのためにプレイしている~
 原文では「If you have a match, it would be better if they were playing for more than ’just’ the title」。訳に自信がない。

質問:
 インビテーショナルカード(註)についてどう思いますか?


 分かってくれると思うけど、僕があのカード(註)を作ったんじゃないよ。どのインビテーショナルでもみんなが提出するのはぶっ壊れたカードばかりで、開発側がそれらを見て勝手にあれやこれやとするのさ。だから《非凡な虚空魔道士/Voidmage Prodigy》のデザインに僕は一切かかわってない。僕が提出したのはこんな感じのカードだった。
(青)
エンチャント(場)
あなたの対戦相手は、手札を公開したままプレイする。
(青)、~を生け贄に捧げる:カードを1枚引く。
(青)(青)、~を生け贄に捧げる:呪文1つを対象とし、それを打ち消す。

 それと、Chris Pikulaが提出したのはこんな感じだったけど、実際は《翻弄する魔道士/Meddling Mage》が作られた。
random scrub (1)(青)(青)
クリーチャー
random scrubが場に出るに際し、呪文の名前を1つ指定する。
random scrubを生け贄に捧げる:指定された呪文を打ち消す。
2/3

 実際のところ最終的にそのカードが、ぶっ壊れたものになるか、キャンプファイアーの燃料にしか使えないものになるかは運任せ以外の何ものでもない。

 それはそれとして、プレイヤーがカードをデザインするという企画(註)を止めてしまったのは不思議でしょうがないね。いいアイデアだと思うんだけど。だってどうせ提案されたカードをまったく違ったものにしてしまうことだって出来るんだから難しいことなんて何もないはずだし、そういう企画なら毎セットごとにやっても問題ないと思う。

 あと、個人的な意見だけど、世界選手権の優勝者かプレイヤー・オブ・ザ・イヤーは自分だけのオリジナルカードを持つ権利があると思う。そうすればこれらのタイトルの価値もプロツアー優勝より上になるし、オリジナルカードを作るってのは誰にとっても最高のことだしね。
(註) インビテーショナルカード
 優勝者は好きなカードを1枚作れるというトーナメントがインビテーショナル。その名の通り、招待制のイベントでこれに招かれた時点でトッププレイヤーと認められたことになる。
 参加するプレイヤーが作ったカードがインビテーショナルカード……ということになっているが、実際は優勝者の提出したカードを開発側がバランスのとれたもの(もしくは全くの別物)に作り替えてから印刷される。

(註) あのカード
 Kai Buddeがインビテーショナルで優勝した際に作られた《非凡な虚空魔道士/Voidmage Prodigy》のこと。名目上は、Kai Buddeがデザインしたカード、ということになってしまっている(と言えなくもない)。

(註) プレイヤーがカードをデザインするという企画
 インビテーショナルとは別に「カードを作るのは君だ!(You make the card!)」という企画が今までに公式サイトで3回行われており、プレイヤーからの応募やプレイヤーによる投票などで新カードが作られている。最後に行われたのは2005年で、それ以降は行われていない。

 全くだ!

 最後にまとめて質問。

 好きなデッキは?
                ネクロドネイト

 好きな色は?
                青

 好きなフォーマットは?
                チームロチェスタードラフト

 好きなカードは?
                《変異種/Morphling》

 好きな映画は?
                パルプ・フィクション (その通り、おっさんだよ、僕は)

 好きな「名前がPで始まる
 ブラジル人プレイヤー」は?

                Carlos Pomao
 (ちぇっ)

 好きな本は?
                ベルガリアード物語とマロリオン物語

 好きな食べ物は?
                よく変わるから特に何ってことはない

 Kai Budde、本当にありがとう! 君たちも楽しんでくれたなら幸いだ!

 また来週!

 以下、この記事につけられていた58個のコメントのうち、最初のほうのいくつかだけ紹介しておく。


Zaiem Begのコメント: February 2、2011 @ 9:07 pm

 念のために追記。
 今回の記事のタイトルを決めたのも、トップページに概略を書いたのも僕だ。PV本人じゃない。誰かが「おいおい、PVの奴、自分で自分のことを偉大だって言ってんのかよ! うぬぼれやめ!」って言う前に書いとくよ。
 君が「ってことはやっぱりKai Buddeが『最も偉大』だったのか? それともJohn Finkel?」って悩む前に言っておくと、分かって欲しいのは「偉大なるプレイヤーから最も偉大なる2人のプレイヤーのうちの1人へ(もしかしたら最も偉大なるプレイヤーは1人かもしれないけど、最も偉大と呼ぶことに問題はないと思う)」って書いたほうが確かにより正確かもしれないけどタイトルにはふさわしくないよね。

kyle boggemesのコメント:February 2、2011 @ 9:26 pm

 素晴らしい読み物だった

aeoncsのコメント:February 2、2011 @ 9:55 pm

 いい記事……Kai Buddeがトップ8だった頃のビデオでも引っ張り出してみようかな

Ramelaのコメント:February 2、2011 @ 10:16 pm

 いいね。LSVに次のオールスタードラフトにKai BuddeとJohn Finkelも呼ぶよう、今すぐ伝えておいてくれ!

Adamのコメント:February 2、2011 @ 10:28 pm

 素晴らしいね。
 GOATにインタビューしたことは責められないね。

Kenseidenのコメント:February 2、2011 @ 10:52 pm

 ファンタスティック!、と呼ぶにふさわしい

PKCOのコメント:February 2、2011 @ 10:59 pm

 Carlos Pomaoには笑わせてもらった

 Carlos Pomaoと言えば、彼のインタビュー記事を書く予定はないのかな? 同じ国のプレイヤーだし、前世界王者だし、今現在のMTGO WCだし、いいと思うんだけど。MTGOがどれだけブラジル人のマジックに影響を与えたか、それと彼のスイッチを切り替えるのに役立ったか、などなど、とても興味がある。

Name (required)のコメント:February 2、2011 @ 11:00 pm

>好きな「名前がPで始まる
>ブラジル人プレイヤー」は?
>               Carlos Pomao
>(ちぇっ)

 笑った

Sphynxxのコメント:February 2、2011 @ 11:07 pm

 最後の質問が面白すぎる。
 PVの自虐的なところもナルシスト的なところもどっちも好きだ。

Jeffのコメント:February 2、2011 @ 11:24 pm

 素晴らしいインタビューだった

sigurdのコメント:February 2、2011 @ 11:57 pm

 何かに関して公言することで、それがなんであれ受け入れられるようになるってのは面白いところだよね(上記のナルシストうんぬんに関して)
余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 今週のテーマはイニストラードの新カードたち。ついでに書いとくと今週はCard of the Dayのページのレイアウトが変更になっている。変身ボタンのために今週だけ変えてきたのか継続するのかは今の時点では分からない。

余談2:月曜日 《ガツタフの羊飼い/Gatstaf Shepherd》

 まさかの変身ボタン。それはさておきカードの話をすると、個人的に気になっているのは「人間形態時からクリーチャータイプに狼男が入っている」こと。これについては公式コラムで軽く触れられていたので、コラムに関する余談でまた書く。

余談3:火曜日 《木の杭/Wooden Stake》

 誰の手にあっても誰が相手でも最低限の武器にはなる(パワー+1)。さらに吸血鬼相手なら一撃必殺の威力。ただしタダの人間の場合、相打ち覚悟でないと倒せない(タフネス+0)。あふれるフレイバーが素晴らしい。

 カードとしてはあからさまに弱いけど。空を飛んでる吸血鬼相手だと杭を手にしたまま見上げることしか出来ないし。

余談4:水曜日 《神聖を汚す者のうめき/Moan of the Unhallowed》

 ゾンビがあふれかえる呪文。カードの効果とフラッシュバックとの相性がとてもいい(フレーバー的な意味で)。目の前のゾンビを倒して安心してたら、墓場からさらにゾンビがわらわらと出現。

 シンプルな効果の割にはカード名が妙に仰々しい。名前は「神聖を汚す者」とあるけど、フレーバーテキスト読むとなんか「死体ならなんでもいいや」みたいなカジュアルさを感じる。

余談5:木曜日 《縫い師の見習い/Stitcher’s Apprentice》

 よくよく考えると穏やかじゃないんだけど、どことなくコミカルな雰囲気をかもしだしているのがこのカードのフレーバーテキスト。
原文:
 "Oglor create life, Oglor take it away.
  Oglor god! ... until Master return."

日本語訳:
 「オグロール、生命作る、オグロール、それ奪う。
  オグロール、神! ……主人戻るまで。」

 ただのフレーバーテキストと侮るなかれ。この言葉の通り、効果が「作ってから壊してる」のが今までのトークン生成と違う点。ある意味「無から有を生み出してる」わけで、見習いとはいえなかなかの腕前だと思う。

 そうそう。最初に公式サイトのCard of the Dayを確認したとき、09月01日のカードが1日前のカードと同じものだった。何か意味があるのかと思ったけど、しばらくしたらこの《縫い師の見習い/Stitcher’s Apprentice》に差し替えられてた。

余談6:金曜日 《カラスの群れ/Murder of Crows》

 本格的にマジックにハマり始めた頃は青白パーミッションデッキを使ってた。RPGマガジンに載っていたリストを完コピしたものから初めて、タイプ2(死語)の使用可能セットが移り変わるごとにカードを入れ替えていった。

 そんなわけで《大気の精霊/Air Elemental》には長い事お世話になった。その後、彼女のスロットは《虹のイフリート/Rainbow Efreet》に置き変わったり《霧のドラゴン/Mist Dragon》に置き変わったりと変転したけれど、青の中堅クリーチャーと言えばいまだに《大気の精霊/Air Elemental》が浮かぶ。

 前置きが長くなった。

 要は《大気の精霊/Air Elemental》の上位互換が出るたびに悲しい気持ちになる、という話。今回の《カラスの群れ/Murder of Crows》を見たとき、一瞬がっかりしてから「いやいや、下手したらライブラリアウトで死ぬから上位互換じゃない」と自分に言い聞かせようとして「引いてもよい」の文言に気づいた。

 ところで「Murder」というとどうしても「殺人」という意味が浮かぶけど、このカードを見て「群れ」という意味もあるのか、と驚いた。でも辞書調べてもその意味で載ってるものがない。単に「カラスの群れが人を襲って殺す」というカードなのかな。直訳すると「カラスによる殺人」で、これだとクリーチャーというよりソーサリーみたいだから意訳したんだろうか。

余談7:インタビュー記事の翻訳

 高潮のさんのところで「誰か訳す?(意訳)」とあったので「じゃあ訳す(意訳)」ということになった記事。アクセス数とコメント数の多さで、表舞台から退いたはずのカイ・ブッディがいまだに根強い人気を保っていることにあらためて気づかされた。

 なお今回のコメントによる指摘からも分かるとおり、実際の大会に足を運んだ経験が皆無に近いので色々と勘違いやうろ覚えな知識があるので、どんどこ指摘してもらえると非常に助かる。もちろん知識面だけじゃなくて、誤訳や誤記、それに日本語として不自然過ぎて意味が分からない箇所なども教えてもらえると嬉しい。

 ああ、そうそう、蛇足だとは分かっているけど補足しておく。インタビュー内での「他人の名前の呼び方」や「口調」などは勝手に想像で訳したものなので、実在の人物の口調や呼び方などには一切関係ありません。ご了承ください。

余談8:両面それぞれの物語

 Daily MTGのコラムを見てたら、Mark Rosewater氏による両面カードに関するコラムが掲載されているのを発見。「両面カードの着想はどこから得たのか」「なぜ両面カードが必要なのか」「なぜ反転カードではダメなのか」などなど、まさに知りたくてしょうがなかった情報だらけ。

  Every Two Sides Has a Story
  http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/mm/158

 これはぜひとも訳すしかないな。そんなことを考えていたところで、ふと読んだ日本語公式サイトのルール講座のコラムにあった以下のお言葉に危ないところで気がつく。
 しばらくわたしと同僚の間では両面カードのことを超次元カードと呼んでいました。ええ、元ネタはマローの記事でも紹介されていますが(英語、近日翻訳いたします)、デュエルマスターズの超次元カードです。
引用元:http://mtg-jp.com/reading/wpn/001985/

 公式に訳して頂けるのなら何も言うことはない、楽しみに待つだけ、というわけで心待ちにしていた公式訳が08月29日にアップされてたのが以下の公式コラムの翻訳記事。

  両面それぞれの物語
  http://mtg-jp.com/reading/translated/001987/

 納得する、しない、は別にして気になっていた点について触れられまくっている。Diary Note界隈でも「なんで反転カードじゃないの」とか「ドラフトのときどうするのよ」とか「フォイルはどうなる?」と話題になっていた疑問点について回答されてたりされてなかったりする。読んどいて損はない(公式訳の「無駄の無さ」にほれぼれするがいい)。

 んで、個人的に両面カードについて気になっていた点とそれに関する説明をいくつか取り上げてみる。もちろん全文引用するわけじゃないし、前後の文章も大事なので暇な人もそうじゃない人も公式訳を一読されることを心の底からおススメしておく。

疑問点その1:
 これって反転カードで表現できたんじゃないの?


 メカニズムだけ見るならば結構色んな人が思ったであろう疑問点がこれ。なぜ新たなメカニズムをわざわざ用意する必要があるのか? それも両面などという無茶な真似をしてまで反転カードを使わなかったら、それが失敗だったと認めるようなものじゃないか、と思った。以下、それに関する説明を部分的に抜粋。
 ルール・マネージャーだったマーク・ゴットリーブ/Mark Gottliebは、(神河ブロックで使われた)反転カードを使うべきだと主張した。
(中略)
 問題は2つあった。まず、反転カードは狙っていたようには受け入れられなかった
(中略)
 2つめの問題は、文章の長さである。反転カードは文章欄が狭く、狼男メカニズムの複雑な文章を書くのには場所が足りないと思われた。

 なるほど。2つ目については同じような予想をしていた人が何人かいた。要はスペースの問題。確かに「反転させる条件」は両側につけないといけないから、追加で能力を書き込むスペースはほとんどなくなってしまう。

 1つ目については、はっきり言ってしまえば「え? だって反転カードって人気なかったじゃん」という話。個人的にマジックの開発部に畏敬を感じる点として、この「過去の失敗を認めることを恐れない」というところが挙げられる。勇気のいることですよ。

 ……この両面カードが反転カードの二の舞になる可能性もあるんだろうけどね。反転カードだって世に出すときは「イケる!」って思って出したんだろうし。

疑問点その2:
 クリーチャータイプが変身前が「人間・狼男」で変身後が「狼男」?


 ここが気になってる人はあまりいないみたいだけど、個人的にはちょっと引っかかってる。変身前からすでに「狼男」なのはなんか変な気がする。「変身してようがしてまいが、狼男という種族なんじゃないの?」と言われれば、まあ、そうかもしれないけど、じゃあなんで変身後は単なる「狼男」なんだ。それについて何か書かれているかなとコラムを読み進めてみた。
 変身メカニズムを用いて、狼男の人間としての姿と狼男としての姿の両方を表すことが出来るのだ(人間の姿は人間・狼男となっている。この理由は後に説明する)。
(中略)
 なぜクリーチャー・タイプを狼男にしたか、そしてなぜそれが両方の面に書かれているのかについて簡単に説明しておこう。
(中略)
 これまでの狼男は、人間・狼というクリーチャー・タイプを持っていた。これはロクソドンやレオニンと言った、動物の特徴を持った人間型生物で用いられている方法である。しかし、私は、狼男はミノタウルスやケンタウルスのようなものであると主張した。

 というわけでコラムで言及されていたのは「なぜ『人間・狼』ではなく『狼男』にしたのか」の説明だった。そこはなんら疑問じゃなかったのでちょっとがっかり。変身するんだから「人間」が「狼男」になればいいのに。《運命の大立者/Figure of Destiny》だって「変身」することで新たにクリーチャータイプを得るし。

疑問点その3:
 フォイルは両面がフォイルなのか、それとも片面だけなのか?


 結論から言ってしまうと両面フォイルとのこと。それに関連して新たに分かった事実が面白かったので該当箇所を紹介しておく。
 両面カードの稀少度は、ブースター・パックに入っている割合で定義される。専用のシートではあるが、各稀少度の通常のカードと同じ程度の確率で封入されるように調整した。つまり、レアや神話レアの両面カードが入っているパックにも、通常のレアや神話レアが入っているということである。また、両面カードがフォイルであることもある。その場合、両面カードの両方の面がフォイルになっている

 イメージ的にはタイムシフトカード的な扱いらしい。今までのブースターではコモン枠だった箇所が1枚分両面カード専用に確保される。つまりブースター1つにつき必ず1枚は両面カードが入っている(そのかわり2枚以上入っていることは決してない)。

 そうそう。両面カードのための「チェックリスト」が土地カードのスロットを使ってしまうことに対して不満を持っている人がいるみたいだけど、これにも理由があるらしい(納得いくかどうかは別にして)。
 チェックリスト・カードがルール・カードではなく土地カードのスロットに入っている理由は、ルール・カードの印刷に用いるインクはカード用のものとは異なるので混ぜてしまうと裏から区別できてしまうのだ。

 チェックリストが裏から区別できてしまったら本末転倒にもほどがある。しょうがないことなのかもしれない。なおチェックリストのせいで土地が手に入りづらいことを加味して、土地のデザインのパターンが通常の4種類から3種類に減らされてるとのこと。

疑問点その4:
 両面なんて作って本当に大丈夫なの?


 皆の一番気になるところがこれではないかと思われる。コラムでは両面メカニズムの障害として「マジックの裏面が必要な領域にある間どう処理するか」と「巧く機能するようなルール」の2つが言及されてた。これは一部抜粋してどうにかなるような簡単な話じゃないので、気になるならコラムを読むしかない。

 とかなんとか色々書いてきたけど、まあなんというか最終的には「なんだ意外と問題ないじゃないか」に落ち着けばいいな。なんのかんの言いつつも「変身する」というフレーバー的な分かりやすさは明らかに反転カードよりも上なんだし。
 9月第1月曜日の今日はアメリカの祝祭日に当たる「Labor Day(勤労感謝の日)」のため、Card of the Dayもお休み

屋根の上の嵐/Rooftop Storm - イニストラード レア
Rooftop Storm / 屋根の上の嵐 (5)(青)
エンチャント
あなたは、あなたが唱えるゾンビ・クリーチャー呪文のマナ・コストを払うのではなく、(0)を支払ってもよい。
参照:http://www.wizards.com/magic/tcg/article.aspx?x=mtg/tcg/innistrad/cig

 公式にプレビューとして発表されたイニストラードのカードを見るにはイニストラードカードギャラリー(註1)を参照してくれ!

(註1) イニストラードカードギャラリー
 原文には以下のURLへのリンクが張ってある。
 http://www.wizards.com/magic/tcg/article.aspx?x=mtg/tcg/innistrad/cig

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0911
村の食人者/Village Cannibals - イニストラード アンコモン
Village Cannibals / 村の食人者 (2)(黒)
クリーチャー - 人間(Human)
他の人間・クリーチャーが1体死亡するたび、村の食人者の上に+1/+1カウンターを1個置く。
2/2
参照:http://www.wizards.com/magic/tcg/article.aspx?x=mtg/tcg/innistrad/cig

 公式にプレビューとして発表されたイニストラードのカードを見るにはイニストラードカードギャラリー(註1)を参照してくれ!

(註1) イニストラードカードギャラリー
 原文には以下のURLへのリンクが張ってある。
 http://www.wizards.com/magic/tcg/article.aspx?x=mtg/tcg/innistrad/cig

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0911
流城の貴族/Stromkirk Noble - イニストラード レア
Stromkirk Noble / 流城の貴族 (赤)
クリーチャー - 吸血鬼(Vampire)
流城の貴族は人間にはブロックされない。
流城の貴族がいずれかのプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、それの上に+1/+1カウンターを1個置く。
1/1
参照:http://www.wizards.com/magic/tcg/article.aspx?x=mtg/tcg/innistrad/cig

 公式にプレビューとして発表されたイニストラードのカードを見るにはイニストラードカードギャラリー(註1)を参照してくれ!

(註1) イニストラードカードギャラリー
 原文には以下のURLへのリンクが張ってある。
 http://www.wizards.com/magic/tcg/article.aspx?x=mtg/tcg/innistrad/cig

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0911
蜘蛛の掌握/Spider Grasp - イニストラード コモン
Spider Grasp / 蜘蛛の掌握 (2)(緑)
インスタント
クリーチャー1体を対象とし、それをアンタップする。それはターン終了時まで+2/+4の修整を受けるとともに到達を得る。(それは飛行を持つクリーチャーをブロックできる。)
参照:http://www.wizards.com/magic/tcg/article.aspx?x=mtg/tcg/innistrad/cig

 公式にプレビューとして発表されたイニストラードのカードを見るにはイニストラードカードギャラリー(註1)を参照してくれ!

(註1) イニストラードカードギャラリー
 原文には以下のURLへのリンクが張ってある。
 http://www.wizards.com/magic/tcg/article.aspx?x=mtg/tcg/innistrad/cig

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0911
余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 今週のテーマはイニストラードの新カードたち。それ以上でもそれ以下でもない……と、これだけだとちょっとさみしいので小ネタを追加しておく。Card of the Dayのページの右側に掲載されているイニストラードのプレリリースのネット広告の話。

 広告の上部ではゾンビがふらふらと歩いている(ちなみにイニストラードの新カード《歩く死骸/Walking Corpse》のイラスト)。その動きに合わせて広告の下部には以下の文章がゆっくりと表示される。

  ZOMBIES LOVE MAGIC PLAYERS
 (ゾンビはマジックのプレイヤーたちが大好きである)

  THEIR BRAINS ARE EXTRA TASTY
 (彼らの脳みそは格別おいしいからだ)

 この文章が表示し終わり「INNISTRAD PRERELEASE September 24 & 25」と出ると同時に上部のゾンビも動きを止める……んだけど、この止まったゾンビにカーソルを合わせると少しだけまた動く。

 そんだけ。

余談2:月曜日

 アメリカの勤労感謝の日(Labor Day)のため、Card of the Dayもお休み。

余談3:火曜日 《屋根の上の嵐/Rooftop Storm》

 雷雨の夜、屋敷に落ちる落雷のエネルギーを利用して研究所の死体に仮初めの命を吹き込む、いわゆるフランケンシュタイン誕生な場面。

 このカードを含めて、最近のマジックのカードを見ていてたまにふと思うのは「これって本当に呪文なのか?」ってこと。フレイバーテキストを読むと、ちゃんと屋敷の屋根に避雷針らしきものを上げてるみたいだし、単なる物理現象なのでは。

余談4:水曜日 《村の食人者/Village Cannibals》

 最初見たときは「ふーん、グールか」としか思わなかったんだけど、クリーチャータイプを見た瞬間、ぞっとした。さらにイラストとフレイバーテキストも含めて、個人的にイニストラードのなかで一番「ホラー」なカードはこれ。

余談5:木曜日 《流城の貴族/Stromkirk Noble》

 いまいちイメージがつかみきれない1マナ 1/1の吸血鬼。

 まず人間にブロックされないという能力。なぜか人の注意を引かずに移動できる、ってことなんだろうか。真昼間に堂々と人ごみの中を歩いても不思議と気に留められない。吸血鬼ってそんな種族だったっけ。

 2つ目は、まあ普通。相手に傷を負わせるとそこから活力を奪って自分の力にしてしまう。ただ不思議なことに普通の生物の血は吸わないらしい。さらに言うと、特に人間を襲うことに興味がないみたい。

 機会があれば、どんな幼少期を送ったのか聞いてみたい。なんかトラウマを持ってそう。

余談6:金曜日 《蜘蛛の掌握/Spider Grasp》

 一時的に《大蜘蛛/Giant Spider》の力を得ることができるインスタント。

 フレイバーテキストの意味を図りかねている。日本語訳は以下の通り。

「ここ数年、誰もヴィデンズの貴婦人の姿を見ていないね。
 かわいそうに、あの古い城に誰も身内がいないなんて。」
                      ─ ガヴォニーのコンダ

 これは本当に文章そのまま以上の意味がまったくないのか、ホラーちっくに考えて「村の人はみんな彼女を普通の人間と考えており、訪ねに行く人もいるが、その人達は糸に絡め捕られて帰って来ず、自然と見かける人がいない状態になっている」のか、皮肉なオチのジョーク風に考えるて「ヴィデンズの貴婦人は実は自分の出した糸に絡まってしまって外出できなくなってしまっており、誰も彼女を見かけていない」ってことなのか。

 まあ、最後の3つ目はないだろうけど、もしそうだったらちょっとかわいい。
天使の監視者/Angelic Overseer - イニストラード 神話レア
Angelic Overseer / 天使の監視者 (3)(白)(白)
クリーチャー - 天使(Angel)
飛行
あなたが人間をコントロールしているかぎり、天使の監視者は呪禁を持つとともに破壊されない。
5/3
参照:http://www.wizards.com/magic/tcg/article.aspx?x=mtg/tcg/innistrad/cig

 公式にプレビューとして発表されたイニストラードのカードを見るにはイニストラードカードギャラリー(註1)を参照してくれ!

(註1) イニストラードカードギャラリー
 原文には以下のURLへのリンクが張ってある。
 http://www.wizards.com/magic/tcg/article.aspx?x=mtg/tcg/innistrad/cig

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0911
戦場の霊/Battleground Geist - イニストラード アンコモン
Battleground Geist / 戦場の霊 (4)(青)
クリーチャー - スピリット(Spirit)
飛行
あなたがコントロールする他のスピリット・クリーチャーは+1/+0の修整を受ける。
3/3
参照:http://www.wizards.com/magic/tcg/article.aspx?x=mtg/tcg/innistrad/cig

 公式にプレビューとして発表されたイニストラードのカードを見るにはイニストラードカードギャラリー(註1)を参照してくれ!

(註1) イニストラードカードギャラリー
 原文には以下のURLへのリンクが張ってある。
 http://www.wizards.com/magic/tcg/article.aspx?x=mtg/tcg/innistrad/cig

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0911
モークラットのバンシー/Morkrut Banshee - イニストラード アンコモン
Morkrut Banshee / モークラットのバンシー (3)(黒)(黒)
クリーチャー - スピリット(Spirit)
陰鬱―モークラットのバンシーが戦場に出たとき、このターンにいずれかのクリーチャーが死亡していた場合、クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで-4/-4の修整を受ける。
4/4
参照:http://www.wizards.com/magic/tcg/article.aspx?x=mtg/tcg/innistrad/cig

 公式にプレビューとして発表されたイニストラードのカードを見るにはイニストラードカードギャラリー(註1)を参照してくれ!

(註1) イニストラードカードギャラリー
 原文には以下のURLへのリンクが張ってある。
 http://www.wizards.com/magic/tcg/article.aspx?x=mtg/tcg/innistrad/cig

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0911
ファルケンラスの匪賊/Falkenrath Marauders - イニストラード レア
Falkenrath Marauders / ファルケンラスの匪賊 (3)(赤)(赤)
クリーチャー - 吸血鬼(Vampire) 戦士(Warrior)
飛行、速攻
ファルケンラスの匪賊がいずれかのプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、それの上に+1/+1カウンターを2個置く。
2/2
参照:http://www.wizards.com/magic/tcg/article.aspx?x=mtg/tcg/innistrad/cig

 公式にプレビューとして発表されたイニストラードのカードを見るにはイニストラードカードギャラリー(註1)を参照してくれ!

(註1) イニストラードカードギャラリー
 原文には以下のURLへのリンクが張ってある。
 http://www.wizards.com/magic/tcg/article.aspx?x=mtg/tcg/innistrad/cig

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0911
アヴァシンの巡礼者/Avacyn’s Pilgrim - イニストラード レア
Avacyn’s Pilgrim / アヴァシンの巡礼者 (緑)
クリーチャー - 人間(Human) モンク(Monk)
(T):あなたのマナ・プールに(白)を加える。
1/1
参照:http://www.wizards.com/magic/tcg/article.aspx?x=mtg/tcg/innistrad/cig

 公式にプレビューとして発表されたイニストラードのカードを見るにはイニストラードカードギャラリー(註1)を参照してくれ!

(註1) イニストラードカードギャラリー
 原文には以下のURLへのリンクが張ってある。
 http://www.wizards.com/magic/tcg/article.aspx?x=mtg/tcg/innistrad/cig

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0911
余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 今週もイニストラードの新カードたち。そろそろいつもの小ネタメインの Card of the Day が恋しくなってくる。ただ、おそらくだけどこの形式が終わったあとは公式 FAQ からの引用が続くとみている。FAQ に取り上げられそうなカードでも予想してみようかな(もちろん両面カードを除いて)。

余談2:月曜日 《天使の監視者/Angelic Overseer》

 「人間をコントロールしているかぎり呪禁を持つとともに破壊されない」というちょっと変わった天使。人間を守るのではなく、人間に守られる存在らしい。

 最初見たときは「まさか攻撃を受けそうになるたび、手近な人間を盾に使ってるんじゃ……」と不安になったけど、ルールテキストを読む限り、別段ダメージなどを人間に置き換えたりしているわけではないので一安心。さらにフレーバーテキストを読んで、その存在に納得すると同時に感動した。
英語:
 From mortal hope immortal power springs.

日本語訳:
 定命の者達の希望から不死の力が生まれる。

 人が存在することで生まれる希望やら何やらのポジティブな思いがこの天使に力を湧き起こさせるわけか。そして守るべき対象がいなくなると途端にやる気が失せる。なるほど。

余談3:火曜日 《戦場の霊/Battleground Geist》

 5マナ3/3飛行で他のスピリットを攻撃的に強化するメリット能力持ちのクリーチャー。良かった、《大気の精霊/Air Elemental》の上位互換じゃないんだ。

 ところで「Geist」って、それ単体で英単語なのか。どうしても「ポルターガイスト(Poltergeist)」という言葉の印象が強くて、単体で使われている気がしなかった。なお「Geist = 心、霊魂」などの意味があるらしい。

 そういえば「サムライエボリューション 桜国ガイスト」ってゲームが昔あったような。

余談4:水曜日 《モークラットのバンシー/Morkrut Banshee》

 戦場に出たとき、対象のクリーチャーを-4/-4できるバンシー。ただしバンシーの雄叫びは誰かが死んだときに発せられるものなので「このターンにいずれかのクリーチャーが死亡していた場合」という条件がついている。

 4/4というサイズはちょっと意外だった。個人的にバンシーというとやせ細った女性のイメージがある。ただイラストを見ると確かに随分と肉付きのよい見事なプロポーションを誇ってらっしゃるので「なるほど、4/4か」と思った。

 能力はフレイバー的には理解できるけど、実際のゲームでは味方がいないときに引いてしまって5マナ4/4バニラのまま戦場に出ざるを得ないときとかありそう。状況を選ばない《顔なしの解体者/Faceless Butcher》や《皮裂き/Skinrender》のほうが強い気がする。

余談5:木曜日 《ファルケンラスの匪賊/Falkenrath Marauders》

 小さくて素早い動きを見せて飛び回り、生物の血液を吸い上げてどんどん巨大化していく、といわれると、なんか吸血鬼というよりも他の生物を連想してしまう。B級ホラー映画のモンスターっぽい。吸血鬼というより蚊のような……美形というより奇形のような。

余談6:金曜日 《アヴァシンの巡礼者/Avacyn’s Pilgrim》

 白マナの出る《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》。《貴族の教主/Noble Hierarch》を思うと、レアとコモンにはどれほど差のあるものなのかをあらためて思い知らされる。部族効果を比べても「人間」の部分は同じだし、「ドルイド」と「モンク」だとごくわずかとはいえドルイドに分がある(多分)。

 まあ、でも違うセットで比べても仕方ないかもしれない。1人1人は弱くても力を合わせれば吸血鬼や狼男に立ち向かえるのがイニストラードの人間だから、1マナの人間には活躍の場があるだろう。多分、おそらく、もしかしたら。

余談7:よくある質問集

 おそらく発売後からはしばらく「よくある質問集(FAQ)」からの引用が続くと思われる。どんなカードが取り上げられるかな。

 白のカードから見てみる。無難なところでは《神聖なる報い/Divine Reckoning》とかありそう。ちなみに効果は「各プレイヤーは、自分がコントロールするクリーチャーを1体選ぶ。残りを破壊する」というもの。アクティブプレイヤーから選ぶという説明があるのではないかと予想。

 大穴としては《月皇ミケウス/Mikaeus, the Lunarch》かな。マナコストに(X)を含んでおりそのX分の+1/+1カウンターを持って出てくる。さらにタップして自身に乗っている+1/+1カウンターを取り除くことで味方全員に+1/+1カウンターを置ける。2つ目の能力で取り除くのは自身の能力で乗せたものに限らないという説明があるのではないかと予想。

 青のカードはFAQに載りそうなものが多い気がする(墓地のカードにフラッシュバックを与えるカードやコピーを生み出すカードなど)。だけど質問内容まで予想できるものとなると枚数が限られる。《好奇心/Curiosity》とかありそう。効果は「エンチャントされているクリーチャーがいずれかの対戦相手にダメージを与えるたび、あなたはカードを1枚引いてもよい」というもので、対戦相手のクリーチャーにつけた場合も条件を満たせば引けるという説明があるのではないかと予想。ただ再録カードなのでCard of the Dayには取り上げられないだろうな。

 どちらかというと《鏡狂の幻/Mirror-Mad Phantasm》でライブラリに「鏡狂の幻/Mirror-Mad Phantasm」という名のカードがなかった場合は全てのカードを墓地に置くとか、《縫い師の見習い/Stitcher’s Apprentice》で解決時に本人しかいなかったら自身を生け贄に捧げないといけないとか、そんな感じのほうがありそう。

 黒のカードはあまり思いつかなかった。《ぬかるみの大口/Maw of the Mire》の「土地1つを対象とし、それを破壊する。あなたは4点のライフを得る」に対して、土地が破壊されなかった場合もライフは得る、もしくは土地を対象にとることができなくなり対象不適正で打ち消された場合はライフを得られない、のいずれかで取り上げられそう、というくらい。

 あとは《夜の恐怖/Night Terrors》で対象のプレイヤーの手札を公開させたあとの「あなたはその中の土地でないカードを1枚選ぶ。そのカードを追放する」について、土地でないカードがあれば必ずそれを追放しなければならない、という説明があるかもしれない、というくらいしか思いつかない。

 赤のカードだと《灰口の猟犬/Ashmouth Hound》のブロックするかされた状態になるたび「灰口の猟犬はそのクリーチャーに1点のダメージを与える」について、複数のクリーチャーをブロックしたり複数のクリーチャーにブロックされたりした場合、その複数のクリーチャー全てにダメージが与えられる、という説明がありそう。

 あと陰鬱関係の中でも《硫黄の流弾/Brimstone Volley》で解決時までにいずれかのクリーチャーが死亡していた場合は対象に与えられるダメージは5点になる(にしなくてはいけない)という説明があるかも。

 緑のカードの中でいかにもFAQに出番がありそうなのは《解放の樹/Tree of Redemption》なんだけど、じゃあ実際にどんな質問を予想してどんな回答がなされるかというと意外と思いつかない。効果は永続する、とかかな。ちなみにこいつは「4マナ 0/13 防衛持ち」でタップ能力として「あなたのライフの総量と解放の樹のタフネスを交換する」を持っている。

 あと同じように《似通った生命/Parallel Lives》や《荒れ野の本質/Essence of the Wild》あたりもFAQに取り上げられるとは思うんだけど、どんな分かりづらい状況を引き起こしかねないかというといまいち思いつかなかった。

 こうやってみてると緑の呪文ってシンプルなようでいて、レア以上となると青の呪文と同じくらい「ルール破り」なところが多い気がする。

余談8:《災火のドラゴン/Balefire Dragon》

 FAQとしては取り上げられないだろうけど、個人的に《災火のドラゴン/Balefire Dragon》のテキストは、直観的分かりづらさが高いと思う。1回読んだ直後は「?」と首をかしげたくなるような。

 ちなみに効果は「災火のドラゴンがいずれかのプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、それはそのプレイヤーがコントロールする各クリーチャーに、それぞれその点数に等しい点数のダメージを与える」というもの。「それはそのプレイヤーが」とか「それぞれその点数に等しい点数のダメージ」とか、どこまで読んでたのか分からなくなるような表現が。
肉屋の包丁/Butcher’s Cleaver - イニストラード アンコモン
Butcher’s Cleaver / 肉屋の包丁 (3)
アーティファクト - 装備品(Equipment)
装備しているクリーチャーは+3/+0の修整を受ける。
装備しているクリーチャーが人間であるかぎり、それは絆魂を持つ。
装備(3)((3):あなたがコントロールするクリーチャー1体を対象とし、これをつける。装備はソーサリーとしてのみ行う。)
参照:http://www.wizards.com/magic/tcg/article.aspx?x=mtg/tcg/innistrad/cig

 イニストラードの全カードを見るにはイニストラードカードギャラリー(註1)を参照してくれ!

(註1) イニストラードカードギャラリー
 原文には以下のURLへのリンクが張ってある。
 http://www.wizards.com/magic/tcg/article.aspx?x=mtg/tcg/innistrad/cig

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0911
霊捕らえの装置/Geistcatcher’s Rig - イニストラード アンコモン
Geistcatcher’s Rig / 霊捕らえの装置 (6)
アーティファクト クリーチャー - 構築物(Construct)
霊捕らえの装置が戦場に出たとき、飛行を持つクリーチャー1体を対象とする。あなたは「霊捕らえの装置はそれに4点のダメージを与える。」を選んでもよい。
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参照:http://www.wizards.com/magic/tcg/article.aspx?x=mtg/tcg/innistrad/cig

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http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0911
ケッシグの狼の地/Kessig Wolf Run - イニストラード レア
Kessig Wolf Run / ケッシグの狼の地
土地
(T):あなたのマナ・プールに(1)を加える。
(2)(赤)(緑),(T):クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで+X/+0の修整を受けるとともにトランプルを得る。
参照:http://www.wizards.com/magic/tcg/article.aspx?x=mtg/tcg/innistrad/cig

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心なき召喚/Heartless Summoning - イニストラード レア
Heartless Summoning / 心なき召喚 (1)(黒)
エンチャント
あなたが唱えるクリーチャー呪文は、それを唱えるためのコストが(2)少なくなる。
あなたがコントロールするクリーチャーは-1/-1の修整を受ける。
参照:http://www.wizards.com/magic/tcg/article.aspx?x=mtg/tcg/innistrad/cig

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