黒騎士/Black Knight - アルファ (註1)
Black Knight / 黒騎士 (黒)(黒)
クリーチャー — 人間(Human) 騎士(Knight)
先制攻撃(このクリーチャーは、先制攻撃を持たないクリーチャーより先に戦闘ダメージを与える。)
プロテクション(白)(このクリーチャーは白のものに対して、ブロックされず、対象にならず、ダメージを与えられず、エンチャントされない。)
2/2
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Black+Knight/

 近代におけるもっとも広く知られる黒騎士のイメージを形作っているのはかの有名なモンティパイソン(註2)だが、アーサー王伝説(註3)における黒騎士の名は少なくとも中世時代から知られている。
 またこの名で呼ばれた歴史上の人物も何人かいる。ジェームズ・スチュワート(註4)、ザヴィシャ・チェルニー(註5)、そしてグリンの騎士(註6)などだ。しかしこのうちの誰が先制攻撃やプロテクション(白)を持っていたかについてははっきりと歴史には残っていない。

(註1) レアリティ
 Card of the Dayでは8月からレアリティが表記されていない。

(註2) モンティパイソン
 原文では以下のURLへリンクが張られている。モンティパイソンの映画「モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル」の黒騎士が登場するシーン。この黒騎士、プロテクション(白)は持ってなさそうだけど、かわりに破壊不能(Indestructible)を持ってる気がする。
 https://www.youtube.com/watch?v=dhRUe-gz690

(註3) アーサー王伝説
 原文では以下のURLへリンクが張られている。Wikipediaの「Black Knight (Arthurian legend)」の項目。アーサー王伝説は伝承によって内容が異なるため、正体がリチャード1世だったり、アーサー王の孫だったりと、様々な「黒騎士」が存在するらしい。
 http://en.wikipedia.org/wiki/Black_Knight_%28Arthurian_legend%29

(註4) ジェームズ・スチュワート
 原文では以下のURLへリンクが張られている。Wikipediaの「James Stewart, the Black Knight of Lorn」の項目。スコットランドの騎士(生年1383年~没年1451年)。
 http://en.wikipedia.org/wiki/James_Stewart,_the_Black_Knight_of_Lorn

(註5) ザヴィシャ・チェルニー
 原文では以下のURLへリンクが張られている。Wikipediaの「Zawisza Czarny」の項目。ポーランドの騎士で黒騎士と呼ばれるようになったのはその黒髪と自作の黒い鎧が理由(鎧はポーランドのヤスナグラ修道院に今も保管されているらしい)。
 http://en.wikipedia.org/wiki/Zawisza_Czarny

(註6) グリンの騎士
 原文では以下のURLへリンクが張られている。Wikipediaの「Knight of Glin」の項目。14世紀から続くアイルランドの世襲の称号。
 http://en.wikipedia.org/wiki/Knight_of_Glin

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0813
執拗な死者/Tenacious Dead - 基本セット2014
Tenacious Dead / 執拗な死者 (黒)
クリーチャー — スケルトン(Skeleton) 戦士(Warrior)
執拗な死者が死亡したとき、あなたは(1)(黒)を支払ってもよい。そうした場合、これをオーナーのコントロール下でタップ状態で戦場に戻す。
1/1
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Tenacious+Dead/

 マジックには37体のスケルトン(Skeleton)(註1)と386体の戦士(Warrior)がいる(註2)。現在全部で5体(註3)いるスケルトンの戦士が最初に登場したセットは基本セット2011だ。そして、初めてのスケルトンは戦士であり、2種類目のスケルトンは……なんと鳥(Bird)(註4)だ!
 しかしまたマジックにはそれと同じ数の伝説(Legendatry)のスケルトン(註5)がおり、統率者戦好きの君にとってはこっちのほうが興味があることかもしれないね。

(註1) 37体のスケルトン
 原文ではサブタイプが「Skeleton」であるカードを検索条件にした、公式サイトの検索エンジンであるGathererの検索結果へのリンクが張られている。

(註2) 386体の戦士
 原文ではサブタイプが「Warrior」であるカードを検索条件にした、公式サイトの検索エンジンであるGathererの検索結果へのリンクが張られている。なお検索結果を確認したところ「387体」見つかった。パソコンの設定の問題だろうか。

(註3) 5体
 原文ではサブタイプが「Skeleton」かつ「Warrior」であるカードを検索条件にした、公式サイトの検索エンジンであるGathererの検索結果へのリンクが張られている。

(註4) 鳥
 原文ではサブタイプが「Skeleton」かつ「Bird」であるカードを検索条件にした、公式サイトの検索エンジンであるGathererの検索結果へのリンクが張られている。なお検索結果は2体、《カターリの残影/Kathari Remnant》と《骸骨のカターリ/Skeletal Kathari》。

(註5) 伝説のスケルトン
 原文ではサブタイプが「Skeleton」かつタイプが「Legendary」であるカードを検索条件にした、公式サイトの検索エンジンであるGathererの検索結果へのリンクが張られている。なお(鳥と同様に)検索結果は2体、《Skeleton Ship》と《荒廃のドラゴン、スキジリクス/Skithiryx, the Blight Dragon》。

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0813
【翻訳】PVによる2013年度マジック殿堂入り候補者ギョーム・ワフォ・タパへのインタビュー【CFB】
Paulo Vitor Damo da Rosa
2013年07月11日
元記事:http://www.channelfireball.com/articles/hall-of-fame-2013-candidates-guillaume-wafo-tapa/

 この記事は2013年度に殿堂入りする可能性を持つ候補者たちへインタビューするという現在進行形のシリーズものの一部だ。過去にインタビューしたプレイヤーたちは以下の通り。

 ・ジャスティン・ゲーリー/Justin Gary
 ・ウィリアム・ジェンセン/William Huey Jensen
 ・ベン・スターク/Ben Stark
 ・ウィリー・エデル/Willy Edel
 ・ポール・リーツェル/Paul Rietzl

ギョーム・ワフォ・タパの主なプロフィール

 ・生涯プロポイント 
              221点
 ・参戦プロツアー 
              27戦
 ・プロツアートップ8
              4回(8.8%)
 ・プロツアー優勝
              1回(2007年横浜)
 ・プロツアートップ16
              4回(5.9%)
 ・プロツアートップ32
              2回(11.7%)
 ・プロツアートップ64
              1回(14.7%)
 ・プロツアートップ64以上
              11回
 ・グランプリトップ8
              8回
 ・フランプリ優勝
              0回
 ・Median Finish(註)
              102
 ・3 Year-Median
              22
 ・POYトップ10
              3年
 ・生涯獲得賞金額
              160,750ドル(23位)
(註) Median Finish
 参加したプロツアーの最終順位の平均値をとったものらしい。定義は「Midpoint of career Pro Tour finishes (half above, half below)」とのこと。

現在、マジックとはどのように関わっていますか? もし殿堂入りしたとすると、その関わり方はどのように変わると思いますか?

 僕はマジックが大好きで、今もたくさん遊んでるよ。もし殿堂入りしたとしてもそれが変わるということは絶対にない。だけど試されることになるだろうからほとんどのプロツアーに参戦するだろうね。

あなたは常にコントロール好きのプレイヤーとして知られています。実のところ私自身あなたがコントロールデッキ以外をプレイしているところを見たことがありません。そのコントロールデッキ愛の源は?

 その質問は興味深いね。僕自身、答えを知りたいくらいだよ。好きに理由はないというけどそういうことなのかな。もしかしたら子供時代に理由があるのかもしれない。小さい頃、両親はよくレゴを買って来てくれたんだ。コントロールデッキはパーツを集めて組み立てる作業に似ているし。

 まあ、それが理由かは分からないけどね。

いつか違うデッキをプレイすることはありえますか? 例えばアグロデッキとか。それとも環境的に他のデッキタイプのほうが有利だというときでも好きなデッキを使い続けますか?

 アグロデッキを使うかもしれない状況を思い付くことはできるけど、実際そうなるかというと、ありえないかな。コントロールデッキが通用しそうにないという状況になったらどうするかというと、もっと頑張る、が僕の哲学だからね。

 アグロデッキを使うとなると、1つ目として、まずアグロデッキが最適解だと僕に信じこませる必要がある。だけど、2つ目として、プロツアーには不確定要素がたくさんあって明確な最適解を得ることは非常に難しい。

 それでも僕の参加しているテストグループがぶっ壊れたデッキタイプを生み出すのに成功したら、おそらくそれに乗らせてもらうだろうね(実際そんなことがあったら多分それはコンボデッキだろうけど)。

 そういえば2回だけコントロールデッキ以外でプロツアーに参加したことがあるよ。

 どっちも信頼に足るコントロールデッキを作れなかったことが理由であって、実際に使ったほうのデッキに納得してたわけじゃない。

 1回目は世界選手権のレガシーで、僕は赤単デッキを使った。他の選択肢と比べるとそのデッキには《血染めの月/Blood Moon》、《月の大魔術師/Magus of the Moon》、《虚空の杯/Chalice of the Void》、それと《三なる宝球/Trinisphere》を入れることが出来たからね。あと勝ち手段として《ギャサンの略奪者/Gathan Raiders》と《ラクドスの地獄ドラゴン/Rakdos Pit Dragon》が入ってた(バックアッププランとして素出しの《猿人の指導霊/Simian Spirit Guide》で殴り勝つ、もあったね。本気で)。

 結果は3-3。2回目はローマでの世界選手権で、フォーマットはデクステンデッドで超起源デッキを使った。結果は0-3。それ以降はないよ。《熟慮/Think Twice》しなかった当然の報いだね。

コントロールデッキを使うということは、適切な回答を適切な脅威に対して選択するということです。未知のメタゲーム(例えばプロツアーのような)に挑む際にどのようにしてコントロールデッキを作るのか、そのプロセスを簡単にでよいので紹介してもらえないでしょうか。

 最初のステップとして、そこに何が待っているのか近づいて確かめる必要がある(例えそれが未知の領域だとしても出来る限りね。少なくともラフなアイデアを得るために)。実際、正しい回答を探すためにはそもそもどんな脅威があるのかを知る必要がある。

 2つ目のステップとして回答を探す作業がある。それには「どうやってゲームを終わらせるか」も含まれる。これはとても重要な点だ。これによって青の相棒となるべき色が何色なのかが自然と判明する。

 それから適切な回数のテストを行うことで環境に対してどんなデッキが必要なのかが見えるはずだ。大会が近付けば予想されるメタゲームの輪郭はさらに明確になるだろうね。

私が見てきた競技マジックのプレイヤーの中で最も頻繁に後手(to draw)を選択するプレイヤーがあなたです。多くのマッチアップにおいてそれがより良い選択だとあなたが感じる理由について簡単に説明してもらえないでしょうか。

 根源にあるのは簡単なことで、最後には少ないリソースをやりくりせざるを得ない長い消耗戦に立ち向かおうというんだから後手(to draw)を選択しない理由はないだろう?

 構築ではコントロールvsコントロールの対戦がこれに当てはまるね。ときにはコントロールvsコンボやコントロールvsアグロにさえも当てはまる。後手を選択する際に注意すべきなのは、ゲームの序盤に諦めざるをえないプレイが本当に諦めてもよいものなのかどうかだね。

 それでもリミテッドにおいては後手を選択すべき機会がより多く訪れる。単純にリミテッドのデッキのほうがデッキもカードが弱いから試合も長引きやすい。カードを引くことを選んだせいで対戦相手に負ける、なんて可能性もそれだけ低い。マリガンする可能性を減らす対策にもなる。もし長いマッチになりそうだと君が感じているならなおさらだ。

あなたは情報漏洩の罪で資格停止になりました。何が起きたのか話してもらうことはできるでしょうか。

 僕とギョーム・マティノンは当時よくフランスの雑誌にマジックの新セットに関する記事を書いていた。雑誌はスポイラーリストを優先的に公開の数日前にもらうことができた。

 新セットの記事については僕らのうちの片方いずれかに依頼されて、その際に誰にも勝手に提供しないという約束の元にリストを渡される。ただ大抵の場合、許可を求めれば僕ら2人のあいだでなら共有させてくれた。

 新たなるファイレクシアのときはギョームが記事を担当することになった。雑誌側の許可を得た上で彼は僕にもリストを見せてくれた。僕はそれを僕の友人と共有して、さらにその友人は彼の友人にも見せた。

 そのせいでリストはネットに流出してしまった。

 この件は僕の側の認識が甘かったせいだ。僕が迷惑をかけることになってしまったコミュニティの皆に対して非常に申し訳なく思っている。

多くの人たちはあなたの資格停止を他と異なるものと受け止めています。例えば、齋藤友晴の場合、失格の原因となった行為はマッチの結果に直接的に結びつくものであったことに対し、あなたの場合はそうではないからです。しかしまた、あなたがスポイラーを事前に受け取ることができたのは事実であり、事前にテストプレイすることが可能であることを考えるとあなたの成績にも影響があったのではないかと考える人たちもいます。それが事実だと思いますか?

 事前にリストを受け取ることが出来たプレイヤーにアドバンテージががあるのは事実だ。だけどそれによって得られるアドバンテージは微々たるものだと思う。

 プレイによって辿りつける地点というのは限られている(結局のところ、プレイよりもデッキ構築のほうが比重は大きい)。メタゲームに類する多くの情報は大会が近づいて来なければ得られないタイプのものだからね。

 あくまで僕が友人にリストを提供したのは早めにリストを見て楽しんで欲しかっただけで、早めにテストプレイを開始してもらうためじゃなかった。ギョーム・マティノンとは大会の1週間前に会うことが多い。やっぱりその頃が一番テストするにちょうどいい時期だからね。

プロフィールページにある以外に何か特筆すべき戦績はありますか?

 地域選手権(編注:アメリカの州選手権に相当)を自作の総体の知識デッキで優勝したことは今でも誇りに思っているよ。

マジックにおけるもっとも良い思い出は?

 その質問は難しいな。とても良い思い出がたくさんあり過ぎて選ぶのが大変だ。その中でもプロツアー横浜での優勝が一番かな。僕の初プロツアートップ8でもあるし、色んな意味で大きな経験だったよ。

マジックに関する記事を書かれたことはありますか? もしあればその中でも特に自分でも気に入っているもののリンクを紹介してもらえませんか?

 フランスの雑誌に少し書いた以外だと、Star Cityにいくつか記事があるはずだよ。(註)
(註) Star Cityにいくつか記事がある
 検索したところ2件ヒットした。
 http://www.starcitygames.com/tags/GuillaumeWafoTapa/2001-05-30/2013-08-30

あなたが他のプレイヤーより抜きんでているプレイヤーとしての強みはなんだと思いますか?

 忍耐力だね。

 大会は長くて疲れるもので、長期戦をにらんだデッキを使えばなおさらだ。良い結果を残すためには気力を維持出来ることは非常に重要で、それが僕の強みだと思ってる。

好きなアーキタイプはありますか?

 たぶんインスタントがいっぱい入ったコントロールデッキであればなんでも好きだよ。

今までで一番好きなデッキとカードは?

 僕の好きなデッキはズヴィ・モーショヴィッツのターボランドだ(註)。エクステンデッドがまた遊べればぜひもう一度使いたいと思ってる。好きなカードは《熟慮/Think Twice》だよ。
(註) ズヴィ・モーショヴィッツのターボランド
 原文では以下のURLへリンクが張られている。ターボランドのデッキレシピ。
 http://www.wizards.com/sideboard/article.asp?x=sb20001110b

好きなフォーマットは?

 チーム共同デッキ構築スタンダードかな。チーム戦はとても楽しい。最近はたまにしかやらないし、全てリミテッドだ。なんでだろうね。プロツアーチャールストンは楽しかったな。

どのラヴニカギルドに属していますか?

 ディミーア。

殿堂入りしたプレイヤーは誰でも(インビテーショナルみたいに)自身をモデルにしたカードを作れるとした場合、あなたはどんなカードを作りますか?

 考えるのに本当はもうちょっと時間が欲しいけど、そうだね、何しろ僕はカードを引くこととライフを回復することが大好きだから、多分そのどちらか、もしくは両方をこなしてくれる青白の壁になるかもね。

今年の殿堂で誰に投票しますか?

 今のところ決めているのは3人かな。ルイス・スコット=ヴァーガス、齋藤友晴、八十岡翔太だね。ルイスについては説明の必要はないよね。デッキビルダーとして齋藤と八十岡の生み出すデッキには感銘を受けるところがある。残り数人についてはまだ迷ってる。

好きな映画は?

 あまり映画は見ないんだ。だからかわりにTVシリーズで「SPIRAL ~連鎖~」。

好きな小説は?

 ロイス・マクマスター・ビジョルドの「ヴォルコシガン・サガ」。

好きな食べ物は?

 クレープ。
(余談)
 このインタビューシリーズのギョーム・ワフォ・タパの次の回は、日本人プレイヤー齋藤友晴へのインタビュー記事で、これは英文和文の両方が載っている。興味があるかたはぜひ(英文記事の後ろに和文記事あり)。
 http://www.channelfireball.com/articles/hall-of-fame-2013-candidates-tomoharu-saito/

余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 ネタの内容は月曜日から順に「クリーチャータイプ」「背景ストーリー(ファイレクシア)」「背景ストーリー(ザ・ダーク)」「カード名」「クリーチャータイプ」。バラエティに富んだ内容になっており、特に統一されたテーマがあったという感じは受けない。

 それより気になったのは8月からレアリティ表記がなくなった件。エキスパンションによって異なることを新規のプレイヤーに知られたくないのかな、とか、古いカードは特殊なレアリティ区分(アンコモン1、アンコモン2)があって現状の区分にそぐわないからかな、とか、色々思いつくけど真相は闇の中。

余談2:月曜日 《運命の扉/Door of Destinies》

 マジックの世界には様々な扉があって開くと不思議なことが起きる。たとえば開くのに膨大な魔力を必要とする空虚への扉は、開いてしまえば敵を問答無用で虚無へと葬り去る。裂け岩に開いた扉からは粗悪なマナしか生み出されないけど、なぜか扉を破壊すると以降は緑と白のマナが生み出されるようになる。

 そんな中、運命の扉は戦場に設置する際に「人間用」とか「ゴブリン用」とか決めるらしい。そして新たに陣営に加わるクリーチャーは自分の種族用の扉へと案内される。

 係員「こっちの扉を通れ」
 新兵「あっちじゃないんですか?」
 係員「あれはゴブリン用だ」
 新兵「こっちの扉、なんか2って書いてありますけど」
 係員「いいからとっとと通れ」
 新兵「はい」

 (ピロリーン)

 係員「よし、3になったな」
 新兵「なんですか、今の音」
 係員「お前が3人目の人間ということだ。よし、次は視力検査だ。あっちへ向かえ」
 新兵「了解で……な、なんだ!? 力がわいてくる……具体的には+3/+3くらいの力が!」
 係員「いいから行け」

 多相の方々は入隊検査時に回る場所が増えて大変そう。あとこれさえあれば吸血鬼が人間に化けて侵入してきてもすぐに分かって便利かもしれない。変身前の狼男の識別には使えないけど(人間のクリーチャータイプ持ってるから)。

 さらに余談。「扉」と訳されるカード名は「Door」以外に「Portal」もあるけど、「Portal」は「門」と訳されることもある(「門」とも「扉」とも訳されなかった「Portal」もあるけどここには挙げない)。さらに「門」といえば当然「Gate」もある。

 扉 - Door
      《運命の扉/Door of Destinies》
      《空虚への扉/Door to Nothingness》
      《地下室の扉/Cellar Door》

 扉 - Portal
      《裂け岩の扉/Riftstone Portal》
      《試作品の扉/Prototype Portal》
      《取り憑かれた扉/Possessed Portal》

 門 - Portal
      《移ろいの門/Erratic Portal》
      《次元の門/Planar Portal》
      《ベルベイの門/Belbe’s Portal》など

 門 - Gate
      《秘教の門/Mystic Gate》
      《上天への門/Gate to the AEther》
      《ラクドスのギルド門/Rakdos Guildgate》など

 最後のちょっとだけ訳の話。
原文:
 That is obviously more than we can list here, so go check out this Arcana from last year, whose list is still up to date!

拙訳:
 ここに全てリストアップするには明らかにスペースが足りないので、昨年のこのコラムに載っているリストを参照してくれ。今現在もこれが最新のリストだ!

 末尾の「whose list is still up to date」を最初は「いまだに更新され続けてるぞ」と訳しそうになって、記事を見に行って、間違いに気づいた。まあ、そう簡単にはクリーチャータイプが増えることはない、ってことか。

 あと「obviously more than we can list here」は「ここに記すには余白が足りない」にしようかな、と少しだけ思った。そしてすぐにやめた。

余談3:火曜日 《ファイレクシアへの貢ぎ物/Phyrexian Tribute》

 ファイレクシアは本当にアーティファクト破壊が下手で、1つのアーティファクトを壊すのに「3マナのソーサリー(追加コスト:クリーチャー2体)」とか「2マナのエンチャント(追加コスト:クリーチャー1体)」とか、非効率にもほどがある。そこまでして壊したいのか。

 なお、英語に「ish」という英単語があることをこの記事で初めて知った。

余談4:水曜日 《瘴気/Marsh Gas》

 元カード名が2単語《Marsh Gas》なのに対して日本語名が1単語《瘴気》となっている珍しい例。それも当然で日本語訳黎明期の第4版の時代に訳されたカードの1つ。今だったら「湿地のガス」もしくは「湿地帯のガス」になるのかな。やっぱり《瘴気》のほうがそれらしい。黒だし。

 なお同じ第4版の《Marsh Viper》は《マーシュ・バイパー》と訳されている模様。

余談5:木曜日 《黒騎士/Black Knight》

 青白パーミッションデッキを使ってたとき、なかなか《神の怒り/Wrath of God》を引けず、2ターン目に出てきた《黒騎士/Black Knight》に20点のライフを削りきられたことを思い出す。

 それはさておき、記事では「Black Knight」の名を冠されたことのある歴史上の人物たちが紹介されている。それらの人物について書かれた英語版Wikipediaへのリンクがいくつも張られていた。ただ、これら人物は日本ではあまり知られていないらしく、日本語版Wikipediaには記事がなかった。

 イギリスのエドワード王子が入ってないな、と思ったら、彼の異名は「エドワード黒太子(Edward, the Black Prince)」だった。騎士じゃなかった。ちなみに英語版Wikipediaによると、初めて「Black Prince」の名が用いられたのは死後150年経ってからで、彼の生きている時代にその二つ名が用いられた資料は存在しないらしい。

  (英語版Wikipedia) Edward, the Black Princeの項目
  http://en.wikipedia.org/wiki/Edward,_the_Black_Prince

余談6:金曜日 《執拗な死者/Tenacious Dead》

 マジックにおいて初めて白骨化したのは戦士(Warrior)で、その次に白骨化したのは鳥(Bird)だったらしい。ただ、さすがに船(Ship)は(いくら骨組みがあるとはいえ)白骨化しないらしく《Skeleton Ship》のクリーチャータイプはスケルトン(Skeleton)のみとなっている。

 マジックを始めた頃、この《Skeleton Ship》のイラストがとても好きで、「強いから」ではなく「使いたいから」使っていた。弱かったけど、嫌いにはなれなかった。今でも好き。しかしこれが入っていたということは青黒デッキだったはずだけど、他に何を入れてたか、さっぱり思い出せない。
黄金のたてがみのアジャニ/Ajani Goldmane - ローウィン
Ajani Goldmane / 黄金のたてがみのアジャニ (2)(白)(白)
プレインズウォーカー — アジャニ(Ajani)
[+1]:あなたは2点のライフを得る。
[-1]:あなたがコントロールする各クリーチャーの上に+1/+1カウンターを1個置く。それらのクリーチャーは、ターン終了時まで警戒を得る。
[-6]:白のアバター(Avatar)・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。それは「このクリーチャーのパワーとタフネスはそれぞれ、あなたのライフの総量に等しい。」を持つ。
4
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Ajani+Goldmane/

 20周年記念週間に際して、私たちはR&Dのメンバーにマジックの歴史上もっとも重要なカードはなんであったかを聞いてみたところ、Worth WollpertとShawn Mainの2人は最初のプレインズウォーカーたちを選んだ。
 Shawn曰く「《黄金のたてがみのアジャニ/Ajani Goldmane》を含むローウィンの5体のプレインズウォーカーたち(註1)がマジックにもたらした恩恵は計り知れないからね。プレインズウォーカーたちはマジックの最初期からストーリーの中心ではあったけど、ついにゲームそのものの一部となる機会を得られたんだ」。

(註1) ローウィンの5体のプレインズウォーカーたち
 原文ではセットが「ローウィン」で、かつサブタイプが「プレインズウォーカー」であるカードを検索条件にした、公式サイトの検索エンジンであるGathererの検索結果へのリンクが張られている。

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0813
大クラゲ/Man-o’-War - ビジョンズ
Man-o’-War / 大クラゲ (2)(青)
クリーチャー - クラゲ(Jellyfish)
大クラゲが戦場に出たとき、クリーチャー1体を対象とし、それをオーナーの手札に戻す。
2/2
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Man-o%27-War/

 20周年記念週間に際して、私たちはR&Dのメンバーにマジックの歴史上もっとも重要なカードはなんであったかを聞いてみたところ、Ken NagleとShawn Mainの2人は《大クラゲ/Man-o’-War》を選んだ。
 Ken曰く「《ウークタビー・オランウータン/Uktabi Orangutan》や《大クラゲ/Man-o’-War》といったヤツらは「戦場に出たとき」に呪文1つ分の効果を持つことの有用性を証明して見せたんだ。それがトーナメントレベルのクリーチャーとなり得ることをね。《粉砕/Shatter》みたいな呪文は無駄になることもあるけど、クリーチャーとしてのボディはいつだって無駄にならない。今もたくさんの「戦場に出たとき」能力がマジックのセットには入ってる」。

(余談)
 昨日に続いてShawn Mainの名前がある。おそらく複数回答可のアンケートだったと思われる

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0813
ネクロポーテンス/Necropotence - アイスエイジ
Necropotence / ネクロポーテンス (黒)(黒)(黒)
エンチャント
あなたのドロー・ステップを飛ばす。
あなたがカードを捨てるたび、あなたの墓地にあるそのカードを追放する。
1点のライフを支払う:あなたのライブラリーの一番上のカードを裏向きのまま追放する。あなたの次の終了ステップの開始時に、そのカードをあなたの手札に加える。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Necropotence/

 20周年記念週間に際して、私たちはR&Dのメンバーにマジックの歴史上もっとも重要なカードはなんであったかを聞いてみたところ、James SooyとWorth Wollpertの2人は《ネクロポーテンス/Necropotence》を選んだ。
 James Sooyは自身の選んだこのカードを「構築レベルの元祖ぶっ壊れカード」と呼んでいる。

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0813
カヴーのタイタン/Kavu Titan - インベイジョン
Kavu Titan / カヴーのタイタン (1)(緑)
クリーチャー - カヴー(Kavu)
キッカー(2)(緑)(あなたがこの呪文を唱えるに際し、あなたは追加の(2)(緑)を支払ってもよい。)
カヴーのタイタンがキッカーされていた場合、それはその上に+1/+1カウンターが3個置かれた状態で戦場に出るとともに、トランプルを持つ。
2/2
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Kavu+Titan/

 20周年記念週間に際して、私たちはR&Dのメンバーにマジックの歴史上もっとも重要なカードはなんであったかを聞いてみたところ、Ken Nagleは《カヴーのタイタン/Kavu Titan》を選び、その理由を「緑のクリーチャーを強化しようという聖戦はこいつから始まったから」と説明した。
 その戦いはオデッセイで最高潮を迎えた。《野生の雑種犬/Wild Mongrel》、《日を浴びるルートワラ/Basking Rootwalla》、《獣群の呼び声/Call of the Herd》、《尊大なワーム/Arrogant Wurm》、そして《ワームの咆哮/Roar of the Wurm》といったクリーチャー群は、緑が最強のクリーチャーを有するということが可能であることを証明している。

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0813
Black Lotus - アルファ
Black Lotus (0)
アーティファクト
(T),Black Lotusを生け贄に捧げる:あなたのマナ・プールに、好きな色1色のマナ3点を加える。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Black+Lotus/

 20周年記念週間に際して、私たちはR&Dのメンバーにマジックの歴史上もっとも重要なカードはなんであったかを聞いてみた。この週を締めくくるに当たって「パワー(註1)」カードを選ばない理由があるだろうか? 《Black Lotus》を選んだJames Sooyはこれを「カードゲーム界における伝説そのもの」と評している。

(註1) パワー
 原文では以下のURLへリンクが張られている。「Power Nine」に関するコラム。
 http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtgcom/arcana/432

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0813
余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 マジック20周年記念週間ということでR&Dメンバーに「マジックの歴史上もっとも重要なカード(the most important cards in Magic’s history)」を聞いてみた結果が記事にされている。

余談2:月曜日 《黄金のたてがみのアジャニ/Ajani Goldmane》

 初代のプレインズウォーカーたちを見ると、やっぱり最近のプレインズウォーカーは強くなったなあ、と感じる。

 当時の5人のプラス能力をあらためてみると、カードもしくはパーマネント1枚分のアドバンテージをとれるのは《リリアナ・ヴェス/Liliana Vess》の手札を捨てさせる能力しかない。それ以外は「ライフ2点回復」「土地2枚アンタップ」「対象のプレイヤーに1点ダメージ」「各プレイヤーは1枚カードを引く」という感じ。

 こうして並べてみると「1マナ呪文でも弱いと感じる程度の効果」なんだな、ということが分かる。初めてのカードタイプということで開発側もカードパワーを抑えに抑えようとしたのかもしれない。確かに逆よりいいか。

 《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》
 「呼んだ?」

 呼んでない。

余談3:火曜日 《大クラゲ/Man-o’-War》

 コモンなのにそこそこ強くて絵も綺麗な《大クラゲ/Man-o’-War》はビジョンズの当時から好きなカードだったな、という思い出話と一緒に訳の話。
原文:
 Uktabi Orangutan, Man-o’-War, and friends showcased the ’enter the battlefield’-with-a-spell effect, creating powerful creatures for tournament play thanks to their warm bodies being relevant all the time, even if the Shatter effect was not.

拙訳:
 《ウークタビー・オランウータン/Uktabi Orangutan》や《大クラゲ/Man-o’-War》といったヤツらは「戦場に出たとき」に呪文1つ分の効果を持つことの有用性を証明して見せたんだ。それがトーナメントレベルのクリーチャーとなり得ることをね。《粉砕/Shatter》みたいな呪文は無駄になることもあるけど、クリーチャーとしてのボディはいつだって無駄にならない。

 どこで切ったらいいのか分からなくて全文引用してしまった。ポイントは「thanks to their warm bodies being relevant all the time」の箇所。「thanks to」とか「warm bodies」とか発言者のトーンが表れている部分なんだけど、イマイチ訳に反映されていない。

 原文に忠実にするなら「暖かい~」とか「血の通った~」とかするべきだったのかもしれない。その場合、続くのは「ボディ」より「生身の部分」とかになるのかな。ところで(言い訳じゃないけど)考えてみたら《大クラゲ/Man-o’-War》なのに「warm body」って不思議な話だ。

 さらに余談。この記事がこのブログの700件目の「Card of the Day」カテゴリ記事だった

余談4:水曜日 《ネクロポーテンス/Necropotence》

 とても短い記事なのに訳すのに悩まされたのはある単語が理由。
原文:
 James explained his choice by calling it "the original boogeyman of Constructed tournaments."

拙訳:
 James Sooyは自身の選んだこのカードを「構築レベルの元祖ぶっ壊れカード」と呼んでいる。

 いや「Boogeyman」って言われましても……いわゆる「ベッドの下の怪物」というか、もっとも単刀直入に言うなら「おばけ」。ちなみに上記の拙訳以外の訳の候補としては以下の通り。

  - このカードを「トーナメントに顔を出した魔物の元祖」と呼んでいる
  - このカードを「トーナメントに顔を出した初代ブギーマン」と呼んでいる

 うーん。

余談5:木曜日 《カヴーのタイタン/Kavu Titan》

 《カヴーのタイタン/Kavu Titan》というと「単なる2マナ2/2として使ったときのほうが勝率が良かった」というマーク・ローズウォーターの思い出話を思い出す。以下の記事に紹介されている逸話。

  Body Snatchers of the Invasion
  http://www.wizards.com/Default.asp?x=mtgcom/daily/mr188

 上記の拙訳(の後半部分)が以下。ちょうどカヴーのタイタンの話から始まってる

  世界侵略:インベイジョン決戦/Body Snatchers of the Invasion(後半)
  http://regiant.diarynote.jp/201102120925214209/

余談6:金曜日 《Black Lotus》

 1回だけ本物を見たことがある。学校に遊びに来たOBが持ってた。スリーブの上からでも触らせてもらえなかった。今考えると当たり前の話だな。それはさておき訳の話。
原文:
 calling it "the icon of legendary cards among all card games."

拙訳:
 James Sooyはこれを「カードゲーム界における伝説そのもの」と評している

 意味は間違ってないけどやっぱり訳としてはおかしいか。なんというかシンプルな分だけ難しかった。やっぱり「象徴」とか「アイコン」とか「代名詞」とかそんな感じの単語があったほうが良かったかもしれない。

余談7:勘違い

 最初、《ボロスの反攻者/Boros Reckoner》の能力を《ザルファーの聖戦士/Zhalfirin Crusader》の能力のマナがいらない版なのかと勘違いしてた。
Zhalfirin Crusader / ザルファーの聖戦士 (1)(白)(白)
クリーチャー — 人間(Human) 騎士(Knight)
側面攻撃
(1)(白):クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。このターン、ザルファーの聖戦士に与えられる次のダメージ1点は、代わりにそれに与えられる。
2/2
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Zhalfirin+Crusader/

 つまりダメージの移し替え(redirect)だと思っていた。ダメージでは絶対に死なない上にそのダメージを敵本体とクリーチャーにばらまく超生物の誕生である。

 あり得ない強さのはずなのに「最近のクリーチャーは本当に質が高いなあ。それでも黒の除去で死ぬし、飛行クリーチャーは止められないし、そんなもんなのかなあ」とか呑気なことを考えてた。
凄腕の暗殺者/Royal Assassin - アルファ
Royal Assassin / 凄腕の暗殺者 (1)(黒)(黒)
クリーチャー — 人間(Human) 暗殺者(Assassin)
(T):タップ状態のクリーチャー1体を対象とし、それを破壊する。
1/1
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Royal+Assassin/

 マジックには34体の暗殺者(Assassin)がおり(註1)、暗殺者(Assassin)を名前に含むカードは22枚ある(これには3枚のインスタントやソーサリーを含む)(註2)。
 それらカードの効果にそれほど統一感は見られないが、その中でも1人目の暗殺者である《凄腕の暗殺者/Royal Assassin》の効果である「タップされたクリーチャーのみ暗殺できる」というフレイバーは先例として根付いており、5枚のカードに同じ効果が見られる(註3)。

(註1) 34体の暗殺者(Assassin)
 原文ではサブタイプが「Assassin」であるカードを検索条件にした、公式サイトの検索エンジンであるGathererの検索結果へのリンクが張られている。

(註2) 暗殺者(Assassin)を名前に含むカードは22枚
 原文ではカード名が「Assassin」を含むカードを検索条件にした、公式サイトの検索エンジンであるGathererの検索結果へのリンクが張られている。

(註3) 5枚のカードに同じ効果が見られる
 原文ではカード名が「Assassin」を含み、かつカードテキストに「destroy」「tapped」「creature」を全て含むカードを検索条件にした、公式サイトの検索エンジンであるGathererの検索結果へのリンクが張られている。

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0813
記憶の彼方/Fade from Memory - オンスロート
Fade from Memory / 記憶の彼方 (黒)
インスタント
墓地にあるカード1枚を対象とし、それを追放する。
サイクリング(黒)((黒),このカードを捨てる:カードを1枚引く。)
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Fade+from+Memory/

 カードのフレイバーテキスト(註1)に言及されているオタリア(註2)という地名はドミナリアの次元に存在する大陸の名だ。オデッセイとオンスロートの両ブロックの舞台となっている。 
 マジックはそのマナと思い出も同様に土地と深く結びついており、Doug Beyerの記事(註3)の中にも「オタリアという大地はまるで自身の過去を懐かしがるあまり、過ぎ去りし時の彼方へ戻りたいと切望しているかのようだ、と何人かのプレインズウォーカーたちがその記録に書き残している」という記述が見られる。

(註1) フレイバーテキスト
原文:
 Proper burial is a luxury Otarians can no longer afford.

日本語訳:
 まともな葬儀は、オタリア人にはもう手が届かない贅沢となった。

(註2) オタリア
 原文ではプレインチェイスの《Otaria》のカードデータへのリンクが張られている。
Otaria / オタリア
次元 ― ドミナリア(Dominaria)
墓地にあるインスタント・カードとソーサリー・カードはフラッシュバックを持つ。 そのフラッシュバック・コストは、そのカード自身のマナ・コストに等しい。(そのカードのオーナーはそれを自分の墓地からそれのマナ・コストで唱えてもよい。その後、そのプレイヤーはそれを追放する。)
あなたがカオス・シンボルを出すたび、このターンに続いて追加の1ターンを行う。
(※ MTG Wikiの「オタリア/Otaria (次元カード)」の項目より引用)

(註3) Doug Beyerの記事
 原文では以下のURLへリンクが張られている。プレインチェイスに関する2009年の記事。
 http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/daily/stf/54

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0813
身分詐称/Stolen Identity - ギルド門侵犯
Stolen Identity / 身分詐称 (4)(青)(青)
ソーサリー
アーティファクト1つかクリーチャー1体を対象とし、それのコピーであるトークンを1つ戦場に出す。
暗号(その後、あなたはあなたがコントロールするクリーチャー1体に暗号化した状態で、この呪文カードを追放してもよい。そのクリーチャーがプレイヤー1人に戦闘ダメージを与えるたび、それのコントローラーはその暗号化したカードのコピーを、それのマナ・コストを支払うことなく唱えてもよい。)
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Stolen+Identity/

 素晴らしいイラストだがカードサイズの大きさでは細部が見えずその良さを存分に味わうことは難しい……というわけで、何が描かれているのか説明しよう!
 イラストレーターへの指示の中には「光沢のある石の床に描かれた魔法の紋章にひざまづくボロスの騎士を見せる。紋章はディミーアっぽく」という指示が含まれている。
 「ディミーアっぽく」の表現には「3つの鋭利な何かを並べたもの」と付記されており、それがイラストを通じて伝わってくることでこのクローンが本当はどこに忠誠を誓っているのかが分かる。

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0813
至高の評決/Supreme Verdict - ラヴニカへの回帰
Supreme Verdict / 至高の評決 (1)(白)(白)(青)
ソーサリー
至高の評決は打ち消されない。
すべてのクリーチャーを破壊する。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Supreme+Verdict/

 レオノス、またの名をオベズ・ムルゼディというこの人物はおおよそ70歳になる人間の男性であり、アゾリウスの先代のギルドマスターであると同時にアゾリウスの最後の大判事でもある。
 結果としてアウグスティン四世が過ちを犯す原因となった権力の座の堕落を憂えた彼は長命な種族をギルドマスターの座に据えるべく尽力した。彼の努力はイスペリアが至高の審判者としてギルドを率いることに同意したことにより実を結んだ。

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0813
残酷な根本原理/Cruel Ultimatum - アラーラの断片
Cruel Ultimatum / 残酷な根本原理 (青)(青)(黒)(黒)(黒)(赤)(赤)
ソーサリー
対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーはクリーチャーを1体生け贄に捧げ、カードを3枚捨て、その後5点のライフを失う。あなたはあなたの墓地にあるクリーチャー・カードを1枚あなたの手札に戻し、カードを3枚引き、その後5点のライフを得る。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Cruel+Ultimatum/

 このカードを取り上げたらあの名シーンに触れないわけにはいかないだろう。そう、映像にも残っている、殿堂入りプレイヤーガブリエル・ナシフのトップデッキだ(註1)。
 もう1つ付け加えると《残酷な根本原理/Cruel Ultimatum》は、マジックの歴史に名を残している他の19枚のカードと一緒に From the Vault: Twenty に収録されている。

(註1) 映像にも残っている
 原文では以下のURLへリンクが張られている。2009年のプロツアー京都の準決勝でガブリエル・ナシフが《残酷な根本原理/Cruel Ultimatum》をトップデッキした瞬間を撮った動画。なおガブリエル・ナシフはそのまま勝ち進み優勝している。
 http://www.youtube.com/watch?v=ju_LZGBN5qU&safe=active

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0813
余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 なんかありそうと思いつつも分からなかったので、公式サイトの掲示板で考察している人がいないか見に行ったら、案の定、それらしき答えを導き出している方がいた。

   Oporaca  2013年08月16日 12:17AM
      今週のCard of the Dayのテーマは映画「ボーン」三部作っぽいね。
      ・Royal Assassin
      ・Fade from Memory
      ・Stolen Identity
      ・Supreme Verdict
      ・Cruel Ultimatum

 というわけで、映画の内容との関連としては「主人公が暗殺者(Assassin)」「主人公が心因性健忘(Fade from Memory)」であり、映画三部作のタイトルがそれぞれ「The Bourne Identity(Identity)」「The Bourne Supremacy(Supreme)」「The Bourne Ultimatum(Ultimatum)」となっている。

余談2:月曜日 《凄腕の暗殺者/Royal Assassin》

 マジックを初めて1年と少しくらいのときは、相手の《ラジャンの精/Radjan Spirit》を《氷の干渉器/Icy Manipulator》でタップさせてから《凄腕の暗殺者/Royal Assassin》で暗殺して「強すぎる」と絶望された。そんな古き良き(?)時代。

 それはさておき「タップされたクリーチャーのみ暗殺できる」というのは、いかにも暗殺者の「相手が油断している隙に忍び寄る(正面から戦いを挑まない)」というフレイバーをシンプルに感じさせてくれる効果だな、と思う。

余談3:火曜日 《記憶の彼方/Fade from Memory》

 訳の話。
原文:
 The memories of magic and power exist in the very land itself

拙訳:
 マジックはそのマナと思い出も同様に土地と深く結びついており

 「マジックの思い出」と「マナ」はどちらも土地それ自体の中にある、という話だと思われたので、出来る限りその意味を残しつつ、前後の文章とつながるように意訳。合ってるかなあ。
原文:
 "Some Planeswalkers report that it feels as if Otaria itself yearns for its own past, aching to revisit times gone by."

拙訳:
 「オタリアという大地はまるで自身の過去を懐かしがるあまり、過ぎ去りし時の彼方へ戻りたいと切望しているかのようだ、と何人かのプレインズウォーカーたちがその記録に書き残している」

 原文に対して妙に長い日本語になってしまった。シンプルな英語なのにその意味するところがまったくシンプルでないという元の文章の良さを、どうにも生かし切れなかった感がある(そもそも訳が正しいのかどうかというのもある)。

 どうでもいいけど Planechase を訳すたびに「プレインチェイス? プレーンチェイス?」と分からなくなりかけては、プレインズウォーカーだからプレインだよな、と思い出している。「チェイス、チェース」で迷うことはない。

余談4:水曜日 《身分詐称/Stolen Identity》

 訳の話。
原文:
 The "Dimir style" includes a visual cue of "three sharp elements in a row," which you can see throughout the image, hinting at this clone’s true allegiance.

拙訳:
 「ディミーアっぽく」の表現には「3つの鋭利な何かを並べたもの」と付記されており、それがイラストを通じて伝わってくることでこのクローンが本当はどこに忠誠を誓っているのかが分かる。

 上記のとおり訳したし、間違っているとはあまり思っていないけど、実のところイラストのどこに「3つの鋭利な何かを並べたもの」があるのかよく分かっていない。魔法陣の縁(ふち)に浮かび上がっている模様? 尖ってはいるけど、3つかというと、どうだろう。

余談5:木曜日 《至高の評決/Supreme Verdict》

 訳の話。
原文:
 Fearing the corrupting influence of power that led to Augustin IV’s crimes, he sought to put in power a longer-lived being as guildmaster.

拙訳:
 結果としてアウグスティン四世が過ちを犯す原因となった権力の座の堕落を憂えた彼は長命な種族をギルドマスターの座に据えるべく尽力した。

 英文の意味は分かるし、各単語の意味も分かるんだけど、日本語の文章に直すのが大変だった。パーツごとに和訳してからひたすらそれを並べ替えて自然な日本語に見えるパターンを探す作業。もう少し上手くできたかもしれない。

 ひみつ日記に書いたのは以下のとおり。
アゾリウスのすごく驚いたこと [MtG(ストーリー関係)]
http://aisha.blog.so-net.ne.jp/2013-08-15

 たまにコメントを残していかれるあいしゃさんのブログで、この日の Card of the Day の記事にそれはそれは驚かれたらしい……けど、驚きのポイントがマニアックすぎて賛同者が得られない、とのこと。なんでも「旧作ディセンションでコス爺さんが身体を借りてたアゾリウスの人」らしい。……誰だろう。

 なお名前のカタカナ表記はあえてリンク先と異なるものにしてみた。あまり深い意味はない。

余談6:金曜日 《残酷な根本原理/Cruel Ultimatum》

 訳の話。
原文:
 the "called shot" from Hall of Famer Gabriel Nassif

拙訳:
 殿堂入りプレイヤーガブリエル・ナシフのトップデッキだ

 原文の「called shot」は直訳すると「宣言通りのショット」で、意味としては「予告ホームラン」と訳すのがもっとも一般的らしい。最初はそう訳したし、一旦はその訳で文章をアップしたんだけど、やっぱり「マジックの日本語」にするならここは「トップデッキ」だろう、と思い直して、変更した。

余談7:野球

 現時点で把握している限りのマジック関連ダイアリーノートユーザの応援しているセリーグ球団別リスト(敬称略)。なお「お気に入り登録しているユーザ」とそのユーザが「お気に入り登録しているユーザ」まで(言い換えると「友達の友達まで」)。

 ▼巨人
        :栄治14
        :ヒラくアベカンポケット(ぅ・ω・)ぅ

 ▼阪神
        :ウンパス

 ▼広島
        :関東の遅刻魔
        :らぐ

 ▼中日
        :

 ▼横浜
        :丹依悠。
        :クロシマ@中尉

 ▼ヤクルト
        :男山本打イ致
        :prae

 もっといるかと思ってたら、予想より少なかった。どこかで中日ファンを見かけた気もするけど今回は見つけられなかったので空欄。パリーグは1人しか見つからなかったのでリスト化できず。
Winter’s Chill - アイスエイジ
Winter’s Chill (X)(青)
インスタント
Winter’s Chillは戦闘中でブロック・クリーチャーが指定される前にのみ唱えられる。
Xはあなたがコントロールする氷雪土地の数より大きくすることはできない。
攻撃クリーチャーX体を対象とする。それらのクリーチャー1体につき、それのコントローラーは(1)か(2)を支払ってもよい。そのプレイヤーがそうしなかった場合、そのクリーチャーを戦闘終了時に破壊する。そのプレイヤーが(1)を支払った場合、この戦闘でそのクリーチャーに与えられるすべての戦闘ダメージと、そのクリーチャーによって与えられるすべての戦闘ダメージを軽減する。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Winter%27s+Chill/

 もし君がコールドスナップ以降からマジックを遊び始めたプレイヤーだとすると氷雪土地が何か分からないかもしれないね。えーと、うん、土地だよ。氷雪のタイプを持つ土地だ。今現在、13種類の氷雪土地(註1)がある。
 アイスエイジで登場した氷雪版の基本土地(註2)に加えて、8枚の新たな氷雪土地(註3)がコールドスナップで登場している。怖くて楽しい《暗黒の深部/Dark Depths》もその1つだ。

(註1) 13種類の氷雪土地
 原文ではタイプに「土地」と「氷雪」を含むカードを検索条件にした、公式サイトの検索エンジンであるGathererの検索結果へのリンクが張られている。

(註2) 氷雪版の基本土地
 原文ではセットが「アイスエイジ」、かつタイプに「土地」と「氷雪」を含むカードを検索条件にした、公式サイトの検索エンジンであるGathererの検索結果へのリンクが張られている。

(註3) 8枚の新たな氷雪土地
 原文ではセットが「コールドスナップ」、かつタイプに「土地」と「氷雪」を含み、かつタイプに「基本」を含まないカードを検索条件にした、公式サイトの検索エンジンであるGathererの検索結果へのリンクが張られている。

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0813
高原の狩りの達人/Huntmaster of the Fells - 闇の隆盛
Huntmaster of the Fells / 高原の狩りの達人 (2)(赤)(緑)
クリーチャー — 人間(Human) 狼男(Werewolf)
このクリーチャーが戦場に出るか《高原の狩りの達人/Huntmaster of the Fells》に変身するたび、緑の2/2の狼(Wolf)クリーチャー・トークンを1体戦場に出し、あなたは2点のライフを得る。
各アップキープの開始時に、直前のターンに呪文が唱えられていなかった場合、高原の狩りの達人を変身させる。
2/2
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Huntmaster+of+the+Fells/

 カード名の「Fells」はなかなか興味深い。これは「山」もしくは「高地」を指す言葉であり我らが達人は確かに斜面に立っているが、「Fell」にはまた別の意味もあり、動物の毛皮や……人間の皮を意味する言葉でもある。
 この達人は変身することで大抵の人間なら倒せる(現時点で1488体(註1)の人間のうち1083体(註2)を倒せる)ので、彼の獲物が四足に限らない……かもしれないと考えるのは多分そうおかしなことでもない。

(註1) 1488体
 原文ではタイプに「人間」を含むカードを検索条件にした、公式サイトの検索エンジンであるGathererの検索結果へのリンクが張られている。

(註2) 1083体
 原文ではタイプに「人間」を含み、かつタフネスが「2以下」で、かつカード名に「Tajic」を含まないカードを検索条件にした、公式サイトの検索エンジンであるGathererの検索結果へのリンクが張られている。

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0813
ドラゴンの卵/Dragon Egg - 基本セット2014
Dragon Egg / ドラゴンの卵 (2)(赤)
クリーチャー — ドラゴン(Dragon)
防衛(このクリーチャーでは攻撃できない。)
ドラゴンの卵が死亡したとき、飛行を持つ赤の2/2のドラゴン(Dragon)・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。それは「(赤):このクリーチャーはターン終了時まで+1/+0の修整を受ける。」を持つ。
0/2
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Dragon+Egg/

 卵を割ってクリーチャーが生まれるというフレイバーはマジックが生まれたその最初の年からマジックの一部だった。アラビアンナイトの《Rukh Egg》がそれだ。
 6枚のこれらエッグセレントなカードたちのうち(註1)、半分は赤のカード、半分は基本セットのカード、半分はアンコモンのカード、という構成だが、これら3つの条件を満たすのはこの《ドラゴンの卵/Dragon Egg》1枚だけだ。
 エッグサイティングな小ネタだね!

(註1) 6枚のこれらエッグセレントなカードたち
 原文ではカード名に「Egg」を含み、かつテキストに「Mana」「Imprint」「Dingus」のいずれも含まず、かつサブタイプに「Snake」を含まないカードを検索条件にした、公式サイトの検索エンジンであるGathererの検索結果へのリンクが張られている。

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0813
空位の玉座の印章/Sigil of the Empty Throne - プレインチェイス2012
Sigil of the Empty Throne / 空位の玉座の印章 (3)(白)(白)
エンチャント
あなたがエンチャント呪文を唱えるたび、飛行を持つ白の4/4の天使(Angel)クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Sigil+of+the+Empty+Throne/

 アラーラという次元は断片へと砕け散る前、大天使アーシャに見守られていた。この天使はアラーラの天使たちを統べる存在であった。
 そして大断裂(Sundering)が起きた。このとき大天使アーシャは次元のためにその身を捧げた。
 彼女が旅立ってしまったのち、その玉座はずっと空位のままだが、彼女に付き従った天使たちはバントの断片を守り続けている。アラーラの次元が再誕したのちも。

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0813

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