Kavu Titan / カヴーのタイタン (1)(緑)
クリーチャー - カヴー(Kavu)
キッカー(2)(緑)(あなたがこの呪文を唱えるに際し、あなたは追加の(2)(緑)を支払ってもよい。)
カヴーのタイタンがキッカーされていた場合、それはその上に+1/+1カウンターが3個置かれた状態で戦場に出るとともに、トランプルを持つ。
2/2
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Kavu+Titan/
ここ最近、私はFFL(フューチャーフューチャーリーグの略。新セットの発売後に訪れるであろう使用セットを用いた環境で行われるプレイテスト用のリーグ)に参戦せず、通常のプレイテストに参加していた。
しかし時間に追われるようになってからというもの、他のR&Dメンバーの作ったデッキを使うようになった(ああ、そうそう、私のデッキ構築能力は実にお粗末なものだ。少なくとも対戦相手が見たら驚くようなカードを入れつつも勝てるようなデッキは組めない)。
ある週、私はRandyから赤緑デッキを借りた。その週は4戦を4勝0敗で終えることが出来た。その週の全勝はR&Dメンバーの中で私だけだった。
Randyはその最終戦を観戦していた。試合が終わると彼は私に、それは《灰色熊/Grizzly Bears》じゃないぞ、と言った。それは《カヴーのタイタン/Kavu Titan》だぞ、と。
新たな情報を手に入れた私は、次の週に4戦して2勝2敗となった。
ここで得た教訓は貴重なものだ。
単なる熊だと思って使っていたときは、アグレッシブに攻めることができた。しかし一度それが《カヴーのタイタン/Kavu Titan》だと気づいてしまった私は、しばしばそれを5/5のクリーチャーとしてプレイできるようになるまで手札に温存するようになってしまったのだ。
Metathran Zombie / メタスランのゾンビ (1)(青)
クリーチャー - メタスラン(Metathran) ゾンビ(Zombie)
(黒):メタスランのゾンビを再生する。
1/1
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Metathran+Zombie/
これは実は同型再販だ。マジックに相当詳しくないと気付かないだろうけどね(オリジナルはザ・ダークの《The Drowned》だ(註12)。Ga’aark(註13)の嫌いなアレさ)。
(註12) 《The Drowned》
元々の《メタスランのゾンビ/Metathran Zombie》はクリーチャータイプにメタスラン(Metathran)が含まれておらず、《Drowned》の完全同型再版だった。
ちなみにメタスランがクリーチャータイプに含まれるようになったのは、お察しの通り、通称「大規模クリーチャータイプ更新」と呼ばれる2007年09月のアレ以来。
(註13) Ga’aark
リンク先は以下のURL。
ゾンビに関する記事で、Ga’aarkというゾンビがゾンビという種族の地位向上を訴えている。彼に言わせると《Drowned》はダメダメらしい。
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtgcom/daily/mr61
Molimo, Maro-Sorcerer / マローの魔術師モリモ (4)(緑)(緑)(緑)
伝説のクリーチャー - エレメンタル(Elemental)
トランプル(このクリーチャーが、自身をブロックしているすべてのクリーチャーを破壊するのに十分な戦闘ダメージを割り振る場合、あなたはその残りのダメージを防御プレイヤーかプレインズウォーカーに割り振ってもよい。)
マローの魔術師モリモのパワーとタフネスはそれぞれ、あなたがコントロールする土地の数に等しい。
*/*
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Molimo%2C+Maro-Sorcerer/
これは名前にMaroが含まれる3枚目のカードだ。
さらに私たちの市場調査によると最も人気のあるカードだ。
偶然だと思うかい? 気づいてない人のために書いておくと、このカードはレジェンドで人気のあった伝説のクリーチャー、《黒き剣のダッコン/Dakkon Blackblade》を作り直したものだ。
Noble Panther / 気高き豹 (1)(緑)(白)
クリーチャー - 猫(Cat)
(1):気高き豹はターン終了時まで先制攻撃を得る。
3/3
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Noble+Panther/
開発中、長いことこいつは3マナ 3/3 先制攻撃 というシンプルなクリーチャーだった。開発の終盤になって、チームはそれじゃちょっと強すぎると考えたため、変更が加えられた。
Plague Spitter / 疫病吐き (2)(黒)
クリーチャー - ホラー(Horror)
あなたのアップキープの開始時に、疫病吐きは各クリーチャーと各プレイヤーにそれぞれ1点のダメージを与える。
疫病吐きが戦場から墓地に置かれたとき、疫病吐きは各クリーチャーと各プレイヤーにそれぞれ1点のダメージを与える。
2/2
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Plague+Spitter/
インベイジョンをデザインする際、私たちは(Richard Garfieldの一番最初のマジックの対戦相手をつとめた)Barry Reichという人物がデザインしたSpectral Chaosというセットを参考にするところから始めた。
その中からいくつものカードがインベイジョンに使われることになったが、その中でも特にBarryのカードとして思い出されるのはこの《疫病吐き/Plague Spitter》(Barryのセットでは《Screaming Mimis》という名だった)と各種の版図(Domain)カード(デザイン中は「バリーのカード(Barry’s Card)」と呼ばれていた)だ。
Power Armor / 力の鎧 (4)
アーティファクト
版図 ― (3),(T):クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで、あなたがコントロールする土地の中の基本土地タイプ1種につき+1/+1の修整を受ける。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Power+Armor
はっきり言っておくが私はメカが嫌いだ。
大嫌いだ!
クリテイティブチームの分野でこれよりも嫌いなものがあるとすればたった1つだけ、ポータルセカンドエイジの銃器だ。
Probe / 調査 (2)(青)
ソーサリー
キッカー(1)(黒)(あなたがこの呪文を唱えるに際し、あなたは追加の(1)(黒)を支払ってもよい。)
カードを3枚引き、その後カードを2枚捨てる。調査がキッカーされていた場合、プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーはカードを2枚捨てる。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Probe/
あまりに目立たないデザインだったためのチェックの目を逃れたカードの1つがこれだ。
《調査/Probe》はキッカーを払うことで君だけが2枚捨てるはずだったところを、相手にも2枚捨てさせることができる。問題はそのとき君だけがカードを3枚も引けるというところだ。
おそらくこの呪文がプレイヤーに多少好まれるところとなったのもそのあたりが理由だろう。
Pyre Zombie / 火葬のゾンビ (1)(黒)(赤)
クリーチャー - ゾンビ(Zombie)
あなたのアップキープの開始時に、火葬のゾンビがあなたの墓地にある場合、あなたは(1)(黒)(黒)を支払ってもよい。そうした場合、あなたの墓地から火葬のゾンビをあなたの手札に戻す。
(1)(赤)(赤),火葬のゾンビを生け贄に捧げる:クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。火葬のゾンビはそれに2点のダメージを与える。
2/1
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Pyre+Zombie/
マルチカラーのクリーチャーをデザインする楽しみの1つは、その2色に共通して見られる特色のうち、特に皆の興味を引けるものを探すことだ。
この《火葬のゾンビ/Pyre Zombie》を作り始めた際、私は黒のクリーチャーが持っている「自力で何度も墓地から戻ってくる能力」を気に入っていることに気づいた。つまり私が赤から探すべき能力はこのクリーチャーを生け贄に捧げる能力だ。
様々なアイデアを吟味したが、結局はシンプルイズザベストという結論に戻った。
Raging Kavu / 怒り狂うカヴー (1)(赤)(緑)
クリーチャー - カヴー(Kavu)
瞬速
速攻
3/1
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Raging+Kavu/
これはインベイジョンのプレリリース・カードになったカードだ。
私はこのカードのデザインについてたくさんの質問をもらった。これの持っている2つの能力は相性が悪いように見える、という点でだ。
インスタント速度で呼び出された場合、速攻は意味がないように思われ、また速攻を活かすべくプレイしたならインスタントで召喚できるというメリットは活かせない。さて、なぜこのようなデザインになったのか?
これこそ私が主題的有用性(Thematic Utility)と呼ぶものだ。
何が言いたいのかと言うと、クリーチャーが持っている2つの能力は「同じテーマに紐づいている」ということだ(《怒り狂うカヴー/Raging Kavu》の場合、素早いクリーチャーである、ことがそれだ)。
このクリーチャーは、能力を2つ同時に用いることに主眼が置かれているのではなく、どちらかというと、2つの異なる技を隠し持っているということを表したいのだ。
こういったデザインをすることはあまりない。しかし私はこれが2つの能力をフレイバー的に上手く調和させることが出来たおかげで生まれたいいカードだと思っている。
Recoil / はね返り (1)(青)(黒)
インスタント
パーマネント1つを対象とし、それをオーナーの手札に戻す。その後そのプレイヤーはカードを1枚捨てる。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Recoil/
私がデザインしたインベイジョンの全てのマルチカラー・カードの中で(ちなみに結構な枚数をデザインしたつもりだ)、これが私のお気に入りだ。
これはシンプルでエレガントで、そのうえそれぞれの色の特徴をちゃんと持っている。
しかしそこに加えられている一工夫は、これら2つの能力が組み合わせられることによって、それぞれの色が持っていない全く新しい能力が生み出されているという点だ。こういったカードはデザイナーをダメにする。なぜならあまりに素晴らしすぎて同じようなカードを大量に作りたくなってしまうからだ。
しかし実際はそうはならなかった。なぜなら気が狂うほどに難しいことだからだ。このカードを作れたことを誇りに思うよ。
Rith, the Awakener / 煽動するものリース (3)(赤)(緑)(白)
伝説のクリーチャー - ドラゴン(Dragon)
飛行
煽動するものリースがプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、あなたは(2)(緑)を支払ってもよい。そうした場合、色を1色選ぶ。その後、選ばれた色のパーマネント1つにつき、緑の1/1の苗木(Saproling)クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。
6/6
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Rith%2C+the+Awakener/
元々、これら5匹の伝説のドラゴン(おそらく今となっては、伝説のクリーチャー - ドラゴン と言うべきだろうが)はタップを必要とする強力な能力を持っていた。開発チームは誰もが、何かおかしい、と感じてはいたが、何週間ものあいだ、それを具体的に指摘できるメンバーはいなかった。
最終的に「それ」に気づいたのは私だった。
ドラゴンはカッコいい……ドラゴンは「それで攻撃したくなる」くらいカッコいい。
しかし与えられた起動型能力(Activated Ability)は強すぎて、そのためにしかドラゴンたちを使わざるを得なかった。つまり、何が起きたかというと、その素晴らしいドラゴンたちは決して攻撃に使われることはなかったということだ。
これじゃつまらない。
そこで私が提案したのは、攻撃に向かわせたときにしか得られないボーナス的な何かに彼らの能力を変えたらどうかということだった。こうすればカードは前の能力とは逆に「プレイヤーがしたいことをするよう、強制するカード」になる。こうやって君らの知っている(そして大好きな)伝説のドラゴンたちが生まれたというわけさ。
Samite Archer / サマイトの射手 (1)(白)(青)
クリーチャー - 人間(Human) クレリック(Cleric) 射手(Archer)
(T):クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。このターン、それに与えられる次のダメージを1点軽減する。
(T):クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。サマイトの射手はそれに1点のダメージを与える。
1/1
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Samite+Archer/
これも、見事な対称性を持った2つの各色の能力を見つけることが出来た例の1つだ。
Seer’s Vision / 予見者の幻視 (2)(青)(黒)
エンチャント
あなたの対戦相手は自分の手札を公開してプレイする。
予見者の幻視を生け贄に捧げる:プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーの手札を見て、カードを1枚選ぶ。そのプレイヤーはそのカードを捨てる。この能力は、あなたがソーサリーを唱えられるときにのみ起動できる。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Seer%27s+Vision/
忘れられがちだが、インベイジョンにはアンコモンに「全体的な効果+生け贄に捧げることで使える使い捨ての効果」を持つマルチカラーのエンチャントメントのサイクルがある(《天使の盾/Angelic Shield》、《ヤヴィマヤの火/Fires of Yavimaya》、《予見者の幻視/Seer’s Vision》、《くすぶるタール/Smoldering Tar》、そして《真の木立ち/Sterling Grove》だ)。
サイクルを生み出すインスピレーションの元となったのは、この《予見者の幻視/Seer’s Vision》だ。
Skizzik / スキジック (3)(赤)
クリーチャー - エレメンタル(Elemental)
キッカー(赤)(あなたがこの呪文を唱えるに際し、あなたは追加の(赤)を支払ってもよい。)
トランプル、速攻
終了ステップの開始時に、スキジックがキッカーされていない限り、それを生け贄に捧げる。
5/3
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Skizzik/
トリビア好きな君のために書いておくと、《スキジック/Skizzik》は能力を得るためではなく失わせるためにキッカーを払う唯一のカードだ。
Sleeper’s Robe / 潜伏工作員のローブ (青)(黒)
エンチャント - オーラ(Aura)
エンチャント(クリーチャー)
エンチャントされているクリーチャーは畏怖を持つ。(それは黒でもアーティファクトでもないクリーチャーによってはブロックされない。)
エンチャントされているクリーチャーが対戦相手に戦闘ダメージを与えるたび、あなたはカードを1枚引いてもよい。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Sleeper%27s+Robe/
このカードはつけられたクリーチャーを《影魔道士の浸透者/Shadowmage Infiltrator》に変えることが出来る(ちなみに《影魔道士の浸透者/Shadowmage Infiltrator》は、Jon Finkelがデザインしたインビテーショナルカードだ)。
Spite / 悪意 (3)(青)
インスタント
クリーチャー呪文でない呪文1つを対象とし、それを打ち消す。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Spite
Malice / 敵意 (3)(黒)
インスタント
黒でないクリーチャー1体を対象とし、それを破壊する。それは再生できない。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Malice
分割カードをデザインしているとき、もっとも最初に作られたのがこの《悪意 & 敵意/Spite & Malice》だ(インベイジョンに限った場合の話。アングルード2のためにも分割カードのセットがデザインされていた)。
このカードは分割カードのデザインを非常に難しいものにした。
なぜなら2つの効果がそれぞれ互いを補完する関係にある分割カードが作れる、ということが最初の試みで分かってしまったからだ。《悪意/Spite》は《敵意/Malice》の破壊できないものをカウンターしてくれる(ああ、はいはい、そのとおり、黒いクリーチャー以外の話だ)。
私たちは全ての分割カードを同じようなデザインにしようと試みたが、すぐに気づかされたのは、《悪意 & 敵意/Spite & Malice》が単なるまぐれ当たりに過ぎなかったということと、そう簡単に繰り返せることではない、ということだった。
Stand / 抵抗 (白)
インスタント
クリーチャー1体を対象とする。このターン、それに与えられる次のダメージを2点軽減する。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Stand
Deliver / 救難 (2)(青)
インスタント
パーマネント1つを対象とし、それをオーナーの手札に戻す。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Deliver
言葉遊びが大好きな君のために書いておこうか。
この《抵抗 & 救難/Stand & Deliver》は、個々のカード名の単語が「単体で使われた際の意味」と「成句として使われた際の意味」が異なるという点でユニークだ。
Standは単体では「邪魔されずに放っておかれる」ことを指すが、成句として使われた際のStandの意味は「立ちあがる」という意味になる。Deliverは「A地点からB地点へものを移動させる」ことを指すが、成句として使われた際には「言葉に言い表す」という意味になる(註14)。
きっとどこかの誰かが、私と同じように、こういう話を面白がってくれていると信じているよ。
(註14) 「言葉に言い表す」
原文では「to express in words」となっていたため、上記のとおり訳してみたけど「Stand and Deliver」を英英辞典などでいくら調べても Deliver にそういう意味があると解説しているものが(探した限りでは)1つも見つけられなかった。
以下は調査先の一例。
http://www.phrases.org.uk/meanings/331200.html(リンク先は英語)
Tek / テク (5)
アーティファクト クリーチャー - ドラゴン(Dragon)
テクは、あなたが平地(Plains)をコントロールしている限り+0/+2の修整を受け、あなたが島(Island)をコントロールしている限り飛行を持ち、あなたが沼(Swamp)をコントロールしている限り+2/+0の修整を受け、あなたが山(Mountain)をコントロールしている限り先制攻撃を持ち、あなたが森(Forest)をコントロールしている限りトランプルを持つ。
2/2
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Tek
なんで名前がこんなに短いのか、って? そうしないとテキストが収まりきらなかったからさ。
Tsabo’s Decree / サーボの命令 (5)(黒)
インスタント
クリーチャー・タイプを1つ選ぶ。プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは、自分の手札を公開し、選ばれたタイプのすべてのクリーチャー・カードを捨てる。その後そのプレイヤーがコントロールする選ばれたタイプのすべてのクリーチャーを破壊する。それらは再生できない。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Tsabo%27s+Decree/
このカードは、インベイジョンが開発されていた当時の環境を跳梁跋扈していたレベルデッキに対抗するために生まれた。
Tsabo’s Web / サーボの網 (2)
アーティファクト
サーボの網が戦場に出たとき、カードを1枚引く。
マナ能力でない起動型能力を持つ土地は、それのコントローラーのアンタップ・ステップにアンタップしない。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Tsabo%27s+Web/
このカードは《リシャーダの港/Rishadan Port》への回答として生まれた。
まったくサーボときたら流行りのカードやデッキを叩くのが大好きなんだよ。
Utopia Tree / ユートピアの木 (1)(緑)
クリーチャー - 植物(Plant)
(T):あなたのマナ・プールに、好きな色のマナ1点を加える。
0/2
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Utopia+Tree/
開発中、ほんの少しのあいだだけ、このクリーチャーのコストは(緑)だけだった。
Void / 虚空 (3)(黒)(赤)
ソーサリー
数字を1つ選ぶ。点数で見たマナ・コストが選ばれた数字に等しい、すべてのアーティファクトとすべてのクリーチャーを破壊する。その後プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは、自分の手札を公開し、土地でないカードのうち、点数で見たマナ・コストが選ばれた数字に等しいカードを、すべて捨てる。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Void/
このカードは、点数で見たマナコストに関する除去について考えながらぶらぶらと散歩していたときに思いついた。
私は場にあるカードと手札を同時に攻撃するカードが欲しかったが、どの色もそれにふさわしく思えなかった。しかし2色で考えるとぴたりとハマったんだ。
Wax / 増進 (緑)
インスタント
クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで+2/+2の修整を受ける。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Wax/
Wane / 衰退 (白)
インスタント
エンチャント1つを対象とし、それを破壊する。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Wane/
この《増進 & 衰退/Wax & Wane》も名前の変更を迫られたカードだ。
私がつけた名前は《プライド & 偏見/Pride & Prejudice》であったが、ネーミングチームは現実にある作品の名前(註15)を参照すべきではないと考えたため、今の名前になった。
(註15) 現実にある作品の名前
「Pride & Prejudice」という名前の小説および映画が実在する。
邦題は「プライドと偏見」。
Yawgmoth’s Agenda / ヨーグモスの行動計画 (3)(黒)(黒)
エンチャント
あなたは、各ターンに呪文を1つしか唱えられない。
あなたは、あなたの墓地にあるカードをプレイしてもよい。
いずれの領域からでも、あなたの墓地にカードが置かれる場合、代わりにそれを追放する。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Yawgmoth%27s+Agenda/
このカードの当初の(実際には印刷されることのなかった)日本語訳(註16)は「Yawgmoth’s Day Planner」だった。
(註16) 日本語訳
実際に当時どのような日本語訳がされたかは不明だが、ここで使われている Day Planner という言葉には「日記帳」や「ビジネス手帳」のような日用品のイメージがある。おそらく「ヨーグモスの日記帳」辺りだったのではないかと推測してみる。
さて、これで今日の仕事は終わりだ。
このコラムから、インベイジョンに関するトリビアを大量に仕入れることが出来たかな? 今回に限ったことじゃないが、君が私の記事にどのような感想を抱いたのか、気になるところだ。
次回は主に皆からのお便りを取り扱いと思っているので、またお付き合い頂きたい。
Mark Rosewater
長過ぎて1つの記事に収まらなかったため、前編/後編に分けてみる
世界侵略:インベイジョン決戦/Body Snatchers of the Invasion
Mark Rosewater
2005年08月08日
元記事:http://www.wizards.com/Default.asp?x=mtgcom/daily/mr188
インベイジョン週間へようこそ!
今週は私たちが探険するのは「歴代マジックの中でも随一のエキスパンション」だ(いや、まあ正直言うと「あの【放送禁止用語】なセットのことか!?」って言う人もいるけどね)。
デザインチームの一員として、他のどこでも聞けないような見識を聞かせてあげよう。いや、ごめん、さすがに「どこでも」は言いすぎかもしれないな。R&Dの副責任者でありインベイジョンのリード・デザイナーでもあるBill Roseが今週の特集記事を書いてるから、彼も知っていることかもしれない。だから、私がこれから話すことは特集記事をのぞけば他のどこでも聞けないような話ということになるんだろう。
私がこの記事を書いている今現在、Billはまだ彼の記事を書き終えていない。よって私は彼が何について語るのかよく分かっていない。
話が重複する可能性を減らすため(それだけならまだしも互いの話が矛盾する可能性を避けるため)、私は個別のカードについてのみ話すことに決めた。Billはセットのメカニズムのデザインについて話してくれるだろうと願っている(彼とまったく相談してないわけじゃないから「~と願っている」というのはちょっと言いすぎかもしれない)。
さて、カード個別の話に移る前に、舞台を整えさせて欲しい。
私の父について/Dad To The Bone
まず初めに、私の父について知っておいてもらいたい点が3つある。
その1 私の父はマジックのプレイヤーである
そのとおり、ここで登場したのは、私の実の父の話だ。
1993年の10月、私は父を尋ねた。そのとき私は、その夏に見つけた新しいゲームを封切らずに新品のまま持っていった。いや、じらしてもしょうがないからはっきり言ってしまうと、私が持っていったのはマジックだ。
何にせよ、私はとあるゲームのコンベンションでアルファ版をいくつか購入した。私が自分の発見したものの価値(私はマジックについて「70年代のD&Dと同じレベルのすごいことがゲーム界で起きようとしている」と伝えるためだけに、実際に電話口に父を呼び出したほどだ)に気づいたとき、私はベータ版が出るまで待ち焦がれるしかない状態だった。
ベータ版が出たとき、私はスターター2ボックスとブースター2ボックスを購入した。なぜならもし友人たちもこのゲームに引きずりこむつもりならブツはこちらから提供する必要があることを知っていたからだ(ちなみに南カリフォルニアではベータ版が1日で売り切れた)。
何にせよ、1993年の10月に私は父へ未開封のマジックを持っていた。私がゲーム好きとなった主な原因の1つは私の父であり、父がマジックを好きになるであろうことは間違いなかった。
もちろん、その通りだった。
それ以来、父はマジックを遊び続けている。主要幹線道路から多少外れたところに住んでいる父は、最近では主にマジックオンラインを遊んでいるらしい。
さてここで2つ目に話すべき点に移る必要がある。
その2 私の父はタホ湖(註1)に住んでいる
私はクリーヴランド(註2)で育った。しかしそんな地理的条件のみでは私の両親をスキーから遠ざけることは出来なかった。彼らはあまりにスキー好きだったので私にとっての家族旅行とは大抵の場合スキー旅行を意味していた。
私たちは地元でスキーを始めた。
次にニューヨーク州まで足を伸ばした。
その次はバーモント州まで出向いた。
しかし最終的に私たちはスキーのために西部まで出向いた。コロラド州、ユタ州、カリフォルニア州、ネバダ州、私はこれら全ての州でスキーをしたことがある。
そのため父が何年も前に隠居を決めたとき(彼は比較的早い時期に退職した。両親が離婚してすぐの頃だ)彼はタホ湖へ引っ越した。タホ湖は、カリフォルニア州とネバダ州の境にありスキーを楽しむのに適した小奇麗な場所だ。引っ越す際、いつでも好きなときに来なさい、と言ってくれた。
さらに「友達も連れてきなさい、何人でもかまわないから」とも。
(註1) タホ湖
原文では「Lake Tahoe」。カリフォルニア州とネバダ州にまたがる湖。
(註2) クリーヴランド
五大湖の1つであるエリー湖のほとりにあるオハイオ州の町。
その3 私の父はスキーのインストラクターだ
クリーヴランドにいた頃、私の父は自分の診療所を持った歯科医だった(他に何人かの歯科医が父の下で働いていた)。しかし引退後、彼はちょっと違う仕事にチャレンジしてみることにした。
スキー大好き人間が楽しみにために何をするか? なんとびっくり、彼はスキーを教えることを仕事に選んだんだ(余談だけど、彼は本当に腕のいいスキーインストラクターだ)。
ある日、R&Dで「私の父はスキーのインストラクターで、タホ湖に近くに大きくて居心地のよい家を構えていて、いつでも何人でも友達を連れてきなさいと言ってたな」と皆にしゃべった。
自分でそう言いながら「あれ? もしかしたら本当にそうしてみてもいいのかもしれないぞ?」という気持ちが自然と沸き起こってきた。
そこで私はそうしたのさ。何人かの友達を連れてね。
君も彼らをR&Dのメンバーとして知っているかもしれない。
そう、タホ湖への最初の旅に参加したのはR&Dのメンバーでマジックに関わっている面子、それも全員だ。Bill Rose、Mike Elliott、William Jockusch、Charlie Catino、当時のリードデザイナーであるJoel Mickも参加したし、さらにはSkaff(註3)とRichard Garfieldまでもが参加者だった。まさに全員だ。
実のところ、私たち全員が飛行機に乗っているとき、ふと私が思ったのは「もし今この飛行機が落ちたら、マジックも終わりだな」ということだった。
あまりにたくさんの人数で押しかけたため、ベッドが足りなくなった。寝袋で寝る羽目になるのは誰かをどうやって決めたかって? シールド戦だよ。当たり前だろ?(ああ、分かった分かった、正直に言うよ。私は免除させてもらった。いや、だって私の父親の家だよ?)
(註3) Skaff
原文でもフルネームの表記がなかったが、おそらくSkaff Eliasのこと。
アルファ版が出る前から開発とテストプレイに関わっているメンバー。元々、プロツアーは彼のアイデアから生まれたものらしい。またエキスパンションごとにカードの裏面を違うものにしようというアイデアを速攻で却下したり、同じカードは4枚までの制限ルールを思いついた人だったりもするらしい(以上の話のソースは以下の MTG Salvation Wiki)。
http://wiki.mtgsalvation.com/article/Skaff_Elias
これに味をしめたR&Dは、その後も何度か父の家を訪問した。
これがインベイジョンのデザインへとつながった。
Billはインベイジョンのデザインのために小規模なチームを作ることにし、私とMike Elliottをメンバーとして任命した。私たち3人は過去にいくつもセットを手がけていたが、3人一緒にデザインチームを組んだのはこれが最初だった(そして今のところ、あれが最後だった)。
Billはデザインのために会社を離れてちょっと遠出をしてもいいんじゃないか、と考えた。
そうなると目的地は1つしかない。私たちは父の家へ向かった。
インベイジョンはそういった意味でもユニークなセットだったが、核となる部分が1週間でデザインされた、という点でも変わっていた。忘れないで欲しいのは、私たちはタホにいたということだ。つまり3日に1回はスキーをしていた。
さて、最初に述べたとおり、私はセットをあまり大きな視点から語るつもりはない。それはBillに任せる。
そうではなくて、私はもっと現場に近いところから個々のカードたちの話をしようと思う。なお、ここで挙げるのは全てのカードについてではない。特に私の心の琴線に触れたカードたちについてのみ記事にしたいと考えている。
Absorb / 吸収 (白)(青)(青)
インスタント
呪文1つを対象とし、それを打ち消す。あなたは3点のライフを得る。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Absorb/
オリジナルでは、以下のようなカードだった(対となるUndermineも同様だ)。
Absorb
WUU
Instant
Counter target spell. Gain X life where X is the converted mana cost of the countered spell.(註4)
2つの理由からこれは採用されなかった。1つに、このバージョンは複雑すぎる。このカードはもっとシンプルでエレガントであるべきだと私たちは考えた。もう1つの理由は、ただでさえゲームデザイン上使われづらい重たい呪文をさらに迫害することになってしまうからだ。私たちは極力それを避けたいと考えている。
(註4) (ルールテキストについて)
訳すとするなら「呪文1つを対象とし、それを打ち消す。あなたは打ち消した呪文の点数で見たマナコスト分のライフを得る」となる。なお、私訳のため、正式なテンプレートに沿っていない可能性がある。ごめんなさい。
Addle / 頭の混乱 (1)(黒)
ソーサリー
色を1色選ぶ。プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは、自分の手札を公開し、あなたはその中からその色のカードを1枚選ぶ。そのプレイヤーはそのカードを捨てる。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Addle
私は《強要/Coercion》が好きだ。私は、相手に捨てさせるカードを自分で選択できるのが大好きだ。
ウルザズサーガで私たちは《強迫/Duress》と《村八分/Ostracize》を作った。私はこいつらが好きだった。選択肢が狭いかわりにとても軽いところが特に(ああ、いや、確かにDuressの選択肢は狭いとは言いがたいかもしれない。まあ、だからこそ強いカードとして認知されることとなったんだろうけど)。
さてインベイジョンだ。私はセットのテーマである「色」に沿うようにしたかった。この2つの願いを組み合わせた結果、デザインは非常に上手くいった。デザイン面での成功点としてもっとも美しいと思われる点は、軽い手札破壊にも関わらず「non-land(土地ではない)」の一語が入っていないことだ。
Alloy Golem / 合金のゴーレム (6)
アーティファクト クリーチャー - ゴーレム(Golem)
合金のゴーレムが戦場に出るに際し、色を1色選ぶ。
合金のゴーレムは、選ばれた色である。(それは同時にアーティファクトでもある。)
4/4
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Alloy+Golem/
プレイヤーたちはいつも私たちにこう聞いてくるんだ。「色つきのアーティファクトは作らないの?」ってね。そして私はいつもこう答えるんだ。もう作ったよ、ってね。
これがそうだ。礼はいらないよ。
Ancient Kavu / 年経たカヴー (3)(赤)
クリーチャー - カヴー(Kavu)
(2):年経たカヴーはターン終了時まで無色になる。
3/3
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Ancient+Kavu/
インベイジョンには一風変わった再録が多く詰め込まれていた。大半は新しい外見と変な名前で再録されている。このカードはミラージュの《烈火の精/Raging Spirit》の再録で、インベイジョンに再録された理由は「色」に関するテーマに沿ったカードだったからだ。
Armadillo Cloak / アルマジロの外套 (1)(緑)(白)
エンチャント - オーラ(Aura)
エンチャント(クリーチャー)
エンチャントされているクリーチャーは、+2/+2の修整を受けるとともにトランプルを持つ。
エンチャントされているクリーチャーがダメージを与えるたび、あなたはその点数に等しい点数のライフを得る。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Armadillo+Cloak/
このカードのレアリティについては実に長い議論が戦わされた。最終的に私たちはこれをコモンに残すことにした。緑白には愛が足りない、と感じたのがその理由だ。
Assault / 暴行 (赤)
ソーサリー
クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。暴行はそれに2点のダメージを与える。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Assault/
Battery / 殴打 (3)(緑)
ソーサリー
緑の3/3の象(Elephant)クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Battery/
これは《暴行 & 殴打/Assault & Battery》の話だ。
うん、まず初めになぜ私が正式なカード名である《暴行+殴打/Assault+Battery》と書きたくなかったかを説明させて欲しい。
分割カードに関しては「私の物だ」という思いを強く持っている。このカードが私のおこなってきたデザインの中でも特に好きだからだ(ちなみに私の中でこの順位づけはいまだに変わっていないが、ラヴニカはかなり近いところまで追い上げてきている)。
分割カードについて当時のネーミング・チームは、単にカードの各半分がマジックのカードとして問題のない名前をもっていればよいという判断を下していた。
その結果は不自然極まりないものだった。なぜならカードのメカニズムは明らかに1つのものが半分になっているにも関わらず、2つのカードの名前は互いに何ら関連のないものだったからだ。つけられたカード名は基本的にゴミだった。
私はインベイジョン以前から(そして今後もおそらく)ネーミングに関する作業にも携わっていたが、このときは関わっていなかった。
そこで私はBillの元へ行き、分割カードは超カッコいいんだからネーミング・チームはもっとカッコいい名前をつけるべきだ、と直談判した。Billの返事は、ただ文句を言うだけより出来ることがあるだろう?、だった。名前に関してどうすればよいのか、自分でより良いアイデアを出す必要があったのだ。
そこで頭をひねってみたところ、降りて来たアイデアは「プレイヤーたちは各半分を関連づけたいはずだ。だったら名前で関連づければいいじゃないか」だった。
名前が2つで1つになる? いや、もっといい方法があるぞ。2つの名前を&でつなげるとそのまま成句になるってのは?(註5)
これはちょいと難しい仕事だった。なにせカードはすでにデザインされたあとだったからだ。それでも私は5つの分割カード全てに十分にカッコいい名前を考え付くことに成功したので、ネーミング・ルールに名前の変更を迫った。
5つのうち、3つはしっくりきた。
2つは変更された。
ちなみにこの《暴行 & 殴打/Assault & Battery》がその2枚のうちの1枚だ。元々の名前は《ヒット & ラン/Hit & Run》だった(ネーミング・チームはそれよりも 暴行(Assault) と 殴打(Battery) のほうがメカニズムに合うと考えた)。
ああ、そうそう、&マークの話だった。
私の常々意図していたところでは、このカードはプレイヤーに&を使って呼ばれることになるはずだった。よって現在の名前が《暴行+殴打/Assault+Battery》であるこのカードは、カードリストに《暴行 & 殴打/Assault & Battery》という名で載るはずだった。
しかし「&」という文字は、私がいまだに理解できない何らかの理由により、問題となったらしい。何にせよ、このカードの公的な呼び名は確かに《暴行+殴打/Assault+Battery》だが、私にとってはいつまでも《暴行 & 殴打/Assault & Battery》だ(註6)(分割カードのデザインについてもっと知りたいなら、私の書いたコラム「Split Decision」(註7)を読んで欲しい。面白い記事だよ。信じてくれ)。
(註5) &でつなげるとそのまま成句になる
英語版の分割カードの名前はそれぞれを「and」でつなぐと1つの言い回しになる。さすがに日本語版のカードにはそれは受け継がれていない。
(註6) 《暴行 & 殴打/Assault & Battery》
これ以降に出てくる分割カードの表記も全て + ではなく & が使われている。
(註7) Split Decision
原文では以下のURLへのリンクが張ってある。
内容は(当然のように)分割カードに関するMark Rosewaterのコラム。
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtgcom/daily/mr7
Barrin’s Unmaking / バリンのやり戻し (1)(青)
インスタント
パーマネント1つを対象とする。それがすべてのパーマネントの中で最も多い色であるか、最も多い色の1つと同じ色を持つ場合、それをオーナーの手札に戻す。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Barrin%27s+Unmaking/
奇妙な話だが、このカードは元々アングルード2(註8)で生まれる予定だった。知ってのとおり、アングルード2もまた「色」をテーマに扱っていたからだ(分かってるよ、確かにアングルードに入るほど変ちくりんには見えないかもしれない、でも見た目が人間っぽいのに毒を持たない野菜だってあるだろう?(註9))
(註8) アングルード2
原文ではUnglued II。ちなみに製品化された際の正式名称はアンヒンジド。
(註9) 毒を持たない野菜だってあるだろう?
原文では以下のURLへのリンクが張ってある。
アンヒンジドでは元々毒を持った人型の野菜クリーチャーという案があったらしい。
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtgcom/arcana/688
Blind Seer / 無明の予見者 (2)(青)(青)
伝説のクリーチャー - 人間(Human) ウィザード(Wizard)
(1)(青):呪文1つかパーマネント1つを対象とする。それはターン終了時まで、あなたが選んだ1色の色になる。
3/3
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Blind+Seer/
プレイヤーたちはよく私たちにこう聞いてくるんだ。「ウルザってカード化されないの?」ってね。そして私はいつもこう答えるんだ。もう作ったよ、ってね。
これがそうだ。
Blind Seerはウルザが化けた姿だ(本当だ。小説や他の文献にだってそう書いてある)。
礼はいらないよ。
Crimson Acolyte / 真紅の見習い僧 (1)(白)
クリーチャー - 人間(Human) クレリック(Cleric)
プロテクション(赤)
(白):クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時までプロテクション(赤)を得る。
1/1
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Crimson+Acolyte/
アポカリプスに関する最も大きな心残りの1つは、こいつの青バージョンと緑バージョンを作らなかったことだ。
Dream Thrush / 夢ツグミ (1)(青)
クリーチャー - 鳥(Bird)
飛行
(T):土地1つを対象とする。その土地は、ターン終了時まであなたが選んだ基本土地タイプ1種になる。
1/1
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Dream+Thrush/
このカードが加えられたのは開発後半になってからだ。理由は、緑以外の色にもマルチカラーを手助けさせる方法はないか、色々と模索していたからだ。
Frenzied Tilling / 激情の耕作 (3)(赤)(緑)
ソーサリー
土地1つを対象とし、それを破壊する。あなたのライブラリーから基本土地カードを1枚探し、それをタップ状態で戦場に出す。その後あなたのライブラリーを切り直す。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Frenzied+Tilling/
私は対称的な(シンメトリカルな)デザインが大好きだ。このカードが生まれたわけは、赤は土地を破壊するのに対して緑は新しい土地を持ってくる、という対称性に気づかされたからだ。これらの相反する特性を1つのカードに収められないものか? ともに手をとりあって歩むわけにはいかないか? そんなわけでこのカードが生まれた。
Goham Djinn / ゴーアム・ジン (5)(黒)
クリーチャー - ジン(Djinn)
(1)(黒):ゴーアム・ジンを再生する。
すべてのパーマネントの中で、黒が最も多い色であるか、最も多い色の1つである限り、ゴーアム・ジンは-2/-2の修整を受ける。
5/5
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Goham+Djinn/
このジンのサイクル(Goham, Halam, Ruham, Sulam, そしてZanam)もアングルード2から来たものだ。元は馬鹿っぽい名前と今とは違ったイラスト(今日のMagic Arcana(註10)を見てくれ)を持っていたが、その実、メカニック自体はそんなに馬鹿げていなかったため、これらは簡単に「現実の」マジックへやって来られたというわけだ。
(註10) 今日のMagic Arcana
リンク先は以下のURL。5種のジンたちの元々の名前、イラスト、テキストが見られる。
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtgcom/arcana/879
Harrow / 砕土 (2)(緑)
インスタント
砕土を唱えるための追加コストとして、土地を1つ生け贄に捧げる。
あなたのライブラリーから、基本土地カードを最大2枚まで探し、それらを戦場に出す。その後あなたのライブラリーを切り直す。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Harrow/
それを作れば彼が来るように(註11)、良いマナ加速カードを作れば彼らはやってくる。このカードのパワーバランスがいかに素晴らしいものだったか、それは冗談抜きに私を驚かせた。
(註11) それを作れば彼が来る
原文は「If you build good mana fixers, they will come」。おそらく映画「フィールドオブドリームス」の一節「If you build it, he will come」から来ていると思われたので、元ネタを併記してみた。なお原文の「They」が何を指しているかは不明。
以下のリンク先は映画「フィールドオブドリームス」のWikipediaの記事(リンク先は英語)。
http://en.wikipedia.org/wiki/Field_of_Dreams
Kangee, Aerie Keeper / 巣を守るものカンジー (2)(白)(青)
伝説のクリーチャー - 鳥(Bird) ウィザード(Wizard)
キッカー(X)(2)(あなたがこの呪文を唱えるに際し、あなたは追加の(X)(2)を支払ってもよい。)
飛行
巣を守るものカンジーが戦場に出たとき、それがキッカーされていた場合、その上に羽根(feather)カウンターをX個置く。
他の鳥(Bird)クリーチャーは、巣を守るものカンジーの上に置かれた羽根カウンター1個につき+1/+1の修整を受ける。
2/2
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Kangee%2C+Aerie+Keeper/
第6版で全ての鳥が鳥になったとき……ああ、ごめんごめん、全ての鳥のクリーチャータイプが鳥になったとき、プレイヤーからは怨嗟の声が上がった。
彼らはファルコンの絶滅に怒りを覚えたんだ。
念のためにつけくわえておくと、ファルコン自体がいなくなったわけじゃない。単にファルコンというクリーチャータイプがなくなっただけだ。
なんでこれがそんなに騒がれたかって? とあるホームランドのクリーチャー、Soraya the Falconerがその理由だ。彼女のおかげで人々はファルコンデッキを組めたんだ。
強いとは言い難いものではあったけど(いや「対象のファルコンはバンドを得る」のがどれほどのものよ?)それは確かに「ファルコン」デッキだった。
そのようなわけでこのファルコン大好き人間の代表団は私たちの行った統合処理に憤りを覚えたわけだ。だけど、分かって欲しいのはこれによってもっと使い勝手のよい鳥のロードを作ることが可能になったわけさ。
そしてインベイジョンのデザインで私はカッコいい鳥のロードを作った。
ところがどっこい、開発チームはそのデザインを嫌った。
開発チームが私のデザインのどこを嫌ったのか分からない(いや、私自身チームの一員だったわけだから、これはおかしな話かもしれないけどね)。何にせよ、他の何枚かのカードと同じようにこのカードも狙い撃ちにされた。
最終的に、私が「いつか出すよ!」と何年も前から約束していた鳥のロードはとにかく世には出たわけだ。
ゴミみたいな強さでね。
がっかりさ。まったく。
この借りはオンスロートブロックで返すよ。プレイするに値する鳥たちを出すことでね。
後編へ続く
http://regiant.diarynote.jp/201102120925214209/