地獄の蠍/Pit Scorpion - レジェンド コモン
Pit Scorpion / 地獄の蠍 (2)(黒)
クリーチャー - 蠍(Scorpion)
地獄の蠍がプレイヤーにダメージを与えるたび、そのプレイヤーは毒(poison)カウンターを1個得る。
1/1
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Pit+Scorpion/

 マジックにおける毒の初出はレジェンドの《地獄の蠍/Pit Scorpion》と《毒蛇製造器/Serpent Generator》だ。ダークの《マーシュ・バイパー/Marsh Viper》とともにこれら2枚のカードは第5版に収録されており、この第5版が毒に関連するカードが収録されていた最後のコアセットである。

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0311
巨大戦車/Juggernaut - マスターズエディションIV アンコモン
Juggernaut / 巨大戦車 (4)
アーティファクト クリーチャー - 巨大戦車(Juggernaut)
巨大戦車は、各ターンに可能ならば攻撃する。
巨大戦車は壁(Wall)によってはブロックされない。
5/3
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Juggernaut/

 エクステンデッドという環境が初めて設けられたとき、《ジャガーノート/Jaggernaut》は禁止された。禁止の理由は《Invisibility》(註1)と組み合わさった際に止める手段がないという意見があったためだ。
 今とは違う時代だったんだよ。

(註1) 《Invisibility》
 どこかで聞いた話だなと思ったら、過去のCard of the Dayで《Invisibility》が取り上げられた際に同じ話が出てた。ちなみに2010年11月11日付の記事(註2)。

(註2) Card of the Day 2010年11月11日
 前に訳してた。
 http://regiant.diarynote.jp/?day=20101111

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0311
皮裂き/Skinrender - ミラディンの傷跡 アンコモン
Skinrender / 皮裂き (2)(黒)(黒)
クリーチャー - ゾンビ(Zombie)
皮裂きが戦場に出たとき、クリーチャー1体を対象とする。それの上に-1/-1カウンターを3個置く。
3/3
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Skinrender/

 念のために言っておくとこれの名前は《皮裂き/Skinrender》であり《皮与え/Skinrenderer》ではない。これは、与えてくれる者(render-er)のではなく、皮を引き裂く者(rend-er)なのだ。

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0311
悪性の傷/Virulent Wound - ミラディン コモン
Virulent Wound / 悪性の傷 (黒)
インスタント
クリーチャー1体を対象とし、それの上に-1/-1カウンターを1個置く。このターン、そのクリーチャーがいずれかの墓地に置かれたとき、それのコントローラーは毒(poison)カウンターを1個得る。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Virulent+Wound/

 《悪性の傷/Virulent Wound》のイラストでは、とあるゴブリン(どうやらゲルク(Gerkk)という名らしい(註1))の感染症が、背中を覆っている巨大な腫れものという形で描かれている。
 彼は故郷へ帰ろうとしているが、当然のことながらそうすることは、あらたに感染を拡大させるだけなのだ。

(註1) どうやらゲルク(Gerkk)という名らしい

 以下の通り、フレイバーテキストに書かれている名前。
 なおイラストも下記の引用元から参照できる。

 原文:
  Sadly, the extent of Gerkk’s healing knowledge was "don’t pick at it."
  引用元:http://magiccards.info/mbs/en/57.html

 和文:
  悲しいことに、ゲルクの知りうる癒しの知識によれば、「それはいじくるべからず」だ。
  引用元:http://magiccards.info/mbs/jp/57.html

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0311
【翻訳】ヴァンパイアに聞いてみよう!/Interview With Some Vampires【Daily MTG】
Mark Rosewater
2006年02月13日
元記事:http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtgcom/daily/mr215

 ヴァンパイア週間へようこそ!

 ……はいはい、君たちの大半が「え、ヴァンパイア週間だって?」と言っているのは間違いないだろう(少なくとも、私の次週に向けて書いているちょっとした予告文(註1)を読む気があって、かつそこで私が何を言ったかを覚えているだけの余裕がある人はね)。

 ヴァンパイア週間の何が「黒くて白い」んだ、って?(註2)

 その答は……うーん……ほら、私はこれからオデッセイの《悔悟せる吸血鬼/Repentant Vampire》について詳細な考察をするところだったんだよ。このカードは黒と白であるという特徴を備えているからね(同時にではないけれど)。

 あー、分かった、分かった。これはバレバレの嘘だった。

 私は……うーん、私はこう考えていたんだ、今週はオルゾフ週間だったな、って。なぜかって? 自分でも分からない。スコットは来るテーマ週間の予定表を送ってくれていた。そして私は、そうすべきだったにも関わらず、それをきちんと確認しなかったんだ。

 分かると思うが、私は自分の記事を自宅で書いているので、仕事のメールを見ることが出来ないんだ。そのため、予告文を書いているとき、私はただ前に読んだ記憶を思い起こしているにすぎない。その記憶に頼った情報は、予定のリストを今確認したところ、まったく違うものだった。

 今しばらくのあいだ、オルゾフ週間を見ることはないだろう。あー、私たちはそれをしないわけではない、しかしイゼット週間と他のいくつかの後だ、例えばヴァンパイア週間とかね。

 それが私が今日書いている奴だ。

 分かってくれたかな? それでは始めようか。
(註1) 予告文
 原文では「Teaser」。アオリ文や宣伝文句のような意味。マーク・ローズウォーター氏の記事は、大体「来週は~について話す予定だ。それまで皆さん、~せずにお元気で」というような結びの文で終わることが多い。

(註2) 「黒くて白い」
 この1つ前の週に書かれたコラムの結びは以下の通り。
 Join me next week, when I talk about something’s that’s black and white.
 また来週。そのときは「黒くて白い何か」について話すつもりだ。

 引用元:
 http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtgcom/daily/mr214

浜の真砂は尽きるとも、世に吸血鬼の種は尽きまじ

 今週はヴァンパイア週間で、かつ「メイキング・マジック(Making Magic)」(註3)はデザインに関するコラムなのだから、ヴァンパイア・カードのデザインについて語るのが唯一自然なことと思われる。

 しかしこれについて通常のR&D(註4)の視点から語るのではなく、かわりにこの話題を一部のヴァンパイアたち自身によって議論させたらもっと興味深いものになるのではないか、と私は思った。

 そのようなわけで、私はマジックで名の知られたヴァンパイアたちによる円卓会議を招集し、彼らにヴァンパイアとマジックについて深く考えてもらう機会を提供した(それらに加えて、彼らのあいだで交わされた会話から自然と発生したいくつかの議題についてもね)。

 集まったのはマジックのアンデッド界における有名人たちだ(註5)。

 アルファからは元祖ヴァンパイアである《センギアの吸血鬼/Sengir Vampire》。

 次に初期のヴァンパイアにおける象徴的な存在の1人、《センギア男爵/Baron Sengir》。

 参加してくれたヴァンパイアの3人目であり、ジャムーラからやって来た背筋の凍るような人血の啜り手(すすりて)である《終末を招く者ショークー/Shauku, Endbringer》。

 彼らに加わるは、元祖ウェザーライト号の乗組員の1人にして、のちにその乗組員たちの大敵となった《呪われたクロウヴァクス/Crovax the Cursed》。

 さらに、存在するヴァンパイアの中では唯一の黒でない(ときもある)風変わりな奴、《悔悟せる吸血鬼/Repentant Vampire》もいる。

 最後は、このゲームで最も新しいヴァンパイアの1人である《秘密の王、ザデック/Szadek, Lord of Secrets》だ。
(註3) メイキング・マジック(Making Magic)
 Daily MTGの連載コラムは曜日によってテーマが決まっている。マーク・ローズウォーター氏が担当している月曜日はマジックの開発やデザインがテーマ。
 参照:http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Archive.aspx?tag=column

(註4) R&D
 Research & Developmentで、一般的な意味では「研究開発」、ここではウィザーズにおけるマジックの開発部のこと。

(註5) 参加者プロフィール
 個々のカードテキストとイラストは以下のリンク先を参照のこと。

 《センギアの吸血鬼/Sengir Vampire》
   参照:http://magiccards.info/tr/en/80.html
 《センギア男爵/Baron Sengir》(註6)
   参照:http://magiccards.info/hl/en/1.html
 《終末を招く者ショークー/Shauku, Endbringer》
   参照:http://magiccards.info/mr/en/40.html
 《呪われたクロウヴァクス/Crovax the Cursed》
   参照:http://magiccards.info/sh/en/5.html
 《悔悟せる吸血鬼/Repentant Vampire》
   参照:http://magiccards.info/od/en/157.html
 《秘密の王、ザデック/Szadek, Lord of Secrets》
   参照:http://magiccards.info/rav/en/234.html

(註6) 《センギア男爵/Baron Sengir》
 実際には《Baron Sengir》というカードに和名は存在しない。ホームランドの日本語版は存在せず、再録もされていないため。ただフレイバーテキストなど、ストーリー上の和名は存在するので、それに習ってカード名も日英両表記にしてみた。

レポーター (マーク)
 皆様、ようこそおいでくださいました。まず初めに、ヴァンパイアのデザインについて話すためにお時間を割いて頂いたことを感謝いたします。また私の命を召し上がらないようお願いいたします。

《センギア男爵/Baron Sengir》
 我輩たちはマナーをわきまえておる。
 夜に属す血族の中でヴァンパイアが他と一線を画す点がそれだ。

《終末を招く者ショークー/Shauku, Endbringer》
 ああ、もちろんじゃ、ただわらわの中で、レポーターを食してしまうことがエチケットに反するかどうかについてはいまいち自信がないんじゃがの。

《呪われたクロウヴァクス/Crovax the Cursed》
 どこに所属してるレポーターかによると私は思うがね。Newsweekとかであれば手をつけないほうがいいかもしれん。だが、Weekly World Newsならどうだ?(註7) あいつらなら、私はポップコーンと同じように食らえる。Bat Boy(註8)の記事にはもううんざりだ。
(註7) Newsweek、Weekly World News
 前者はアメリカの「まじめな」週刊誌の代表で、後者はアメリカの「ふまじめな」週刊誌の代表。日本の新聞で言うと「日経新聞」と「東スポ」みたいな感じかもしれない。多分。

(註8) Bat Boy
 Weekly World Newsで連載されているバットマンのパロディ漫画。
 http://en.wikipedia.org/wiki/Bat_Boy

《センギアの吸血鬼/Sengir Vampire》
 それであんたはどこから来たんだっけ、もう一度教えてくれよ。

《秘密の王、ザデック/Szadek, Lord of Secrets》
 Magicthegathering.comからだ。ウィザーズのホームページだな。彼を食しても我々の目的の助けにはなるまいて。

レポーター (マーク)
 あ、はい、ありがとうございます。ところで目的とは?

《秘密の王、ザデック/Szadek, Lord of Secrets》
 マジックのカードにヴァンパイアを増やすことだ。PRは十分だが、我々が期待するほどの数がいるわけではない。

《悔悟せる吸血鬼/Repentant Vampire》
 まったくだぜ、13年も経ってるつうのに俺たちの元にいるんは16体のヴァンパイア。一体全体、こりゃなんだってんだい?

《秘密の王、ザデック/Szadek, Lord of Secrets》
 おぬしの言う16体は、クリーチャータイプがヴァンパイアのものだけだな。
 マジックには他にも明らかにヴァンパイアに共通する特徴を備えているクリーチャーが大勢いる。

《センギア男爵/Baron Sengir》
 黒であること、大型の飛行であること、センギアの能力(註9)を持ちつつセンギアの名を冠しておること、そしてそれ相応の見た目(註10)をしておること。
 これだけそろっておれば「吸血鬼として扱う」のテキストやそこらを授けてやることに異存は無い。
(註9) センギアの能力
 傷つけたクリーチャーが同じターンのうちに墓地へ落ちた場合、+1/+1カウンターなどで強化される能力。正直なところ、そうそう発動しない。

(註10) それ相応の見た目
 原文ではこの言葉のすぐ隣に男爵ご本人のイラストが掲載されている。

《悔悟せる吸血鬼/Repentant Vampire》
 じいちゃん、細かいこと気にすんじゃねえよ。大事なんはオフィシャルな吸血鬼が16体、ってことさ。年当たりで考えたら約1.1体じゃねえか。こりゃひでえよ!

《秘密の王、ザデック/Szadek, Lord of Secrets》
 実際は18体だ。おぬしは《霧衣の究極体/Mistform Ultimus》(註11)を忘れている。
(註11) 《霧衣の究極体/Mistform Ultimus》
 「すべてのクリーチャー・タイプである」という能力を当時持っていた唯一のクリーチャー。

《悔悟せる吸血鬼/Repentant Vampire》
 あんにゃろう、ぶっ殺してやる。いつもいつも小ネタを台無しにするってだけで理由としちゃ十分だ!

レポーター (マーク)
 話が本題から少々それてしまっているように思います。本日集まって頂いたのはヴァンパイアのデザインについて話すためです。誰から始めますか?

《センギアの吸血鬼/Sengir Vampire》
 まあ、始めるなら俺からが妥当だろうな。何から話そうか。
 よし「ヴァンパイアの持つメカニズム」にしよう。何が言いたいかっていうと、R&Dが何を持ってしてそのカードをヴァンパイアとみなすのか、ってことさ。

《呪われたクロウヴァクス/Crovax the Cursed》
 ふむ、まずは飛んでいないとな。
 なぜなら、当たり前だが、全てのヴァンパイアは飛んでいるからだ。

《秘密の王、ザデック/Szadek, Lord of Secrets》
 《Krovikan Vampire》を例外とすればな。ああ、それともちろん《霧衣の究極体/Mistform Ultimus》もだ。付け加えるなら、おぬしは単に《ジャンプ/Jump》しているだけだ(註12)。
(註12) ジャンプ/Jump
 《呪われたクロウヴァクス/Crovax the Cursed》は「(黒):呪われたクロウヴァクスはターン終了時まで飛行を得る」の能力は持っているが飛行は持っていない。

《呪われたクロウヴァクス/Crovax the Cursed》
 そうやって人が話している最中にいちいち知識をひけらかすような真似をやめられんというのに、貴様がなぜに《秘密の王》を名乗ることができているのか、私には理解できんな。

《秘密の王、ザデック/Szadek, Lord of Secrets》
 最も重要なことは口に出さぬからだ。

《呪われたクロウヴァクス/Crovax the Cursed》
 では黙っていればよいのでは?

《秘密の王、ザデック/Szadek, Lord of Secrets》
 私がただ指摘したかったのは、伝承などで伝えられるところでは皮肉なことに、大半のヴァンパイアやそれに類するクリーチャーは飛んでいない、ということだ。

《センギアの吸血鬼/Sengir Vampire》
 いや、飛んでるかどうかは俺だって気にしてないんだ。
 それについては俺も分かる気がする。
 もっと飲み込めない部分があるのさ。ヴァンパイアとしてふさわしいかどうかについて、R&Dはそのクリーチャーが何らかの「摂取する」能力を持っていなきゃいけないって考えてるんだ。
 例えばさ、ヴァンパイアの典型的能力みたいに扱われてる俺の能力を考えてみてくれよ。意味合いとしては、誰かを殺すことで俺はより強くなる、ってところだ。実際、響きはとてもいい、だけど……

《センギア男爵/Baron Sengir》
 お前が何かを殺せたことなどただの一度もありはせん。
 あると言うなら我輩の前で言ってみるがいい。

《悔悟せる吸血鬼/Repentant Vampire》
 俺も、その場にいたはずだけどな(註13)。
(註13) その場
 《センギアの吸血鬼/Sengir Vampire》が再録されたトーメントは《悔悟せる吸血鬼/Repentant Vampire》の収録されているオデッセイと同じセット。

《センギアの吸血鬼/Sengir Vampire》
 勘違いしないでくださいよ、俺は4/4で飛行なことに不満はないんです。ただ何かを食えたことなんてただの一度もないんですよ! 飢えてしにそうだ!

《呪われたクロウヴァクス/Crovax the Cursed》
 仲間を喰らうほうが魅力的に思えてしまうのはそのせいだな。
 他のプレイヤーを操ることは無理な話だが、自身の側にいる魔法使いの目をのぞきこみ「私に餌を与えよ。さすれば貴様の思い描く相手に思い知らせてくれようぞ」とささやけば、求めるものが手に入るという寸法だ。

《終末を招く者ショークー/Shauku, Endbringer》
 そうは言うても、餌を与えてくれぬ場合があるじゃろうて。怨敵が手ごろなブロッカーを用意してしもうて、次の瞬間、おぬしは絶食させられることになるのじゃ。
 わらわの策が最も良いと思うがの。ただ欲しい物を見つめ、そしてそれを食すのじゃ。
 生きるにはそれしかあるまいて。

《呪われたクロウヴァクス/Crovax the Cursed》
 私は自身のデザインに対し、それなりに喜びを感じている。ヴァンパイアであること、というフレイバーをつかむという意味で、実にもっともよいデザインだろう。
 喰らうことで強くなる。
 喰らえないことで力を失う。
 私たちが血を求めるのは楽しみのためではないのだ。
 いや、勘違いしないで欲しいのは、血をすすること自体は心弾む所業だ。しかしその摂取はあくまで生存のためではないか。センギアの能力はこの根源たる点をついていないと私は思うのだ。

《秘密の王、ザデック/Szadek, Lord of Secrets》
 同じく、私も自身のフレイバーに満足しておる。
 そのとおり、私が摂取するのは血液よりも思考ではあるが、そこには似通った形の欲求があると思っておる。

《呪われたクロウヴァクス/Crovax the Cursed》
 だが貴様は力を失うことがないではないか。私はその点を重要視している。

レポーター (マーク)
 つまりあなたは永遠の飢えの表現については、力を失うことと紐づけてデザインされるべきだと感じているわけですね?

《呪われたクロウヴァクス/Crovax the Cursed》
 そのとおりだ。

《終末を招く者ショークー/Shauku, Endbringer》
 落ち着くのじゃ、クロウヴァクス。
 わらわと同じく、おぬしもそれについては本当の問題には気づいておるのじゃろう。
 皆も気づいておるわ。

レポーター (マーク)
 問題とは?

《センギア男爵/Baron Sengir》
 デーモンだ。

レポーター (マーク)
 なんとおっしゃいましたか?

《センギア男爵/Baron Sengir》
 黒のレアは、その一部をレアの飛行持ちにて象徴されておる。

《センギアの吸血鬼/Sengir Vampire》
 おじいさん、分かるようにお願いします。

《センギア男爵/Baron Sengir》
 これについてもっとも分かりやすい説明は、そうだな、R&Dが飛行持ちのファッティを白に作ったとしようではないか。それはなんだ?
 天使だ。
 では、もしかわりにそのクリーチャーの色が赤かったとすれば?
 そのとおり、それはドラゴンだ。
 今度はそのカードが黒だったとしてみよう。何が起きるだろうか?
 それは吸血鬼だ……もしくはデーモンだ!
 黒のレアには飛行持ちのファッティを象徴するクリーチャーが2種類いるのだ。

《終末を招く者ショークー/Shauku, Endbringer》
 それだけではなく、きゃつら相手は公平なる戦いとは言いかねるからのう……デーモンの数はわらわたちを上回っておる。

《秘密の王、ザデック/Szadek, Lord of Secrets》
 24体のデーモンか。アングルードやアンヒンジドも数えるなら26体だ。さらに言うなれば27体だな、もし《霧衣の究極体/Mistform Ultimus》を含めてやる優しさがあるのなら。

《悔悟せる吸血鬼/Repentant Vampire》
 とっととあいつを食っちまうべきだ。

《終末を招く者ショークー/Shauku, Endbringer》
 ウィザーズ社はここ数年の間、きゃつらを新たに作っておらんというに!

《センギア男爵/Baron Sengir》
 事実の積み重ねだ。
 まず我輩の呼ぶところの「デメリット能力」という選択肢をデーモンは持っておる。それによって奴らはそのサイズに対して少ないマナコストで済んでいるがデメリットを持つ。何にせよ、デメリットとはデザインの中心ではなく外付けのものだ。
 ヴァンパイアは「摂取」というフレイバー、さらに飛行も持つことを義務付けられておるため、常に高コストとならざるを得ない。この中にマジックの歴史でもっともコストの安いヴァンパイアが何だったか答えられるものはおるかな。
 どうだ、ザデック?

《秘密の王、ザデック/Szadek, Lord of Secrets》
 4マナだ(註14)。《吸血コウモリ/Vampire Bats》と《吸血犬/Vampire Hounds》は3マナだが、いずれもヴァンパイアではない。
(註14) 4マナのヴァンパイア
 記事当時では《呪われたクロウヴァクス/Crovax the Cursed》と《Irini Sengir》。今は1マナから3マナまでにも多種多様なヴァンパイアがいる。

《センギア男爵/Baron Sengir》
 4マナとは!

《秘密の王、ザデック/Szadek, Lord of Secrets》
 ちなみにもっともコストの安いデーモンも同じく4マナ(註15)だ。
(註15) 4マナのデーモン
 記事当時はすでに神河ブロックが出ているため結構いる。《剃刀顎の鬼/Razorjaw Oni》、《沼居の災い魔/Scourge of Numai》、《血塗られしもの、死祭/Shimatsu the Bloodcloaked》、と《囚われしもの、幽孤羅/Yukora, the Prisoner》。

《呪われたクロウヴァクス/Crovax the Cursed》
 だがデーモンどもは、7/7、8/8、もしくは9/9であってもおかしくない。
 私たちの中で最大は男爵だが、それでも5/5だ。

《センギア男爵/Baron Sengir》
 それは我輩たちが能力的に成長する余地を残しておるためだ。9/9に+1/+1カウンターが乗ることにどれほどのことがあろう。そう、我輩たちは己の能力定義、それ自身に苦しめられておるのだよ。

レポーター (マーク)
 あなたの示唆するところは、R&Dはヴァンパイアのデザインについて路線変更を行うべきだ、ということですか?

《センギア男爵/Baron Sengir》
 違う。

《悔悟せる吸血鬼/Repentant Vampire》
 いや、そうだって! 変えてくれよ! 大体からして理由が……あっ……あああッ!? すまん、みんな! アレが始まりやがった!

レポーター (マーク)
 何が始まったんですか?

《センギアの吸血鬼/Sengir Vampire》
 急げ! 奴を取り押さえろ!

《終末を招く者ショークー/Shauku, Endbringer》
 足をつかむのじゃ!

レポーター (マーク)
 何がどうしたんですか?

《センギア男爵/Baron Sengir》
 おぬし、ロープを持ってこい!

レポーター (マーク)
 あの……

《センギアの吸血鬼/Sengir Vampire》
 やばい、変わるぞ!

《悔悟せる吸血鬼/Repentant Vampire》
 ああ、なんということでしょう……裏返ってしまいました(註16)。
 私が何かしたからでしょうか? 何をしてしまったのでしょうか? まさか誰かの命を奪ってしまったのではないといいのですが!
(註16) 裏返る
《悔悟せる吸血鬼/Repentant Vampire》には飛行とセンギア能力に加えて「スレッショルド ― あなたの墓地にカードが7枚以上ある限り、悔悟せる吸血鬼は白になるとともに「(T):黒のクリーチャー1体を対象とし、それを破壊する。」を持つ」という能力がある。

《センギアの吸血鬼/Sengir Vampire》
 《悔悟せる吸血鬼/Repentant Vampire》の悪い癖だ……たまに正義の味方になっちまうんだ。

《終末を招く者ショークー/Shauku, Endbringer》
 それによってきゃつはここにいる皆を滅することを望むようになるのじゃ。

レポーター (マーク)
 これはどのようにして起きるのですか?

《センギアの吸血鬼/Sengir Vampire》
 誰にも分からないんだ。

《秘密の王、ザデック/Szadek, Lord of Secrets》
 噂によるとジプシーの呪いだとか。

《センギア男爵/Baron Sengir》
 そのようなことはどうでもよいわ。墓地をあふれかえらせたのは誰だ!?

《センギアの吸血鬼/Sengir Vampire》
 ショークーじゃね?

《終末を招く者ショークー/Shauku, Endbringer》
 昨晩の《エイトグ/Atog》以来、何も食しておらぬわ。

《センギア男爵/Baron Sengir》
 ではどいつだ! クロウヴァクスか!?

《呪われたクロウヴァクス/Crovax the Cursed》
 わ、私は腹が減ってたんだ。
 そのままでは力を失ってしまうことになると言っているだろうが!

《センギア男爵/Baron Sengir》
 おぬし、6体の時点で我慢できんかったのか!?

《呪われたクロウヴァクス/Crovax the Cursed》
 なんだと、貴様の指図は受けんわ!
 伊達や酔狂で、満たされること無き飢え、などと呼ばれているわけでないのだ。
 大体からしてゴブリンを1匹で我慢できるわけがなかろう。

《終末を招く者ショークー/Shauku, Endbringer》
 その気持ち分かるぞよ、我が血族。

《悔悟せる吸血鬼/Repentant Vampire》
 あなたが命を奪ったと知った以上、私はあなたの命でそれを償って頂く以外、しようがありません。

《呪われたクロウヴァクス/Crovax the Cursed》
 その全身を縛られた状態で何かできるものならやってみるがいいわ。

《悔悟せる吸血鬼/Repentant Vampire》
 ええ、今は無理です。しかしこの縛め(いましめ)もいつかは解けます。そのときこそ、私の悪を打つ一撃が振り下ろされることでしょう。

レポーター (マーク)
 皆さん、本題に戻りましょう。私たちはデーモンについて話していたはずですよ。

《センギアの吸血鬼/Sengir Vampire》
 いや、正しくはデーモンの話じゃなかったはずだ。俺たちはデーモンと上手くやってる。

《秘密の王、ザデック/Szadek, Lord of Secrets》
 ある種の伝承によれば、ヴァンパイアもデーモンの一種だ。
 TVドラマ「バフィー ~恋する十字架~」(註17)がいい例だ。
(註17) バフィー ~恋する十字架~
 アメリカのTVドラマ。原題は「Buffy the Vampire Slayer」。

《センギアの吸血鬼/Sengir Vampire》
 俺が思うに、本当の問題は「ヴァンパイアが市場価値を失ったこと」にあるんじゃないかな。

レポーター (マーク)
 どういう意味ですか?

《センギアの吸血鬼/Sengir Vampire》
 まず手近なところで、象徴的なクリーチャーとして扱われなくなったのは、コモンだったことが一度もなかったからだと思う。ああ、確かにコモンにはコウモリだの猟犬だのはいるさ。だけど本当のヴァンパイアたちは最低でもアンコモンだった。
 さらに俺たちは一定以上のサイズじゃないといけない。3/3以上で、5/5以下だ。

《秘密の王、ザデック/Szadek, Lord of Secrets》
 5/5が限界だとは思わんがな。

《センギアの吸血鬼/Sengir Vampire》
 そうかもしれないけど、この13年間というもの、それを超えられた奴はいないぜ? さらに言うなら俺たちは常に「ヴァンパイア的なあれやこれや」も持っていないといけない。
 作り終えたあとには中途半端に重くて使えないクリーチャーが転がってるって寸法さ。

《センギア男爵/Baron Sengir》
 我輩が思うに、お前は大事なことを忘れておる。
 フレイバーだ。あふれんばかりのフレイバーこそが我輩たちではないか。
 矮小なるティミーどもがブースターパックを開いた際、我が血族を引いたらさぞかし喜ぶことだろうて。

《センギアの吸血鬼/Sengir Vampire》
 俺たちがカッコ悪いって話じゃないんですよ。
 俺たちのカードパワーの話です。
 いまだかつてTier1の構築デッキに名前の挙がったことのあるヴァンパイアを1体でいいからあげてみてくださいよ。

《呪われたクロウヴァクス/Crovax the Cursed》
 天使はあるな。ドラゴンも、デーモンも、ゴブリンも、エルフもだ。あの獣並の知性を持ったカヴーですら表舞台に立ったことがある。
 まるで私たちだけが名のある大舞台にたどり着けていない、ただ1つの主要な種族であるかのようだ!

《悔悟せる吸血鬼/Repentant Vampire》
 数分もがいてみていたのですが、人手を借りないと抜け出せないことを大人しく認める頃合いのようですね。
 そこでものは相談なんですが、誰かこれをほどいてくれる人がいましたら、苦しまずに滅してあげますよ?

《終末を招く者ショークー/Shauku, Endbringer》
 わらわが思うに、問題はヴァンパイアが常にティミーどもに帰属していることではなかろうかの?
 たまさかにジョニーどもが気まぐれで手を出すこともあるかもしれぬが、スパイクどもときたらどうじゃろう? きゃつらからはヴァンパイアに対する愛が微塵にも感じられぬわ。

レポーター (マーク)
 それではゲームのデザイナーたちに対して何を要望しますか?

《センギアの吸血鬼/Sengir Vampire》
 ヴァンパイアを恐れるな、だね。もっと俺たちに実のある強さをくれよ。ヴァンパイアって単語を含むトップレベルのデッキがあったら、めっちゃカッコいいと思うんだけどな!

《センギア男爵/Baron Sengir》
 まあ、まあ。

《センギアの吸血鬼/Sengir Vampire》
 そうだ、それと下らないセンギア能力ともおさらばだ!
 ああ、もちろん元々が俺のせいだってのは分かってますよ、おじいさん。だけどこんな能力に振り回されるのはもう俺たちで終わりにすべきなんです。

《悔悟せる吸血鬼/Repentant Vampire》
 よーし、ではこうしましょう。
 私を解放してくれた方にだけは、5分間の先に逃げる時間をあげますよ!

《終末を招く者ショークー/Shauku, Endbringer》
 わらわとしては、ザデックが1歩だけ正しい方向へ歩を進めているように思われるがの。
 2色目に足を踏み入れたことじゃ。
 ザデックは大きうなる力も持っておるし、さらにダメージ割り振りがスタックに乗っているあいだに生け贄を使った悪巧み(註18)も楽しめるしのう。
(註18) ダメージ割り振りがスタックに乗っている
 昔は今と違ってダメージ割り振りがスタックに乗っていた(さらに昔は乗ってなかったけど)。《秘密の王、ザデック/Szadek, Lord of Secrets》のダメージ割り振りがスタックに乗っている間に本人を生贄に捧げると、ダメージを置換する能力(註19)が働かず、対戦相手本体にダメージを与えることができる。

(註19) 能力
 彼の能力については文章が長いので以下を参照のこと。
 http://magiccards.info/rav/jp/234.html

《秘密の王、ザデック/Szadek, Lord of Secrets》
 お褒めに預かり恐悦至極。

《センギアの吸血鬼/Sengir Vampire》
 否定はしないぜ。俺もザデックが……ギャーッ!

レポーター (マーク)
 何が起きたんですか!?

《呪われたクロウヴァクス/Crovax the Cursed》
 《悔悟せる吸血鬼/Repentant Vampire》が《センギアの吸血鬼/Sengir Vampire》を殺しやがった。

レポーター (マーク)
 それはよろしくありませんね。

《終末を招く者ショークー/Shauku, Endbringer》
 気に病むことはなかろう。所詮、伝説性も持たぬ輩じゃ。
 大体からして、死んだも何も、元々死んでおるわ。

レポーター (マーク)
 あ、はい。この会議を終了するに当たり、最後に一言ありますか?

《センギア男爵/Baron Sengir》
 我輩は《悔悟せる吸血鬼/Repentant Vampire》を今一度縛りあげることを提案したい。

《終末を招く者ショークー/Shauku, Endbringer》
 おぬしらが望むのであればきゃつを殺すことも出来るがの(註20)。きゃつも所詮は伝説でもなんでもない輩じゃて。
(註20) 殺すことも出来る
 《終末を招く者ショークー/Shauku, Endbringer》は「(T):クリーチャー1体を対象とする。それを追放し、終末を招く者ショークーの上に+1/+1カウンターを1個置く」の能力を持つ。

《センギア男爵/Baron Sengir》
 我が血族たるヴァンパイアを代表して述べさせて頂きたいのだが……

《悔悟せる吸血鬼/Repentant Vampire》
 あなたに私の気持ちを代弁することなど出来はしないぞ、この野蛮人め!

《センギア男爵/Baron Sengir》
 誰かこいつに猿ぐつわをかましておいてくれないかね。
 さて、我輩の言いたかったことは、白を含まぬ我が血族を代表して述べたいこととして、R&Dが我々をデザインする際には、今少し枠に縛られぬよう努力して頂きたいという話なのだ。
 新たな形で表現される「摂取」を是非この目で見てみたいものだ。加えて言うなら、我が血族からトーナメントに頻繁に顔を出せるカードが1枚でも出たからといって開発部が死に絶えるわけでもあるまい。

《呪われたクロウヴァクス/Crovax the Cursed》
 同意だ。

《秘密の王、ザデック/Szadek, Lord of Secrets》
 男爵の言葉は核心をついていると思う。

《終末を招く者ショークー/Shauku, Endbringer》
 わらわが最後の一言を述べてもよいかの?

レポーター (マーク)
 もちろんです。そうでないとまずいのですか?

《終末を招く者ショークー/Shauku, Endbringer》
 それはそうじゃて、何せわらわは「終末を招く」のだから。
 この会議を読んでくれた読者の面々であれば、全てのヴァンパイアがそれほどまでに怒りを覚えておるわけではない、と分かってくれたとわらわは信じておる。
 だがの、わらわたちは象徴的な存在としてあるべく精一杯の努力を続けてきたのじゃ。次は、R&Dがそれに応える番ではなかろうかの?

レポーター (マーク)
 ええ、最後まで生き残っていただいた皆様に……いえ、死してなお生きている皆様に、この会議に参加してくださいました感謝を捧げたいと思います。
 読者の皆さんも、あなたたちのお話を楽しんでくださったものと思います。

 終える前に、読者へお伝えしておきたいのですが、来週はいくつかの教訓について分かち合いたいと考えておりますので、ぜひまたお越し下さい。
 それまで皆様の飢えが満たされておりますように!

マーク・ローズウォーター
余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 特に定まったテーマがあるとは思えない週だった。最初のほうは「現在と過去を結びつけるカード」なのかな、とも思ったけど《皮裂き/Skinrender》は単なるジョークっぽい記事だったし、「ファイレクシア陣営に関するカード」なのかなとも思ったけど、そうすると《ジャガーノート/Jaggernaut》がよく分からないし。

余談2:《Gate to Phyrexia》

 ファイレクシアって昔からあるよなあ、とは思っていたけれど、それでもせいぜいミラージュブロックくらいまでしか覚えてなかった。初の出現がアンティキティーまで遡ると知ってあらためて驚いた。歴史長いな。

余談3:《ジャガーノート/Jaggernaut》

 原文にある「unstoppability」をなんとか一語にしようと、無駄な努力をして、結局諦めた。阻止不可性なんて日本語はない。あと原文末尾の「That was a different time」を「古き良き時代だったんだよ」と訳そうかどうか、一瞬だけ迷った。

余談4:ヴァンパイアに聞いてみよう!/Interview With Some Vampires

 Diary Noteは1つの記事につき20,000文字の制限があり、投稿画面では「あとXXXX文字」と残り入力可能な文字数を表示してくれる親切設計。

 今回の記事もそこそこ長かったので、前回のように1つの記事に収まらないかな、と思ったら「あと800文字」ほどと表示されたので安心して保存。

 エラー発生。

 理由は「文字数が制限をオーバーしています」とのこと。あれ? なんでだろう。その後、元々書いた記事から注釈やカードテキストなどを削りに削って、なんとか1つの記事として投稿に成功。そのとき、投稿画面では「あと3,000文字」入力可能と出ていた。イマイチ、納得がいかない。

 さらに余談。記事の途中で《悔悟せる吸血鬼/Repentant Vampire》が「今現在、16体のヴァンパイアがいる」と言ったとき、《秘密の王、ザデック/Szadek, Lord of Secrets》が「《霧衣の究極体/Mistform Ultimus》も数えれば18体だ」と言っているけど、これは原文まま。

 何かおかしい気もしたけれど、本来のヴァンパイア数がちょっと分からなかったので、直訳した。すいません。
ボーラスの工作員、テゼレット/Tezzeret, Agent of Bolas - ミラディン包囲戦IV 神話レア
Tezzeret, Agent of Bolas / ボーラスの工作員、テゼレット (2)(青)(黒)
プレインズウォーカー - テゼレット(Tezzeret)
[+1]:あなたのライブラリーの一番上から5枚のカードを見る。あなたはその中からアーティファクト・カード1枚を公開してあなたの手札に加えてもよい。残りをあなたのライブラリーの一番下に望む順番で置く。
[-1]:アーティファクト1つを対象とする。それは5/5のアーティファクト・クリーチャーになる。
[-4]:プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーはX点のライフを失い、あなたはX点のライフを得る。Xはあなたがコントロールするアーティファクトの数の2倍である。
3
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Tezzeret%2C+Agent+of+Bolas/

 どのようにして《ボーラスの工作員、テゼレット/Tezzeret, Agent of Bolas》が《プレインズウォーカー、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, Planeswalker》の奴隷(註1)となったか不思議に思うかい? その物語の一部ならばウェブコミック「The Seeker’s Fall」(註2)から確認できるよ。

(註1) 奴隷
 カード名は「Agent/工作員」だけど、記事では「Slave」。余談ついでに書いておくと《ボーラスの奴隷/Slave of Bolas》というカードは実在する。

(註2) ウェブコミック「The Seeker’s Fall」
 リンク先は以下のURL(註3)。日本語版もあるので安心。如何にしてテゼレットがニコル・ボーラスに出会ったかが、分かるかもしれない。
 http://www.wizards.com/magic/multiverse/article.aspx?x=mtgcom/feature2/22b

(註3) ウェブコミックのURL
 他のプレインズウォーカーたちの物語が読みたい人のために一覧ページのリンク先も一応張っておく。以下のURLを参照のこと。
 http://www.wizards.com/Magic/Multiverse/planeswalkers.aspx?x=mtg/multiverse/webcomics/main

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0311
魂込めの円月刀/Ensouled Scimitar/ - フィフスドーン アンコモン
Ensouled Scimitar / 魂込めの円月刀 (3)
アーティファクト - 装備品(Equipment)
(3):魂込めの円月刀はターン終了時まで、飛行を持つ1/5のスピリット(Spirit)・アーティファクト・クリーチャーになる。
装備しているクリーチャーは+1/+5の修整を受ける。
装備(2)((2):あなたがコントロールするクリーチャー1体を対象とし、それにつける。装備はソーサリーとしてのみ行う。)
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Ensouled+Scimitar/

 魂を持つのか持たないのか定かではない《踊る円月刀/Dancing Scimitar》(註1)は常にクリーチャーであるにも関わらず、常に魂を持つ《魂込めの円月刀/Ensouled Scimitar》はクリーチャーになることもある剣だ(註2)。
 円月刀はよく分からないね。

(註1) 《踊る円月刀/Dancing Scimitar》
 こっちの剣は、01月28日の Card of the Day で取り上げられている。
 http://regiant.diarynote.jp/201101281714258235/

(註2) クリーチャーになることもある
 余談。クリーチャー化している装備品は他のクリーチャーに装備させることができない。言い換えると《魂込めの円月刀/Ensouled Scimitar》はインスタント速度で装備を外すことができる。
 同じブロックのカードである《残忍な戦利品/Murderous Spoils》で奪われるのを避けたいときや、相手のエンド時に外したいときに役立つかもしれない。

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0311
カルドラの剣/Sword of Kaldra/ - ミラディン レア
Sword of Kaldra / カルドラの剣 (4)
伝説のアーティファクト - 装備品(Equipment)
装備しているクリーチャーは+5/+5の修整を受ける。
装備しているクリーチャーがクリーチャーにダメージを与えるたび、そのクリーチャーを追放する。
装備(4)((4):あなたがコントロールするクリーチャー1体を対象とし、それにつける。装備はソーサリーとしてのみ行う。このカードはつけられていない状態で戦場に出て、クリーチャーが戦場を離れても戦場に残る。)
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Sword+of+Kaldra/

 生体武器(Living weapon)と言えば、自身を持ち歩いてくれる何かを自分で生み出せる自己完結型の剣はどうかな?
 この剣を用いるには《カルドラの盾/Shield of Kaldra》(註1)と《カルドラの兜/Helm of Kaldra》(註2)が必要となってしまう。だけど、公平を期すために付け加えておくと、《カルドラ/Kaldra》(註3)は0/0の《細菌/Germ》よりかは心持ち素敵なものだと思うね。

(註1) 《カルドラの盾/Shield of Kaldra》
Shield of Kaldra / カルドラの盾 (4)
伝説のアーティファクト - 装備品(Equipment)
《カルドラの剣/Sword of Kaldra》と《カルドラの盾/Shield of Kaldra》と《カルドラの兜/Helm of Kaldra》という名前の装備品(Equipment)は破壊されない。
装備しているクリーチャーは破壊されない。
装備(4)
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Shield+of+Kaldra/

(註2) 《カルドラの兜/Helm of Kaldra》
Helm of Kaldra / カルドラの兜 (3)
伝説のアーティファクト - 装備品(Equipment)
装備しているクリーチャーは先制攻撃とトランプルと速攻を持つ。
(1):あなたが《カルドラの剣/Sword of Kaldra》と《カルドラの盾/Shield of Kaldra》と《カルドラの兜/Helm of Kaldra》という名前の各装備品(Equipment)をコントロールしている場合、《カルドラ/Kaldra》という名前の無色の4/4の伝説のアバター(Avatar)・クリーチャー・トークンを1体戦場に出し、それにそれらの装備品をつける。
装備(2)
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Helm+of+Kaldra/

(註3) 《カルドラ/Kaldra》
 上記のカルドラシリーズがそろうことで《カルドラの兜/Helm of Kaldra》から生み出される4/4のトークンの名前。自動的にカルドラの名を冠する3つの装備品を身に付けてくれるので、実質「9/9 先制攻撃、トランプル、速攻、破壊されない」というクリーチャー。さらに「クリーチャーにダメージを与えるたび、そのクリーチャーを追放する」ことも出来る(註4)。

(註4) クリーチャーにダメージを与えるたび、そのクリーチャーを追放する
 余談。
 実は、最初見たとき「+5/+5に殴られたら大抵のクリーチャーは死んでしまうのに『追放する』ことにどれほどの意味があるんだろう」と思ったけど、考えてみたらカルドラ・シリーズがそろったのは「破壊されない」が日常茶飯事だったミラディンの世界だった。あとストーリー的な意味もあるのかもしれない。

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0311
動く秘宝/Animate Artifact - マスターズエディションIV アンコモン
Animate Artifact / 動く秘宝 (3)(青)
エンチャント - オーラ(Aura)
エンチャント(アーティファクト)
エンチャントされているアーティファクトがクリーチャーでない限り、それはそれの点数で見たマナ・コストに等しいパワーとタフネスを持つアーティファクト・クリーチャーである。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Animate+Artifact/

 元々の《動く秘宝/Animate Artifact》はすでにクリーチャーであるアーティファクトにも効果があったが(註1)、リバイズドに再録された際に「Has no effect on artifact creatures (註2)(アーティファクト・クリーチャーには効果がない)(註3)」という一文を得た。

(註1) 元々の《動く秘宝/Animate Artifact》
 以下のリンク先から当時のカードテキストを確認することが出来る。
 http://magiccards.info/be/en/49.html

(註2) Has no effect on artifact creatures
 ちなみに現在のカードテキストは「As long as enchanted artifact isn’t a creature(エンチャントされているアーティファクトがクリーチャーでない限り)」となっている。

(註3) 日本語訳について
 公式訳ではなく、あくまで私訳。いや、第4版のカードテキストも記事にあるものと同じなので、公式の日本語訳が確かに存在するはずなんだけど、ギャザラーにもどこにも「第4版《動く秘宝/Animate Artifact》の日本語版」を見つけられなかった。すいません。

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0311
生きている鎧/Living Armor - クロニクルIV コモン
Living Armor / 生きている鎧 (4)
アーティファクト
(T),生きている鎧を生け贄に捧げる:クリーチャー1体を対象とする。その上に+0/+1カウンターをX個置く。Xは、そのクリーチャーの点数で見たマナ・コストの点数である。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Living+Armor/

  今週は「生体武器/Living Weapon」週間だから《生きている鎧/Living Armor》をCard of the Dayとして取り上げるのは自然なことと思われる。
 このカードについては語ることがあまりないが「《包囲の搭、ドラン/Doran, the Siege Tower》の入ったデッキと相性が良さそう」くらいは言える。

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0311

追記
 日本で大地震があったというニュースを知りました。
 幸い家族とは連絡がとれました。
 皆様も同様に無事であるよう、祈っています。
【翻訳】ガンスリンガーじゃない、スペルスリンガーさ/Spellslinging【Daily MTG】
Tom LaPille
2011年03月04日
元記事:http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/ld/132

 ウィザーズ社の開発者たちは自身のゲームを皆に楽しくプレイしてもらうために努力している。そのため、私たちは皆マジックのプレイヤーではあるが、君たちがマジックのプレイヤーであることとは少し違うところがある。

 何が言いたいかと言うと、私たちはほとんどの時間をどうやったらゲームを最大限に楽しめるかを推し量るために用いているところは同じだが、私たちは「私たちではない皆が楽しめるかについて」を知識と経験に基づいて推し量っているのだ。

 どうやったらマジックをもっと面白くできるか、に縛られていない時間の使い道の1つは、大きなマジックの大会(例えばプロツアーやプレリリース)へと足を運び、そこでテーブルに腰を据えてマジックというゲームへの参加者である全員に対し、相手を問わず挑戦状を叩きつけているのだ。これは、古き時代には「ガンスリンガー(銃の名手)」(註1)と呼ばれていた。

 最近では、私たちはより正確な名でこれを呼んでいる。
 そう「スペルスリンガー(呪文の名人)」とね。
(註1) ガンスリンガー
 1人のプレイヤーが次々と相手を変えて対戦し続けること。有名プレイヤーがいて、その人の前に一般プレイヤーが列を作って、次々と対戦を申し込ませてもらう、というような感じ。場の雰囲気的にはサイン会に似ているかもしれない。


スペルスリンガーは非常に難しい企画である

 私たちと対戦する試合を対戦相手にも楽しんでもらいたい、と私たちは思っている。

 通常、私たちがスペルスリンガーを行っている際には多くの観戦者がいるため、私たちはその観戦している皆も同じく楽しんでもらえるよう最大限の努力をする。

 しかし、それを何時間にも渡って行わなければならないというのがスペルスリンガーの特徴的な点だ。自身がそれを面白いと思っていなければ、良いショーを演じ続けることは非常に難しい。よって私たち自身も楽しめているかどうかというのは非常に重要なことだ。

 ありがたいことに、私たちは他の人にも楽しんでもらえるような試合を作ることにはすでになかなかの腕を持っており、自身が観衆であればそれはさらに容易い仕事となる。

 今日は、私たちが長時間のスペルスリンガーのセッションのあいだ、自分たちを楽しませ続けるいくつかのテクニックについて、紹介したいと思う。もし君がありふれたマジックに飽きてきているように感じられたなら、これらのテクニックのどれかを試してみてもいいかもしれない。


新しいカードを見せびらかしてみる

 私たちがプレリリースで楽しむために最も効果的な手段の1つは、新しいカードをプレイすることだ。

 これらのトーナメントに訪れる人々のスタンダードデッキにまだ新しいカードが入っていないことを私たちは知っており、それは不公平なアドバンテージにつながってしまう可能性がある。通常、人々は気にしない。なぜなら彼らは新しいカードが使われるのを見ることに興味津々だからだ。

 初日からFFL(註2)で最強だったデッキをこれみよがしに披露することはないが、一般のコミュニティが何らかの理由をつけて、ことさらに嫌うカードがしばしばあることを私たちは知っている。
(註2) FFL
 Future Future Leagueの略。発売前にその新セットのカードを使ったデッキを開発部内で戦わせてバランスを確認するリーグ。

 例えば《激戦の戦域/Contested War Zone》はあまり多くの人々を早い段階で熱狂させるようなことはなかった。これは分からないでもない、なぜならこのカードはかなり変なカードだからだ。しかし私たちはこれが十分に強いことを知っていた。

 開発部の同僚であるZak Hillは《激戦の戦域/Contested War Zone》を充填させた赤単カルドーサの再誕デッキをプレリリースに持っていく彼のデッキとして選んだ。報告によるとそのデッキは手軽に楽しめ、新しいカードをプレイしつつも良いショーを上演することができ、かつしばしば無防備な相手を4ターン目キルしたとのことだった。

 それ以外で、特定のカードが不必要に数ヶ月も敬遠される例もある。

 最近起きた例では《霜のタイタン/Frost Titan》だ。このクリーチャーはコミュニティの人々に間違いなく最も弱いタイタンだと揶揄されていた。私はこの評価を不当なものと感じたため、その後、いつでも機会があれば喜んで人々をタイタンで凍らせていた。

 勝利より敗北のほうがつまらないことは確かだが、人々は、同じ敗北なら目新しく予想外の角度から訪れるもののほうが楽しめるものだ、ということを私は発見した。不当に低く評価されているカードをプレイする、というのは皆を楽しませ続ける手段として私たちがとる中でも特に素敵なものだ。


お遊びの要素の入ったデッキを使う

 見せびらかせる新しいセットがないときであっても、今まで誰も見たことのないようなデッキをプレイすることは可能だ。

 私自身はそういったデッキを作れる職人ではないが、ここにはそういったメンバーがたくさんおり、そんな彼らがスペルスリンガーの卓の近くにいるときには、いつでもすぐに彼らのデッキを借りることにしている。

 今年の夏に行われたプロツアー・サンファンで私はいくつかのそういったデッキをプレイすることができた。また、そこでは、常なる発明の才をあふれ殿堂入りもしているアラン・カマーが、スペルスリンガーにゲストとして参加してくれた。

 彼は、いとも容易くお遊びの要素の入った最高のデッキを持ち込んできた。それは《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn》の入った「青黒《地獄彫りの悪魔》デッキ」だった。
Hellcarver Demon / 地獄彫りの悪魔 (3)(黒)(黒)(黒)
クリーチャー - デーモン(Demon)
飛行
地獄彫りの悪魔がいずれかのプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、あなたがコントロールする他のすべてのパーマネントを生け贄に捧げ、あなたの手札を捨てる。あなたのライブラリーの一番上から6枚のカードを追放する。あなたはこれにより追放された土地でないカードを、望む枚数だけそれらのマナ・コストを支払うことなく唱えてもよい。
6/6
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Hellcarver+Demon/

 このデッキの目的は、もちろん対戦相手を《地獄彫りの悪魔/Hellcarver Demon》で殴りつけ、手に入れた《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn》を唱えて相手を倒すことにある。

 それが目的ではあったが、ときどきは、4枚入っている《時間のねじれ/Time Warp》をまず1発撃ってから、次のターンにエムラクールにお出まし頂く、ということもあった。

 私が《地獄彫りの悪魔/Hellcarver Demon》を呼び出すのを見た対戦相手は誰も彼もが、一体全体何が起きるんだ、と怪訝な顔を浮かべ、私はそれで攻撃を成功させるたびに、デッキの上から1枚ずつ公開するという最高の瞬間を享受できた。

 スペルスリンガーで今までに最も楽しかった出来事の1つだ。

 普段のデッキ構築はこのように行われているわけではないが、次にイベントへ行く際には、クレイジーなデッキを作るのが得意な人たちにいくつかデッキの構築をお願いしてみようと画策している。


最善から1歩引いたデッキをプレイする

 スペルスリンガーで私たちが最強のデッキをプレイしない、というこの話を君たちにするのは決して論争の種をばらまきたいからではない。私たちにとってそれは現実的な譲歩にすぎないのだ。

 Mike Turian、Matt Place、Erik Lauer、Zac Hill、そしてDave Humpherysは、一度はプロツアーのトップ8に上り詰めたことがあるメンバーだ。私自身はそれを成し遂げたことがない。つまり、開発部の中心で1年半過ごしてきたという幸せを、最小限の競技マジックにおける実績で実現させたということだ。

 そうではあるが、私は少なくともグランプリのトップ8、グランプリのトップ16、そして5つのプロツアー予選の優勝に名前を刻んだことがある。統計的な話をすれば、私は大多数の人類よりもマジックが強いし、同僚の多くは私より疑いようもないほどに高いマジックのスキルを持っている。

 もし私たちが最善のデッキをプレイしたら、スペルスリンガーで相対する平均的なプレイヤーを遥かに上回るアドバンテージとなってしまう。スペルスリンガーの対戦相手がもしデッキの強さの差によるアドバンテージのせいで勝つ見込みがないような場合は、相手も私たちもお互いに楽しめやしないだろう。

 同様に私たちが気づいたこととして、ゲームという天秤を水平に保つためにわざと最善手を打たないというプレイングは、私たちのプレイを生で観戦できるという機会を丸ごと台無しにするものであり、私たち自身にとっても満足のいくものではないということだ。

 私たちも対戦相手も試合を楽しめるように保ちつつ、かつ皆にとってベストのショーを披露するために私たちは平均的なプレイヤーを蹂躙してしまわない程度にデッキのパワーレベルを弱める調整を行っているのだ。

 デッキのパワーレベルを弱める手段の1つとして私たちがとっているのは、トーナメント向けの構築デッキでは通常プレイされないようなカードを無作為に使ってみることだ。

 例えば、プロツアーのヴァンパイアデッキにはお目見えしないにも関わらず、あえてヴァンパイアデッキに《血の長の刃/Blade of the Bloodchief》と《蟲惑的な吸血鬼/Captivating Vampire》を入れてみたりする。

 これによって私たちのデッキの一貫性は減ずるが、ショーはより面白くなるし、私たちもまた観衆の前でプレイし続けるのを飽きずにすむ。
Blade of the Bloodchief / 血の長の刃 (1)
アーティファクト - 装備品(Equipment)
いずれかのクリーチャーが戦場からいずれかの墓地に置かれるたび、装備しているクリーチャーの上に+1/+1カウンターを1個置く。装備しているクリーチャーが吸血鬼(Vampire)である場合、代わりにそれの上に+1/+1カウンターを2個置く。
装備(1)
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Blade+of+the+Bloodchief/

Captivating Vampire / 蟲惑的な吸血鬼 (1)(黒)(黒)
クリーチャー - 吸血鬼(Vampire)
あなたがコントロールする他の吸血鬼(Vampire)クリーチャーは+1/+1の修整を受ける。
あなたがコントロールするアンタップ状態の吸血鬼を5体タップする:クリーチャー1体を対象とし、それのコントロールを得る。それはそれの他のタイプに加えて吸血鬼になる。
2/2
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Captivating+Vampire/

 私の同僚の多くが最善のデッキをプレイしたいという欲求を昇華させている中、私にはどうしてもそれが難しかった。

 私は、限りある制約の中で生み出される変数の最大値を求めるという挑戦に喜びを感じるし、それから逸れるということは自身のゲームに対する興味を失うことを意味している。

 そんな風に失敗であると分かりきっているデッキをプレイするくらいなら、自身のデッキ構築に追加ルールを設けてその制限下でどれだけ良いものを作れるかどうかと試すほうがずっと楽しいと気づいた。

 このアイデアの中でも特に私が好きなルールは、R&DのディレクターであるAaron Forsytheから頂戴したものだ。モーニングタイドが世に出たとき、彼は4枚入っている《目覚ましヒバリ/Reveillark》以外は1枚差ししかないというデッキを作った。
Reveillark / 目覚ましヒバリ (4)(白)
クリーチャー - エレメンタル(Elemental)
飛行
目覚ましヒバリが戦場を離れたとき、あなたの墓地にあるパワーが2以下のクリーチャー・カードを最大2枚まで対象とし、それらを戦場に戻す。
想起(5)(白)(あなたはこの呪文を、その想起コストを支払うことで唱えてもよい。そうした場合、戦場に出たときにこれを生け贄に捧げる。)
4/3
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Reveillark/

 そのデッキには、トーナメントレベルのヒバリデッキに入るような強いカードを除いたありとあらゆる《目覚ましヒバリ/Reveillark》と相性の良いカード(例えば《クローン/Clone》や《マーフォークの物あさり/Merfolk Looter》など)が入っていた。

 そのデッキは、対戦相手だけでなく私自身も驚かせてくれるようなカードでいっぱいだったおかげで、見ている人たちだけでなく披露している私にとっても楽しめる素晴らしいショーとなったのだ。

 私にとっては昔懐かしいホームグラウンドでもあるオハイオ州コロンブス、そこで開催された基本セット2011のプレリリースへスペルスリンガーのために旅立ったときに持っていたスタンダードのデッキこそが、私がAaron Forsytheから習った方法で初めて組んでみたデッキだった。

 私は非常に忙しかったため、デッキ構築に割ける時間はごくわずかだった。そのため私は構築するデッキを1つだけにすることにした。

 10時間ぶっ通しで遊んでも飽きないよう、そのデッキは使っていて楽しいものである必要があったので、私はバラエティに富んだデッキが欲しかった。さらには新しいカードをお披露目する必要もあった。

 これら全てを満たすために、私は4枚の《戦隊の鷹/Squadron Hawk》と4枚の《獣相のシャーマン/Fauna Shaman》以外は1枚差しという白緑デッキを組んだ。
Squadron Hawk / 戦隊の鷹 (1)(白)
クリーチャー - 鳥(Bird)
飛行
戦隊の鷹が戦場に出たとき、あなたはあなたのライブラリーから《戦隊の鷹/Sqadron Hawk》という名前のカードを最大3枚まで探し、それらを公開してあなたの手札に加えてもよい。その後、あなたのライブラリーを切り直す。
1/1
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Squadron+Hawk/

Fauna Shaman / 獣相のシャーマン (1)(緑)
クリーチャー - エルフ(Elf) シャーマン(Shaman)
(緑),(T),クリーチャー・カードを1枚捨てる:あなたのライブラリーからクリーチャー・カードを1枚探し、それを公開し、それをあなたの手札に加える。その後、あなたのライブラリーを切り直す。
2/2
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Fauna+Shaman/

 マナ基盤は少々不安定なものになっていた。

 マナ加速と複数の白マナを両方とも非常に必要とするデッキに《貴族の教主/Noble Hierarch》《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》《極楽鳥/Birds of Paradise》《東屋のエルフ/Arbor Elf》がそれぞれ1体ずつしか入っていないとそうなってしまうものだ。

 しかしこのデッキを使うのは最高に楽しく、私は25試合をこなしたあとですらまったく飽きがこなかった。

 私はこういった感じの縛りで作ったデッキを用意しておくのが好きだ。なぜならこれらのデッキはふらりと立ち寄ったゲームショップで使うときにとても楽しいからだ。

 この獣相のシャーマン・デッキはアラーラブロックがローテーションで落ちてしまったことで面白みを減じてしまったが、だからといって次のデッキを作れないということはない。

 以下が同じような縛りで作った最近のデッキだ。
ハイランダー的な戦隊の鷹デッキ/Nearly Singleton Squadron Hawk

メインデッキ

土地

1 《乾燥台地/Arid Mesa》
1 《天界の列柱/Celestial Colonnade》
1 《戦慄の彫像/Dread Statuary》
1 《進化する未開地/Evolving Wilds》
1 《氷河の城砦/Glacial Fortress》
1 《ハリマーの深み/Halimar Depths》
7 《島/Island》
1 《カビーラの交差路/Kabira Crossroads》
1 《湿地の干潟/Marsh Flats》
1 《霧深い雨林/Misty Rainforest》
6 《平地/Plains》
1 《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
1 《金属海の沿岸/Seachrome Coast》
1 《セジーリの隠れ家/Sejiri Refuge》
1 《地盤の際/Tectonic Edge》
1 《広漠なる変幻地/Terramorphic Expanse》

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計 27枚

クリーチャー

1 《霜のタイタン/Frost Titan》
1 《海門の神官/Sea Gate Oracle》
4 《戦隊の鷹/Squadron Hawk》
1 《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》
1 《太陽のタイタン/Sun Titan》
1 《宝物の魔道士/Treasure Mage》
1 《前兆の壁/Wall of Omens》
1 《ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine》
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計 11枚

その他の呪文

1 《取り消し/Cancel》
1 《糾弾/Condemn》
1 《審判の日/Day of Judgment》
1 《剥奪/Deprive》
1 《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》
1 《永遠溢れの杯/Everflowing Chalice》
1 《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》
1 《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》
1 《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》
1 《未達への旅/Journey to Nowhere》
1 《マナ漏出/Mana Leak》
1 《精神隷属器/Mindslaver》
1 《否認/Negate》
1 《失脚/Oust》
1 《定業/Preordain》
1 《漸増爆弾/Ratchet Bomb》
1 《呪文貫き/Spell Pierce》
1 《太陽の宝球/Sphere of the Suns》
1 《広がりゆく海/Spreading Seas
1 《冷静な反論/Stoic Rebuttal》
1 《肉体と精神の剣/Sword of Body and Mind》
1 《饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famine》
------------------------------------------------------------------
計 22枚

サイドボード

1 《悪斬の天使/Baneslayer Angel》
1 《天界の粛清/Celestial Purge》
1 《真心の光を放つ者/Devout Lightcaster》
1 《神への捧げ物/Divine Offering》
1 《瞬間凍結/Flashfreeze》
1 《乱動への突入/Into the Roil》
1 《コーの火歩き/Kor Firewalker》
1 《コーの奉納者/Kor Sanctifiers》
1 《レオニンの裁き人/Leonin Arbiter》
1 《精神壊しの罠/Mindbreak Trap》
1 《境界線の隊長/Perimeter Captain》
1 《ファイレクシアの再誕/Phyrexian Rebirth》
1 《真面目な捧げ物/Solemn Offering》
1 《太陽破の天使/Sunblast Angel》
1 《シルヴォクの生命杖/Sylvok Lifestaff》
------------------------------------------------------------------
計 15枚

 これはプロツアー・パリで成功を収めた「Caw-Go(もしくはCaw-Blade)」デッキを彷彿とさせる。しかし1枚差しという制限によって私はその他のデッキの中からも少しずつアイデアを拝借することが出来た。

 その一例はPatrick Chapinのプレイしていたテゼレットデッキから拝借してきた《宝物の魔道士/Treasure Mage》と《ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine》と《精神隷属器/Mindslaver》だ。

 こういったデッキを私が好きなのは、デッキ内のプレイされる全てのカードについて最小枚数しか入れていなくても多少の正当性を主張できる、という特別な点なのだと思う。

 私たちのオフィスから歩いて5分程度のところにある"カードとコミックのシェーン"という素晴らしいゲームショップへこのデッキを持っていく機会があった。

 その晩のフライデーナイトマジックはブースタードラフトだったが、スタンダードデッキを持っている人たちもたくさんいたため、対戦することができた。デッキは確かにハンデをおったものではあったが、それでも連勝記録を授けてくれるだけの強さは十分にあった。

 その勝利には《カルドーサの再誕/Kuldotha Rebirth》入りの赤単デッキ相手の2本先取の試合も含まれた。その試合ではサイドボードの《ファイレクシアの再誕/Phyrexian Rebirth》、《コーの火歩き/Kor Firewalker》、《境界線の隊長/Perimeter Captain》、《太陽破の天使/Sunblast Angel》、《天界の粛清/Celestial Purge》そして《悪斬の天使/Baneslayer Angel》が力を合わせてくれたおかげで2ゲーム目と3ゲーム目ととることができた。

 今週末のゲームデーで何かユニークなことに挑戦したいと思っているのなら、こんな感じに構築されたデッキを持ちこむことを検討してみてはいかがだろうか。

 勝利をお約束することはできないが、デッキの1番上から次々とめくられるサプライズからはたくさんの楽しさを得られること間違いなしだ。自分で作るかわりに私のデッキリストを丸ごとコピーしたからって怒ったりはしない。今週末に「ほとんどハイランダー」なデッキを使った感想を聞くことを楽しみにしているよ。

 次のプロツアーは6月に名古屋で行われる。

 私たちのうちの何人かはそこで呪文をぶっ放しているはずで、今回は私も名簿に載っているんだ!私と直接会うこれまでにないチャンスだから、もし本気でそうしたいと思っているなら、日本への旅行を計画することをオススメするよ。

 もしかしたら君とそこで会うかもしれないね!
(註) ハイランダー
 文中に何度か出て来た「ハイランダー」というのは、基本地形以外のカードは全て1枚制限としてデッキを組むこと。俗に言う「縛り」の一種。統率者戦/Commander(通称、EDH)のフォーマットもこの縛りがある。

余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 すでに金曜日にネタばれされてたけど、今週のテーマは「生体武器/Living Weapon」だった。水曜日くらいに「生きている武器がテーマなのかな」と少し考えたけど「いや、それだと月曜日のテゼレットがよく分からん」と候補から外してしまった。

 正しくはクリーチャー化するアーティファクトだったわけだ。なるほど、それならテゼレットさんの2つ目の能力が関係してくる。むしろ、なんで気付かないんだと頭を抱えるレベル。

余談2:《ボーラスの工作員、テゼレット/Tezzeret, Agent of Bolas》

 書いていいのか分からないけど、やっぱり書く。Card of the Dayで「どのようにしてテゼレットがボーラスの手下になったか知りたければ、ウェブコミックを読むといいよ(意訳)」と書いてあったからコミックを読んでみたけど、さっぱり分からんかった。

 まあ、正しくは「手下となるまでの物語の一部が紹介されているだけ」らしいので、分からなくてもしょうがないのかもしれないけど、でもやっぱりちょっとモヤモヤしたものが残った。

余談3:《カルドラの剣/Sword of Kaldra》

 マジック以外の話題になってしまうけれど、この《カルドラの剣/Sword of Kaldra》に関するネタを読んだときに思い出したのは、国産トレーディングカードゲームの雄、モンスターコレクションの「ジャッジメント」。

 応募者全員サービスのプロモーションカードで単体ではあまり強くないけれど、通常のエキスパンション側でカルドラシリーズのような「ジャッジメント用の装備品」がたくさん出ていた。学生時代によく遊んでたな、とか、そういえばジャッジメントデッキを頑張って組んでた後輩がいたな(そして弱かったな)とか、懐かしくなった。そんだけ。

余談4:《動く秘宝/Animate Artifact》

 日本語版の第4版は実在するはずなのに、どうしても「印刷時のカードテキスト」が見つけられない。ギャザラーでも、普段イラストを確認するのに使っているサイトでも、収録された版の選択肢の中に第4版がない。何か触れてはいけない情報にアクセスしようとしているんだろうか(んなわけない)。

余談5:ガンスリンガーじゃない、スペルスリンガーさ/Spellslinging

 今回はあまり意訳した箇所はない。ちょっと原点に戻って逐語訳寄りに訳してみることにしてみた。両サイドへ極端に振れる訳を繰り返すことで、逆にバランスの取り方も覚えられるかな、と。

 ただ当然だけどその分、ちょっと日本語としては自然でないかもしれない箇所が生まれてしまったので、反省の意味も込めて書き出してみる。なお、訳す際、特に頭をひねった箇所を太字にしてみる。
原文:
 That means that much of the time, we’re making educated guesses about what’s the most fun for everyone who isn’t us.

拙訳:
 何が言いたいかと言うと、私たちはほとんどの時間をどうやったらゲームを最大限に楽しめるかを推し量るために用いているところは同じだが、私たちは「私たちではない皆が楽しめるかについて」を知識と経験に基づいて推し量っているのだ。

 あらためて見たら(最初にあれだけ「意訳してない」とか書いてたのに)かなりの原文にない言葉を付け加えてた。ごめんなさい。だけど補わないと前文の「皆とは違って」という文が宙に浮いてしまう気がした。

 なお訳すのに困ったのは「Educated Guesses」。原文を読むと「ああ、そういう意味ね」とそのまま頭に入るんだけど、いざ日本語にしようとすると「Guess」と同じニュアンスの言葉がなかなか見つからない。いっそ「下衆(げす)」と訳そうかと思った(嘘です)。
原文:
 When we’re not occupied by making Magic fun, we sometimes travel to large Magic tournaments, like Pro Tours and Prereleases, where we sit down at a table and challenge any and all comers to games of Magic.

拙訳:
 どうやったらマジックをもっと面白くできるか、に縛られていない時間の使い道の1つは、大きなマジックの大会(例えばプロツアーやプレリリース)へと足を運び、そこでテーブルに腰を据えてマジックというゲームへの参加者である全員に対し、相手を問わず挑戦状を叩きつけているのだ。

 単純に、コンマで区切られた文が多くて大変だった。英語ってコンマ直前の単語をバケツリレーのように後ろへ回していく書き方が出来るけど、日本語だとそれが文頭に来てしまうので、同じ語順では訳せない。

 あと「any and all」の両方の単語を日本語に置き換えるのはやっぱり難しかった。一応「All = 全員」で「Any = 相手を問わず」に対応している……ような気がする。
原文:
 I enjoy the challenge of maximizing for variables under a set of constraints, and doing anything else can cause me to lose interest in what I’m doing.

拙訳:
 私は、限りある制約の中で生み出される変数の最大値を求めるという挑戦に喜びを感じるし、それから逸れるということは自身の対象に対する興味を失うことを意味している。

 多分、大きく間違ってはいないけれど日本語が固いというか不自然というか、本当に「ああ、これ外国語を訳したんですね」という文になってる。分かっててやってるんだけど、それでもムズムズする。

 Variableってプログラム用語でよく見るけど、こういうときにはどう訳すか、ちょっと迷った。そして諦めた。諦めたら試合終了だけど、諦めないと終了しないからしょうがない。
原文:
 I got to take this deck through its paces recently on a research visit to Shane’s Cards and Comics, a fantastic game store about five minutes from our offices.

拙訳:
 私たちのオフィスから歩いて5分程度のところにある"カードとコミックのシェーン"という素晴らしいゲームショップへこのデッキを持っていく機会があった。

 見ての通り、太字部分をごっそり無視して訳してある。どこで文章を切るのかがよく分からなくて、とりあえず訳を終わらせるためにばっさりと諦めたため。

 すでにコメント欄でGotchaさんが指摘してくれたとおり「私たちのオフィスから歩いて5分程度のところにある"カードとコミックのシェーン"という素晴らしいゲームショップを調査しに行くに際して、このデッキを試しに使ってみるため持っていくことが出来た」というような感じっぽい。

余談6:検索ワードに答えてみる その1

 たまに某ブログで見かける企画を、前々から自分でもやってみたいと思っていて、ようやっと検索ワードの件数が溜まってきたのを機に実行してみる。

2011年3月13日 18:09 集いし願い 英訳

 調べてみたところ「集いし願い」というカードは、アニメ版でのみ登場している遊戯王のカードらしい。Google先生に聞いてみたら、オフィシャルかどうかは分からないけれどとりあえず英文版のテキストが載っている以下のサイトを見つけたので紹介しておく。
 http://yugioh.wikia.com/wiki/Clustering_Wishes

2011年3月12日 12:44 クロウヴァクス マギカ

 わけが分からないよ。大体、すでに1万枚を超えるカードがマジックには存在しているというのに、そのうちのたった数枚に登場するクロウヴァクスという名前にそれほど執着すること自体、僕には理解できない。
 という冗談はさておき、ちょっとこれは何を期待されてるのか本当に分からなかった。ごめんなさい。

2011年3月11日 21:26 あなたはゾンビですか
2011年3月10日 11:45 あなたはゾンビですか
2011年3月9日 12:08 あなたはゾンビですか
2011年3月7日 20:41 あなたはゾンビですか


 なんでこんなに疑われてるんだろう。とりあえずゾンビかどうか診断してくれる「あなたはゾンビですか?」という診断メーカーを見つけたので紹介しておく。なお、試してみたところ「re-giantは『はい ゾンビの嫁です、こんな私でもいい?』です」という結果だった。
 http://shindanmaker.com/76183

2011年3月11日 0:19 これはゾンビですか mtg
2011年3月7日 16:04 これはゾンビですか? MTG
2011年3月7日 16:04 これはゾンビですか? MTG
2011年3月5日 11:25 mtg ゾンビ組合
2011年3月5日 11:25 mtg ゾンビ組合
2011年3月4日 15:29 【翻訳】このカードはゾンビですか?
2011年3月4日 2:48 このカードはゾンビですか?
2011年3月2日 20:41 ゾンビからのお手紙
2011年3月2日 17:21 このカードはゾンビですか?
2011年3月1日 5:27 このカードはゾンビ


 ここらへんの方々は多分お目当ての情報に辿りつけたんではないかと予想。ただ「ゾンビからのお手紙」は「探偵ナイトスクープ」でそういう題材の回があったらしいので、念のためにYoutubeに上がっていたその回の動画へのリンクを張っておく。
 http://www.youtube.com/watch?v=VyYzHh_tcas

2011年3月9日 14:28 this land is your land 和訳

 ゼンディカーについて扱ったDaily MTGの公式コラム「This Land Is Your Land」の和訳を探していて、公式訳があるのにこっちに来てしまったのか、とも思ったけど、多分違う。コラムのタイトルの元ネタであるフォークソング「This land is Your Land」の歌詞が知りたいとみた。以下のブログに和訳が載っていたので紹介しておく。
 http://debdylan1966.blog.so-net.ne.jp/2008-05-03

2011年3月10日 12:40 Invasion of the Body Snatchers 日本語版

 上記と同じく「Daily MTGの公式コラムのタイトル」の元ネタである映画を探している気がする。とりあえずAmazonでDVDが売っているようなので、紹介しておく。
 http://www.amazon.co.jp/dp/B001671JOW

2011年3月9日 17:26 タフネスがマイナスになったクリーチャー 巨大化 MTG
2011年3月9日 10:22 タフネスがマイナスの時に巨大化


 どういったカードの相互関係を気にしているのかが分からないと正確な回答ができないけど、とりあえずマイナス修整がターンエンド時までのものに対応して唱えるなら巨大化で救ってあげられるよ。すでにマイナスだったら状況起因効果で墓地送りなので無理。

2011年3月7日 21:54 time machineの作り方
2011年3月7日 21:54 time machineの作り方
2011年3月7日 21:54 time machineの作り方
2011年3月4日 13:52 タイムマシン 作り方
2011年3月4日 8:00 タイムマシンの作り方


 前にも書いた気がするけど、ここには載ってないってば。

2011年3月6日 13:52 2011 ライラックチャレンジ 全員点数

 札幌体操連盟の主催している新体操大会「ライラックチャレンジ」のサイトは以下のURL。点数については、ページの左メニューにある「成績一覧」から見られるみたい。
 http://sgf.ne.jp/challenge.html

2011年3月7日 21:58 4枚制限ルール ローズウォーター

 4枚制限を提案したのはMark Rosewater氏じゃなくて、Richard Garfield氏と一緒にマジックの黎明期から関わっていたSkaff Elias氏らしいよ。ソースは、以下のMTG Salvationにある「Skaff Elias」の項目。
 http://wiki.mtgsalvation.com/article/Skaff_Elias

2011年3月7日 22:51 マイアの溶接工 ルール
2011年3月7日 13:30 マイアの溶接工/Myr Welder
2011年3月5日 0:39 マイアの溶接工


 ミラディン包囲戦のFAQについては、MJMJ.INFOに和訳が置いてあるので、そちらを参照することをオススメする。トップページから左にあるルールの閲覧のメニューを選べば見つかるはず。
 http://mjmj.info/

2011年3月6日 13:31 マジック黒歴史

 公式サイトの記事ばかり訳しているこのブログに、黒歴史的なネタはないな。その手のネタは、すでに更新を停止して3年経つとはいえ、間違いなく以下のサイトが最強。
 http://79722.diarynote.jp/

2011年3月7日 13:37 privatesquare
2011年3月6日 11:33 privte MTG
2011年3月2日 3:43 privateSQUARE mtg
2011年3月2日 0:02 privatesquare


 こっちだよ↓。
 http://privatesquare.web.fc2.com

魂の悲鳴/Soulshriek - ミラージュ コモン
Soulshriek / 魂の悲鳴 (黒)
インスタント
あなたがコントロールするクリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで+X/+0の修整を受ける。Xは、あなたの墓地にあるクリーチャー・カードの枚数である。次の終了ステップの開始時に、そのクリーチャーを生け贄に捧げる。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Soulshriek/

 《魂の悲鳴/Soulshriek》の元々のカード名は《ダミアンの叫び/Damien’s Cry》であり、これはBill Rose(註1)の鳴きわめく猫が元ネタ(註2)だ。

(註1) Bill Rose
 開発部担当副社長であり、ミラージュのデザインチームのリーダー。

(註2) 猫
 ちょっと調べてみたけどよく分からない。Bill Rose氏の飼い猫の話?

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0311
ヴォルラスの要塞/Volrath’s Stronghold - ストロングホールド レア
Volrath’s Stronghold / ヴォルラスの要塞
伝説の土地
(T):あなたのマナ・プールに(1)を加える。
(1)(黒),(T):あなたの墓地にあるクリーチャー・カード1枚を対象とし、それをあなたのライブラリーの一番上に置く。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Volrath%27s+Stronghold/

 Duelist 23号(註1)によると《ヴォルラスの要塞/Volrath’s Stronghold》は「《ファイレクシアン・ドレッドノート/Phyrexian Dreadnought》の値と同じだけの数、つまり1ダースの《Polar Kraken》(註2)を収納しつつもサッカーをするのに十分なだけのスペースを確保できる」ほどの大きさがあるらしい。居住区だけに限った話でこれなのだ!

(註1) Duelist
 マジックを主に扱ったトレーディングカードゲーム専門誌 (1994年 創刊 ~ 1999年 41号)。
 創刊時の名前は、The Duelist。

(註2) 《Polar Kraken》
 とても大きい。その大きさを表しているフレイバーテキスト(註3)が一部で有名。

(註3) フレイバーテキスト
原文:
 "It was big. Really, really, big. No, bigger than that. It was big!"
 -Arna Kennerud, Skyknight

 拙訳:
 「それは大きかったわ。本当に、本当に、大きかった。違うわ、そんな程度じゃないの。
  それは大きかったのよ!」(註4)
 -飛空騎士、アーナ・ケネルッド

(註4) 大きかったのよ!
 フレイバーテキストの字体は基本的に斜体だけど、元のカードテキストでは最後の「big!」だけ斜体じゃない。おそらく強調のため。
 参考:http://magiccards.info/ia/en/89.html

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0311
ウルザのガラクタ/Urza’s Bauble - アイスエイジ アンコモン
Urza’s Bauble / ウルザのガラクタ (0)
アーティファクト
(T),ウルザのガラクタを生け贄に捧げる:プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーの手札を無作為に1枚選んで見る。次のターンのアップキープの開始時に、あなたはカードを1枚引く。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Urza%27s+Bauble/

  《ウルザのガラクタ/Urza’s Bauble》の元々のフレイバーテキストは「この余白の広さでは、この独創的なガラクタを表現し尽くすことは出来ない」というものだった。
 しかし結果としてそれはあまりに正確でありすぎた。
 カードに収まりきらなかったのだ。(註1)

(註1) 収まりきらなかった
 そのようなわけで、実際の《ウルザのガラクタ/Urza’s Bauble》にはフレイバーテキストが無い。以下、参照のこと。
 http://magiccards.info/ia/en/318.html

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0311
Rashka the Slayer - ホームランド アンコモン
Rashka the Slayer (3)(白)(白)
伝説のクリーチャー - 人間(Human) 射手(Archer)
到達(このクリーチャーは飛行を持つクリーチャーをブロックできる。)
Rashka the Slayerが1体以上の黒のクリーチャーをブロックするたび、Rashka the Slayerはターン終了時まで+1/+2の修整を受ける。
3/3
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Urza%27s+Bauble/

 イラストレーターのクリストファー・ラッシュは、《Rashka the Slayer》のイラストの担当を希望した。「私は《Baron Sengir》が良かったんだけど、すでに彼はとられてしまっていたので、彼を殺そうとしているキャラクターを描くことにしたんだ」とDuelist7号で説明している。

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0311
ドワーフ戦士団/Dwarven Warriors - 第5版 コモン
Dwarven Warriors / ドワーフ戦士団 (2)(赤)
クリーチャー - ドワーフ(Dwarf) 戦士(Warrior)
(T):パワーが2以下のクリーチャー1体を対象とする。このターン、それはブロックされない。
1/1
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Dwarven+Warriors/

  《ドワーフ戦士団/Dwarven Warriors》の元々のコンセプトでは、彼らはトンネルを掘ることで小さなクリーチャーに敵の防衛線を突破させることが出来る《ドワーフ鉱夫/Dwarven Miner》(註1)になるはずだった。
 しかしイラストには普通の鉱夫が身に付けるにしては少々いかめしすぎる鎧が描かれていたため、昇進することとなった。

(註1) ドワーフ鉱夫/Dwarven Miner
 文中ではあくまで仮の名前として書かれているが、その後、ミラージュで本当に登場している。3マナ+タップで特殊地形を破壊できる。

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0311
 Lost in the Shuffle(今は亡きトレーディングカードゲーム専門誌、The DuelistでRichard Garfieldが書かれていた連載コラム)で1994年に書かれたコラムで、公式ルールにある多人数線のヴァリアントの1つ、大乱闘戦/Grand Meleeについての記事があり、それが2011年03月にDaily MTGで再掲載された。

 とあるコンベンションで行われた、世界初の大乱闘戦/Grand Meleeの詳細らしい。通常のマジックの試合では見られないような出来事が色々起きていて面白かったので紹介してみる。

シャッフルの中で:大乱闘戦/Lost in the Shuffle: Grand Melee
2011年03月14日
元記事:http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/feature/134

 Daily MTGが生まれる前、MagicTheGathering.comが生まれる前、そしてインターネットが生まれる前、そこにはマジックや他のゲームについて取り扱ったThe Duelist(註1)という雑誌があった。
(註1) The Duelist
 主にマジックを扱ったトレーディングカードゲーム専門誌(1994年 創刊~1999年 41号)

 The Duelistで定期的に掲載されていた記事の1つにマジックの生みの親であるRichard Garfield氏による Lost in the Shuffle があった。これはマジックに限らず世に生まれ出た様々なトレーディングカードゲーム全般について思いを巡らせているゲームデザイナーの日記のようなものであり、言い換えればゲームやゲームデザインに興味のある人全員にとってかけがえのない資料でもある。

 ゲームの始まったばかりの頃を振り返るのはいつだって楽しい(実のところ、どんなものでもその起源を探ることは面白い)。なぜなら、一見したところ無計画に生み出されたようなアイデアのうち、いくつかのアイデアはその後も継続し(例えばエキスパンションのリリースとか)、他方でいくつかのアイデアは脇へ寄せられてしまうことになった(アンティ(註2)を思い出すね)。
(註2) アンティ
 最初期にあった公式ルールの1つ。ゲーム開始前に山札の一番上を公開しそれを賭け札とする遊び方。賭け札となったカードはゲーム中に用いることは出来ない。
 フェイクアンティと言って、めくるだけめくるけど実際には所有権を移動させないという遊び方もあった。
 いずれにせよ、このルールのせいでデッキにキーカードを1枚しか入れてないとゲーム開始前に負ける危険性があった。今考えるととんでもない話だ。

 そういったアイデアの中で今なお継続しているにも関わらず、ごくたまにしか行われていない、とあるものが初めて世に出たときのことについて今回の記事は語っている。

 そう、大乱闘戦/Grand Melee(註3)だ。
(註3) 大乱闘戦/Grand Melee
 公式ルールで定められている多人数戦のフォーマットの1つ。10人以上で行われ、同時に複数のターンを進行させるという豪快な試合。

 細かい説明で君たちを退屈させるつもりはない。なぜならガーフィールド博士が以下で説明しているルールは今現在の大乱闘戦/Grand Meleeのルールと驚くほどに近いからだ。

 ともかく重要な点は、大乱闘戦/Grand Meleeは理論上どれほどの人数であっても一緒に参加させることが出来る大規模なマジックの1試合であり、かつ複数のターンが同時に進行するということだ。この壮観な試合はインディアナポリスで開催されているゲームコンベンションGen Con(註4)でも何度か行われたことがある。
(註4) Gen Con
 北米最大のゲーム大会の1つ。紙とペンを使うRPG、カードゲーム、ボードゲーム、ミニチュアゲームなどを4日間ぶっ通しで遊ぶコンベンションらしい。公式サイトによると今年は08/04~08/07に開催を予定している。
 公式:http://www.gencon.com/

 ガーフィールド博士の物語は、1994年に開催された小規模のローカルなコンベンションであるRadCon(註5)で行われた、一番最初の大乱闘戦/Grand Meleeについて語っており、この記事によって様々なことが明らかにされている。

 このフォーマットの始まりについて、また試合が生み出した諸々の印象的なシーン(と、たびたび発生したルール上の悪夢)について、そしてガーフィールド氏が多人数プレイの面白い点と危険な点についての考察などだ。
(註5) RadCon
 SFとファンタジーとゲームに関するコンベンション。今年はワシントン州のパスコで02/17~02/19にかけて開催された。公式サイトによるとすでに2014年まで会場は押さえてあるらしい。
 公式:http://www.radcon.org/

 最近の大乱闘戦/Grand Meleeについてはこことここ(註6)で読むことが出来る。もし君が最新のルールについて知りたいならば、ルールページへ飛べば総合ルールをダウンロードすることも出来る(これを紹介するのは自信がないからじゃないよ!)。総合ルールには大乱闘戦/Grand Meleeとその追加ルールについて全て載っている。

 楽しんでくれ!

Kelly Digges
Daily MTG 編集部
(註6) こことここ
 原文ではそれぞれ以下の記事へリンクが張られている。

 ・2007年08月 The Way of the Melee
  http://www.wizards.com/Magic/magazine/Article.aspx?x=mtgcom/daily/bd292
 ・2008年08月 Gen Con 2008
  http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/daily/feature/472a


シャッフルの中で:大乱闘戦/Lost in the Shuffle: Grand Melee
Richard Garfield
1994年
元記事:http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/feature/134

 マジックザギャザリングが発売されたとき、多人数で遊ぶためのルールは公式には発表されなかった。そのため多くの非公式なバリエーションが生まれることとなった。その中のいくつかは「ポケットプレイヤーズガイド」(註7)に紹介されている。

 これらの中でも特に素晴らしいものは、私がMelee Magicと呼ぶようになったバージョンだ。

(註7) ポケットプレイヤーズガイド
 1994年に発売された、マジックの最初の公式ガイドブック。「マジック:ザ・ギャザリング公式ガイドブック ポケットプレイヤーズガイド日本語版」として1996年に日本語版も出ている。
 Amazon:http://www.amazon.co.jp/dp/4894251019
 なお、記事では以下のURLへリンクが張られている。
 http://www.goodreads.com/book/show/1037494.The_Pocket_Players_Guide_for_Magic

 デザインの段階から対策しているのでもない限り、往々にして多人数で遊ぶゲームは同じ問題に直面することになる。

 グループで遊ぶゲームではプレイヤーたちはチームを作ろうとする。もちろん、これが問題だと思う人はあまりいないが、これによってゲームの趨勢を分けるものが交渉の上手さとなってしまい(私と同じくらいディプロマシー/Diplomacy(註8)を遊んだことがある人なら分かるだろうが)プレイヤーは和合するようになり戦略は予測しやすいものとなる。

 これは特に君のとる行動がどのプレイヤーにも同等に影響を与える場合に顕著となる。多人数ゲームの一部は、プレイヤーが攻撃時にとれる選択肢を制限することでこの問題に対処している。

 例えばコズミックエンカウンター/Cosmic Encounter(註9)では、毎ターン、カードを引くことで防御側プレイヤーを無作為に決定している。またディプロマシー/Diplomacyでさえも侵略先はその地理的な位置関係によって効果的に制限されている。
(註8) ディプロマシー/Diplomacy
 半世紀以上の歴史を持つ、ヨーロッパを舞台にしたボードゲーム。カードやサイコロといったランダム要素が皆無で、ほぼプレイヤー同士の「外交」のみでゲームが進むらしい。

(註9) コズミックエンカウンター/Cosmic Encounter
 1981年に発売されたボードゲーム。それぞれ特殊能力を持った異星人となって植民地の争奪戦をするゲーム。日本語版も出ているらしいけど見たことない。

 2つ目の問題点は、攻撃側に回るようプレイヤーにやる気を出させられるかどうかにある。

 攻撃的な行動をとった際、関わったプレイヤーたちに損失を強いるようなゲームは、往々にして最も目立たないようにしていたプレイヤーが勝利してしまう。これが勝利のカギでは面白いゲームになるわけがない。

 この現象への対策として、いくつかのゲームでは攻撃的なプレイによって利益を得られるようになっている。例えばリスク/Risk(註10)ではプレイヤーは軍備の増強に使えるカードを報酬として得られる。
(註10) リスク/Risk
 世界地図上で互いの軍隊を戦わせて領土を奪い合うボードゲーム。舞台をヨーロッパに限ったものや、指輪物語の世界を題材にしたものなど、多くのバリエーションがあるらしい。

 マジックのおける多人数プレイのバリエーションの多くで、私はこれら両方の問題点に苦しめられた。

 特に言っておきたいのは、プレイヤーは他の誰でも攻撃できて最後に生き残ったものが勝利者となるというマジックのバリエーションはあまり好きではない、ということだ。

 なぜならそうすると不均衡なチーム分けを推奨することとなり、また保守的なプレイングが恩恵を受けることになってしまう。しかしMelee Magicではこれらの問題点を解決することに成功し、また非常にたくさんの人数が同時に遊ぶことも可能にした。

     ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 プレイヤーは左右の両サイドに他のプレイヤーが来るように座る。各プレイヤーは自分の左側に座っているプレイヤーへ向けてのみクリーチャーをアタックさせることが出来る。

 全ての魔法の効果は2人分離れた距離までしか射程をもたない。《黒の万力/Black Vise》や《生命のタップ/Lifetap》のように対戦相手を参照する呪文は、唱える瞬間にその呪文の効果の及ぶ範囲にいる(2人分の距離内の)対戦相手の中から選ぶことになる。

 その後、対象としたプレイヤーを変更することはできず、もしそのプレイヤーがゲームから除外された場合はその呪文も捨て札となる。「両方の」や「全ての」プレイヤーを参照とする全ての呪文は、唱えた本人と左隣の2人と右隣の2人に効果を及ぼす。

 左隣のプレイヤーがゲームから除外された場合、君は1点の勝利ポイントを得る。また生き延びた場合は0.5点の勝利ポイントをを得る。

 注意して欲しいのは、君の左隣のプレイヤーが、その他のプレイヤーの《稲妻/Lightning Bolt》によって引導を渡された場合であっても君にポイントが入るということだ。

 もしアンティを賭けて遊んでいる場合は、左隣のプレイヤーがゲームから除外されたときにそのプレイヤーのアンティカードを得ることが出来る。これは、たとえ君がそのプレイヤーと同時に死んでしまった場合でも得られるが、アンティカードを失わずに済むのは最後まで生き残ることが出来た場合のみだ。

 追記しておくと、プレイヤーがゲームから除外された場合、そのプレイヤーのカードやトークンは全てゲームから除外される(ただし永続的な効果を持つ奇妙なインスタント(註11)たちの効果は残る。例えば《魔法改竄/Magical Hack》や《死の色/Deathlace》などだ)。

(註11) インスタント
 原文ではInterrupt。今は無きカードタイプの1つ。当時は永続的な書き換えが基本的にこのインタラプト呪文にしか存在しなかった。

 念のために書いておこう。

 3人もしくは4人でプレイした場合は生き残ったプレイヤーが勝利者となるが(註12)、もしゲームを続けて遊び点数を累計していく場合には、生存によるポイントも多少の違いは生むとはいえ、他のプレイヤーをもっとも倒したプレイヤーこそがもっとも大きな累計ポイントを積み上げることになるだろう。プレイに大きな違いが生じることになるため、自然と試合ごとに席順を変えたくなってくるはずだ。
(註12) 3人もしくは4人でプレイした場合は生き残ったプレイヤーが勝利者となる
 3人で遊ぶ場合は確かにそうだが、4人で遊ぶ場合は必ずしも「生存者=勝利者」とはならないような気がする。
 例えば、ABCDと並んでいて「B、A、C」の順にプレイヤーが敗北した場合、生存者は「D」だが、獲得ポイントは「A=0点、B=0点、C=2点、D=1.5点」となる。

 席の並べ方と呪文の射程範囲によって、Melee Magicは複数のプレイヤーが同時にターンを進行させることが可能となる。これは、なぜかというと、右か左へ3人以上離れたところに座っているプレイヤーへはどうせ君の呪文が届かないためだ。

 このため、全体の3分の1(端数切捨て)の人数のプレイヤーは同時にターンを進行させることが出来る。これらのプレイヤーが全員行動を終了した時点で、彼らの左隣にいるプレイヤーへターンが移る。これによって同じゲームに参加する人数に制限をかけることなく、常識的な時間内に試合を終えることができる。

 もっとも、同時進行のプレイはゲームの時間を早めることはできるが、それは同時により多くの人数のジャッジを必要とすることになる。なおある一定数のプレイヤーがゲームから除外されるたび「ターン」もまた減少し、同時にジャッジも減らされる。

 世界初の大乱闘戦/Grand Meleeが行われたのは、ワシントン州のリッチランドで開催された小さなSFコンベンション、RadConにおいてだった。これはおそらく世界でそれまでに行われた中でも最も大規模なカードゲームの試合だったであろうし、あの時点では間違いなく世界で最大のマジックの試合だった。

 この大乱闘戦/Grand Meleeは、参加者40人のMelee Magicで、13人のジャッジが、ゲーム開始時にターンの所有権を持っていた13人のプレイヤーの背後それぞれついていた。

 プレイヤーが3人ゲームから除外されるごとにジャッジ1人も除外された。参加者数が減るたびにテーブルの数も減らされた。これまたこのフォーマットにしか見られない特別な点だ。

 このイベントの凄さが君たちに伝わるよう、ここに「40人の参加者と13人のジャッジが多数のテーブルを囲んでいる図」(註13)を用意してみた。
(註13) 40人の参加者と13人のジャッジが多数のテーブルを囲んでいる図
 元記事のイラストを参照のこと。妙に味のあるスケッチが載っている。
 http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/feature/134

 なかなか壮観なものだろう? 試合会場をこのような形にセットアップした理由は、会場にあった全テーブルを使い果たす羽目になったからだ。

大きな数字が珍しくないこの時代、40というのは大した数字ではないように思えたが、試合のための準備を整えたくさんのプレイヤーたちがやってくるのを見ているとき、私は横にいたSnarkに「40人で試合したら面白いんじゃないだろうかとか私が言い出した時点で、なんで君は私の口をふさいでくれなかったんだ」と尋ねた。

 しかし、その晩ぐっすり寝て、次の日に余韻に浸る頃には、後悔など一切なかった。

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 プレイヤーがゲームから除外されるごとに、そのプレイヤーの右隣に座っているプレイヤーはブースターパックと1勝利ポイントを手に入れた。

 さらに最もたくさんポイント獲得したプレイヤーには優勝賞品が用意されており、それは7つの撃墜数をあげたHoi Nguyenへ手渡された。2位の賞品を手にしたのはAlで、彼の撃墜数は6つだった。

 特別賞を与えられたのはJoelで、彼はこの大乱闘の最後の生存者であった。

 この競技では生き残ったプレイヤーにも何らかの賞を与えたほうが良いだろう、と私たちは考えている。最後に残った数人のプレイヤーたちが試合を放り出さず、やる気を失わないで勝ちへ向かいたくなるようにするためだ。

 ただし、単に生存した者が勝利者であってはならないというのは重要な点だ。このようなフォーマットに40人のプレイヤーが全員とも「お前らは殺しあえ、俺は生き延びる」デッキを持ち寄るところなど想像しただけで寒気がする。

 この試合は大体5時間ほどかかった。このサイズのトーナメントにかかる時間としては普通の長さだ。

 通常ではお目にかかれないような、見ているだけで楽しいことがよく起きた。

 試合会場の一部では、こう着状態に陥りクリーチャーたちはただ突っ立っているだけで、その一方、他の戦場では呪文があちらこちらへ飛び交う中でアタックが時計回りに発生し、プレイヤーはそのターンの防御をがら空きにしつつ攻撃を行っていた。

 呪文の射程範囲というルールがいくつかの興味深い効果を生み出していた。何しろプレイヤーたちはすぐ隣のプレイヤーだけを相手にしているわけにはいかなかったからだ。

 苦悶の叫びがいくつも上がったのは、あるプレイヤーが《天秤/Balance》を唱えた瞬間だった。その厄災は合計5人のプレイヤーを巻き込んだのだ。唱えたプレイヤーがどうなったかは知らないが、範囲内にいた中の2人はゲームの勝者たちであるHoiとJoelだった。
Balance / 天秤 (1)(白)
ソーサリー
各プレイヤーは、コントロールする土地の数が最も少ないプレイヤーがコントロールする土地の数に等しい数だけ、自分がコントロールする土地を選ぶ。その後、残りを生け贄に捧げる。同じ方法で、各プレイヤーはカードを捨て、クリーチャーを生け贄に捧げる。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Balance/

 またプレイヤーA、B、C、Dと並んでいるときに起きた一連の出来事は以下の通りだ。

  1. 「A」が「C」に《分解/Disintegrate》を唱えた。
  2. 「D」がその《分解/Disintegrate》を《魔力消沈/Power Sink》しようとした。
  3. 「C」がその《魔力消沈/Power Sink》を《魔力消沈/Power Sink》した。

 その結果どうなったかというと「B」が勝利ポイントを得たのだ! おそらくこのような相互作用が実際にはかなり数で発生していたのではないかと思われる。
Disintegrate / 分解 (X)(赤)
ソーサリー
クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。分解はそれにX点のダメージを与える。このターン、そのクリーチャーは再生できない。このターン、そのクリーチャーが墓地に置かれる場合、代わりにそれを追放する。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Disintegrate/

Power Sink / 魔力消沈 (X)(青)
インスタント
呪文1つを対象とし、それをそれのコントローラーが(X)を支払わない限り、打ち消す。支払わなかった場合、そのプレイヤーは自分がコントロールするマナ能力を持つすべての土地をタップし、自分のマナ・プールを空にする。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Power+Sink/

 しかしこのような遠距離にいる対戦相手への妨害が思惑通りにいかないケースもちらほら見られた。

 あるプレイヤーが私に教えてくれたことによれば、彼は2人分離れた距離に入るプレイヤーを排除しようと全てをつぎ込んだらしい。

 その理由は相手が《因果応報/Karma》によって彼を真綿で首を絞めるようにじわじわと殺そうとしていたからだが、彼を排除した結果、そのさらに隣にいたプレイヤーが《因果応報/Karma》を2枚出していたという事実が判明しただけだったそうだ。

 がっかりだね!
Karma / 因果応報 (2)(白)(白)
エンチャント
各プレイヤーのアップキープの開始時に、因果応報はそのプレイヤーに、そのプレイヤーがコントロールする沼(Swamp)の数に等しい点数のダメージを与える。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Karma/

 私たちはしばしばプレイヤーが彼をアタックしている相手のプレイヤーに回復魔法をかけているのを見かけた。その相手が死んでしまうことでより凶悪な対戦相手が射程範囲内に入ってしまうのを避けるためだ。

 あるプレイヤーは赤いクリーチャーの大群を指揮していたが、その左隣のプレイヤーは《赤の防御円/Circle of Protection: Red》を持っていた。防御円を持っているプレイヤーよりも下流にいるプレイヤーたちはそれが壊されないよう細心の注意を払っていた。なぜなら彼らにはその赤い大群に対する適切な守備隊を持っていなかったためだ。
Circle of Protection: Red / 赤の防御円 (1)(白)
エンチャント
(1):このターン、あなたが選んだ赤の発生源1つが次にあなたに与えるすべてのダメージを軽減する。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Circle+of+Protection%3A+Red/

 ゲームも中盤に入った頃に均衡が崩れ始めたのは、あるプレイヤーがドワーフ(註14)を使って、自身の左側にいるプレイヤーたちの騎士たちをアンブロッカブルにしたときだった。

 これにはたくさんのプレイヤーたちが犠牲になり、ついに誰かがドワーフどもに《火の玉/Fireball》を撃ち込み墓地送りにしたときは大きな喝采が上がった。
(註14) ドワーフ
 以下の《ドワーフ戦士団/Dwarven Warriors》のこと。
Dwarven Warriors / ドワーフ戦士団 (2)(赤)
クリーチャー - ドワーフ(Dwarf) 戦士(Warrior)
(T):パワーが2以下のクリーチャー1体を対象とする。このターン、それはブロックされない。
1/1
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Dwarven+Warriors/

 カードの効果でコントローラーがかわることはよくあることだ。

 ふらふらとテーブルをさまよう《ガズバンのオーガ/Ghazban Ogre》がいた。毎ターンそいつは左右2人のプレイヤーを含めた中で一番ライフが多いプレイヤーの元へ移動していた。
Ghazban Ogre / ガズバンのオーガ (緑)
クリーチャー - オーガ(Ogre)
あなたのアップキープの開始時に、いずれかのプレイヤーが他の各プレイヤーよりも多いライフを持つ場合、その最も多いライフを持つプレイヤーはガズバンのオーガのコントロールを得る。
2/2
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Ghazban+Ogre/

 Hoiの《蜂の巣/The Hive》は、《秘宝奪取/Steal Artifact》などの効果のせいでゲーム中に3~4人のプレイヤーのあいだでコントロールが5回も移動した。
The Hive / 蜂の巣 (5)
アーティファクト
(5),(T):《ワスプ/Wasp》という名前の、飛行を持つ無色の1/1の昆虫(Insect)アーティファクト・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。(それは飛行や到達を持たないクリーチャーによってはブロックされない。)
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/The+Hive/

Steal Artifact / 秘宝奪取 (2)(青)(青)
エンチャント - オーラ(Aura)
エンチャント(アーティファクト)
あなたは、エンチャントされているアーティファクトをコントロールする。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Steal+Enchant/

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 ゲームの終盤は非常に見ていて楽しいものだった。その頃には参加者の輪は3~4人にまで縮んでおり、全プレイヤーともに十分な陣営が築かれていたためだ。

 各プレイヤーの戦略はすでにテーブルに公開されており、引きの強さよりもデッキデザインの腕とプレイスキルの方がずっと重要になっていた。

 それはまるで、多くの敵を打ち負かしつつその敗者たちの屍を越えて自身の軍団を遥かな地まで率いてきた軍司令官たちが、1つの大きな戦乱の果てについに相まみえたのを見ているかのようだった

 Melee Magicは今まで見てきた他のどんなフォーマットともまったく違った印象を受けた。

 多くの場合、トーナメントの最終盤の戦いは熱気あふれるものだったが、それらはときに片方のプレイヤーが数回の悪い引きを見せることで退屈なものになってしまった。

 大乱闘戦/Grand Meleeではもしプレイヤーが土地ばかり引いてしまった場合は早々と退場することになる。しかしあるプレイヤーは土地を1枚も引けなかったにも関わらず10ターンほど生き延びた。

 生き延びたプレイヤーたちというのは、傷だらけにそして穴だらけになりながらも、ときに卑屈にときに大胆にふるまい、なおも戦場に踏みとどまった。彼らは全身全霊を尽くしてぶつかりあった。大量の土地を抱えて、大量の兵士を配備した。

 試合はあまりに大きすぎ、1人のプレイヤーがその全体を見通すことなど出来なかった。

 実際のところ、勝者と敗者の差とは、プレイヤーたちのいる戦場が新たな局面を迎えるたびに、その手の届く限られた範囲の動静をどれだけ早く把握しきることが出来たかどうか、であった。

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 大乱闘戦/Grand Meleeを開催してみたいと思った人たちに、いくつかの提案と警告の言葉を送りたい。

 おそらく時間制限は必須となるだろう。なぜならプレイヤーたちは状況を把握するのに非常に長い時間を費やしてしまうかもしれないからだ。しかし私たちがRadConで採用した「1ターン、2分」の制限は、戦闘のあとでソーサリーを使おうとしたプレイヤーたちを苦しめた。戦闘がひどく長引いたからだ。

 またジャッジの移動と離脱(註15)については両方ともゲーム開始前にきちんと決めておくべき点だ。
(註15) ジャッジの移動と離脱
 ターンが移る際のジャッジが隣のプレイヤーの後ろへ「移動」することと、人数が減った際の必要数以上のジャッジが「離脱」すること。

 RadConではジャッジの移動をスムーズに行うことはなかなか難しかった。全員がターンを終えたかどうかを確認することが困難だったためだ。私たちの場合、最初は手をあげることでそれを示そうとしたが、途中からはウィザーズのメンバーが作ってくれた旗を用いることにした。そうしてさえ、観戦者の人ごみがジャッジの視認を妨げた。

 また各プレイヤーが近くのプレイヤーたち、つまり呪文の届く範囲にいる両サイドの2人ずつ、およびさらにその1つ隣にいるプレイヤーたちを観察できるかどうかも重要だとわかった。

 これは、試合を進行させる私たちにとっては資材配置の問題となった。

 どういうことかと言うと、試合時間の一部は、プレイヤーにカードを別のテーブルに移してもらうのに費やすこととなったのだ。これは、プレイヤーたちが常に互いを視界内に収めることができるよう、プレイヤーが脱落するごとにテーブルを減らすためだった。

 最後に付け加えておくこととしては、もしプレイヤー(そのすぐ右がターンを終えたばかり)のあとを追ってジャッジが抜ける場合、次にジャッジを後ろにつけるプレイヤーは3つ右にいるプレイヤーとなる。これが何を意味するかというとジャッジが最初のプレイヤーに戻るまでにそれぞれが新たなターンを得るということだ。(註16)
(註16) この段落全体について
 原文が論理クイズのようになっているので訳が正解かどうか自信がない。
 念のため、以下に原文を載せておく。

原文:
 Finally, if a judge was dropped after a player to a player’s right finished a turn, then the next judge back would be three players to the right-meaning each of them got another turn before the judge got to the first player.

 これによってジャッジが1人抜けるたびに、1人ないし2人のプレイヤーは1ターンを失うということになる。ゲームの終盤、これは重要な点となる。ときにはターンの開始時に悪いニュースが飛び込んでくるということだ。

 これらの問題点を加味しても、RadConで開催された大乱闘戦/Grand Meleeは大成功だった。

 たくさんの人たちが同じようなイベントを他のコンベンションでも見たいと望んでおり、私もそれを薦めたい。なお、私たちがまたこれを開催することがあれば、事前にギネス記録を確認しておいて記録更新を狙ってもいいかもしれないと思っている。
余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 今週のテーマは「元々は~だった」という感じかな、と思ったけど、それだと火曜日の《ヴォルラスの要塞/Volrath’s Stronghold》だけがそぐわない。

余談2:《ヴォルラスの要塞/Volrath’s Stronghold》

 注釈がほとんど文中に出てきた別のカードである《Polar Kraken》の話になってしまった。さらに余談として、アングルードの《B.F.M.(Big Furry Monster)》のフレイバーテキストは《Polar Kraken》のフレイバーテキストをパロディ化したもので、ここでまた飛空騎士アーナ・ケネルッドが、自分が見たものがどれだけ大きかったかを説明している。

余談3:《Rashka the Slayer》

 《Baron Sengir》を殺そうとしているらしく、「地上クリーチャーなのに飛行をブロックできる」だったり「黒クリーチャーをブロックするたび+修整を得る」だったりしているけど、5/5の《Baron Sengir》をブロックしても結局は4/5までしかパンプされない。
 不思議、というか、かわいそう。

余談4:《ドワーフ戦士団/Dwarven Warriors》

 コメント欄でも指摘があったように、ブロック不可にするというのは赤より青っぽい気がしたけど、よくよく考えると赤にもブロックできなくなる効果がたくさんあったな、と思い出した。

 さらにブロックを阻害する効果は大体どの色にもあり、それぞれの色ごとに「色の特色」が表されている。

 赤は「勢いと迫力で相手が恐慌状態に陥りブロックできなくなる」。黒は「恐怖で相手を縛り付けてブロックさせなくできるが、精神を持たないアーティファクト・クリーチャーや同じ世界に属する黒クリーチャーには効かない」。青は「相手は関係なく、工夫や技術をこらすことで自身をブロックさせなくする」。白は専守防衛の精神のため「攻めは基本的に正攻法で、ブロックする技術(1体で複数体をブロックできる)にむしろ長けている」。

 緑の「ブロックされてもダメージは通す」ってのはなんなんだろう。トランプルに長けているから、それを向上させたものと考えればいいのかな。

余談5:日常というか非日常

 落ち着いたかに見えていた中東がまた騒がしくなってきたせいで、また住処を移動する羽目になった。そのせいで色々と時間やネットワークの自由がききづらい状態。

 訳したい記事があるんだけどなかなか進んでない。出来れば今日明日には訳し終えて、先週の土曜日の記事として突っ込んでしまいたい。

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