拘引/Arrest - ミラディンの傷跡 コモン
Arrest / 拘引 (2)(白)
エンチャント - オーラ(Aura)
エンチャント(クリーチャー)
エンチャントされているクリーチャーは攻撃もブロックもできず、その起動型能力を起動できない。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Arrest/

 ミラディンの傷跡に収録されている《拘引/Arrest》のイラストはミランの都市の1つである刃砦/Bladeholdが舞台となっている。この刃砦/Bladeholdについてもっと知りたければミラディンのサイト(註1)にあるリアの報告書を読めばいい。このミラディンのサイトにはミラディン軍とファイレクシア軍との戦いが記録されている。

(註1) ミラディンのサイト
 原文では以下のURLにリンクが張られている。ミラディン軍とファイレクシア軍の戦争の記録がミラディン世界のキャラクターたちの視点から語られている。
 http://www.wizards.com/magic/mirrodin/#blogs

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0312
正義の命令/Decree of Justice - スカージ レア
Decree of Justice / 正義の命令 (X)(X)(2)(白)(白)
ソーサリー
X個の白の4/4の飛行を持つ天使(Angel)クリーチャー・トークンを戦場に出す。
サイクリング(2)(白)((2)(白),このカードを捨てる:カードを1枚引く。)
あなたが正義の命令をサイクリングしたとき、あなたは(X)を支払ってもよい。そうした場合、X個の白の1/1の兵士(Soldier)クリーチャー・トークンを戦場に出す。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Decree+of+Justice/

 《正義の命令/Decree of Justice》がよく知られているのは《天使の好意/Angelic Favor》と同じように数少ない天使(Angel)トークンを生み出せるカードだからというだけでなく、2種類の異なるクリーチャータイプのトークンを生みだすことができるからでもある。

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0312
余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 公式によるネタバレがなかったので推測だけど、この週のテーマは「犯罪が露見して犯人が法廷で裁かれるまでの流れ」だったんじゃないかと思われる。以下、各カードとテーマの関連性についての考察。

  1.陰惨な犯罪が発見される     :《陰惨な発見/Gruesome Discovery》
  2.現場などを入念に調査する    :《入念な研究/Careful Study》
  3.関係者を問い詰める        :《Question Elemental?》
  4.容疑者を逮捕する          :《拘引/Arrest》
  5.法廷で裁く               :《正義の命令/Decree of Justice》

余談2:月曜日 《陰惨な発見/Gruesome Discovery》

 手札を捨てさせるという効果は、フレイバー的には「精神的ダメージ」を意味している。よって陰鬱によって効果が向上する(人が死ぬところを見た直後のほうが精神的ダメージは大きい)のは非常に理にかなっている。

 ハンデスデッキで使われるかどうかはさておき、いいカードだなと思った。

余談3:火曜日 《入念な研究/Careful Study》

 手札を捨てる効果も付随しているのに「入念な(Careful)」とあるのは一種の皮肉である、みたいな解釈をどこかで見た気がするけど、個人的には「調査の結果、仮定が間違っていると判明したらそれを潔く捨てる」という研究調査のあるべきプロセスが表現されているんじゃないかなと深読みしてみたい。

 単に「データを大量に集めてから、必要ないものをふるい落としているだけ」な気もするけど。

余談4:水曜日 《Question Elemental?》

 MTG Wikiの記事が秀逸すぎる。

余談5:木曜日 《拘引/Arrest》

 このカードは2011年01月19日にも一度ネタにされている。13ヵ月ぶり2回目の登場。前回はメルカディアン・マスクス版について取り上げられていた。

余談6:金曜日 《正義の命令/Decree of Justice》

 時間に余裕があるときはゆっくりとソーサリータイミングで天使が正義を執行するべく馳せ参じる。急な援軍が必要となった場合はとりあえず普通の人間の兵士たちがかき集められて戦場に差し向けられる。

 そんなイメージのカード。

 そして、とりあえずで普通の人間を差し向けざるを得ないときは、ちょっと申し訳なさを感じるのか、カードが1枚おまけでついてくる。……あれ? この解釈だとプレイヤーより高位の存在がいるような。

余談7:ブログのタイトル

 ブログのタイトルを変更していたことをなんとなく書きそびれていた。新しいタイトルとその下のコメントから分かるように、変えた理由は単純で、日本に帰ってきたから(そして、もうアラビア湾が見えないから)。

 身辺が落ち着いたら紙のマジックに触れてみようかな。
黒猫/Black Cat - 闇の隆盛 コモン
Black Cat / 黒猫 (1)(黒)
クリーチャー - ゾンビ(Zombie) 猫(Cat)
黒猫が死亡したとき、対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーはカードを1枚無作為に選んで捨てる。
1/1
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Black+Cat/

 《黒猫/Black Cat》は猫(Cat)でもありゾンビ(Zombie)でもある。この猫が座っている大理石のテーブルは実は棺桶の角なのだ! それだけならまだしも、もしかしたらこれはサルコファガス(註1)かもしれない!

(註1) サルコファガス
 原文では「sarcophagus」。石でできた棺を指し、中には死体を納めるだけでなく、さらに棺が納めたりもしたらしい。エジプトのピラミッドで見られるもの。
 名称の語源はギリシャ語で「肉」を意味する「Sarx」と「食べる」を意味する「phagein」を合わせた言葉。ただの棺桶よりももう少しいわくありげで怖い感じ、ということなんだろうか。

 参照:WikipediaのSarcophagusの項目
 http://en.wikipedia.org/wiki/Sarcophagus

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0312
死面の鼠/Deathmask Nezumi - 神河救済 コモン
Deathmask Nezumi / 死面の鼠 (2)(黒)
クリーチャー - ネズミ(Rat) シャーマン(Shaman)
あなたの手札にカードが7枚以上ある限り、死面の鼠は+2/+1の修整を受けるとともに畏怖を持つ。(それは黒でもアーティファクトでもないクリーチャーによってはブロックされない。)
2/2
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Deathmask+Nezumi/

 「Nezumi」は「Nay-ZOO-mee」と読み、これは神河では「鼠の民」を意味する「nezumi-bito」を縮めた呼び名でもある。このNezumiたちは基本的に人間と精霊とのあいだで行われていた戦争とは関わり合いを避けて、竹沼と呼ばれる湿地帯で離れて暮らすことを好んでいた。

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0312
生き埋め/Buried Alive - ウェザーライト アンコモン
Buried Alive / 生き埋め (2)(黒)
ソーサリー
あなたのライブラリーから、最大3枚までのクリーチャー・カードを探し、それらをあなたの墓地に置く。その後あなたのライブラリーを切り直す。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Buried+Alive/

 確かにマジックの初期の時代から《動く死体/Animate Dead》のようなカードはあったとはいえ、墓地利用のアイデアが本格的に追求され始めたのはウェザーライトの頃からで、この《生き埋め/Buried Alive》は《Ashen Ghoul》(註1)をファンデッキからトーナメントレベルまで引き上げたカードだ。

(註1) 《Ashen Ghoul》
 カードテキストは以下の通り。
Ashen Ghoul / 灰燼のグール (3)(黒)
クリーチャー - ゾンビ(Zombie)
速攻
(黒):あなたの墓地にある灰燼のグールを戦場に戻す。この能力は、あなたのアップキープの間にしかプレイできず、灰燼のグールの上にクリーチャー・カードが3枚以上ある場合にのみ起動できる。
3/1
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Ashen+Ghoul/

 生き埋めを唱えれば条件を一発で満たせる上に除去されてもすぐに場に戻って来られる。カウンターとリセット主体のコントロールデッキには滅法強い。また同じ時代に似たような能力の《冥界の影/Nether Shadow》がいたのもプラス材料だった。

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0312
刃の振り子/Razor Pendulum - ミラージュ レア
Razor Pendulum / 刃の振り子 (4)
アーティファクト
各プレイヤーの終了ステップの開始時に、そのプレイヤーのライフが5点以下である場合、刃の振り子はそのプレイヤーに2点のダメージを与える。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Razor+Pendulum/

 フレイバーテキスト(註1)によると、この《刃の振り子/Razor Pendulum》はテリムトーによって作られたものらしい。ここでテリムトーに関する面白い話をつけくわえておくと、彼の名前はウィザーズオブコースト社のある社員にちなんで付けられている。この社員のあだ名は「トイレさん(Mr. Toilet)」で、その名のアナグラム(註2)となっているのだ。

(註1) フレイバーテキスト
 は以下の通り。
原文:
 "Amazing thing, gravity. It seems to work every time."
 -Telim’Tor
 引用元:http://magiccards.info/mr/en/282.html

日本語訳:
 重力とは大したものよ。仕損じるということがない。
 ――― テリムトー
 引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Razor+Pendulum/

(註2) アナグラム
 文字を並び替えて別の単語にする言葉遊び。ミラージュには他にもアナグラムで名前が作られたキャラクターがおり、マンガラという名は「Anagram」のアナグラムになっている。

(余談)
 なんとなく書きそびれていた週のまとめを後追いで書いてみることにした。以下が3月第1週のまとめ、つまり先週の記事のまとめ。隠されたテーマを自分で発見できるとやっぱり嬉しい。
 http://regiant.diarynote.jp/201203081834133332/

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0312
金輪際/Nevermore - イニストラード レア
Nevermore / 金輪際 (1)(白)(白)
エンチャント
金輪際が戦場に出るに際し、土地でないカード名を1つ指定する。
指定されたカードは唱えられない。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Razor+Pendulum/

 《金輪際/Nevermore》に見られる効果は過去にも《翻弄する魔道士/Meddling Mage》として登場している。ああ、それともちろん《Look at Me, I’m the DCI》としてもだ。

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0312
【翻訳】2人でサイクリング週間の旅に出よう/A Cycling Built For Two【Daily MTG】
Mark Rosewater
2004年3月22日
元記事:http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtgcom/daily/mr116

 サイクリング週間へようこそ。

 この記事を始めるにあたって私は少々不安に気持ちになっている。なぜなら以前すでにサイクリングをテーマ週間に採用したことがあるからだ。

 あれは2002年の9月、オンスロートのプレビュー週間だった。私はサイクリングに関する記事を書いたんだ。「Cyclying Cycling (註)」ってタイトルだ。
(註) Cyclying Cycling
 原文では以下のURLへリンクが張られている。内容は記事の続きに書かれている通り、なぜ古いメカニズムをあらためて持ちだしてきたのかについて。

 Cyclying Cycling
 http://www.wizards.com/Default.asp?x=mtgcom/daily/mr38


 サイクリングに関してさらにまったく新しい記事を書くことができるだろうか? 私はあらためて自分の過去の記事を読み返してみたんだ。

 そして驚いたことに、それはなかなか良い記事ではあったにも関わらず、サイクリングどっぷりというような内容ではなかったことに気づいた。記事は古いメカニズムを再利用することについてだった。

 つまり私はまだ一度も本当にサイクリングのためのコラムを書いたことがないのだ。

 今、この瞬間まではね。

ねえ、知ってる?

 このコラムはサイクリングに関する各種トリビアから始めようと思う。

  1. サイクリングが初めて収録されたセットは?
  2. サイクリングが初めてデザインに入ったセットは?
  3. サイクリングをデザインしたのは誰?
  4. サイクリングは元々なんと呼ばれていた?
  5. サイクリングは元々どんな効果だった?
  6. サイクリングを持った初めてのカードは?(複数)
  7. サイクリングが収録された2番目のセットは?
  8. サイクリングが収録された2番目のブロックは?
  9. サイクリングがそのデザインに入っていた2番目のセットは?
  10. ウルザズ・サーガにはサイクリングコストが(2)でないカードが最初は入ってた?
  11. ウルザズ・デスティニーに入っていたサイクリングをひねった効果のカードは?
  12. なんでオンスロートにサイクリングが再録されることになったのか?
  13. オンスロートの特殊なサイクリングたちはどのようにしてデザインされたのか?

 さて、君はいくつ答えられるかな?

 この記事を読み終わる頃には、これら全てに対する答えが得られるはずだ。人類がいまだかつて得られなかったほどのサイクリングに関する知識を君は得ていることだろう。

 せっかく得られた力を決して悪用しないように。


1. サイクリングが初めて収録されたセットは?

 サイクリングが初めて登場したのはウルザズ・サーガだ。

 良いトリビアのクイズはまず簡単な質問から始まるものだ。そうすることで回答者を油断させ、ガードを下げさせることができるからだ。これを非常に上手く実践している例はTV番組の「Who Wants to Be a Millionaire?」(註)だ。
(註) Who Wants to Be a Millionaire?
 アメリカのクイズ番組。日本でも「クイズ$ミリオネア」として放映された。賞金額の低い簡単な問題を正解することで、賞金額の高い難しい問題に挑戦できるようになる。しかし一度でも不正解だと賞金はゼロとなる。

 余談だが、このTV番組の$250,000の段階のクイズの1つは「サイの群れはなんと呼ぶ?(註)」だった。勉強になっただろう? マジックは有益なものだということが分かってもらえたと思う。
(註) サイの群れをなんと呼ぶ?
 サイ(Rhino)の群れは英語で「Crash」と呼び、そのまんまな《Crash of Rhinos》というカードがある。直訳すると「サイの群れ」だが、日本語版カード名は「サイの暴走」となっている。実際イラストもそんな感じだった。


2. サイクリングが初めてデザインに入ったセットは?

 良いトリビアのクイズのもう1つの条件は早い段階から難易度の高い質問をぶつけることだ。そうすることで回答者が恐れを抱くようになる。覚えておいてくれ。良いトリビアとは、まず油断させ、次に怖がらせることだ。

 まず油断、次に恐怖だ。

 もっとも、伝統的なトリビアではこんなに早く怖がらせる必要もないんだが、私は早いところこの記事の要点に触れたかったんだ。そう、サイクリングはどこから来たのか、ということだ。

 答えは(他の多くの似た質問に対する答えと同じように)テンペストだ。

 テンペストは私が初めてデザインしたセットだ。そしてMike Elliottの初めてデザインしたセットでもある。そしてアラビアンナイト以降でRichard Garfieldが初めてデザインしたセットでもある(どこかにいるであろうさらなるトリビア好きの君のために付け加えておくと、このセットの4人目のメンバーはCharlie Catinoという男だ)。

 ここだけの話だが、おそらく今存在しているマジックのカードのうちの4分の3は私たち3人のいずれかがデザインしたものだ。

 想像して欲しい。この3人が初めて一堂に会し、それぞれが何年も暖めていたアイデアを持ち寄ったら何が起きるか。創造力が爆発した、そうとしか言いようがない。

 たとえば通常の大型セットはデザインチームの手を離れて次に引き渡されるときには大体4つから6つのメカニズムが入っているのが普通だ(念のため。キーワード能力だけじゃなくて、全てのメカニズムを含んだ数字だ)。

 テンペストがデザインチームの手を離れたとき、いくつのメカニズムがそこにあったか?

 24個だ。

 いや、だから聞こえただろ。

 24個だ!

 ああ、そうそう、ちなみにこれは私が初めてデザインチームリーダーを務めたセットでもある。良いデザインは、メカニズムを大体4つから6つまでしぼりこむ作業を経て行われる。

 ところがあの頃の私はまだ若かった。ぜい肉をそぎおとすという作業の重要性をまったく分かっていなかった。良いと思ったメカニズムを全てデザインに放り込んでしまったんだよ。

 そうそう。良いと思われたメカニズムは24個あった。


3. サイクリングをデザインしたのは誰?

 ほとんどの人が私だと思ったんじゃないかな。結局、これは私のコラムだからね。

 残念ながら不正解だ。ここで(またちょっと脇道にそれてしまうが)私が学んできたコミュニケーション論について話そうと思う。ああ、大丈夫、ちゃんとマジックの話題に帰ってくるよ。

 さて、もし君がテレビの仕事につきたいと願うなら、大学でこれでもかというほどの時間をかけてテレビについて学ばなければならない。

 テレビの持つもっとも大きな力の1つに、一般大衆をだますことができるということが挙げられる。大きな力となっている理由はこれが非常に目立たない手段で行われるためだ。

 私が今日ここで話したいのは、私が「表現による世界構築(Environment by Representation)」と呼んでいる効果だ(もっとふさわしい呼称があったはずだが忘れてしまった。ここに挙げた名称は私の造語だ)。

 「表現による世界構築(Environment by Representation)」という考え方は、人が世界を理解しようとするとき、直接的にそれに触れることによってだけではなく、それが「テレビにどれほど頻繁に映るか」ということを通じておこなってもいるということだ。

 もっともよい例は犯罪だろう。

 テレビに映る犯罪のうち、90%は凶悪なものであり、残りの10%が軽犯罪だ。ところが実際の比率は逆であり、1つの凶悪犯罪に対して9つの軽犯罪が起きている。テレビがそれを逆に映し出すことによって、一般大衆は実際よりも世界はずっと危険であるという認識を持つことになる。

 さて、なぜ私はわざわざこのことをマジックのコラムで言及したのだろう?

 それは、私のコラムでも同じような現象が起きており、その幻想を取り払いたいからだ。私がデザインについて語るとき、ほとんどは「私自身がデザインしたもの」について語っている。

 なぜか?

 それは、私が自分自身のデザインしたことについてなら何でも知っているからだ。過去のデータから何から全て自分で持っており、それらについて完璧に話すことが出来るからだ。私自身のデザインについてならいくらでも興味深い話を語れる。

 そのため、マジックのデザインに関する私の記事を読んでいる皆からすると、まるでマジックのカードのうち、その9割が私のデザインであるかのような印象を受けるだろう。

 実際はそうではない。

 現実には、どれほどそのセットへ関わったかにもよるが、私のデザインしたカードが占める割合はセットごとにおおよそ5%から50%までのあいだだ。

 また私は基本的に新たなメカニズムのデザインに関わることが多い。それは経験を積んだデザイナーである私の重要な役割の1つだからだ。

 しかしマジックのデザインは、献身的なデザイナーたちによるチーム作業だ。

 私はそのチームの一員だ。

 今は確かに私が全体を俯瞰する立場にあるが、私の記事から受ける印象だけで、仕事の大半を私1人がやっているのでは、というような誤った認識を持たないで欲しい。

 さて、サイクリングをデザインしたのは誰か?

 答えは Richard Garfield だ。


4. サイクリングは元々なんと呼ばれていた?

 サイクリングはそれが生まれたばかりのとき「Sliding」と呼ばれていた。


5. サイクリングは元々どんな効果だった?

 以下にあげるのが「Sliding」の元祖テンプレート文だ。

   Sliding
   (あなたがカードを引くとき、それを全てのプレイヤーに公開することで
    それをあなたのライブラリーの一番下へ移動させ、次のターンのアップ
    キープの開始時に新たなカードを1枚引く)

 ここで言う「元祖」というのは、テンプレートチームのチェック前、デザインチームが用いていたテンプレート文という意味だ。このメカニズムはテンプレートチームへ渡るずっと以前の段階で、デベロップメントチームによって却下された。

 (なお、Bill Roseというただ1人の例外を除いて、デザイナーチームの中にテンプレートをきちんと書けるメンバーは1人もいない。なお私はそのデザイナーチームの中にあって平均以下だ。本当だよ)

 あと、もしかしたら「次のターンのアップキープの開始時」というのは君たちの目にはとても奇妙に映るかもしれない。過去においてはこれがキャントリップのテンプレートだったんだ。

 そう、アイスエイジの頃のキャントリップは「次のターンのアップキープの開始時」まで効果を現さなかった。そしてR&Dはより直感的に分かりやすいようにということで、よりシンプルな「カードを1枚引く」にこれを変えてくれた。

 ウルザズ・サーガのデザインの際、「Sliding」もその新しいキャントリップのテンプレートに直すことにした。そして新しいテンプレートはマナコストを要求するものとなった。

 なぜならマナコストが不要なサイクリングカードというのは実質的にデッキをカード1枚分圧縮できるということになってしまうからだ。

 もう1つの変更点はカードの移動先だ。元々はサイクリングされたカードはライブラリの底へ移動していた。私たちはそれを墓地へ落ちるように変更した。

 そのほうが分かりやすいと思ったから、ということに加えて、リミテッドにおける積み込みの問題を回避するためでもあった。


6. サイクリングを用いてデザインされた最初のカードは?(複数回答可)

 Richard Garfieldが最初期にデザインしたカードは全てコモンだった。

 彼が作ったカードの効果は全てすでに存在するカードのもので、かつその効果がしばしば限定的になってしまうものだった。これらに「Sliding」を付与することで、そういったカードを候補から除いてしまうようなデッキにも入れられるようになるからだ。

 以下にあげるのが私の過去フォルダからそのまま取り出してきた、テンペストのデザイン時に作られた最初の「Sliding」カードだ。

 cb22
 Sliding Dark Ritual
 3B
 Mana Source
 Black
 Artist
 Sliding (When you draw card, reveal it to all players to put it on the bottom of your library and draw another card at the start of the next turn’s upkeep )
 Add BBBBBBB to your mana pool.(あなたのマナプールに(黒)(黒)(黒)(黒)(黒)(黒)(黒)を加える)

 "For Timmy"

 cr06
 Sliding Dwarf
 1R
 Summon Dwarf
 Red
 Artist
 1/1
 Sliding (When you draw card, reveal it to all players to put it on the bottom of your library and draw another card at the start of the next turn’s upkeep )
 Mountainwalk
 
 cr18
 Sliding Stone Rain
 3R
 Sorcery
 Red
 Artist
 Sliding (When you draw card, reveal it to all players to put it on the bottom of your library and draw another card at the start of the next turn’s upkeep )
 Destroy target land.(土地1つを対象とし、それを破壊する。)
 
 cg19
 Sliding Wild Growth
 G
 Enchant Land
 Green
 Artist
 Sliding (When you draw card, reveal it to all players to put it on the bottom of your library and draw another card at the start of the next turn’s upkeep )
 Sliding Wild Growth adds G to your mana pool each time enchanted land is tapped for mana.(エンチャントされている土地がマナを引き出す目的でタップされるたび、それのコントローラーは自分のマナ・プールに(緑)を加える)
 
 cg20
 Sliding Tranquility
 3G
 Sorcery
 Green
 Artist
 Sliding (When you draw card, reveal it to all players to put it on the bottom of your library and draw another card at the start of the next turn’s upkeep )
 Destroy all enchantments.(すべてのエンチャントを破壊する。)


7. サイクリングが収録された2番目のセットは?

 君たちのうち、ほとんどはオンスロートと答えるだろうね。

 正解はウルザズ・レガシーだ。

 良いトリビアのクイズの条件その2だ。少々ずるがしこくないといけない。


8. サイクリングが収録された2番目のブロックは?

 これの答えがオンスロートだ。


9. サイクリングがそのデザインに入っていた2番目のセットは?

 ウルザズ・サーガだ。

 またひっかかったかな?


10. ウルザズ・サーガにはサイクリングコストが(2)でないカードが最初は入ってた?

 もちろん入っていたさ。ウルザズ・レガシーのデザインチーム((Mike ElliotとHenry Sternと私)は、マナでないサイクリングコストについてあれこれ試した。

 以下にあげる2枚が初期の頃のフォルダから引っ張りだしてきたものだ。どちらもライフをコストとしており、どちらも黒いカードだ。

 CB09_GU
 Minor Reanimation
 B
 Sorcery
 Black
 Choose target creature card in your graveyard with total casting cost 3 or less and put that creature into play.(あなたの墓地にある、点数で見たマナ・コストが3以下であるクリーチャー・カード1枚を対象とし、それを戦場に戻す。)
 Sliding: 2 life
 reanimate
 sliding
 alt slide for mana and probably 1B

 UB04_GU
 Black’s Sucky Artifact Destruction
 3B
 Sorcery
 Black
 Destroy target artifact.(アーティファクト1つを対象とし、それを破壊する。)
 Sliding: 2 life
 sliding
 alt slide for mana

 そしてウルザズ・デスティニーでは、デザインチーム(メンバーは私1人だけ)は代替コストのサイクルを試してみた。

 Saving Grace
 1W
 Instant
 White
 Cycling: Tap two white creatures(サイクリング:白のクリーチャーを2体タップする)
 Prevent 4 damage to target creature.(クリーチャー1体を対象とする。このターン、それに与えられる次のダメージを4点軽減する。)

 Spell Pluck
 1U
 Interrupt
 Blue
 Cycling: Return two islands you control to your hand(サイクリング:あなたのコントロールする島を2枚手札に戻す)
 Counter target spell with a casting cost of 3 or less.(呪文1つを対象とする。その点数で見たマナ・コストが3以下である場合、それを打ち消す。)

 Lotta Diggin’
 1B
 Sorcery
 Black
 Cycling: Pay 2 life(サイクリング:2点のライフを支払う)
 Remove up to three target cards from any graveyard.(いずれかの墓地にあるカードを最大3枚までゲームから追放する。)

 Land Be-Gone
 3R
 Sorcery
 Red
 Cycling: Sacrifice a land(サイクリング:土地を1つ生け贄に捧げる。)
 Destroy target land.((土地1つを対象とし、それを破壊する。)

 Splendor in the Grass
 1G
 Instant
 Cycling: return a creature you control to your hand(サイクリング:あなたのコントロールするクリーチャーを1体手札に戻す)
 Prevent all combat damage to creatures you control.(あなたのコントロールするクリーチャーに与えられる全ての戦闘ダメージを軽減する)

 どちらのケースでも代替コストのサイクリングはデザインの段階で切り捨てられた。

 なぜか?

 なぜなら、マナを無視することはトラブルの元だからだ。さて、あの「やっちまった」だらけなウルザズ・サーガ・ブロックにおいて、「何か問題を起こすかもしれない」などという理由からカードのデザインを諦めたなんて信じられない、と思う人もいるかもしれない。

 だが皮肉なことに事実だ。興味深いことにオンスロート・ブロックで再度マナを必要としないサイクリングコストを模索したときも同じ結論に達した。

 もしかしたらマナコストの変化について何か思い付いた人がいるかもしれない。(2)以外のコストだったカードはなかったのか? 違うマナコストをR&Dは試そうとしなかったのか?

 しなかった。私たちは新しいメカニズムは一定であったほうがプレイヤーたちに受け入れられやすいだろうと考えたんだ。実際のところ、サイクリングは数字部分なしでキーワードされかかったくらいだ。

 私たちは数字を2で固定しておきたかったので、能力のコストは常に2にしようという話になっていた。幸運なことに当時の私たちは、選択肢は残しておくべきだ、と自分たちを説得することに成功した。

 現在では、キーワードを作る際は出来る限り「縛り」は少なくしておくこと、ということになっている。もしスレッショルドが今作られていれば、それは「スレッショルド - 7」という形になっていただろうね。


11. ウルザズ・デスティニーに入っていたサイクリングをひねった効果のカードは?

 ほとんどのプレイヤーは気づいていないようだが、ウルザズ・デスティニーにもちょっとひねった形のサイクリングが存在していた。しかしそのカードにはサイクリングという言葉が使われていなかったので、私の試みに気づいた人はほとんどいなかったようだ。

 「ひねり」とは何か?

 それは「すでに戦場にあるカードをサイクリングする」というものだ。

 戦場に出たあとに「サイクリング」することができるパーマネントがここでいうひねりを加えたカードたちだ。これらは全て、2マナとそのカードを払うことでカードを1枚引くことが出来る。そう、まるでサイクリングのようにね。

 このメカニズムから得られる教訓は、デザイナーはときに少々控え目過ぎるということだ。当時の自分が今と同じだけのノウハウを持っていたら、上記の能力に「サイクリング」という単語を含むなんらかのキーワードを与えたくなっていたと思う。

 そうすればプレイヤーたちにも意図が伝わったはずだ。(絶対そうした、と言っているわけではないよ。与えたくなっていただろう、という話だ)

 ウルザズ・デスティニーのデザインを始めた頃は、こういった「戦場にあるカードをサイクリングする」カードが多く作られていた。

 この記事を書くに当たって私は事前にリサーチをしたわけだが(そのとおり、私は実際にリサーチをしたんだよ。R&Dという名前は伊達じゃない)、その際に初期の開発フォルダの中を見ると上記のようなカードを大量に発見したんだ(枚数が気になるなら教えてあげよう。19枚だ)。

 以下にあげるのはその中から実際に印刷されることのなかったカードで、かつ興味深いであろうと思われるものをピックアップしてみた(あとそれらに関するちょっとしたコメントをつけてみた)。なおこれらがかなり初期の段階のデザインファイルから発見されたということは忘れないで欲しい。

 Peaceful Afterlife
 W
 Enchantment
 White
 No effects are generated when cards are put into the graveyard.
 2, Sacrifice CARDNAME: Draw a card.
拙訳:
 平和的な死後の生命
 (白)
 エンチャント
 白の呪文
 カードが墓地に置かれた際には何も効果を発しない。
 (2),~を生け贄に捧げる:カードを1枚引く。


 ウルザズ・デスティニーの代表的なメカニズムの1つは「戦場を離れたとき」の効果だ。これはエコーとも「戦場にあるカードをサイクリングする」効果とも相性が良い。このカードはそういった「戦場を離れたとき」の効果をいじめるために作られたものだ。

 問題はこのカードはルール的に上手く働かないということだった。(少なくとも当時のルールチームはそう言ってた(たった今、Paulに聞いてみたけど、やっぱりダメだってさ))。

 Bounce Field
 U
 Enchant Creature
 Blue
 When CARDNAME is put into any graveyard from play, return target creature to owner’s hand.
 U: Return enchanted creature to owner’s hand.
 2, Sacrifice CARDNAME: Draw a card.
拙訳:
 跳ね返る地面
 (青)
 エンチャント・クリーチャー
 青の呪文
 ~が場から墓地に置かれたとき、対象のクリーチャーをオーナーの手札に戻す。
 (青):エンチャントされているクリーチャーをオーナーの手札に戻す。
 (2),~を生け贄に捧げる:カードを1枚引く。

 あらためて見てみると、これは青の起動型能力がなかったほうがデザイン的には良かったように思われる。しかしこのカードからも当時の私が場から離れた際に誘発する能力と場からサイクリングするカードとで色々試していたことがよく分かる。

 ウルザズ・デスティニーではこれの仲間がたくさん作られたが、デベロップメントチームはそれをふるいにかけて特に良いものだけを残した(ちなみにデベロップメントチームはこれらに Clever Card というあだ名をつけていた)。

 Phyrexian Sporespitter
 2BB
 Summon Horror
 Black
 3/3
 When CARDNAME is put into any graveyard from play, all creatures in play get -1/-1 until end of turn.
 2, Sacrifice CARDNAME: Draw a card.
拙訳:
 ファイレクシアの胞子吐き
 (2)(黒)(黒)
 ホラーの召喚
 黒の呪文
 3/3
 ~が場から墓地に置かれたとき、場にいる各クリーチャーはそれぞれ-1/-1の修整を受ける。
 (2),~を生け贄に捧げる:カードを1枚引く。

 このカードはウルザズ・レガシーのファイレクシアなクリーチャーたちとインベイジョンの《疫病吐き/Plague Spitter》とをかけあわせたものだ

 Crazed Soldier
 3R
 Summon Soldier
 Red
 3/1
 CARDNAME cannot block.
 When CARDNAME is put into any graveyard, target creature gets +4/-4.
 That creature’s toughness may not drop below 1.
 2, Sacrifice CARDNAME: Draw a card.
拙訳:
 狂った兵士
 (3)(赤)
 兵士の召喚
 赤の呪文
 3/1
 ~はブロックできない。
 ~が場から墓地に置かれたとき、対象のクリーチャー1体は+4/-4される。
 そのクリーチャーのタフネスは1より下にはならない。
 (2),~を生け贄に捧げる:カードを1枚引く。


 血に渇いた兵士がその死によって他のクリーチャーに《血の渇き/Blood Lust》を与えるというこのカードのアイデアを私は非常に気に入っていた。攻撃的な感情の昂りが受け継がれるという感じだ。

 Wild Emus
 2GGG
 Summon Beast
 Green
 3/3
 When CARDNAME leaves play, all your creatures get +2/+2 and trample until end of turn.
 2, Sacrifice CARDNAME: Draw a card.
拙訳:
 野生のエミューの群れ
 (2)(緑)(緑)(緑)
 ビーストの召喚
 緑の呪文
 3/3
 ~が場を離れた際、あなたのクリーチャーはターン終了時まで+2/+2の修整とトランプルを得る。
 (2),~を生け贄に捧げる:カードを1枚引く。

 このカードはレアだった。このカードの問題点は、追加の効果が勝負を決めてしまうほど強いものだと「カードを1枚引く」なんてことはどうでもよくなってしまうという点だ。

 Cycling Sol Ring
 2
 Artifact
 Artifact
 (T): Add 2 to your mana pool.
 2, Sacrifice CARDNAME: Draw a card.
拙訳:
 サイクリングできる太陽のリング
 (2)
 アーティファクト
 アーティファクト呪文
 (T):あなたのマナ・プールに{2}を加える。
 (2),~を生け贄に捧げる:カードを1枚引く。

 自分でも頭がおかしいんじゃないかとしか思えない時期が私にあった、という証拠としてこれを紹介したい。

 まず《太陽の指輪/Sol Ring》を表現するにはぶっ壊れているという言葉すら生ぬるい。そこで私はマナコストを増やしてみた。そしてさらに能力を足してみた!?

 それもプラスとなる能力だ。少なくとも弱い能力ではない(片方の能力でマナを生み出して、そのマナで自身を生け贄に捧げてカードを引くこともできる。弱くはないだろ?)。

 ウルザズディステニーのカードのパワーレベルがあまりに高かった理由の一端がここから垣間見えるかもしれない。

 この7年間で私のデベロップメントの技術は当時よりかは向上したと断言できるよ(デベロップメントの技術は、デザインうんぬんではなくどちらかというとカードのパワーレベルをきちんと把握できるかどうか、だからね)。


12. なんでオンスロートにサイクリングが再録されることになったのか?

 その答えにはいくつもの要素が絡み合っている。

 再録された理由の1つとしては、サイクリングがビン(Bin)に入っていたからだ。ああ、君は「ビン(Bin)って何?」と聞くだろうね。ここ最近、R&Dはメカニズムをどう扱うかということについて考えを変えることにしたんだ。

 過去には、メカニズムとは限られたリソースだと考えられていた。しかし現在では私たちはメカニズムを道具(Tools)だと考えている。もしそのメカニズムが上手く働いたなら、私たちはそれをありがたく何度でも再利用させてもらうことにしている。

 これが何を意味しているか?

 まず私たちは新しいメカニズムを生みだしたとき、それがきちんと働いてくれるかどうか、またみんなからそれに対してどのような反応が返ってくるかどうか、を注意深く観察する。

 もし全てが上手く回ったなら(つまりメカニズムはきちんと働き、かつみんなに受け入れられたなら)私たちはそれをビンに放り込む。このビンに入っているメカニズムは全てゲームを破たんさせないことが保証されており、再利用可能なメカニズムだ。

 ウルザズサーガブロックの時代にサイクリングは非常に人気があり皆に受け入れられた。そしてまたR&Dが特にお気に入りに選ぶだけの機能性もあった。

 これが再録された2つ目の理由となる。サイクリングは皆に好まれたというだけでなく、ゲームそれ自体に対して良い働きを見せるんだ。

 まずサイクリングは、私がメカニズムに求める最も重要な資質を持っていた。

 エレガントさだ。

 サイクリングはシンプルで、かつ分かりやすく、しかしそれにも関わらず奥深い戦術性をも持っており、それがこのメカニズムを非常に身のあるものにしていた。プレイヤーはこれを長い時間かけてあれやこれやと試してみて、なお飽きることがない。

 もしサイクリングの長所が上記にあげた事柄だけがだったとしてもビンには放り込まれるに十分なメカニズムだったが、サイクリングにはもう1つ重要なポイントがある。

 数週間前、私は"Starting Over"(註)という記事でマジックのマナソースシステムの重要性について述べた。
(註) Starting Over
 原文では以下のURLへリンクが張られている。マリガン週間(!)のコラム。
 http://www.wizards.com/Default.asp?x=mtgcom/daily/mr112b

 このシステムにはたくさんの長所があるが、それでも無視できない1つの問題点がある。マナ事故だ。ゲームはそもそもそれが始まらなければ楽しむことはできない。

 そういうわけで、全てのセットはそのデザインの目的の1つに、プレイヤーのマナ事故の回数を減らすことがある。この問題を解決するために私たちが取り得る手段は多岐にわたるが、いずれにせよどんなブロックにも必ず対抗策が入っているよう注意を払っている。

 サイクリングというメカニズムはこういった対抗策の1つだ。

 どのように問題を解決してくれるのか? その答えは3つある。

 1つ目として、サイクリングカードは低いマナコストでサイクリングできる。これによって土地の枚数が少ないときに新たな土地を得る確率を上げてくれる。

 2つ目として、土地が余っているときに余分なマナの使い道となってくれる。要するに、マナをカードに換えてくれる。より正確に言うなら、マナを手札の質を上げるために使うことが出来るようになる。

 これによってプレイヤーはデッキ内の土地比率を上げることができる。なぜならサイクリングカードは長い目で見ればそのサイクリングという効果によって引きすぎた土地のバランスをとってくれるからだ。

 (サイクリングすることによってすでにプレイされた余分な土地からのマナをさらに土地をプレイするディスアドバンテージを打ち消すのに使うことが出来る、とも言える)

 3つ目として、サイクリングによって、コモンのサイクリング土地を作ることができた。サイクリング土地こそがマナのバランスをとる手段の最も純粋にして的確な例と言える。マナが必要なときには土地に、そうでないときには他のカードになってくれる。

 ここまでがサイクリングが再録された2つ目の理由で、3つ目の理由としてあげられるのはサイクリングには工夫をこらす余地がたくさんあり、私たちはその奥深さを追求することに心ひかれていたからだ(これについては次の質問と回答でもっと詳しく話そうと思う)。

 再録された理由の4つ目は、サイクリングはオンスロートが必要としていたパーツにぴったりだったからだ。

 部族というテーマは非常にクリーチャー偏重なものだ。そこで私たちにはノン・クリーチャー・カードと上手く働いてくれるメカニズムが必要となったわけだ(おっと、待てよ。サイクリングはクリーチャーとも上手く働くんじゃないかい?)

 最終的にはこれら全ての理由が合わさり、サイクリングは復活を遂げたというわけさ。


13. オンスロートの特殊なサイクリングたちはどのようにしてデザインされたのか?

 オンスロートで登場した新発明は3つある。

 1つ目は新たなサイクリングコストだ。

 これは大して脳みそを使う必要もない発明だったので、特に語ることもない。これによって柔軟性のあるコストが設定できるようになり多くのカードが改善された(例えばサイクリング土地のように)。

 2つ目はカードがサイクリングされることをトリガーに誘発する能力を持ったカードだ。こういったアイデアのカードが元々はウルザズ・サーガのファイルにもたくさん作られていたことを考えると、なかなか興味深い。

 私たちはこのアイデアを一時棚上げした。当時は必要ないと思われたからだ。オンスロートを迎えるに当たって、私たちは埃まみれだったそれを棚からおろして新カードをデザインしたというわけだ。

 3つ目はサイクリングされた際に追加効果をもたらすカードだ。

 サイクリングの本来持っているフレイバー(違う呪文を手に入れるために手札の呪文を諦める、というフレイバー)を保つため、もたらされる追加効果は本来唱えられたときの効果を弱めたものであるべきだと私は考えた。

 こうすることで選択肢が生まれる。呪文の出力を最大にするか、もしくは弱い出力のかわりに追加の呪文を得るか。

 ちょっとプレイテストをしただけで、これらの3つの発明が再録されることとなったサイクリングに十分すぎるほどの活力を与えてくれることが分かった。

 サイクリングには他にも革新的なアイデアが隠されているだろうか?

 もちろんだ。

 それらはどういうアイデアなのか?

 それを知るためにはサイクリングの三度目の登場を待つしかないだろうね(言うまでもないと思っていたけど、気づいてない人のために付け加えておこう。サイクリングはまたいつの日か帰ってくるよ)


前へ進み続けよう(サイクリングだけに)

 さて、そんなわけでサイクリングのあれやこれやについての3500文字はこれで終了だ。この興味深いメカニズムを調査する旅を楽しんでもらえただろうか。

 来週のコラムでは何週間も前に「Talk To Me(註)」のコラムで私から君たちへ投げかけた100の質問についてついに取り上げることとなる。ぜひ読みにきてくれ。

 それまで君たちが再発見の喜びにひたれるよう祈っているよ。
(註) Talk To Me
 Mark Rosewaterから読者へ100の質問を投げかけているコラム。好きな数の質問に答えてよいが、回答に用いてよいのは「1人当たり100単語まで(only get to use 100 words)」という縛りがある。
 http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtgcom/daily/mr111

余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 公式によるネタバレがなかったので推測だけど、この週のテーマは「エドガー・アラン・ポー作品」だったんじゃないかと思われる。以下、各カードとテーマの関連性についての考察。

 まず月曜日の《黒猫/Black Cat》については、まさに「黒猫 (原題:The Black Cat)」という名の短編小説が書かれている。ポーの作品の中でも有名な作品だと思う。

 火曜日から木曜日までの《死面の鼠/Deathmask Nezumi》、《生き埋め/Buried Alive》、《刃の振り子/Razor Pendulum》は、これら3つで「落とし穴と振り子 (原題:The Pit and the Pendulum)」という短編小説と対応しているように思われる。どう対応しているかは読んでもらえば分かるはず。

 金曜日の《金輪際/Nevermore》は「大鴉(The Raven)」というポーの作品の中でも特に有名な詩で何度も繰り返し用いられている、詩の核となるフレーズ。

余談2:月曜日 《黒猫/Black Cat》

 死んだあとも精神的な苦痛を与える猫、という点で、まさにポーの短編そのもの。

 記事では「Or possibly a sarcophagus!」と強調されていたので訳もそうしたけど、日本語だとイマイチ。「サルコファガスかも!」って言われても興奮が伝わらない気がする。もっと上手い訳があったかもしれない。

余談3:火曜日 《死面の鼠/Deathmask Nezumi》

 「Nezumi」を実際どう発音するのかについて書かれていたのが興味深かった。日本語を英語(アルファベット)で書き表しても日本語と同じ読みをしてもらいづらい、というのは確かにある。

 例えば「葵さん」という人がいたとして、英語表記は「Aoi」となる。だけど多分これを見たアメリカ人は「エィオォイ」って読むと思う。

 最近だとこの齟齬を防ぐために「こうすけ」を「Kohsuke」と書いたりもするみたい。ただこの例だと「コォスゥキィ」って呼ばれるだろうけど。

余談4:水曜日 《生き埋め/Buried Alive》

 懐かしい。初めて見たときは「ああ、《動く死体/Animate Dead》で釣りあげるための材料を墓地に落とすためのカードね」という印象しかなかったんだけど、行きつけのゲームショップで《Ashen Ghoul》3枚を落とされたときはびっくりした。

 それはそれとして訳の話。
原文:
 Buried Alive turned Ashen Ghoul from a gimmick into a powerhouse.

拙訳:
 この《生き埋め/Buried Alive》は《Ashen Ghoul》(註1)をファンデッキからトーナメントレベルまで引き上げたカードだ。

 意訳しすぎかもしれない。ポイントはここで言っている「Gimmick」と「Powerhouse」をどうとらえるか、どう訳すかという話。

 《Ashen Ghoul》単体の話をしているのでコンボやデッキというよりは「《Ashen Ghoul》が単体で持っている機能、効果」を指して「Gimmick/Powerhouse」ということかと思った。

 簡単に言ってしまえば「弱いカードだった《Ashen Ghoul》を強いカードに変えた」というだけの話なんだけど、いっそその方が原文の意図に近かったかもしれない。

余談5:木曜日 《刃の振り子/Razor Pendulum》

 何度見ても弱い。相手のライフが5点を切るまで仕事をしないという時点で絶望的に弱いのに、そこからさらに3ターンの猶予があるという悠長な効果。

 生け贄に捧げることで対象に《ショック/Shock》が撃てる3マナの《ツキノテブクロのエキス/Moonglove Extract》のほうが絶対強いと思う。

 ただ「じわじわと死への恐怖を煽る」という意味では正しいデザインなんだよな。間違ってるのはおそらくコスト。いっそ1マナでもいいんじゃないかと。

 余談だけど、この日の記事の(註)に書いた「Anagram」のスペルが間違ってたので訂正。

余談6:金曜日 《金輪際/Nevermore》

 「金輪際」って宗教用語っぽいな、と思って調べたら案の定そうだった。仏教用語らしい。

余談7:2人でサイクリング週間の旅に出よう/A Cycling Built For Two

 久しぶりにマローのコラムの翻訳。

 個人的にサイクリングと聞いて思い出すのは「《めった切り/Slice and Dice》を作ってしまったせいで部族デッキが活躍できなくなってしまった。早退的に《非凡な虚空魔道士/Voidmage Prodigy》の価値も下がってしまった。すまない、カイ・ブッディ」というオンスロート時代。

 それはさておき訳の話。
原文:
 We changed it to going to the graveyard as we felt it was easier and it kept decking oneself as an issue in limited.

拙訳:
 私たちはそれを墓地へ落ちるように変更した。そのほうが分かりやすいと思ったから、ということに加えて、リミテッドにおける積み込みの問題を回避するためでもある。

 サイクリングの効果は前身であるSlidingのとき「Slidingしたカードはライブラリの下へいく」という効果だったが、それを墓地に落ちるよう変更した、という箇所。

 問題は後半部分の「it kept decking oneself as an issue in limited」。まず「Decking」とは何か、次に「Oneself」が何を指しているのか。

 「Decking」は、デッキのカード順を操作すること。積み込み以外にもカードの効果で順序を変える場合も含んでいたはず。「Oneself」は、ここではSlidingするカード自身のことかな、と。要するにカード枚数が少ないリミテッドにおいてこのSlidingカードだけが残ってグルグル回るような状況になってしまうのを懸念したのではないかと思った。違うかな。

 違うっぽい。「Decking」はライブラリアウトを指すようなので、ここでの「Oneself」は自分自身。「リミテッドで自分自身をライブラリアウトさせてしまうという問題点があったからだ」ってことなのかな。今度は「kept decking」がよく分からなくなった。
原文:
 Interestingly during Onslaught block we went back to look at non-mana cycling costs and came to the same conclusion - Danger Will Robinson! Danger!

拙訳:
 興味深いことにオンスロート・ブロックで再度マナを必要としないサイクリングコストを模索したときも同じ結論に達した。

 最後の「Danger Will Robinson! Danger!」をばっさりカット。

 日本人でこの元ネタを知ってる人がどれだけいるか分からないし、かといって日本風に「志村うしろ!」にするわけにもいかないし……と悩んだすえにカット。
原文:
 players can spend a great deal of time exploring it without getting easily bored.

拙訳:
 プレイヤーはこれを長い時間かけてあれやこれやと試してみて、なお飽きることがない。

 サイクリングはシンプルなのに奥深い。色々と試す余地があり、長い時間飽きることなく色々試すことができる。そんなサイクリングの長所を語った箇所。

 訳しているとよく直面する「英文だとなんら問題なく意味がとれるのに、単語を対応させつつ日本語に訳そうとすると途端に難しくなる」そんな文章だった。
原文:
 Keep It Moving

拙訳:
 前へ進み続けよう(サイクリングだけに)

 最後の章の見出し。多分こういうことだろう、と勝手に付け加えた。後悔はしてない。

余談8:公式サイト - Latest Development

 闇の隆盛で新しくお目見えしたメカニズム「不死/Undying」についての記事。

  公式サイト (日本語):(アン) ダイ・アナザー・デイ
  http://mtg-jp.com/reading/translated/ld/003085/

  公式サイト (英語):(Un)Die Another Day
  http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/ld/183

 カードをまず初めに見た時に受ける印象と、実際に使い始めて本当の強さ(弱さ)に気づいたときの印象。この2つの印象があまりに違い過ぎないようにしているらしい。

 それとリミテッドで「不死/Undying」が強すぎてしまい、イニストラード時代にバランスがとれてたリミテッド環境を台無しにしてしまいそうだったので対応した、という話。

 強すぎる「不死/Undying」について、そのメカニズムに手を加えることなくリミテッドのバランスをどのようにしてとったか、というくだりはなかなか興味深かった。

 そうそう。日本語公式版だとZac Hillの原文にある序文をばっさりカットして、単に「前略」としてた。思い切りのよい方法だな、と思った。

 何しろその部分の中身は「ようこそ不死週間へ! って、この記事は不死週間のラストバッターだからようこそってのも変かな」みたいな話なので、この記事単体を紹介する上では扱いづらいことこの上ない。

 ところで訳について一箇所だけ面白い点が。
原文:
 The last thing we wanted to do, then, was take everything awesome about Innistrad and say, "Nope, now Limited is about this other thing, and it has nothing to do with the fun stuff you were doing before."

公式訳:
 私たちが最後にしたかったことは、イニストラードの素晴らしい部分をすべて保ち、「いいえ、今のリミテッドはそれとは違うものですが、あなたが楽しんでいた以前のものはそのまま残っています」と言うことだった。

 言い回しとしては真逆の訳になってしまっているのに、日本語は日本語でちゃんと意味が通る文章になってしまっている、という不思議な現象が起きている。

 英語でいう「The last thing we wanted to do」は「私たちが絶対にしたくないこと」という意味。ところが日本語で「私たちが最後にしたかったこと」と言うと「最終的にこうなって欲しいと望んだ」という感じになって、原文と逆になる(日本語版はそれに合わせてカギ括弧の中を逆にしている)。意訳ととらえればいいんだろうか。

余談9:公式サイト - Savor the Flavor

 マジックの各セットの世界構築についての記事。

  公式サイト (日本語):テーマが動かす世界構築
  http://mtg-jp.com/reading/translated/stf/003092/

  公式サイト (英語):Theme-Driven Worldbuilding
  http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/stf/184

 世界構築には数年かかる(セットが発売される数年前からすでに作業は始まっている)ということや、イニストラードほどはっきりと「テーマ」と「世界観」が結びついているのはやっぱり珍しいということなど。

 作業開始が数年前ということで何が変わるかというと「ミラディンの吸血鬼の外見に特徴を与えたのは(数年後に訪れることが分かっている)イニストラードの吸血鬼たちとはっきり見た目で識別できるようにするため」というような感じ。なるほど。
Mirror Mirror - アングルード レア
Mirror Mirror (7)
アーティファクト
Mirror Mirrorはタップ状態で戦場に出る。
(7),(T),Mirror Mirrorを生け贄に捧げる:プレイヤー1人を対象とする。ターン終了時に、そのプレイヤーのライフの総量とあなたのライフの総量を交換する。ゲーム終了時まで、あなたがコントロールするすべてのカード、あなたの手札、ライブラリー、墓地にあるすべてのカードをそのプレイヤーと交換する。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Mirror+Mirror/

 《Mirror Mirror》は確かにすごい文章量だが、実際のところ効果は非常にシンプルなものだ。プレイヤーは互いの席を交換して互いに相手のデッキでゲームを最後まで遊べばいいだけだ。《Blacker Lotus》(註1)を使ってたらご愁傷様だね!

(註1) 《Blacker Lotus》
 こんなカード。
Blacker Lotus (0)
アーティファクト
(T):Blacker Lotusをバラバラにちぎる。あなたのマナ・プールに、好きな色1色のマナ4点を加える。その後それらの破片を追放する。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Blacker+Lotus/

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0312
森での迷子/Lost in the Woods - 闇の隆盛 レア
Lost in the Woods / 森での迷子 (3)(緑)(緑)
エンチャント
いずれかのクリーチャーがあなたかあなたがコントロールするプレインズウォーカーを攻撃するたび、あなたのライブラリーの一番上のカードを公開する。それが森(Forest)カードである場合、そのクリーチャーを戦闘から取り除く。その後、その公開したカードをあなたのライブラリーの一番下に置く。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Lost+in+the+Woods/

 闇の隆盛のドラフト戦術の1つに、サイドボードから《森での迷子/Lost in the Woods》と大量の《森/Forest》だけで乗り切って勝利するというものがある。これはなかなか面白い話だが、イラストの登場人物たちが実は上下さかさまであるということ(註1)よりも面白いとまで言えるかな?

(註1) イラストの登場人物たちが実は上下さかさまであるということ
 原文では以下のURLへリンクが張られている。《森での迷子/Lost in the Woods》のイラストに関するコラム(註2)。
 http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/daily/arcana/916

(註2) コラム
 以下の通り。
【翻訳】五里霧中/Extremely Lost【Daily MTG】
Monty Ashley
2012年2月27日
元記事:http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/daily/arcana/916

 闇の隆盛のカードである《森での迷子/Lost in the Woods》のイラストがこれだ。
 原文ではここに《森での迷子/Lost in the Woods》の拡大イラストがある
 http://media.wizards.com/images/magic/daily/arcana/916_lostinthewoods.jpg

 おや、何かおかしくないか? たいまつの炎が燃えている方向を見てくれ。少し変だろう。次にイラストの上部分を見てくれ。木々が茂っているようには見えないな。んん、ちょっと待てよ……この男たちは単に迷ってるってだけじゃないぞ!? 彼らは上下さかさまになってるんだ! 右の男が落ち着かない顔をしているのも無理ないね。

(余談)
 今週はあと《野リンゴの群勢/Crabapple Cohort》と《睡眠/Sleep》とドワーフ関連のカードが来ると予想してみる。オチ的には《野リンゴの群勢/Crabapple Cohort》が最後かな。

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0312
ドワーフ鉱夫/Dwarven Miner - ミラージュ アンコモン
Dwarven Miner / ドワーフ鉱夫 (1)(赤)
クリーチャー - ドワーフ(Dwarf)
(2)(赤),(T):基本でない土地1つを対象とし、それを破壊する。
1/2
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Dwarven+Miner/

 《ドワーフ鉱夫/Dwarven Miner》のフレイバーテキスト(註1)には13個の単語が使われている。ある記事(註2)でマーク・ローズウォーターはそれについて語るために600個の単語を費やしている。

(註1) フレイバーテキスト
原文:
 "Fetch the pestridder, Paka-we’ve got dwarves in the rutabagas!"
 -Jamul, Femeref farmer
 引用元:http://magiccards.info/mr/en/169.html

日本語訳:
 パカ、虫殺しの薬を持ってきてくれ ――― カブがドワーフにやられとる!
 ――― フェメレフの農夫、ジャムール
 引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Dwarven+Miner/

(註2) イラストの登場人物たちが実は上下さかさまであるということ
 原文では以下のURLへリンクが張られている。ドワーフについて書かれた記事。
 http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtgcom/daily/mr203

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0312
野リンゴの群勢/Crabapple Cohort - シャドウムーア コモン
Crabapple Cohort / 野リンゴの群勢 (4)(緑)
クリーチャー - ツリーフォーク(Treefolk) 戦士(Warrior)
野リンゴの群勢は、あなたが他の緑のクリーチャーをコントロールしている限り+1/+1の修整を受ける。
4/4
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Crabapple+Cohort/

 フレイバーテキスト(註1)によると《野リンゴの群勢/Crabapple Cohort》はそのリンゴをもいでいった女たちに復讐しようとしているらしい。
 1人の女につき7つのパイ、1つのパイにつき7つのリンゴと考えると全部で343個のリンゴだ! 1つのパイ当たり1つのリンゴと読むことも出来るけど、それだと大した大きさのパイにはならないだろうね。

(註1) フレイバーテキスト
原文:
 Seven wives made seven pies from seven apples, each plucked from its branches. Now bare and bitter, it comes to exact its price: one apple, one bone.
 引用元:http://magiccards.info/shm/en/109.html

日本語訳:
 七人の女房が、七個のリンゴを枝からもいで、こしらえたのは七つのパイ。 剥かれて苦しんだ代償は、リンゴ一個に骨一体。
 引用元:http://magiccards.info/shm/jp/109.html

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0312
最後の口づけ/Last Kiss - エルドラージ覚醒 コモン
Last Kiss / 最後の口づけ (2)(黒)
インスタント
クリーチャー1体を対象とする。最後の口づけはそれに2点のダメージを与え、あなたは2点のライフを得る。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Last+Kiss/

 《最後の口づけ/Last Kiss》には機能的にはまったく同じな《薄暗がりへの消失/Douse in Gloom》がある(そしてこのギルドパクトのカードは初出がネメシスの《不純な飢え/Vicious Hunger》と非常によく似ている)。エルドラージ覚醒からしばらく経って、またしても同じ効果のカードである《ソリンの渇き/Sorin’s Thirst》が登場した。今回はインスタントでありつつもコストは(黒)(黒)に抑えられている。

(余談)
 記事に挙がったカードたちは全て「クリーチャー1体を対象とする。最後の口づけはそれに2点のダメージを与え、あなたは2点のライフを得る。」という効果だが、呪文タイプとコストが異なる。

 カード名                      コスト   タイプ
 《最後の口づけ/Last Kiss》          (2)(黒)  インスタント
 《薄暗がりへの消失/Douse in Gloom》   (2)(黒)   インスタント
 《不純な飢え/Vicious Hunger》        (黒)(黒)  ソーサリー
 《ソリンの渇き/Sorin’s Thirst》        (黒)(黒)  インスタント

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0312
余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 火曜日の段階で推測ついてたとおり、今週のテーマは白雪姫(Sleeping Beauty)。ドワーフ関係のカードと《野リンゴの群勢/Crabapple Cohort》までは予測できたけど「キス(Kiss)」という単語が入っているカードがマジックにあったとは思わなかった。意外と無さそうな気がしてたんだけど。

 蛇足ながら詳細を見て行くと……

  月曜日 《Mirror Mirror》は、継母が「鏡よ鏡」と問いかける場面。
  火曜日 《森での迷子/Lost in the Woods》は、白雪姫が城を追われて森で迷う場面。
  水曜日 《ドワーフ鉱夫/Dwarven Miner》は、森で7人のドワーフたちと出会う場面。
  木曜日 《野リンゴの群勢/Crabapple Cohort》は、魔女が毒リンゴを手渡す場面。
  金曜日 《最後の口づけ/Last Kiss》は、白雪姫が目覚める最後の口づけの場面。

 ……という感じかと。

余談2:月曜日 《Mirror Mirror》

 記事にあるとおり、まさに「席を取り替えてゲームを続行する」カード。ただ、これに限らず《精神隷属器/Mindslaver》もそうなんだけど、自分以外の人にデッキ(カード)を触られるのが嫌だ、って人もいるんじゃないかなあ、と思うことがたまにある。考え過ぎならいいんだけど。

余談3:火曜日 《森での迷子/Lost in the Woods》

 リミテッドで本当に無茶な戦法を実行に移した勇者がいた、という話。このサイドボーディングは「コロンブスの卵」というか、とにかく「最初に思い付いて、かつそれを実行に移したプレイヤー」が全てだと思う。

 今後これを実施した人がいたとしてもやっぱり最初の一歩を刻んだ人は別格。

 記事はさておきカードの話。カードパワー的には残念レアと言われてもしょうがないけれど、フレイバーという面を見ると実に素晴らしい。自陣の森に魔法をかけて迷わせる。相手が踏みこんできた場所が偶然《森/Forest》だったら迷ってしまうし、そうでなければ普通に攻撃が通る。そんな感じ。

余談4:水曜日 《ドワーフ鉱夫/Dwarven Miner》

 ミラージュの当時はまだ対戦相手が特殊地形を1枚も使っていないってことがあったなあ、と懐かしく思いだしてた。それともまだトーナメント志向な環境に仲間が身を置く前だったからなだけかもしれないけど。

 ところでこの記事からリンクを張られているMark Rosewaterのコラムが妙に楽しい。内容がジョークに偏っているせいで訳すのが難しそうだけど、コメントに書いたようにいつか訳したいと思ってる。

余談5:木曜日 《野リンゴの群勢/Crabapple Cohort》

 フレイバーテキストは最初読んだとき、最終的に作成されたリンゴパイの数は「7個」だと思った。もし343個になるなら、七人の女房が「それぞれ」七個のリンゴを~、となるんじゃないかなあ、と思ってしまう。

 記事でもその点には触れられていて、そうでないと思う理由は「1個のリンゴパイを1個のリンゴから作るのは難しい(量が少なすぎてしまう)」からだそうな。自分でリンゴパイ作ったことないからイマイチ納得しきれていない。

余談6:金曜日 《最後の口づけ/Last Kiss》

 記事で挙げられている良く似た4枚のカード(そのうち2枚は同型再販)の中で、他に比べて下位互換であると断言できるのはたった1枚、《不純な飢え/Vicious Hunger》のみ。なんかかわいそう。

 とはいえ《不純な飢え/Vicious Hunger》も構築環境で活躍したことが一応あるわけで、そう考えると別段不憫というわけでもないのかもしれない。

 ところで《最後の口づけ/Last Kiss》なんだけど、これって「吸血鬼が血を吸い取って(= 2点ダメージ)、それが原因で被害者を死に(= 最後)至らしめる」ということだよね。

 なので相手のライフが2点より高い場合だとちょっと気まずいんじゃないだろうか。吸血鬼側からすると、どうせ死ぬだろうと思ってあまり深い事を考えずに口づけしてみたあと、普通に生きたままの相手と目を合わすわけで。

 「別にあんたのことなんて好きじゃないんだからね!」とか言い訳したりするのかな。

余談7:公式サイト - なかしゅー世界一周2012

 中村修平さんのアメリカの旅。

  第5回:アメリカ道中記~ハリスバーグ、シアトル
  http://mtg-jp.com/reading/variety/003100/

 印象的だったことは2点。1つはとにかく食べ物の写真が美味しそうだったこと。量が多いのが一目で分かるので実際に自分で食べたら途中でギブアップしてしまいそうだけど写真で見る分には「美味しそうだなあ」という感想に尽きる。

 もう1つは最後にあったウィザーズ社の見学の箇所で掲載されていた世界地図。上部に大きく「Pin Where You’ve Been」と書かれているので社員の方が今までに(仕事で?)訪ねたことのある場所にピンを刺したものらしい。

 この世界地図を一見してすぐに気づいたのは日本に大量に押されたピンの数。北は北海道から南は九州までとにかく埋め尽くしている状態。それ以外には、オセアニアにポツポツと、ヨーロッパに点々と、そしてアメリカのそこかしこに。

余談9:公式サイト - Savor the Flavor

 闇の隆盛の時代を迎えたイニストラードを舞台にしたゲームブック形式のコラム。

  公式サイト (日本語):君は窮地にあるか?
  http://mtg-jp.com/reading/translated/stf/003102/

  公式サイト (英語):Is This Your Fateful Hour?
  http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/stf/185

 こういう形式のコラムは大好きなので(というかゲームブック大好きなので)さっそくトライ。ネタばれになるので選んだ選択肢とその結果、およびラストについては白字で書いておく。

 スレイベンへと向かう途中にぬかるみの中にある墓地に行き当たった。剣を構えてゆっくりと注意深く進んだが、やはりアンデッドの領域内に長く身を置く行為は危険すぎたらしく、グール数体に襲われ手傷を負わされた(4点のダメージ:残りLife 16点)。

 次には巨大な蜘蛛が下で待ちかまえている吊り橋にさしかかった。別の生き物が網にかかるのを待って、その隙に抜けようと考えて待ってみたが、それより先に蜘蛛がこちらの存在に気づいてしまった。傷を受けたが、馬が犠牲になっている隙になんとか突破(4点のダメージ:残りLife 12点)。

 檻に閉じ込められている捕虜を前に助けるべきか悩んでいると、月の光を浴びた男がみるみると怪物へと変身し檻を破って襲って来た。襲われた際に聖印を弾き飛ばされたが、なんとかそれを見つけ出して狼男を退治した。しかしその際、かかとに傷を負う(3点のダメージ:残りLife 9点)。

 丘を越えるとき斜面を大量のアンデッドが向かってくるのが見えた。その中に1人、肉親の帽子をかぶっているグールが見てとれた。ボロボロの服と血まみれの剣しか持っていないので、最後の頼みとばかりにアヴァシンに祈りを捧げる。奇跡的にそれは力を発し、ゾンビの軍勢を突っ切ることに成功するがそれだけの代償もあった(7点のダメージ:残りLife 2点)。

 街が近づいてくるのが見えるが、狼男にやられた傷のことが心に重しとなってのしかかる。そしてじわりじわりと精神が化け物に侵食されるのを感じる。絶望の中、急ぐつもりにも止まるつもりにもなれず、とぼとぼと歩いているうちにここまでに受けた傷が命を奪っていった。


 というわけで残念ながらゲームオーバー。ちなみに2回目のトライでクリアできたよ。
イニストラードの君主、ソリン/Sorin, Lord of Innistrad - 闇の隆盛 神話レア
Sorin, Lord of Innistrad / イニストラードの君主、ソリン (2)(白)(黒)
プレインズウォーカー - ソリン(Sorin)
[+1]:絆魂を持つ黒の1/1の吸血鬼(Vampire)クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。
[-2]:あなたは「あなたがコントロールするクリーチャーは+1/+0の修整を受ける。」を持つ紋章を得る。
[-6]:最大3つまでのクリーチャーと他のプレインズウォーカーを対象とし、それらを破壊する。これにより墓地に置かれた各カードを、あなたのコントロール下で戦場に戻す。
3
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Sorin%2C+Lord+of+Innistrad/

 この白黒の《イニストラードの君主、ソリン/Sorin, Lord of Innistrad》が印刷されたことにより、ソリンは5枚目の「違う色に渡って複数枚カード化されたことのあるプレインズウォーカー」となった。ちなみに彼の1枚目のカード化は黒単色の《ソリン・マルコフ/Sorin Markov》だ。
 その他の4枚はアジャニ(《黄金のたてがみのアジャニ/Ajani Goldmane》と《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant》)、ガラク(《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》と《ヴェールの呪いのガラク/Garruk, the Veil-Cursed》)、サルカン(《サルカン・ヴォル/Sarkhan Vol》と《狂乱のサルカン/Sarkhan the Mad》)、そしてテゼレット(《求道者テゼレット/Tezzeret the Seeker》と《ボーラスの工作員、テゼレット/Tezzeret, Agent of Bolas》)だ。

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0312
Chaos Lord - アイスエイジ レア
Chaos Lord (4)(赤)(赤)(赤)
クリーチャー - 人間(Human)
先制攻撃
あなたのアップキープの開始時に、いずれかの対戦相手1人を対象とする。パーマネントの数が偶数である場合、そのプレイヤーはChaos Lordのコントロールを得る。
Chaos Lordは、このターンにこれが戦場に出たので無い限り、それが速攻を持つかのように攻撃できる。
7/7
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Chaos+Lord/

 《Chaos Lord》はコンセプトはシンプル(簡単に裏切り、目の前にいれば誰であろうと攻撃する)にも関わらずそれをルールテキストに置き換えるのが困難なカードの1つだ。
 一時期このカードは速攻と「戦場に出たときに速攻を失う」という能力を持っていた。現在は「このターンにこれが戦場に出たので無い限り、それが速攻を持つかのように攻撃できる」ということになっている。

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0312
Lord of Tresserhorn - アライアンス レア
Lord of Tresserhorn (1)(青)(黒)(赤)
伝説のクリーチャー - ゾンビ(Zombie)
Lord of Tresserhornが戦場に出たとき、対戦相手1人を対象とする。あなたは2点のライフを失うとともにクリーチャーを2体生け贄に捧げ、そのプレイヤーはカードを2枚引く。
(黒):Lord of Tresserhornを再生する。
10/4
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Lord+of+Tresserhorn/

 プレイテストのあいだ、《Lord of Tresserhorn》は「Good Buddy」(註1)というあだ名と呼ばれていた。なぜか? それは彼が 10/4 (註2) であり、かつ一部のテストプレイヤーたちは市民ラジオ(註3)のあいだで流行っていたスラングをまだ覚えていたからだ!
 実のところこのカードは元々 9/4 だったのだがこの変なあだ名のために 10/4 に変更されたのだ!

(註1) Good Buddy
 米国の市民ラジオ(=CB無線)のリスナー仲間はお互いをこう呼んでいたらしい。

 参照:英辞郎 on the WEB「good buddy」の項目
 http://eow.alc.co.jp/search?q=good+buddy&ref=sa

(註2) 10/4
 市民ラジオのリスナーが用いていたスラングで「了解」を意味する用語。ちなみに「10-4」が「了解」で「10-10」が「通信終わり」を意味するらしい。

 参照:Wikipedia「緊急指令10-4・10-10」の項目
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B7%8A%E6%80%A5%E6%8C%87%E4%BB%A410-4%E3%83%BB10-10

(註3) 市民ラジオ
 原文では CB Radio (Citizens’ Band)。個人で発信できる短距離無線。

 参照:Wikipedia「市民ラジオ」の項目
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B8%82%E6%B0%91%E3%83%A9%E3%82%B8%E3%82%AA

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0312
秘密の王、ザデック/Szadek, Lord of Secrets - ラヴニカ:ギルドの都 レア
Szadek, Lord of Secrets / 秘密の王、ザデック (3)(青)(青)(黒)(黒)
伝説のクリーチャー - 吸血鬼(Vampire)
飛行
秘密の王、ザデックがプレイヤーに戦闘ダメージを与える場合、代わりに同じ数の+1/+1カウンターを秘密の王、ザデックの上に置くとともに、そのプレイヤーは自分のライブラリーのカードを上から同じ枚数だけ、自分の墓地に置く。
5/5
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Szadek%2C+Lord+of+Secrets/

 《秘密の王、ザデック/Szadek, Lord of Secrets》は明らかにライブラリ破壊として使われることを想定している。しかし+1/+1カウンターには他にも使い道が考えられる。例えば《はぐれスパイク/Spike Rogue》(註1)や《電結の悪鬼/Arcbound Fiend》(註2)のようなカードを使えばいい。もし君があえて物事を複雑にしたいのならね。

(註1) 《はぐれスパイク/Spike Rogue》
Spike Rogue / はぐれスパイク (1)(緑)(緑)
クリーチャー - スパイク(Spike)
はぐれスパイクは、その上に+1/+1カウンターが2個置かれた状態で戦場に出る。
(2),はぐれスパイクから+1/+1カウンターを1個取り除く:クリーチャー1体を対象とし、その上に+1/+1カウンターを1個置く。
(2),あなたがコントロールするクリーチャーから+1/+1カウンターを1個取り除く:はぐれスパイクの上に+1/+1カウンターを1個置く。
0/0
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Spike+Rogue/

(註2) 《電結の悪鬼/Arcbound Fiend》
Arcbound Fiend / 電結の悪鬼 (6)
アーティファクト クリーチャー - ホラー(Horror)
畏怖(このクリーチャーは、黒でもアーティファクトでもないクリーチャーによってはブロックされない。)
あなたのアップキープの開始時に、クリーチャー1体を対象とする。あなたは、そのクリーチャーから+1/+1カウンターを1個、電結の悪鬼の上に移動してもよい。
接合3(これはその上に+1/+1カウンターが3個置かれた状態で戦場に出る。それが死亡したとき、アーティファクト・クリーチャー1体を対象とする。あなたは「その上にそれらの+1/+1カウンターを置く」ことを選んでもよい。)
0/0
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Arcbound+Fiend/

元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0312

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