【翻訳】墓地にまつわるイニストラードのカードたち/Graveyard Shifts【Daily MTG】
Tom LaPille
2011年11月18日
元記事:http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/daily/ld/169
イニストラードのテーマは墓地であり、墓地はイニストラードのメカニズムの心臓そのものだ。
公式の検索機能であるGathererで軽く調べただけでも分かるように、イニストラードの基本地形を除いた全249枚のカードのうち69枚に「墓地」という言葉が含まれている。そのうちフラッシュバックを持つカードは27枚だけだ。
その他にも17枚のカードに「死亡する(dies)」という言葉が含まれ、9枚に「死亡した(died)」という言葉が含まれている。これらはつい最近まで「墓地」という言葉で表現されていたものだ。
なかなかのカード枚数だろう?
私たちはデベロッパーとして、墓地をデザインの対象として掘り返すことに潜む危険性については理解しているつもりだ。それにはいくつか理由があり、その大半はこのイニストラードの開発中にも様々な形で顔をのぞかせてきた。
今日はそれらの問題点を表面化させたカードたちを紹介していこうと思う。その過程で問題点そのものについても語ることになるだろう。
遠い昔、遠い宇宙の彼方で《弧炎撒き/Arc-Slogger》というカードが作られた。その頃、それはなかなか強いカードだった。ミラディンブロック構築で2つの異なるデッキのキーパーツとして活躍し、それらのデッキのうち片方は次の年にスタンダード環境へと持ち込まれた。
デカい図体と一緒に3発の《ショック/Shock》を内包したそいつは構築で使われるのに十分な強さだったが、それにも関わらず、このカードはトーナメントプレイヤーにしか受けなかったように思われる。
ほとんどのプレイヤーは自分のデッキのほとんどのカードが使われずに失われてしまうことにアレルギー反応を起こし、消費者調査によるとこの《弧炎撒き/Arc-Slogger》はミラディンで最も嫌われたカードの1枚だった。
それからのち、私たちはトーナメント仕様なカードとコモンカードの両方から、自分のデッキを自ら「すり減らす(mill)」効果を極力排除するようにしていた。
《甲冑のスカーブ/Armored Skaab》と《錯乱した助手/Deranged Assistant》の2枚はその例外だ。
これら2枚はイニストラードの限定環境においては青白以外の青デッキにとって重要なパーツとなる。しかしそうであっても大半のマジックプレイヤーにとっては《甲冑のスカーブ/Armored Skaab》は単に《角海亀/Horned Turtle》の下位互換に過ぎない存在だろう。
もし私たちが自身のデッキを「すり減らす(mill)」効果を避けたいのなら、なぜ今回もそうしなかったのだろうか? それは、いくつかの要素が上手く結びついたからだ。
私たちの目的としては、青のゾンビたちは構築に出番のない強さのかわりに全て墓地をたやすく肥やすことが出来るようになっており、その他の4色はどちらかというと真っ正直な効果が多い中で、使いづらく居心地の悪さを感じさせるカードはホラーのテーマに合っているように感じられたためだ。
これらを作ったことは成功だったと思っている。なぜなら自分のデッキを削りたおす青のデッキたちは私や他のスパイクなプレイヤーたちに大ヒットだったからだ。しかしそれでもこれらはやはり例外的な存在と言える。
私はまた青という色にこの役割が任せられたことにも満足している。奇妙な動きをするデッキに傾倒しているプレイヤーたちは総じて青を好む傾向があるからだ。
これがいつ開発用のファイルに加わったのか、イマイチ思い出せない。開発の後期だったことは確かだが、それ以上はさっぱりだ。ただこのカードの目的だけは覚えている。それは「クリーチャーにフラッシュバックを与える」ことだ。
またそれが実際に成功した瞬間も覚えている。シールドデッキによるプレイテスト時のことだ。
私が使っていたのは遅いデッキで自分で自分の山を削るタイプのデッキだった。こういうタイプのデッキはその頃まだ誰も試していなかったが、私はこのデッキこそ《瀬戸際からの帰還/Back from the Brink》のためのデッキだと感じられた。
《瀬戸際からの帰還/Back from the Brink》がその効果を発揮しだしたとき、次から次へとコピーしたクリーチャーたちを表すために馬鹿みたいに大量の紙切れが戦場を乱舞することなり、私たちは本当にこれは大丈夫なのかと目をむいた。
大量の《幻影の像/Phantasmal Image》と《ファイレクシアの変形者/Phyrexian Metamorph》でも同じ状況は生じ得るが、それは同じゲーム内でそれらを大量に引いた場合のみだ。たった1枚のカードから大量のクローン・トークンが生み出されるのとはまったく違う話だ。
3つの点がこのカードの命を救った。
1つ目として、これはマジックオンライン上では何の問題もなかった。プログラムがありがたくもプレイヤーのために全文記載された素晴らしいトークンを作ってくれるからだ。
2つ目に、このカードはフューチャーフューチャーリーグ(訳註:製品発売前に開発部でプレイテストのため、新カードを含めて開催されるリーグ戦)でも何の問題も起こさなかった。そのため、競技レベルのトーナメントでも大量の紙切れに困らされるような事態は起きないだろうと考えられた。
3つ目に、その時点ですでにカードイラストは出来あがってしまっており、そのイラストよりふさわしい効果を誰も思いつけなかったのだ。
それだけの理由があれば十分な話で、私たちはこのカードをそのまま世に出すことにした。
デザインの作業が行われているとき、Mark Rosewaterはしばしばホラーを感じさせる集団や群れを黒以外の色で作ってみるように、という課題を私たちにつきつけた。
私が作ってみたのは、先祖の霊がつきまとって助けてくれるというものだった。守護霊のような存在でありつつも薄気味悪さを感じさせてくれるクリーチャーだ。私のデザインしたそのコンセプトがこの《安らかに旅立つ者/Dearly Departed》となった。
しかし私の生み出したバージョンでは、+1/+1のカウンターは君のコントロールする全てのクリーチャーに対して与えられるというものだった。さて、何が起きたのだろう?
一言で言えば、-1/-1カウンターを相殺してしまうこの効果は《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》や《残忍なレッドキャップ/Murderous Redcap》のような輩たちと残念なループを形成してしまうのだ。
例えば、モダンのデッキに《出産の殻/Birthing Pod》を用いて《臓物の予見者/Viscera Seer》と《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》と《シルヴォクののけ者、メリーラ/Melira, Sylvok Outcast》を戦場に出し、無限ライフを得るデッキがある。
《安らかに旅立つ者/Dearly Departed》も同様の効果を生み出しうるカードとなる可能性があった。またKen Nagleは統率者戦においても不快なコンボのキーパーツとなる危険性について示唆した。
私がそれを避けるために思いついた修正は、特定の条件でカードが自身をゲームから追放するような効果を付加することだったが、Erik Lauerはもっとエレガントな修正を思いついてくれた。それが、ボーナスの対象を人間に限る、というものだった。
これによって、今後も常にこのカードの存在を気にし続けなければいけないという事態をほぼ回避し、かつ既存のカードたちとの組み合わせも綺麗に解決できた。
ありがとう、Erik!
私たちは今なお事あるごとに《取り消し/Cancel》を世に出したことについて苦情を寄せられている。私たちは基本的でシンプルな効果に適切なコストを与えることに喜びを感じている。そして《取り消し/Cancel》も構築レベルにまったく届かないというほど弱いカードだとは思っていない。
私たちはフューチャーフューチャーリーグで《雲散霧消/Dissipate》を唱えるのが楽しかったし、実際にセットがリリースしたあとのプレイヤーたちも同様のようだ。
先のシーズンでは、ほとんどアーティファクトの入っていないデッキにもたくさんの《冷静な反論/Stoic Rebuttal》が使われていた。楽しめる構築環境を作るために私たちが実践している理論の1つに「プレイに足るだけのパワーレベルを持たせつつも悩むことなくデッキに入るほどのレベルにはしない」がある。これによってフォーマットにバリエーションが生まれるからだ。
上級のプレイヤーたちが下位互換ともとれるようなカードたちを使ってくれる限り、私たちは今のやり方を続けようと思っている。
《グレイブディガー/Gravedigger》は多くのプレイヤーにとって明らかに弱すぎるカードにしか見えない。4マナで2/2? しかも4ターン目に出番があることがほとんどないカード? 誰がそんなカードを使いたがるというんだ?
慣れたプレイヤーであればこのカードがそれなりに強いことを知っている。しかしそれでもこのカードがときにゲームを長引かせ、戦場の優位を絶対的なものにしつつも実際に勝利するまで長い時間を要させるようなカードであることも知っている。
《グレイブディガー/Gravedigger》の最悪のケースはもちろん2枚目の《グレイブディガー/Gravedigger》によって延々と墓地からの回収が繰り返されることだ。
イニストラードのデザインで、Richard Garfieldは墓地から手札に回収するカードをランダムで選ぶというアイデアを思いついた。それによって私たちは《グレイブディガー/Gravedigger》と似たようなカードをより安いコストで作れることになった。なぜなら明らかにランダムに回収するほうが効果としては弱いし、かつ無限に回収が行われるような事態も起きづらくなるからだ。
これはいいアイデアに思えたが、実のところ、私は実際のプレイで回収が本当にランダムに行われるのかどうかについては確証がなかった。
2週間前の土曜日、私はドラフトで青黒のゾンビデッキを作った。それには2枚の《その場しのぎのやっかいもの/Makeshift Mauler》と《スカーブの大巨人/Skaab Goliath》と《死体の突進/Corpse Lunge》が入っていた。このデッキでは《グール起こし/Ghoulraiser》で掘り起こしたくないゾンビを回収してしまうことは実に稀だった。
もちろんそれは私にとって良いニュースだった。
なぜならそれはつまり私の《死体生まれのグリムグリン/Grimgrin, Corpse-Born》は素晴らしい働きを何度も何度も見せてくれたことにほかならないからだ(註)。
私が今までに何度も、デザインチームが問題の穴をふさごうと頭脳的で高尚なデザインを試みては、プレイヤーがそこに風穴を開けてくるのを見てきた。
今回の例は実に奇妙な出来事だった。何しろ私自身がその風穴を開ける役割を担ったのだ。後悔すべきことなのかどうなのか、今でもよく分かっていない。
このカードはある意味で《瀬戸際からの帰還/Back from the Brink》に似たところのあるカードだ。自身のデッキを削ることを前提とした長期戦用のカードであり、じっくりと時間をかけてアドバンテージを稼いでいくタイプのカードだ。
墓地をテーマとすることはこういったカードを特に生み出しやすくする。そして、実のところ私はそれをあまり好ましくは思っていない。それでもなお、そのカテゴリに属するカードであるにも関わらず《排水路の汚濁/Gutter Grime》はイニストラードのカードの中で私のお気に入りの1枚だ。
上記に述べたタイプのカードを私が好ましくないとする理由は、すでにゲームの勝敗がほぼ明らかな状態にも関わらず私と対戦相手がゲームを遊び続けなければならない状況を生み出しやすくなるからだ。
しかしこの《排水路の汚濁/Gutter Grime》は逆で、その指数関数的な成長によって早々にゲームを終わらせてくれる。このカードは動き始めるまでには時間がかかる。しかし私の元に6/6のウーズが6体もいれば? そう、あっという間に決着がつくだろう。
加えていうならゲームの結末としてはこれはなかなか楽しいものだ。特にデッキをゆっくりと削っていくような試合の結末としてはね。
これがデザインファイルに入っているのを見たとき、私にはこいつの使い道がまったく思いつかなかった。最終的にこいつがデベロップメントのファイルに加わったのを見たときも同様に、私は使い道がまったく思いつかないままだった。
そしていまだにこいつの使い道が分からないままだ。
すでに語ったと思うが、イニストラードのデザインにはRichard Garfieldも参加している。面白いゲーム環境を生み出す才能を持った彼は、一緒にいることで楽しい時間を過ごせるし、その才能はセットの構造を造りあげるために必要な鍵でもある。
しかし個別のカードデザインとなると、彼の才能はしばしば奇妙で奇抜な方向へと向かう。言うまでもないことだが、この《鏡狂の幻/Mirror-Mad Phantasm》もまたそういったカードのうちの1枚だ。
彼の作る奇抜なカードたちはあまりにもヘンテコ過ぎるため、全てをファイルに残すわけにはいかなかった。もしそんなことをすればセットに含まれる変なカードの割合はあまりに高くなり過ぎてしまうだろう。
そんな中、なんとか生き残った1枚がこれだ。
正直、誰もこのカードの本当の使い道を見つけ出すことができないんじゃないかと思っている。それとも君ならそれを見つけ出せるんだろうか?
次の領域へ
墓地をテーマとしたセットには「ある領域からある領域へ」他のカードを移動させるカードがあふれている。私はカードではないけれど、私もまたつい最近「ある領域へ」の移動を経験したばかりだ。
ウィザーズで働き始める前、私のゲームに関する経験は特にカードゲームに限られていた。この3年間で、私の地平は他のいくつもの分野へと拓けていった。ボードゲームやミニチュアゲームなどだ。
その中でも特に私が傾倒していったのは、卓上ロールプレイングゲームだ。ここ1年間は、昔マジックをそうして楽しんでいたように、ロールプレイングゲームのためにいくつものコンベンションを飛び回っている。
実のところ、つい先週の日曜日にコンベンションから帰って来たばかりだ。その週末に味わった楽しさは、私がマジックのプロツアーでプレイヤーとして味わったものに勝るとも劣らないものだった。
私はつい最近、ダンジョンズアンドドラゴンズのR&Dへと異動する機会を与えられた。
そうするべきか否かについては随分と悩んだけど、きっとこれがそのときなんだと思った。今、この瞬間も思っている。最初のうちはとまどうことになるかもしれない。だけどこうすることで私が今一番夢中なことに身を投じることが出来るんだ。
Latest Developmentのコラムを君たちに届けることが出来たこの3年間は私にとって非常に光栄で、かつ楽しい時間だった。だけど一歩足を踏み出す時間が来た。
君たちとコラムについては、デベロッパーのZac Hillにあとをお願いしてある。。サンクスギビングのあとの金曜日にもう少しだけ何か書くことになるかもしれない。だけどそれ以降はしばらく私の記事を見ることはないだろう。
1997年にマジックに出会わなかったら、私はきっとまったく違った人生を歩んでいたと思う。14年間ものあいだマジックと歩んできた時間が私に教えてくれたもの、それは人生そのものであり、きつい仕事であり、ゲームデザインであり、そしてほかのいかなるものであっても味わえなかった楽しい時間だ。
いつか君が、振り返って同じ思いを抱いてくれるよう祈ってる。
Tom LaPille
2011年11月18日
元記事:http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/daily/ld/169
イニストラードのテーマは墓地であり、墓地はイニストラードのメカニズムの心臓そのものだ。
公式の検索機能であるGathererで軽く調べただけでも分かるように、イニストラードの基本地形を除いた全249枚のカードのうち69枚に「墓地」という言葉が含まれている。そのうちフラッシュバックを持つカードは27枚だけだ。
その他にも17枚のカードに「死亡する(dies)」という言葉が含まれ、9枚に「死亡した(died)」という言葉が含まれている。これらはつい最近まで「墓地」という言葉で表現されていたものだ。
なかなかのカード枚数だろう?
私たちはデベロッパーとして、墓地をデザインの対象として掘り返すことに潜む危険性については理解しているつもりだ。それにはいくつか理由があり、その大半はこのイニストラードの開発中にも様々な形で顔をのぞかせてきた。
今日はそれらの問題点を表面化させたカードたちを紹介していこうと思う。その過程で問題点そのものについても語ることになるだろう。
Armored Skaab / 甲冑のスカーブ (2)(青)
クリーチャー - ゾンビ(Zombie) 戦士(Warrior)
甲冑のスカーブが戦場に出たとき、あなたのライブラリーの一番上から4枚のカードをあなたの墓地に置く。
1/4
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Armored+Skaab/
Deranged Assistant / 錯乱した助手 (1)(青)
クリーチャー - 人間(Human) ウィザード(Wizard)
(T),あなたのライブラリーの一番上のカードをあなたの墓地に置く:あなたのマナ・プールに(1)を加える。
1/1
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Deranged+Assistant/
遠い昔、遠い宇宙の彼方で《弧炎撒き/Arc-Slogger》というカードが作られた。その頃、それはなかなか強いカードだった。ミラディンブロック構築で2つの異なるデッキのキーパーツとして活躍し、それらのデッキのうち片方は次の年にスタンダード環境へと持ち込まれた。
デカい図体と一緒に3発の《ショック/Shock》を内包したそいつは構築で使われるのに十分な強さだったが、それにも関わらず、このカードはトーナメントプレイヤーにしか受けなかったように思われる。
ほとんどのプレイヤーは自分のデッキのほとんどのカードが使われずに失われてしまうことにアレルギー反応を起こし、消費者調査によるとこの《弧炎撒き/Arc-Slogger》はミラディンで最も嫌われたカードの1枚だった。
それからのち、私たちはトーナメント仕様なカードとコモンカードの両方から、自分のデッキを自ら「すり減らす(mill)」効果を極力排除するようにしていた。
《甲冑のスカーブ/Armored Skaab》と《錯乱した助手/Deranged Assistant》の2枚はその例外だ。
これら2枚はイニストラードの限定環境においては青白以外の青デッキにとって重要なパーツとなる。しかしそうであっても大半のマジックプレイヤーにとっては《甲冑のスカーブ/Armored Skaab》は単に《角海亀/Horned Turtle》の下位互換に過ぎない存在だろう。
もし私たちが自身のデッキを「すり減らす(mill)」効果を避けたいのなら、なぜ今回もそうしなかったのだろうか? それは、いくつかの要素が上手く結びついたからだ。
私たちの目的としては、青のゾンビたちは構築に出番のない強さのかわりに全て墓地をたやすく肥やすことが出来るようになっており、その他の4色はどちらかというと真っ正直な効果が多い中で、使いづらく居心地の悪さを感じさせるカードはホラーのテーマに合っているように感じられたためだ。
これらを作ったことは成功だったと思っている。なぜなら自分のデッキを削りたおす青のデッキたちは私や他のスパイクなプレイヤーたちに大ヒットだったからだ。しかしそれでもこれらはやはり例外的な存在と言える。
私はまた青という色にこの役割が任せられたことにも満足している。奇妙な動きをするデッキに傾倒しているプレイヤーたちは総じて青を好む傾向があるからだ。
Back from the Brink / 瀬戸際からの帰還 (4)(青)(青)
エンチャント
あなたの墓地にあるクリーチャー・カードを1枚追放し、それのマナ・コストを支払う:そのカードのコピーであるトークンを1体戦場に出す。この能力は、あなたがソーサリーを唱えられるときにのみ起動できる。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Back+from+the+Brink/
これがいつ開発用のファイルに加わったのか、イマイチ思い出せない。開発の後期だったことは確かだが、それ以上はさっぱりだ。ただこのカードの目的だけは覚えている。それは「クリーチャーにフラッシュバックを与える」ことだ。
またそれが実際に成功した瞬間も覚えている。シールドデッキによるプレイテスト時のことだ。
私が使っていたのは遅いデッキで自分で自分の山を削るタイプのデッキだった。こういうタイプのデッキはその頃まだ誰も試していなかったが、私はこのデッキこそ《瀬戸際からの帰還/Back from the Brink》のためのデッキだと感じられた。
《瀬戸際からの帰還/Back from the Brink》がその効果を発揮しだしたとき、次から次へとコピーしたクリーチャーたちを表すために馬鹿みたいに大量の紙切れが戦場を乱舞することなり、私たちは本当にこれは大丈夫なのかと目をむいた。
大量の《幻影の像/Phantasmal Image》と《ファイレクシアの変形者/Phyrexian Metamorph》でも同じ状況は生じ得るが、それは同じゲーム内でそれらを大量に引いた場合のみだ。たった1枚のカードから大量のクローン・トークンが生み出されるのとはまったく違う話だ。
3つの点がこのカードの命を救った。
1つ目として、これはマジックオンライン上では何の問題もなかった。プログラムがありがたくもプレイヤーのために全文記載された素晴らしいトークンを作ってくれるからだ。
2つ目に、このカードはフューチャーフューチャーリーグ(訳註:製品発売前に開発部でプレイテストのため、新カードを含めて開催されるリーグ戦)でも何の問題も起こさなかった。そのため、競技レベルのトーナメントでも大量の紙切れに困らされるような事態は起きないだろうと考えられた。
3つ目に、その時点ですでにカードイラストは出来あがってしまっており、そのイラストよりふさわしい効果を誰も思いつけなかったのだ。
それだけの理由があれば十分な話で、私たちはこのカードをそのまま世に出すことにした。
Dearly Departed / 安らかに旅立つ者 (4)(白)(白)
クリーチャー - スピリット(Spirit)
飛行
安らかに旅立つ者があなたの墓地にある限り、あなたがコントロールする各人間(Human)クリーチャーは、その上に追加の+1/+1カウンターが1個置かれた状態で戦場に出る。
5/5
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Dearly+Departed/
デザインの作業が行われているとき、Mark Rosewaterはしばしばホラーを感じさせる集団や群れを黒以外の色で作ってみるように、という課題を私たちにつきつけた。
私が作ってみたのは、先祖の霊がつきまとって助けてくれるというものだった。守護霊のような存在でありつつも薄気味悪さを感じさせてくれるクリーチャーだ。私のデザインしたそのコンセプトがこの《安らかに旅立つ者/Dearly Departed》となった。
しかし私の生み出したバージョンでは、+1/+1のカウンターは君のコントロールする全てのクリーチャーに対して与えられるというものだった。さて、何が起きたのだろう?
一言で言えば、-1/-1カウンターを相殺してしまうこの効果は《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》や《残忍なレッドキャップ/Murderous Redcap》のような輩たちと残念なループを形成してしまうのだ。
例えば、モダンのデッキに《出産の殻/Birthing Pod》を用いて《臓物の予見者/Viscera Seer》と《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》と《シルヴォクののけ者、メリーラ/Melira, Sylvok Outcast》を戦場に出し、無限ライフを得るデッキがある。
《安らかに旅立つ者/Dearly Departed》も同様の効果を生み出しうるカードとなる可能性があった。またKen Nagleは統率者戦においても不快なコンボのキーパーツとなる危険性について示唆した。
私がそれを避けるために思いついた修正は、特定の条件でカードが自身をゲームから追放するような効果を付加することだったが、Erik Lauerはもっとエレガントな修正を思いついてくれた。それが、ボーナスの対象を人間に限る、というものだった。
これによって、今後も常にこのカードの存在を気にし続けなければいけないという事態をほぼ回避し、かつ既存のカードたちとの組み合わせも綺麗に解決できた。
ありがとう、Erik!
Dissipate / 雲散霧消 (1)(青)(青)
インスタント
呪文1つを対象とし、それを打ち消す。その呪文がこれにより打ち消された場合、それをオーナーの墓地に置く代わりに追放する。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Dissipate/
私たちは今なお事あるごとに《取り消し/Cancel》を世に出したことについて苦情を寄せられている。私たちは基本的でシンプルな効果に適切なコストを与えることに喜びを感じている。そして《取り消し/Cancel》も構築レベルにまったく届かないというほど弱いカードだとは思っていない。
私たちはフューチャーフューチャーリーグで《雲散霧消/Dissipate》を唱えるのが楽しかったし、実際にセットがリリースしたあとのプレイヤーたちも同様のようだ。
先のシーズンでは、ほとんどアーティファクトの入っていないデッキにもたくさんの《冷静な反論/Stoic Rebuttal》が使われていた。楽しめる構築環境を作るために私たちが実践している理論の1つに「プレイに足るだけのパワーレベルを持たせつつも悩むことなくデッキに入るほどのレベルにはしない」がある。これによってフォーマットにバリエーションが生まれるからだ。
上級のプレイヤーたちが下位互換ともとれるようなカードたちを使ってくれる限り、私たちは今のやり方を続けようと思っている。
Ghoulraiser / グール起こし (1)(黒)(黒)
クリーチャー - ゾンビ(Zombie)
グール起こしが戦場に出たとき、あなたの墓地にあるゾンビ(Zombie)・カードを1枚無作為に選んであなたの手札に戻す。
2/2
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Ghoulraiser/
《グレイブディガー/Gravedigger》は多くのプレイヤーにとって明らかに弱すぎるカードにしか見えない。4マナで2/2? しかも4ターン目に出番があることがほとんどないカード? 誰がそんなカードを使いたがるというんだ?
慣れたプレイヤーであればこのカードがそれなりに強いことを知っている。しかしそれでもこのカードがときにゲームを長引かせ、戦場の優位を絶対的なものにしつつも実際に勝利するまで長い時間を要させるようなカードであることも知っている。
《グレイブディガー/Gravedigger》の最悪のケースはもちろん2枚目の《グレイブディガー/Gravedigger》によって延々と墓地からの回収が繰り返されることだ。
イニストラードのデザインで、Richard Garfieldは墓地から手札に回収するカードをランダムで選ぶというアイデアを思いついた。それによって私たちは《グレイブディガー/Gravedigger》と似たようなカードをより安いコストで作れることになった。なぜなら明らかにランダムに回収するほうが効果としては弱いし、かつ無限に回収が行われるような事態も起きづらくなるからだ。
これはいいアイデアに思えたが、実のところ、私は実際のプレイで回収が本当にランダムに行われるのかどうかについては確証がなかった。
2週間前の土曜日、私はドラフトで青黒のゾンビデッキを作った。それには2枚の《その場しのぎのやっかいもの/Makeshift Mauler》と《スカーブの大巨人/Skaab Goliath》と《死体の突進/Corpse Lunge》が入っていた。このデッキでは《グール起こし/Ghoulraiser》で掘り起こしたくないゾンビを回収してしまうことは実に稀だった。
もちろんそれは私にとって良いニュースだった。
なぜならそれはつまり私の《死体生まれのグリムグリン/Grimgrin, Corpse-Born》は素晴らしい働きを何度も何度も見せてくれたことにほかならないからだ(註)。
(註) 《死体生まれのグリムグリン/Grimgrin, Corpse-Born》と《グール起こし/Ghoulraiser》
推測だが、おそらく《グール起こし/Ghoulraiser》の能力が対象をとっていないことを利用してのコンボの話と思われる。
1. 墓地が空の状態でも構わずに《グール起こし》を戦場に出す
2. 能力をスタックに積む(対象をとらないので墓地が空でも問題なし)
3. 《死体生まれのグリムグリン》の能力で《グール起こし》を生け贄に捧げる
4. 《死体生まれのグリムグリン》をアンタップして+1/+1カウンターを置く
5. スタックに積んでおいた《グール起こし》の能力を解決する
6. 墓地に落ちている《グール起こし》を手札に回収する
7. 最初に戻る
私が今までに何度も、デザインチームが問題の穴をふさごうと頭脳的で高尚なデザインを試みては、プレイヤーがそこに風穴を開けてくるのを見てきた。
今回の例は実に奇妙な出来事だった。何しろ私自身がその風穴を開ける役割を担ったのだ。後悔すべきことなのかどうなのか、今でもよく分かっていない。
Gutter Grime / 排水路の汚濁 (4)(緑)
エンチャント
あなたがコントロールするトークンでないクリーチャーが1体死亡するたび、排水路の汚濁の上にスライム(slime)・カウンターを1個置く。その後、「このクリーチャーのパワーとタフネスはそれぞれ、排水路の汚濁の上に置かれているスライム・カウンターの数に等しい。」を持つ緑のウーズ(Ooze)・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Gutter+Grime/
このカードはある意味で《瀬戸際からの帰還/Back from the Brink》に似たところのあるカードだ。自身のデッキを削ることを前提とした長期戦用のカードであり、じっくりと時間をかけてアドバンテージを稼いでいくタイプのカードだ。
墓地をテーマとすることはこういったカードを特に生み出しやすくする。そして、実のところ私はそれをあまり好ましくは思っていない。それでもなお、そのカテゴリに属するカードであるにも関わらず《排水路の汚濁/Gutter Grime》はイニストラードのカードの中で私のお気に入りの1枚だ。
上記に述べたタイプのカードを私が好ましくないとする理由は、すでにゲームの勝敗がほぼ明らかな状態にも関わらず私と対戦相手がゲームを遊び続けなければならない状況を生み出しやすくなるからだ。
しかしこの《排水路の汚濁/Gutter Grime》は逆で、その指数関数的な成長によって早々にゲームを終わらせてくれる。このカードは動き始めるまでには時間がかかる。しかし私の元に6/6のウーズが6体もいれば? そう、あっという間に決着がつくだろう。
加えていうならゲームの結末としてはこれはなかなか楽しいものだ。特にデッキをゆっくりと削っていくような試合の結末としてはね。
Mirror-Mad Phantasm / 鏡狂の幻 (3)(青)(青)
クリーチャー - スピリット(Spirit)
飛行
(1)(青):鏡狂の幻のオーナーは、それを自分のライブラリーに加えて切り直す。そのプレイヤーがそうした場合、そのプレイヤーはそのライブラリーの一番上のカードを、《鏡狂の幻/Mirror-Mad Phantasm》という名前のカードが公開されるまで公開し続ける。そのプレイヤーはそのカードを戦場に出し、これにより公開された他のすべてのカードを自分の墓地に置く。
5/1
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Mirror-Mad+Phantasm/
これがデザインファイルに入っているのを見たとき、私にはこいつの使い道がまったく思いつかなかった。最終的にこいつがデベロップメントのファイルに加わったのを見たときも同様に、私は使い道がまったく思いつかないままだった。
そしていまだにこいつの使い道が分からないままだ。
すでに語ったと思うが、イニストラードのデザインにはRichard Garfieldも参加している。面白いゲーム環境を生み出す才能を持った彼は、一緒にいることで楽しい時間を過ごせるし、その才能はセットの構造を造りあげるために必要な鍵でもある。
しかし個別のカードデザインとなると、彼の才能はしばしば奇妙で奇抜な方向へと向かう。言うまでもないことだが、この《鏡狂の幻/Mirror-Mad Phantasm》もまたそういったカードのうちの1枚だ。
彼の作る奇抜なカードたちはあまりにもヘンテコ過ぎるため、全てをファイルに残すわけにはいかなかった。もしそんなことをすればセットに含まれる変なカードの割合はあまりに高くなり過ぎてしまうだろう。
そんな中、なんとか生き残った1枚がこれだ。
正直、誰もこのカードの本当の使い道を見つけ出すことができないんじゃないかと思っている。それとも君ならそれを見つけ出せるんだろうか?
次の領域へ
墓地をテーマとしたセットには「ある領域からある領域へ」他のカードを移動させるカードがあふれている。私はカードではないけれど、私もまたつい最近「ある領域へ」の移動を経験したばかりだ。
ウィザーズで働き始める前、私のゲームに関する経験は特にカードゲームに限られていた。この3年間で、私の地平は他のいくつもの分野へと拓けていった。ボードゲームやミニチュアゲームなどだ。
その中でも特に私が傾倒していったのは、卓上ロールプレイングゲームだ。ここ1年間は、昔マジックをそうして楽しんでいたように、ロールプレイングゲームのためにいくつものコンベンションを飛び回っている。
実のところ、つい先週の日曜日にコンベンションから帰って来たばかりだ。その週末に味わった楽しさは、私がマジックのプロツアーでプレイヤーとして味わったものに勝るとも劣らないものだった。
私はつい最近、ダンジョンズアンドドラゴンズのR&Dへと異動する機会を与えられた。
そうするべきか否かについては随分と悩んだけど、きっとこれがそのときなんだと思った。今、この瞬間も思っている。最初のうちはとまどうことになるかもしれない。だけどこうすることで私が今一番夢中なことに身を投じることが出来るんだ。
Latest Developmentのコラムを君たちに届けることが出来たこの3年間は私にとって非常に光栄で、かつ楽しい時間だった。だけど一歩足を踏み出す時間が来た。
君たちとコラムについては、デベロッパーのZac Hillにあとをお願いしてある。。サンクスギビングのあとの金曜日にもう少しだけ何か書くことになるかもしれない。だけどそれ以降はしばらく私の記事を見ることはないだろう。
1997年にマジックに出会わなかったら、私はきっとまったく違った人生を歩んでいたと思う。14年間ものあいだマジックと歩んできた時間が私に教えてくれたもの、それは人生そのものであり、きつい仕事であり、ゲームデザインであり、そしてほかのいかなるものであっても味わえなかった楽しい時間だ。
いつか君が、振り返って同じ思いを抱いてくれるよう祈ってる。
今週のCard of the Day (2011年11月 第3週) とか
2011年11月20日 週のまとめ余談1:今週のCard of the Dayのテーマ
今週のテーマは、墓地に類する言葉を含むカード。今週の金曜日に書かれたLatest Developmentのコラムにもあるようにイニストラードのテーマそのもの。
月曜日から順に「Graveyard」「墓地/Cemetery」「骨塚/Boneyard」「地下墓地/Catacombs」「Necropolis」がそれぞれカード名に含まれている。週の途中で「もしかしたらホームランドの《Cemetery Gate》の出番があるかも」と思ったけど、そんなことなかったぜ。
ところでこの《Cemetery Gate》はフレイバー的にイニストラードというセットにとてもふさわしいと個人的には思ってる。ただ、いかんせん再録されるにはカードパワーが低すぎる(「《Cemetery Gate》 (2)(黒) クリーチャータイプ 壁 プロテクション(黒) 0/5」というクリーチャー)。
名前、能力、フレイバーテキストの組み合わせがこれほどまでにしっくりはまってるカードも珍しい。そういう意味では結構好きなカードでもある(弱いけど)。なおフレイバーテキストは以下のとおり。
原文
"It keeps some out, yes. It also keeps others in!"
- Grandmother Sengir
拙訳
「そりゃ、中にいれないためにあるのさ。だけど外に出さないためでもあるんだよ!」
- センギアの太母
余談2:月曜日 《Elephant Graveyard》
知っている限りでは、この伝説上の象の墓場という存在は、象牙目当ての狩猟者たちが「象みたいにデカい動物が死んだら死骸が目立つはずなのにどうして見当たらないんだ」という疑問を抱いて「象は死期を悟ると自然と向かう隠された地があるんじゃなかろうか」と想像したところから生まれた、という話だった気がする。本当かどうかは知らない。
ちなみにエラッタが出る前は、再生できる対象のクリーチャータイプは「象/Elephant」だけではなく「象かマンモス/Elephant or Mammoth」だった。どっちにしてもアラビアンナイトにマンモスは1匹もいないけど。
余談3:火曜日 《墓地のプーカ/Cemetery Puca》
Graveyardじゃないのに日本語訳は墓地というカード。実際に「Graveyard」がカード名に含まれるものも多く存在しており、それらの日本語訳が「墓地」であることを考えると不思議な気がする(例としては《墓地のシャベル/Graveyard Shovel》や《灯籠の灯る墓地/Lantern-Lit Graveyard》など)。
調べてみたら「墓所」という言葉も「Grave(墓所のタイタン)」だったり「Crypt(トーモッドの墓所)」だったりと複数の英語があった。そういうものらしい。
あとCard of the Dayの記事の中で「カードではPucaというつづりだが実際には他にも多くのつづりで書かれることがある」という記述があった。外国語を自国語に置き換えると表記がブレるのはどこも同じらしい。
日本でも「スパゲティ、スパゲッティ、スパゲティー」というふうなブレが見られるし、中東でもアラビア語の地名が英語表記されるときに同様に表記のブレがある(同じ地名なのにアルファベット表記が複数存在することがある)。そのせいで客先の位置などをネットで検索するときに困ることがある。だってアラビア語で検索できないし、コピペで検索しても結果が読めないし。
余談4:水曜日 《骨塚のワーム/Boneyard Wurm》
単一の墓地しか見ないし、タフネスに修正は入らないし、軽いマナコストも能力と噛み合ってない気がするし、なんか先人たちと比べて不憫な気がする。とはいえ、その先人の1人である《ルアゴイフ/Lhurgoyf》が今の世で活躍できるかというと難しいだろうけど。
余談5:木曜日 《地下墓地の総ざらい/Empty the Catacombs》
Catacombsをカタコンベと訳すことに抵抗感はなかった。訳す際に気になったのはちょっと別のところで「なんで複数形なんだろう」という点。Catacombという単語が含まれる他のカードも含めてチェックすると、なぜか複数形と単数形が混ざっている。
複数形は《クローシスの地下墓地/Crosis’s Catacombs》、《ダークウォーターの地下墓地/Darkwater Catacombs》、《地下墓地の総ざらい/Empty the Catacombs》と《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》。単数形は《水没した地下墓地/Drowned Catacomb》と《地下墓地のドラゴン/Catacomb Dragon》。
ドラゴンがいる場所が単一の地下墓地なのは理解できる。他のカードは何が理由で単複を分けているのか、よく分からない。ネイティブなら分かるのかな。さみしい。
あと実は結構訳に手こずった。以下の原文の dares 以降の訳がきつかった。
要するに「プレイヤーは使い道を見つけるために苦労する、あえて使うために」ということなんだけど、それをすっきりと日本語に置き換えるのに手間取った。以下は、試行錯誤している最中の候補たち。
・候補1
あえてこれを使わないといけないとなるとプレイヤーは使い道に苦慮することになる
・候補2
あえてこれを選ぶだけの使い道はプレイヤーが自分で考え出さないといけないカードだ
・候補3
どうやったら役に立つのか、その使い道をプレイヤー側で考えないといけないカードだ
こういうのって色々書いてると段々どれが自然な日本語なのか分からなくなってきてしまうのが困りもの。ゲシュタルト崩壊って言うんだっけか。本当は一晩寝かせて次の日の朝にでも再確認するのがいいんだろうな。
余談6:金曜日 《Necropolis》
フレイバーは理解できる。死滅都市に遺棄された死体が徐々に都市の一部として飲み込まれていってしまい、ふと気がつくと誰もいないはずの都市が一回り成長している。たぶん、そんな感じ。
しかし(昔のカードだからしょうがないとはいえ)本当に弱いな、これ。5マナのカードなのに同じ能力で1マナでも使われるか怪しい、って相当なレベルだ。
余談7:殿堂入りプレイヤー中村修平のインタビュー(動画)/Pro Tour Hall of Fame 2011
意外と聞き取れるな、というのが正直なところ。本当に正しく聞き取れているのかどうか、というのは……どうなんだろう。大丈夫だと思う。音声はクリアだったし。
ただ中村修平さんのコメントの吹き替えについては、1箇所だけどうしても拾いきれなかった。いや、そもそも元が日本語なのに無理して英語を聞き取ってそれを日本語にするという作業自体が不毛なんだけどさ。
そうそう。Martin Juzaのコメントがマジックにまったく関係ない内容で笑えた。仲いいんだなあ。ちなみに日本語訳では「おまえ、ほんきか!?」とした言葉の原文は「Oh my god!」で、ワニは元の動画では「Alligator」だったはず。
余談8:墓地にまつわるイニストラードのカードたち/Graveyard Shifts
Tom LaPilleによる最後のコラム。さみしい。思っていたよりもずっとこの人のコラムのファンだったんだな、と読み終えたあとに気づいた。とりあえず今まで提供されてきたコラムへの感謝について、サイトからメッセージを送っておいた。
個人的に好きだったTom LaPilleのコラムはマジックオンライン専用セットであるマスターズエディションに関する記事。古くて最近のマジックに及ばないパワーレベルのカードたちを使ってなんとかバランスのとれたリミテッド環境にしようと奮闘した話で、昔の懐かしいカード名が色々出てきて楽しかった。
【翻訳】時間旅行/Time Traveling【Daily MTG】
原文:http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/ld/124
拙訳:http://regiant.diarynote.jp/201101100437461128/
【翻訳】タイムマシンの作り方/How to Make a Time Machine【Daily MTG】
原文:http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/ld/125
拙訳:http://regiant.diarynote.jp/201101160649345352/
さて思い出話はそれくらいにして、今回の記事の話。まずは記事のタイトルについて。
元のタイトルである Graveyard Shifts というのは、日本語で言う 深夜勤務 を指す言葉らしい。今回の記事の内容である「墓地」と「領域の移動」を両方含んでいる、かけ言葉的なタイトル。
日本語のタイトルも何か「墓地」に類する言葉の入ったことわざか何かにしようかなと思って色々試してみたけど、結局記事の内容が伝わるタイトルが一番かな、と思って無難な訳にしてしまった。
きっと上手い人なら、記事の内容である「墓地」や「移動」と元のタイトルの日本語の意味である「深夜勤務」をすべて組み合わせて気の利いたタイトルを生み出せるんだろうな……。
次にタイトル以外で訳すのに苦労した箇所。
一文がとても長くて、どこで切れるのかがさっぱり分からなくて困った。途中にある「morph into」も、何が何へ変化するのかを読み解くだけで一苦労だったし、大文字で始まっている「Design」が何を指すのかを推測するのも大変だった。
あらためて読むと日本語が変だな。無理に原文に合わせようとしないで、もっと自然な日本語になるようにおおらかに訳せば良かった気がする。
「ゲームをその環境ごと面白くする才能を持っているRichard Garfieldは、一緒にいるだけでもとても楽しい人物だ。またその才能は新しいセットを構築する際に非常に重要な鍵となる」のほうが分かりやすいかもしれない。
今週のテーマは、墓地に類する言葉を含むカード。今週の金曜日に書かれたLatest Developmentのコラムにもあるようにイニストラードのテーマそのもの。
月曜日から順に「Graveyard」「墓地/Cemetery」「骨塚/Boneyard」「地下墓地/Catacombs」「Necropolis」がそれぞれカード名に含まれている。週の途中で「もしかしたらホームランドの《Cemetery Gate》の出番があるかも」と思ったけど、そんなことなかったぜ。
ところでこの《Cemetery Gate》はフレイバー的にイニストラードというセットにとてもふさわしいと個人的には思ってる。ただ、いかんせん再録されるにはカードパワーが低すぎる(「《Cemetery Gate》 (2)(黒) クリーチャータイプ 壁 プロテクション(黒) 0/5」というクリーチャー)。
名前、能力、フレイバーテキストの組み合わせがこれほどまでにしっくりはまってるカードも珍しい。そういう意味では結構好きなカードでもある(弱いけど)。なおフレイバーテキストは以下のとおり。
原文
"It keeps some out, yes. It also keeps others in!"
- Grandmother Sengir
拙訳
「そりゃ、中にいれないためにあるのさ。だけど外に出さないためでもあるんだよ!」
- センギアの太母
余談2:月曜日 《Elephant Graveyard》
知っている限りでは、この伝説上の象の墓場という存在は、象牙目当ての狩猟者たちが「象みたいにデカい動物が死んだら死骸が目立つはずなのにどうして見当たらないんだ」という疑問を抱いて「象は死期を悟ると自然と向かう隠された地があるんじゃなかろうか」と想像したところから生まれた、という話だった気がする。本当かどうかは知らない。
ちなみにエラッタが出る前は、再生できる対象のクリーチャータイプは「象/Elephant」だけではなく「象かマンモス/Elephant or Mammoth」だった。どっちにしてもアラビアンナイトにマンモスは1匹もいないけど。
余談3:火曜日 《墓地のプーカ/Cemetery Puca》
Graveyardじゃないのに日本語訳は墓地というカード。実際に「Graveyard」がカード名に含まれるものも多く存在しており、それらの日本語訳が「墓地」であることを考えると不思議な気がする(例としては《墓地のシャベル/Graveyard Shovel》や《灯籠の灯る墓地/Lantern-Lit Graveyard》など)。
調べてみたら「墓所」という言葉も「Grave(墓所のタイタン)」だったり「Crypt(トーモッドの墓所)」だったりと複数の英語があった。そういうものらしい。
あとCard of the Dayの記事の中で「カードではPucaというつづりだが実際には他にも多くのつづりで書かれることがある」という記述があった。外国語を自国語に置き換えると表記がブレるのはどこも同じらしい。
日本でも「スパゲティ、スパゲッティ、スパゲティー」というふうなブレが見られるし、中東でもアラビア語の地名が英語表記されるときに同様に表記のブレがある(同じ地名なのにアルファベット表記が複数存在することがある)。そのせいで客先の位置などをネットで検索するときに困ることがある。だってアラビア語で検索できないし、コピペで検索しても結果が読めないし。
余談4:水曜日 《骨塚のワーム/Boneyard Wurm》
単一の墓地しか見ないし、タフネスに修正は入らないし、軽いマナコストも能力と噛み合ってない気がするし、なんか先人たちと比べて不憫な気がする。とはいえ、その先人の1人である《ルアゴイフ/Lhurgoyf》が今の世で活躍できるかというと難しいだろうけど。
余談5:木曜日 《地下墓地の総ざらい/Empty the Catacombs》
Catacombsをカタコンベと訳すことに抵抗感はなかった。訳す際に気になったのはちょっと別のところで「なんで複数形なんだろう」という点。Catacombという単語が含まれる他のカードも含めてチェックすると、なぜか複数形と単数形が混ざっている。
複数形は《クローシスの地下墓地/Crosis’s Catacombs》、《ダークウォーターの地下墓地/Darkwater Catacombs》、《地下墓地の総ざらい/Empty the Catacombs》と《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》。単数形は《水没した地下墓地/Drowned Catacomb》と《地下墓地のドラゴン/Catacomb Dragon》。
ドラゴンがいる場所が単一の地下墓地なのは理解できる。他のカードは何が理由で単複を分けているのか、よく分からない。ネイティブなら分かるのかな。さみしい。
あと実は結構訳に手こずった。以下の原文の dares 以降の訳がきつかった。
原文
The original Necropolis (as opposed to the Keldon or Crumbling kind) dares players to find a way to make use of it.
拙訳
最初の死滅都市である《Necropolis》はケルドにあるものや崩れゆくものとは違い、あえてプレイヤーがこのカードを使わないといけない理由がさっぱり分からないカードだ。
要するに「プレイヤーは使い道を見つけるために苦労する、あえて使うために」ということなんだけど、それをすっきりと日本語に置き換えるのに手間取った。以下は、試行錯誤している最中の候補たち。
・候補1
あえてこれを使わないといけないとなるとプレイヤーは使い道に苦慮することになる
・候補2
あえてこれを選ぶだけの使い道はプレイヤーが自分で考え出さないといけないカードだ
・候補3
どうやったら役に立つのか、その使い道をプレイヤー側で考えないといけないカードだ
こういうのって色々書いてると段々どれが自然な日本語なのか分からなくなってきてしまうのが困りもの。ゲシュタルト崩壊って言うんだっけか。本当は一晩寝かせて次の日の朝にでも再確認するのがいいんだろうな。
余談6:金曜日 《Necropolis》
フレイバーは理解できる。死滅都市に遺棄された死体が徐々に都市の一部として飲み込まれていってしまい、ふと気がつくと誰もいないはずの都市が一回り成長している。たぶん、そんな感じ。
しかし(昔のカードだからしょうがないとはいえ)本当に弱いな、これ。5マナのカードなのに同じ能力で1マナでも使われるか怪しい、って相当なレベルだ。
余談7:殿堂入りプレイヤー中村修平のインタビュー(動画)/Pro Tour Hall of Fame 2011
意外と聞き取れるな、というのが正直なところ。本当に正しく聞き取れているのかどうか、というのは……どうなんだろう。大丈夫だと思う。音声はクリアだったし。
ただ中村修平さんのコメントの吹き替えについては、1箇所だけどうしても拾いきれなかった。いや、そもそも元が日本語なのに無理して英語を聞き取ってそれを日本語にするという作業自体が不毛なんだけどさ。
そうそう。Martin Juzaのコメントがマジックにまったく関係ない内容で笑えた。仲いいんだなあ。ちなみに日本語訳では「おまえ、ほんきか!?」とした言葉の原文は「Oh my god!」で、ワニは元の動画では「Alligator」だったはず。
余談8:墓地にまつわるイニストラードのカードたち/Graveyard Shifts
Tom LaPilleによる最後のコラム。さみしい。思っていたよりもずっとこの人のコラムのファンだったんだな、と読み終えたあとに気づいた。とりあえず今まで提供されてきたコラムへの感謝について、サイトからメッセージを送っておいた。
個人的に好きだったTom LaPilleのコラムはマジックオンライン専用セットであるマスターズエディションに関する記事。古くて最近のマジックに及ばないパワーレベルのカードたちを使ってなんとかバランスのとれたリミテッド環境にしようと奮闘した話で、昔の懐かしいカード名が色々出てきて楽しかった。
【翻訳】時間旅行/Time Traveling【Daily MTG】
原文:http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/ld/124
拙訳:http://regiant.diarynote.jp/201101100437461128/
【翻訳】タイムマシンの作り方/How to Make a Time Machine【Daily MTG】
原文:http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/ld/125
拙訳:http://regiant.diarynote.jp/201101160649345352/
さて思い出話はそれくらいにして、今回の記事の話。まずは記事のタイトルについて。
元のタイトルである Graveyard Shifts というのは、日本語で言う 深夜勤務 を指す言葉らしい。今回の記事の内容である「墓地」と「領域の移動」を両方含んでいる、かけ言葉的なタイトル。
日本語のタイトルも何か「墓地」に類する言葉の入ったことわざか何かにしようかなと思って色々試してみたけど、結局記事の内容が伝わるタイトルが一番かな、と思って無難な訳にしてしまった。
きっと上手い人なら、記事の内容である「墓地」や「移動」と元のタイトルの日本語の意味である「深夜勤務」をすべて組み合わせて気の利いたタイトルを生み出せるんだろうな……。
次にタイトル以外で訳すのに苦労した箇所。
原文:
I have seen several clever and high-minded Design attempts to fix problems morph into minor hoops for players to jump through to achieve the thing Design was trying to avoid.
拙訳:
私が今までに何度も、デザインチームが問題の穴をふさごうと頭脳的で高尚なデザインを試みては、プレイヤーがそこに風穴を開けてくるのを見てきた。
一文がとても長くて、どこで切れるのかがさっぱり分からなくて困った。途中にある「morph into」も、何が何へ変化するのかを読み解くだけで一苦労だったし、大文字で始まっている「Design」が何を指すのかを推測するのも大変だった。
原文:
His instincts for what makes an enjoyable game environment were a joy to be around and key to building the set’s structure.
拙訳:
面白いゲーム環境を生み出す才能を持った彼は、一緒にいることで楽しい時間を過ごせるし、その才能はセットの構造を造りあげるために必要な鍵でもある。
あらためて読むと日本語が変だな。無理に原文に合わせようとしないで、もっと自然な日本語になるようにおおらかに訳せば良かった気がする。
「ゲームをその環境ごと面白くする才能を持っているRichard Garfieldは、一緒にいるだけでもとても楽しい人物だ。またその才能は新しいセットを構築する際に非常に重要な鍵となる」のほうが分かりやすいかもしれない。
Card of the Day - 2011/11/21
2011年11月21日 Card of the Day悪魔の食欲/Demonic Appetite - エルドラージ覚醒 コモンDemonic Appetite / 悪魔の食欲 (黒)
エンチャント - オーラ(Aura)
エンチャント(あなたがコントロールするクリーチャー)
エンチャントされているクリーチャーは+3/+3の修整を受ける。
あなたのアップキープの開始時に、クリーチャーを1体生け贄に捧げる。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Demonic+Appetite/
《悪魔の食欲/Demonic Appetite》の元ネタは遥かアルファのカードである《奈落の王/Lord of the Pit》にまで遡る。マジックに登場する全てのデーモンがクリーチャーを生け贄に捧げたがるわけでもないが、これは今なおデーモン的なフレイバーを表現するアイコンとして定期的に登場する。
元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/1111
Card of the Day - 2011/11/22
2011年11月22日 Card of the Day狩猟場/Hunting Grounds - ジャッジメント レアHunting Grounds / 狩猟場 (緑)(白)
エンチャント
スレッショルド ― あなたの墓地にカードが7枚以上ある限り、狩猟場は「いずれかの対戦相手が呪文を唱えるたび、あなたはあなたの手札にあるクリーチャー・カードを1枚戦場に出してもよい。」を持つ。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Hunting+Grounds/
昨日、《悪魔の食欲/Demonic Appetite》が取り上げられた理由は「前菜(Appetizer)」という言葉との関連性のためだ。今日のカードはそのフレイバーテキスト(註1)に「夕食(Dinner)」という言葉がある(いや、正しくは「夕食のベル(Dinner Bell)」だけどね)。
サンクスギビング(註2)の休みまでに紹介できるカードはあと1枚しかないよ!
(註1) フレイバーテキスト
全文は以下の通り。
原文:
In the heavy hush of Krosa, drawing on mana is like ringing a dinner bell.
引用元:http://magiccards.info/ju/en/138.html
日本語訳
クローサーの静寂の中では、マナを引き出すことは夕食のベルを鳴らすようなものだ。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Hunting+Grounds/
(註2) サンクスギビング
収穫祭と訳されることもあるアメリカの祝祭日の1つ。
個人的には七面鳥の丸焼きを食べる日という印象がある。
元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/1111
Card of the Day - 2011/11/23
2011年11月23日 Card of the Day砂漠/Desert - アラビアンナイト コモンDesert / 砂漠
土地 - 砂漠(Desert)
(T):あなたのマナ・プールに(1)を加える。
(T):攻撃しているクリーチャー1体を対象とする。砂漠はそれに1点のダメージを与える。この能力は、戦闘終了ステップの間にのみ起動できる。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Hunting+Grounds/
Appetizer(前菜)とDinner(夕食)のあとに来るものと言えばこれしかないだろ?
元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/1111
Card of the Day - 2011/11/24
2011年11月24日 Card of the Day一昨日のCard of the Dayにもあったように11月24日はアメリカの祝祭日であるサンクスギビングにあたるため、Card of the Dayはお休み。
Card of the Day - 2011/11/25
2011年11月25日 Card of the Day一昨々日のCard of the Dayにもあったようにアメリカの祝祭日であるサンクスギビングの連休にあたるため、今日もCard of the Dayはお休み。
【翻訳】アラーラ再誕デザイン秘話:黄金を混成する/Hybridizing Gold【Daily MTG】
Tom LaPille
2009年04月24日
http://www.wizards.com/magic/magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/ld/35
アラーラ再誕はマジック初の「収録されているカードがマルチカラーのみ」というセットだ。
歴史的な話をすると、金枠の金色カードは(赤)(緑)のように異なる色マナを2つ以上持つカードだった。しかしアラーラ再誕はマナコストに混成マナを含むカードが収録されている。今日の記事は、なぜ私たちが混成マナのみを含むカードを、金枠専用となるはずのセットに含めることにしたのかだ。
混成マナの金枠カードについての物語は、アラーラ再誕デザインの初期までさかのぼる。
デザインチームは初めからセットに含まれるカードは全てマルチカラーになること知っており、それによって様々な難題が生じるであることも予想していた。
そのうちのいくつかについてはアラーラ再誕のプレビューが始まったその日にMark Rosewaterが挙げていたが、デザインチームはその他にもたくさんの困難に直面していた。
チームがセットの大まかな草案を作ったとき、メンバーはそのセットに含まれるカードがどれも素晴らしいものであるにせよ、多くのプレイヤーは自身の望むカードを平均的なパックに十分見つけることができないのではないかという不安を覚えた。
ここにボブというプレイヤーがいると思ってくれ。彼は赤緑デッキを好んでプレイしている。
ボブが第10版のブースターを開けたとしよう。おそらく彼はそこに各色のカードをそれぞれ5枚に1枚の割合で見つけることになる。よって、おそらく彼の赤緑デッキに入れることの出来るカードは5枚に2枚の割合だけ入っているわけだ。
アラーラ再誕が友好色ごとの2色マルチカラーカードしか入っていなかった場合を想像してみてくれ。それぞれの組み合わせが5分の1ずつセットを占めることになる。
先ほどのボブがアラーラ再誕のブースターを開けた場合、彼の赤緑デッキに入りうるカードは5枚に1枚だけだ。ボブにとってプレイできるかもしれないカードの枚数ががくんと減ってしまうわけだ。
そもそも友好色ごとの組み合わせしかないという仮定自体、非現実的な話だ。アラーラの断片ブロックの3つ目のセットである以上、このセットはブロックのテーマを引き継がないわけにはいかない。
つまり3色のマルチカラーが大量に登場しないわけがなく、かつ敵対色のカードも多少含まれる必要がある。これが何を意味するかと言うと、ボブのデッキに入りうるカードは5枚に1枚よりもさらに少なくなるということだ。
デザインチームにはこれが看過できない事態であるように思われた。ボブのようなプレイヤーもアラーラ再誕のブースターパックからデッキに入れられるカードを相当枚数引けるべきなのだ。
リミテッドのプレイテストの初期段階において、デザインチームはこれに関連した問題に直面した。
アラーラの断片ブロックを用いて行われるリミテッドのデッキは多くの場合において友好的な3色を含むデッキになる。そのため単色のカードについては5種類のうち3種類のカードがデッキに入りうるが、友好色のマルチカラーについては5種類のうち2種類の組み合わせしかデッキに入らない。
第10版であれば全体の半分以上のカードがデッキに適しうるが、アラーラ再誕には単色カードが存在しない。
これが何を意味するか? そう、デザインチームはシールドデッキを組もうとした際にアラーラ再誕から出てくるカードに関しては通常より使えるカード量の割合が少なくなってしまうということだ。
これはあまり嬉しいニュースではない。
新しいカードは目いっぱいプレイしたいのに、セットの方向性がそれを妨げているのだ。これは解決されなければならない問題だとアラーラ再誕のデザインチームは考え、そこで彼らはちょっと変わった解答を思いついた。
混成マナだ。
一例としてはビジュアルスポイラーにもあがっていた《ジャンドの斬刃/Jund Hackblade》だ。
そのマナコストを見て欲しい。
《ジャンドの斬刃/Jund Hackblade》はどこからどうみても「ジャンドな」カードだ。そのマナコストには黒と赤と緑が含まれている。
しかしそれら3つのマナが一度に必要になることはない。黒/緑の混成マナのおかげで、君が《ジャンドの斬刃/Jund Hackblade》を唱えるときに必要なのは(黒)(赤)か(緑)(赤)だけでいい
アラーラ再誕の金枠カードはすべて同じ方式に従っている。断片の中央の色である通常のマナが1点、そして中央の色に接するそれぞれの友好色2つを含む混成マナが1点。
これによって、これらのカードは断片の1つに属しつつもまるで同時に2つの友好色マルチカラーであるかのようにプレイすることが可能となったのだ。
《ジャンドの斬刃/Jund Hackblade》は混成マナを含む金枠クリーチャーのサイクルの1枚だ。もう1枚、サイクルから紹介しよう。これが私の今日のプレビューカードでもある。
《エスパーの嵐刃/Esper Stormblade》は《ジャンドの斬刃/Jund Hackblade》に非常によく似ている。しかしこのカードは《ジャンドの斬刃/Jund Hackblade》よりもさらに自身の断片を上手く体現している。
《ジャンドの斬刃/Jund Hackblade》と同じように、《エスパーの嵐刃/Esper Stormblade》も (白)(青)か (黒)(青)のいずれかでもプレイ可能なマナコストを持っている。
しかしそれだけでなく、《エスパーの嵐刃/Esper Stormblade》はエスパー特有の有色アーティファクトカードでもある。それによってエスパーのカードたちと多くのシナジーを得ることができるのだ。
君の《宮廷のホムンクルス/Court Homunculus》は大きくなるし、君の《聖域のガーゴイル/Sanctum Gargoyle》で手札に戻すこともできるし、その他のコモンのエスパー・ハイブリッド金枠カードたちともシナジーを形成することができる。さらに他のマルチカラーパーマネントと一緒にいることで飛行を得られるため、エスパーの飛行部隊たちとの相性も良い。
もう1つ面白いことを教えてあげよう。この混成マナを持つ金枠のクリーチャーたちはアラーラ再誕の境界石と完璧なシナジーを形成するんだ。
君はその代替コストを用いて1ターン目に《火荒の境界石/Firewild Borderpost》をプレイすれば、2ターン目に速攻を持った《ジャンドの斬刃/Jund Hackblade》が3点ダメージのアタックに向かえるという寸法だ。
《火荒の境界石/Firewild Borderpost》から《エスパーの嵐刃/Esper Stormblade》へとつなぐスタートはさらに素晴らしい。なぜなら《火荒の境界石/Firewild Borderpost》はそれ自体がアーティファクトだからだ。
君のそのエスパーデッキに当然入っているであろうたくさんのアーティファクト関係のカードたち(例えば《エーテリウムの達人/Master of Etherium》や《金線の天使/Filigree Angel》など)の助けとなってくれるだろう。
おそらく君たちはこういった特殊なマナコストを持つカードのデザインには独特の難しさがあるのではないか、と思うかもしれない。それは大体において正しい。カラーパイの区分に属する効果を持つ混成マナの金枠カードを作るのはなかなかの難事だった。
それらのカードのうち、他のカードよりも簡単に作れたものもあったし、他のカードよりもシンプルな出来なものもあった。以下に挙げるビジュアルスポイラーから引っ張って来たカードは、混成マナの金枠カードの中でもシンプルなものの例だ。
《マリーシの双子爪/Marisi’s Twinclaws》はハイブリッドカードのシンプルな面を挙げるのに最高の例だ。Multiverse(訳註:R&Dが開発中に用いる掲示板のようなもの。多種多様な意見、野次、疑問、回答などが飛び交う)のコメントを見てみよう。
Doug Beyer:2008/04/28
とてもクールなデザインだ
キーワード1つとイカしたマナコストだけでこれだけの表現ができるなんて凄いね
とても上手くまとまってると思うよ
(Treefolk Knightって点を除けば)
Aaron Forsythe:2008/05/04
彼はTimbermareにまたがって戦場へ向かうんだろうね!
Tom LaPille 2008/08/04
私はこいつが大好きだよ
Ken Nagle 2008/08/11
《貴神の神罰/Scourge of the Nobilis》の対象にふさわしいな!
《マリーシの双子爪/Marisi’s Twinclaws》は、名前を持ってなかったことを除けば、生まれたときからまさに今の姿だった。ああ、それともう1つ、このカードは「ツリーフォーク・騎士(Treefolk Knight)」という笑ってしまいそうなクリーチャータイプの組み合わせだった。そのため私はプレイテストでこのカードが登場するたびに剣と盾を構えた木々のイラストをプレイテスト用のカードに描きこんでやったものだ。
それはそれとして、このカードがカラーパイ上、何の問題もないことは明らかだった。白も赤も二段攻撃を持っているし、それは奇妙なほどに緑っぽさを感じる2/4というスペック(緑の蜘蛛たちを思い出さないか?)に見事にはまっていた。 また二段攻撃は《グリフィンの導き/Griffin Guide》や《腐れ蔦の外套/Moldervine Cloak》と結びつくことで化け物じみたクリーチャーを生み出せる。
《マリーシの双子爪/Marisi’s Twinclaws》はシンプルで楽しく、普通でない要素の組み合わせにも関わらず、とても上手くまとまったクリーチャーだ。
しかし他の混成マナを持つ金枠カードたちのデザインはそう簡単ではなかった。次に挙げるのは今日2枚目のプレビューカードであり、非常にデザインが難産だったハイブリッド金枠カードだ。
これまたMultiverseに寄せられたコメントを見てみよう。
Aaron Forsythe:2008/04/25
レアからHCに移動させたよ
Dave Guskin:2008/08/13
まだちょっと気になってるんだけどさ
黒マナ中心的な金枠ハイブリッドなのにメカニズムに黒っぽさがないよね
コンセプトはいいんだけどね
でも例えばコストを重くしてライフ回復的な要素を足すとかどう?
(インベイジョンのSpinal Embraceみたいに)
Alexis Janson:2008/08/14
今あるように、生け贄部分が黒っぽさ担当だと俺は思うよ
Tom LaPille:2008/08/15
AJに賛成
このままでいいと思う
このカードの効果は奇妙な組み合わせだ。
一時的なコントロール奪取は元々《命令の光/Ray of Command》に見られるように青のものとして始まったが、今では《脅しつけ/Threaten》のように赤の分野になっている。このことが赤青のハイブリッドカードであることの納得のいく説明になっている。
黒である点は、もちろん自分の目的のために用いた対戦相手のクリーチャーが用済みになった時点で始末してしまう点だ。セットに取り組んでいた頃の上記のコメントにもあるように、私はこのカードは非常に魅力あるデザインだと思った。
それだけでなく、《ボーラスの奴隷/Slave of Bolas》は実際にプレイするのも楽しいカードだ。
先週の水曜日に行われたウィザーズ社員限定のプレリリースで、私は運の良いことに自分の緑/黒/赤デッキにちょうどいい《ボーラスの奴隷/Slave of Bolas》2枚を引くことができた。
私は時間の関係で1マッチしか遊べなかったし、そのマッチで奪えた中で一番良かったクリーチャーは《モストドン/Mosstodon》だった。
しかし私以外に目を向けると《ボーラスの奴隷/Slave of Bolas》はとんでもないクリーチャーたちを奪ってはひどいことをしていた。奪われていたクリーチャーたちは例えば《炎破のドラゴン/Flameblast Dragon》や《スラクジムンダール/Thraximundar》などだ。
奪取が成功するたびに、私は《ボーラスの奴隷/Slave of Bolas》を唱えた側が笑みを浮かべたり、必死にそれをこらえようとしつつもこらえきれないでいるのを見た。
プレリリースでの体験は私に混成マナの金枠カードたちがあるべき場所に収まったと確信させるに十分なデモンストレーションとなった。
当初、私は自分の3色デッキに十分な枚数のカードが引けないのではないかという懸念があった。しかし実際には混成マナの金枠カードたちが山となって積まれたおかげで私のデッキは無事に完成した。
その山には《ジャンドの斬刃/Jund Hackblade》と2枚の《ボーラスの奴隷/Slave of Bolas》、その他にも(まだ公表できない)2枚のハイブリッド金枠カードがあった。
ジャンドカラーのハイブリッド金枠カードたちは非常にありがたかった。なぜなら私が開けた3パックのアラーラ再誕からは私の色に合う土地サイクリングカードが入っておらず、かつ境界石に至ってはトータルで0枚だったからだ。
マナ調整をしてくれるカードが欠けている状態において、《ジャンドの斬刃/Jund Hackblade》やその他の(黒/緑)(赤)というマナコストのカードたちは非常に助けとなる存在だった。
もちろん対戦相手の側にも大量のハイブリッド金枠カードが並んでいた。私はあらためて混成マナを加えることを決めてくれたデザインチームに深く感謝した。
混成マナの金枠カードたちはデザインチームの抱えていた問題を驚くほどエレガントに解決してくれた。
これらのカードはアラーラの断片ブロックに骨組みにピタリとハマってくれた。何しろ混成マナのおかげでこれらのカードのマナコストはそれぞれの断片にしっかりと属してくれることになったからだ。
そして彼らはまた多色というアラーラ再誕のテーマにもきちんと当てはまっている。唱えるのに2色必要ということのも含めてだ。さらに彼らは2つ以上の有効色のペアに同時に属すことで多くのプレイヤーたちにブースターごとのプレイ可能なカードを増やしてくれもした。
一見、奇妙に見えるかもしれないこの混成マナの金枠カードたちは、そう、デザインチームの懸念を完璧なまでに払拭してくれたんだ。
今週末はアラーラ再誕のプレリリースだ。
私はこのあいだの水曜日にウィザーズ社員限定のプレリリースで大変楽しい思いをしてきた。今週末、君たちに同じ舞台にご招待できると思っている。
私たちのサイトに新たに作られたイベントロケーターは、君の近所で行われるプレリリースを見つける助けになってくれるはずだ。ぜひ土曜日はプレリリースで両手いっぱいの新しい「黄金」を体験しに行ってくれ!
Tom LaPille
2009年04月24日
http://www.wizards.com/magic/magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/ld/35
アラーラ再誕はマジック初の「収録されているカードがマルチカラーのみ」というセットだ。
歴史的な話をすると、金枠の金色カードは(赤)(緑)のように異なる色マナを2つ以上持つカードだった。しかしアラーラ再誕はマナコストに混成マナを含むカードが収録されている。今日の記事は、なぜ私たちが混成マナのみを含むカードを、金枠専用となるはずのセットに含めることにしたのかだ。
混成マナの金枠カードについての物語は、アラーラ再誕デザインの初期までさかのぼる。
デザインチームは初めからセットに含まれるカードは全てマルチカラーになること知っており、それによって様々な難題が生じるであることも予想していた。
そのうちのいくつかについてはアラーラ再誕のプレビューが始まったその日にMark Rosewaterが挙げていたが、デザインチームはその他にもたくさんの困難に直面していた。
チームがセットの大まかな草案を作ったとき、メンバーはそのセットに含まれるカードがどれも素晴らしいものであるにせよ、多くのプレイヤーは自身の望むカードを平均的なパックに十分見つけることができないのではないかという不安を覚えた。
ここにボブというプレイヤーがいると思ってくれ。彼は赤緑デッキを好んでプレイしている。
ボブが第10版のブースターを開けたとしよう。おそらく彼はそこに各色のカードをそれぞれ5枚に1枚の割合で見つけることになる。よって、おそらく彼の赤緑デッキに入れることの出来るカードは5枚に2枚の割合だけ入っているわけだ。
アラーラ再誕が友好色ごとの2色マルチカラーカードしか入っていなかった場合を想像してみてくれ。それぞれの組み合わせが5分の1ずつセットを占めることになる。
先ほどのボブがアラーラ再誕のブースターを開けた場合、彼の赤緑デッキに入りうるカードは5枚に1枚だけだ。ボブにとってプレイできるかもしれないカードの枚数ががくんと減ってしまうわけだ。
そもそも友好色ごとの組み合わせしかないという仮定自体、非現実的な話だ。アラーラの断片ブロックの3つ目のセットである以上、このセットはブロックのテーマを引き継がないわけにはいかない。
つまり3色のマルチカラーが大量に登場しないわけがなく、かつ敵対色のカードも多少含まれる必要がある。これが何を意味するかと言うと、ボブのデッキに入りうるカードは5枚に1枚よりもさらに少なくなるということだ。
デザインチームにはこれが看過できない事態であるように思われた。ボブのようなプレイヤーもアラーラ再誕のブースターパックからデッキに入れられるカードを相当枚数引けるべきなのだ。
リミテッドのプレイテストの初期段階において、デザインチームはこれに関連した問題に直面した。
アラーラの断片ブロックを用いて行われるリミテッドのデッキは多くの場合において友好的な3色を含むデッキになる。そのため単色のカードについては5種類のうち3種類のカードがデッキに入りうるが、友好色のマルチカラーについては5種類のうち2種類の組み合わせしかデッキに入らない。
第10版であれば全体の半分以上のカードがデッキに適しうるが、アラーラ再誕には単色カードが存在しない。
これが何を意味するか? そう、デザインチームはシールドデッキを組もうとした際にアラーラ再誕から出てくるカードに関しては通常より使えるカード量の割合が少なくなってしまうということだ。
これはあまり嬉しいニュースではない。
新しいカードは目いっぱいプレイしたいのに、セットの方向性がそれを妨げているのだ。これは解決されなければならない問題だとアラーラ再誕のデザインチームは考え、そこで彼らはちょっと変わった解答を思いついた。
混成マナだ。
一例としてはビジュアルスポイラーにもあがっていた《ジャンドの斬刃/Jund Hackblade》だ。
Jund Hackblade / ジャンドの斬刃 (黒/緑)(赤)
クリーチャー - ゴブリン(Goblin) 狂戦士(Berserker)
あなたが他の多色のパーマネントをコントロールしている限り、ジャンドの斬刃は+1/+1の修整を受けるとともに速攻を持つ。
2/1
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Jund+Hackblade/
そのマナコストを見て欲しい。
《ジャンドの斬刃/Jund Hackblade》はどこからどうみても「ジャンドな」カードだ。そのマナコストには黒と赤と緑が含まれている。
しかしそれら3つのマナが一度に必要になることはない。黒/緑の混成マナのおかげで、君が《ジャンドの斬刃/Jund Hackblade》を唱えるときに必要なのは(黒)(赤)か(緑)(赤)だけでいい
アラーラ再誕の金枠カードはすべて同じ方式に従っている。断片の中央の色である通常のマナが1点、そして中央の色に接するそれぞれの友好色2つを含む混成マナが1点。
これによって、これらのカードは断片の1つに属しつつもまるで同時に2つの友好色マルチカラーであるかのようにプレイすることが可能となったのだ。
《ジャンドの斬刃/Jund Hackblade》は混成マナを含む金枠クリーチャーのサイクルの1枚だ。もう1枚、サイクルから紹介しよう。これが私の今日のプレビューカードでもある。
Esper Stormblade / エスパーの嵐刃 (白/黒)(青)
アーティファクト クリーチャー - ヴィダルケン(Vedalken) ウィザード(Wizard)
あなたが他の多色のパーマネントをコントロールしている限り、エスパーの嵐刃は+1/+1の修整を受けるとともに飛行を持つ。
2/1
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Esper+Stormblade/
《エスパーの嵐刃/Esper Stormblade》は《ジャンドの斬刃/Jund Hackblade》に非常によく似ている。しかしこのカードは《ジャンドの斬刃/Jund Hackblade》よりもさらに自身の断片を上手く体現している。
《ジャンドの斬刃/Jund Hackblade》と同じように、《エスパーの嵐刃/Esper Stormblade》も (白)(青)か (黒)(青)のいずれかでもプレイ可能なマナコストを持っている。
しかしそれだけでなく、《エスパーの嵐刃/Esper Stormblade》はエスパー特有の有色アーティファクトカードでもある。それによってエスパーのカードたちと多くのシナジーを得ることができるのだ。
君の《宮廷のホムンクルス/Court Homunculus》は大きくなるし、君の《聖域のガーゴイル/Sanctum Gargoyle》で手札に戻すこともできるし、その他のコモンのエスパー・ハイブリッド金枠カードたちともシナジーを形成することができる。さらに他のマルチカラーパーマネントと一緒にいることで飛行を得られるため、エスパーの飛行部隊たちとの相性も良い。
もう1つ面白いことを教えてあげよう。この混成マナを持つ金枠のクリーチャーたちはアラーラ再誕の境界石と完璧なシナジーを形成するんだ。
君はその代替コストを用いて1ターン目に《火荒の境界石/Firewild Borderpost》をプレイすれば、2ターン目に速攻を持った《ジャンドの斬刃/Jund Hackblade》が3点ダメージのアタックに向かえるという寸法だ。
Firewild Borderpost / 火荒の境界石 (1)(赤)(緑)
アーティファクト
あなたは火荒の境界石のマナ・コストを支払うのではなく、(1)を支払うとともにあなたがコントロールする基本土地1つをオーナーの手札に戻してもよい。
火荒の境界石はタップ状態で戦場に出る。
(T):あなたのマナ・プールに(赤)か(緑)を加える。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Firewild+Borderpost/
《火荒の境界石/Firewild Borderpost》から《エスパーの嵐刃/Esper Stormblade》へとつなぐスタートはさらに素晴らしい。なぜなら《火荒の境界石/Firewild Borderpost》はそれ自体がアーティファクトだからだ。
君のそのエスパーデッキに当然入っているであろうたくさんのアーティファクト関係のカードたち(例えば《エーテリウムの達人/Master of Etherium》や《金線の天使/Filigree Angel》など)の助けとなってくれるだろう。
Master of Etherium / エーテリウムの達人 (2)(青)
アーティファクト クリーチャー - ヴィダルケン(Vedalken) ウィザード(Wizard)
エーテリウムの達人のパワーとタフネスはそれぞれ、あなたがコントロールするアーティファクトの総数に等しい。
あなたがコントロールする他のアーティファクト・クリーチャーは+1/+1の修整を受ける。
*/*
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Master+of+Etherium/
Filigree Angel / 金線の天使 (5)(白)(白)(青)
アーティファクト クリーチャー - 天使(Angel)
飛行
金線の天使が戦場に出たとき、あなたはあなたがコントロールするアーティファクト1つにつき3点のライフを得る。
4/4
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Filigree+Angel/
おそらく君たちはこういった特殊なマナコストを持つカードのデザインには独特の難しさがあるのではないか、と思うかもしれない。それは大体において正しい。カラーパイの区分に属する効果を持つ混成マナの金枠カードを作るのはなかなかの難事だった。
それらのカードのうち、他のカードよりも簡単に作れたものもあったし、他のカードよりもシンプルな出来なものもあった。以下に挙げるビジュアルスポイラーから引っ張って来たカードは、混成マナの金枠カードの中でもシンプルなものの例だ。
Marisi’s Twinclaws / マリーシの双子爪 (2)(赤/白)(緑)
クリーチャー - 猫(Cat) 戦士(Warrior)
二段攻撃
2/4
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Marisi%27s+Twinclaws/
《マリーシの双子爪/Marisi’s Twinclaws》はハイブリッドカードのシンプルな面を挙げるのに最高の例だ。Multiverse(訳註:R&Dが開発中に用いる掲示板のようなもの。多種多様な意見、野次、疑問、回答などが飛び交う)のコメントを見てみよう。
Doug Beyer:2008/04/28
とてもクールなデザインだ
キーワード1つとイカしたマナコストだけでこれだけの表現ができるなんて凄いね
とても上手くまとまってると思うよ
(Treefolk Knightって点を除けば)
Aaron Forsythe:2008/05/04
彼はTimbermareにまたがって戦場へ向かうんだろうね!
Tom LaPille 2008/08/04
私はこいつが大好きだよ
Ken Nagle 2008/08/11
《貴神の神罰/Scourge of the Nobilis》の対象にふさわしいな!
《マリーシの双子爪/Marisi’s Twinclaws》は、名前を持ってなかったことを除けば、生まれたときからまさに今の姿だった。ああ、それともう1つ、このカードは「ツリーフォーク・騎士(Treefolk Knight)」という笑ってしまいそうなクリーチャータイプの組み合わせだった。そのため私はプレイテストでこのカードが登場するたびに剣と盾を構えた木々のイラストをプレイテスト用のカードに描きこんでやったものだ。
それはそれとして、このカードがカラーパイ上、何の問題もないことは明らかだった。白も赤も二段攻撃を持っているし、それは奇妙なほどに緑っぽさを感じる2/4というスペック(緑の蜘蛛たちを思い出さないか?)に見事にはまっていた。 また二段攻撃は《グリフィンの導き/Griffin Guide》や《腐れ蔦の外套/Moldervine Cloak》と結びつくことで化け物じみたクリーチャーを生み出せる。
《マリーシの双子爪/Marisi’s Twinclaws》はシンプルで楽しく、普通でない要素の組み合わせにも関わらず、とても上手くまとまったクリーチャーだ。
しかし他の混成マナを持つ金枠カードたちのデザインはそう簡単ではなかった。次に挙げるのは今日2枚目のプレビューカードであり、非常にデザインが難産だったハイブリッド金枠カードだ。
Slave of Bolas / ボーラスの奴隷 (3)(青/赤)(黒)
ソーサリー
クリーチャー1体を対象とし、それのコントロールを得る。そのクリーチャーをアンタップする。それはターン終了時まで速攻を得る。次の終了ステップの開始時に、それを生け贄に捧げる。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Slave+of+Bolas/
これまたMultiverseに寄せられたコメントを見てみよう。
Aaron Forsythe:2008/04/25
レアからHCに移動させたよ
Dave Guskin:2008/08/13
まだちょっと気になってるんだけどさ
黒マナ中心的な金枠ハイブリッドなのにメカニズムに黒っぽさがないよね
コンセプトはいいんだけどね
でも例えばコストを重くしてライフ回復的な要素を足すとかどう?
(インベイジョンのSpinal Embraceみたいに)
Alexis Janson:2008/08/14
今あるように、生け贄部分が黒っぽさ担当だと俺は思うよ
Tom LaPille:2008/08/15
AJに賛成
このままでいいと思う
このカードの効果は奇妙な組み合わせだ。
一時的なコントロール奪取は元々《命令の光/Ray of Command》に見られるように青のものとして始まったが、今では《脅しつけ/Threaten》のように赤の分野になっている。このことが赤青のハイブリッドカードであることの納得のいく説明になっている。
黒である点は、もちろん自分の目的のために用いた対戦相手のクリーチャーが用済みになった時点で始末してしまう点だ。セットに取り組んでいた頃の上記のコメントにもあるように、私はこのカードは非常に魅力あるデザインだと思った。
それだけでなく、《ボーラスの奴隷/Slave of Bolas》は実際にプレイするのも楽しいカードだ。
先週の水曜日に行われたウィザーズ社員限定のプレリリースで、私は運の良いことに自分の緑/黒/赤デッキにちょうどいい《ボーラスの奴隷/Slave of Bolas》2枚を引くことができた。
私は時間の関係で1マッチしか遊べなかったし、そのマッチで奪えた中で一番良かったクリーチャーは《モストドン/Mosstodon》だった。
しかし私以外に目を向けると《ボーラスの奴隷/Slave of Bolas》はとんでもないクリーチャーたちを奪ってはひどいことをしていた。奪われていたクリーチャーたちは例えば《炎破のドラゴン/Flameblast Dragon》や《スラクジムンダール/Thraximundar》などだ。
奪取が成功するたびに、私は《ボーラスの奴隷/Slave of Bolas》を唱えた側が笑みを浮かべたり、必死にそれをこらえようとしつつもこらえきれないでいるのを見た。
プレリリースでの体験は私に混成マナの金枠カードたちがあるべき場所に収まったと確信させるに十分なデモンストレーションとなった。
当初、私は自分の3色デッキに十分な枚数のカードが引けないのではないかという懸念があった。しかし実際には混成マナの金枠カードたちが山となって積まれたおかげで私のデッキは無事に完成した。
その山には《ジャンドの斬刃/Jund Hackblade》と2枚の《ボーラスの奴隷/Slave of Bolas》、その他にも(まだ公表できない)2枚のハイブリッド金枠カードがあった。
ジャンドカラーのハイブリッド金枠カードたちは非常にありがたかった。なぜなら私が開けた3パックのアラーラ再誕からは私の色に合う土地サイクリングカードが入っておらず、かつ境界石に至ってはトータルで0枚だったからだ。
マナ調整をしてくれるカードが欠けている状態において、《ジャンドの斬刃/Jund Hackblade》やその他の(黒/緑)(赤)というマナコストのカードたちは非常に助けとなる存在だった。
もちろん対戦相手の側にも大量のハイブリッド金枠カードが並んでいた。私はあらためて混成マナを加えることを決めてくれたデザインチームに深く感謝した。
混成マナの金枠カードたちはデザインチームの抱えていた問題を驚くほどエレガントに解決してくれた。
これらのカードはアラーラの断片ブロックに骨組みにピタリとハマってくれた。何しろ混成マナのおかげでこれらのカードのマナコストはそれぞれの断片にしっかりと属してくれることになったからだ。
そして彼らはまた多色というアラーラ再誕のテーマにもきちんと当てはまっている。唱えるのに2色必要ということのも含めてだ。さらに彼らは2つ以上の有効色のペアに同時に属すことで多くのプレイヤーたちにブースターごとのプレイ可能なカードを増やしてくれもした。
一見、奇妙に見えるかもしれないこの混成マナの金枠カードたちは、そう、デザインチームの懸念を完璧なまでに払拭してくれたんだ。
今週末はアラーラ再誕のプレリリースだ。
私はこのあいだの水曜日にウィザーズ社員限定のプレリリースで大変楽しい思いをしてきた。今週末、君たちに同じ舞台にご招待できると思っている。
私たちのサイトに新たに作られたイベントロケーターは、君の近所で行われるプレリリースを見つける助けになってくれるはずだ。ぜひ土曜日はプレリリースで両手いっぱいの新しい「黄金」を体験しに行ってくれ!
今週のCard of the Day (2011年11月 第4週) とか
2011年11月27日 週のまとめ コメント (2)余談1:今週のCard of the Dayのテーマ
早くも火曜日にネタばらしがあったように、収穫祭であるサンクスギビングに合わせて食事のフルコースに関連したカードが選ばれていたらしい。
余談2:月曜日 《悪魔の食欲/Demonic Appetite》
最初にカードテキストを確認したとき、てっきりエンチャントしたクリーチャーを生け贄に捧げないといけないものと勘違いした。どうやって使うんだ、と首をひねりつつCard of the Dayの記事を読んで勘違いに気づいた。
余談3:火曜日 《Hunting Grounds / 狩猟場》
いまさらだけど訳が間違っていたので修正。
修正前:
昨日の《悪魔の食欲/Demonic Appetite》が取り上げられた理由は
そのカード名に含まれる「食欲(Appetizer)」という言葉のためだ。
修正後:
昨日、《悪魔の食欲/Demonic Appetite》が取り上げられた理由は
「前菜(Appetizer)」という言葉との関連性のためだ。
余談4:水曜日 《砂漠/Desert》
《Desert》って日本語訳あるんだ。タイムシフトか何かで出てきたんだっけ。この日のCard of the Dayのネタに使うことを考えると日本語訳がないほうが良かったな、と思ってしまった。まあ、伝わるだろうけど。
余談5:木曜日 休み1
サンクスギビングのため、お休み。
余談6:金曜日 休み2
サンクスギビングのため、またしてもお休み。なお実際のサンクスギビングの休みは木曜日だけで、金曜日は連休を作るために休みになっているみたい。
余談7:アラーラ再誕デザイン秘話:黄金を混成する/Hybridizing Gold
今週はLatest Developmentがお休みのため、なんとなく訳し途中で放っておいた過去の記事を訳し終えてみた。しかしアラーラブロックが出たのも、もう3年も前のことか(2008年10月)。時が経つのは早いもんだな。
コメント欄にも書いたようにデザインやデベロップメントに関する記事は、新鮮味が重要な戦術やメタの記事と違って、あとから読んでも面白さがそれほど変わらない気がする。それぞれのカードデザインに込められた意図を教えてもらうのは楽しい。
訳にとまどったりてこずったりした箇所はあまりなかった。強いて言えば「錬金術のように黄金を練成する」と「黄金カードをデザインする」という2つの意味をかけたタイトルを上手く日本語訳できなかったことくらい。
余談8:本場アメリカのGen Conで垣間見たEDHの闇と光/Embracing The Chaos
今でも、どこからかリンクをたどって読みに来てくれる人がいる記事なので、指摘をもらっていた誤訳などを一気に修正。ミスが多い&大きいので、自分に対する戒めの意味もこめて修正前と修正後が分かるようにしておいた。
【翻訳】本場アメリカのGen Conで垣間見たEDHの闇と光(ただしエラヨウ、てめえはダメだ)/Embracing The Chaos - Cheap Whiskey, Old-School Conan, And Erayo【SCG】
http://regiant.diarynote.jp/201109250732386307/
早くも火曜日にネタばらしがあったように、収穫祭であるサンクスギビングに合わせて食事のフルコースに関連したカードが選ばれていたらしい。
余談2:月曜日 《悪魔の食欲/Demonic Appetite》
最初にカードテキストを確認したとき、てっきりエンチャントしたクリーチャーを生け贄に捧げないといけないものと勘違いした。どうやって使うんだ、と首をひねりつつCard of the Dayの記事を読んで勘違いに気づいた。
余談3:火曜日 《Hunting Grounds / 狩猟場》
いまさらだけど訳が間違っていたので修正。
修正前:
昨日の《悪魔の食欲/Demonic Appetite》が取り上げられた理由は
そのカード名に含まれる「食欲(Appetizer)」という言葉のためだ。
修正後:
昨日、《悪魔の食欲/Demonic Appetite》が取り上げられた理由は
「前菜(Appetizer)」という言葉との関連性のためだ。
余談4:水曜日 《砂漠/Desert》
《Desert》って日本語訳あるんだ。タイムシフトか何かで出てきたんだっけ。この日のCard of the Dayのネタに使うことを考えると日本語訳がないほうが良かったな、と思ってしまった。まあ、伝わるだろうけど。
余談5:木曜日 休み1
サンクスギビングのため、お休み。
余談6:金曜日 休み2
サンクスギビングのため、またしてもお休み。なお実際のサンクスギビングの休みは木曜日だけで、金曜日は連休を作るために休みになっているみたい。
余談7:アラーラ再誕デザイン秘話:黄金を混成する/Hybridizing Gold
今週はLatest Developmentがお休みのため、なんとなく訳し途中で放っておいた過去の記事を訳し終えてみた。しかしアラーラブロックが出たのも、もう3年も前のことか(2008年10月)。時が経つのは早いもんだな。
コメント欄にも書いたようにデザインやデベロップメントに関する記事は、新鮮味が重要な戦術やメタの記事と違って、あとから読んでも面白さがそれほど変わらない気がする。それぞれのカードデザインに込められた意図を教えてもらうのは楽しい。
訳にとまどったりてこずったりした箇所はあまりなかった。強いて言えば「錬金術のように黄金を練成する」と「黄金カードをデザインする」という2つの意味をかけたタイトルを上手く日本語訳できなかったことくらい。
余談8:本場アメリカのGen Conで垣間見たEDHの闇と光/Embracing The Chaos
今でも、どこからかリンクをたどって読みに来てくれる人がいる記事なので、指摘をもらっていた誤訳などを一気に修正。ミスが多い&大きいので、自分に対する戒めの意味もこめて修正前と修正後が分かるようにしておいた。
【翻訳】本場アメリカのGen Conで垣間見たEDHの闇と光(ただしエラヨウ、てめえはダメだ)/Embracing The Chaos - Cheap Whiskey, Old-School Conan, And Erayo【SCG】
http://regiant.diarynote.jp/201109250732386307/
Card of the Day - 2011/11/28
2011年11月28日 Card of the DayDream Coat - レジェンド アンコモンDream Coat (青)
エンチャント - オーラ(Aura)
エンチャント(クリーチャー)
(0):エンチャントされているクリーチャーは、あなたが選んだ色1色か色の組み合わせになる。この能力は、各ターンに1回のみ起動できる。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Dream+Coat/
Anthony Watersの名は13枚のカード(註1)にイラストレーター名として記載されている。それはレジェンドからアライアンスにまで及ぶ。それ以降は、カードに記載される彼の名はAnthony S. Waters(註2)に変わり、その名を冠するカードの枚数は109枚ある。
これはアンヒンジドに収録されている「イラストレーター関連」のカード(註3)を君に対して使おうとするプレイヤーが現れたときのために重要な情報である。
(註1) 13枚のカード
原文ではイラストレーター名が「Anthony Waters」であるカードを検索条件にしたGathererの検索結果へのリンクが張られている。
(註2) Anthony S. Waters
原文ではイラストレーター名が「Anthony S. Waters」であるカードを検索条件にしたGathererの検索結果へのリンクが張られている。
(註3) 「イラストレーター関連」のカード
原文ではテキスト欄に「Artist」を含むカード(註4)を検索条件にしたGathererの検索結果へのリンクが張られている。
(註4) テキスト欄に「Artist」を含むカード
余談だけど、この検索条件だとアンヒンジドのカードだけじゃなくて《苦痛の芸術家、ニン/Nin, the Pain Artist》なども含まれる。
元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/1111
Card of the Day - 2011/11/29
2011年11月29日 Card of the Day コメント (2)宿命/Kismet - レジェンド アンコモンKismet / 宿命 (3)(白)
エンチャント
あなたの対戦相手がプレイするアーティファクトとクリーチャーと土地は、タップ状態で戦場に出る。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Kismet/
昔々、《宿命/Kismet》は《停滞/Stasis》(註1)と組み合わせることでいくつものデッキを上手い事ロックできた。しかしこれはクリーチャーと土地とアーティファクトしかタップできなかったんだ!
欠けた部分を補ってくれたのが神河謀反の《夢の宝珠/Orb of Dreams》(註2)で、これはエンチャントにも(そして今やプレインズウォーカーにも)効果を発揮してくれる。
ご参考までに!
(註1) 《停滞/Stasis》
Stasis / 停滞 (1)(青)
エンチャント
プレイヤーは、それぞれのアンタップ・ステップを飛ばす。
あなたのアップキープの開始時に、あなたが(青)を支払わない限り、停滞を生け贄に捧げる。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Stasis/
(註2) 《夢の宝珠/Orb of Dreams》
Orb of Dreams / 夢の宝珠 (3)
アーティファクト
パーマネントはタップ状態で戦場に出る。
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Orb+of+Dreams/
元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/1111
Card of the Day - 2011/11/30
2011年11月30日 Card of the Day忌まわしきものの処刑者/Slayer of the Wicked - イニストラード アンコモンSlayer of the Wicked / 忌まわしきものの処刑者 (3)(白)
クリーチャー - 人間(Human) 兵士(Soldier)
忌まわしきものの処刑者が戦場に出たとき、吸血鬼(Vampire)1体か狼男(Werewolf)1体かゾンビ(Zombie)1体を対象とする。あなたはそれを破壊してもよい。
3/2
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Slayer+of+the+Wicked/
《忌まわしきものの処刑者/Slayer of the Wicked》のカードイラストには2体のクリーチャーが描かれているが、これらは処刑者と処刑される者が描かれているわけではない。イラストの説明書きによると、実はこれは共に怪物退治に励む父親とその息子なのだ!
元記事:
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/1111
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