余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 新セット名物ことFAQの時間なんだけど、なんかリリースノートって名称になってる。ジャガーノートというと男らしいけど、リリースノートっていうとなんか女性っぽい(お前は何を言っているんだ)。

余談2:月曜日 《ヘリオッドの使者/Heliod’s Emissary》

 授与の説明。すでに色んな場所で話題になりつくしたことではあるけど、やっぱり「対象がなくなってフィズってもクリーチャーとして場に出る」という流れはイマイチ腑に落ちない。

 これが「エンチャント呪文でもありクリーチャー呪文だから対象なくなっても平気」なら、まだ分からんでもないのだけど「授与として唱えるときはクリーチャー呪文にあらず」ということらしいので、やっぱり腑に落ちない。

 まあ、そういうルールだから、と言われたら受け入れるしかないのがマジック。

 ところで授与の原語は「Bestow」で、この「Bestow」という単語を聞くと真っ先に思い出すのがダンジョンズアンドドラゴンズ3.5版にあった呪文「Bestow Curse」。この呪文の効果は以下の通り。
 対象に呪いをかける。呪いの内容は以下の3つから1つを選ぶ。
  1.対象の戦闘判定を全て-4する
  2.対象の特定の能力値1つを-6する
  3.対象は毎ターン50%の確率で何も出来ずにターンを終える

 どの効果も非常に強力で、しかもこの呪文の効果を見たときに何が一番驚いたかというとその持続時間。なんと「永続」。唱える際に対象に触れる必要があるという欠点はあるにせよ、実に強力な呪文だった。……またD&D遊びたいな。

余談3:火曜日 《形態の職工/Artisan of Forms》

 青のクリーチャーなのにイラストの背後にそびえる存在感あふれるオッサンの顔が白の神様ことヘリオッド様に見えるのは気のせいだろうか。少なくとも青の神様ことタッサ様ではないよな。

  イラスト:形態の職工/Artisan of Forms
  http://magiccards.info/ths/en/40.html

  イラスト:太陽の神、ヘリオッド/Heliod, God of the Sun
  http://mtg-jp.com/reading/translated/img/20130830/feat261c_4_e13jcnmzzz.jpg

  イラスト:海の神、タッサ/Thassa, God of the Sea
  http://mtg-jp.com/reading/translated/img/20130830/feat261c_6_qjk6au86tj.jpg

余談4:水曜日 《残酷なハイソニア/Hythonia the Cruel》

 昔からクリーチャーにとって黒であることはそれ自体が除去耐性を意味すると言われてきた。テーロスの世界だと「ゴルゴンであること」が除去耐性っぽい。

 ただ「対象のクリーチャーを破壊する」効果は「ゴルゴン(Gorgon)でない」の注釈がつくけど、接死(Deathtouch)の一撃死はゴルゴンであっても逃れられないので、ゴルゴン同士だと効果を発揮しないのは間合いを必要とする石化の視線だけらしい。接触毒は無効化できない。

余談5:木曜日 《モーギスの狂信者/Fanatic of Mogis》

 狂信者の割には対戦相手だけを傷つけるだけの冷静さは持っているらしい。いや、考えてみたら狂信者って別に狂ってるわけじゃないんだよな。

余談6:金曜日 《職工の悲しみ/Artisan’s Sorrow》

 このカード名がちょっと気になってる。作品を壊したくないけど壊さなければいけないので「悲しい」のかと思ってたんだけど、フレイバーテキストをみるとちょっと違うみたい。どうやら破壊を楽しんでいるらしい。
原文:
 Some seers read bones or entrails. Others just like to break things.

日本語訳:
 骨や臓物を読む予見者もいれば、ただ破壊することのみを喜びとする者もいる。

 ああ、でもここで「破壊を楽しんでいる」のは職工じゃなくて予見者なのか。じゃあやっぱり職工は悲しんでるのかもしれない。「このアーティファクトを作った職工のことを考えると悲しいけど、でもやっぱり壊さないと」みたいな。
余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 カードギャラリーの紹介と同時に新キーワードや背景ストーリーを取り扱った公式コラムの紹介。テーロスの紹介記事は大体日本語訳されているので読んでみるよろし。

余談2:月曜日 《天界の執政官/Celestial Archon》

 5マナ・4/4・飛行と言われると《セラの天使/Serra Angel》を思い出すし、執政官(Archon)と言われると基本的に単騎特攻しか出来ない8/4のクリーチャーを思い出す。えーと、後者のクリーチャーのカード名はなんだったか……《アクロンの軍団兵/Akron Legionnaire》か。

 あれ? Archon、関係ないぞ。Akronじゃないか。記憶違いだった。

 ところでMTG Wikiで《アクロンの軍団兵/Akron Legionnaire》の項目調べたら、なんとこいつ、公式に背景ストーリー(短編小説)が存在するらしい。こいつにか。うーん。

余談3:火曜日 《船壊しのクラーケン/Shipbreaker Kraken》

 怪物化することで新たに4本生える触手は敵のクリーチャーに絡みつき動きを止めることが出来る。分かりやすい。素晴らしい。強いかどうかは知らない。第4版のクリーチャーたちを思い出すと強過ぎに見えるけど、比較対象が間違ってる。

余談4:水曜日 《忌まわしき首領/Abhorrent Overlord》

 このクリーチャーが生み出すトークンのクリーチャータイプ、ハーピー(Harpy)という名前についてどうでもいい話をしてみる。プリンセスメーカー2にハーピーっぽいクリーチャーが出現するんだけど、その名前は「ハルパイエ」。

 聞き覚えのないモンスター名だな、と思ったらどうやら「Harpie」の日本語読み(?)ということらしい。納得した。そういえば「バルキリー」も「ヴァルキュリエ」だったりするしね。

 さらに余談。遊戯王の場合、ハーピィの英語名は「Harpie」を採用しているらしい(例としては《ハーピィ・チャネラー》の英語名が《Harpie Channeler》のように)。「ハーピー」と「ハーピィ」も違うし、あえてマジックとの差別化を図ったのかな。いや、考え過ぎか。

余談5:木曜日 《燃えさし呑み/Ember Swallower》

 燃えさし(Ember)は石炭とか薪とかの燃え残りことらしい。それを食べるモンスターが怪物化するとどうして土地が見境なく破壊されるんだろう。

 イラストを見ると火山っぽい場所にいるから、マグマの燃えさしを食べるモンスターなのかな。食べ過ぎると刺激された火山が活性化して、あたりの地域に甚大な被害をもたらす、ということで。

余談6:金曜日 《セテッサの英雄、アンソーザ/Anthousa, Setessan Hero》

 散々そこかしこで言われたことだろうけど、やっぱりこのイラストを見てると「双方、動くな……! 動けば王蟲の皮より削り取ったこの剣が、セラミック装甲をも貫くぞ」を思い出す。

 イラスト:《セテッサの英雄、アンソーザ/Anthousa, Setessan Hero》
 http://magiccards.info/ths/en/149.html
余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 テーロスのカードの紹介という以外に特に共通点はないもよう。あえて言えば全て生物(クリーチャーもしくはプレインズウォーカー)ということくらいか。なお月曜日の《死者の神、エレボス/Erebos, God of the Dead》以外の神々についてはすでに先週紹介済み。

余談2:月曜日 《死者の神、エレボス/Erebos, God of the Dead》

 なぜか週単位の紹介でハブられてしまった黒の神様、エレボス。ちょうど5人なんだから1つの週に収めてしまえばよかったのに、と不思議でしょうがない。余計なお世話と言われそうではある。

 タッサ様を見たときにも思ったことだけど、エレボス様もその巨躯が分かりづらいイラスト。足元の沼地(?)から生えている枯れ木がいわゆる大木サイズだとするならデカいんだろうけど、枯れ木なのか枯れた草なのか、サイズが分からないのでなんとも。

 実は身長170cmとかだとちょっと親近感がわくかもしれない。

余談3:火曜日 《歓楽者ゼナゴス/Xenagos, the Reveler》

 赤と緑のバッカス様みたいなプレインズウォーカー。どうしてもバッカス様のイメージがあるので、プレインズウォーカーというより、これも「神様」というイメージがある(そもそもこの2つにどれほどの違いがあるのか微妙だけど)。

 しかし「歓楽者」って不思議な二つ名だな。歓楽街という言葉のせいか、どうにも後先考えず享楽的に生きているような雰囲気が漂ってくる。生命力にあふれる、という意味では正しいのかな。能力もそんな感じだし。

余談4:水曜日 《悪夢の織り手、アショク/Ashiok, Nightmare Weaver》

 海外で働いているとき、アショクという名のインド人が何人もいた。どうやらインドではよくある名前らしい。その「アショクさん」たちが例外なく全員男性だったので、最初このプレインズウォーカーも男かと思ってた。イラスト見る限りでは女性っぽい。

余談5:木曜日 《アナックスとサイミーディ/Anax and Cymede》

 名前の読み、「Anax」で「アナックス」はいいとして、「Cymede」で「サイミーディ」は明らかに英語じゃないな。「-de」で終わるのを「ディ」と読むのは本当に珍しい気がする。

 2人組でかつ2人分の名前があるカード名自体も珍しいかな。《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》は一応3人の名前が入っているとはいえ名前としては1人分だし、《山崎兄弟/Brothers Yamazaki》もちょっと違うか。

 カード名もイラストもあきらかに「2人」なのにテキストはあまりそれを反映していないのがもったいない。あえていえば2人分の目があるから先に敵を発見できて(先制攻撃)、相手からの攻撃にも備えられる(警戒)のかもしれないけど、そういうんじゃなくて、もっと直接的な何かがあればいいのに。

余談6:金曜日 《世界を喰らう者、ポルクラノス/Polukranos, World Eater》

 能力は怪物化によるパンプと擬似的な格闘によるクリーチャー除去。うーん、「世界を喰らう」とまで言い切るなら《世界喰らいのドラゴン/Worldgorger Dragon》くらいのことはしてもらわないと。
余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 テーロスの神話レアたちが取り上げられていた週。月曜日だけプレインズウォーカー、それ以降は火曜日から金曜日までテーロスの主神たちだった。

 次の週の月曜日が最後の主神だったので、どうせなら同じ週に全部5人の主神でテーマにすれば 全部コピペで楽できたのに 統一感があったのに、もったいない。

余談2:月曜日 《太陽の勇者、エルズペス/Elspeth, Sun’s Champion》

 もうそこら中で散々ネタにされているので本当に、ほんっとうに今更と言われそうだけど、それでもやっぱり言わずにはいられない……どこのファイバードだ、お前は。

 そのうち《伝説の勇者、エルズペス/Elspeth, Champion of Legend》とか《勇者特急、エルズペス/Elspeth, Champion Express》とか出るんだろうな……って、前者は本当に出そうで困る。

 どうでもいいけどいまだに「打撃の夜」の意味が分からない。「嘆き」じゃないのか。

余談3:火曜日 《狩猟の神、ナイレア/Nylea, God of the Hunt》

 ナイレアってナイジェリアのお金みたいだな(通貨単位は Naira(ナイラ))。

 それはさておき、ナイレア様は味方のクリーチャーに+2/+2の修整を与えてくださるらしい。ナイレア様の弓の効果を考えると、やっぱり味方に矢を打ち込むことで発動する気がする。

 味方から飛び道具で攻撃されたと思ったら実は援護だった、というとどうしても「ダイの大冒険」でマァムが初めて味方に魔弾銃をぶっ放してポップが憤るシーンが浮かぶ。年がばれるな。

 ところで信心という概念(フレイバー)は面白いな、と思った。変身メカニズムみたいに、物理的に、そして視覚的に訴えかけるシステム。場に特定マナがたくさん並んでると「世界がその色に染まっている」ような気は昔からしてた。

余談4:水曜日 《太陽の神、ヘリオッド/Heliod, God of the Sun》

 イラストを見るとピンポイントで裁きを下しそうな(クリーチャー単体を破壊しそうな)構えを見せているので、その効果が単に高みから敵を見張るだけ(警戒を与えるだけ)なのは意外に感じられる。

 逆に、小型クリーチャーがわらわら集まってくる起動型能力は「白という色のフレイバー」と「畏れ敬われる神というフレイバー」のいずれともマッチしているな、と思った。

余談5:木曜日 《鍛冶の神、パーフォロス/Purphoros, God of the Forge》

 味方の軍勢が増えると対戦相手本体にダメージが入る、というのはどういう仕組みになってるんだろう。パーフォロス様は信者が増えると「うむ、新たな信心がわしに力をくれたから、皆が望んでいるであろう対戦相手へのダメージを敢行するか。誰だって対戦相手にダメージ与えたいと思ってるに決まってるしな」という感じなんだろうか。

 ……なんか無理があるな。

余談6:金曜日 《海の神、タッサ/Thassa, God of the Sea》

 タッサ様だけじゃなくてエレボス様もそうなんだけど、比較物のない水辺に立たれるとイマイチ巨大さや壮大さが伝わりづらいな。木々の上に覆いかぶさるように立っている白と緑の神様や、山よりデカい赤の神様に比べると、なんかこう……大きさが分からない。

 鯨かリバイアサンあたりが水面に小さく並べたあったら面白かったのに。
余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 Card of the Dayの記事に明言されているとおり、基本セット2014の主役となるプレインズウォーカー、チャンドラ・ナラーにスポットライトを当てた週だったらしい。

 しかしなんかチャンドラってカードパワー的に他のプレインズウォーカーに比べて不憫と言うかハンデを背負っているというか……こう開発の時点で「簡単には強くしない、むしろ強くしすぎたら負け」みたいに考えてそうな雰囲気を感じる。気のせいだといいんだけど。

余談2:月曜日 《若き紅蓮術士/Young Pyromancer》

 訳の話、というか解釈(?)の話。
原文:
 What better way than with one of her biggest fans?

拙訳:
 それには彼女の大ファンを引き合いに出さないわけにはいかないだろう。

 ここで言っている「チャンドラのファン(her biggest fan)」は、どっちなんだろう。《若き紅蓮術士/Young Pyromancer》なのか《ルイス・スコット=ヴァーガス》なのか。どっちともとれるからどっちともとれる訳にした。

 ところで記事の文中にある「ルイス・スコット=ヴァーガスの記事」から張られたリンク先は、特定の記事ではなくリンク集にでしかない。言及している記事はおそらく以下のリンク先。

  Daily Deck List: Pyrodriver
  http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/deck/1305

余談3:火曜日 《紅蓮術士の篭手/Pyromancer’s Gauntlet》

 最初、勘違いしてしまったんだけど「パーマネント1つかプレイヤー1人にダメージを与える場合」というのは別に「対象が1つの場合のときのみ」というわけではないのね。複数にダメージを与えるときは個別にチェックすると。

 ところで「特定の色マナシンボルが一切記載されていないアーティファクトなのに赤の魔法使いにしか役立たない」というこれを見ているとどうしても《Gauntlet of Might》(赤のクリーチャー +1/+1、山は倍の赤マナを供給)を思い出す。きっと開発側も意図してる。

 さらに余談。以下が「Gauntlet」をその名に含むカード群。意外と少ない? 多い?

  《Gauntlet of Might》
  《ゴーレム皮の篭手/Golem-Skin Gauntlets》
  《ヴァルショクの篭手/Vulshok Gauntlets》
  《混沌の篭手/Gauntlets of Chaos》
  《魔力の篭手/Gauntlet of Power》
  《紅蓮術士の篭手/Pyromancer’s Gauntlet》

余談4:水曜日 《チャンドラのフェニックス/Chandra’s Phoenix》

 個人的にマジックのフェニックス(Phoenix)といえばカウンターフェニックスのキーカード、《陶片のフェニックス/Shard Phoenix》を思い出す。バイバックコストで捨てられ、余ったマナで回収され、ウィニー相手に自爆し、ときに思い出したように場に残って殴り始める。《直観/Intuition》との相性の良さも忘れ難い。

 それはさておき、このカードだけでなく前日の《紅蓮術士の篭手/Pyromancer’s Gauntlet》も含めて「赤のインスタント呪文1つか赤のソーサリー呪文1つか赤のプレインズウォーカー1人が対戦相手にダメージを与えるたび」というテキストを見るたび、「今後もチャンドラは必ず対戦相手にダメージを与える能力を持たされるんだな」と思う。制約というよりキャラ付けか。

 最後に訳の話。
原文:
 all of them with some form of recursion (as you’d expect!), with Firestorm Phoenix, from Legends, being the first.

拙訳:
 その全てが何らかの形で甦ることができる(君たちの期待通りにね!)。当然、最初のフェニックスであるレジェンドの《Firestorm Phoenix》も例外ではない。

 2つあって、1つは「as you’d expect!」というたった4単語(3.5単語?)の訳が意外と選択肢多くて困ったということ。予想通りなのか期待通りなのか想像通りなのか、「~にね」なのか「~だ」なのか。どれでもいいと言われそうだけど、どれでもいいが一番困るの、というお母さんの献立理論。

 2つ目は文末の「with Firestorm Phoenix, from Legends, being the first」。これは「with Firestorm Phoenix (from Legends) being the first」ということで語順(修飾させる順序)がめんどいってのと、この「with」をどうしようか、という話。

 「~を含む」ではあるけど「~も」でいいかな、ということで拙訳のようにした。……なんか、何を悩んでるのか分からん、って言われそうだな、これ。

余談5:木曜日 《チャンドラの憤慨/Chandra’s Outrage》

 赤と言えばバーバリアン(Barbarian)といいドワーフ(Dwarf)といい、いつでもどこでも怒っているというイメージがついて回るように赤のプレインズウォーカーの代表であるチャンドラ(Chandra)も同じらしい。

 この《チャンドラの憤慨/Chandra’s Outrage》の他に《チャンドラの憤怒/Chandra’s Fury》もあって、今後もチャンドラのお怒りシリーズは増えるんだろうな。

 ちなみにチャンドラ以外だと《ウルザの激怒/Urza’s Rage》と《ターンガースの激怒/Tahngarth’s Rage》があって、案の定、両方とも赤の呪文だった。

 あと訳の話。
原文:
 Of those, only Chandra’s Outrage and Magma Burst (if you pay the kicker) are "guaranteed" (as much as can be in Magic) to deal 6 points of damage

拙訳:
 そのうちこの《チャンドラの憤慨/Chandra’s Outrage》と《マグマの噴出/Magma Burst》(キッカー・コストを払った場合)だけが合計6点のダメージを与えることを(マジックにおいて可能な範囲で)保障されている。

 御想像のとおり迷ったのは「"guaranteed" (as much as can be in Magic)」の箇所。この二重引用符の意味するところは強調と考えていいんだよね……ということと直後の「as much as can be in Magic」。いや、マジック以外にカードの使い道ってないはずなんだけど。

余談6:金曜日 《紅蓮の達人チャンドラ/Chandra, Pyromaster》

 イラストを見て「髪の毛が燃えてるけどまさか本人も気づいてないってことはないよな」と少し不安になった。いや、手から出てるのは明らかに攻撃魔法だけど、髪の毛は違うかもしれないし、背後で火が燃え盛ってるし。

  イラスト:《紅蓮の達人チャンドラ/Chandra, Pyromaster》
  http://magiccards.info/m14/en/132.html
余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 特にテーマらしきものはなかったもよう。一連のカードを見ていると、なんとなくアメリカのファンタジー小説「氷と炎の歌」シリーズを思い出すけど、まあ、あくまで個人的な印象の話なので気にしないで。

余談2:月曜日 《Winter’s Chill》

 表現したいところは分からないでもない。魔法で生み出した冬の寒さに巻き込まれた相手のクリーチャーが次々と倒れていくイメージ。ただし相手の魔法使いが魔力をつぎ込むことで寒さを軽減できる。

 古い時代らしく「特定のカードをたくさん入れていないと損をする」効果となっている。今だったら「特定のカードをたくさん入れていると得をする」効果にすることでプレイヤーを幸せにしてくれる(例:氷雪地形の数だけ相手の各クリーチャーにダメージが入る)んじゃないかな。

余談3:火曜日 《高原の狩りの達人/Huntmaster of the Fells》

 グランプリ北九州でも活躍していた《高原の狩りの達人/Huntmaster of the Fells》。グランプリの試合の中で、相手のこれが変身して後がない状態から、《オリヴィア・ヴォルダーレン/Olivia Voldaren》で吸血鬼化させて奪い、2体でアタックさせて勝ったフィーチャーマッチがあった。

 状況としては、うろ覚えだけど確かこんな感じだったはず。

 【相手】
       残りライフ:7
       手札数枚 + 5マナ(黒と緑あり) + 狼トークン 2/2
 【こっち】
       残りライフ:2
       手札は土地 + 6マナ(赤3点) + 《オリヴィア》3/3 + 《荒廃者》4/4

 相手方は狼トークンで《高原の荒廃者/Ravager of the Fells》をブロック。荒廃者はトランプルを持っているので、オリヴィアが狼トークンを除去すれば終わりだろ、と思って観てた。

 ところがオリヴィア側のプレイヤーは少し考えてから「狼トークンに1点、荒廃者に2点」というふうにオリヴィアの能力を起動した。なんか不思議だな、と思ったらコメントで「スリップをケアしてるな」という書き込みがあった。

 マッチ終了後、勝者が実況者席に呼ばれて同場面の解説をしてくれたところ、まさにコメントの通りで「相手に黒マナが出るので《悲劇的な過ち/Tragic Slip》の陰鬱条件を満たさないようにオリヴィアのダメージを割り振った」とのこと。なるほどなあ。

余談4:水曜日 《ドラゴンの卵/Dragon Egg》

 日本語に外来語として取り込まれている言葉(エクセレント、エキサイティング)だったので英語のジョークとしては比較的訳すのが楽だった。ただ、逃げといえば逃げかもしれない。これがTakuさんだったら正面から立ち向かう(日本語でジョークにする)んだろうな。

 あと《高原の狩りの達人/Huntmaster of the Fells》の記事でもそうだったけど、検索条件が特定のカードを狙い撃ちで除外していて笑えた。確かに《不明の卵/Dingus Egg》を割っても何も生まれないものね。

 ついでに《高原の狩りの達人/Huntmaster of the Fells》の検索条件にも触れておくと、破壊不能なため倒せない《軍勢の刃、タージク/Tajic, Blade of the Legion》が除外されている。細かいことをいうと他にも倒せないタフネス2の人間がいるはずなんだけど、まあ、いいじゃないか。

 《革命家チョー=マノ》2/2
 「よくない」

 《銀騎士》2/2
 「そうだそうだ」

 《鬼斬の聖騎士》2/2
 「まったくだぜ」

 《革命家チョー=マノ》、《銀騎士》
 「「お前は死ぬだろ」」

余談5:木曜日 《空位の玉座の印章/Sigil of the Empty Throne》

 2012年02月13日以来、1年半ぶり2回目の登場。今回の記事の内容はそれとあまり変わってないけど、今回の記事の中には「the Sundering」という単語が登場していた。大文字なので背景ストーリーの用語なんだろうな、と調べたところ、MTG Wikiに「大断裂」という対訳が見つかったのでお借りしてきた。

余談6:金曜日 《ラースのスターク/Starke of Rath》

 金曜日の記事の内容は「テンペストブロックの開発について」であり、スタークのことは一切語っていない。それを考えると、やっぱり今週も何か隠されたテーマがあって、それに当てはまるカードとして《ラースのスターク/Starke of Rath》が選ばれたのではないか、という気がしてくる。

 記事からはマーク・ローズウォーターの記事へのリンクが張られている。日本語訳も公式サイトにあったので一緒にリンクを張っておいた。マーク・ローズウォーターの記事は「長い上に構成が特殊」なので訳者は大変なはずだから、みんな読もう。

余談7:週末のグランプリ北九州

 土日はほとんど北九州の生放送を見て過ごしてた。

 ▼ 実況者
 森さんと浅原さんの実況がとても面白かった。特に、場をつなぎつつ、かつ生放送の進行を管理する森さんの手際の良さに感動した。視聴者が「音が遠い」「ライフカウンターが変わってない」「カメラの位置が見づらい」とコメントするのをきちんと拾って対応してくださってた。

 ▼ ゲスト
 渡辺雄也さんや八十岡翔太さんといったビッグネーム以外にも、岡山で知られた強豪プレイヤーとかグランプリ2日目初進出のプレイヤーとか、さらにはイラストレーターさんやジャッジの方々など、バラエティに富んだゲストのインタビューが楽しかった。

 渡辺さんや八十岡さんへデッキ構成やカード選択について真面目な質問をしつつも、さりげなく今期注目のアニメとかどうでもいい話題で盛り上がったり、《余韻/Reverberate》の活躍シーンに芸術点つけたり。

 他にも石井さんの「マンモスじゃないです」「でもマンモスですよね」「いえ、マンモスじゃないです」とか、「寿司のクリーチャーを描くとしたら」というわけの分からない質問にゲストのイラストレーターさんが困ってたりとか、ああ、そうそう。みらこーさんこと進藤さんや鴨屋さんこと若月さんを初めて見た。なんか嬉しい。

 ▼ 試合
 試合の中継は色々と良い点やら気になる点やらがあった。気になった点の1つはライフカウンター。中継用に大きく見やすいライフカウンターが用意されていたんだけど、誰も更新しなかったり、1人のプレイヤーが2人分を操作してたりとあやふやな感じだった(ベスト8とかになればさすがにジャッジがついてたので問題なし)。

 あと多くのコメントで指摘されていたのはカメラワーク。「試合中はプレイヤーの表情とかどうでもいいから天井から盤面をずっと映していてくれ」という要望が多かった。個人的には、せっかくの生中継だからこそプレイヤーの表情とか仕草とかも大事かなと思った。盤面に変化があったときは必ず盤面を映してくれればそれでいいかな。

 良かった点は、なんと言っても中継が見られるというそれ自体。実際に大会を勝ち進むプレイヤーたちがどんな盤面でどんな判断をどれほど悩んで下すのかが(家から)見られるとは便利な世の中になったもんだ。

 あと森さんと浅原さんの実況があるおかげでプレイヤーやデッキの情報を知ることが出来たり、コメントのおかげで他人の考え(自分だったらこうする)を知ることが出来たりしたこと。1人でカバレージ記事を読むのとは違う「賑やかさ」があった。

 ▼ 決勝戦
 決勝はグルール vs 呪禁バントの対決。グルール側は日本人プレイヤー、呪禁バント側はマレーシア人プレイヤー。どちらの方も面識ないけど、やっぱりここは日本人に優勝して欲しい、というわけでグルール側を応援してた。

 1戦目を先取した呪禁バントが2戦目にトリプルマリガンするも、互いに決め手を欠く壮絶なめくり合いからギリギリのところでオーラを引き当てて勝利。日本人が負けて悔しかったのか、動画では「右手が光ればマジック勝てるのな」「トリマリしてもプレイミスがあっても引きが良ければ勝ちか」という後ろ向きなコメントが散見された。

 でもトリプルマリガンして勝ったっていうのは「ダブルマリガンしたあとにもう1回マリガンするかどうか」という分岐点があったわけで、同じ決断をとれるかどうかが「プレイングの差」なんじゃないかな。

 ▼ プレゼント
 浅原さんのサイン入り《不朽の理想/Enduring Ideal》や、ゲストとして招かれていたイラストレーターのサイン入りカードが視聴者プレゼントということで提供されていた。応募した。今は結果待ち。当たるといいな。
余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 なんかありそうと思いつつも分からなかったので、公式サイトの掲示板で考察している人がいないか見に行ったら、案の定、それらしき答えを導き出している方がいた。

   Oporaca  2013年08月16日 12:17AM
      今週のCard of the Dayのテーマは映画「ボーン」三部作っぽいね。
      ・Royal Assassin
      ・Fade from Memory
      ・Stolen Identity
      ・Supreme Verdict
      ・Cruel Ultimatum

 というわけで、映画の内容との関連としては「主人公が暗殺者(Assassin)」「主人公が心因性健忘(Fade from Memory)」であり、映画三部作のタイトルがそれぞれ「The Bourne Identity(Identity)」「The Bourne Supremacy(Supreme)」「The Bourne Ultimatum(Ultimatum)」となっている。

余談2:月曜日 《凄腕の暗殺者/Royal Assassin》

 マジックを初めて1年と少しくらいのときは、相手の《ラジャンの精/Radjan Spirit》を《氷の干渉器/Icy Manipulator》でタップさせてから《凄腕の暗殺者/Royal Assassin》で暗殺して「強すぎる」と絶望された。そんな古き良き(?)時代。

 それはさておき「タップされたクリーチャーのみ暗殺できる」というのは、いかにも暗殺者の「相手が油断している隙に忍び寄る(正面から戦いを挑まない)」というフレイバーをシンプルに感じさせてくれる効果だな、と思う。

余談3:火曜日 《記憶の彼方/Fade from Memory》

 訳の話。
原文:
 The memories of magic and power exist in the very land itself

拙訳:
 マジックはそのマナと思い出も同様に土地と深く結びついており

 「マジックの思い出」と「マナ」はどちらも土地それ自体の中にある、という話だと思われたので、出来る限りその意味を残しつつ、前後の文章とつながるように意訳。合ってるかなあ。
原文:
 "Some Planeswalkers report that it feels as if Otaria itself yearns for its own past, aching to revisit times gone by."

拙訳:
 「オタリアという大地はまるで自身の過去を懐かしがるあまり、過ぎ去りし時の彼方へ戻りたいと切望しているかのようだ、と何人かのプレインズウォーカーたちがその記録に書き残している」

 原文に対して妙に長い日本語になってしまった。シンプルな英語なのにその意味するところがまったくシンプルでないという元の文章の良さを、どうにも生かし切れなかった感がある(そもそも訳が正しいのかどうかというのもある)。

 どうでもいいけど Planechase を訳すたびに「プレインチェイス? プレーンチェイス?」と分からなくなりかけては、プレインズウォーカーだからプレインだよな、と思い出している。「チェイス、チェース」で迷うことはない。

余談4:水曜日 《身分詐称/Stolen Identity》

 訳の話。
原文:
 The "Dimir style" includes a visual cue of "three sharp elements in a row," which you can see throughout the image, hinting at this clone’s true allegiance.

拙訳:
 「ディミーアっぽく」の表現には「3つの鋭利な何かを並べたもの」と付記されており、それがイラストを通じて伝わってくることでこのクローンが本当はどこに忠誠を誓っているのかが分かる。

 上記のとおり訳したし、間違っているとはあまり思っていないけど、実のところイラストのどこに「3つの鋭利な何かを並べたもの」があるのかよく分かっていない。魔法陣の縁(ふち)に浮かび上がっている模様? 尖ってはいるけど、3つかというと、どうだろう。

余談5:木曜日 《至高の評決/Supreme Verdict》

 訳の話。
原文:
 Fearing the corrupting influence of power that led to Augustin IV’s crimes, he sought to put in power a longer-lived being as guildmaster.

拙訳:
 結果としてアウグスティン四世が過ちを犯す原因となった権力の座の堕落を憂えた彼は長命な種族をギルドマスターの座に据えるべく尽力した。

 英文の意味は分かるし、各単語の意味も分かるんだけど、日本語の文章に直すのが大変だった。パーツごとに和訳してからひたすらそれを並べ替えて自然な日本語に見えるパターンを探す作業。もう少し上手くできたかもしれない。

 ひみつ日記に書いたのは以下のとおり。
アゾリウスのすごく驚いたこと [MtG(ストーリー関係)]
http://aisha.blog.so-net.ne.jp/2013-08-15

 たまにコメントを残していかれるあいしゃさんのブログで、この日の Card of the Day の記事にそれはそれは驚かれたらしい……けど、驚きのポイントがマニアックすぎて賛同者が得られない、とのこと。なんでも「旧作ディセンションでコス爺さんが身体を借りてたアゾリウスの人」らしい。……誰だろう。

 なお名前のカタカナ表記はあえてリンク先と異なるものにしてみた。あまり深い意味はない。

余談6:金曜日 《残酷な根本原理/Cruel Ultimatum》

 訳の話。
原文:
 the "called shot" from Hall of Famer Gabriel Nassif

拙訳:
 殿堂入りプレイヤーガブリエル・ナシフのトップデッキだ

 原文の「called shot」は直訳すると「宣言通りのショット」で、意味としては「予告ホームラン」と訳すのがもっとも一般的らしい。最初はそう訳したし、一旦はその訳で文章をアップしたんだけど、やっぱり「マジックの日本語」にするならここは「トップデッキ」だろう、と思い直して、変更した。

余談7:野球

 現時点で把握している限りのマジック関連ダイアリーノートユーザの応援しているセリーグ球団別リスト(敬称略)。なお「お気に入り登録しているユーザ」とそのユーザが「お気に入り登録しているユーザ」まで(言い換えると「友達の友達まで」)。

 ▼巨人
        :栄治14
        :ヒラくアベカンポケット(ぅ・ω・)ぅ

 ▼阪神
        :ウンパス

 ▼広島
        :関東の遅刻魔
        :らぐ

 ▼中日
        :

 ▼横浜
        :丹依悠。
        :クロシマ@中尉

 ▼ヤクルト
        :男山本打イ致
        :prae

 もっといるかと思ってたら、予想より少なかった。どこかで中日ファンを見かけた気もするけど今回は見つけられなかったので空欄。パリーグは1人しか見つからなかったのでリスト化できず。
余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 マジック20周年記念週間ということでR&Dメンバーに「マジックの歴史上もっとも重要なカード(the most important cards in Magic’s history)」を聞いてみた結果が記事にされている。

余談2:月曜日 《黄金のたてがみのアジャニ/Ajani Goldmane》

 初代のプレインズウォーカーたちを見ると、やっぱり最近のプレインズウォーカーは強くなったなあ、と感じる。

 当時の5人のプラス能力をあらためてみると、カードもしくはパーマネント1枚分のアドバンテージをとれるのは《リリアナ・ヴェス/Liliana Vess》の手札を捨てさせる能力しかない。それ以外は「ライフ2点回復」「土地2枚アンタップ」「対象のプレイヤーに1点ダメージ」「各プレイヤーは1枚カードを引く」という感じ。

 こうして並べてみると「1マナ呪文でも弱いと感じる程度の効果」なんだな、ということが分かる。初めてのカードタイプということで開発側もカードパワーを抑えに抑えようとしたのかもしれない。確かに逆よりいいか。

 《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》
 「呼んだ?」

 呼んでない。

余談3:火曜日 《大クラゲ/Man-o’-War》

 コモンなのにそこそこ強くて絵も綺麗な《大クラゲ/Man-o’-War》はビジョンズの当時から好きなカードだったな、という思い出話と一緒に訳の話。
原文:
 Uktabi Orangutan, Man-o’-War, and friends showcased the ’enter the battlefield’-with-a-spell effect, creating powerful creatures for tournament play thanks to their warm bodies being relevant all the time, even if the Shatter effect was not.

拙訳:
 《ウークタビー・オランウータン/Uktabi Orangutan》や《大クラゲ/Man-o’-War》といったヤツらは「戦場に出たとき」に呪文1つ分の効果を持つことの有用性を証明して見せたんだ。それがトーナメントレベルのクリーチャーとなり得ることをね。《粉砕/Shatter》みたいな呪文は無駄になることもあるけど、クリーチャーとしてのボディはいつだって無駄にならない。

 どこで切ったらいいのか分からなくて全文引用してしまった。ポイントは「thanks to their warm bodies being relevant all the time」の箇所。「thanks to」とか「warm bodies」とか発言者のトーンが表れている部分なんだけど、イマイチ訳に反映されていない。

 原文に忠実にするなら「暖かい~」とか「血の通った~」とかするべきだったのかもしれない。その場合、続くのは「ボディ」より「生身の部分」とかになるのかな。ところで(言い訳じゃないけど)考えてみたら《大クラゲ/Man-o’-War》なのに「warm body」って不思議な話だ。

 さらに余談。この記事がこのブログの700件目の「Card of the Day」カテゴリ記事だった

余談4:水曜日 《ネクロポーテンス/Necropotence》

 とても短い記事なのに訳すのに悩まされたのはある単語が理由。
原文:
 James explained his choice by calling it "the original boogeyman of Constructed tournaments."

拙訳:
 James Sooyは自身の選んだこのカードを「構築レベルの元祖ぶっ壊れカード」と呼んでいる。

 いや「Boogeyman」って言われましても……いわゆる「ベッドの下の怪物」というか、もっとも単刀直入に言うなら「おばけ」。ちなみに上記の拙訳以外の訳の候補としては以下の通り。

  - このカードを「トーナメントに顔を出した魔物の元祖」と呼んでいる
  - このカードを「トーナメントに顔を出した初代ブギーマン」と呼んでいる

 うーん。

余談5:木曜日 《カヴーのタイタン/Kavu Titan》

 《カヴーのタイタン/Kavu Titan》というと「単なる2マナ2/2として使ったときのほうが勝率が良かった」というマーク・ローズウォーターの思い出話を思い出す。以下の記事に紹介されている逸話。

  Body Snatchers of the Invasion
  http://www.wizards.com/Default.asp?x=mtgcom/daily/mr188

 上記の拙訳(の後半部分)が以下。ちょうどカヴーのタイタンの話から始まってる

  世界侵略:インベイジョン決戦/Body Snatchers of the Invasion(後半)
  http://regiant.diarynote.jp/201102120925214209/

余談6:金曜日 《Black Lotus》

 1回だけ本物を見たことがある。学校に遊びに来たOBが持ってた。スリーブの上からでも触らせてもらえなかった。今考えると当たり前の話だな。それはさておき訳の話。
原文:
 calling it "the icon of legendary cards among all card games."

拙訳:
 James Sooyはこれを「カードゲーム界における伝説そのもの」と評している

 意味は間違ってないけどやっぱり訳としてはおかしいか。なんというかシンプルな分だけ難しかった。やっぱり「象徴」とか「アイコン」とか「代名詞」とかそんな感じの単語があったほうが良かったかもしれない。

余談7:勘違い

 最初、《ボロスの反攻者/Boros Reckoner》の能力を《ザルファーの聖戦士/Zhalfirin Crusader》の能力のマナがいらない版なのかと勘違いしてた。
Zhalfirin Crusader / ザルファーの聖戦士 (1)(白)(白)
クリーチャー — 人間(Human) 騎士(Knight)
側面攻撃
(1)(白):クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。このターン、ザルファーの聖戦士に与えられる次のダメージ1点は、代わりにそれに与えられる。
2/2
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Zhalfirin+Crusader/

 つまりダメージの移し替え(redirect)だと思っていた。ダメージでは絶対に死なない上にそのダメージを敵本体とクリーチャーにばらまく超生物の誕生である。

 あり得ない強さのはずなのに「最近のクリーチャーは本当に質が高いなあ。それでも黒の除去で死ぬし、飛行クリーチャーは止められないし、そんなもんなのかなあ」とか呑気なことを考えてた。
余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 ネタの内容は月曜日から順に「クリーチャータイプ」「背景ストーリー(ファイレクシア)」「背景ストーリー(ザ・ダーク)」「カード名」「クリーチャータイプ」。バラエティに富んだ内容になっており、特に統一されたテーマがあったという感じは受けない。

 それより気になったのは8月からレアリティ表記がなくなった件。エキスパンションによって異なることを新規のプレイヤーに知られたくないのかな、とか、古いカードは特殊なレアリティ区分(アンコモン1、アンコモン2)があって現状の区分にそぐわないからかな、とか、色々思いつくけど真相は闇の中。

余談2:月曜日 《運命の扉/Door of Destinies》

 マジックの世界には様々な扉があって開くと不思議なことが起きる。たとえば開くのに膨大な魔力を必要とする空虚への扉は、開いてしまえば敵を問答無用で虚無へと葬り去る。裂け岩に開いた扉からは粗悪なマナしか生み出されないけど、なぜか扉を破壊すると以降は緑と白のマナが生み出されるようになる。

 そんな中、運命の扉は戦場に設置する際に「人間用」とか「ゴブリン用」とか決めるらしい。そして新たに陣営に加わるクリーチャーは自分の種族用の扉へと案内される。

 係員「こっちの扉を通れ」
 新兵「あっちじゃないんですか?」
 係員「あれはゴブリン用だ」
 新兵「こっちの扉、なんか2って書いてありますけど」
 係員「いいからとっとと通れ」
 新兵「はい」

 (ピロリーン)

 係員「よし、3になったな」
 新兵「なんですか、今の音」
 係員「お前が3人目の人間ということだ。よし、次は視力検査だ。あっちへ向かえ」
 新兵「了解で……な、なんだ!? 力がわいてくる……具体的には+3/+3くらいの力が!」
 係員「いいから行け」

 多相の方々は入隊検査時に回る場所が増えて大変そう。あとこれさえあれば吸血鬼が人間に化けて侵入してきてもすぐに分かって便利かもしれない。変身前の狼男の識別には使えないけど(人間のクリーチャータイプ持ってるから)。

 さらに余談。「扉」と訳されるカード名は「Door」以外に「Portal」もあるけど、「Portal」は「門」と訳されることもある(「門」とも「扉」とも訳されなかった「Portal」もあるけどここには挙げない)。さらに「門」といえば当然「Gate」もある。

 扉 - Door
      《運命の扉/Door of Destinies》
      《空虚への扉/Door to Nothingness》
      《地下室の扉/Cellar Door》

 扉 - Portal
      《裂け岩の扉/Riftstone Portal》
      《試作品の扉/Prototype Portal》
      《取り憑かれた扉/Possessed Portal》

 門 - Portal
      《移ろいの門/Erratic Portal》
      《次元の門/Planar Portal》
      《ベルベイの門/Belbe’s Portal》など

 門 - Gate
      《秘教の門/Mystic Gate》
      《上天への門/Gate to the AEther》
      《ラクドスのギルド門/Rakdos Guildgate》など

 最後のちょっとだけ訳の話。
原文:
 That is obviously more than we can list here, so go check out this Arcana from last year, whose list is still up to date!

拙訳:
 ここに全てリストアップするには明らかにスペースが足りないので、昨年のこのコラムに載っているリストを参照してくれ。今現在もこれが最新のリストだ!

 末尾の「whose list is still up to date」を最初は「いまだに更新され続けてるぞ」と訳しそうになって、記事を見に行って、間違いに気づいた。まあ、そう簡単にはクリーチャータイプが増えることはない、ってことか。

 あと「obviously more than we can list here」は「ここに記すには余白が足りない」にしようかな、と少しだけ思った。そしてすぐにやめた。

余談3:火曜日 《ファイレクシアへの貢ぎ物/Phyrexian Tribute》

 ファイレクシアは本当にアーティファクト破壊が下手で、1つのアーティファクトを壊すのに「3マナのソーサリー(追加コスト:クリーチャー2体)」とか「2マナのエンチャント(追加コスト:クリーチャー1体)」とか、非効率にもほどがある。そこまでして壊したいのか。

 なお、英語に「ish」という英単語があることをこの記事で初めて知った。

余談4:水曜日 《瘴気/Marsh Gas》

 元カード名が2単語《Marsh Gas》なのに対して日本語名が1単語《瘴気》となっている珍しい例。それも当然で日本語訳黎明期の第4版の時代に訳されたカードの1つ。今だったら「湿地のガス」もしくは「湿地帯のガス」になるのかな。やっぱり《瘴気》のほうがそれらしい。黒だし。

 なお同じ第4版の《Marsh Viper》は《マーシュ・バイパー》と訳されている模様。

余談5:木曜日 《黒騎士/Black Knight》

 青白パーミッションデッキを使ってたとき、なかなか《神の怒り/Wrath of God》を引けず、2ターン目に出てきた《黒騎士/Black Knight》に20点のライフを削りきられたことを思い出す。

 それはさておき、記事では「Black Knight」の名を冠されたことのある歴史上の人物たちが紹介されている。それらの人物について書かれた英語版Wikipediaへのリンクがいくつも張られていた。ただ、これら人物は日本ではあまり知られていないらしく、日本語版Wikipediaには記事がなかった。

 イギリスのエドワード王子が入ってないな、と思ったら、彼の異名は「エドワード黒太子(Edward, the Black Prince)」だった。騎士じゃなかった。ちなみに英語版Wikipediaによると、初めて「Black Prince」の名が用いられたのは死後150年経ってからで、彼の生きている時代にその二つ名が用いられた資料は存在しないらしい。

  (英語版Wikipedia) Edward, the Black Princeの項目
  http://en.wikipedia.org/wiki/Edward,_the_Black_Prince

余談6:金曜日 《執拗な死者/Tenacious Dead》

 マジックにおいて初めて白骨化したのは戦士(Warrior)で、その次に白骨化したのは鳥(Bird)だったらしい。ただ、さすがに船(Ship)は(いくら骨組みがあるとはいえ)白骨化しないらしく《Skeleton Ship》のクリーチャータイプはスケルトン(Skeleton)のみとなっている。

 マジックを始めた頃、この《Skeleton Ship》のイラストがとても好きで、「強いから」ではなく「使いたいから」使っていた。弱かったけど、嫌いにはなれなかった。今でも好き。しかしこれが入っていたということは青黒デッキだったはずだけど、他に何を入れてたか、さっぱり思い出せない。
余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 特徴的な単語がカード名に並んでおり、なんか隠されたテーマがありそうなんだけど、やっぱり分からない。とりあえずカード名に含まれる気になった英単語とその変化形を以下にリスト化しておく。

  月曜日: Weak, Weakness, Hunt, Hunter
  火曜日: Thirst, Thirsty
  水曜日: Stun, Snipe, Sniper
  木曜日: Hunger, Hungry
  金曜日: Slaughter, Game

 なんかありそうだけど、気のせいかなあ……気のせいかもしれない。

余談2:月曜日 《弱者狩り/Hunt the Weak》

 弱者狩りというとあまりにチキンっぽいけど強いヤツと格闘したら死んじゃうのがマジックの世界だからしょうがないよね、と理解を示しつつ、訳の話。
原文:
 Hey you, let’s fight!

拙訳:
 おい、そこのお前! かかってこいよ!

 訳自体は気に入ってる。ただ日本語版のキーワード「格闘」を使うべきかどうかで悩んだ。原文はあきらかにキーワードを意識した文章になっている。その場合「格闘しようぜ!」になるのか。うーん。しっくりこない。

 そうそう。原文ではこの「Let’s fight」にアニメのシンプソンズのセリフ集へとリンクが張られていた。日本のアニメと同じように、特定のセリフが引用されたりネタにされたりということがアメリカでもあるんだろうか。

余談3:火曜日 《渇き/Thirst》

 ミラージュはマジックを遊び始めた頃……というか学校の友人たちと皆で遊ぶようになった頃のセットなのでとても懐かしいという思い出話はさておき訳の話。
原文:
 Coincidence? Well, yes. But it works out nicely!

拙訳:
 偶然かな? 多分そうだろう。だけどちょうどいいね。

 とりあえずそのまま訳したけど、正直文脈がつかみきれていない。何がなんだって?

 マーク・ローズウォーターがミラージュの話題を出した頃にちょうどCard of the Dayでもミラージュネタだよ、という話……でいいんだろうか。偶然も何もカードは好きに決められるんだから必然なんじゃないのか。

 という疑問が浮かぶので、ここはやっぱり何か隠されたテーマがあって、それに対して(ミラージュの)《渇き/Thirst》がちょうどよくハマるカードだった……のかもしれない。気になる。

余談4:水曜日 《気絶の狙撃者/Stun Sniper》

 カードのフレイバーはとてもよく伝わってくる。魔法によるものなのか、急所をつくからなのかは不明だけど、とにかく百発百中の矢を射ることで相手を一時的に動けなくすることが出来る射手。

 唯一気になるのは日本語のカード名。「Stun」は「気絶」より「麻痺」かな、ということもあるんだけど、それより「気絶の狙撃者」だとなんか狙撃者本人が気絶してるみたいで、カードの効果が連想されないなあ、と思ってしまった。

 いや、ほら、たとえば「空腹の狙撃者」とか「頭痛の狙撃者」とか言われたら「狙撃することで相手を空腹(頭痛)にするんだな」と思うより先に「狙撃者が空腹(頭痛)なんだな」って思わない?(※ 感じ方には個人差があります)

 あとさらに余談なんだけど、この日の記事で言及されている《Falling Star》というカードの効果が何度読んでも笑ってしまう。本当の意味で「ダメージ(物理)」という感じ。カード自体を物理的にぶつける、って、もう、最高だ。

 流星が落ちてきた、というフレイバーを表現する意味では完璧なんだけど、さすがにこれは今後も禁止が解除される日が永遠に来ないであろうことが簡単に予想できる。

余談5:木曜日 《飢えへの貢ぎ物/Tribute to Hunger》

 かわいそうなのはマレーラよりもその娘さんなのでは、ということはさておき訳の話。
原文:
 Alas, poor Marella!

拙訳:
 ああ、かわいそうなマレーラ!

 原文の文頭にある「Alas」は、文語の感嘆詞。実際に声に出して使われるのは、教会で行われる聖書の劇くらいが限界で、日常英会話で使われることはない。日本語で言うと「~じゃよ」みたいな語尾が近いかもしれない(そうでもないかもしれない)。
原文:
 vampires themselves somewhat euphemistically call a "condition of the blood"

拙訳:
 彼ら自身はそれを婉曲的に「血の性質(condition of the blood)」だと説明している

 「血の状態」のほうがいいんだろうか。もしくは「血の条件」? いっそ「血のコンディション」で良かったのかな。うーん。やっぱり「血の性質」なんじゃないかなあ。どうかなあ。念のため公式の背景ストーリー系の記事を漁ってはみたけれど、正解は見つからなかった。

 上記以外に気になった点として、原文の「skin cold to the touch」。日本語で「触るほどに冷たい肌」なわけないよな、と調べてみたら「cold to touch」で「触れると冷たい」という意味だった。

余談6:金曜日 《殺戮遊戯/Slaughter Games》

 もしや日本語版で一番画数の多いカード名ではなかろうかと疑いつつ、訳の話。
原文:
 Their fêtes, it turns out, are simply to die for.

拙訳:
 彼らの催す祝宴は「死ぬほど素晴らしい」らしい。

 最初に訳したときは「えーと『to die for』で『非常に良い』という意味なのか。じゃあ『よって彼らの開催するパーティはとても素晴らしい』という意味かな」と単純に考えた。

 でもそれだと記事の前半の「it throws the best parties on Ravnica」と意味が丸々かぶってしまうし、そもそもこの文章の直前が「構成員は全員がサディストである」なので、文章のつながりがイマイチ。

 と、ここまで考えたところでようやく「ああ、なんだ。シャレなのか」と気づいた。

 「to die for」で「非常に良い」という意味もあるのだろうけど、ここでは同時にサディストたちの饗宴なので「本当に死んでしまいかねない」という意味で「to die for」がかかっているのだろう、と。

 多分。
余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 今週のテーマは基本セット2014の新カードで、カード名に用いられているちょっと珍しい英単語の解説。月曜日から順に「Seraph, Cancrix, Bairn, Regathan, -weft」。

 この手のネタは、往々にして見慣れない地名や専門用語が用いられることが多い上に文章も長くなりがちで、訳すことを考えると大変だけど、個人的には非常に好きなタイプのネタ。言葉の意味や響き、語源や由来を知ると幸せな気持ちになれる。

余談2:月曜日 《剣の熾天使/Seraph of the Sword》

 ミルトンの「失楽園」の全文がネットに掲載されてることに驚いたのはさておき訳の話。
原文:
 The English word "seraph" is an assumed singular version of the Hebrew plural word "seraphim," which came to English from Latin (via Greek).

拙訳:
 ヘブライ語の複数形名詞である「Seraphim」から類推して作成された単数形名詞が英語の「Seraph」だ。正しくは、元々はラテン語でギリシャを通じて英語へともたらされた。

 前半の「an assumed singular version of」は、この現象に対する対訳(日本語)がすでに学術用語として存在するかどうかが気になった。既知の言葉のルールから変化形を類推(誤解?)する現象。

 単数/複数の類推の例としては「豆(Pea)」がある。英語で豆の単数形はPeaで複数形がPeaseとなっているが、そもそもはPeaseもしくはPeasが豆の単数形だったのを「-sがつくから複数形だろう。じゃあ単数形はPeaだろう」という類推(誤解)からPeaという単数形が生まれたらしい。

 日本語だとどうなるかな。あえていえば、まれに口語で用いられる「きれいくなる」とか「食べれ」とかがあげられるかもしれない。「正しい ⇒ 正しくなる、美味しい ⇒ 美味しくなる」だから「きれい ⇒ きれいくなる」、また「帰る ⇒ 帰れ、入る ⇒ 入れ」だから「食べる ⇒ 食べれ」のように変化形を類推(誤用)しているもの。

 この類推(誤用)の面白い点は、聞いた側が間違いに気づいている場合でも意味を理解できる、という……いかん、話が脱線してた。閑話休題。今回の訳についての話に戻ろう。

 難しかった点のもう1つとしてはコンマを挟んでいる2つの文の関係性。

   1 The English word "seraph" is
   2 an assumed singular version of the Hebrew plural word "seraphim,"
   3 which came to English from Latin (via Greek)

 上記の「2」と「3」のあいだにコンマがある。「3」の「which came to English from Latin」が指しているのが「seraph」なのか「seraphim」なのか。前者であれば「すでに単数類推後のseraphが英語に伝わってきた」ことになり、後者であれば「ヘブライ語のseraphimが英語に伝わってきてそれを英語圏の人が類推してseraphが生まれた」ことになる。

 結局、原文同様にどっちともとれるように訳した。迷いを決断できずに残したままなので、正直あまり良い訳とは言えない。

余談3:火曜日 《装甲のカンクリックス/Armored Cancrix》

 正直読みづらい訳になってしまった。
原文:
 whose name traces back to the Latin "cancer" (crab),

拙訳:
 その星座の名の由来はラテン語の「Cancer(= カニ)」からきており

 こういうとき日本語の表記はどうするのが良いんだろう。もしかしたら大人しく「ラテン語の Cancer (Crab)」で良いんだろうか。いや、それは訳とは言わないよな。「Crab」で「カニ」を指すかどうかって分からない人のために「訳」してるんだし。

 上記のような箇所は他にもあって……
原文:
 which in turn traces back to the Proto-Indo-European root "qarq–" (hard).

拙訳:
 インド・ヨーロッパ祖語の「Qarq-(= 固い~)」からきているのだ

 と訳してある。正解のない話だということは分かってるし、むしろこういったことに頭を悩ませるのが楽しくて翻訳をやってるから別に問題ではないんだけど。

余談4:水曜日 《血の幼子/Blood Bairn》

 読み方が分からない。バイルン? ビョルン?

余談5:木曜日 《レガーサの火猫/Regathan Firecat》

 マジックにおけるプレーンチェイスの立ち位置がよく分かってないのはさておき訳の話。
原文:
 Oh, and yes, in case you were wondering, there is a tie between Chandra (face of M14) and Regatha.

拙訳:
 ああ、そうそう、気になってる君のために教えてあげよう。基本セット2014の主人公であるチャンドラとレガーサ(Regatha)との間にはつながりがある。

 考えてみたら「face of M14」を「基本セット2014の主人公」と訳したのはちょっと違ったかもしれない。大人しく「基本セット2014の顔」で良かったかな。

 いや、ここであげたかったのはそこじゃなくて「there is a tie between Chandra and Regatha」の部分。この「tie」をどうしようかな、と迷った。「つながり、因縁、関連(性)、関係(性)」と色々思い付くんだけど、どれでもいいような……どれもピタリとハマってくれないような。

 なお原文では「there is a tie between Chandra」と強調が入っている。こういうのを日本語訳にも適用するとすれば、どうしたものか(今回は特にしてない)。

余談6:金曜日 《マナ編みスリヴァー/Manaweft Sliver》

 機織りの専門用語だらけで大変だったというのはさておき訳の話。
原文:
 It’s a weaving term for the yarn or thread carried by the shuttle across the warp. Hmm... lots of jargon there.

拙訳:
 織物用語で、シャトルによってワープを横切る糸や毛糸を指す言葉だ。……ん? ちょっと専門用語が多すぎだな。

 その後の文章で分かりづらかったかもしれないから簡単に言い直している箇所。つまり、わざと分かりづらく訳さないと後半につながらないということになる。

 最初は「梭(さん)によって縦糸を横切る糸や毛糸のこと」と訳してみたんだけど、それだと「意味が分かる」ようになってしまう。一読しただけでは分からないような織物の専門用語なんて分からないし、どうしようかな、と悩んだ挙句にとった手段が「英単語をそのままカタカナにする」という技。

 それ以外にも訳しづらい箇所はあって……
原文:
 So our little Sliver buddy here (and its Sliver kin) weaves mana together for your benefit!

拙訳:
 つまりこの頼れるスリバーくん(およびその親族の方々)は共に力を合わせて君のためにマナを織り上げてくれるというわけさ。

 文の初めの「our little Sliver buddy」はどうしたものか。「Little」をどうしよう、「Buddy」をどうしよう、と単語レベルで対応させるのは諦めて、全体的にこんな感じかな、という訳し方。

 あえていえば「Little」は「~くん」と小さい子供を呼び掛ける感じ、「Buddy」は「頼れる~」とすることで相棒っぽい感じを表現しようとしてみた。

 ところで「横糸には縦糸が必要」という話から「力を合わせて(together)」とつながっているみたいだけど、そもそも今回の《マナ編みスリヴァー/Manaweft Sliver》って単体でもマナが生み出せるんだよな……なんか解釈間違えてるのかもしれないと不安になる。

余談7:ルームサービスの話

 会社の先輩と一緒にオーストラリアへ海外出張したときのこと。オフィスへ向かうためのバスを先輩と一緒にホテルの前で待っていると、先輩が思いだしたように話しかけてきた。

 「そういえばさ、昨日の夜、ルームサービスって頼んだ?」
 「頼みましたよ。他に夕食の選択肢ありませんでしたし」
 「クラブサンドイッチってあったでしょ」
 「あった気がします」
 「あれ、頼んだんだよ。そしたら何度も聞き返されてさ」
 「何をですか?」
 「本当に食べたいのか、みたいな感じで」
 「注文できなかったんですか?」
 「いや、結局、注文は受けてくれたんだけど」
 「何か問題でもあったんですか?」
 「それがさ、うーん……クラブサンドイッチってどんなの想像する?」
 「え? そうですね、トーストされたパンで出てくるイメージがありますけど」
 「中身の話」
 「トマトとかレタスとかチキンとか……そういうオーソドックスな奴ですね」
 「だよねえ」
 「違ったんですか?」
 「なんか赤茶色な感じのペーストが挟まれてるだけのサンドイッチだった」
 「随分と地味な……あまりクラブサンドイッチって感じじゃないですね」
 「うん。食べてみたらカニの味がした」
 「えっ? ……あっ! ああっ!? まさか、え、そういうことですか!?」
 「そういうこと。日本人はLとRの発音の区別が下手だって言うけど本当らしいねえ」

 つまり先輩はメニューに載っている「Club Sandwich(クラブサンドイッチ)」を注文したつもりだったけど、Lの発音がRだったせいで相手のホテルマンは、メニューにない「Crab Sandwich(カニのサンドイッチ)」を注文されているのだと勘違いしてしまったのだ。

 ホテルマンも困惑しただろうな。

 「本当に(メニューにない)カニのサンドイッチが食べたいのですか?」と確認すると、相手の日本人が「はい、カニのサンドイッチが食べたいです」って平然と言ってくるんだから。

 しかしそこはプロのホテルマン。宿泊客がどうしても望むのなら最大限の努力をせざるを得ない。そんなわけでホテルにある材料を使ってメニューに載っていない「カニのサンドイッチ」を作って持ってきてくれた、ということらしい。

 ちなみに美味しかったとのこと。

 という話を《装甲のカンクリックス/Armored Cancrix》を訳しているときに思いだした。
余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 基本セット2014の色対策カードのレアサイクル。それぞれの対抗色に利する能力を持ち、ダブルシンボルでクリーチャーなところまでは共通しているけど、マナコストは3マナと2マナ、サイズは2/2と3/1と3/2と3/3と様々。

 ところでこういう「特定の色に強いカード」をなんと呼ぶかって昔は地域性があったのではないかと思う。遊び始めた頃の仲間内では「色対策」とか呼んでた気がする。

 大学に入って最初に知り合ったゲーマーの友人が「色殺し」と称するのを聞いて「ああ、プレイグループによって異なるもんなんだ」と思ったのを覚えてる。井の中の蛙が大海を知ったような。

余談2:月曜日 《鬼斬の聖騎士/Fiendslayer Paladin》

 赤と黒に強い「Fiendslayer」に対して実際に「Fiend」である赤か黒のクリーチャー・カードは22枚である、という英語カード名の言葉遊び的なネタなので日本語にすると面白さが削がれてしまうタイプの記事。

 ちなみに日本語では「鬼を斬る」というこの騎士のために赤か黒の「鬼」がマジックに何体いるのか調べてみた。どうやら76体もいるらしい。

 アメリカの《Fiendslayer Paladin》と違って、日本の《鬼斬の聖騎士》は「Fiend(悪鬼)」だけでなく「Vampire(吸血鬼)」や「Ghoul(食屍鬼)」まで相手にしないといけないから大変だ。

 日本語版の読みは「おにぎりのせいきし」ではないことを付記しつつ、訳の話。
原文:
 This Paladin has a lot of work ahead of him.

拙訳:
 鬼(Fiend)を斬り伏せるこの聖騎士の前に立ち塞がる敵は数多い。

 難しかった。この聖騎士の「work」が「仕事、戦い、困難、試練」のいずれに相当するのか、また「ahead of him」も「眼前に、目の前に、向かう先に」などなど選択肢が多かった。最終的には「work」はこのあとに紹介される22枚の「クリーチャー」につなげることを考えて「敵」とした。

 なお冒頭の「This Paladin」を「鬼(Fiend)を斬り伏せるこの聖騎士」としたのは、こう書いた方が「今回は名前ネタです」というのを分かりやすく伝えられるかな、と思ったから。

余談3:火曜日 《潮縛りの魔道士/Tidebinder Mage》

 強そうだけどレアと言われると少し違和感のあるカード。記事でも紹介されてるけど「4マナ 3/3 飛行」でこの能力だったらアンコモンなんだよな。

 カードとしても良くまとまってるし、フレイバーも良い。潮の流れを魔法で操って相手の動きを止めるから「潮縛りの魔道士」。分かりやすい。

 対抗色の赤と緑って水が苦手なのかな、と思ったりしつつも、こまい訳の話。

 原文の「tapped another permanent and kept it pinned down」の「pinned down」はやっぱり「釘づけにする」がしっくり来るかな、とか、原文の「but Dungeon Geists was a little different」の「little different」は「少し違う」が正確な訳なんだろうけど、自身がタップし続けなくてもよい、というのは優秀な点なのだから「一味違う」と訳してみた、とか。

余談4:水曜日 《生命散らしのゾンビ/Lifebane Zombie》

 生まれる前の生命を散らしてしまう死神のようなゾンビ。「Bane」という単語は過去にも多くカード名に登場してきたけど「生命散らし」って聞いたことないな、と思ったので調べてみた。

 まず「Bane」の単語が独立して用いられているカード名一覧。どうやら「苦悩」と「破滅」が多いみたい。例外は《走者止め/Runner’s Bane》か。イラスト見ると物理的に足止めされてるから「苦悩」とか「破滅」だと変だし、そういうことなのかな。

 《タララの苦悩/Talara’s Bane》
 《召喚士の破滅/Summoner’s Bane》
 《工匠の破滅/Builder’s Bane》
 《生命を破滅させるもの/Bane of the Living》
 《破滅小径の仲介人/Bane Alley Broker》
 《破滅小径の悪党/Bane Alley Blackguard》
 《秘宝の破滅/Relic Bane》
 《走者止め/Runner’s Bane》

 次に「Bane~、~bane」のような複合語。こっちも基本は「破滅~」や「苦悩~」が多い。それと「~封じ」。あとは例外的なものとしてラシーダさんの2つ名か。ここで言ってる「Scale(鱗)」はドラゴンを指すので、要はドラゴンスレイヤー。

 《破滅蜂/Banewasp》
 《破滅蜂の苦悩/Banewasp Affliction》
 《苦悩火/Banefire》
 《悪斬の天使/Baneslayer Angel》
 《有害な前兆/Baneful Omen》
 《ラシーダ・スケイルベイン/Rashida Scalebane》
 《呪文散らしのケンタウルス/Spellbane Centaur》
 《墓いらずのゾンビ/Gravebane Zombie》
 《影封じ/Shadowbane》
 《斧折りの守護者/Axebane Guardian》
 《斧折りの雄鹿/Axebane Stag》
 《精霊の敵/Spiritbane》
 《魔女封じの宝珠/Witchbane Orb》
 《魔道士封じの鎧/Magebane Armor》

 そんなわけで《生命散らしのゾンビ/Lifebane Zombie》以外にも《呪文散らしのケンタウルス/Spellbane Centaur》という「散らし」仲間がちゃんといました、という話。

余談5:木曜日 《精神灼き/Mindsparker》

 先制攻撃持ってるってことは素早いか、もしくは非常にとらえづらい動きをしているか。イメージ的には「不規則な動きで飛び回る雷球。反発する魔法力(対抗色)を感じると反射的に電撃を放つ」、そんな精霊。

 以下、余談。あまりにも見慣れ過ぎてて逆にど忘れしてたのが「先制攻撃」の英語名。「Fastだっけ? First?」とか「1単語だっけ、2単語だっけ? キーワード能力って基本的に1単語だったような……」と混乱した。

余談6:金曜日 《魔女跡追い/Witchstalker》

 そこら中でネタにされてたけど顔デカいよね、とかはさておき訳の話。
原文:
 Which Witch does the Witchstalker stalk?

拙訳:
 どの魔女の跡を《魔女跡追い/Witchstalker》は追っているのだろうか?

 原文の「ウィッチ ウィッチ does ウィッチ ストーク ストーク」というリズミカルな文章を日本語に置き換えるのは速攻で諦めた。なんの根拠もないけど、真木孝一郎さんだったらなんとかできるかもしれない。
余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 新たな基本セットの神話レアが取り上げられている週。カードそのものに注目してもらいたいからか、Card of tha Dayの文章がやけにシンプルだった(オブラートにくるんだ表現)。

 ところで最近オブラートって見なくなった気がするんだけど、そんなことない? 技術が進んで昔よりも薬が飲みやすくなってきているから、今の子供ってオブラート知らないんじゃないかな、と勝手に思ってる。

余談2:月曜日 《テューンの大天使/Archangel of Thune》

 そういえば「Thune」で「テューン」と読むんだな、とあらためて気づいた。行ったこともないシャンダラーの次元の発音にどうこう言ってもしょうがないとはいえ「Thune」というつづりは個人的に「スーン」と読みたくなる。マジックに出てくる英単語で言うと「Threshold」が「スレッショルド」になるみたいに。

 そもそも日本語のカタカナ表記「テューン」自体、実際はどう発声されるんだろう。「Tune」と同じなのかな。こっちは日本語だと「チューン」と表記されるのが普通だけど。

余談3:火曜日 《風読みのスフィンクス/Windreader Sphinx》

 7マナの神話レアなのに「場に出た瞬間は何もしない」「能力が相手のデッキに一部依存する」「単体で相手を殺すのに7ターンかかる」という点を考えると弱そう。ただ満月をバックにしたイラストはとても綺麗。

余談4:水曜日 《闇の領域の隆盛/Rise of the Dark Realms》

 イラストのせいで、一部にリリアナ神輿と呼ばれているカード。わっしょい、わっしょい

 そういえば日本も夏祭りの季節だなという季節ネタはさておき訳の話。
原文:
 This is not the first time we’ve seen the Dark Realms on a card name, as a version of Liliana is of there.

拙訳:
 君が闇の領域(Dark Realms)をカード名に見たのはこれが初めてではない。リリアナの別バージョンがいるからだ。

 よく見たら「君(You)」じゃなくて「私たち(We)」だった。気が向いたら直しておこう。それはさておき訳すときにちょっと考え込んでしまったのは「as a version of Liliana is of there」。

 まず「version of」をどうしようかということ、そして2つ目の「of」がよく分からないということ(というか2つ目の「of」っていらない子だと思うんだけど)。とりあえずこの2つ目の文をそのまま訳すと……

   闇の領域(Dark Realms)をカード名に見たのはこれが初めてではない。
   なぜならバージョンのリリアナがそこにいるから。

 ……と意味不明になる。多分、文脈から推測するに「リリアナの別バージョンがいるから」でいいんだろうなあ、と思ってそう訳しつつも、結局は脳内補完に依る部分が大きすぎて軽い敗北感がある。

余談5:木曜日 《ヴァルカスの災い魔/Scourge of Valkas》

 《シヴ山のドラゴン/Shivan Dragon》を1マナ軽くして1回り小さくしたドラゴン。そう書くと弱そう。しかもトリプルシンボル。つまりこのカードの価値はもう1つの追加能力にかかっているわけだけど、これ、どうしても「赤単」というより「コンボ」の匂いがするんだよなあ。

 要するに《悪斬の天使/Baneslayer Angel》強すぎ、という話。

余談6:金曜日 《カロニアのハイドラ/Kalonian Hydra》

 攻撃するたびに本人が2倍になるのはなんとなくイメージできる。通り道にあるものをなんでもかんでもを取り込んで際限なくデカくなるってことなんだろう。

 それはいいんだけど。

 《茨森の模範/Bramblewood Paragon》に鍛えられたエルフの戦士や、ぜんまい仕掛けの《機械仕掛けの獣/Clockwork Beast》や、成長した《カヴーのタイタン/Kavu Titan》たちが、従軍しているだけで一緒にどんどんデカくなるってのはどういうことなんだろう。 食欲旺盛なハイドラにあてられて好き嫌いがなくなって、すくすく成長するってこと?

 それともハイドラから生命エネルギーみたいなものがダダ漏れになってて、似た体の仕組みを持つ(同じように+1/+1で強くなってる)クリーチャーは近くにいるだけで影響を受けるとか。

 どっちもイマイチだな。フレイバーテキストもあまり助けにならなかった。悔しい。
余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 今週のテーマはおそらくアメリカのテレビドラマシリーズ「X-FILE」……かな?

   月曜:《残響する真実/Echoing Truth》
   火曜:《潮の虚ろの漕ぎ手/Tidehollow Sculler》
   水曜:《皮裂き/Skinrender》
   木曜:《煙突/Smokestack》
   金曜:《腐れ落ち/Molder》

 キーワードは順に【Truth】【Sculler】【???】【Smoke】【Molder】だったと思われる。テレビドラマシリーズ「X-FILE」との関連はそれぞれ以下の通り。

 【Molder】と【Sculler】に対し、主人公2人の名前が「Mulder」と「Scully」。【Truth】は、9シーズンに渡ったシリーズの最終話のタイトルが「The Truth」であること。【Smoke】に対し、主人公たちの宿敵に当たるキャラの名前が「Smoking Man」。

 ここまではなんとなくそれっぽいんだけど、「Skinrender」がよく分からない。そもそもシリーズをまともに観たことはなく、上記の情報も「Mulder」と「Scully」からX-FILEを連想して、Wikipediaなどで調べたもの。

 ところで上記を調べている最中、MTG Salvation の掲示板でも Card of the Day の元ネタ探しの話題が上がっていたのを発見。そっちでも同じような推測をしている方がいて、彼(彼女)に言わせると関連性は以下の通り。

   Molder - Mulder
   Smokestack - Smoking Man
   Skinrender - Aliens
   Tidehollow Sculler - Scully
   Echoing Truth - The truth is out there

 ちなみに上記のコメントが書かれていたスレッドの元々の話題は「今週のカードの《Smokestack》ってもしかして次のFrom the Vaultに入るカードだから紹介されたんじゃね?」だった。

余談2:月曜日 《残響する真実/Echoing Truth》

 残響シリーズで一番有名なカード(だと思う)。効果を思い出せるのはこれと黒い残響(-2/-2)くらいかな。あとは……緑が+2/+2、赤が1点ダメージ、白が何点か軽減だっけか? うろ覚えで書いてるので多分間違ってる。

 残響音というとどうしてもゲーム帝国を思い出すのはさておき訳の話。
原文:
 that’s a Furnace Dragon "flying above the sea while beams of quicksilver metal shoot up from the ocean to destroy the flying creature."

拙訳:
 《炉のドラゴン/Furnace Dragon》が「海の上を飛んでいる最中に飛行クリーチャーを破壊しようと海から水銀のビームを撃ち込まれたところ」らしい。

 気になっているのは「beams of quicksilver metal shoot up」の部分。

 くだらないと言われそうではあるけど「ビーム」とカタカナに訳すのは手抜きっぽいというか、訳す以上、日本語の(非カタカナ語の)ほうがいいのかなあ、と考えたけど「水銀の~」と書かれているのに「光線」とするのも変な気がして、結局は素直に「ビーム」。とりあえずビーム。

余談3:火曜日 《潮の虚ろの漕ぎ手/Tidehollow Sculler》

 2マナクリーチャーがどんどん強くなるなあと思いつつ訳の話。
原文:
 But what of Tidehollow? It’s a region of the Alara shard of Esper, back when Alara was in shards, prior to it being reborn.

拙訳:
 しかし、では「Tidehollow」は何を指すのだろう? 「Tidehollow」とはアラーラがまだ再誕する前、断片に分かれていた頃のエスパーの次元に存在した地域だ。

 よくある「英語で読む分には解釈に困らないけど日本語に訳そうとすると手こずる」文章。「region」を「地方、地域、地名」のどれにしようかなあ、「エスパーの断片の地方」ってなんか不自然な気がするなあ、とか、そういう単語単位の悩みとは別の話

 3つの文章がコンマでつながれていて、それぞれ直前を修飾している感じになってる。簡単に訳すと、?マーク以降の文章は以下のことを言いたいだけ。

   (a) それはエスパーの断片に存在する地域の名前である。

 それがコンマ以降の文章で修飾される。まず「back when Alara was in shards」。

   (a) それはエスパーの断片に存在する地域の名前である。
   (b) まだアラーラが断片だったときの話である。

 さらに「prior to it being reborn」がついてくる。

   (a) それはエスパーの断片に存在する地域の名前である。
   (b) まだアラーラが断片だったときの話である。
   (c) アラーラが再誕する以前である。

 英語の修飾は日本語にすると逆順になるので引っくり返す。

   (c) アラーラが再誕する以前である。
   (b) まだアラーラが断片だったときの話である。
   (a) それはエスパーの断片に存在する地域の名前である。

 つなぎ目を整えると「Tidehollow」が何なのかを表す文章になる。

   (c) アラーラが再誕する以前、
   (b) まだアラーラが断片だったとき、
   (a) エスパーの断片に存在する地域の名前である。

 実際の拙訳は前述したとおり「アラーラがまだ再誕する前、断片に分かれていた頃のエスパーの次元に存在した地域だ」としてみた。日本語になってるかな。なってると思う。なってるよ(自己暗示)。

余談4:水曜日 《皮裂き/Skinrender》

 このクリーチャー名を見ると、メジャーのムネリンがピッチャーを惑わすためにベース上で盗塁をするふりをして、そのジェスチャーがあまりに変だったため、外国人の実況者が「Kawasaki!」と連呼しながら爆笑してた動画を思い出す。

余談5:木曜日 《煙突/Smokestack》

 前にも書いたけど、《煙突/Smokestack》と言えば、相手のこれにパーマネントを破壊しつくされたのに、なかなか相手の場にフィニッシャーが現れなくて「まだー?」とか言いながらただただ手札を切っていた悲しいデュエルを思い出す。

 なお相手の煙突デッキのフィニッシャーは《漂うジン/Drifting Djinn》。イラストが好き。

余談6:金曜日 《腐れ落ち/Molder》

 フレイバーテキストにある Kamahlite の日本語訳が気になる。カード画像を検索して確認すると「カマール教」となっている。Wisdom Guildのカードデータでもそうなってる。

 でも公式カードデータ検索エンジンである Gatherer で日本語テキストを検索すると「カマーライト」となっている。この「カマーライト」という表記、基本的に Gatherer にしか存在しないみたい。気になる。
余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 カード名の由来がネタ。いや由来と言うよりカード名に使われている変な単語や珍しい単語の解説というべきかな。造語や背景ストーリー独自の用語なども含めて。

余談2:月曜日 《目覚ましヒバリ/Reveillark》

 英語版の名前の由来についての記事で、なんでも「réveil + lark」で「reveillark」らしい。そのまんまだ。日本語名も「目覚まし + ヒバリ」で「目覚ましヒバリ」となっている。

 ただ後半の「lark」については、無邪気に明るく遊ぶ様子という意味もあるらしく、イラストの雰囲気はそこから来ているとのこと。さすがに日本語カード名はそこまではフォローしきれなかったか。

 カードのフレイバーとしては「明るく無邪気なヒバリの精霊が死ぬとき、かわりに小さき者たちを死という眠りから目覚めさせる」という感じか。おとぎ話っぽい。

 個人的には「LARK」と言われると煙草を思い出すなあ、とか思いつつ、訳の話。
原文:
 This card’s name is made up of the words "réveil" (French for "awakening," from which we get our word "reveille") and "lark" ~

拙訳:
 このカードの名前は2つの単語の組み合わせからできている。
 1つ目は「réveil」でこれはフランス語で「awakening(目覚め)」を意味する単語であり、英語の「reveille(起床の合図)」の語源でもある。2つ目は「lark」で~

 原文では1文であるところをいくつにも区切っている。また英語では括弧内に収めている部分をそのまま括弧無しで長々と書いている。どっちが読みやすく分かりやすいかを試行錯誤してこうなった。

余談3:火曜日 《遍歴のカゲロウ獣/Errant Ephemeron》

 これといってカードに思うところがないので、訳の話。
原文:
 While it certainly might look like "Ephemeron" is a name created by modifying the ending of "ephemera"

拙訳:
 見た目は確かに「カゲロウ(Ephemeron)」そのものに見えるかもしれないが、名前の実の由来は「ephemera」の末尾をもじったものだ。

 そんなに見た目がカゲロウ(虫)っぽいかなあ、と腑に落ちないまま訳してた。あらためて考えると原文の「it certainly might look like」っていうのはジョークなのかもしれない。まあ、そもそもカゲロウの見た目なんてよく知らないんだけど。

余談4:水曜日 《夜の星、黒瘴/Kokusho, the Evening Star》

 体から黒い瘴気を放出しているから「Kokusho(黒瘴)」なんだよ、という名前の由来ネタ。英語サイトの原文でも、ちゃんと漢字で「黒」と「瘴」が表示されていたのがなんか嬉しい。

 それはさておき、モダンマスターズで神話レア枠を占めていることから随分と叩かれたご様子。まあ、確かに弱くはないしカッコ悪くもないけど、他の「当たり」の神話レアと比べると分が悪すぎる。

 しかも追い打ちをかけるかのように「伝説のクリーチャーが同時に出ても片方生き残らせていいよ」というありがた迷惑なルール改訂まで加わり、ますます肩身が狭い事態になってる。不憫だ。

余談5:木曜日 《ゴブリンの太守スクイー/Squee, Goblin Nabob》

 カードの名前の由来と言うより、カード名に使われている英単語「Nabob」の語源を紹介している。元々はムガール帝国の領主を指す言葉だったらしい。

 日本語版で用いられている「太守」は元々は中国で使われていた官職名で、それを平安時代ごろから日本でも使うようになったらしい。さらにWikipediaによると様々な外国の官職名の訳語としても当てられていると紹介されており、その中に「ムガル帝国の諸州におかれたナワーブ」があった。

 この「ナワーブ」から英語版Wikipediaの「Nawab」へリンクが張られており、Nawabから派生した官職名の1つとして「Nabob」が紹介されていた。要するに「Nabob」を「太守」と訳した翻訳スタッフはさすがだな、という話。

余談6:金曜日 《スポロロスの古茸/Sporoloth Ancient》

 日本語で考えると「スポロロス」より「スポポロス」のほうが語呂が良さそう。

 ところでこのカードの日本語訳がなかなか面白い。「Sporoloth = スポロロス」なのだから「Ancient = 古茸(ふるたけ)」ということになってしまうけど、当然「Ancient」に茸(キノコ)なんて意味は欠片もない。

 英語名ではSporolothの中に胞子をいう意味が含まれておりキノコであることが分かるけど、日本語で「スポロロス」なんて言っても「ああ、でかいキノコね」なんて伝わらないから、上記の通り訳したんだろうな。

 ただ「Reveillark」を「目覚ましヒバリ」を訳して良いなら「Sporoloth」を「茸巨獣」にするのもギリギリセーフなんじゃないかと思った。もしくは英語名が「胞子 + デカい生物」を意味するところから「キノコザウルス」とか。(そりゃ違うカードだ)
余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 先週に続けて、発売を間近に控えたモダンマスターズのカードたちとカードギャラリーの紹介。今回は神話レア限定。先週後半から記事が驚くほどシンプルになっていたけど、この週もそれを継続。モダンマスターズ発売直前で忙しかったのかもしれない(優しい目で)

余談2:月曜日 《大祖始/Progenitus》

 こういう全色マナが並んでいるカードを見ると、リーフファイトの《藤田浩之》を思いだす。いや、まあ、どちらかというと《スリヴァーの女王/Sliver Queen》や《世界の源獣/Genju of the Realm》のほうが近いんだけど。

 実質、1単語しか訳してない訳の話。
原文:
 The mighty Progenitus first appeared in Conflux.

拙訳:
 この強大なる《大祖始/Progenitus》はコンフラックスで初登場した。

 要は「mighty」をどうしようかという話で、選択肢が多すぎて逆に困った。人それぞれ。

余談3:火曜日 《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》

 原文のリンク先にあるアンケートの「So ... Who is the SECOND best Planeswalker ever?(史上2番目に最強であるプレインズウォーカーは誰だと思う?)」に笑ってしまった。最強は常に1人か。

 ところでエルズペスさんのイラストは初代の《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》のほうが好き。2代目はカッコいいけど、やっぱり女性だし綺麗な1代目が個人的には好み。

余談4:水曜日 《鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breaker》

 実質、1単語しか訳してない訳の話、ふたたび。
原文:
 The popular Kiki-Jiki, Mirror Breaker originally appeared in Champions of Kamigawa.

拙訳:
 大人気である《鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breaker》は神河物語で初登場した。

 要は「popular」をどうしようかという話。いや「popular」が「人気のある」なのは知ってるんだけど、じゃあ「人気のある《鏡割りのキキジキ》」にするか「みんな大好きな《鏡割りのキキジキ》」のほうが自然なのか「人気者である《鏡割りのキキジキ》」のほうがより自然なのか……意外と大変だった。段々「人気」がゲシュタルト崩壊してくるし。

余談5:木曜日 《光と影の剣/Sword of Light and Shadow》

 モダンマスターズに再録されるにあたってレアリティが神話レアに格上げされた。これで今まで1段階しかなかった《大剣/Greatsword》とのレアリティ差が2段階となったので、強さの隔絶にもより納得がいくようになったかもしれない。
Greatsword / 大剣 (3)
アーティファクト — 装備品(Equipment)
装備しているクリーチャーは+3/+0の修整を受ける。
装備(3)((3):あなたがコントロールするクリーチャー1体を対象とし、それにつける。装備はソーサリーとしてのみ行う。)
引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Greatsword/

余談6:金曜日 《サルカン・ヴォル/Sarkhan Vol》

 実質、1単語しか訳してない訳の話、三度目。
原文:
 This not-mad version of Sarkhan Vol first appeared in Shards of Alara.

拙訳:
 狂ってないほうの《サルカン・ヴォル/Sarkhan Vol》はアラーラの断片で初登場した。

 どうしようか迷って結局は記事の方に注釈をつけなかったけど、この「狂ってないほうの(not-mad)」というのはもちろん《狂乱のサルカン/Sarkhan the Mad》を意識している言葉。ちなみにこっちのサルカンの登場はエルドラージ覚醒。
余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 発売を間近に控えたモダンマスターズのカードたちとカードギャラリーの紹介。あえて加えるなら、その中でも特にレア以上のカードたち。週の前半はカードに関する小ネタが書かれていたけど、後半は仕事が忙しくなったのか非常に簡素な記事になってた。

余談2:月曜日 《タルモゴイフ/Tarmogoyf》

 Diarynote界隈でモダンマスターズの当たり外れの話題になると必ず名前が出てくるカードであると同時に、2マナのバニラだとしても桁違いにデカくなれるならトップレア足り得るということを教えてくれたカードでもある。

 個人的には、強すぎてあまりルアゴイフ一族っぽくないな、と思ってる。ルアゴイフというとどこかカジュアルなイメージがある。初代の《ルアゴイフ/Lhurgoyf》、およびソーサリーだけを参照する《猛烈に食うもの/Magnivore》くらいの強さがルアゴイフっぽいかなあ。

余談3:火曜日 《真鍮の都/City of Brass》

 仲間内では「シティブラ」の名で親しまれていたカード。青白パーミッションデッキを使っていたので、これを出されたらそのまま《氷の干渉器/Icy Manipulator》でタップさせ続けてダメージを稼がせてもらってた。そのせいであまり強いカードという印象はない。

 そうそう、漫画「デュエルファイター刃」に黒幕っぽい謎めいたブラスというキャラがいたな。懐かしい。とらえどころのない彼のイメージをこの「何色でも出る(何色でもない)」というカード特性に絡めたんだと思ってる。

余談4:水曜日 《闇の腹心/Dark Confidant》

 主人のライフを支払って勝手にカードを引きまくる腹心。なんというか「人の財布だと思って気軽に買い物する癖あり。たまに限度額を超える買い物をする」と考えると、ソーシャルゲームに手を出した小学生の携帯電話の請求書を受け取る親みたいだ。

 それはさておき訳の話。
原文:
 designed by Magic Invitational 2004 winner Bob Maher, which is why you might see or hear this card affectionately referred to as "Bob."

拙訳:
 マジックインビテーショナル2004の優勝者であるボブ・マーハーによってデザインされたカードでもある。君もどこかで誰かがこのカードを親しみを込めて「ボブ」と呼ぶのを聞いたことがあるかもしれないね。

 色々とはしょったり言い換えたりした。

 原文では「see or hear」となっているのをシンプルに「聞いたことがある」だけにしたり、「referred to」を「と呼ぶ」にしたり、文章のテンポをよくするために原文にはない「どこかで誰かが」を加えたり。

 あらためて考えると「see or hear」については「聞いたり見たりしたことがある」にすれば良かったかもしれない。原文重視を標榜するならこっちか。今更だけど。

余談5:木曜日 《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》

 この日からいきなり記事がシンプルになった(オブラートにくるんだ表現)。

余談6:金曜日 《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》

 親和という時代にこれ以上ないほど適合したクリーチャーで、アーティファクト破壊されても+1/+1カウンターに変換できるし、自身を生け贄に捧げてもカウンターを引き継げるし、《大霊堂の信奉者/Disciple of the Vault》と並ぶと速やかにゲームを終わらせるし、本当に無駄のない性能だった。

 ちなみにさりげなくビースト(Beast)のクリーチャータイプを持ってる。ウメハラ。

余談7:フレイバーテキスト

 以前、《血の公証人/Blood Scrivener》のフレイバーテキストについて触れた。
ところでフレイバーの訳がちょっと気になった。
原文:
 Make sure you bleed the fine print.

日本語訳:
 契約には血判を押すこと。

 英文はなんか気の利いた言い回しをしようとしてる雰囲気があるんだけど、なんか日本語訳がすごいサッパリした真面目な文章になってる。いや感覚的なものだけど。

 今更だけど、やっとわかった。翻訳に問題はなかった。

 よくある言い回しに「Make sure you read the fine print.」というのがあって、それにかけた言い回しとして「Make sure you bleed the fine print.」というフレイバーテキストになっている。

 だから日本語版も「契約には判を押すこと。」という定型の文句にかけた言い回しとして「契約には血判を押すこと。」という訳になっている、というわけか。すっきりした。プロの訳者をなめてはいけないな。
余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 今週は分かりやすかった。カード名に「Alley」が含まれるもの。唯一、地名でないのが《野良剣歯猫/Sabertooth Alley Cat》で、唯一、2回登場したのが「破滅小径/Bane Alley」。

  月曜日:破滅小径/Bane Alley
  火曜日:影小道/Shadow Alley
  水曜日:羽虫小路/Gnat Alley
  木曜日:野良猫/Alley Cat
  金曜日:破滅小径/Bane Alley

 こうして見ると「Alley」の訳し方は特にテンプレートで決まっているというわけでもないみたい。なお読みはそれぞれ「破滅小径:はめつこみち」、「影小道:かげこみち」、「羽虫小路:はむしこうじ」。

余談2:月曜日 《破滅小径の悪党/Bane Alley Blackguard》

 訳というよりは「原文ではどう表記されていたのか」の紹介。
原文:
 A blackguard (most commonly pronounced BLA-gerd) is a rude, untrustworthy, and contemptible person.

拙訳:
 現実には「ブラックガード」より「ブラッガード」と発声されることが多い「Blackguard」とは、下品で卑劣で信用のおけない人物を指す言葉だ。

 複合語になったときに消えやすい音ってのは全世界共通で存在するもので、日本語でも「おはようございます」の「よ」や「す」を聞こえるように発声している人はあまりいない。

余談3:火曜日 《影小道の住人/Shadow Alley Denizen》

 意外と難しかった訳の話。
原文:
 The vampires of Ravnica have blank eyes-that is, eyes without irises or pupils.

拙訳:
 ラヴニカの吸血鬼の特徴として空洞化した目がある。彼らの目には瞳孔がないのだ。

 ラヴニカの吸血の目にないものは「irises or pupils」で、これは「虹彩もしくは瞳」と訳すほうが正しい。「虹彩」というのは一般に「目の色」と呼ばれる部分で、瞳孔の大きさを調節する絞りのような役割をもつ部位。

 ないほうがシンプルで分かりやすいかな、と思ったので省いた。考えてみると、知らない単語と出会って見分を広めるというのもCard of the Dayの楽しみの1つなわけで、余計なお世話だったかもしれないと少々後悔している。
原文:
 vampires of Innistrad (whose sclera, or "whites of the eye," are black)

拙訳:
 イニストラードの吸血鬼(白目部分が黒い)

 これも同じ。より原文に沿って訳すなら「強膜(いわゆる白目と呼ばれる部分)が黒い」となる。「強膜」というのは白目部分というか、白目の表面を覆っている部位を指すらしい。

余談4:水曜日 《羽虫小路の忍び寄る者/Gnat Alley Creeper》

 ギルド門侵犯のワールドガイドってどこで手に入るんだろう。店頭で配られる小冊子の類(たぐい)なのかな。公式日本語訳があるならそれに沿いたかったんだけど、見つからないものはしょうがない。

 誰か知ってたら情報ください、ということで訳の話。
原文:
 The Gatecrash world guide describes Gnat Alley as "tunnel-like" and says it is "one of the Gruul guild’s most trusted methods of navigating through Ravnica’s posh neighborhoods."

拙訳:
 ギルド門侵犯のワールドガイドにおける紹介文によると、羽虫小路(Gnat Alley)は「トンネルのよう」であり「上品ぶったラヴニカの他の住人たちに気づかれないように町を行き来するのにグルールギルドが用いる最も確実な道」らしい。

 「Tunnel-like」はそのまま「トンネルのよう」と訳したけど、「抜け道」のほうが雰囲気的には良いのかもしれないな、とか、「navigating through Ravnica’s posh neighborhoods」の「navigating through」はどういう通り抜け方を表してるんだろう、とか。

 難しかった。

余談5:木曜日 《野良剣歯猫/Sabertooth Alley Cat》

 日本語のカード名の語順だと「剣歯猫」が「野良」と化したことになるような気がする。つまり、元々は家で飼われていた「剣歯猫」がいて、それが野良化したということになる。どんな家で飼われていたんだろう。

 まあ、ありとあらゆる人種の住まうラヴニカの都市であれば飼ってる人がいてもあまり不思議ではない。むしろもっとデカいクリーチャー飼ってる人が平気でいそう。

余談6:金曜日 《破滅小径の仲介人/Bane Alley Broker》

 記事からリンクが張られている短編が面白かった。ご都合主義な展開もなく、表社会の朴訥な青年が裏社会の女性に惚れた弱みでまんまといいように使われてお金も巻きあげられてしまう話。

 とはいえ、シビアなのにどこか暖かいというか、読み終えたあとの読後感がスッキリしたものだった。登場人物たちが皆が皆、幸せだったからかもしれない。本物の幸せかどうかはさておき。

余談7:その他のゲーム

 プレイ動画を見る段階から自分で遊んでみる段階に入った。今はブラウザでソロプレイができるアグリコラオンラインで練習中。とりあえずソロプレイで50点以上をコンスタントに出せるようになったら対人戦に進もうかと。

 そうそう。最近、Diarynoteで特に流行っているマジック以外のゲームというと「人狼」と「メガテン」のご様子。正直、どっちも馴染みがなく、皆の日記を読んでもよく分からない。ちょっとさみしい。

 「人狼」は人の日記や感想を読んでると(進行部分に関わるルールの自由度が高く、会話主体なため)定石と暗黙の了解がひどく強いゲームのように感じてしまう。そこから一歩でも外れたらフルボッコにされそうな雰囲気。

 まあ、本当にそんなゲームだったら遊ぶ人が増えるはずもないので、おそらく実際に遊んでみないと面白さが分からない(TRPGのような)ゲームなんだろう。

 「メガテン」は3DS版で出た最新作がすこぶる評判が良いみたい。「女神転生」というと小説版(角川スニーカー)とゲームボーイ版(ラストバイブル)しか知らない上に両方とも触れたのが昔過ぎて何もかもすっかり忘れている身としては、過去は無視して3DS版から入るというのもありかもしれない。3DS持ってないけど。
余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 物語性を感じるカード群だったので、何かしらのテーマが隠されていそうに見える。少し前に上映された「ホビットの冒険」かな。ドワーフもドラゴンも山も出てくる。ただ「Recruiter」や「Strike Force」が絡まないから違うか。

 最後が《シヴ山のドラゴン/Shivan Dragon》と来たあとに《山/Mountain》が締めだったので「山の名前」という可能性も考えてみたけど、上手く見つからなかった。そもそも「Shivan」を「シヴ山」と訳したのは日本側の意訳に過ぎない。

 イラスト、カードタイプ、記事の内容などについては、これといって一貫性があったようには感じられない。迷宮入りかな。これ以上はこじつけでしか思いつかない。なおグーグル先生も特にご存じなかった模様。

余談2:月曜日 《遠隔+不在/Far+Away》

 分割カードの伝統である「2つのカード名を and でつなぐと熟語になる」は今回も健在らしい。日本語版は《遠隔+不在》のように熟語にならないものもあれば、《唯々+諾々》のように熟語になるものもある。

 《Far & Away》       :「far and away ~ 」で「はるかに ~ である」
 《Toil & Trouble》      :「toil and trouble」で「辛苦、労苦」
 《Beck & Call》        :「beck and call」で「言いなりになる」
 《Wear & Tear》       :「wear and tear」で「摩耗、損傷」
 《Armed & Dangerous》  :「armed and dangerous」で「武装しており危険」

余談3:火曜日 《ドワーフ徴募兵/Dwarven Recruiter》

 同じ能力だったらゴブリンの方が強いというのはドワーフからするとかなり腹立たしいことなのではないだろうか。ゴブリンのほうが有能な人材(ゴブリン材?)が多い、ってことに他ならないわけで。

 怒りっぽいドワーフのことはさておき、訳の話。
原文:
 "Duergar" is an alternative spelling of the Norse word "dvergar," which you might have guessed from context to mean the mythological dwarf.

拙訳:
 「デュルガー/Duergar」はノルウェー語の「Dvergar」を英語で表記したつづりであり、マジックでの使われ方から単語の意味が「神話上のドワーフ」であることを推測できた人もいるかもしれない。

 迷ったのは「the mythological dwarf」の部分。「Mythological」は素直に訳せば「神話の」となるのはいいとして、問題の「デュルガー/Duergar」が、ノルウェーの民話から来ているのか、童話から来ているのか、神話から来ているのかによって変えないといけない気がした。

 どうやら神話らしいので結果としてはそのままの訳に。

余談4:水曜日 《ドワーフ打撃部隊/Dwarven Strike Force》

 いや「モダン環境で使用可能なドワーフは5体いる。4体は(今日のカードに関係ない)デュルガーと呼ばれる一族だ」というからには、そのデュルガーではない5体目が今日のカードである《ドワーフ打撃部隊/Dwarven Strike Force》だと思うのが普通じゃないか。

 まさか、その5体目が《ドワーフ爆破作業班/Dwarven Demolition Team》だとは思わないし、Card of the Day(今日のカード)として取り上げられているカードが記事内容で一切触れられないまま終わるとは思わないし。

余談5:木曜日 《シヴ山のドラゴン/Shivan Dragon》

 第4版の時代には人気のあるカードとして有名だったらしいけど、当時、実際に仲間内で使われた記憶がほとんどない。第4版全盛期だったのに。

 仲間内で使われていた第4版のカードというと《セラの天使/Serra Angel》とか《大地の怒り/Force of Nature》とか《夢魔/Nightmare》とかが記憶にある。

 ……なんでこのラインアップが使われてて《シヴ山のドラゴン/Shivan Dragon》は見かけなかったんだろう。不思議だ。多分、誰も引かなかったんだろう。

 シヴ山という響きにいまだに違和感のあるカード名はさておき、訳の話。
原文:
 Shiv is a location on the plane of Dominaria (as well as a Plane from Planechase), whence came numerous cards with "Shivan" in their names.

拙訳:
 シヴはドミナリアの次元に存在する地名である(そしてまたプレインチェイスに登場する次元の1つでもある)。この地からは「シヴの(Shivan)」を含む多くのカードが生まれた。

 訳に困ったとか、1文を2文に分けてみたとか、そういう細かい話ではなく、単に「whence」という単語を知らなかったという話。最初見たときは別の単語のタイプミスだとばかり思って、辞書を引いてびっくり。

 意味としては「from where」のような感じで「そこから ~ 」となる。代名詞。

余談6:金曜日 《山/Mountain》

 アイスエイジ版の絵が一番好き。

余談7:その他のゲーム

 先々週から引き続きのマイブームとして、ボードゲームのプレイ動画を見るのが楽しい。先週は主に「カタンの開拓者たち」関連の動画を見ていたけど、今週は主に「プエルトリコ」の動画を見ている。

 Board Game m@ster ~プエルトリコ~ ルール解説
 http://www.nicovideo.jp/watch/sm9476229

 Board Game m@ster ~プエルトリコ~ 対戦編
 http://www.nicovideo.jp/watch/sm9496588

 遊んだことが一度も無く、前から気になっていたのでちょうどよいとばかりにルール解説から対戦編まで見ているんだけど、やっぱり未プレイだと理解しきれない。残念。

 ボードゲームの歴史の中で「カタン」時代と「ドミニオン」時代をつなぐ存在らしいので、アナログゲーム好きを自認する身としてはいつかは遊んでみたい。ルール把握できたらあらためて見よう。

余談8:検索ワード

 最近の検索ワードの中で一番気に入ったのは「リチャードガーフィールド 最強」。
余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 なんか隠しテーマがありそうな気がするんだけど思い付かない。あるとすればおとぎ話や童話が元になっていそうな気がする。

  《銅の甲殻/Copper Carapace》
  《野生の狩りの達人/Master of the Wild Hunt》
  《ウルヴェンワルドの熊/Ulvenwald Bear》
  《銀筋毛の狐/Silverchase Fox》
  《ボロスの猛犬/Boros Mastiff》

 自力では思い付かなかったのでギブアップ。グーグル先生に聞いてみた。

 「Fox Bear Copperって何か知ってますか?」
 「(0.22秒)知ってるよ。ディズニー映画だね。原作小説もあるけど」

 というわけで正解は「The Fox and the Hound(邦題:きつねと猟犬)」というディズニーアニメ映画(原作は同名の小説)。正直なところ、まったく聞いたことのない作品。

 カードとの絡みは「主人公がキツネと猟犬(Fox、Mastiff)」「ラスボスがクマ(Bear)」「主人公である犬の名前がコッパー(Copper)」「敵役が猟師(Master of the Wild Hunt)」。

 英語版 Wikipedia:The Fox and the Hound
 https://en.wikipedia.org/wiki/The_Fox_and_the_Hound

 日本語版 Wikipedia:きつねと猟犬
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8D%E3%81%A4%E3%81%AD%E3%81%A8%E7%8C%9F%E7%8A%AC

余談2:月曜日 《銅の甲殻/Copper Carapace》

 マナコストが(1)で装備コストが(3)。効果は「+2/+2」だけで「ブロックできない」というデメリットつき。レアや神話レアの剣を思い出してはいけない。マナコストが1点軽いから下位互換ではない、とか無駄な抵抗をしてはいけない。

 言うほど悲しい上下関係のことは忘れて、訳の話。
原文:
 After the events of the Fifth Dawn, some Viridian elves began to believe that metal wasn’t as natural as flesh... on Mirrodin.

拙訳:
 フィフスドーンの時代を経て、一部のヴィリジアンのエルフたちは、金属は肉体ほどに自然に近しい存在ではない、と考えるようになった(ミラディンにおいては普通でない考え方だ)。

 フィフスドーンを経てから初めて「metal wasn’t as natural as flesh」と一部のエルフだけが思い始めるようになった、ということは、言い換えると、それまでは「metal is as natural as flesh」と思われていたという前提があるわけだよな、という考えの元に訳してみた。

余談3:火曜日 《野生の狩りの達人/Master of the Wild Hunt》

 残念ながら寡聞にして「ワイルドハント」という伝説は聞いたことないな。大量の幽霊めいた人(猟師)や動物(馬や猟犬)が大挙してただ通り過ぎていく、というと、どこか日本の「百鬼夜行」を連想させるものがある。見たら死ぬ(もしくは不幸になる)というあたり、たちが悪いな。

 あまり詳しくない伝説について語るのもなんなので、訳の話。
原文:
 The Wild Hunt originated from ancient Gallic and Germanic folklore.

拙訳:
 英語のカード名の元ネタは、古代のガリアとドイツの民話を発祥とする「Wild Hunt」から来ている。

 英語の「originated from」をどうしようかな、と悩んだ。「~に端を発する」とか「~を起源とする」とか色々と選択肢があった。拙訳では「元ネタ」……ではなく、対応する日本語部分は「発祥とする」。

 読むとすぐ分かるかもしれないけど「英語のカード名の元ネタは」に当たる原文はない。原文はそもそも「Wild Huntという現象があり、それは民話からきている」というネタでしかない。

 でもなんで「Wild Hunt」の話をいきなりし始めるかというと当然それがカード名に含まれているからであって、そこから始めないと「今日のカード」からつながらない気がしたので。

余談4:水曜日 《ウルヴェンワルドの熊/Ulvenwald Bear》

 日本でもすっかりメジャーな「クマ」という俗称に関するネタ。本当かどうか知らないけど、どうやら英語では「クマの上位互換」を意味する「Value Bear」という俗称があるらしい。

 日本ではそれを一言で指す俗称はないなあ。「~の能力が役に立たない場合でも、少なくともクマではある」とか「~の能力を持ったクマ」とか、あくまでクマというカテゴリの一種に含めてる気がする。

 コメント欄で提案があったので今後は「雑種犬」と呼んでみようか。

余談5:木曜日 《銀筋毛の狐/Silverchase Fox》

 ガツタフの村に関する固有名詞の訳については以下の公式コラムを参照させてもらった。

  プレインズウォーカーのためのアヴァシンの帰還案内 その2
  http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/feature/191a

  プレインズウォーカーのためのアヴァシンの帰還案内 その2
  http://mtg-jp.com/reading/translated/003184/

 ついでに、上記コラムから、長老コルマンが狼男狩りを行っている部分を引用してみる。こういうことが起きた結果、人間同士も疑心暗鬼にとらわれるようになるんだよな。怖い。
 大勢の群衆の目前で、彼は狼男であると思われた4人を処刑した。それは彼らが人間の姿をとっている間に行われたので、彼らの呪いを確認するのは不可能だったが、証拠は堅固なものに思えた。人々の多くはその罰に喝采を上げたが、処刑されたうちの1人は呪いを受けていなかったと後に判明した。

余談6:金曜日 《ボロスの猛犬/Boros Mastiff》

 辞書で調べる限り、マスチフ(Mastiff)って犬の品種名っぽい。マジックの対訳で「マスチフ」と訳すのを避けたのは、あまり一般的じゃないと判断されたからなのか、実在の犬種を持ち込むのを避けたのか。

余談7:その他のゲーム

 先週から引き続きのマイブームとして、ボードゲームのプレイ動画を見るのが楽しい。先週はアグリコラやダンジョンクエストを見ていたけど、今週は主に「カタンの開拓者」の動画を見ている。

 動画を見ていて以下に間違ったルールで(もしくはローカルルールで)遊んできたのかに初めて気づいた。何しろ初めて遊んだときは、まだ日本語版が発売されていないときで、ドイツ語版の製品を手探り状態で遊んでいた。

 どういったミスやローカルルールがあったかというと……

  ・発展カードは1ターンに何枚でも使える
  ・同じ方向に道を2本以上伸ばしてはいけない
  ・騎士カードを使ったときに手札が8枚以上あるとバーストする

 ……という感じ。

 まあ、そんなことはさておき動画紹介。

 俺達は地球に良く似たカタン島に現れた開拓者だ Part1
 http://www.nicovideo.jp/watch/sm15882695

 トレーディングカードゲーム「ヴァンガード」のアニメ版のキャラクターたちが「カタンの開拓者」を遊ぶ、というプレイ動画。丁寧な解説もついているし、プレイヤーたちもキャラが立っていて楽しい。

 アニメ版の「ヴァンガード」は見たことないけど、小説版はちょっとした縁もあるので全部買ってる(小説は1巻~3巻が好評発売中(宣伝))。そのおかげで主要キャラは知っており、動画も楽しめた。

 catan m@ster~対戦編~
 http://www.nicovideo.jp/watch/sm5478035

 アイドルマスターのキャラクターたちが「カタンの開拓者」を遊ぶ、というプレイ動画。前述のヴァンガードのものと違って、こっちは参加プレイヤー1人の視点に立っているため、他プレイヤーの手札やチャンスカードが見えない。

 正直、前述のヴァンガード版のプレイ動画のほうがずっと見やすい。もっともこっちは2008年の動画だからしょうがないといえばしょうがない(ヴァンガードのほうは2011年の動画)。

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