余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 新セット恒例のFAQ週間。個々の回答例を紹介することよりも、FAQの文書をどこからダウンロードできるのかの案内としての役割が大きいのではないかと推測してる。

余談2:月曜日 《血の公証人/Blood Scrivener》

 ライフを1点失うかわりに1枚引くところを2枚引ける、ただし手札が0枚のときだけ、というカード。2マナ2/1という及第点のボディつき。

 フレイバー的には相手の弱みにつけこむ、悪徳商人的な感じなのかな。「おやおや、手札が0枚でお困りでしょう、この契約書にサインをして頂ければ……ただしあなたの生命をちょびっと頂きますよ」みたいなノリ。

 ところでフレイバーの訳がちょっと気になった。
原文:
 Make sure you bleed the fine print.

日本語訳:
 契約には血判を押すこと。

 英文はなんか気の利いた言い回しをしようとしてる雰囲気があるんだけど、なんか日本語訳がすごいサッパリした真面目な文章になってる。いや感覚的なものだけど。

余談3:火曜日 《不可侵議員/Council of the Absolute》

 イラストでは、フリーザ様の乗ってたメカみたいな座席に身を沈めている議員たちが3人。効果を鑑みるに3人の役割はそれぞれ「指定する人」「禁止する人」「軽くする人」なのかな。そう考えるとカマイタチみたいだ。

余談4:水曜日 《ゴブリンの試験操縦士/Goblin Test Pilot》

 フレイバーテキストが気になる。「操縦士ならびに試作機は全損。莫大な二次的被害を誘発」とあるんだけど……操縦士と機体が全損したなら、他に被害は一切出てないんじゃないかな。

 そもそもこのカード、どうやって「対象に2点のダメージを与える」のか、その手段がイマイチ伝わってこない。銃器の類でもないし、体当たりだとしたら自分には絶対当たらないし……。

 メカニズム自体はイゼットっぽいデタラメさにあふれてるんだけど。

余談5:木曜日 《反逆の混成体/Renegade Krasis》

 レネゲイド(Renegade)というとTRPGシステム「ダブルクロス」を思い出す。デザイナーである矢野俊作さん直々にゲームマスターをして頂いたことが何度かあるという点で印象深いシステム。

 それはさておき、英語の話。上記の「Renegade」は普通に英単語として辞書に載ってたんだけど、混成体を意味するらしい「Krasis」が見つからない。マジックの背景世界用語かな、と思って調べたら実際そうだった(オチなし)。

  Planeswalker’s Guide to Gatecrash: Part 2
  http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/feature/225

  プレインズウォーカーのための「ギルド門侵犯」案内 その2
  http://mtg-jp.com/reading/translated/004152/

 以下、混成体の解説文を引用。
混成体
 シミックのあらゆる雑種生命はそのような生物全てを指す用語である混成体と呼ばれている。(中略)ギルドは複数の有機体の特色を一つに結合させて扱おうと試み、また今も魔法を用いて現存する生物から新たな形態を生み出そうとしている。

余談6:金曜日 《腐敗農場の骸骨/Rot Farm Skeleton》

 普通のアンデッドたちは墓地の死体その他を「消費」して復活するのに対して、このスケルトンは「墓地を肥やしながら」復活する(蘇ったあとのほうが墓地に死体が増えている)。伊達にその名前に「農場」と入っているわけではないらしい。

 しかし「植物」で「スケルトン」とはまた不思議なクリーチャーだな。「植物」だって腐るわけだから「ゾンビ」だと1体の生物としてイメージしやすいんだけど、このクリーチャーの場合は骨の部分と植物の部分がきっちり分かれてそう。1体の生物というより、共生している複数の生命体みたいな。

余談7:その他のゲーム

 最近、ボードゲームのプレイ動画を見るのが楽しい。滅多に遊べなくてセオリーが分からないゲームを勉強がてら見たり、遊んでみたいとは思っているけどなかなか機会がないゲームを予習がてら見たり。

 アグリコラ(ルール説明、およびプレイ動画)
 http://www.nicovideo.jp/watch/sm13732583

 アグリコラは農場経営ゲーム。コンポーネントがとても多い上にボード自体も大きくて場所を取る。さらにルールも直観的ではない上に、1ゲームが長いので、一緒に遊んでくれる人を探すのが大変、かつ場所を確保するのも大変。

 これでつまらなければ何の問題もない(単に遊ばなければいい)んだけど、コンポーネント並べて自分だけの箱庭を作ったり、狙い通りに農場を発展できたりすることがとても楽しいし、面白いのが困りもの。また遊びたい。

 ダンジョンズアンドドラゴンズ第4版
 http://www.hobbyjapan.co.jp/dd/article/index2.html

 最近のリプレイはとにかくドラマ性やストーリー性を前面に打ち出しまくっているせいで、あまりにも「理想的な」セッションになってしまっている。それに対して「じゃあリアルなセッション、見せてやんよ!」という実況配信動画がこれ。

 リプレイみたいにいかない、と悩むようなことがあればこれを見ればいいんじゃないだろうか。実際のセッションなんてこんなもんだから。楽しんだもの勝ちだから。

 ダンジョンクエスト完全日本語版
 http://www.nicovideo.jp/watch/sm17947612

 ランダムで選んだキャラクターでダンジョンに潜ってお宝を持ち帰るゲーム。ランダムで引いたダンジョンタイルを並べて進み、これまたランダムで起きるイベントを能力値判定で回避していく、TRPG的なボードゲーム。

 動画見ていて思ったのは、とにかく「殺す気満々」過ぎるデスダンジョンだなあ、ということ。

 単なるサソリや毒ガスなどであれば判定に失敗してもダメージを受けたりターンを飛ばされたりするだけで済むけど、下手すると「失敗したら、あなたは死ぬ」というシンプル過ぎるデストラップが出現。動画でも情け容赦のない死が頻発する。必見。

余談8:発掘

 先日、実家に帰った際に親から「押し入れに私物がたくさんあるから整理するように」という指示を受けた。基本的に私物は全部処分したはず、と思ってたけど、出てくる出てくる思い出の品というゴミの山。

 学生時代のノートやプリント、卒業証書、ラジオ番組を録音したカセットテープ、外国を旅行したときに手に入れたパンフレットやチケットを貼りつけたスクラップブック、などなど。

 そんな中にカードのストレージボックスがいくつも発見。これはお宝の予感、と期待しつつ開いて発見したのがコモンカードの山だった、この諦念ときたら(アイスエイジ版の《渦まく知識/Brainstorm》とか一応出て来たけど)。

 そうそう、このイラストが気持ち悪かったな、と懐かしく《大イモムシ/Giant Caterpillar》を眺めていて、ふと気づいたことがあった。英語版と日本語版のカードが両方出て来たのでフレイバーテキストを見比べてたんだけど……
原文:
 "‘I’ve seen hornworms big as a man’s fist,’ the traveler said, and nodded soberly when our jaws went slack at his ignorance."
 —Afari, Tales

日本語訳:
 「おれは、大人の握り拳ほどのイモムシをみたことがあるんだ」旅人はそう言って、真顔でうなずいた。そのときだった。自分の無知に、旅人があんぐりと口を開けたのは。
 -アファーリー 「語り」

 これ、おかしい気がする。

 日本語版だと「真顔でうなずいた」のと「あんぐりと口を開けた」のが両方とも同じ人になってる。だけど英語版を読む限り、「真顔でうなずいた」のは「旅人(the traveler)」で、「あんぐりと口を開けた」のは、旅人の話を聞いていた「our jaws」の持ち主たちのはず。

 あえて訳すならこんな感じになるのかな。
拙訳:
 「おれは、大人の握り拳ほどのイモムシをみたことがあるんだ」旅人はそう言って、真顔でうなずいた。それを聞いた私たちは彼の無知さにあんぐりと口を開けてしまった。

 あと、これとはまったく関係ないけど、同じときに発見した《サイの暴走/Crash of Rhinos》のフレイバーテキストがロマンチックだったので紹介しておく(なおこのカード名の訳も実はちょっと怪しい。「Crash of rhinos」は「Flocks of sheep」と同じように「~の群れ」を指す言い回し)。
日本語訳:
 恋はサイのようなもの。性急で、まわりが見えない。もしも道がないならば、突き破ってでも進んでみせる。
 ── フェメレフの格言

余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 ドラゴンの迷路の各種サイクルの紹介。記事からのリンク先が多かったので訳註部分が長くなってしまった。それでも日本語訳の無いコラムへのリンクが主だったから短くてすんでると言える。

余談2:月曜日 《迷路の歩哨/Maze Sentinel》

 「迷路の走者」たちが迷路を探索する側とすると、「迷路の~」はその探索を妨害する側なのかな。なお、この記事で紹介されている「迷路の~」サイクルは、以下の5体から成っている。

  ・《迷路のビヒモス/Maze Behemoth》
  ・《迷路の嫌悪者/Maze Abomination》
  ・《迷路の歩哨/Maze Sentinel》
  ・《迷路の滑空者/Maze Glider》
  ・《迷路の急襲者/Maze Rusher》

 なんか1匹だけ方向性が違うような気がした。ネーミング的な意味で。

 いや、他の4匹は「暗黙の迷路に生息するビヒモスなんだな」「暗黙の迷路を警備する歩哨なんだな」「暗黙の迷路を滑空して上から襲ってくるんだな」「暗黙の迷路で不意をついて強襲してくるんだな」となるんだけど、黒は「暗黙の迷路で嫌われてるんだな」という感じでなんかかわいそう。

 ……嫌う側なのかな、それとも。

余談3:火曜日 《オパール湖の門番/Opal Lake Gatekeepers》

 フレイバー的には、きっと門番だけあって門の近くで戦うのに長けているってことなんだろうな。地の利を生かす戦い方を知っている、という感じ。

 より効率的に情報を収集できたり(カードを1枚引く)、戦闘に依らずに相手を弱体化させたり(-2/-2の修整)、相手の方向感覚を惑わして同士討ちさせたり(ターン終了時までコントロールを得る)。

余談4:水曜日 《ゴルガリの導き石/Golgari Cluestone》

 イラストを見る限り(明確に縮尺が分かるものはないにしても)ディミーアのは建物並みの大きさに見えるし、ゴルガリのは大岩に見えるし、個人で持ち運べそうには見えないな。……ああ、でも《自由なる者ルーリク・サー/Ruric Thar, the Unbowed》には、人間にとってのテニスボール程度の大きさなのかもしれない。

 先に出しておかないと6点ダメージでぶん殴られるけど。

余談5:木曜日 《ボロスのギルド門/Boros Guildgate》

 リンク先で紹介されている「ズームアウトした門の風景」と「ズームインした門の風景」の切り替わりがなかなか楽しいので、まだチェックしてない人はぜひ。

 どうでもいい話だけど、アゾリウスのギルド門の拡大画像を見た時、どの部分が拡大されたのかすぐに分からなくて何度も切り替えて確認し直してしまった。

余談6:金曜日 《迷路の終わり/Maze’s End》

 MTG Wikiで11種類目の門を出す方法が紹介されてた。みんな色々考えるもんだな。

 しかし「タップ状態で戦場に出る」うえに、使うたびに「手札に戻す」必要があるとは、気の長い話だな。戦場に出すギルド門がアンタップ状態なのはせめてもの情けか。

 まあ、代替勝利手段が簡単だとゲーム自体が崩壊するから、大魔界村の2周クリアくらいの難しさでちょうどいいんだろうな。
余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 先週に引き続き、迷路の走者に選ばれたクリーチャーたち。余計なお世話かもしれないけど、単独行になる迷路の探索にイマイチ向いてない人たちがいる気がする。

 手近な味方を喰らうことで生き延びる《縞痕のヴァロルズ/Varolz, the Scar-Striped》、配下のトークンたちを強化する《イマーラ・タンドリス/Emmara Tandris》、部下の指揮能力に長けた《軍勢の刃、タージク/Tajic, Blade of the Legion》などなど、もっと適任がいるんじゃないだろうかと思ってしまった。

 ……いや、タージクの「死なない(破壊されない)」という能力は明らかに単独行向きか。

余談2:月曜日 《ラクドスの血魔女、イクサヴァ/Exava, Rakdos Blood Witch》

 名前が日本語っぽい。「戦場(いくさば)」という言葉自体、好戦的なラクドスに似合ってる気もする。まあ、そんなことはさておき、訳の話。
原文:
 The Cult of Rakdos’s maze runner, Exava, is also said to be the favorite bloodwitch of the demon Rakdos himself.

拙訳:
 ラクドス教団の代表として迷路の走者となったイクサヴァは、ラクドスのお気に入りの血魔女の代表でもあるという噂だ。

 素直に訳すなら「ラクドス教団の迷路の走者であるイクサヴァはまた悪魔ラクドス彼自身のお気に入りの血魔女でもあると言われている」でいいんだけど「also」の部分を強めに拾ってみた。

 なお「demon(悪魔)」が無いのは、単には忘れてただけなので直しておく。すいません。

余談3:火曜日 《縞痕のヴァロルズ/Varolz, the Scar-Striped》

 なぜか「たてじまのヴァロルズ」と読み間違えてた。全然違う。「しまきずあとのヴァロルズ」だ。語呂悪いな。本人のせいじゃないからあまり強くも言えないけど。

 体に共生しているファンガスが刺激を受けるたびに成長して固い瘡蓋で傷口を覆ってくれるらしい。システム的には……

 1.クリーチャーを生け贄に捧げて再生
 2.生け贄に捧げたクリーチャーは活用を持つのでヴァロルズを強化

 ……という流れなので、どちらかというとキノコうんぬんより、ゴルガリ団にふさわしく死体を(文字通り)活用して自身を強化するというフレイバーな気がする。キノコ関係ないやん、という話。

 ところで「キノコ」で「ダメージを受けるほどに成長する」と言うと、懐かしのあのクリーチャー《キノコザウルス/Fungusaur》を思い出さずにはいられない。

 ちなみに、かつてはクリーチャータイプ「キノコザウルス(Fungusaur)」だったけど、今では「ファンガス・トカゲ(Fungus・Lizard)」らしい。……トカゲ?

余談4:水曜日 《精神を飲む者、ミルコ・ヴォスク/Mirko Vosk, Mind Drinker》

 なんか似た名前のクリーチャーがいたような気がした。「Mind Drinker」みたいな「心を飲む」クリーチャー。確か黒でコモンで墓地のカードを取り除くかわりにライフを失わせたような……探してみるか。

 えーと、多分、思い浮かべてたのは《魂飲み/Souldrinker》だと思われる。能力は「ライフを支払うと+1/+1カウンターが乗る」……って、全然違った。

 ところでこいつを探す過程で気付いたこととして、色んなものがマジックでは飲みこまれてるんだなあ、ということ。見かけたのをABC順にラインアップしてみる。

  《悲しみを飲み込むもの/Drinker of Sorrow》
  《塵を飲み込むもの、放粉痢/Hokori, Dust Drinker》
  《湿地飲みの巨人/Marshdrinker Giant》
  《精神を飲む者、ミルコ・ヴォスク/Mirko Vosk, Mind Drinker》
  《魂飲み/Souldrinker》
  《臭汁飲みの山賊/Stinkdrinker Bandit》
  《臭汁飲みの向こう見ず/Stinkdrinker Daredevil》
  《税収飲み/Tithe Drinker》
  《血流を飲む者/Vein Drinker》

 面白いことに(マルチカラー込みで)全色そろってる。黒ばかりになると思ってた。しかし見事に飲んでみたくないものばかりだな。あえていえば税収くらいか。

余談5:木曜日 《軍勢の刃、タージク/Tajic, Blade of the Legion》

 テイサさんとお茶会でいちゃいちゃしてたタージクさん。もっともマジック世界の恋愛ネタは、大抵の場合においてろくな結末を迎えないので、それほどうらやましいわけでもない。むしろ幸せになってくれと祈ってしまう。

 人の恋路をどうこう言ってると《ヒッパリオン/Hipparion》に蹴られるので、訳の話をする。
原文:
 Tajic leads the Warmind Initiative

拙訳:
 タージクは戦心の戦略(Warmind Initiative)と呼ばれる活動を指揮している。

 ここに出てくる背景世界の固有名詞と思われる「Warmind Initiative」の対訳が見つけられなかった。「Warmind」はカード名に出てくるので困らなかったんだけど、コラムなどを探しても「Warmind Initiative」という熟語が見当たらない。

 とりあえずは、Initiativeもカード名の対訳から拾って来ておいた。同じセットであるドラゴンの迷路に収録されている《軍団の戦略/Legion’s Initiative》がそれ。ボロスカラーでもあるし。

余談6:金曜日 《イマーラ・タンドリス/Emmara Tandris》

 イラストを見ると普通のエルフの女性だけど、サイズはなんと5/7。《甲鱗のワーム/Scaled Wurm》よりタフネスが高い。身長何センチあるんだろう。

 女性のサイズについてあれこれ言うのはマナー違反なので、訳の話。
原文:
 Aside from being the Selesnya Conclave’s maze runner, Emmara is also a friend to Jace Beleren, as shown in The Secretist, Part Two.

拙訳:
 イマーラは、セレズニア議事会を代表する迷路の走者であるということ以外に、小説「The Secretist」の2巻(註1)で語られているようにジェイス・ベレレンの友人でもある。

 そして以下が、意訳し過ぎで原文と違う意味になってしまったかも、と没にした訳。
没案:
 イマーラは、セレズニア議事会を代表する迷路の走者であるということを除いても、ジェイス・ベレレンの友人という意味で重要なキャラクターだ。ジェイス・ベレレンとの間柄については小説「The Secretist」の2巻で語られている。

余談7:辞書

 ドラゴンの迷路のカード辞書が「まじっ九印どっとこむ」にアップされていたので、ありがたくダウンロードさせていただいた。いつもお疲れ様です & ありがとうございます。

 まじっ九印どっとこむ
 http://www.magikuin.com/
余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 各ギルドを代表して迷路を踏破することになった「迷路の走者(Maze Runner)」たち。迷路の走者たちをとりあげる記事を訳すときに総じて迷ったことがあって、[Guild Name]’s Maze Runner という名称。

 何を迷うことがあると思われそうだけど、これ、素直に日本語に訳すと「グルール一族の迷路の走者」や「シミック連合の迷路の走者」のようになる。助詞の「の」が2回続いてしまうので、なんか見た目がよろしくないし、意味も取りづらい(グルール一族の迷路? シミック連合の迷路?)。

 そんなわけで「~ギルドを代表する迷路の走者」とか「~ギルドの代表として迷路の走者となった」とかいうふうに訳してみたりもしている。素直にそのまま訳してることもあるけど。

余談2:月曜日 《自由なる者ルーリク・サー/Ruric Thar, the Unbowed》

 デカすぎて到達(Reach)の能力を持っている。オーガ(Ogre)というより巨人(Giant)なんじゃないかな、こいつ? もう1つのキーワード能力である警戒(Vigilance)は双頭のおかげで死角がないということなんだろうと解釈してる。

 クリーチャーでない呪文を唱えるとダメージを与えるというのは、うーん、どういうことなんだろう。背後をとられると反射的に防衛行動をとってしまうゴルゴ13みたいに、なんか怪しげな振舞い(分かりづらい呪文の詠唱)を近くでされると反射的にぶんなぐっちゃうとか?

余談3:火曜日 《イゼットの模範、メーレク/Melek, Izzet Paragon》

 迷路の走破のためだけに作り出された人工生命、それがこのメーレクらしい。迷路の探索が終わったら用無しなのか。かわいそうに。

 その能力はソーサリーかインスタント呪文の効果が倍になる(自動的にコピーが作られる)というもの。補給に乏しいダンジョン内では有用な能力かもしれない。飛行(Flying)のほうが役に立ちそうとか言っちゃいけない。

 訳の話。
原文:
 The Izzet League created Melek specifically to act as the guild’s runner for the Implicit Maze.

拙訳:
 隠された迷路(Implicit Maze)を踏破する迷路の走者として、イゼット団が専用に作りだした奇魔、それがこの《イゼットの模範、メーレク/Melek, Izzet Paragon》だ。

 ここに出てくる「隠された迷路(Implicit Maze)」という言葉の訳については、公式サイトを参照にした。具体的には「Implicit Maze」という言葉が出てくる公式サイトの記事の日本語訳を参照にした。

 Magic Arcana: Teh Dragon’s Maze Prerelease
 http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/arcana/1156

 上記の公式サイトの設定を「日本語」にして確認したところ、以下のような対訳になってた。
原文:
 Players (that’s you) will work collectively to advance their chosen guild through the Implicit Maze each round.

日本語訳:
 各ギルドのプレーヤーみんなが協力し合って、各ラウンドごとに隠された迷路を進んでいきます。

 そんなわけで「隠された迷路」としたわけなんだけど、あらためて他の公式記事を見ていると違う訳を発見。以下の英語版と日本語版のプレリリース紹介記事では「暗黙の迷路」となっていた。

 Magic Arcana; Dragon’s Maze Prerelease
 http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/arcana/1197

 日本語公式サイト:『ドラゴンの迷路』プレリリース
 http://mtg-jp.com/publicity/014251/
原文:
 At your store you’re going to be diving into your own Implicit Maze, competing against the other guilds to see who can win the race to Maze’s End.

日本語訳:
 近くのお店であなた自身の「暗黙の迷路」に潜っていき、他のギルドとの競争をして、〈迷路の終わり〉へのレースで誰が勝つのかを目にしましょう。

 時期的にもこっちのほうが新しい記事だし、カギ括弧つきで「暗黙の迷路」と書かれているのでこっちが正式訳っぽい気がする。次からはこっちを使おう。

余談4:水曜日 《育殻組のヴォレル/Vorel of the Hull Clade》

 4/4は当たり前、さらには「6/6のオーガ」、「5/7のエルフ」、「2/2だけど再生もち」、「2/2だけど破壊されない」などのスペックがひしめきあう迷路の走者の中で、真っ先に脱落しそうなクリーチャー。

 カウンターを増やす能力というのも、前線より本拠地の研究室で活躍しそうな能力に見える。そんな彼が迷路の走者に選ばれた理由が気になる。しかも元々グルール団の一員だったのに、シミック連合に移ってきたという経緯があるらしい。不思議な人だな……って、種族「人間・マーフォーク」なの!? ますます不思議だ。

余談5:木曜日 《第10管区のラヴィニア/Lavinia of the Tenth》

 記事で「特筆すべきアゾリウス評議会の拘引者としてその名を知られていた(rose to prominence as a highly quotable arrester)」とあるのに検索結果に出てこないのはある意味皮肉なんだろうか。

 なお検索条件は「フレイバーテキストに Lavinia を含むカード」。ドラゴンの迷路のカードがまだGathererに登録されていないせいかと思ったけど「カード名に Lavinia を含むカード」だとちゃんとヒットするし……うーん。

05月02日 追記:
 コメントで指摘のあったとおり、言語設定の問題だった。フレイバーテキストを検索するときは気をつけよう。なおあらためて英語設定にして検索、ヒットしたカード6枚は以下の通り。

 ・《装甲輸送機/Armored Transport》
 ・《拘引/Arrest》
 ・《死教団のならず者/Deathcult Rogue》
 ・《騒乱の大祭/Havoc Festival》
 ・《軽騎兵の巡視部隊/Hussar Patrol》
 ・《ブリキ通りの市場/Tin Street Market》

余談6:金曜日 《幽霊の特使、テイサ/Teysa, Envoy of Ghosts》

 公式記事でお茶飲んでるテイサが可愛いのでみんなも読むとよい。さらに言うと最後のテイサの台詞のインパクトもなかなかのもので、この「ドラゴンの迷路」におけるテイサの物語のラストがとても気になった。

  Uncharted Realms: Teysa Karlov
  http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/ur/242

  日本語公式:テイサ・カルロフ
  http://mtg-jp.com/reading/translated/ur/018321/
余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 羊(Sheep)、豚(Pig)、馬(Hipparion)、貴族(Aristocrat)、農場(Farm)という単語がカード名に並んでいる。なんかありそうな気がするんだけど、それが何か分からない。うーん。なんかのおとぎ話かな。ボードゲームっぽい気もする。

余談2:月曜日 《Flock of Rabid Sheep》

 記事のリンク先にある《錆胞子の羊/Rustspore Ram》のカード画像は製品版と同じものなので、カードタイプに「Sheep」が入っていなかった。そのせいで「名前にRamが入ってるやろ?」という単なる笑い話なのかと思った。なにしろ04月01日の記事なので。

 ありがとう、MTG Wiki。

余談3:火曜日 《黄道の豚/Zodiac Pig》

 記事にあった「Jade Emperor of China」が分からなくて調べてみたところ「中国の天帝」を指す言葉とのこと。そうなんだ。「Jade」って「翡翠」のことだよな。玉璽が翡翠で出来てるとか?(調べずに書いてみる)

余談4:水曜日 《ヒッパリオン/Hipparion》

 名前がかわいい。臆病なので、パワーの高いクリーチャーは(魔力で強制されない限り)ブロックできない。装備品などでタフネスを強化しても生来の性質は変えられない、という点も含めてフレイバー的には良いクリーチャー。あと名前がかわいい。

 ところでフレイバーの訳に話。
原文:
 "Someone once said that Hipparions are to Warriors
 what Aesthir are to Skyknights. Don’t believe it."

日本語訳:
 昔、誰かが言っていた。戦士にとってのヒッパリオンは、例えて言うなら、
 飛空騎士にとってのエイスサーのようなものだと。真に受けるんじゃないぞ。

 いいなあ、と思ったのは、英語では1文になっている箇所を2文にして読みやすくしているという点、それと最後の「Don’t believe it」の訳し方。教示するような、また、諭すような言い方。

余談5:木曜日 《カルテルの貴種/Cartel Aristocrat》

 訳すのに苦労したので(性懲りもなく)色々書いてみる。
原文:
 The Orzhov are known for their wealth and greed, but they are also patrons of the arts.

拙訳:
 オルゾフはその豊かさと強欲さで有名だが、彼らはまた芸術活動を支援するパトロンとしても知られている。

 後半は「芸術のパトロンでもある」の直訳でいいのかもしれない。だけどどうしても個人的にそれだと自然な日本語じゃない気がしてしまったんだ。あと前半の「wealth and greed」も色々と選択肢があって迷った。
原文:
 They commission architecture, objets d’art, and (at least in some cases) performance art extolling the virtues held dear by the guild.

拙訳:
 オルゾフは彼らの教義を讃える様々な芸術の作成を依頼する。依頼するのは建造物や美術品、ときには芝居だったりもする(このときのように)。

 日本語が怪しい。あらためて考えてみると「ギルドが大切にしている教義を讃える芸術作品の作成を依頼する」のほうがいいかもしれない……いや、どうだろう。うーん。そもそも「教義」じゃなくて「美徳(Virtue)」なんだよな、原文。「ギルドが重要視する美徳」? うーん。そんな行ったり来たりを繰り返した。

 ついでに、同じ箇所の「performance art」もちょっと迷ったけど、幸いこれはコラムの公式訳があったので、それに倣うことで解決した。

余談6:金曜日 《僻遠の農場/Remote Farm》

 色マナを2マナ出せるけど自壊する土地というと思いだすのがターボ抹消というデッキ。8マナのリセット呪文《抹消/Obliterate》をキーカードとしたコントロールデッキ。

 デッキで他にも使われていたのは、インベイジョンの「タップで出て来て、普段は1マナ、サクると2マナ」という土地サイクルだったけど、こっちは多色環境を反映して「友好色2マナ」を生み出すものだった。

 そのせいでマナの管理が煩雑となり、ほとんどの土地をサクリファイスして捻出した8マナで《抹消/Obliterate》を撃った直後に対戦相手から「いや、赤2マナないですよね」というツッコミが入ることがごく稀にあったとかなかったとか。
余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 白と黒のオルゾフ週間。個人的には白黒のマルチカラーカードといえば今も昔も《宿命の戦い/Righteous War》1択なんだけど、そんなことはどうでもいい。

余談2:月曜日 《幽霊議員オブゼダート/Obzedat, Ghost Council》

 個人的な語呂の悪い名前トップ10に間違いなくランクインするオブゼダート。そんなことより重要なのは、オブゼダートって個人名じゃなくて、集団の名前なのね。知らなかった。名前が「幽霊議員」だから人の名前だと思ったんだよな。これが「幽霊議会」だったら勘違いしなかったんだけど。

 ところですでに散々ネタにされてそうではあるけど、「幽霊議員」って滅多に議会に顔を出さない人みたいだよね。議席数足りないから名前だけ置かせてよ、みたいな。

余談3:火曜日 《オルゾフの司教/Orzhov Pontiff》

 やってることはほとんど盲信的な迫害そのものだからかわいくもなんともないんだけど、英語名の「ポンチフ」がかわいい。響きがいい。ちなみにデッキ構築側カードゲームの雄である「ドミニオン」にも《司教》というカードがあり、そっちの英語名は《Bishop》。

 公式の訳はさておき、個人的な訳の話。
原文:
 And, clearly, as the pontiff shows, dying while in the service of Orzhov can actually give you some additional powers.

拙訳:
 また《オルゾフの司教/Orzhov Pontiff》を見れば分かるとおり、オルゾフへの奉仕をしている最中に死ぬことでむしろ新たな力を得ることさえある。

 英文の「clearly」の訳をどうするか。拙訳では上記のとおり「見れば分かるとおり」を《オルゾフの司教/Orzhov Pontiff》にかけてある。ただ、《オルゾフの司教/Orzhov Pontiff》にかかるなら、clearlyの直後にコンマがつくのは不自然な気もする。

 コンマで「as the pontiff shows」をくくっているということは、この部分を飛ばして、その先にある「奉仕活動中に死ぬと新たな力を得ること」にかかってるのかも、と思わないでもない。

 でもそっちだと訳しづらいからやめた(おい)。

余談4:水曜日 《不眠の晒し台/Pillory of the Sleepless》

 効果をあらためて読んだとき「あれ? このカードの感想、つい最近書いたばかりだぞ? 再登場かな」と気になったので、過去の記事を確認……ああ、なるほど。03月12日に取り上げられたギルド門侵犯のカード、《千叩き/One Thousand Lashes》がほぼ同じ効果なんだ。
《千叩き/One Thousand Lashes》のテキスト

エンチャント(クリーチャー)
エンチャントされているクリーチャーは攻撃したりブロックしたりできず、それの起動型能力は起動できない。
エンチャントされているクリーチャーのコントローラーのアップキープの開始時に、そのプレイヤーは1点のライフを失う。

《不眠の晒し台/Pillory of the Sleepless》

エンチャント(クリーチャー)
エンチャントされているクリーチャーは、攻撃したりブロックしたりできない。
エンチャントされているクリーチャーは「あなたのアップキープの開始時に、あなたは1点のライフを失う。」を持つ。

 こうやって2つ並べるとなんか間違い探しみたいなカードテキストだなあ。ライフを失う効果も片方はエンチャント自体が持っており、もう片方はクリーチャーに持たせている。

 ついでに訳の話。
原文:
 Pilloried prisoners were often pelted by an assortment of unpleasant things. It’s no wonder a person held within couldn’t sleep!

拙訳:
 多くの場合、晒し台に拘束された者は様々な嫌がらせを受けることになるので、眠れないのも不思議はない。

 末尾に「!」をつけようかどうか迷った、という話ではなくて、迷ったのは「pelted by an assortment of unpleasant things」の箇所。限界まで直訳すると「嬉しくないことの詰め合わせを投げつけられることになる」。

 色々な組み合わせを考えて(嬉しくないこと/不快なこと/嫌がらせ、詰め合わせ/あれやこれや/様々な、投げつけられる/浴びせられる/受ける)、結果、まあ上記のとおりに。

余談5:木曜日 《死盟の天使/Deathpact Angel》

 生まれたときから「その命は天使を呼ぶためだけに消費されること」が定められているという「死の盟約」を背負ったクレリック・トークンの存在。そんな強い物語性を感じさせるカードテキストとフレイバー、さらにそれを補完するコラム。フレイバー好きには非常に高得点。実戦的かどうかは知らん。

 そうそう。公式コラムの「邪教の儀式に潜入する」という雰囲気がとても良かった(英文版も日本語版も)。ダークファンタジー的なノリ。ところでこのコラムのラストで天使が語っている「テイサが完走しなければならない迷路」というのが今回の新セット「ドラゴンの迷路」なんだろうか。ちょっと気になった。

余談6:金曜日 《闇の天使セレニア/Selenia, Dark Angel》

 このカードを出すと必ずフレイバーテキストの話題になってしまう、という日本特有の現象を英語圏の人に分かってもらうのはなかなか難しいだろうな。精神ドリッパー。

余談7:トークン

 木曜日に取り上げられた《死盟の天使/Deathpact Angel》は「(3)(白)(黒)(黒),(T),このクリーチャーを生け贄に捧げる:あなたの墓地にある《死盟の天使/Deathpact Angel》という名前のカードを1枚戦場に戻す。」を持つトークンを生み出す。さらに言うなら、このトークンには「カード名(トークン名)、パワーとタフネス」も書かれている(ことになっている)。

 イニストラードの頃、「なんで両面カードを作ったかというと、一時的に他の存在に変わっているのをトークンで表すと、見えない長々としたテキストをトークン上に想像しないといけなくて、それはエレガントなデザインではないから」ということがコラムに書かれてた(下記コラムの《Screeching Bat / 金切り声のコウモリ》の項目)。

  (公式コラム) Rotations, Reflections, and Translations
  http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/ld/171

  (拙訳) 交代、反転、そして翻訳
  http://regiant.diarynote.jp/201112031619268384/

 両面カードは、表現的なメリットとルール的なデメリットの秤が、あまりにもデメリット側(ルールとゲーム進行が煩雑化する)に傾き過ぎているイメージがあり、個人的にあまり好きじゃない(見た目が面白いというメリットはかなり大きいとは思うけれど)。

 そこまでしないと表現できないものなのかどうか、という話で、そしてあらためて今回の《死盟の天使/Deathpact Angel》によって「長いテキストを背負ったトークン」の登場が許容されている。

 まあ、この《死盟の天使/Deathpact Angel》は別に変身しているわけじゃないから比較するのはおかしいかもしれないし、既存の何にも縛られずに新たな可能性を模索し続けるマジックというカードゲームの姿勢自体は尊敬すべきことではある。
余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 ディミーア週間だったらしく、青黒のカードたちが取り上げられている。その中で、本人は取り上げられていないけど、月曜日と木曜日の記事の中に名前が登場した《秘密の王、ザデック/Szadek, Lord of Secrets》は、元ディミーアのリーダー。

 秘密の王を名乗る割に人の話に割って入って雑学ネタを自分からしゃべる癖があり、《呪われたクロウヴァクス/Crovax the Cursed》と仲が悪い、という裏設定を持っている。

  Interview With Some Vampires(Mark Rosewaterのヴァンパイア週間のコラム)
  http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtgcom/daily/mr215

  ヴァンパイアに聞いてみよう!/Interview With Some Vampires(上記の拙訳)
  http://regiant.diarynote.jp/201103050019455223/

余談2:月曜日 《ディミーアの黒幕ラザーヴ/Lazav, Dimir Mastermind》

 訳に自信がない。
原文:
 Who better to lead the once secret guild than a shapeshifter perfectly suited for infiltrating Ravnica?

拙訳:
 秘密のギルドを指揮するのに、ラヴニカ世界で最もスパイ活動に適した能力を持つこの多相の戦士よりも、ふさわしい人物がいるだろうか?

 多分、直訳するとすれば「秘密のギルドを指揮するのに、ラヴニカに潜入することに非常に適している多相の戦士よりもふさわしい人物がいるだろうか?」だと思って、それを意訳。

 この直訳気味がすでに自信ない。

余談3:火曜日 《魂の代償/Soul Ransom》

 最初、イラストの意味がよく分からなかったんだけど、これ、手前の人物が「魂を奪われてしまっている」ってことなのか。いや、奥の人物があまりに迷彩色で背景に上手く溶け込んでしまっていてよく見えなくて。

  《魂の代償/Soul Ransom》のイラスト
  http://magiccards.info/gtc/en/198.html

 記事でネタにされている「魂を賭けたバイオリン勝負」の歌、中東にいたときも何度かラジオで聞いた記憶があった。おかげで「確かそんな歌があったな」と調べることができた。

余談4:水曜日 《ディミーアの魔除け/Dimir Charm》

 今年の01月09日に一度Card of the Dayに取り上げられており、2か月ぶり2回目の登場。初登場時は単に効果について触れられていただけだった。

 そのときからイラストがあまり「魔除けっぽくない」ことが気になってて、その週のまとめを書いたとき「他のギルドの魔除けは片手でも持てるサイズで、いかにも「お守り(Charm)」という感じなのに、なんで《ディミーアの魔除け/Dimir Charm》だけこんな建物みたいなイラストなんだろう」と呟いてる。

 その疑問に答えるかのようなこの日の記事曰く、景色と空間(perspective and negative space)によって成っている唯一の魔除けらしい。なるほど、分からん。

 さらに余談。この日の記事でちょうど600件目のCard of the Dayの翻訳。結構訳してきたな、と思ったけど、訳している文章の長さを考えるとTakuさんの翻訳記事200本目達成のほうが万倍すごい。お疲れ様です。

  【翻訳】ドラゴンの迷路より独占カードプレビュー 《Sire of Insanity》 by LSV
  http://misdirection.diarynote.jp/201304111416432345/

余談5:木曜日 《ディミーアの脳外科医、シアクー/Circu, Dimir Lobotomist》

 ディミーアの当時のボスが失脚してから姿を消したみたいだけど腕のいい外科医だからきっとどこかで活躍してるよ、年はとっただろうけどね、という記事。

 このボスというのが月曜日にも名前が出て来ていた《秘密の王、ザデック/Szadek, Lord of Secrets》。さすがディミーア週間だけあって出番が多い。

 ところで「かなりの年になっていることは間違いない(He’d have aged some)」で片づけられてるけど、シアクーさんの種族は普通の人間だから、さすがに死んでるんじゃないかな。

 ザデックの失脚からの月日って10年や20年の話じゃないと思うんだけど。

余談6:金曜日 《吐息の盗人の墓所/Breathstealer’s Crypt》

 ビジョンズのカード。懐かしいな。イラストに見覚えがある。使った記憶は全くないけど。

 当時は強さが分からなかった。いや、そもそも強いカードではない(と思う)けど、「弱く見える効果をあえて生かす」ことができるほどマジックに慣れていなかった、という話。

 自分にも効果があるのはデメリットにしか見えなかったし、対戦相手も必ず捨てるわけではないので不確実な効果に見えるし。

 今だったら「引いたクリーチャーカードを捨てることができる」とか「対戦相手の手札内容を把握できる」とか、色々と使い道見えてくる。多分それでも使わなかった気がする、というのは言いっこなし。
余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 カード名に「1000」が関係するカードたち、という分かりやすいテーマ。何か背景があったのかな。マジック1000周年記念だけはあり得ないとして。

余談2:月曜日 《千の針の死/Death of a Thousand Stings》

 これ、同じ針で何度も何度も刺してるんだよな。そんな非衛生的なことしてたら、そりゃライフも失われるよ……って、これだと、ライフ回復の説明がつかないことに気づいた。

 ボツ。

 ……あれ? ってことは、なんでこれライフ回復するんだ?

余談3:火曜日 《千叩き/One Thousand Lashes》

 このカードも月曜日と同じで、1000回叩かれるまでプレイヤーのライフがもたないよね。……って、これ、叩かれるのはプレイヤーなのか? いや、イラストを見ると違うな。

 うーん。

 よく考えてみたら、動けなくされたクリーチャー自体にはなんらダメージ入らないんだから……捕えたクリーチャーを縛りつけたあと、痛みだけプレイヤーに飛ばす呪文、ってところか。

 つかまったクリーチャーは申し訳なさに苦しむし、プレイヤーは味方クリーチャーの死を望むようになる。いやらしい。さすがオルゾフ、いやらしい。

余談4:水曜日 《千脚の神/Thousand-legged Kami》

 1000本の足というととても多いような気がするけど、10分の1だとタダのムカデか。じゃあ、1000年生きたムカデが《千脚の神/Thousand-legged Kami》になる、ということにしよう。

 意味不明な戯言はさておき、訳の話。
原文:
 Originally, each of the kami was a divinity, and the way to happiness was to honor them and live by their ways.

拙訳:
 元々それぞれの神々は信仰の対象であり、彼らを崇拝し彼らに従って生きることこそが幸せであった。

 原文にある「Divinity」は「神性」を意味する語。「神聖」ではない(むしろそっちのほうが訳しやすいんだけど)。「それぞれの神は神性だった」だと、どうしても「日本語」っぽくないので、意訳。

 その続きにある「them、their」が「each of the kami」なのは分かるんだけど「honor、live」のそれぞれの動詞の主語が「人」なのか「神」なのかでちょっと迷った。文脈的に人だろう、と思って、そう訳してある。

余談5:木曜日 《千年霊薬/Thousand-Year Elixir》

 カード名だけ見たときはなぜか神河ブロックのカードかと勘違いした。「千年」と漢字で書かれるとどうも和風なイメージがついてくる。

 ところでこのカードを使ったコンボデッキって存在するんだろうか。これ自体がタップしてしまうから、無限コンボ的な使い道はイマイチ難しそうなイメージがある。

???「アンタップさせるほうじゃなくて、出たターンから能力が使えるようになる効果がコンボデッキ向けなんだよ」

 ああ、なるほど。そういうことか。……誰?

余談6:金曜日 《千年王国のガーゴイル/Millennial Gargoyle》

 大仰な名前だけど実体は単なるコモンの2/2飛行クリーチャー。

 考えてみたら「1000年の長きに渡って存続している王国」の「ガーゴイル」であって、別にこのガーゴイルが1000年のあいだ生き延びてきたかどうかは関係ないよな。作られたのは王国の末期かもしれないし。

 ところでMTG Wiki見たら、いくつかの上位互換が紹介されてた。ギルド門侵犯の時代にもなって、第4版やミラージュブロックのクリーチャーの下位互換って、逆にすごいな。

 まあ《原初の土/Primal Clay》はレア(再録時にアンコモンに格下げ)で、《ブリキの翼のキマイラ/Tin-Wing Chimera》はビジョンズのアンコモン。一応、レアリティを言い訳にできなくはない。

余談7:公式記事

 少し前の記事(2月21日)だけれど。

  なかしゅー世界一周2013・第3回:プロツアー前夜~思考、試行または嗜好
  http://mtg-jp.com/reading/worldswalk/012066/

 この記事の中で、なかしゅーさんを空港まで迎えに来てくれたというプレイヤーの名前に見覚えがある気がした。プロツアー・ボストンのチーム戦で優勝経験のあるウィリアム・ジェンセン。

 世界3大リミテッダーとして知られているとあるけど、そういう方面の知識にはうといはずの自分が聞いたことあるというのはどういうことだろう……と不思議に思いつつ読み進めた先の文章。
 私は、ちょうど彼が表舞台から姿が見えなくなった後からプロツアーに継続参戦をするようになったので、実は面識ができたのは去年の8月あたり、グランプリ・ボストンの参加登録をしていたら話しかけられてから。
 なんでも殿堂をわずか0.32%差で逃したので、逆にやる気が出て復帰したとのこと。

 ん? 殿堂入り?

 ……思い出した! カイ・ブッディのインタビュー記事(註)だ。

 カイ・ブッディへの質問の中に「間違いなく殿堂入りに値するのに全然注目されていないと考える人物はいますか?」というのがあって、それに対するカイ・ブッディの回答が「個人的にはWilliam Jensenはもうちょっと注目を浴びてもいいと思う」だった。

 そうか。やっぱりすごい人だったのか。

 ところで、読みは「ウィリアム・ヤンセン」なのかと思ってたけど、なかしゅーさんの記事では「ジェンセン」となってる。アメリカ人だから「J」の読みはそっちでいいのか。なるほど。まあ、アメリカ人でも移民系かどうかでまた変わりそうだけど。
(註) カイ・ブッディのインタビュー記事
 Paulo Vitor Damo da Rosaによるインタビュー記事

  From Great to Greatest
  http://www.channelfireball.com/articles/pvs-playhouse-from-great-to-greatest/

 上記の記事の拙訳。

  最も偉大なプレイヤーであるカイ・ブッディを
  偉大なプレイヤーであるPVがインタビューしてみた
  http://regiant.diarynote.jp/201109030558571439/

余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 グルール一族こと赤緑のカードがテーマだった1週間。一昔前……じゃないな、二昔前は赤緑と言えば「ステロイド」が代名詞だった。青白というと「パーミッション」だった。

 もちろんデッキの構成にもよるけど、当時は特定の色を組み合わせたら自然とアーキタイプも限られていたもので、なんというか時代ごとの移り変わりってあるよね。

余談2:月曜日 《怒れる腹音鳴らし/Borborygmos Enraged》

 あぶないところで公式訳の存在に気づけた。公式記事って意外と検索に引っ掛かりづらくて探すのが難しい。英文記事を見つけても、さらに日本語公式訳があるかどうかを探す作業がある。

 それはさておき私訳と公式訳の比較。
原文:
 But Borborygmos has unified most of the clans and held his position as the Gruul’s mightiest clan leader for several decades now and has killed many upstarts.

公式訳:
 腹音鳴らしはグルール最強部族の指導者の地位を何十年にもわたって守り続け、数多くの成り上がり者を葬ってきた。

私訳:
 腹音鳴らしはその中でも多くの部族をまとめあげることに成功し、グルールの最も力ある部族の長として自身の地位を確立した存在である。彼はすでにその地位に数十年の長きに渡って君臨し、かつその間に多くの新たに成り上がろうとする新興勢力を叩きつぶしてきた。

余談3:火曜日 《ザル=ターの豚/Zhur-Taa Swine》

 「Zhur-Taa」の対訳が「ザル=ター」になってる。翻訳作業の中でも、こういうのってさりげなく大変そう。発音の確認もそうだし、あいだを「・(なかぐろ)」じゃなくて「=」でつなぐかどうかとか、正解がない作業。

 ところで「ザル=ター」って昔のカードに出て来たような、と思ってちょっと調べてみたけど「ザルファー(Zhalfir)」だった。《ザルファーの魔道士、テフェリー/Teferi, Mage of Zhalfir》で有名(かもしれない)。まっさきに思い出したのは《ザルファーの騎士/Zhalfirin Knight》だけど。

 さらに関係ない話。ミラージュの当時、《ザルファーの騎士/Zhalfirin Knight》などコモンやアンコモンに側面攻撃持ちの3マナ 2/2 騎士がわんさか登場していた。

 白と黒に多くいたそれらの騎士たちと《宿命の戦い/Righteous War》を入れた「白黒騎士デッキ」を作って遊んでたけど、めちゃくちゃ弱かった。3マナだらけのウィニーデッキ。でも個人的にカッコいいと思ってたんだ。

余談4:水曜日 《腹音鳴らし/Borborygmos》

 「腹音」の読みが「ふくおん」なのか「ふくいん」なのか調べに行ったら「はらおと」だったときの驚き。いや、そもそも「ふくいん」はないだろ。

余談5:木曜日 《巨大ヒヨケムシ/Giant Solifuge》

 たまにある「実在する何か」ネタ。ヒヨケムシ自体が実在し、そもそも実在するヒヨケムシ自体がそこそこ大きい生物であるという話。

 気になったので軽く調べてみた。まずヒヨケムシは(名前にムシと入ってはいるけれど)実際は蜘蛛やサソリの仲間であり、いわゆる昆虫ではないらしい。

 また色々と恐ろしい言い伝えがあり、曰く人間でさえ動けなくする麻痺毒を持つとか、ラクダの腹すら食い破るあごの力を持つとか(Camel Spiderの由来の元)、時速50kmで追ってくるとか(原チャリでも逃げ切れない)。

 興味ある人は以下のURLをチェックするよろし。ただし虫が苦手な人は全力で避けること。

  巨大ヒヨケムシ 伝説は本当か?
  http://umafan.blog72.fc2.com/blog-entry-477.html

余談6:金曜日 《The Lady of the Mountain》

 記事に「明らかにオーバーパワーでやり過ぎ感ただようもの(stats on the Lady of the Mountain are pretty impressive and over-the-top)」とあるように、リンク先のキャラクターデータが半端ない。

 多分、D&D3版か3.5版を遊んだことある人にしか伝わらないとは思うけど、軽く紹介しておくと以下の通り。

  ・レベル
              72レベル(ファイター25、ソーサラー26、スペルソード20)
  ・HP/AC
              849/59
  ・セーブ
              頑健 +64、反射 +50、意志 +47
  ・攻撃
              4回攻撃 +50/+45/+40/+35
  ・1日の呪文回数
              6/8/7/7/7/7/6/6/6/6/1
余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 金曜日のコメントであったように今週は久しぶりに分かりやすいテーマだった。そもそもこういう「隠しテーマ」があった週自体、久しぶりな気がする。ここ数カ月は新セットのカード紹介、FAQ紹介、ギルド紹介、……という具合だったから。

 それはさておき今週のテーマはおそらく「ファンタジーRPGのパーティ」。個人的には、いわゆるテーブルトークRPGの類を彷彿とさせるキーワードが並んでた。

 <カード名>                            <キーワード>
 《ピット・ファイター、カマール/Kamahl, Pit Fighter》      ファイター(Fighter)
 《盗賊の道/Way of the Thief》                   シーフ(Thief)
 《特務魔道士ヤヤ・バラード/Jaya Ballard, Task Mage》   メイジ(Mage)
 《オンドゥの僧侶/Ondu Cleric》                  クレリック(Cleric)
 《Enter the Dungeon》                        ダンジョン(Dungeon)

 ちょっと面白かったのは意外とこれらのキーワードどおりのジョブ(クラス)を持つゲームが思い付かないということ。

 思い出せる範囲で、例えばウィザードリィは「ファイター・シーフ・メイジ」はいるけど「クレリック」がおらず、かわりに「プリースト」がいる。

 ダンジョンズアンドドラゴンズ3.5版は「ファイター・クレリック」がいるけど「シーフ」のかわりに「ローグ」、「メイジ」のかわりに「ウィザード/ソーサラー」がいる。

 ソードワールドRPGは「ファイター・シーフ・クレリック」がいるけど「メイジ」がおらず「ソーサラー」がいる(響きが似ているという意味では「セージ」がいる)。

 なお「ダンジョン」はいずれにも登場する(そりゃそうだ)。

余談2:月曜日 《ピット・ファイター、カマール/Kamahl, Pit Fighter》

 ぽるちゃ梅山先生は元気にしてらっしゃるだろうか。

余談3:火曜日 《盗賊の道/Way of the Thief》

 フレイバーとカード的な強さを天秤にかけているカード。

 相手の陣地に忍び込むことを考えると、能力が機能するかどうかは対戦相手側にある土地に左右されるほうが(フレイバー的には)それっぽい。

 だけど対戦相手に依存する能力(例:土地渡りやリスティック)は弱いし使いづらい。弱くて使いづらい能力は、カードもプレイヤーも不幸にする。

 だからこのカードはいいカード。

余談4:水曜日 《特務魔道士ヤヤ・バラード/Jaya Ballard, Task Mage》

 今回のテーマがファンタジーRPGのパーティだとすると、カマールとヤヤ・バラードがパーティを組むわけか。すごいな。それだけでオールスター的だ。

 あとはクレリックとシーフか。個人的に、マジック世界のクレリックというとオアリム様が真っ先に浮かぶ。タップだけで3点軽減できる人。まあ、世間では「対戦相手に土地しか置かせない人」というイメージのほうが強いんだろうけど。

 ただ、意外とシーフは思い浮かばない。誰かいたかな、名のあるシーフ。

余談5:木曜日 《オンドゥの僧侶/Ondu Cleric》

 訳の話。
原文:
 Travel through Ondu is mostly vertical, thanks to the Makindi Trenches, the trees of Turntimber, the Crypt of Agadeem, and the Soul Stair

日本語訳:
 このオンドゥを旅するときは基本的に垂直方向へ移動することになる。これは、マキンディの溝、変わり樹に生える木々、アガディームの墓所、そして魂の階段(註1)などの地形によるものだ

 1つ目としては「thanks to」の訳。「~のおかげで、~に感謝」というのが素直な訳だけど、今回の記事のような場合は「~のせいで」という感じになるかな。日本語で言うと皮肉的な場合の「ありがたいことに」みたいな。

 2つ目としては固有名詞たち。カード名になっているものはいいとして、それ以外にもちょいちょいあった。今回は幸い公式記事に旅行記があったので助かったけど、なかったら大変だったな。

 3つ目として「Vertical」。「まさか垂直じゃないだろう。南北のことかな。地形的に東西への行き来が難しいんだろう」と誤訳するところだった。ゼンディカー世界をなめてた。すいません。

余談6:金曜日 《Enter the Dungeon》

 イラストでは小さくなった魔法使い同士がテーブルの下で戦ってる。なるほど、最大ライフが5しかないってのはそういうことなのか。今更気づいた。

 ところで、注釈で紹介したようにアンヒンジドのFAQ(もしくはFAQTIWDAWCC)には日本語訳がある。信じられない。あれを全文日本語訳できる人間がいるなんて。

 まず「公式ルールに関わる文章を訳すのは難しい」。当たり前だ。何しろマジックのルールを(FAQが書けるほどに)理解していないといけない。

 それだけでも十分高いハードルなのに「ジョークを訳すのはさらに難しい」がそこに加わってる。「Gotcha」とかどないせいっちゅうねん。

 正直、公式サイトの文章の中で、これより訳が難しいのは存在しないと思ってる。半端ない。
余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 緑と青のシミック週間。シミック関係ないけど、この色の組み合わせというと真っ先に思い出すのがカバ。なおカバはカバでも《Phelddagrif》じゃなくて《コビトカバ/Pygmy Hippo》。

 2マナで2/2、マナ加速も可能という緑の特長を持ちつつ、相手のマナを吸い取るかわりに戦闘ダメージは与えられないという青っぽいトリッキーな能力も併せ持つ変なクリーチャー。使われると妙に強く見えた。

 ところでシミックギルドと言えば、清水直樹さんが有名だけど、「しみず」さんだから「しみっく」好きというわけではないよな……そんなまさか。

余談2:月曜日 《首席議長ゼガーナ/Prime Speaker Zegana》

 戦場に出るとき、自軍の中でもっとも高いパワーと同じ数の+1/+1カウンターが乗るクリーチャー。さらに自分のパワー分のカードが引ける。

 自身の力は非常に弱いけれど、他人の力を利用しながら場にいる自軍の誰よりも強い存在になる。いかにも「権謀術数に秀でた人物」というフレイバーを感じる。知力、体力、時の運の中の「知力」しか信用しないタイプ。

 あと英語の勉強として、「Speaker」は単にしゃべる人を指すのではなく「議長」を意味する。覚えておこう。仕事でも出てきそうだし。

余談3:火曜日 《深みのマーフォーク/Merfolk of the Depths》

 6マナ 4/2 瞬速。フレンチバニラだ(キーワード能力しか持っていない「準バニラ」的クリーチャーの俗称。あまり広まってない)。6マナで4/2か。6マナで4/4+能力1個でも厳しい時代なのにね。しかもアンコモン。

 フレイバーテキストがちょっと意味深。「絶滅したと思われていたマーフォークだが、実はまだ存在してた」というこの内容は、ラヴニカ世界に限った話ではなくて、マジック世界全体で起きたことでもある。

 オデッセイブロックを最後にマーフォークは一時「絶滅」していた。「魔道士が地上で魔法を撃ちあう世界なのに水棲生物を召喚するのはおかしい」とか不思議なことを誰かが言って、しかもその意見が通ったかららしい(いや、だって、それで取り除かれた《珊瑚マーフォーク/Coral Merfolk》の同型再販が《珊瑚ウツボ/Coral Eel》? ウツボの方が地上で困るだろうに)。

 その後、ファンの嘆願やら何やらで無事マーフォークは復活し、いまでは首席議長を務めるまでになったというお話だったのさ。どっとはらい。

余談4:水曜日 《シミックの幻想家、モミール・ヴィグ/Momir Vig, Simic Visionary》

 水曜日から木曜日は比較的珍しい続き物となっている。

 それはさておき、モミールと言えばやはりなんと言っても浮かぶのはモミール・ベーシック。フォーマットのルールを知ったときは、こんなん何をどうしようが運ゲーじゃないか、と思ったものだ。

 実際は、デッキに入れる基本地形の配分、何マナのときに起動するかしないか、などなど、努力と工夫の及ぶ範囲が残されているらしい。人とは諦めない生き物だな。

余談5:木曜日 《クラージ実験体/Experiment Kraj》

 モミールさんが精魂込めて作ってた実験体がこれらしい。ありとあらゆる能力を取り込み、永遠に成長と巨大化を続けるクリーチャー。

 大抵こういう実験体の末路は、創造主にすら制御できなくなって暴走する、というのがパターンだけど、フレイバーテキストを見ると、そもそも創造主本人がそれを望んでるふしが。
原文:
 "Of course it will grow beyond control—it was designed to choose its own evolution."
 —Momir Vig

日本語訳:
 当然、手に負えないところまで成長するだろう――これは自身の進化を自身で選ぶよう設計されているのだ。
 ――モミール・ヴィグ

余談6:金曜日 《トレストの密偵長、エドリック/Edric, Spymaster of Trest》

 指輪物語のせいか、エルフというと高貴なイメージがあるので、スパイという職業はちょっと意外。でも考えてみたら「エルフ・ローグ」はダンジョンズアンドドラゴンズだと基本アーキタイプだな。

 フレイバーテキストの難易度が高い。原文を読んでもよく分からず、諦めて日本語訳を読んでもイマイチよく分からなかった。どういう状況なんだ、これ。そして彼の能力とどう関連しているんだ。
原文:
 "I am not at liberty to reveal my sources, but I can assure you, the price on your head is high."

日本語訳:
 「情報元を明かすわけにはいかないが、お前の首の値段が高いのだけは保証する。」

余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 月曜日こそ最新セットからの紹介だったけれど、それ以降はセットもカードタイプもバラバラだった。何かテーマが隠されていそうな気はする。

 水曜日に「Grapes of Wrath」と映画名が出て来たので、過去にも何度かあった「映画タイトル」というネタからも思ったけど、他のカード名を見る限りそれは無さそう(《燃え柳の木立ち/Grove of the Burnwillows》には「ウィロー」が含まれてるけど)。

余談2:月曜日 《円環の賢者/Gyre Sage》

 「Gyreってなんて読むんだ? ガイルかな?」と思って調べてみたら「ジャイロ効果」の「ジャイロ」だった。なるほど。だから「円環」なのか。納得した。

 訳の話。
原文:
 Gyre Sage is about as Simic a card as you’re likely to find.

拙訳:
 《円環の賢者/Gyre Sage》は、誰もがシミックっぽいカードと感じるであろうカードだ。

 原文の言いたいことはすぐに分かるんだけど日本語にするとなると難易度が高い、というタイプの文章。上記の訳に辿りつくまで「《円環の賢者/Gyre Sage》は、君がシミックギルドのカードとして想像するであろうカードそのものだろう」とか「《円環の賢者/Gyre Sage》は、おそらく君がシミックギルドのカードこうあるべきと思うカードだろう」とか、色々と没案が浮かんでは消えて行った。

余談3:火曜日 《電結スリス/Arcbound Slith》

 攻撃が通るたびに+1/+1カウンターが置かれると聞いて何を思い浮かべるかでマジックの世代が分かる気がする。第4版から始めた身としては「スリス」より「デルヴィッシュ」が浮かぶ。ミラディンブロック以降にマジックを始めた人は何が思い浮かぶんだろう。

余談4:水曜日 《ラースの猿人/Apes of Rath》

 かけ言葉というかダジャレというかなネタ。どう訳そうか迷って、結局は訳すのを諦めた。言葉遊びを訳すのは並大抵の技量では無理。プロはすごいな、と思う瞬間。

 ところでこの《ラースの猿人/Apes of Rath》の日本語版フレイバーテキストが面白い。ヘンテコで意味はよく分からないのに語呂が妙に良いところが好きだ。
原文:
 原文:
 Monkeys three, Monkeys through.

日本語訳:
 3匹の猿、猿の中の猿。

余談5:木曜日 《燃え柳の木立ち/Grove of the Burnwillows》

 テンプレートどおりの訳かもしれないけど、抒情的でファンタジーを感じさせるその日本語カード名がとても良い。幻想的なカードイラストともマッチしてる。

 ただフレイバー的な観点からすると、なんで燃え盛る炎の樹木がライフ回復につながるんだろう、という気はしないでもない。ダメージが入るならよく分かるんだけど。

余談6:金曜日 《赤子捕らえ/Kindercatch》

 《赤子捕らえ/Kindercatch》のイラストに関する記事で、リンクは張られているコラムは「《赤子捕らえ/Kindercatch》のイラストに《不気味な人形/Creepy Doll》が登場しているよ」というネタ。

 ちなみに2011年12月02日の Card of the Day が《不気味な人形/Creepy Doll》で、その際に「カードイラストの背景にいる人形は《赤子捕らえ/Kindercatch》のカードイラストにも登場している」とネタにされており、そのときも当該のコラムにリンクが張られている。

余談7:検索ワード

2013年2月12日 08:13 冥界の裏切り者が複数墓地にいる場合

 複数いるときに墓地に新たにクリーチャーが置かれたらそれぞれの能力は別個に誘発する、というような当たり前の状況と回答が聞きたいわけじゃないんだろうな、と思った。

2013年2月12日 16:37 盗みは許せ騙しは

 《報復の矢/Avenging Arrow》のフレイバーテキストの一部。このフレイバーテキストが何かの言い回しの一部から来ているのもしれない、と好奇心にかられた人が検索したっぽい。どうでもいいけど、この検索ワードでサーチすると妙にネガティブなページばかりがヒットして気分が落ち込む。

2013年2月12日 23:26 インドリク 動物 伝説

 インドリクはマジック世界のオリジナル生物だと思ってたけど、どうやらインドリクという伝説上の生物が別途存在するらしい。ただこの幻獣の特徴は角が生えていることらしいので、マジック世界のインドリクとは全然関係ないみたい。

2013年2月13日 01:58 アラビア湾が見えるよ

 このブログの旧名。1年前に日本に帰任したことで、もうアラビア湾は見えなくなってしまったので改名した。そういえばちょうど1年前だな、日本に帰って来たの。過ぎてしまうとあっという間だ。

2013年2月14日 14:56 ヴォーパルス

 ドラフト系カードゲーム。ノリと勢いで二次創作を書き上げたくらい好き。最近のマジックと同じくらいフレイバーに富んでいるところが魅力。同人ゲームだけど一応Amazonから購入可能。

  Vorpals 【ゲームマーケット2011秋 出展作品】
  http://www.amazon.co.jp/dp/B0083WKM0K/

 なお以下のリンク先で、ブラウザ版をプレイ可能。ヴォーパルス作者も存在は知ってるらしいので、無許可で公開しているわけではないみたい。

  ほぼヴォーパルス
  http://taa764.web.fc2.com/vorpals_on.html

  ほぼヴォーパルスを作った方のブログ
  http://nanamb.blog25.fc2.com/
余談0:更新まとめ

 1月があまりに忙しかったので滞らせてものを色々とまとめて更新。今までの翻訳記事をまとめた「翻訳のまとめ」は、自分で過去の翻訳記事を読みたくなったときに探しやすくするためでもある。

  今週のCard of the Day (2013年01月 第1週) とか
  http://regiant.diarynote.jp/201302020738025843/

  今週のCard of the Day (2013年01月 第2週) とか
  http://regiant.diarynote.jp/201302101355422157/

  今週のCard of the Day (2013年01月 第3週) とか
  http://regiant.diarynote.jp/201302111557598899/

  今週のCard of the Day (2013年01月 第4週) とか
  http://regiant.diarynote.jp/201302111720071427/

  今週のCard of the Day (2013年01月 第5週) とか
  http://regiant.diarynote.jp/201302112147178778/

  翻訳のまとめ:第1回 カテゴリ別と各種統計
  http://regiant.diarynote.jp/201302111802299147/


余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 金曜日に「who you should call」とあって、水曜日には「緑のスライム」がいたので、もしかしたら「ゴーストバスターズ」がテーマだったのかな。いや、他の曜日が関係なさすぎるか。

 関連付けようと思えばできるけど、直観的ではないことは確か。うーん、なんか隠されたテーマがありそうに見えるんだけどな。一応、カード名とクリーチャータイプをリスト化しておくので、推理したい人はどうぞ。

 <カード名>                         <クリーチャータイプ>
 《鍵達人のならず者/Keymaster Rogue》         人間・ならず者
 《ロクソドンの門番/Loxodon Gatekeeper》        象・兵士
 《暴食するスライム/Gluttonous Slime》          ウーズ
 《崖の暴君、カズール/Kazuul, Tyrant of the Cliffs》 オーガ・戦士
 《霊の罠師/Geist Trappers》                人間・戦士

余談2:月曜日 《鍵達人のならず者/Keymaster Rogue》

 最初に見たとき「強いな。《大クラゲ/Man-o’-War》から1マナ増えると、パワーが上がった上にアンブロッカブルにまでなるのか」と思ったけど、そんなことなかった。ネット見てると同じ勘違いした人が他にもいるらしいことに安心した。

 訳の話。
原文:
  it carries a bag with every key it could ever need. That sounds like a helpful sort of thing for a Rogue to have around, doesn’t it?

拙訳:
 必要になるであろう鍵すべてをカバンの中にそろえているかららしい。ならず者が持ち歩くものとしては実に役立ちそうな品じゃないか?

 苦労したのは「every key it could ever need」と「a helpful sort of thing」の2箇所。言いたいことは分かるんだけど、自然な日本語に見せかけるのが大変だった。

 そもそも成功しているかどうか……「every key」だけでも「鍵全部・すべての鍵・ありとあらゆる鍵」とか色々思い付いて大変だった。

余談3:火曜日 《ロクソドンの門番/Loxodon Gatekeeper》

 宿命的な象の兵士。この記事も訳すのが難しかった。
原文:
 The Loxodon from the original Ravnica block are still around now that we’ve returned to the plane.

拙訳:
 元祖ラヴニカブロックに存在していたロクソドンたちは、私たちが再びラヴニカの次元に戻ったことを考えると現役と呼べるはずだ。

 あらためて見て思うけど、本当にこの訳で合ってるんだろうか……「ラヴニカの次元がまた舞台になったということはロクソドンという種族は今またその辺にいるはずだ」ってことだと思って、それに沿うように、かつ原文を尊重しつつ訳してみた。

余談4:水曜日 《暴食するスライム/Gluttonous Slime》

 2/2の貪食1が2体喰らってるってことは4/4になってるわけか。シルエットから察するに、食べられてるのはゴブリンかな。しかし食べれば食べるほど大きくなる、というフレイバーとスライムは非常に相性がいいな。

 個人的には、こいつが瞬速を持っているのは「素早いから」ではなくて「壁にひっついたり背景に溶け込むことで相手の不意をつけるから」だと思ってる。基本的にスライム系は動きが緩慢なかわりに発見しづらい、というイメージが強い。

余談5:木曜日 《崖の暴君、カズール/Kazuul, Tyrant of the Cliffs》

 能力は機能的にプロパガンダ系で現在では白に属する効果だけど、フレイバー的には確かに赤で問題ない。マナを支払うかどうかだけではなく、力で押し通る相手(4/4以上)には一方的に負けてしまうところがオーガっぽい気がする。

 なお、記事からリンクが張られている2010年のSavor the Flavorの記事、どこかに公式の日本語訳がないかと思って探してみたけど見つからなかった。どこかにありそうな気がする。

余談6:金曜日 《霊の罠師/Geist Trappers》

 誰かと力を合わせることで初めて浮遊する霊をとらえられるようになる戦士たち。彼らからすると、空を飛んでいるものは全て「霊」扱いらしい。

 しかし彼らだけでは捕まえられず、誰かに手伝ってもらうことでしか捕獲できないというのは、どういうことなんだろう。誰かがいれば高い所に手が届くようになる……肩車?

余談7:【翻訳】ラヴニカへの回帰のプロツアーで失格処分を受けた私について【TCG Player】

 高潮のさんのブログで紹介されていた、失格処分に関する記事。内容もさることながら、訳そうと決意させてくれたのは、ラストで登場したまさかの須藤元気。

 訳し始めたら色々と大変だった。まずは単純に長いこと。次にルール関連の文章について公式文書を調べるのが手間だったこと。以下にあげるのはそれら以外で苦労した箇所。

原文:
 He struck me as a bit bashful, and I wondered if it was his first Pro Tour.

拙訳:
 私から見ると彼はけっこう内気な感じがして、もしかしたら初のプロツアー参戦なのかな、と思った。

 「Bashful」という単語を最初「攻撃的」という意味かと勘違いした。いや、アリアンロッドだと攻撃力を高める技能が「バッシュ」だし……実際は恥ずかしがり屋とか内気って意味だった。

原文:
 "Yes", I said slowly. I knew this wasn’t what the judge wanted to hear, but it was the truth.

拙訳:
 私はゆっくりと「はい、見ました」と答えた。そう答えてはいけないと何かが告げていたけど、これは真実だ。

 対戦相手がライフの総計をメモするところを見たかどうかとジャッジに聞かれた際の返事。最初は「ジャッジに言うべきはこれじゃないと思った」と訳したけど、日本語的な自然さを優先してこうなった。

原文:
 We were in a strange, grey area of the new rules, and we’d sunken into it like it were Takenuma. (Anyone? Anyone?)

日本語訳:
 私たちは奇妙なルールのグレーゾーンに踏み込み、そこはまるで竹沼みたいに私たちを呑みこんでしまった(上手いこと言った!)

 正直、ここでものすごい悩んで、訳が止まってしまった。十中八九、括弧部分の訳は間違ってると思うんだけど、じゃあ正解は何なのかというと……うーん? 最後は目をつぶって引き金を引いたような感じ。すいません。

原文:
 First, I was incentivized to lie to a judge about my own perceptions.

拙訳:
 1つ目として、このルールは自身の認識について嘘をつくことを奨励している。

 日本語っぽさがイマイチ薄いというか、訳が固い。ここは訳し間違えてはいけない重要な箇所なので、原文を極力尊重した結果そうなった。……言い訳っぽいな。とりあえず訳としては間違っていないとは思う。

原文:
 However, they are very much in Flux, as there is no easy and clear-cut way to deal with the ubiquity of mandatory triggers.

拙訳:
 しかし強制的な誘発能力は様々な状況に起きうるもので、単純に「こうすればよい」とひとくくりに決められるものではなく、そのためルールも流動的だ。

 「ubiquity」は「そこかしこに存在する、偏在する、普遍的である」という意味。発音は「ユーベクイティ」という感じらしい。

原文:
 You’re a stain on the Magic Online Community Cup.

拙訳:
 お前はマジックオンラインコミュニティ杯に泥を塗った

 「stain」は「汚れ、シミ」という意味で、「stain on ~」となることで「~についた汚点、~の名誉を汚す」という意味になる。

原文:
 He’s a renaissance man after my own heart and a practicing Buddhist.

拙訳:
 彼は私の理想であり、敬虔な仏教徒でもある。

 ラストの須藤元気について言及している箇所。「after one’s own heart」で「探し求めていた理想の人物」という意味らしい。
余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 新セット恒例のFAQ紹介。恒例と言いつつ紹介のパターンは過去に色々あって、具体的な事例を挙げつつの記事だったり、ネタ込みの記事だったり、今回のようにFAQの文章をベタ貼りだったり。

 何にせよ、分かったつもりでいる人ほど意外な発見があるもの(鏡を見ながら)。一度は目を通してみることをおススメしたい。せっかく日本語版も用意してもらえているんだし。

  ギルド門侵犯のFAQ:まとめページ
  http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/faq/gtc

  ギルド門侵犯のFAQ:日本語版
  http://media.wizards.com/images/magic/tcg/products/gtc/JA_MTGGTC_FAQ.doc


余談2:月曜日 《夜翼の呼び声/Call of the Nightwing》

 黒かったり、飛んでたり、さらに「1匹見たら100匹いると思え」と言いたくなるようなその効果も相まって、どうしても黒いあの生き物を連想してしまう。

 ところでどうしても「暗号」をフレイバー的にイメージできない。「暗号化した呪文」をクリーチャーに編み込んで敵陣を突破させるとマナ不要で呪文を唱えられるらしい。うーん?

 「暗号を持った味方が敵陣を抜けることが出来た = 敵に暗号が内容がバレなかった = 作戦成功(呪文発動)」という流れかな。それでもやっぱりイメージしづらい。

余談3:火曜日 《無限への突入/Enter the Infinite》

 効果もマナもド派手ということで、その昔にプロフェシーで登場した9マナの「風」シリーズを思い出した。とことん使われなかったな、あれ……まあ、そもそもプロフェシーはセットごと使われなかったけど。

 FAQの内容は「デッキを全部手札に入れるという効果ではあるけど、あくまで1枚1枚引いていくということを忘れないでね」ということらしい。《地獄界の夢/Underworld Dreams》を張られてたら大変なことになるな。

余談4:水曜日 《贖罪の高僧/High Priest of Penance》

 01月07日に続いて2回目の登場。FAQの内容は「3点のダメージをくらっても3回誘発するわけではないよ」という話。あくまでダメージをくらった回数が重要。

 つまり巨大化させた《贖罪の高僧/High Priest of Penance》を鞭で打ちすえると、なぜか敵陣がどんどん壊滅していくという現象が起きる、ということらしい。……天罰ってことでいいのかな、これ?

余談5:木曜日 《幽霊議員オブゼダート/Obzedat, Ghost Council》

 このカード名を暗記している人って意外と少ないんじゃないだろうか、と思った。具体的には「濁点が入るところと入らないところ」が分かりづらいというか……ずっと「オブセダート」だと思ってた。

 FAQの「プレイヤーが後になって速攻を与えない呪文や能力を使ってそのコントロールを得た場合に関係することがある」という一文は必要だったのかな。永続的に速攻を得る、だけでいいような気がした。

 対戦相手の手に渡ったときに重要になるという点についてはもっと具体的な例を挙げたほうがよいのではないかと。

余談6:金曜日 《頭蓋割り/Skullcrack》

 どうやら頭蓋骨を叩き割られるとしばらくのあいだライフを得られなくなるらしい。

 というか、普通は死ぬ。
余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 最初の2日間は、ギルド門侵犯のカードギャラリーがコンプされたという報告で、それ以降の3日間は、Gatherer(公式サイトのカード検索ページ)への登録完了の報告。

 ちなみにGathererへの登録が完了すると Card of the Day のページのレイアウトがいつもどおりのスッキリしたものに変わるのですぐに分かる。

余談2:月曜日 《不死の隷従/Immortal Servitude》

 死者を復活させるというその効果は確かに白と黒の両方に見られるものだけど、カード名の「隷従」とイラストの骸骨たちのせいで黒の匂いしかしない。

余談3:火曜日 《領域大工/Realmwright》

 テンプレート翻訳そのままなカード名。あまり「魔法で土地や風景を描き変えてしまう魔道士」って感じがしない……まだ翻訳が手探りだった時代なら、もっとフレイバー豊かな名前をもらえたかもしれない。

余談4:水曜日 《殺人の捜査/Murder Investigation》

 記事でネタにされているように、フレイバー豊かなカード。カード名と効果はとても良く合ってる。ただエンチャントなんだよね。だから「殺人事件が起きる前にすでに捜査の準備が整ってる」という、ちょっと不穏な事態に。

 ちょっと訳の話。
原文:
 According to Murder Investigation, the more powerful a creature is, the more its murder gets investigated.

拙訳:
 《殺人の捜査/Murder Investigation》によると、どうやら被害者のクリーチャーがパワフルであるほど、その殺人事件の捜査にも力が入るらしい。

 前半は「more powerful a creature is」、後半は「more its murder gets investigated」がそれぞれ迷った箇所。前半は「殺された人物がより有力者であるとき/よりパワーの値が高いとき」のかけ言葉になっているのをどうするか、後半は「より捜査される」っていうのをどう自然な日本語にするか。

余談5:木曜日 《ウォジェクの矛槍兵/Wojek Halberdiers》

 原文では「The Wojek, a special division of the Boros」とあって、この「division」について調べようとしたけどよく分からず困った。公式訳あるかなあ、と思ったけど見つからず。

 「チーム」なのか「部署」なのか「部隊」なのか……と悩んで、結局はファンタジーかつ軍隊っぽい「部隊」にしてみたけど、これ、きっと公式訳あるんだろうな。

余談6:金曜日 《実験体/Experiment One》

 なんで日本語カード名は「実験体1号」じゃないんだろう。

 何かの表現に引っ掛かるのかな。

 しかしクリーチャータイプを見た瞬間にぎょっとさせられるクリーチャーというのは珍しい。実験体となったのが人間であること、ウーズ化させられたあとも人としての何かが残ってしまっているらしい。

 ちなみに同じギルド門侵犯の新カードであり対象のクリーチャーを「カエル・トカゲ・クリーチャー・トークン」に変えてしまう呪文である《急速混成/Rapid Hybridization》も(フレイバーテキストによると)人間を対象にしたものらしい。
原文:
 "We’ve merged your life essence with that of several creatures at once. You’re welcome."
 —Speaker Trifon

日本語訳:
 「私達はお前の生命の本質を複数の生物のそれと一気に合体させたのだ。礼は言わんでいい。」
 - 議長ドリファン

 いや、「複数の生物のそれと一気に合体」させたのはさておき、肝心の人間(Human)の部分はどこにいったんだよ。
余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 ギルド門侵犯の新カードということ以外にテーマらしきものはないと思っていたけれど、カードギャラリーと紐づけている以上、新しくギャラリーに紹介されたカードたちが取り上げられているのかもしれない。

余談2:月曜日 《シミックの魔鍵/Simic Keyrune》

 読みは「まかぎ」じゃなくて「まけん」。昔、スーパーファミコンのゲームで「負けるな! 魔剣道!」というタイトルのゲームがあったなあ、と思いだした。ちなみに主人公の名前は「剣野 舞(つるぎの まい)」。ダジャレか。

 それはさておきカードの話。これらの魔鍵サイクルは「2色のマナが出る」「クリーチャーになれる」のが特徴。イラストを見ると「魔力を注ぎ込むことでクリーチャーに変形するアーティファクト」っぽく見える。合体変形ロボ的な感じ。

 マジックがもっと子供向きな玩具だったら、日曜朝の戦隊ものみたいに「それぞれがロボットに変形できるだけでなく5体を合体させて巨大ロボにもなるオモチャ」が発売されたに違いない。

 そしてカニにしか変形できない《シミックの魔鍵》が売れ残ったに違いない。

余談3:火曜日 《五連火災/Five-Alarm Fire》

 カード名の「Five-Alarm」の訳が「五連」なのが気になる。何かそういう言い回しがあるの?

 それはさておき自分の訳の話。
原文:
 The goblins in the art of Five-Alarm Fire don’t look particularly worried about the fire right behind them. Those guys are bad news!

拙訳:
 《五連火災/Five-Alarm Fire》のイラストに描かれているゴブリンたちは、すぐ後ろで燃え盛っている火災についてそれほど悪いニュースだと思っていないようだ。つまりこいつら自身が悪いニュースってことだね!

 1つ目の文の「don’t look particularly worried about the fire」は、普通に訳すと「ニュース」という単語は出てこない。「それほど心配しているようには見えない」とか「それほど気にしているようには見えない」となるはず。

 だけど2つ目の文の「Those guys are bad news!」との関連を考えて、どう訳そうか悩んで、結局こうなった。なんか間違えてるかもしれない。うーん。

余談4:水曜日 《地底街の密告人/Undercity Informer》

 フレイバー的にはどうなんだろう、このカード。クリーチャーを犠牲にして山札(特に土地でないカード)を削るという効果。「部下を敵陣に潜入させて情報操作させる」かな。物理的なダメージではなく、情報戦によるダメージ。

 サクられることを考えると「身元がバレて殺されるまで」ずっと任務から離れられないってことになる。ひどい話だ。むしろ問題は、これだとあまり「密告人」って感じがしないことか。

 ところで、こういう「山札から ~ が公開されるまでカードを公開し続ける。その後 ~」という言い回しを見るとドミニオン(元祖デッキ構築型カードゲーム)のカードを思い出す。土地カードってことは勝利点カードか……《占い師/Fortune Teller》っぽい。

余談5:木曜日 《派手な投光/Glaring Spotlight》

 記事に紹介されているアーロン・フォーサイスのコメントどおりのカード。「投光機は強い光で敵を見つけ出すだけでなく、突然スイッチを切ることで暗闇を作り出すこともできる」というフレイバー。味方はいつスイッチが切られるか分かっているわけだから、右往左往するのは敵だけなわけだ。面白い。

余談6:金曜日 《霊気化/Ætherize》

 過去にも何度かネタにされている「合字」の話。ごくまれな機会にしか使われないけど、確かにそれを使う英単語が存在するらしい。具体的には「ブリタニカ百科事典」が挙げられる。これは英語で書くと「The Encyclopædia Britannica」となるそうな。

  Wikipedia:Encyclopædia Britannica の項目
  http://en.wikipedia.org/wiki/Encyclop%C3%A6dia_Britannica

 なんなんだろう。日本語で言う「ゐ」とか「ゑ」とかに当たる文字なのかな。古い言葉にしか使われないし、今後あらたにそれを使う単語はほぼ生まれないだろうけど、確かに存在する、みたいな。
余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 1つ前の週に引き続き、ギルド門侵犯の新カードの紹介。むしろ普段の「縛り(テーマ)」が、新セットと新セットのあいだのつなぎという意味合いなのかもしれないと思ったり思わなかったり。

余談2:月曜日 《贖罪の高僧/High Priest of Penance》

 記事では「罪を犯したら、当然償うことになる」というフレイバーだと解説されているけど、このカード、よくよく見ると別に「因果応報」でもなんでもなくて、どちらかというと「罪をなすりつける」というか「冤罪」という感じが……。

 だって自分の《贖罪の高僧/High Priest of Penance》に《火葬/Incinerate》を打ちこみつつ「じゃあ君のそのクリーチャーを破壊するね」って出来るよね、これ。

 宗教団体による「超法規的な裁き」というフレイバーのほうが強い気がする。恐ろしい。

余談3:火曜日 《急速混成/Rapid Hybridization》

 どうやら青の魔法によって羊にされると 0/1 になり、猿にされると 3/3 になり、カエルとトカゲの混ざった怪物にされた場合も 3/3 になるらしい(それぞれ《羊術師/Ovinomancer》、《猿術/Pongify》、そして《急速混成/Rapid Hybridization》)。猿、強いな。

 それはさておき、もっと良い訳が出来たかもしれないと思いつつ、原文との比較。
原文:
 The Simic will take their test subjects where they can find them.

拙訳:
 シミックは被験者を選り好みしない。

 シンプルにそして簡潔に、という意味ではかなり満足している。原文って本当にそういう意味なの?、と聞かれると「たぶん」としか答えられない。

余談4:水曜日 《ディミーアの魔除け/Dimir Charm》

 他のギルドの魔除けは片手でも持てるサイズで、いかにも「お守り(Charm)」という感じなのに、なんで《ディミーアの魔除け/Dimir Charm》だけこんな建物みたいなイラストなんだろう。

 ディミーアの魔除け/Dimir Charm:画像
 http://media.wizards.com/images/magic/tcg/products/gtc/qrevu051ek_en.jpg

余談5:木曜日 《瓦礫帯の略奪者/Rubblebelt Raiders》

 日本語版に誤記があるカード。
誤:
 瓦礫帯の略奪者が攻撃するたび、あなたがコントロールする各攻撃クリーチャーの上に+1/+1カウンターをそれぞれ1個置く。

正:
 瓦礫帯の略奪者が攻撃するたび、これの上に、+1/+1カウンターをあなたがコントロールする攻撃クリーチャー1体につき1個置く。

 これ以外にも色々と異状があって、公式サイトの以下のページで報告されている。

 【重要なお知らせ】『ギルド門侵犯』日本語版の異状について
  http://mtg-jp.com/publicity/004200/

 個人的に一番すごいと思ったのは《爆弾部隊/Bomber Corps》の間違い……じゃなくて、その間違いへの対応方法。以下、異状内容とそれへの対応について書かれた箇所の引用。
《爆弾部隊》
 日本語カード名がオデッセイのカード《爆弾部隊》と重複していますが、混乱を避けるため、このカードの日本語名はそのままにし、オデッセイの《Bomb Squad》の日本語カード名を「爆弾兵団」に変更します。

 発想の転換というか、ちゃぶ台返しというか……すごいダイナミックな対応だな。つまり「過去の日本語カード名も変わる可能性がある」ということらしい。

 ところで公式サイトのお知らせの中で、上の「オデッセイのカード《爆弾部隊》と重複していますが」のカード名にカーソル合わせると「ギルド門侵犯の《爆弾部隊》」のカードデータが表示される。それは……違うんじゃないかな。

余談6:金曜日 《スラルの寄生虫/Thrull Parasite》

 1マナ1/1で能力を2つ以上持つのも珍しいことじゃなくなってしまったな。まったくクリーチャーの性能は上がる一方だ……とか見た瞬間に思ったけど、よくよく考えてみたらミラージュにギルド魔道士サイクル(1マナ1/1で2種類のタップ能力を持っているクリーチャーサイクル)があった。

 ところで「寄生虫がカウンターを食べてしまう」というフレイバーだと記事で紹介されているけど、そうだとするとなんでライフが減るんだろう? 増えるべきなのでは。
余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 ギルド門侵犯のカードということ以外には特にこれといった特定のテーマは存在しなかった模様。色もレアリティもカードタイプもバラバラ。新セットが出たばかりの頃は色んなカードを紹介して欲しいものだし、別に問題はない。

余談2:月曜日 《囁く狂気/Whispering Madness》

 ブログの記事のほうにもすでに余談として書いたけど、不思議なことにこの12月31日のCard of the Dayは1月分のページにまとめておかれている。冬期休暇後だからかな(あまり理由になってない気もする)。それはさておき訳の話。
原文:
 In the art for Whispering Madness, a Dimir mage appears to be getting advice from tiny skeleton. That’s probably safe, right?

拙訳:
 《囁く狂気/Whispering Madness》のイラストではディミーアの魔道士が小さな骸骨から助言をもらっている様子が見られる。多分、大丈夫だろう……大丈夫だよね?

 前半はまあいいとして、後半部分。本当にこの訳がいいんだろうか。イラストの魔道士ときたら怪しげな生物の力を借りているようだけど本当に大丈夫なのか……、というネタだと思うんだけど。

 ジョークっぽい言い回しは英語の意味がどうこうだけじゃなくて「本気で言っているのかジョークなのか」というところから疑わないといけないので難易度が上がる。

余談3:火曜日 《瓦礫鬼/Rubblehulk》

 「hulk」って翻訳テンプレートだと「鬼」になるのか!?、ということが意外だったので調べてみたら、今時点ではまだこのカードだけらしい。

 既存のカードで「hulk」を含むカード名はすべて「Hulk」という独立した英単語として登場しており、これらは「大男」と訳されている。たとえば《絡み森の大男/Tangle Hulk》とか《ファイレクシアの大男/Phyrexian Hulk》とかみたいに。

 英単語の一部に「hulk」が含まれている、という形で登場したのはこのカードが初めてみたいだ。1枚だけだと今後も同様にテンプレートされるかどうかは未知数だな。

余談4:水曜日 《殺人の捜査/Murder Investigation》

 誤字の指摘コメントが妙に面白かった。いやそもそも間違えちゃいけないんだけど、こうやってネタを仕込みつつ突っ込んでもらえるとなんか嬉しい。でも間違いは無いようにしないと。

 それはさておきカードの話。

 クリーチャーが死ぬと、その死について調べるために捜査員たる兵士がわらわら沸いて出てくる、というフレイバーが伝わってくる。「有力なクリーチャーが死んだときほど捜査にも多くの兵士が動員される」というのも面白い。良いカードだ。強いかどうかは知らない。

余談5:木曜日 《ディミーアの黒幕ラザーヴ/Lazav, Dimir Mastermind》

 一部の能力を残しつつ他のクリーチャーのコピーとなるカード。こういうカードは「であることを除き」がつくんだけど、このラザーヴさん、さすがギルドマスターだけあって例外が多いこと多いこと。

 ・名前が《ディミーアの黒幕ラザーヴ》であることを除いたうえで
 ・他のタイプに加えて伝説であることを除いたうえで
 ・呪禁とこの能力を得ることを除いたうえで

 上記の条件を満たした上でようやく対象のカードのコピーになるらしいけど、なんかそこまで来るともうコピーというより上位的存在というか進化体というか……親しい人じゃなくても別人だって気付くんじゃないかな。そもそも名前違うし。

 それはさておき訳に話。「彼は誰にだってなれるのだ!」と訳した箇所の原文は「He could be anyone!」。簡単そうに見えて、シンプル過ぎる分、意外と訳しづらかった。

 あと原文に「elusive」という単語があった。「とらえどころがない、見つけにくい、あやふやな」という意味。調べてみたら、この単語を名前に含むカードがちょうどギルド門侵犯に新登場してた。

 名前は《Elusive Krasis》で日本語名は《神出鬼没の混成体》。当然のように「ブロックされない」の能力を持っている。そりゃ「とらえどころがなくて、見つけにくくて、あやふや」なんだからブロックされるわけがない。

余談6:金曜日 《先端生物学者/Biovisionary》

 拙訳で「例の名無しのカード」とした箇所の原文は「The Card With No Name」。アンヒンジドのアンコモンで名前を持たないことが名前になっているマジックで唯一のカード。一応、公的にはアンダーバー5個で表記されることになっている(らしい)。

 1マナで好きな名前に変更できるだけでなく、実は1マナでフレイバーテキストも好きなカードのフレイバーテキストに変更できる能力(?)も持っている。

 10年くらい前にMark Gottliebがこのカードをネタにしてコラムを書いている。

  DailyMTG:Blankety-Blank
  http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtgcom/daily/mg153

 上記コラムの拙訳。

  《    》の話。いや、だから《    》の話だよ。ほら、アンヒンジドのあいつ
  http://regiant.diarynote.jp/201101130407484233/
余談0:翻訳

 サボり過ぎてたのでそろそろ本気出す。

余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 テーマというか、いつもの年末の挨拶だけ。ちなみに去年も最後の更新がちょうど月曜日で、この年末ネタのみ。さらに一昨年はどうだったかな、となんとなく確認しにいってみたところ……

 <2010年の最終週の Card of the Day>

  月曜日 《最後のお祭り騒ぎ/Final Revels》
  火曜日 《最後のチャンス/Last Chance》
  水曜日 《堆石堤/Terminal Moraine》
  木曜日 《焦熱の結末/Fiery Conclusion》
  金曜日 《The Ultimate Nightmare of Wizards of the CoastR Customer Service》

 ……というわけで「これで終わりだぁ!」といわんばかりにそれらしき単語(Final、Last、Terminal、Conclusion)を含むカードしかなかったことに今更気づいた。さすが、Card of the Day。

余談2:月曜日 《The Ultimate Nightmare of Wizards of the Coast Customer Service》

 ここ数年の年末恒例ネタ。長期休暇に入る前にサポートの問合せ先を教えてくれる。アングルードが出たのはもう14年(!)前ということもあって、フレイバーテキストに書かれていた問合せ先も当然変わっており、そのままでは使えない。

 ちなみに一昨年と去年は Card of the Day の記事内容が完全に一字一句同じだった。今年はそこに「受付時間の変更」そして「公式ツイッターアカウント」が追加されている。

 少しだけ訳の話。
原文:
 talk to @wizards_cs on Twitter!

拙訳:
 ツイッターから@wizards_cs宛てに話しかけてくれ!

 ツイッターだから「~宛てにつぶやいてくれ!」が自然かなあ、と思いつつも、原文が「talk to」なんだからそこは尊重して「話しかけてくれ」にしておこう、ということに。

 他にも、問い合わせの話だから「問いかけてくれ」とか「問い合わせてくれ」とかにすべきかなあ、とか色々考えたけど、最後は原文尊重ということにしておいた。

余談3:冬コミ - その1 東地区 "W" ブロック-08a

 《竜英傑、蛹/Sanagi, Dracogenius》さんがレイモス教団と組んでスペースをとられたとDiarynoteに書かれていたので立ち寄ってみた。

 ジェイス総受け本を立ち読みさせていただいて、マジックの楽しみ方は十人十色なのだなあ、とあらためて認識してから、そっと元に戻し、隣にあった「時のらせんブロック物語読本」と「1マナの重み」を購入した。

余談4:冬コミ - その2 時のらせんブロック物語読本

 まだ読み始めたばかり。

 ですます口調だと、おとぎ話の雰囲気が強くなってファンタジー向きかもしれないと思ったり、ジョイラさんがプレインズウォーカーでないことを初めて知って驚いたりしてる(年齢が凄いってのだけ知ってたので、勝手にプレインズウォーカーだと思ってた)。あと、合間に挟まっている解説が嬉しい。

 以下、作者の方のブログ
 http://aisha.blog.so-net.ne.jp/

余談5:冬コミ - その3 拡張アート

 スペースの隣で黙々と拡張アートを描かれていた絵師さんがいた。ご自由にご覧くださいとある拡張アートを恐る恐る手にとって観賞させてもらった。びっくりした。

 よくネットで見る拡張アートの写真とか、多少はデジタル加工が入ってるんだろうな、とか思ってけど、実物を前にしても色の継ぎ目が見えなかった。人間の無限の可能性を垣間見た。いや、正直、本当に驚いた。

 見た中では《悪鬼の血脈、ティボルト/Tibalt, the Fiend-Blooded》の炎がカード名の枠を焦がしてるのが印象的だった。こういう「遊び」が出来るのかー、という意味で。

余談6:冬コミ - その4 1マナの重み

 購入した「1マナの重み」という同人誌は《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben》が主人公のギャグ漫画。ちなみにサリアさんの能力は以下の通り。
Thalia, Guardian of Thraben / スレイベンの守護者、サリア (1)(白)
伝説のクリーチャー — 人間(Human) 兵士(Soldier)
先制攻撃
クリーチャーでない呪文は、それを唱えるためのコストが(1)多くなる。
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引用元:http://whisper.wisdom-guild.net/card/Thalia%2C+Guardian+of+Thraben/

 サリアさんがアホの子になってた。かわいい。彼女の能力のせいで阿鼻叫喚の地獄絵図が繰り広げられる話がメイン。面白かった。あとエルズペス様が不憫だった。

 後半は4コマ。印象的だったのは、タイトルに描かれていたアヴァシン様の聖母のごとき笑みと、サリアさんのせいで砕け散る《獄庫/Helvault》。兵士の(うわぁ…!)がツボだった。

 以下、作者の方のブログ
 http://kabikan12.diarynote.jp/
余談1:今週のCard of the Dayのテーマ

 マジックオンラインのキューブドラフトで限定的にプレイ可能となった、いにしえのパワーカードたちが勢ぞろい。テーマという意味では「マジックオンラインのキューブドラフトで新規イラストが用意された過去のパワーカード」かな。

 それぞれの新規イラストごとに壁紙が用意されており、リンクが記事で紹介されていた。

 《Black Lotus》
  http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/daily/arcana/1126

 《Library of Alexandria》
  http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/daily/arcana/1127

 《魔力の櫃/Mana Vault》
  http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/daily/arcana/1128

 《Moat》
  http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/daily/arcana/1129

 《Mishra’s Workshop》
  http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/daily/arcana/1130

余談2:月曜日 《Black Lotus》

 まさか《Black Lotus》に新規イラストが用意される日がこようとは。

 それでも、マジックオンラインのみの再登場なので、いまだ日本語名は用意されず。もちろん名前のテンプレートから予想は簡単だけど、そういう話じゃないんだ。

余談3:火曜日 《Library of Alexandria》

 マジック黎明期のパワーカード上位9枚を「パワー9」と呼ぶ。惜しいところで選から漏れた「10枚目」のパワーカード、それが《Library of Alexandria》……というと、なんか「キセキの世代にはまぼろしの6人目がいた」みたいでカッコいいな。

 ただ、初めて知った頃は、正直それほど強いカードかなあ、と思ってたけど、どうやって使うのかをプロキシで実際に回してみてもらって分かった。土地を置くタイミングに気をつければ普通に「1人《吠えたける鉱山/Howling Mine》状態」だ。

 とはいえ、超速コンボデッキや毎ターンマナを使い切るウィニーやアグロには入らないような気がする。マナ出ないし……(カード再確認)……って、ウソだろ、これマナ出せるのか!? 鬼だ。

余談4:水曜日 《魔力の櫃/Mana Vault》

 文章が長い、自分にダメージ、絵がかわいくない、など、初心者が敬遠する要素満載。

 マジックを始めたのは第4版の頃なので「使えた」時代ではあるんだけど自分で「使った」記憶がほとんどない。MoMa全盛期に友人のMoMaデッキを試しに回させてもらったときくらいかな。

 ほぼ使い捨てで3マナを生み出すという意味では《暗黒の儀式/Dark Ritual》とそう変わらないんだけど、こっちは使いまくった。黒単ウィニーデッキ、コンボデッキ、赤黒の土地破壊デッキなどなど。

 《魔力の櫃/Mana Vault》の話に戻ると、このカードは過去にコレクターズエディション版などで何度か再登場しつつも、新規イラストはこのオンライン版が初めてらしい。ちょっと意外。

 ちなみに新規イラストだとちょっとした建物並の大きさになってて、とても1マナで済みそうな代物には見えない。古いイラストのほうは比較対象がないので大きさよく分からないけど、イメージ的に段ボール箱くらいかなと思ってた。

 旧イラスト:
 http://magiccards.info/un/en/260.html

 新規イラスト:
 http://media.wizards.com/images/magic/daily/wallpapers/mana_vault_cardsized.jpg

余談5:木曜日 《Moat》

 マジックにはいくつかオカルトめいたジンクス(というか経験則?)があって、その中の1つが「文章が短いカードは強い」というもの。白のカードに多いイメージで、この《Moat》がそれ。

 ところで「堀があるから地上からは攻め込めなくなる」というのはフレイバーに沿っていて非常に素晴らしいと思うのだけれど、自分たちも出られなくなる、って、明らかな建築ミスだよな。工事責任者の身が危ぶまれる。

余談6:金曜日 《Mishra’s Workshop》

 ミシュラの工房は、彼の工場の3倍のマナを生み出せるかわりにアーティファクトしか作れない。逆にミシュラの工場は1マナしか生み出せないかわりにロボットに変形可能な上、合体することでパワーアップもできる。

 春・夏・秋・冬の4体のロボが合体して5/5の巨大ロボになる神器戦隊ミシュラズファクトリーとかちょっと考えたけど、話が広がらないのでやめた。

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